JP2002220454A - ポリエステル組成物およびコネクター - Google Patents
ポリエステル組成物およびコネクターInfo
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Abstract
発生や粘度変化が少ないポリエステル組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリエステルに(c)グリシジルエステ
ル化合物、(c)グリシジルエーテル化合物および
(d)触媒を溶融混練してなることを特徴とする。
Description
れ、さらに溶融時のガスの発生や粘度変化が少ないポリ
エステル組成物に関するものである。
レフタレート(以下PBTと称する)は、成形性、耐熱
性、機械的性質および耐薬品性などに優れているため、
自動車や電気・電子機器のコネクター、リレー、スイッ
チなどの部品のように各種成形材料として広く用いられ
ている。
題がある。PBTの耐加水分解性はカルボキシル末端基
濃度に大きく依存すると考えられており、高温高湿雰囲
気などの厳しい環境においても十分に使用可能な耐加水
分解性を実現するために、カルボキシル末端基濃度が低
いPBTが求められている。
る。例えば、特公昭44−27911号公報に記載のよ
うにフェニルグリシジルエーテル化合物を添加する方
法、特開昭57−87452号公報に記載のようにモノ
グリシジルエステル化合物を添加する方法、特開昭58
−52344号公報に記載のようにグリシジルエステル
化合物およびグリシジルエーテル化合物を添加する方法
などが提案されているが、耐加水分解性が不十分であっ
たり、溶融時に増粘するなどの問題が生じた。また、米
国特許第4229553号公報、特公昭63−4780
4号公報、特開平3−287657号公報、特表平5−
506055号公報(米国特許第5026790号公
報)、特開平6−287419号公報、特開平5−22
2279号公報(米国特許5026790号公報)、特
公平7−47685号公報(米国特許第5026790
号公報)および米国特許第5731390号公報には、
エポキシ化合物に加え、さらに触媒となるような添加剤
を添加する方法が記載されている。しかしながら、米国
特許第4229553号公報、特公昭63−47804
号公報、特開平3−287657号公報、特表平5−5
06055号公報(米国特許第5026790号公報)
および特開平6−287419号公報に記載されている
ように単にエポキシ化合物と特定の触媒と組み合わせる
のみでは、まだ十分な効果を得るには至らず、特開平5
−222279号公報(米国特許第5596049号公
報)、特公平7−47685号公報(米国特許第502
6790号公報)および米国特許第5731390号公
報に記載されているように単一の特定のエポキシ化合物
を使用し触媒を添加するのみでは、カルボキシル末端基
濃度が減少し耐加水分解性が向上するものの、その効果
は十分でなく、また加工時や使用時にガスが大量に発生
したり、成形品を加水分解処理した際にブリードアウト
するなどの問題があり、十分に満足できる方法は得られ
ていない。
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
優れ、さらに溶融時のガスの発生や粘度変化が少ないポ
リエステル組成物を提供することにある。
めに、本発明のポリエステル組成物は、(a)ポリエス
テルに(b)グリシジルエステル化合物、(c)グリシ
ジルエーテル化合物および(d)触媒を溶融混練してな
ることを特徴とするものであり、これにより耐加水分解
性に優れ、さらに溶融時のガスの発生や粘度変化が少な
いポリエステル組成物を提供することができる。
記(a)ポリエステル100重量部に対して(e)耐衝
撃性改良材1〜100重量部を溶融混練してなること、
前記(a)ポリエステル100重量部に対して(f)充
填材1〜100重量部を溶融混練してなること、ポリエ
ステル組成物中のカルボキシル末端基濃度が5eq/t
以下であること、前記(b)グリシジルエステル化合物
が分子内にグリシジル基を一つ有する化合物であるこ
と、前記(b)グリシジルエステル化合物が、飽和脂肪
族モノカルボン酸のグリシジルエステル化合物または芳
香族モノカルボン酸のグリシジルエステル化合物である
こと、前記(b)グリシジルエステル化合物が、安息香
酸グリシジルエステルまたはバーサティック酸グリシジ
ルエステルであること、前記(c)グリシジルエーテル
化合物が分子内にグリシジル基を一つもしくは二つ有す
る化合物であること、前記(c)グリシジルエーテル化
合物が、芳香族グリシジルエーテルであること、前記
(c)グリシジルエーテル化合物が、フェニルグリシジ
ルエーテルまたはビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂であること、前記(d)触媒が、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の有機塩であること、
前記(d)触媒が、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の炭素数6以上の有機酸塩であること、前記(d)触
媒が、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、安息香酸ナトリウムのいずれか一種以上であるこ
と、前記ポリエステルがジカルボン酸あるいはそのエス
テル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分と
する縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体、
あるいはこれらの混合物であることが、いずれも好まし
い条件である。
(b)グリシジルエステル化合物、(c)グリシジルエ
ーテル化合物および(d)触媒を溶融混練することを特
徴とするポリエステル組成物の製造方法である。
からなるコネクターである。
が、カルボキシル末端基との反応性などの性質が異なる
(b)グリシジルエステル化合物と(c)グリシジルエ
ーテル化合物を併用し、さらに(d)触媒を併用するこ
とで、(a)ポリエステルに元々存在するカルボキシル
末端基との反応性だけでなく、加水分解により新たに生
成するカルボキシル末端基との反応性により、カルボキ
シル末端基濃度の増加が顕著に抑制されることが考えら
れる。
カルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)と
ジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主
成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重
合体、あるいはこれらの混合物である。
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p
−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸および
これらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。ま
た、ジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリ
コールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子
量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエ
チレングリコール、ポリ−1、3−プロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらの
エステル形成性誘導体などが挙げられる。
例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポ
リシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよびポ
リエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイ
ソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート
/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/セバケー
ト、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシ
レート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポ
リエチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート/5−ナトリ
ウムスルホイソフタレートなどが挙げられ、これらは1
種または2種以上使用することができる。なかでも、ポ
リエステル組成物の成形性の観点から、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ア
ジペート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカル
ボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/アジペー
トなどが好ましく、さらに好ましいのはポリブチレンテ
レフタレート、その共重合およびこれらの混合物であ
る。
5%のオルトクロルフェノール溶液を25℃で測定した
固有粘度が0.5〜1.5dl/gの範囲のものが好ま
しい。
ルエステル化合物とは、エステル化されたグリシジル基
を有する化合物のことであり、その具体例としては、安
息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジル
エステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステ
ル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリ
シジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バ
ーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシ
ジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレ
ン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエ
ステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸
ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリ
シジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メ
チルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジ
グリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリ
シジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステ
ル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、
トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット
酸テトラグリシジルエステルなどが挙げられ、これらは
1種または2種以上使用することができる。なかでも、
溶融粘度安定性の観点から、分子内にグリシジル基を一
つ有する化合物が好ましく、さらに飽和脂肪族モノカル
ボン酸のグリシジルエステル化合物または芳香族モノカ
ルボン酸のグリシジルエステルであることが好ましく、
さらに安息香酸グリシジルエステルやバーサティック酸
グリシジルエステルがより好ましい。
は、ポリエステル100重量部に対して0.1〜3重量
部が好ましく、また0.1〜2重量部がより好ましく、
さらには0.3〜1.5重量部が最も好ましい。
ルエーテル化合物とは、エーテル化されたグリシジル基
を有する化合物のことであり、その具体例としては、ブ
チルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エ
チレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテ
ル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリ
シジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシ
ジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類と
エピクロルヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビス
フェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂など
が挙げられ、これらは1種または2種以上使用すること
ができる。なかでも、溶融粘度安定性の観点から、分子
内にグリシジル基を一つ、または二つ有する化合物が好
ましく、さらに芳香族グリシジルエーテルが好ましく、
さらにフェニルグリシジルエーテルやビスフェノールA
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。
は、ポリエステル100重量部に対して0.1〜5重量
部が好ましく、また0.5〜3重量部がより好ましく、
さらには1.0〜2.5重量部が最も好ましい。
は、グリシジル基と(a)ポリエステルのカルボキシル
末端基との反応を促進する効果のある化合物であり、そ
の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸リチウム、水素化ほう素ナトリウ
ム、水素化ほう素リチウム、フェニル化ほう素ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸
リチウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸水素二カリ
ウム、りん酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナ
トリウム塩、同二カリウム塩、同二リチウム塩、フェノ
ールのナトリウム塩、同カリウム塩、同リチウム塩、同
セシウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化スト
ロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、
酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金
属化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ
ヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミ
ン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチ
ルアニリン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン、
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2
−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾール
などのイミダゾール化合物、テトラメチルアンモニウム
クロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリプロピルベンジルアンモニウム
クロライド、N−メチルピリジニウムクロライドなどの
第4級アンモニウム塩、トリメチルホスフィン、トリエ
チルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチル
ホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラメチルホス
ホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチル
トリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベ
ンジルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ト
リブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチル
ジフェニルホスフェート、トリ(p−ヒドロキシ)フェ
ニルホスフェート、トリ(p−メトキシ)フェニルホス
フェートなどのリン酸エステル、シュウ酸、p−トルエ
ンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ
素、四塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズな
どのルイス酸などが挙げられ、これらは1種または2種
以上使用することができる。なかでも、アルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物、リン酸エステルを使用
するのが好ましく、特にアルカリ金属、またはアルカリ
土類金属の有機塩を好ましく使用することができる。特
に好ましい化合物は、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム
である。さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
炭素数6以上の有機塩が好ましく、ステアリン酸ナトリ
ウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウムを
いずれか一種以上用いることが好ましい。
のではないが、ポリエステル100重量部に対して0.
001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.1重
量部がより好ましく、さらには0.03〜0.1重量部
が最も好ましい。触媒量が0.001重量部未満では加
水分解性の改善が不充分であり、逆に1重量部を越える
と副反応等による物性低下が無視できなくなる。
強度その他の特性を付与するために(e)耐衝撃改質材
を使用することができる。(e)耐衝撃改質材として
は、ポリエステルに対して公知のものを使用することが
でき、具体的には、天然ゴム、低密度ポリエチレンや高
密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、耐衝撃改質ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレ
ン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・
アクリル酸エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、
ポリエチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオ
キシド)グリコールブロック共重合体、ポリエチレンテ
レフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレン
オキシド)グリコールブロック共重合体などが挙げら
れ、これらは1種または2種以上使用することができ
る。
ル100重量部に対し0.1〜100重量部、特に好ま
しくは1〜50重量部である。
強度その他の特性を付与するために(f)充填材を使用
することが可能であり、その種類は特に限定されるもの
ではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材
を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、P
AN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミ
ニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、ア
スベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ
繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウー
ル、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウ
ィスカー、ほう酸アルミウィスカー、窒化ケイ素ウィス
カーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、マイカ、タル
ク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレ
ー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、モンモリロナ
イト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、
グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填材が
挙げられ、なかでもガラス繊維が好ましい。ガラス繊維
の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限
定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョッ
プドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用
いることができる。また、上記の(f)充填材は2種以
上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使
用する上記の(f)充填材はその表面を公知のカップリ
ング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理し
て用いることもできる。また、ガラス繊維はエチレン/
酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよ
い。
0重量部に対し0.1〜100重量部、特に好ましくは
1〜50重量部である。
明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば難
燃剤、核剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、
染料および顔料を含む着色剤などの1種または2種以上
を添加することができる。また、他の熱可塑性樹脂(例
えばポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネートな
ど)や熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン
樹脂、シリコーン樹脂など)などを少量の割合で含有す
ることもできる。
ではないが、(a)ポリエステルに(b)グリシジルエ
ステル化合物、(c)グリシジルエーテル化合物および
(d)触媒を溶融混練することが必要であり、好ましく
は(a)ポリエステルの融点以上において、(a)ポリ
エステル、(b)グリシジルエステル化合物、(c)グ
リシジルエーテル化合物、(d)触媒および必要に応じ
てその他の添加剤をドライブレンドした後に押出機を用
いて溶融混練する方法や、投入口を2カ所有する押出機
を用い、スクリュー根元側に設置した主投入口から
(a)ポリエステル、(b)グリシジルエステル化合
物、(d)触媒および必要に応じてその他の添加剤を供
給し、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口か
ら(c)グリシジルエーテル化合物を供給し溶融混合す
る方法などが挙げられる。
成形、押出成形などの任意の方法で成形することができ
る。
耐加水分解性を達成するための第一の要因として、カル
ボキシル末端基との反応性などの性質が異なる(b)グ
リシジルエステル化合物と(c)グリシジルエーテル化
合物に(d)触媒を併用し、(a)ポリエステルに元々
存在するカルボキシル末端基を反応により減少させるこ
とが重要であると考えられ、その観点から、溶融混練後
のポリエステル組成物中のカルボキシル末端基濃度はで
きる限り低いことが好ましく、5eq/t以下であるこ
とが特に好ましい。さらに、耐加水分解性を達成するた
めの第二の要因として、加水分解により新たに生成する
カルボキシル末端基も反応させて増加を抑制することが
重要であると考えられ、これら二つの要因により、本発
明は達成されたものである。なお、ポリエステル組成物
中のカルボキシル末端基濃度は、ポリマーを溶媒に溶解
後滴定する方法や高分解能NMRにより定量する方法で
求めることができる。
組成物は、耐加水分解性に優れ、さらに溶融時のガス発
生量や粘度変化が少ないことを活かして、自動車部品、
電気・電子機器部品などの成形材料として広く用いるこ
とができ、特に自動車用コネクター、電気・電子機器用
コネクターとして好適である。
る。各特性の測定方法は以下の通りである。 (1)ガス発生量 溶融混合したペレットを計量した後、熱風乾燥機中に2
60℃で30分放置した。その後、乾燥機から取り出
し、その重量を測定し減少分をガス発生量とした。 (2)機械特性 射出成形したASTM−1号ダンベル試験片についてA
STM D−638に従い、引張降伏強度、引張破断強
度を測定した。 (3)耐加水分解性の評価 作製した試験片をプレッシャークッカー試験装置中に温
度121℃、相対湿度100%の条件で200時間放置
した。その後、装置から取り出し、その引張降伏強度、
引張破断強度を上記の方法(2)により測定した。
をo−クレゾール/クロロホルム溶媒に溶解し、エタノ
ール性水酸化カリウムで滴定して測定した。 (4)溶融粘度安定性の評価 ASTM D−1238に準じて、メルトインデクサー
により、250℃、荷重1kgでのメルトフローレート
(MFR)を5分後、20分後で測定した。
度0.89dl/gかつカルボキシル末端基濃度36e
q/tのPBT100重量部に対して、表1記載の割合
でグリシジルエステル化合物、グリシジルエーテル化合
物、その他のエポキシ化合物および触媒をドライブレン
ドした後、250℃に設定した30mmφ二軸スクリュ
ー押出機を使用して溶融混合ペレタイズを行った。
クリューインライン型射出成形機を使用してASTM−
1号ダンベル試験片を金型温度80℃で成形した。
性、機械特性および耐加水分解性の測定結果を表1に示
す。
ポリエステル組成物は、耐加水分解性に優れ、さらに溶
融時のガスの発生や粘度変化が少ない。
有粘度0.82dl/gかつカルボキシル末端基濃度4
0eq/tのPBT100重量部に対してガラス繊維を
20重量部およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体
を5重量部添加する以外は表2に記載の組成で実施例1
と同様な方法で押出、成形、評価を行った。これらの結
果を表2に示す。
維およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体を添加し
た場合にも、本発明のポリエステル組成物は、耐加水分
解性に優れ、さらに溶融時のガスの発生や粘度変化が少
ない。
テル組成物は、耐加水分解性に優れ、さらに溶融時のガ
スの発生や粘度変化が少ないため、自動車用コネクタ
ー、電気・電子機器用コネクターなどとして有用であ
る。
Claims (16)
- 【請求項1】 (a)ポリエステルに(b)グリシジル
エステル化合物、(c)グリシジルエーテル化合物およ
び(d)触媒を溶融混練してなることを特徴とするポリ
エステル組成物。 - 【請求項2】 前記(a)ポリエステル100重量部に
対して(e)耐衝撃性改良材1〜100重量部を溶融混
練してなることを特徴とする請求項1に記載のポリエス
テル組成物。 - 【請求項3】 前記(a)ポリエステル100重量部に
対して(f)充填材1〜100重量部を溶融混練してな
ることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載
のポリエステル組成物。 - 【請求項4】 ポリエステル組成物中のカルボキシル末
端基濃度が5eq/t以下であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載のポリエステル組成物。 - 【請求項5】 前記(b)グリシジルエステル化合物が
分子内にグリシジル基を一つ有する化合物であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステ
ル組成物。 - 【請求項6】 前記(b)グリシジルエステル化合物
が、飽和脂肪族モノカルボン酸のグリシジルエステル化
合物または芳香族モノカルボン酸のグリシジルエステル
化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載のポリエステル組成物。 - 【請求項7】 前記(b)グリシジルエステル化合物
が、安息香酸グリシジルエステルまたはバーサティック
酸グリシジルエステルであることを特徴とする請求項1
〜6のいずれかに記載のポリエステル組成物。 - 【請求項8】 前記(c)グリシジルエーテル化合物が
分子内にグリシジル基を一つ、または二つ有する化合物
であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
のポリエステル組成物。 - 【請求項9】 前記(c)グリシジルエーテル化合物
が、芳香族グリシジルエーテルであることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル組成物。 - 【請求項10】 前記(c)グリシジルエーテル化合物
が、フェニルグリシジルエーテルまたはビスフェノール
Aジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であることを特
徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステル
組成物。 - 【請求項11】 前記(d)触媒が、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の有機塩であることを特徴とする請
求項1〜10のいずれかに記載のポリエステル組成物。 - 【請求項12】 前記(d)触媒が、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭素数6以上の有機酸塩であるこ
とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のポリ
エステル組成物。 - 【請求項13】 前記(d)触媒が、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウムの
いずれか一種以上であることを特徴とする請求項1〜1
2のいずれかに記載のポリエステル組成物。 - 【請求項14】 前記ポリエステルが芳香族ジカルボン
酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタン
ジオールを主成分とする縮合反応により得られる重合体
ないしは共重合体、あるいはこれらの混合物であること
を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のポリエ
ステル組成物。 - 【請求項15】 (a)ポリエステルに(b)グリシジ
ルエステル化合物、(c)グリシジルエーテル化合物お
よび(d)触媒を溶融混練することを特徴とするポリエ
ステル組成物の製造方法。 - 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかに記載のポ
リエステル組成物からなるコネクター。
Priority Applications (1)
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JP2001356903A JP2002220454A (ja) | 2000-11-22 | 2001-11-22 | ポリエステル組成物およびコネクター |
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JP2007034211A Division JP2007154210A (ja) | 2000-11-22 | 2007-02-15 | ポリエステル組成物およびコネクター |
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JP (1) | JP2002220454A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006063154A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Nagase Chemtex Corp | 重合性組成物 |
JP2015110787A (ja) * | 2009-09-08 | 2015-06-18 | デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ | 耐加水分解性ポリエステルフィルム |
-
2001
- 2001-11-22 JP JP2001356903A patent/JP2002220454A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006063154A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Nagase Chemtex Corp | 重合性組成物 |
JP4632152B2 (ja) * | 2004-08-25 | 2011-02-16 | ナガセケムテックス株式会社 | 重合性組成物 |
JP2015110787A (ja) * | 2009-09-08 | 2015-06-18 | デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ | 耐加水分解性ポリエステルフィルム |
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