JP2002219571A - 3電極アーク溶接制御方法 - Google Patents

3電極アーク溶接制御方法

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JP2002219571A JP2001012258A JP2001012258A JP2002219571A JP 2002219571 A JP2002219571 A JP 2002219571A JP 2001012258 A JP2001012258 A JP 2001012258A JP 2001012258 A JP2001012258 A JP 2001012258A JP 2002219571 A JP2002219571 A JP 2002219571A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶縁し
た3本の溶接ワイヤと被溶接物2との間に3つのアーク
を発生させて溶接する3電極アーク溶接制御方法に関す
るものである。 【解決手段】 1つの溶接トーチ4から互いに電気的に
絶縁された3本のワイヤを送給して溶接を行う3電極ア
ーク溶接制御方法において、3本のワイヤを溶接線上に
直列に配置し、後行ワイヤ1Bのアーク力によって先行
ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に形成される湯だま
り瘤を中間ワイヤ1Cのアーク力によって抑制する3電
極アーク溶接制御方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの溶接トーチ
から互いに電気的に絶縁した3本の溶接ワイヤと被溶接
物との間に3つのアークを発生させて溶接する3電極ア
ーク溶接制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、厚板の多層溶接において、溶接作
業の効率化を図るために2本の溶接トーチを用いて溶接
が行なわれている。しかし、この溶接方法で2本のトー
チを近づけることによって一つの溶融池を形成して高溶
着量を得るようにするには、先行ワイヤによって形成さ
れる溶融金属が凝固する前に先行ワイヤによる溶融金属
と後行ワイヤによる溶融金属とが解け合う必要がある。
したがって、それぞれのトーチのワイヤ先端をかなり近
づける必要がある。この場合、それぞれのトーチのノズ
ルが接触するために、ワイヤ先端を一つの溶融池を形成
することができる距離まで近づけることが困難である。
また、それぞれのトーチのノズル間に隙間ができるため
に、シールドガスが溶融池を適切に覆うことができず溶
接ビードが不良になる場合がある。
【0003】そこで、1つの溶接トーチに設けた電気的
に絶縁した2つのコンタクトチップを通して2本の溶接
ワイヤを送給して、それらの溶接ワイヤと被溶接物との
間に2つのパルスアークを発生させて溶接を行う2電極
アーク溶接制御方法が行われている。この溶接制御方法
は、2本の溶接ワイヤが同時に溶融して高溶着量を得る
ことができるので、薄板の溶接では4[m/分]を超え
る高速溶接を行うことができ、また、厚板の多層溶接で
は層数を減らして溶接を行うことができ、溶接作業の高
効率化を図ることができる。かつ、この溶接制御方法は
パルスアーク溶接制御方法であるので、スパッタの発生
が少なく、美しいビード外観を得ることができる。この
溶接制御方法は、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合
金等の種々の金属に対して使用することができる。しか
し、従来の2電極アーク溶接制御方法は、後述する解決
すべき課題がある。以下、従来の2電極アーク溶接制御
方法について説明する。
【0004】図2は、従来の2電極アーク溶接制御方法
を示す図である。同図において、溶接トーチ4から、互
いに電気的に絶縁された先行ワイヤ1A及び後行ワイヤ
1Bが送給されて、これらのワイヤと被溶接物2との間
に先行ワイヤ用溶接電源6A及び後行ワイヤ用溶接電源
6Bから電力が供給されアーク3A及びアーク3Bが発
生する。先行ワイヤ1Aから発生しているアーク3Aに
よって形成される溶融池5の溶融金属がアーク力によっ
て後方へ流れていこうとするが、後行ワイヤ1Bから発
生しているアーク3Bのアーク力がこの後方へ流れよう
とする溶融金属を先行ワイヤ1Aから発生するアーク3
Aの直下へ押し戻して、各進行位置における溶融金属量
を均一にして、溶接ビード7が凸凹形状のいわゆるハン
ピングビードに成ることを防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】溶接速度を向上させる
ためには、ワイヤの送給速度と溶接電流値とを増加させ
て、ワイヤの溶融量を増加させなければならない。しか
し、例えば、ワイヤの直径が1.2[mm]の軟鋼溶接
ワイヤの場合、1パルス1溶滴移行を行う適切なパルス
条件は、一般的にパルスピーク電流値は450[A]、
パルスピーク時間は2.0[ms]であって、パルスピ
ーク電流値は450[A]よりも明かに小さいときは、
溶融エネルギ及びピンチ力が不足するために、数個のパ
ルスで1個の溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱するnパル
ス1溶滴移行又は短絡移行になる。また、パルスピーク
電流値が450[A]よりも明かに大きいときは、溶融
エネルギ及びピンチ力が過大となるために、1個のパル
スによって数個の溶滴が溶接ワイヤ先端から離脱する1
パルスn溶滴移行となる。これらの場合、スパッタの発
生が増加し、アーク状態も不安定になる。
【0006】図3は、パルスピーク電流値が450
[A]で平均溶接電流値が400[A]のパルス電流波
形を示す図である。以下、図3を参照して平均溶接電流
値が大になると、アーク長の調整が困難となる理由を説
明する。パルスピーク電流値が450[A]のパルス電
流を溶接ワイヤに通電する場合、平均溶接電流値が40
0[A]を超えると、図3に示すように、ベース電流通
電期間がかなり短くなる。同図はパルスピーク電流値I
pが450[A]、ベース電流値Ibが50[A]、ピ
ーク電流通電期間Tpが2.1[ms]、ベース電流通
電期間Tbが0.3[ms]のパルス電流波形を示す図
である。同図において、平均溶接電流値は400[A]
であるが、ベース電流通電期間Tbが非常に短いため
に、平均溶接電流値を調整することが困難であり、アー
ク長の調整が困難である。したがって、平均溶接電流値
は400[A]程度が上限になる。
【0007】そこで、本出願の発明者は、溶接学会全国
大会講演概要第66集(2000)の240頁に記載し
ているように、後行ワイヤの平均通電電流値は、先行ワ
イヤ1Aの平均通電電流値の約40[%]が適正値であ
ることを提案した。以下、その理由を説明する。図4
は、従来の2電極アーク溶接制御方法における後行ワイ
ヤ1Bの平均通電電流値[A](横軸)と最大溶接速度
[m/min](縦軸)との関係を示す図である。同図
は、被溶接物が軟鋼で、直径が1.2[mm]の軟鋼ワ
イヤを使用してアルゴンが80[%]と炭酸ガスが20
[%]とのシールドガスで、先行ワイヤ1Aの平均通電
電流値が300[A]、350[A]及び400[A]
に変化させて溶接したときの後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値[A](横軸)と最大溶接速度[m/min]
(縦軸)との関係を示している。上記の3種の平均通電
電流値のうち、例えば、先行ワイヤ1Aの平均通電電流
値が400[A]であって、後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値が100[A]のときは、後行ワイヤ1Bのアー
ク3Bによって形成される溶接金属の量が不足するため
に、溶接ビードが全体に亘り細くなり、アンダカット又
はハンピングビードが発生してしまう。従って、最大溶
接速度は2.3[m/min]に制限される。
【0008】また、後行ワイヤ1Bの平均通電電流値を
200[A]に増加させると、後行ワイヤ1Bの平均通
電電流値が過大になるために、後行ワイヤ1Bのアーク
3Bによる溶融池の掘り下げが大きくなり、溶融金属の
流れが乱れて両アーク間に大きな湯溜まりが形成され、
この不安定な湯溜まりが溶接ビード形状を悪化させる。
従って、最大溶接速度は3.3[m/min]に制限さ
れる。さらに、後行ワイヤ1Bの平均通電電流値を25
0[A]まで増加させると、後行ワイヤ1Bのアーク力
がさらに過大になり、アンダカット又はハンピングビー
ドが発生する傾向が増加する。従って、正常な溶接ビー
ドを形成させことができる最大溶接速度は2.2[m/
min]に低下してしまう。
【0009】これに対して、後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値が約150[A]のときは、後行ワイヤ1Bのア
ーク力が先行ワイヤ1Aのアーク力によって後方に流れ
る溶融金属の流れを緩和し、溶接ビードの表面高さを均
一にするように作用するので、4.0[m/min]の
高速溶接の場合においても、溶接ビード形状が良好であ
る。
【0010】また同図において、先行ワイヤ1Aの平均
通電電流値が350[A]のときは、後行ワイヤ1Bの
平均通電電流値が約130[A]のときに、最大溶接速
度は4.2[m/min]となり溶接ビード形状も良好
である。また、先行ワイヤ1Aの平均通電電流値が30
0[A]のときは、後行ワイヤ1Bの平均通電電流値が
約120[A]のときに、最大溶接速度は3.2[m/
min]となり溶接ビード形状が良好である。このよう
に、本出願人が提案した技術では、後行ワイヤ1Bの平
均通電電流値と先行ワイヤ1Aの平均通電電流値との比
がそれぞれ、150/400=0.38、130/35
0=0.37、120/300=0.40となるので、
後行ワイヤ1Bの平均通電電流値が、先行ワイヤ1Aの
平均通電電流値の約40[%]のときに、正常な溶接ビ
ードを最も高速度で形成することが可能であった。
【0011】しかし、溶接電流値を増加させるために先
行ワイヤ1Aの平均通電電流値を1パルス1溶滴移行を
行うことができる400[A]にした場合、後行ワイヤ
1Bの平均通電電流値は400[A]の40[%]であ
る160[A]までしか増加させることができないため
に、先行ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの平均通電電流
値の合計は、560[A]までしか増加させることがで
きない。したがって、溶接速度を増加させるために、1
本のトーチから2本のワイヤを送給する2電極アーク溶
接制御方法を実施しても、最大溶接速度は40[%]し
か増加できない。溶接速度を40[%]を超えて増加さ
せると、溶融金属の量が不足してアンダカットが発生す
る。
【0012】また、溶融金属の量を増加させるために後
行ワイヤ1Bの通電電流値を先行ワイヤ1Aの通電電流
値よりも40[%]を超えて増加させると、アーク圧力
は通電電流の2乗に比例するために、先行ワイヤ1Aの
アーク力によって溶接進行方向の逆方向に流れる溶融金
属の流れを後行ワイヤ1Bのアーク力によって先行ワイ
ヤ1Aの方に押し戻す力が増加するために、図5に示す
ように、先行ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に湯溜
り瘤9が発生し、溶融金属が凝固後、ハンピングビード
が発生する。
【0013】また、隅肉溶接において、脚長を広げるた
めには、溶融金属量を多くする必要があるが、上記と同
じ理由によって平均溶接電流値を増加させることに制限
があるために溶融金属量を増加させることに限度があ
る。さらに、2電極アーク溶接制御方法では、図2に示
すように、先行ワイヤ1A及び後行ワイヤ1Bを溶接方
向に直列に配置すると、後行ワイヤ1Bから発生してい
るアーク3Bのアーク力が溶融金属を押し戻すために、
先行ワイヤ1A及び後行ワイヤ1Bのアークが溶接方向
に直列に発生して、ビード幅を広げるのが困難である。
【0014】また、溶接速度を増加させるために、又は
溶接ビード幅を広げるために、先行ワイヤ1A及び後行
ワイヤ1Bの通電電流値を増加させた場合、その通電電
流値が高すぎと溶滴がスプレー移行して溶滴が過熱され
るためにヒュームの発生量が増加して、溶接工の健康に
悪影響を及ぼす。
【0015】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1に記載
の発明は、図6に示す実施例1の直列式3電極アーク溶
接制御方法であって、1つの溶接トーチ4から互いに電
気的に絶縁された3本のワイヤを送給して溶接を行う3
電極アーク溶接制御方法において、3本のワイヤを溶接
線上に直列に配置し、後行ワイヤ1Bのアーク力によっ
て先行ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に発生する湯
だまり瘤を中間ワイヤ1Cのアーク力によって抑制する
3電極アーク溶接制御方法である。
【0016】出願時の請求項2に記載の発明は、図6に
示す実施例1の直列式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、3本のワイヤのコンタクトチップの先端からワイヤ
が突き出している長さであるワイヤの突出し長さが15
[mm]において、先行ワイヤ1Aの先端と中間ワイヤ
1Cの先端との距離である先行中間ワイヤ先端間距離L
ACを8[mm]乃至14[mm]とし、中間ワイヤ1C
の先端と後行ワイヤ1Bの先端との距離である中間後行
ワイヤ先端間距離LCBを8[mm]乃至14[mm]と
した出願時の請求項1に記載の3電極アーク溶接制御方
法である。
【0017】出願時の請求項3に記載の発明は、図6に
示す実施例1の直列式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、先行ワイヤ1Aの鉛直線8Aに対する後退角θAを
6[度]乃至12[度]とし、中間ワイヤ1Cの鉛直線
8Cに対する後退角θCを4[度]乃至8[度]とし、
後行ワイヤ1Bの鉛直線8Bに対する前進角θBを5
[度]乃至12[度]とした出願時の請求項1又は出願
時の請求項2に記載の3電極アーク溶接制御方法であ
る。
【0018】出願時の請求項4に記載の発明は、図6に
示す実施例1の直列式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、先行ワイヤ1Aの平均通電電流値IAと中間ワイヤ
1Cの平均通電電流値ICと後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値IBとがそれぞれ80[A]乃至400[A]で
ある出願時の請求項1又は出願時の請求項2又は出願時
の請求項3に記載の3電極アーク溶接制御方法である。
【0019】出願時の請求項5に記載の発明は、図7に
示す実施例2の三角式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、1つの溶接トーチ4から互いに電気的に絶縁された
3本のワイヤを送給して溶接を行う3電極アーク溶接制
御方法において、先行ワイヤ1Aが溶接線上に配置さ
れ、この先行ワイヤ1Aの後方で後行右ワイヤ1BRと後
行左ワイヤ1BLとを結ぶ線が溶接線と略直角になる位置
に配置された3電極アーク溶接制御方法である。
【0020】出願時の請求項6に記載の発明は、図7に
示す実施例2の三角式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、3本のワイヤのコンタクトチップの先端からワイヤ
が突き出している長さであるワイヤの突出し長さが15
[mm]において、先行ワイヤ1Aの先端から後行右ワ
イヤ1BRの先端及び後行左ワイヤ1BLの先端を結ぶ線と
溶接線との交点までの先行後行左右ワイヤ垂直距離L1
を8[mm]乃至16[mm]とし、後行右ワイヤ1BR
の先端と後行左ワイヤ1BLの先端との後行左右ワイヤ先
端間距離LRLを6[mm]乃至10[mm]とした出願
時の請求項5に記載の3電極アーク溶接制御方法であ
る。
【0021】出願時の請求項7に記載の発明は、図7に
示す実施例2の三角式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、先行ワイヤ1Aの鉛直線8Aに対する後退角θAを
6[度]乃至12[度]とし、後行右ワイヤ1BRの鉛直
線8BRに対する前進角θBRを6[度]乃至10[度]と
し、後行左ワイヤ1BLの鉛直線8BLに対する前進角θBL
を6[度]乃至10[度]とし、後行右ワイヤ1BRと後
行左ワイヤ1BLとが交差する角度である後行左右ワイヤ
交差角度θRLを1[度]乃至10[度]とした出願時の
請求項5又は出願時の請求項6に記載の3電極アーク溶
接制御方法である。
【0022】出願時の請求項8に記載の発明は、図7に
示す実施例2の三角式3電極アーク溶接制御方法であっ
て、先行ワイヤ1Aの平均通電電流値IAと後行右ワイ
ヤ1BRの平均通電電流値IBRと後行左ワイヤ1BLの平均
通電電流値IBLとが80[A]乃至400[A]である
出願時の請求項5又は出願時の請求項6又は出願時の請
求項7に記載の3電極アーク溶接制御方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本出願に係る発明の特徴
を最もよく表す図である。後述する図6と同じなので、
説明は図6で後述する。発明の実施の形態は、出願時の
請求項4項に記載の3電極アーク溶接制御方法であっ
て、1つの溶接トーチ4から互いに電気的に絶縁された
3本のワイヤを送給して溶接を行う3電極アーク溶接制
御方法において、3本のワイヤを溶接線上に直列に配置
し、3本のワイヤのコンタクトチップの先端からワイヤ
が突き出している長さであるワイヤの突出し長さが15
[mm]において、先行ワイヤ1Aの先端と中間ワイヤ
1Cの先端との距離である先行中間ワイヤ先端間距離L
ACを8[mm]乃至14[mm]とし、中間ワイヤ1C
の先端と後行ワイヤ1Bの先端との距離である中間後行
ワイヤ先端間距離LCBを8[mm]乃至14[mm]と
し、先行ワイヤ1Aの鉛直線8Aに対する後退角θAを
6[度]乃至12[度]とし、中間ワイヤ1Cの鉛直線
8Cに対する後退角θCを4[度]乃至8[度]とし、
後行ワイヤ1Bの鉛直線8Bに対する前進角θBを5
[度]乃至12[度]とし、先行ワイヤ1Aの平均通電
電流値IAと中間ワイヤ1Cの平均通電電流値ICと後
行ワイヤ1Bの平均通電電流値IBとがそれぞれ80
[A]乃至400[A]である3電極アーク溶接制御方
法である。
【0024】
【実施例】[実施例1]図6は、本発明の3電極アーク
溶接制御方法を示す図である。同図において、溶接トー
チ4から、互いに電気的に絶縁された先行ワイヤ1Aと
中間ワイヤ1Cと後行ワイヤ1Bとが溶接方向に直列の
配置で送給されている。これらのワイヤと被溶接物2と
の間に先行ワイヤ用溶接電源6Aと中間ワイヤ用溶接電
源6Cと後行ワイヤ用溶接電源6Bとから電力がそれぞ
れ供給され、アーク3Aとアーク3Cとアーク3Bとが
それぞれ発生する。先行ワイヤ1Aから発生しているア
ーク3Aによって形成される溶融池5の溶融金属がアー
ク力によって後方へ流れていこうとするが、後行ワイヤ
1Bから発生しているアーク3Bのアーク力がこの後方
へ流れようとする溶融金属を先行ワイヤ1Aから発生す
るアーク3Aの直下へ押し戻す。そして、後行ワイヤ1
Bのアーク力によって先行ワイヤ1Aと後行ワイヤ1B
との間に発生する湯だまり瘤を中間ワイヤ1Cのアーク
力によって抑制して各進行位置における溶融金属量を均
一にして、ハンピングビードになることを防止する。
【0025】発明者の実験によれば、図6に示した3本
のワイヤを溶接線方向に直列に配置したときの適切なワ
イヤの傾斜角度とワイヤ先端間の距離と平均通電電流値
とは次のとおりである。3本のワイヤのコンタクトチッ
プの先端からワイヤが突き出している長さであるワイヤ
の突出し長さが15[mm]において、先行ワイヤ1A
の先端と中間ワイヤ1Cの先端との距離である先行中間
ワイヤ先端間距離LACが8[mm]乃至14[mm]、
中間ワイヤ1Cの先端と後行ワイヤ1Bの先端との距離
である中間後行ワイヤ先端間距離LCBが8[mm]乃至
14[mm]である。先行ワイヤ1Aの鉛直線8Aに対
する後退角θAが6[度]乃至12[度]、中間ワイヤ
1Cの鉛直線8Cに対する後退角θCが4[度]乃至8
[度]、後行ワイヤ1Bの鉛直線8Bに対する前進角θ
Bが5[度]乃至12[度]である。先行ワイヤ1Aの
平均通電電流値IAと中間ワイヤ1Cの平均通電電流値
ICと後行ワイヤ1Bの平均通電電流値IBとがそれぞ
れ80[A]乃至400[A]である。
【0026】上記の溶接条件の設定において、先行中間
ワイヤ先端間距離LACを14[mm]を超える距離にす
ると、先行ワイヤ1Aと中間ワイヤ1Cとの間に湯溜ま
り瘤が発生する場合がある。したがって、先行中間ワイ
ヤ先端間距離LACを8[mm]乃至14[mm]とし、
さらに、先行ワイヤ1A及び中間ワイヤ1Cの鉛直線8
A及び8Cに対する角度θA及びθCを後退角とするこ
とによって、先行ワイヤ1Aと中間ワイヤ1Cとの間に
湯溜まり瘤が発生することを防止する。また、中間後行
ワイヤ先端間距離LCBを14[mm]を超える距離、又
は中間ワイヤ1Cの後退角θCを8[度]を超える角
度、又は後行ワイヤ1Bの前進角θBを12[度]を超
える角度とすると、中間ワイヤ1Cと後行ワイヤ1Bと
の間に湯溜まり瘤が発生する場合がある。したがって、
中間後行ワイヤ先端間距離LCBを8[mm]乃至14
[mm]、中間ワイヤ1Cの後退角θCを4[度]乃至
8[度]、後行ワイヤ1Bの前進角θBを5[度]乃至
12[度]とすることによって、中間ワイヤ1Cと後行
ワイヤ1Bとの間に湯溜まり瘤が発生することを防止す
る。また、先行ワイヤ1Aの平均通電電流値IAと中間
ワイヤ1Cの平均通電電流値ICと後行ワイヤ1Bの平
均通電電流値IBとは、前述したように、400[A]
程度が上限になるので、80[A]乃至400[A]と
している。
【0027】従来の2電極アーク溶接制御方法のときよ
りも、溶接速度を増加させるために後行ワイヤ1Bの通
電電流値を増加させても、上記の溶接条件で3電極アー
ク溶接を実施して、後行ワイヤ1Bのアーク力によって
先行ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に発生する湯だ
まり瘤を、中間ワイヤ1Cのアーク力によって抑制する
ことができるので、各進行位置における溶融金属量を均
一にすることができる。したがって、後述する図8、図
9及び図12に示すように、後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値を増加させることができ、さらに中間ワイヤ1C
の平均通電電流を加えた3本のワイヤの総平均通電電流
値を増加させることができ、ワイヤの溶融量を増加させ
ることができ、溶接速度を向上させることができる。ま
た、3電極アーク溶接制御方法は、2電極アーク溶接制
御方法と比較して同じ総平均通電電流値の場合、各ワイ
ヤの平均通電電流値が小さいので、溶接ヒュームの発生
量を少なくすることができる。
【0028】[第2の実施例]被溶接物が厚板で脚長の
長い溶接ビードが要求される溶接においては、図7に示
すように、3本のワイヤの配置を3角形を形成する配置
にすることによって、溶融金属の分布を制御することが
でき、1回当りの溶接パスで得ることができる脚長を長
くすることができる。図7は、本発明の三角式3電極ア
ーク溶接制御方法を示す図である。同図において、溶接
トーチ4から、互いに電気的に絶縁された先行ワイヤ1
Aと後行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLとが溶接方向
に三角形を形成する配置で送給されている。これらのワ
イヤと被溶接物2との間に先行ワイヤ用溶接電源6Aと
後行右ワイヤ用溶接電源6BRと後行左ワイヤ用溶接電源
6BLとから電力がそれぞれ供給され、アークがそれぞれ
発生する。
【0029】発明者の実験によれば、図7に示した3本
のワイヤの配置を3角形を形成する配置にしたときの適
切なワイヤの傾斜角度とワイヤ先端間の距離と平均通電
電流値とは次のとおりである。3本のワイヤのコンタク
トチップの先端からワイヤが突き出している長さである
ワイヤの突出し長さが15[mm]において、先行ワイ
ヤ1Aの先端から後行右ワイヤ1BRの先端及び後行左ワ
イヤ1BLの先端を結ぶ線と溶接線との交点までの先行後
行左右ワイヤ垂直距離L1が8[mm]乃至16[m
m]、後行右ワイヤ1BRの先端と後行左ワイヤ1BLの先
端との距離である後行左右ワイヤ先端間距離LRLが6
[mm]乃至10[mm]である。また、先行ワイヤ1
Aの鉛直線8Aに対する後退角θAが6[度]乃至12
[度]、後行右ワイヤ1BRの鉛直線8BRに対する前進角
θBRが6[度]乃至10[度]、後行左ワイヤ1BLの鉛
直線8BLに対する前進角θBLが6[度]乃至10[度]
であり、後行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLとが交わ
る角度である後行左右ワイヤ交差角度θRLが1[度]乃
至10[度]である。また、先行ワイヤ1Aの平均通電
電流値IAと後行右ワイヤ1BRの平均通電電流値IBRと
後行左ワイヤ1BLの平均通電電流値IBLとがそれぞれ8
0[A]乃至400[A]である。
【0030】上記の溶接条件の設定において、先行後行
左右ワイヤ垂直距離L1を16[mm]を超える距離、
又は先行ワイヤ1Aの後退角θAを12[度]を超える
角度、又は後行右ワイヤ1BRの前進角θBRを10[度]
を超える角度、又は後行左ワイヤ1BLの前進角θBLを1
0[度]を超える角度とすると、先行ワイヤ1Aと後行
右ワイヤ1BR又は後行左ワイヤ1BLとの間に湯溜まり瘤
が発生する場合がある。したがって、先行後行左右ワイ
ヤ垂直距離L1を8[mm]乃至16[mm]、先行ワ
イヤ1Aの後退角θAを6[度]乃至12[度]、後行
右ワイヤ1BRの前進角θBRを6[度]乃至10[度]、
後行左ワイヤ1BLの前進角θBLを6[度]乃至10
[度]とすることによって、先行ワイヤ1Aと後行右ワ
イヤ1BR又は後行左ワイヤ1BLとの間に湯溜まり瘤が発
生することを防止する。また、後行左右ワイヤ先端間距
離LRLを10[mm]を超える距離、又は後行左右ワイ
ヤ交差角度θRLを10[度]を超える角度とすると、後
行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLとの間に湯溜まり瘤
が発生する場合がある。したがって、後行左右ワイヤ先
端間距離LRLを6[mm]乃至10[mm]、後行左右
ワイヤ交差角度θRLを1[度]乃至10[度]とするこ
とによって、後行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLとの
間に湯溜まり瘤が発生することを防止する。また、先行
ワイヤ1Aの平均通電電流値IAと後行右ワイヤ1BRの
平均通電電流値IBRと後行左ワイヤ1BLの平均通電電流
値IBLとは、前述したように、400[A]程度が上限
になるので、80[A]乃至400[A]としている。
【0031】上記の溶接条件で三角式3電極アーク溶接
を実施することによって、後述する図8、図10乃至図
12に示すように、3本のワイヤの総平均通電電流値を
増加させることができるので、ワイヤの溶融量を増加さ
せることができ、溶接速度を向上させることができる。
また、三角式3電極アーク溶接は、従来の2電極アーク
溶接制御方法と比較して同じ総平均通電電流値の場合、
各ワイヤの平均通電電流値が小さいので、溶接ヒューム
の発生量を少なくすることができる。さらに、被溶接物
2が厚板で脚長が長い溶接ビードが要求される溶接にお
いては、3本のワイヤの配置を3角形を形成する配置に
することによって、溶融金属の分布を制御することがで
き、1回当りの溶接パスで得ることができる脚長を長く
することができる。
【0032】図8は、従来の2電極アーク溶接制御方法
と本発明の直列式及び三角式3電極アーク溶接制御方法
との実用的な最大総平均溶接電流[A]を示す図であ
る。本発明と従来技術との溶接条件は、被溶接物2の材
質が軟鋼で、直径が1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使用
して、アルゴンが80[%]と炭酸ガスが20[%]と
のシールドガスを使用している。同図において、従来の
最大総平均溶接電流は560[A]であるのに対して、
本発明の最大総平均溶接電流は1200[A]近い電流
値であって、本発明は最大総平均溶接電流値を従来技術
の約2倍にすることができる。
【0033】図9は、従来の2電極アーク溶接制御方法
と本発明の直列式3電極アーク溶接制御方法との実用的
な最大溶接速度[m/min]を示す図である。本発明
と従来技術との溶接条件は、被溶接物2の材質が軟鋼
で、直径が1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使用して、ア
ルゴンが80[%]と炭酸ガスが20[%]とのシール
ドガスを使用し、従来技術の先行ワイヤ1Aの平均通電
電流値IAが400[A]、後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値IBが160[A]、本発明の先行ワイヤ1Aの
平均通電電流値が400[A]、中間ワイヤ1C及び後
行ワイヤ1Bの平均通電電流値が360[A]で、上板
の厚さが2.3[mm]で下板の厚さが3.2[mm]
の重ね隅肉溶接である。同図において、従来技術の実用
最大溶接速度は4[m/min]であるのに対して、本
発明の実用最大溶接速度は10[m/min]近くであ
って、本発明は最大溶接速度を従来技術の2倍以上にす
ることができる。
【0034】図10は、従来の2電極アーク溶接制御方
法と本発明の三角式3電極アーク溶接制御方法との最大
総ワイヤ溶融速度[m/min]を示す図である。本発
明と従来技術との溶接条件は、被溶接物2の材質が軟鋼
で、直径が1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使用して、ア
ルゴンが80[%]と炭酸ガスが20[%]とのシール
ドガスを使用し、従来技術の先行ワイヤ1Aの平均通電
電流値IAが400[A]、後行ワイヤ1Bの平均通電
電流値IBが160[A]、本発明の先行ワイヤ1Aと
後行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLの平均通電電流値
が400[A]である。同図において、従来技術の最大
総ワイヤ溶融速度は28[m/min]であるのに対し
て、本発明の最大総ワイヤ溶融速度は60[m/mi
n]であって、本発明は最大総ワイヤ溶融速度を従来技
術の約2倍にすることができる。
【0035】図11は、従来の2電極アーク溶接制御方
法と本発明の三角式3電極アーク溶接制御方法との最大
脚長[mm]を示す図である。本発明と従来技術との溶
接条件は、被溶接物2の材質が軟鋼で、直径が1.2
[mm]の軟鋼ワイヤを使用して、アルゴンが80
[%]と炭酸ガスが20[%]とのシールドガスを使用
し、従来技術の先行ワイヤ1Aの平均通電電流値IAが
400[A]、後行ワイヤ1Bの平均通電電流値IBが
160[A]、本発明の先行ワイヤ1Aの平均通電電流
値が400[A]、中間ワイヤ1C及び後行ワイヤ1B
の平均通電電流値が380[A]で、厚さが12[m
m]の水平T隅肉溶接である。同図において、従来技術
の最大脚長は8[mm]であるのに対して、本発明の最
大脚長は16[mm]であって、本発明は最高脚長を従
来技術の2倍にすることができる。
【0036】図12は、従来の2電極アーク溶接制御方
法と本発明の直列式及び三角式3電極アーク溶接制御方
法との溶接ヒュームの発生量[mg/sec]を示す図
である。本発明と従来技術との溶接条件は、被溶接物2
の材質が軟鋼で、直径が1.2[mm]の軟鋼ワイヤを
使用して、アルゴンが80[%]と炭酸ガスが20
[%]とのシールドガスを使用し、従来の2電極アーク
溶接制御方法と本発明の直列式及び三角式3電極アーク
溶接制御方法ともワイヤの総平均通電電流値が560
[A]である。同図において、従来技術の溶接ヒューム
の発生量は11[mg/sec]であるのに対して、本
発明の溶接ヒュームの発生量は4[mg/sec]以下
であって、本発明は溶接ヒュームの発生量を従来技術の
1/3に減少することができる。
【0037】本発明の実施例として図8乃至図12に被
溶接物2の材質が軟鋼である場合を示したが、本発明は
被溶接物2の材質が軟鋼である場合に適用されるだけで
なく、被溶接物2の材質がアルミ又はステンレス等にも
適用される。
【0038】
【発明の効果】本発明の実施例1である直列式3電極ア
ーク溶接制御方法は、1本の溶接トーチから3本のワイ
ヤを溶接方向に対して直列に配置するように送給して溶
接を行うことによって、従来の2電極アーク溶接制御方
法と比較して、後行ワイヤ1Bのアーク力によって先行
ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に形成される湯だま
り瘤を中間ワイヤ1Cのアーク力によって抑制すること
ができるので、各進行位置における溶融金属量を均一に
することができる。また、3本のワイヤの総平均通電電
流値を増加させることができるので、ワイヤの溶融量を
増加させることができ、溶接速度を向上させることがで
きる。また、2電極アーク溶接制御方法と比較して同じ
総通電電流値の場合、各ワイヤの平均通電電流値が小さ
いので、溶接ヒュームの発生量を少なくすることができ
る。
【0039】実施例2においては、3本のワイヤの配置
を3角形を形成する配置にすることによって、上記の直
列式3電極アーク溶接制御方法の効果に加えて、溶融金
属の分布を制御することができるので、被溶接物が厚板
で脚長が長い溶接ビードが要求される溶接においては、
1回当りの溶接パスで得ることができる脚長を長くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る発明の特徴を最もよく表す図であ
る。
【図2】従来の2電極アーク溶接制御方法を示す図であ
る。
【図3】パルスピーク電流値が450[A]で平均溶接
電流値が400[A]のパルス電流波形を示す図であ
る。
【図4】従来の2電極アーク溶接制御方法における後行
ワイヤ1Bの平均通電電流値[A](横軸)と最大溶接
速度[m/min](縦軸)との関係を示す図である。
【図5】従来の2電極アーク溶接制御方法における先行
ワイヤ1Aと後行ワイヤ1Bとの間に湯溜り瘤9が発生
する状態を説明する図である。
【図6】本発明の直列式3電極アーク溶接制御方法を示
す図である。
【図7】本発明の三角式3電極アーク溶接制御方法を示
す図である。
【図8】従来の2電極アーク溶接制御方法と本発明の直
列式及び三角式3電極アーク溶接制御方法との実用的な
最大総平均溶接電流[A]を示す図である。
【図9】従来の2電極アーク溶接制御方法と本発明の直
列式3電極アーク溶接制御方法との実用的な最大溶接速
度[m/min]を示す図である。
【図10】従来の2電極アーク溶接制御方法と本発明の
三角式3電極アーク溶接制御方法との最大総ワイヤ溶融
速度[m/min]を示す図である。
【図11】従来の2電極アーク溶接制御方法と本発明の
三角式3電極アーク溶接制御方法との最大脚長[mm]
を示す図である。
【図12】従来の2電極アーク溶接制御方法と本発明の
直列式及び三角式3電極アーク溶接制御方法との溶接ヒ
ュームの発生量[mg/sec]を示す図である。
【符号の説明】
1A 先行ワイヤ 1B 後行ワイヤ 1C 中間ワイヤ 2 被溶接物 3A 先行ワイヤ1Aのアーク 3B 後行ワイヤ1Bのアーク 3C 中間ワイヤ1Cのアーク 4 溶接トーチ 5 溶融池 6A 先行ワイヤ用溶接電源 6B 後行ワイヤ用溶接電源 6C 中間ワイヤ用溶接電源 7 溶接ビード 8A 先行ワイヤの鉛直線 8B 後行ワイヤの鉛直線 8BR 後行右ワイヤの鉛直線 8BL 後行左ワイヤの鉛直線 8C 中間ワイヤの鉛直線 9 湯溜り瘤 IA 先行ワイヤ1Aの平均通電電流値 IB 後行ワイヤ1Bの平均通電電流値 IBR 後行右ワイヤ1BRの平均通電電流値 IBL 後行左ワイヤ1BLの平均通電電流値 IC 中間ワイヤ1Cの平均通電電流値 L1 先行ワイヤ1Aの先端から後行右ワイヤ1BRの先
端及び後行左ワイヤ1BLの先端を結ぶ線と溶接線との交
点までの先行後行左右ワイヤ垂直距離 LRL 後行右ワイヤ1BRの先端と後行左ワイヤ1BLの先
端との後行左右ワイヤ先端間距離 LAC 先行中間ワイヤ先端間距離 LCB 中間後行ワイヤ先端間距離 θA 先行ワイヤ1Aの鉛直線8Aに対する後退角 θB 後行ワイヤ1Bの鉛直線8Bに対する前進角 θBR 後行右ワイヤ1BRの鉛直線8BRに対する前進角 θBL 後行左ワイヤ1BLの鉛直線8BLに対する前進角 θC 中間ワイヤ1Cの鉛直線8Cに対する後退角 θRL 後行右ワイヤ1BRと後行左ワイヤ1BLとが交差す
る角度である後行左右ワイヤ交差角度

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された3本のワイヤを送給して溶接を行う3電極アー
    ク溶接制御方法において、3本のワイヤを溶接線上に直
    列に配置し、後行ワイヤのアーク力によって先行ワイヤ
    と後行ワイヤとの間に発生する湯だまり瘤を中間ワイヤ
    のアーク力によって抑制する3電極アーク溶接制御方
    法。
  2. 【請求項2】 3本のワイヤのコンタクトチップの先端
    からワイヤが突き出している長さであるワイヤの突出し
    長さが15[mm]において、先行ワイヤの先端と中間
    ワイヤの先端との距離である先行中間ワイヤ先端間距離
    を8[mm]乃至14[mm]とし、中間ワイヤの先端
    と後行ワイヤの先端との距離である中間後行ワイヤ先端
    間距離を8[mm]乃至14[mm]とした請求項1に
    記載の3電極アーク溶接制御方法。
  3. 【請求項3】 先行ワイヤの鉛直線に対する後退角を6
    [度]乃至12[度]とし、中間ワイヤの鉛直線に対す
    る後退角を4[度]乃至8[度]とし、後行ワイヤの鉛
    直線に対する前進角を5[度]乃至12[度]とした出
    願時の請求項1又は出願時の請求項2に記載の3電極ア
    ーク溶接制御方法。
  4. 【請求項4】 先行ワイヤの平均通電電流値と中間ワイ
    ヤの平均通電電流値と後行ワイヤの平均通電電流値とが
    それぞれ80[A]乃至400[A]である請求項1又
    は請求項2又は請求項3に記載の3電極アーク溶接制御
    方法。
  5. 【請求項5】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された3本のワイヤを送給して溶接を行う3電極アー
    ク溶接制御方法において、先行ワイヤが溶接線上に配置
    され、前記先行ワイヤの後方で後行右ワイヤと後行左ワ
    イヤとを結ぶ線が溶接線と略直角になる位置に配置され
    た3電極アーク溶接制御方法。
  6. 【請求項6】 3本のワイヤのコンタクトチップの先端
    からワイヤが突き出している長さであるワイヤの突出し
    長さが15[mm]において、先行ワイヤの先端から後
    行右ワイヤの先端及び後行左ワイヤの先端を結ぶ線と溶
    接線との交点までの先行後行左右ワイヤ垂直距離を8
    [mm]乃至16[mm]とし、後行右ワイヤの先端と
    後行左ワイヤの先端との後行左右ワイヤ先端間距離を6
    [mm]乃至10[mm]とした請求項5に記載の3電
    極アーク溶接制御方法。
  7. 【請求項7】 先行ワイヤの鉛直線に対する後退角を6
    [度]乃至12[度]とし、後行右ワイヤの鉛直線に対
    する前進角を6[度]乃至10[度]とし、後行左ワイ
    ヤの鉛直線に対する前進角を6[度]乃至10[度]と
    し、後行右ワイヤと後行左ワイヤとが交差する角度であ
    る後行左右ワイヤ交差角度を1[度]乃至10[度]と
    した請求項5又は請求項6に記載の3電極アーク溶接制
    御方法。
  8. 【請求項8】 先行ワイヤの平均通電電流値と後行右ワ
    イヤの平均通電電流値と後行左ワイヤの平均通電電流値
    とが80[A]乃至400[A]である請求項5又は請
    求項6又は請求項7に記載の3電極アーク溶接制御方
    法。
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