JP2002217108A - ポリシリコン評価装置及び薄膜トランジスタ製造システム - Google Patents

ポリシリコン評価装置及び薄膜トランジスタ製造システム

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JP2002217108A JP2001012106A JP2001012106A JP2002217108A JP 2002217108 A JP2002217108 A JP 2002217108A JP 2001012106 A JP2001012106 A JP 2001012106A JP 2001012106 A JP2001012106 A JP 2001012106A JP 2002217108 A JP2002217108 A JP 2002217108A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温多結晶化プロセスで形成されたポリシリ
コン膜の結晶状態を評価する際に、再現性がよくポリシ
リコン膜の状態を評価する。 【解決手段】 エキシマレーザによる低温多結晶化工程
時に、アモルファスシリコンに与えるエネルギ密度に応
じて、形成されたポリシリコン膜の膜表面の空間構造に
直線性や周期性が現れる。ポリシリコン膜の表面画像を
紫外光で撮像し、この画像から膜表面の周期性を自己相
関関数を利用して数値化(AC値化)する。このAC値
に基づき膜の状態を評価して、エキシマレーザパワーを
設定する。その評価の際に、撮像部に入射する上記反射
光の光量を検出し、検出された上記光量に応じて撮像部
に入射される反射光の光量を、所定の範囲内に制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温多結晶化プロ
セスによって形成されたポリシリコン評価装置及び方法
並びに薄膜トランジスタ製造システム及び方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、チャネル層にポリシリコン膜を用
いた薄膜トランジスタの実用化が進められている。チャ
ネル層にポリシリコンを用いた場合、薄膜トランジスタ
の電界移動度が非常に高くなるため、例えば液晶ディス
プレイ等の駆動回路として用いた場合には、ディスプレ
イの高精彩化、高速化、小型化等を実現することができ
るようになる。
【0003】また、エキシマレーザアニール装置を用い
てアモルファスシリコンを熱処理してポリシリコン膜を
形成する、いわゆる低温多結晶化プロセスも近年開発が
進んでいる。このような低温多結晶プロセスを薄膜トラ
ンジスタの製造プロセスに適用することによって、ガラ
ス基板への熱損傷が低くなり、耐熱性の大面積で安価な
ガラス基板を用いることができる。
【0004】ところで、低温多結晶プロセスにおいて用
いられるエキシマレーザアニール装置は、その出力パワ
ーが不安定であるため、形成されるポリシリコンのグレ
ーンサイズが大きく変動する。そのため、エキシマレー
ザアニール装置を用いて形成されたポリシリコン膜は、
常に良好なグレーンサイズとはならず、例えば、シリコ
ン結晶が微結晶化してしまういわゆる線状不良となった
り、十分大きなグレーンサイズが得られない、いわゆる
書き込み不良となったりしてしまうという問題点があっ
た。
【0005】そのため、一般に、このようなエキシマレ
ーザアニール装置を用いてアニール処理を行う場合に
は、ポリシリコン膜へ与えられたエネルギー情報を、エ
キシマレーザアニール装置にフィードバックして、最適
なレーザのエネルギ密度に設定する処理が行われる。
【0006】しかしながら、ポリシリコン膜を評価する
には、従来、分光エリプソや走査型電子顕微鏡等を用い
て表面画像を撮像し、その表面画像を目視して結晶の状
態を判断するといった感覚的な方法しかなく、非接触で
客観的に判断することができなかった。
【0007】そこで本出願人は、低温多結晶化プロセス
を用いて形成したポリシリコン膜の状態を客観的且つ自
動的に評価して、その情報に基づきレーザアニール装置
から出射されるレーザのエネルギ密度の最適化を図る薄
膜トランジスタ製造システムを、特願2000−005
994号、特願2000−005995号、特願200
0−005996号で提案している。
【0008】本出願人は、アモルファスシリコン膜に対
してエキシマレーザアニール処理を行いポリシリコン膜
を形成したときに膜表面の空間構造に直線性や周期性が
現れ、アモルファスシリコンに与えるエネルギ密度に応
じてその直線性や周期性の構造が変化することを見いだ
した。上記各出願では、このような特性を利用し、ポリ
シリコン膜の表面画像を紫外光で撮像し、その撮像画像
からポリシリコン膜の表面の空間構造の周期性を自己相
関関数を利用して数値化し、この数値に基づき形成され
たポリシリコン膜の状態を評価し、その評価結果をエキ
シマレーザのエネルギ密度の設定にフィードバックする
ようにした薄膜トランジスタの製造システムを提案して
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリシリコ
ン膜の表面画像を紫外光で撮像して、ポリシリコン膜の
表面の空間構造の周期性を自己相関関数を利用して数値
化した場合、その撮像画像の明るさに応じて、その数値
値が変動してしまう。例えば、CCDへの露光量不足の
場合や露光量がオーバーした場合などは、その撮像画像
自体のコントラストが少なくなり、凹凸の状態を認識で
きず、その数値が変動してしまう。そのため、ポリシリ
コン膜表面の空間構造の周期性の評価結果に対して、再
現性を保つことが困難であった。
【0010】本発明は、このような実情を鑑みてなされ
たものであり、低温多結晶化プロセスで形成されたポリ
シリコン膜の表面の空間構造を紫外光で撮像し、その撮
像画像から自己相関関数を用いて数値化して膜の状態を
評価する際に、評価結果の再現性を確保することができ
るポリシリコン評価装置及び方法並びに薄膜トランジス
タ製造システム及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるポリシリ
コン評価装置は、基板上にアモルファスシリコン膜を成
膜し、成膜したアモルファスシリコン膜に対してレーザ
アニール処理することによって形成されたポリシリコン
膜を評価するポリシリコン評価装置であって、上記ポリ
シリコン膜に対して集光した紫外光を照射し、その反射
光を検出する光学系と、上記光学系により検出された上
記反射光を撮像する撮像部と、上記撮像部により撮像さ
れた上記ポリシリコン膜の撮像画像の自己相関を算出し
て、このポリシリコン膜の表面空間構造の周期性を評価
する評価手段と、上記撮像部に入射する上記反射光の光
量を検出する光量検出手段と、上記光量検出手段により
検出された上記光量に応じて、上記撮像部に入射される
反射光の光量を、所定の範囲内に制御する制御手段とを
備えることを特徴とする。
【0012】このポリシリコン評価装置では、レーザア
ニール処理により生成したポリシリコン膜を紫外光を用
いた撮像部で撮像し、その撮像画像に基づきポリシリコ
ン膜の表面空間構造の直線性及び/又は周期性を評価す
る。その際に、撮像部に入射する上記反射光の光量を検
出し、検出された上記光量に応じて撮像部に入射される
反射光の光量を、所定の範囲内に制御する。
【0013】本発明にかかるポリシリコン評価方法で
は、基板上にアモルファスシリコン膜を成膜し、成膜し
たアモルファスシリコン膜に対してレーザアニール処理
することによって形成されたポリシリコン膜を評価する
ポリシリコン評価方法であって、上記ポリシリコン膜に
対して集光した紫外光を照射し、その反射光を検出し、
検出した上記反射光を撮像部で撮像し、上記ポリシリコ
ン膜の撮像画像の自己相関を算出して、このポリシリコ
ン膜の表面空間構造の周期性を評価し、上記撮像部に入
射する上記反射光の光量を検出し、検出された上記光量
に応じて撮像部に入射される反射光の光量を、所定の範
囲内に制御することを特徴とする。
【0014】このポリシリコン評価方法では、レーザア
ニール処理により生成したポリシリコン膜を紫外光を用
いた撮像部で撮像し、その撮像画像に基づきポリシリコ
ン膜の表面空間構造の直線性及び/又は周期性を評価す
る。その際に、撮像部に入射する上記反射光の光量を検
出し、検出された上記光量に応じて撮像部に入射される
反射光の光量を、所定の範囲内に制御する。
【0015】薄膜トランジスタ製造システムは、基板上
にアモルファスシリコン膜を成膜する成膜装置と、アモ
ルファスシリコン膜に対してレーザアニール処理するこ
とによってチャネル層となるポリシリコン膜を生成する
レーザアニール装置と、上記ポリシリコン膜に対して集
光した紫外光を照射し、その反射光を検出する光学系
と、上記光学系により検出された上記反射光を撮像する
撮像部と、上記撮像部により撮像された上記ポリシリコ
ン膜の撮像画像の自己相関を算出して、このポリシリコ
ン膜の表面空間構造の周期性を評価する評価手段と、上
記撮像部に入射する上記反射光の光量を検出する光量検
出手段と、上記光量検出手段により検出された上記光量
に応じて、上記撮像部に入射される反射光の光量を、所
定の範囲内に制御する制御手段とを有するポリシリコン
検査装置とを備えることを特徴とする。
【0016】この薄膜トランジスタ製造システムでは、
レーザアニール処理により生成したポリシリコン膜を紫
外光を用いた撮像部で撮像し、その撮像画像に基づきポ
リシリコン膜の表面空間構造の直線性及び/又は周期性
を評価して、薄膜トランジスタを製造する。この評価の
際に、撮像部に入射する上記反射光の光量を検出し、検
出された上記光量に応じて撮像部に入射される反射光の
光量を、所定の範囲内に制御する。
【0017】薄膜トランジスタ製造システムでは、レー
ザアニール装置によってアモルファスシリコン膜に対し
てアニール処理することによってチャネル層となるポリ
シリコン膜を生成するポリシリコン膜生成工程を有し、
薄膜トランジスタを製造する薄膜トランジスタ製造方法
であって、基板上にアモルファスシリコン膜を成膜し、
上記アモルファスシリコン膜に対して、レーザアニール
処理を行ってポリシリコン膜を形成し、上記ポリシリコ
ン膜に対して集光した紫外光を照射し、その反射光を検
出し、検出した上記反射光を撮像部で撮像し、上記ポリ
シリコン膜の撮像画像の自己相関を算出して、このポリ
シリコン膜の表面空間構造の周期性を評価し、上記撮像
部に入射する上記反射光の光量を検出し、検出された上
記光量に応じて撮像部に入射される反射光の光量を、所
定の範囲内に制御することを特徴とする。
【0018】この薄膜トランジスタ製造方法では、レー
ザアニール処理により生成したポリシリコン膜を紫外光
を用いた撮像部で撮像し、その撮像画像に基づきポリシ
リコン膜の表面空間構造の直線性及び/又は周期性を評
価して、薄膜トランジスタを製造する。この評価の際
に、撮像部に入射する上記反射光の光量を検出し、検出
された上記光量に応じて撮像部に入射される反射光の光
量を、所定の範囲内に制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、本発明を適用したポリシリコン膜の評価装置並びに
評価方法について説明する。
【0020】本発明の実施の形態として以下説明を行う
ポリシリコン膜の評価装置は、例えば、ボトムゲート構
造を有する薄膜トランジスタ(ボトムゲート型TFT)
の製造工程中に形成されるポリシリコン膜の検査に用い
られる。ボトムゲート型TFTは、例えばガラス基板上
に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ポリシリコン膜(チャ
ネル層)が下層から順に積層された構成とされた薄膜ト
ランジスタである。すなわち、ボトムゲート型TFT
は、チャネル層となるポリシリコン膜とガラス基板との
間に、ゲート電極が形成されている構成のTFTであ
る。なお、ここでは、ボトムゲート型TFTを評価する
評価装置を例にとって説明をするが、本発明はこのよう
なボトムゲート型TFTに限らず、ガラス基板上にポリ
シリコン膜(チャネル層)が形成された後、その上層に
ゲート電極を設けたいわゆるトップゲート型TFTに適
用することも可能である。
【0021】ボトムゲート型TFTの構造 まず、ボトムゲート型TFTの具体的な構成例について
図1を用いて説明する。
【0022】ボトムゲート型TFT1は、図1に示すよ
うに、0.7mm厚のガラス基板2上に、ゲート電極
3、第1のゲート絶縁膜4、第2のゲート絶縁膜5、ポ
リシリコン膜6、ストッパ7、第1の層間絶縁膜8、第
2の層間絶縁膜9、配線10、平坦化膜11、透明導電
膜12が積層されて構成されている。
【0023】ゲート電極3は、ガラス基板2上に100
〜200nmのモリブデン(Mo)が成膜された後、異
方性エッチングによりパターニングされて形成されてい
る。
【0024】第1のゲート絶縁膜4は、例えば膜厚が5
0nmの窒化シリコン(SiN)からなり、窒化シリ
コン(SiN)が、このゲート電極3が形成されたガ
ラス基板2上に積層されて形成されている。
【0025】第2のゲート絶縁膜5は、例えば膜厚が2
00nmの二酸化シリコン(SiO )からなり、この
二酸化シリコン(SiO)が、第1のゲート絶縁膜5
上に積層されて形成されている。
【0026】ポリシリコン膜6は、例えば膜厚が30〜
80nmのポリシリコン(p−Si)からなる。このポ
リシリコン膜6は、第2のゲート絶縁膜5上に積層され
て形成されている。このポリシリコン膜6は、当該ボト
ムゲート型TFT1のチャネル層として機能する。この
ポリシリコン膜6は、例えば、LPCVD法等によって
30〜80nmのアモルファスシリコン(a−Si)が
成膜された後、このアモルファスシリコンに対してアニ
ール処理を行うことにより多結晶化され形成される。ポ
リシリコン膜6の多結晶化工程においては、紫外線レー
ザであるエキシマレーザを用いたレーザアニール処理が
用いられる。このエキシマレーザアニール処理は、その
照射面が線状とされたパルスのレーザビームを出射し、
パルスビームの照射領域を移動させながら、アモルファ
スシリコンをポリシリコンに多結晶化させるものであ
る。レーザビームは、その照射面の形状が、例えば長手
方向の長さが20cm、短辺方向の長さが400μmと
され、パルスの周波数が300Hzとされている。エキ
シマレーザアニール処理を行う際のレーザビームの走査
方向は、線状レーザの照射面の長手方向と直交する方向
(すなわち、短辺方向)に行われる。
【0027】そして、このポリシリコン膜6は、エキシ
マレーザアニールによって多結晶化されたのち、ソース
/ドレイン領域を形成するために、不純物がイオンドー
ピングされる。このイオンドーピングは、ゲート電極3
上の部分のポリシリコン膜6に不純物が注入されないよ
うに、このゲート電極3に対応する位置にストッパ7が
形成された後に行われる。このストッパ7は、例えば膜
厚200nmの二酸化シリコン(SiO)からなり、
ゲート電極3を形成したときに用いたマスク等を用いて
形成されている。
【0028】第1の層間絶縁膜8は、例えば膜厚が30
0nmの窒化シリコン(SiN)からなり、この窒化
シリコン(SiN)が、ポリシリコン膜6上に積層さ
れて形成されている。
【0029】第2の層間絶縁膜9は、例えば膜厚が15
0nmの二酸化シリコン(SiO)からなり、この二
酸化シリコン(SiO)が、第1の層間絶縁膜8上に
積層されて形成されている。
【0030】配線10は、ポリシリコン膜6のソース/
ドレイン領域を接続するためのコンタクトホールが、第
1の層間絶縁膜8及び第2の層間絶縁膜9のソース/ド
レイン領域に対応する位置に開口された後、アルミニウ
ム(Al)及びチタン(Ti)を成膜し、エッチングに
よってパターニングして形成されている。この配線10
は、ポリシリコン膜6上に形成された各トランジスタの
ソース/ドレイン領域を接続して、基板上の所定の回路
パターンを形成する。
【0031】平坦化膜11は、当該ボトムゲート型TF
T1の表面を平坦化するための膜で、配線10が形成さ
れたのち成膜され、その膜厚が2〜3μmとされてい
る。
【0032】透明導電膜12は、例えば、ITO等から
なる透明導電材料からなり、配線10と当該ボトムゲー
ト型TFT1の外部に存在する外部素子や外部配線とを
接続するための導電線である。この透明導電膜12は、
コンタクトホールが平坦化膜11に開口された後に、平
坦化膜11上に形成される。
【0033】以上のようなボトムゲート型TFT1で
は、チャネル層にポリシリコンを用いているため、チャ
ネル層の電界移動度が非常に高くなる。そのため、例え
ば液晶ディスプレイ等の駆動回路として用いた場合に
は、ディスプレイの高精細化、高速化、小型化等を実現
することができる。また、以上のようなボトムゲート型
TFT1では、エキシマレーザアニールを用いてアモル
ファスシリコンを熱処理することによってポリシリコン
膜6を形成する、いわゆる低温多結晶化プロセスが用い
られている。そのため、多結晶化プロセスでのガラス基
板2への熱損傷が少なくなり、大面積で安価なガラス基
板を用いることが可能となる。
【0034】ポリシリコン膜の検査の必要性 ところで、ポリシリコン膜6の電界移動度を決定する重
要な要素は、ポリシリコンのグレーンサイズであるとい
われている。そのグレーンサイズは、エキシマレーザア
ニール処理時においてポリシリコン膜6に与えられるエ
ネルギーに大きく依存する。そのため、エキシマレーザ
アニール処理時におけるレーザのエネルギ密度の制御や
その安定化が、完成したボトムゲート型TFT1の特性
や歩留まりに大きく影響することとなる。
【0035】しかしながら、エキシマレーザアニール処
理において用いられるエキシマレーザアニール装置は、
出射するレーザのエネルギ密度の出力変動が比較的大き
い。そのため、エキシマレーザアニール装置を用いてエ
キシマレーザアニールを行った場合、良好なグレーンサ
イズを得られるエネルギーの許容範囲(ポリシリコン膜
6の製造マージン)に対して、ポリシリコン膜6に与え
るエネルギーの変動が大きくなってしまい、ポリシリコ
ン膜6を安定的に製造することが難しい。
【0036】したがって、同一の条件でエキシマレーザ
アニールを行った場合でも、ポリシリコン膜6のグレー
ンサイズが大きく変動し、例えばレーザのエネルギが大
きくなりすぎた場合には、シリコン結晶が微結晶化して
しまい、また、レーザのエネルギが小さくなりすぎた場
合には、十分大きなグレーンサイズが得られない為に、
いづれも十分な電界移動度が得られなくなってしまい不
良となってしまう。
【0037】しかしながら、上述したようにエキシマレ
ーザアニール装置は、出射するレーザのエネルギ密度の
出力変動が比較的大きい。したがって、ポリシリコン膜
6のグレーンサイズが良好なサイズとなるように、その
レーザのエネルギ密度を制御することは難しい。
【0038】そこで、一般に、このようなエキシマレー
ザアニール装置を用いてアニール処理を行う場合には、
例えば、図2に示すようなポリシリコン膜6の多結晶化
工程が終了した段階で、その最表面に形成されているポ
リシリコン膜6の結晶の状態を全数検査したり、或い
は、製品を無作為に抜き取って結晶の状態を検査したり
して、製造した製品がこの段階で不良品であるか否かを
判断したり、また、エキシマレーザアニール装置へポリ
シリコン膜6へ与えられたエネルギー情報をフィードバ
ックしてレーザのエネルギ密度の設定が行われる。
【0039】ポリシリコン膜評価装置は、例えば、この
ようなポリシリコン膜6の多結晶化工程が終了した段階
で、形成したポリシリコン膜6の評価を行い、製造した
製品がこの段階で不良品であるか否かを判断したり、ま
た、エキシマレーザアニール装置へ情報をフィードバッ
クしてレーザエネルギーの設定を行ったりする際に用い
るものである。
【0040】ポリシリコン膜の評価原理と評価手法 (1) まず、上述したエキシマレーザアニールにより
形成されたポリシリコン膜の評価原理について説明す
る。
【0041】上述したように製造した薄膜トランジスタ
の移動度は、ポリシリコンのグレーンサイズが大きく影
響する。充分な移動度を得るためには、ポリシリコンの
グレーンサイズは、大きい方が望ましい。
【0042】ポリシリコン膜のグレーンサイズは、エキ
シマレーザアニールで与えられたエネルギーに大きく依
存する。ポリシリコン膜のグレーンサイズは、図3に示
すように、与えられたエネルギーが増大するとそれに伴
い増大するが、ある所定のエネルギー(図中Lの位置:
このときのエネルギーを許容最低エネルギーLとす
る。)以上となるとグレーンサイズが十分大きくなり、
その後変化が少なくなり安定化する。さらにエネルギー
を増大させていくと、ある位置(図中Hの位置。このと
きのエネルギーを許容最高エネルギーHとする)から、
グレーンサイズの変化が大きくなり、そして、ある臨界
点を境としてポリシリコンが微結晶粒となってしまう。
【0043】したがって、通常、エキシマレーザアニー
ルを行う場合には、図3で示したグレーンサイズが十分
大きくなった許容最低エネルギーLから、微結晶粒とな
る手前の許容最高エネルギーHの範囲となるように、照
射するレーザのエネルギ密度を制御することによって、
充分な大きさのグレーンサイズを得るようにする。そし
て、このような範囲のエネルギーを与えるレーザ光をア
モルファスシリコン膜に照射することによって、完成し
た薄膜トランジスタの移動度を十分大きくすることが可
能となる。
【0044】(2) 次に、レーザのエネルギ密度を最
適値としてエキシマレーザアニールを行ったときのポリ
シリコン膜の膜表面の画像と、最適値よりも少ないエネ
ルギ密度としたときのポリシリコン膜の膜表面の画像
と、最適値よりも大きいエネルギ密度としたときのポリ
シリコン膜の膜表面の画像とを比較する。図4に、それ
ぞれの場合の画像を示す。図4(A)が最適値よりも少
ないエネルギ密度としたときのポリシリコン膜の膜表面
の画像を示す図で、図4(B)が最適値のエネルギ密度
としたときのポリシリコン膜の膜表面の画像を示す図
で、図4(C)が最適値よりも大きいエネルギ密度とし
たときのポリシリコン膜の膜表面の画像を示す図であ
る。なお、図4に示す各画像は、紫外線光を用いた顕微
鏡装置により撮像した画像であるが、この顕微鏡装置に
ついての詳細は後述する。
【0045】図4において、エキシマレーザアニールの
レーザの走査方向は、図中X方向となっている。なお、
アモルファスシリコン膜には、上述したように、照射面
が線状とされたレーザビームが照射され、その走査方向
は、レーザビームの照射面形状の長手方向に直交する方
向である。
【0046】ここで、エキシマレーザアニール時におけ
るエネルギ密度を最適値としたときの図4(B)の画像
と、図4(A)及び図4(C)に示すそれ以外の画像と
を比較すると、以下のような特徴が現れている。
【0047】まず、エネルギ密度を最適値としたときの
ポリシリコン膜の表面画像(図4(B))は、エネルギ
密度が最適とされていないポリシリコン膜の表面画像
(図4(A)及び図4(C))と比較して、直線性が現
れた画像となっている。具体的には、レーザの走査方向
(図4中X方向)に対して、直線性が現れた画像となっ
ている。すなわち、エネルギ密度を最適値としたときの
ポリシリコン膜の表面は、その空間構造に直線性が現れ
る規則的な形状となる特徴がある。
【0048】また、エネルギ密度を最適値としたときの
ポリシリコン膜の表面画像(図4(B))は、エネルギ
密度が最適とされていないポリシリコン膜の表面画像
(図4(A)及び図4(C))と比較して、周期性が現
れた画像となっている。具体的には、レーザの走査方向
と直交する方向(図4中Y方向)に、周期性が現れた画
像となっている。すなわち、エネルギ密度を最適値とし
たときのポリシリコン膜の表面は、その空間構造に周期
性が現れる規則的な形状となる特徴がある。
【0049】したがって、本発明の実施の形態のポリシ
リコン膜の評価装置では、以上のような特徴を利用し
て、ポリシリコン膜の状態を検査する。すなわち、本発
明の実施の形態のポリシリコン膜の評価装置では、エキ
シマレーザアニールを行った後のポリシリコン膜の表面
画像を数値解析して、ポリシリコン膜の表面空間構造に
直線性が現れているか、或いは、ポリシリコン膜の表面
空間構造に周期性が現れているか、或いは、ポリシリコ
ン膜の表面空間構造に直線性及び周期性が現れているか
を評価して、ポリシリコン膜の状態を検査する。
【0050】なお、エネルギ密度を良好な値としてエキ
シマレーザアニールを行った後のポリシリコン膜の膜表
面の画像が、直線性及び周期性が現れた画像となるの
は、図5(A)のように、アモルファスシリコン膜の上
層に自然酸化膜(SiO)が形成されている影響であ
ると考えられる。この自然酸化膜の膜厚は、3〜4nm
となっていると考えられる。また、この自然酸化膜は、
一定の膜厚までで酸化が停止し、ある一定以上の膜厚に
はならないと考えられる。
【0051】そして、この自然酸化膜が形成されたアモ
ルファスシリコンに対してエキシマレーザを用いてアニ
ール処理を行うと、図5(B)のように、この自然酸化
膜(SiO)が隆起すると考えられる。この隆起の形
状は、エキシマレーザアニールのエネルギ密度が良好で
あると、エキシマレーザの走査方向に平行な複数の直線
状の凸部が形成され、さらに各直線が等間隔に周期性を
有したものになる。そのため、ポリシリコン膜の膜表面
画像を紫外光を用いた顕微鏡装置で撮像した場合、この
直線状の凸部による反射回折光の影響から、図4に示し
たような縞状の画像が参照できるものと考えられる。な
お、例えば、自然酸化膜の膜厚が3〜4nmで、XeC
lエキシマレーザのエネルギ密度が300〜400mJ
/cmであれば、この直線状の凸部の間隔は、0.3
μm程度となる。この間隔は、アニール用レーザ光源の
波長程度となる。
【0052】また、この自然酸化膜は、エキシマレーザ
アニールで与えられるエネルギ密度やアモルファスシリ
コン膜の膜厚の違い等の要因によって、図5(C)に示
すように、アニール後の形状が変化するものと考えられ
る。例えば、エキシマレーザアニールのエネルギ密度が
良好でない場合には、隆起の形状の直線性及び周期性が
崩れていくものと考えられる。また、同一の膜面上の異
なる場所でも、膜厚の違い等の多々の要因によって、直
線性や周期性が一定の値とならない場合がある。
【0053】(3) ここで、通常、薄膜トランジスタ
の製造プロセスでは、希フッ化水素(希HF)による不
純物元素除去工程が設けられる。上述したボトムゲート
型TFT1の製造工程でも、通常、アモルファスシリコ
ン膜を形成した後、レーザアニール処理を行う前に、希
HFによる不純物除去が行われる。
【0054】しかしながら、アモルファスシリコン膜を
形成した後に、基板を希HFで洗浄した場合、不純物と
ともにアモルファスシリコン膜上に形成されている自然
酸化膜が溶解してしまう。そのため、その後にレーザア
ニール処理をしたとしても、ポリシリコン膜の表面に、
図5(B)に示すような、自然酸化膜の隆起形状が形成
されない。従って、ポリシリコン膜の膜表面の画像に直
線性及び周期性が現れず、ポリシリコン膜の状態を評価
することができなくなってしまう。
【0055】そのため、ポリシリコン膜の状態を評価可
能とするために、図6に示すように、レーザアニール処
理を行う前工程として、表面酸化処理を行うようにす
る。すなわち、アモルファスシリコン膜の表面に自然酸
化膜(SiO)が形成されている状態(状態1)か
ら、希HF洗浄をして不純物除去をする。希HF洗浄を
すると、アモルファスシリコン膜は、表面の自然酸化膜
(SiO)が溶解した状態となる(状態2)。この次
の工程として表面酸化工程が設けられる。この表面酸化
工程では、例えば、基板を1日程度空気中に放置するこ
とによってアモルファスシリコン膜の表面に自然酸化膜
を形成してもよいし、また、例えば10ppm程度のオ
ゾン水に基板を浸すことによってアモルファスシリコン
膜の表面を酸化させてもよい。このようにレーザアニー
ル処理の前に表面酸化工程を設けることによって、アモ
ルファスシリコン膜に自然酸化膜を形成することができ
(状態3)、その結果、レーザアニール処理を行うこと
によって自然酸化膜の隆起が生じ(状態4)、ポリシリ
コン膜の評価を行うことができるようになる。
【0056】(4) 次に、ポリシリコン膜の撮像画像
に直線性、周期性、直線性及び周期性がある場合の数値
化の手法の一例について説明する。
【0057】例えば、直線性および周期性があるポリシ
リコン膜の撮像画像を模式的に表すと、図7(A)に示
すように多数の直線が平行に並び、その間隔が一定間隔
となっているように表される。これに対し、直線性も周
期性もないポリシリコン膜の撮像画像を模式的に表す
と、図8(A)に示すように、不規則な短い直線等が不
規則に現れるように表される。これらの画像から、直線
性及び周期性がどれだけあるか数値化して評価する場合
には、周期性があるであろう方向と垂直な方向に画像を
横ずらしし、横ずらしをしたときの画像の相関性を数値
に表して評価すればよい。例えば、直線性及び周期性が
ある画像を横ずらしすると、図7(B)に示すように、
ある一定の周期、つまりある一定の横ずらし量毎に、画
像の重なり具合が多い相関性の高い画像が現れる。それ
に対し、直線性も周期性も無い画像は、図8(B)に示
すように、横ずらしをしたとしても画像の重なりある具
合が多い相関性の高い画像が、一定の周期毎に現れな
い。
【0058】以上のような画像を横ずらしをしたときの
画像の相関性を数値化するといった概念を用いることに
より、ポリシリコン膜の周期性を数値化し評価をするこ
とが可能となる。具体的にこのような手法を実現する一
つの方法としては、画像の自己相関関数を求め、この自
己相関関数のピーク値及びサイドピーク値を算出し、こ
れらの比をとる方法がある。ここで、ピーク値とは、原
点の値から原点よりy方向の2番目の極小値(デフォー
カスの値を小さくするために使用している。1番目や2
番目以降であってもよい)を引いた値をいうものとす
る。また、サイドピーク値とは、原点よりy方向の2番
目(原点を含めない)の極大値から原点よりy方向の2
番目の極小値を引いた値等をいうものとする。
【0059】なお、本発明は、直線性又は周期性のいず
れか一方のみを評価し、ポリシリコン膜の状態を判断す
ることも可能である。
【0060】また、ポリシリコン膜の撮像画像に直線
性、周期性、直線性及び周期性がある場合の数値化の手
法の他の例としては、例えば、規格化された画像を直線
性のそろった方向に、全ての画素の値を足し合わせてそ
の変調度をとる手法がある。また、規格化された画像
を、2次元フーリエ変換し、ある周波数成分の強度をと
る手法がある。また、画像(例えば、y方向に直線性を
有するであろう画像)の内の極値(極小値又は極大値)
の座標を抽出し、y方向に縦長な範囲内(x方向の中心
を極値×座標の平均値にとり、x方向の長さをx方向の
配列のピッチとする)の座標に関して、x方向の分散を
とる手法がある。また、画像(例えば、y方向に直線性
を有するであろう画像)の内の極値(極小値又は極大
値)の座標を抽出し、y方向に縦長な範囲内(x方向の
中心を極値×座標の平均値にとり、x方向の長さをx方
向の配列のピッチとする)の座標に関して、各点の上下
近傍の点との角度を取る手法がある。
【0061】ポリシリコン膜の評価装置の具体的な構成
とその処理内容 (1) 次に、以上のようなポリシリコン膜の表面空間
構造の直線性及び周期性を評価するためのポリシリコン
膜評価装置の具体的な構成例について説明する。
【0062】ポリシリコン膜評価装置は、波長266n
mの紫外光レーザを用いた顕微鏡装置によってボトムゲ
ート型TFTの製造基板(アモルファスシリコン膜にエ
キシマレーザアニールを行うことによってポリシリコン
膜が形成された直後の状態の基板)を撮像し、撮像した
画像から形成されたポリシリコン膜の状態を評価する装
置である。
【0063】本ポリシリコン膜の評価装置の構成図を図
9に示す。
【0064】図9に示すポリシリコン膜評価装置20
は、可動ステージ21と、紫外線固体レーザ光源22
と、CCDカメラ23と、光ファイバプローブ24と、
偏光ビームスプリッタ25と、対物レンズ26と、1/
4波長板27と、制御用コンピュータ28と、画像処理
用コンピュータ29とを備えて構成される。
【0065】可動ステージ21は、被検査物となるポリ
シリコン膜が成膜された基板1を支持するためのステー
ジである。この可動ステージ21は、被検査物となる基
板1を支持するとともに、この基板1を所定の検査対象
位置へと移動させる機能も備えている。
【0066】具体的には、可動ステージ21は、Xステ
ージ、Yステージ、Zステージ、吸着プレート等を備え
て構成される。
【0067】Xステージ及びYステージは、水平方向に
移動するステージであり、XステージとYステージと
で、被検査物となる基板1を互いに直交する方向に移動
させ、検査対象となる基板1を所定の検査位置へと導く
ようにしている。Zステージは、鉛直方向に移動するス
テージであり、ステージの高さを調整するためのもので
ある。すなわち、このZステージは、照射される紫外光
レーザの光軸方向、換言すると基板1の平面に垂直な方
向に移動する。なお、このZステージの移動方向のこと
を、以下Z方向という。吸着プレートは、検査対象とな
る基板1を吸着して固定するためのものである。
【0068】紫外線固体レーザ光源22は、波長266
nmの紫外光レーザ光源であり、例えば、Nd:YAG
4倍波全固体レーザが用いられる。なお、この紫外線レ
ーザ光源としては、近年、波長157nm程度のものも
開発されており、このようなものを光源として用いても
良い。
【0069】CCDカメラ23は、紫外光に対して高感
度化されたカメラであり、内部に撮像素子としてCCD
イメージセンサを備え、このCCDイメージセンサによ
り基板1の表面を撮像する。このCCDカメラ23は、
本体を冷却することにより、CCDイメージセンサ等で
発生する熱雑音、読み出し雑音、回路雑音等を抑圧して
いる。
【0070】光ファイバプローブ24は、紫外線レーザ
光の導波路であり、紫外線固体レーザ光源22から出射
された紫外光レーザを、偏光ビームスプリッタ25に導
いている。
【0071】偏光ビームスプリッタ25は、紫外線固体
レーザ光源22からの紫外線レーザ光を反射して、対物
レンズ26を介して可動ステージ21上の基板1に照射
し、それとともに、基板1から反射された反射光を透過
して、高感度低雑音カメラ3に照射する。すなわち、偏
光ビームスプリッタ25は、紫外線固体レーザ光源22
等の出射光の光学系の光路と、CCDカメラ23への反
射光の光学系の光路とを分離するためのレーザ光分離器
である。
【0072】対物レンズ26は、基板1からの反射光を
拡大して検出するための光学素子である。この対物レン
ズ26は、例えば、NAが0.9で、波長266nmで
収差補正がされたものである。この対物レンズ26は、
偏光ビームスプリッタ25と可動ステージ21との間に
配置される。
【0073】1/4波長板27は、紫外光レーザ光から
反射光成分を抽出する。1/4波長板27により円偏光
とされた紫外光は、基板1によって反射され再び1/4
波長板27を透過することによって、90°直線偏光の
方向が回転する。このため戻り光は、偏光ビームスプリ
ッタ25を透過することとなる。
【0074】制御用コンピュータ28は、紫外線固体レ
ーザ光源22のレーザ光の点灯の制御、可動ステージ2
1の移動位置の制御、対物レンズ26の切換制御等を行
う。
【0075】画像処理用コンピュータ29は、CCDカ
メラ23に備えられるCCDイメージセンサにより撮像
した基板1の画像を取り込み、その画像を解析し、基板
1上に形成されているポリシリコン膜の状態の評価を行
う。
【0076】以上のような構成の評価装置20では、紫
外線固体レーザ光源22から出射された紫外光レーザ
が、光ファイバプローブ24、偏光ビームスプリッタ2
5、対物レンズ26、1/4波長板27を介して、基板
1に照射される。直線偏光で入射した光は、1/4波長
板27で円偏光になり、基板1に入射する。反射した戻
り光の位相は、90°変化し、再度1/4波長板27を
通過すると直線偏光の方向が90°回転する。そのため
反射した戻り光は、偏光ビームスプリッタ25を透過
し、CCDカメラ23に入射する。そして、CCDカメ
ラ23は、その入射した反射光をCCDイメージセンサ
により撮像し、撮像して得られたポリシリコン膜の表面
画像情報を画像処理用コンピュータ29に供給する。
【0077】そして、この画像処理用コンピュータ29
が、以下説明するように、取り込まれたポリシリコン膜
の表面画像の情報に基づき、そのポリシリコン膜の状態
を評価する。そして、その評価結果に基づき、ポリシリ
コン膜を生成するためのエキシマレーザアニール時にお
けるエネルギ密度の設定値を求めたり、また、その基板
1上に形成されたポリシリコン膜が良品であるか或いは
不良品であるかの判別を行う。
【0078】(2) 次に、上記画像処理用コンピュー
タ29のポリシリコン膜の状態の評価手順について説明
する。この画像処理用コンピュータ29は、ポリシリコ
ン膜の表面画像から自己相関を用いて周期性を数値化し
た値(以後AC値とする。)を求め、ポリシリコン膜の
表面空間構造の直線性及び周期性を評価して、ポリシリ
コン膜の状態の評価を行う。
【0079】評価の処理手順は、図10のフローチャー
トに示すように、まず、ポリシリコン膜の表面の画像取
り込み処理を行う(ステップS1)。続いて、取り込ん
だ画像から自己相関関数の計算を行う(ステップS
2)。続いて、画像座標上の(0,0)を含む整列方向
と垂直な面の切り出しを行う(ステップS3)。続い
て、切り出した面における自己相関関数のピーク値とサ
イドピーク値とを算出し、このピーク値とサイドピーク
値との比をとって、AC値を求める(ステップS4)。
続いて、このAC値に基づき、ポリシリコン膜の評価を
行う(ステップS5)。
【0080】ここで、自己相関関数は、以下の式に示す
ような関数となる。
【0081】
【数1】
【0082】この自己相関関数R(τ)は、ある関数f
(x)をτだけx方向に平行移動させたときの相関を示
す関数である。
【0083】このポリシリコン膜評価装置20では、以
下のようなウィンナーヒンチンの定理を用いて、ポリシ
リコン膜の表面画像の自己相関関数を求めている。な
お、ここでは、具体的に取り込んだ画像情報を“i”と
している。 1 取り込み画像“i”の2次元フーリエ変換する。 :f=fourier(i) 2 フーリエ級数“f”を二乗してパワースペクトル
“ps”を生成する。 :ps=|f| 3 パワースペクトル“ps”を逆フーリエ変換して2
次元の自己相関関数“ac”を生成する。 :ac=inversfourier(ps) 4 自己相関関数“ac”の絶対値をとり、自己相関関
数の実数“aca”を求める。 :aca=|ac|
【0084】このように生成された自己相関関数“ac
a”を表示すると、図11及び図12に示すような関数
となる。図11は、自己相関が高い画像、即ち、ポリシ
リコン膜の表面空間構造の周期性及び直線性が良いもの
の自己相関関数である。それに対して、図12は、自己
相関が低い画像、即ち、ポリシリコン膜の表面空間構造
の周期性及び直線性が悪いものの自己相関関数である。
【0085】ポリシリコン膜評価装置20は、このよう
なウィンナーヒンチンの定理を用いて計算した自己相関
画像から、さらに、整列方向(即ち、直線性を有する方
向)と垂直で、画面上の座標(0,0)を含む面を切り
出して、その切り出したときに得られる関数を求める。
ここで、画面上の座標(0,0)を含む面を切り出すの
は、照明光量やCCDゲイン等の実験パラメータによっ
て変化する自己相関関数からの値を規格化するために行
っている。
【0086】このように切り出したときに得られる関数
が、上述した整列方向と垂直な方向の自己相関関数R
(τ)に対応する関数となる。
【0087】また、ここで、上述したステップS1〜S
3は、以下の図13のステップS11〜S14に示すよ
うに行ってもよい。
【0088】また、このような評価の手順に代えて以下
のような評価を行ってもよい。
【0089】この評価の処理手順は、図13のフローチ
ャートに示すように、まず、ポリシリコン膜の表面の画
像取り込み処理を行う(ステップS11)。続いて、レ
ーザビームの進行方向(直線性がある方向:x方向)と
垂直な方向(周期性がある方向:y方向)の取り込み画
像の1ライン分を切り出す(ステップS12)。続い
て、この1ラインに関して自己相関関数の計算を行う
(ステップS13)。続いて、必要に応じて、これらの
作業を数回繰り返し、各ラインの平均化を行う(ステッ
プS14)。
【0090】この場合における自己相関関数は、ウィン
ナーヒンチンの定理を用いて、以下のように求められ
る。なお、ここでは、具体的に取り込んだ1ライン分の
画像情報を“l”としている。 1 取り込み画像の1ライン“l”に関してのフーリエ
変換をする。 :fl=fourier(l) 2 フーリエ級数“fl”を二乗してパワースペクトル
“psl”を生成する。 :psl=|fl| 3 パワースペクトル“psl”を逆フーリエ変換して
2次元の自己相関関数“acl”を生成する。 :acl=inversfourier(psl) 4 自己相関関数“acl”の絶対値をとり、自己相関
関数の実数“acal”を求める。 :acal=|acl|
【0091】このように生成された自己相関関数aca
lをグラフ上に表すと、図14及び図15に示すような
関数となる。図14は、自己相関が高い関数、即ち、ポ
リシリコン膜の表面空間構造の周期性及び直線性が良い
ものの自己相関関数である。それに対して、図15は、
自己相関が低い関数、即ち、ポリシリコン膜の表面空間
構造の周期性及び直線性が悪いものの自己相関関数であ
る。
【0092】これら1ラインの自己相関関数を取り込み
画像の全てのラインに関して行い、各自己相関関数の平
均化を施す。これが上述した整列方向(すなわち、直線
性を有する方向)と垂直な方向の自己相関関数R(τ)
に対応する関数となる。
【0093】ポリシリコン膜評価装置20は、続いて、
この得られた関数から、極大ピーク値と、サイドピーク
値とを求める。そして、サイドピーク値に対する極大ピ
ーク値の比を求め、この値をAC値とする。
【0094】したがって、AC値は、自己相関が高い画
像、即ち、ポリシリコン膜の表面空間構造の周期性及び
直線性が良い場合は、極大ピーク値とサイドピーク値と
の差が大きくなり、その値が大きくなる。それに対し
て、自己相関が低い画像、即ち、ポリシリコン膜の表面
空間構造の周期性及び直線性が悪い場合は、極大ピーク
値とサイドピーク値との差が小さくなり、その値が小さ
くなる。
【0095】以上のように、ボトムゲート型TFT1で
は、ポリシリコン膜の表面画像を撮像して、その撮像画
像の自己相関関数を求め、ポリシリコン膜の表面空間構
造の直線性及び周期性を数値化している。
【0096】具体的に、その撮像画像の一例に対するA
C値を示すと、図16に示すようになる。
【0097】以上のようにエキシマレーザアニールがさ
れたポリシリコン膜は、図5に示したように、膜の表面
に複数の直線状の凸部が形成され、さらに、この直線状
の凸部が周期的に配列されることから、AC値によりそ
の状態を評価することができる。すなわち、ポリシリコ
ン膜の表面の空間構造が、反射型のグレーティング状と
なっているため、AC値で評価することができる。
【0098】(3) つぎに、AC値を求める際の演算
範囲について説明をする。
【0099】上述したようにAC値は、ポリシリコン膜
の表面画像を取り込んで、その取り込んだ画像範囲に対
して、2次元フーリエ変換を行い算出される。
【0100】通常、その演算範囲(演算する表面画像の
範囲で2次元的なもの)が大きければ大きいほど、ポリ
シリコン膜の表面空間構造の直線性及び周期性を正確に
示すこととなる。しかしながら、AC値は、上述したよ
うに2次元フーリエ変換を行って求められるため、その
演算量が膨大となるため、より高速に処理行うために
は、演算範囲をより小さくすることが望ましい。
【0101】一方、その演算範囲が小さすぎると、表面
全体のAC値との誤差が大きくなり、正確にポリシリコ
ン膜の直線性及び周期性を評価することができない。
【0102】このように、AC値を求める演算範囲は、
精度と処理速度とに影響する。従って、より効率的に再
現性よくAC値を求めるために、演算範囲を最適に設定
しなければならない。
【0103】以下、表面の空間構造の周期性が悪いポリ
シリコン膜の表面画像、表面の空間構造の周期性が中程
度のポリシリコン膜の表面画像、表面の空間構造の周期
性が良いポリシリコン膜の表面画像をそれぞれ示し、こ
れらの特徴について考察しながら、AC値の最適な演算
範囲について説明をする。なお、以下、この最適な演算
範囲の説明するにあたり、エキシマレーザアニール時に
おけるレーザの走査方向に平行な方向をX方向、レーザ
の走査方向に直交する方向をY方向というものとする。
【0104】図17(A)に、表面の空間構造の周期性
が全体として悪いポリシリコン膜の表面画像を示し、図
17(B)にこの画像を模式的に示したものを示す。表
面の空間構造の周期性が悪い場合、本来AC値は小さく
なるはずである。しかしながら、このように全体として
周期性が悪い場合であったとしても、周期性が良くなっ
ている部分が、X方向に対して発生する特徴がある。こ
の周期性が良くなっている部分は、X方向にある程度の
長さに亘り形成されている。そのため、もし、X方向の
演算範囲を、この周期性が良くなっている部分のより狭
い範囲に設定してしまうと、この周期性が良い部分の画
像のみを切り出してAC値の演算を行ってしまう可能性
がある。すなわち、このような狭い範囲を設定して演算
をしてしまうと、本来AC値が小さくなるべき画像であ
るにもかかわらず、算出したAC値が大きくなってしま
い、正確な値を得ることができない可能性がある。従っ
て、X方向に対する演算範囲は、周期性が悪いポリシリ
コン膜の表面画像に対して演算する場合に、この周期性
が良くなっている部分が演算範囲に含まれたとしても、
充分AC値が低くなるように定めなければならない。例
えば、X方向に対するAC値の演算範囲を、周期性が良
くなっている部分の長さ(図2中L1の長さ)の2倍以
上とし、この周期性が良くなっている部分の影響を半減
させ、正確な値を得るようにするのがよい。
【0105】続いて、図18(A)に、表面の空間構造
の周期性が全体として中程度のポリシリコン膜の表面画
像を示し、図18(B)にこの画像を模式的に示したも
のを示す。表面の空間構造の周期性が中程度の場合、本
来AC値は中程度の値となるはずである。しかしなが
ら、このように全体として周期性が中程度のポリシリコ
ン膜の表面空間構造は、周期性の良い部分と、周期性の
悪い部分とが交互に繰り返されて発生する特徴がある。
この周期性が良くなっている部分及び周期性が悪くなっ
ている部分は、X方向にある程度の長さに亘り形成され
ている。そのため、もし、X方向の演算範囲をこの周期
性が良くなっている部分より狭い範囲(或いは周期性が
悪くなっている部分より狭い範囲)に設定してしまう
と、この周期性が良い部分の画像のみ(或いは周期性が
悪い部分の画像のみ)を切り出して演算を行ってしまう
可能性がある。すなわち、このような狭い範囲を設定し
て演算をしてしまうと、本来AC値が中程度になるべき
画像であるにもかかわらず、算出したAC値が極端に大
きくなってしまったり或いは極端に小さくなってしまっ
たりし、正確な値を得ることができない可能性がある。
従って、X方向に対する演算範囲は、X方向に対して周
期性の良い部分と周期性の悪い部分の繰り返しの1周期
分の長さ(図3中L2の長さ)以上とし、この周期性が
良くなっている部分及び悪くなっている部分の繰り返し
の影響を半減させ、正確な値を得るようにするのがよ
い。
【0106】図19(A)に、表面の空間構造の周期性
が全体として良いポリシリコン膜の表面画像を示し、図
19(B)にこの画像を模式的に示したものを示す。表
面の空間構造の周期性が良い場合、本来AC値は大きく
なるはずである。しかしながら、このように全体として
周期性が良い場合であったとしても、周期性が悪くなっ
ている部分が、X方向に対して発生する特徴がある。こ
の周期性が悪くなっている部分は、X方向にある程度の
長さに亘り形成されている。そのため、もし、X方向の
演算範囲をこの周期性が悪くなっている部分より狭い範
囲に設定してしまうと、この周期性が悪い部分の画像の
みを切り出して演算を行ってしまう可能性がある。すな
わち、このような狭い範囲を設定して演算をしてしまう
と、本来AC値が大きくなるべき画像であるにもかかわ
らず、算出したAC値が小さくなってしまい、正確な値
を得ることができない可能性がある。従って、X方向に
対する演算範囲は、周期性が良いポリシリコン膜の表面
画像に対して演算する場合に、この周期性が悪くなって
いる部分が演算範囲に含まれたとしても、充分AC値が
低くなるように定めなければならない。例えば、X方向
に対するAC値の演算範囲を、周期性が悪くなっている
部分の長さ(図4中L3の長さ)の2倍以上とし、この
周期性が悪くなっている部分の影響を半減させ、正確な
値を得るようにするのがよい。
【0107】X方向に対する演算範囲は、以上の3つの
条件を満足するように設定すると、正確なAC値を得る
ことができる。すなわち、表面の空間構造の周期性が全
体として悪いポリシリコン膜における周期性の良い部分
の2倍の範囲以上であること、表面の空間構造の周期性
が全体として中程度のポリシリコン膜における周期性の
良い部分と周期性の悪い部分の繰り返しの1周期分以上
であること、表面の空間構造の周期性が全体として良い
ポリシリコン膜における周期性の悪い部分の2倍の範囲
以上であること、を満足するように設定すると正確なA
C値を得ることができる。
【0108】一方、Y方向に対する演算範囲は、最適な
エネルギー密度でレーザアニールをした際に形成される
複数の直線状の凸部の配列周期に対して、周期性を算出
しているわけであるので、自己相関を求めるためには、
図19に示しているように、その2周期分以上の範囲が
必要となる。
【0109】なお、精度を高めるために演算範囲を広げ
る場合、Y方向に演算範囲を広げるよりも、X方向に演
算範囲を広げる方が、精度が高くなる可能性が高い。こ
れは、X方向に演算範囲を広げれば、周期性が悪いポリ
シリコン膜に発生している周期性の良い部分の影響、周
期性が中程度のポリシリコン膜の周期性が良い部分と悪
い部分のX方向の繰り返しの影響、周期性が良いポリシ
リコン膜に発生している周期性の悪い部分の影響が、除
去されるためである。従って、演算範囲を設定する場合
には、X方向の長さが、Y方向の長さ以上となっている
長方形の範囲とするのがよい。
【0110】また、上述したようにレーザアニールをし
た際に生じる複数の直線状の凸部の配列の周期は、0.
3μmなので、Y方向の演算範囲は0.6μm以上とす
るのが望ましい。また、経験上、全体として周期性が中
程度のポリシリコン膜の場合、X方向に対する周期性の
良い部分と周期性の悪い部分との繰り返し周期は、5μ
mであったので、X方向の演算範囲は5μm以上とする
のが望ましい。
【0111】(4) つぎに、再現性よくAC値を算出
するためのポリシリコン膜評価装置20の紫外光の光量
の制御について説明をする。
【0112】ポリシリコン膜評価装置20では、紫外光
をポリシリコン膜の表面に照射し、その反射光をCCD
により撮像し、その撮像画像からAC値を算出してい
る。
【0113】ここで、AC値は、CCDにより撮像され
た撮像画像に基づき算出されるので、その撮像画像の明
るさによって、AC値の値が変動してしまう場合があ
る。例えば、CCDへの露光量不足の場合や露光量がオ
ーバーした場合などは、その撮像画像自体のコントラス
トが少なくなり、凹凸の状態を認識できなくなるためで
ある。
【0114】図20に、CCDへの紫外光の露光量に対
するAC値の変動を示したグラフを示す。露光量(μJ
/cm)は、CCDのシャッタが開いている時間
(s)×照射光量(mW/cm)で表される。ここ
で、この図20に示すように、AC値は、露光量がある
一定の範囲(図中Tで示した範囲)にある場合、その
値が一定となっている。すなわち、露光量をこの一定の
範囲内とするように制御することによって、AC値が再
現性よく得られるように、CCDへの入射光量を制御す
ることができる。
【0115】そのため本実施の形態のポリシリコン膜評
価装置20では、対物レンズからの紫外光の出射光量を
例えばフォトディテクタ等で検出して、ポリシリコン膜
への照射光量を検出する。そして、この照射光量とCC
Dのシャッタスピードから露光量を算出し、CCDへの
入射光量をモニタする。そして、この入射光量をモニタ
リングしながら、例えば、紫外光レーザのパーワー、シ
ャッタスピード等をフィードバック制御して、露光量が
上記一定の範囲に入るようにコントロールする。
【0116】また、図21に、撮像画像の画面の明るさ
に対するAC値の変動を示したグラフを示す。撮像画像
の画面の明るさは、ここでは256階調で表している。
ここで、この図21に示すように、AC値は、撮像画像
の明るさがある一定の範囲(図中Tで示した範囲)に
ある場合、その値が一定となっている。すなわち、撮像
画像の明るさをこの一定の範囲内とするように制御する
ことによって、AC値が再現性よく得られるように、C
CDへの入射光量を制御することができる。このように
上述したように露光量を検出するのではなく、撮像画像
の明るさを検出しても、CCDへの入射光量を制御する
ことが可能である。
【0117】そのため、本実施の形態のポリシリコン膜
評価装置20では、撮像画像の画面の明るさを、CPU
などで演算して、入射光量をモニタする。そして、この
入射光量をモニタリングしながら、例えば、紫外光レー
ザのパーワー、シャッタスピード等をフィードバック制
御して、露光量が上記一定の範囲に入るようにコントロ
ールする。
【0118】(5) 次に、上述したように演算した結
果得られるAC値と、ポリシリコン膜のグレーンサイズ
及びポリシリコン膜に与えられるエネルギーとの関係を
説明する。
【0119】AC値は、図22に示すように、エキシマ
レーザアニールによりポリシリコン膜に与えられるエネ
ルギーが、あるエネルギーEとなったときからその値
が比例的に上昇し、あるエネルギーEでその値が最大
となる。そして、AC値は、この最大となるエネルギー
でピーク値を迎え、その後その値が比例的に減少
し、あるエネルギーEB2でその減少が終了し、その値
が最小値となる。このようにAC値は、与えられるエネ
ルギーに対してピーク特性を有している。
【0120】このようなAC値のピーク特性を、図3で
示したポリシリコン膜のグレーンサイズの変化の特性に
重ね合わせてみると、図23に示すようになる。この図
23に示すように、AC値のピーク特性を示すグラフの
最大値が、ポリシリコン膜のグレーンサイズが適正とな
るエネルギー範囲内に入ることが分かる。さらに、AC
値が比例的に上昇を開始するエネルギーEが、ポリシ
リコン膜に与えてグレーンサイズが適正となる許容最低
エネルギーLよりも低くなる。また、AC値の比例的な
減少が停止して最低値となったときのエネルギーEB2
が、ポリシリコン膜の結晶粒径が微結晶化する閾値のエ
ネルギーである許容最大エネルギーHよりも高くなる。
【0121】したがって、このようなピーク特性を有す
るAC値からポリシリコン膜のグレーンサイズが良好な
ものであるかどうかを評価する場合には、AC値が図2
3中太線で示した範囲の値に入っているかどうかを判断
すればよいこととなる。
【0122】(6) このような特性を有するAC値を
評価して、ポリシリコン膜が良品であるか否かの検査を
行う場合には、例えば、検査対象となる基板のAC値
が、許容最低エネルギーL或いは許容最大エネルギーH
を与えたときに求められるAC のいずれか高い方の値
を閾値として、この閾値よりも大きければ良品であると
判断することにより検査が可能である。
【0123】また、このような特性を有するAC値を評
価して、エキシマレーザアニール装置から出射されるレ
ーザのエネルギ密度を最適に設定する場合には、例え
ば、エキシマレーザのエネルギ密度を変動させながら、
複数個の基板に対してレーザアニール処理を行う。そし
て、各エネルギ密度に対応させたAC値の特性図を描
き、具体的には、図22に示すような特性図を描き、こ
の特性図から最適なエネルギ密度を求めればよい。
【0124】(7) ところで、上述したようにボトム
ゲート型TFTでは、ゲート電極3がポリシリコン膜6
の下層に位置しているので、レーザアニールを行った場
合におけるエネルギーの拡散性が、ガラス基板2上(ソ
ース/ドレイン領域上)のポリシリコン膜6よりも、ゲ
ート電極3上のポリシリコン膜6の方が高くなる。その
ため、エキシマレーザアニール装置から与えられるエネ
ルギ密度が同一であっても、ゲート電極3上のポリシリ
コン膜6と、ガラス基板2上(ソース/ドレイン領域
上)のポリシリコン膜6とで、与えられるエネルギーが
異なることとなり、その影響からグレーンサイズが双方
で異なってしまう。
【0125】一般に、エキシマレーザアニール装置によ
りレーザアニールを行った場合、ゲート電極上に位置す
るポリシリコン膜と、ガラス基板上(ソース/ドレイン
領域上)に位置するポリシリコン膜とで、エネルギ密度
を変化させるような制御をすることはできず、同一のエ
ネルギ密度の設定で、一律にエキシマレーザアニールを
行うこととなる。
【0126】そのため、ボトムゲート型TFTでは、エ
キシマレーザのエネルギ密度に対するAC値の特性は、
図24に示すようになり、ガラス基板上(ソース/ドレ
イン領域上)と、ゲート電極上とで、そのピーク値が異
なる位置となってしまう。具体的には、ガラス基板上
(ソース/ドレイン領域上)に位置するポリシリコン膜
のAC値の方が、ゲート電極上に位置するポリシリコン
膜よりも低いエネルギ密度でピーク値を迎えることとな
る。
【0127】したがって、AC値を評価して、ポリシリ
コン膜が良品であるか否かの検査を行う場合、並びに、
AC値を評価してエキシマレーザアニール装置から出射
されるエネルギ密度を最適に設定する場合には、この両
者(ガラス基板上及びゲート電極上)のポリシリコン膜
が良好となるような値とする必要がある。
【0128】続いて、ボトムゲート型TFTのポリシリ
コン膜について、エキシマレーザのエネルギ密度に対す
るAC値の具体的な実験データの一例を図25に示す。
この図25に示すように、AC値は、ゲート電極上とガ
ラス基板上とで異なるピーク値となる特性となる。例え
ば、この図25で示した特性図上では、エキシマレーザ
アニールでのエネルギ密度を380mJで設定すること
が最適であることが分かる。
【0129】(8) 以上のように、ボトムゲート型T
FTに形成されたポリシリコン膜を評価する場合に、ポ
リシリコン膜表面の空間構造の直線性及び/又は周期性
を評価することにより、非破壊で容易にポリシリコンの
検査をすることができ、検査工程を製造工程に組み込む
ことが可能となる。また、この直線性及び/又は周期性
を数値化するので、目視検査等によらず数値演算が可能
となる。さらに、数値化を行って評価を行うので、その
ため自動検査が可能となり、また、高い精度で客観的な
検査を行うことができる。また、検査結果をアニール処
理工程にフィードバックして、製造する薄膜トランジス
タの歩留まりを高くすることができる。
【0130】なお、以上ポリシリコン膜を撮像する装置
として、波長266nmの紫外光レーザを用いた顕微鏡
装置を適用していたが、ポリシリコン膜の表面空間構造
の直線性及び/又は周期性を評価するための元画像を撮
像する装置は、このような装置に限られない。例えば、
SEMにより観察した画像に基づいて、ポリシリコン膜
の表面空間構造の直線性及び/周期性を評価しても良
い。例えば、図26に示すように、紫外光レーザを用い
た顕微鏡装置(DUV)で撮像した画像に基づきAC値
を求めた場合の特性と、SEMで撮像した画像に基づき
AC値を求めた場合の特性とを比較すると、SEMの方
がより精彩な画像となるため相対的にAC値が低くなる
もの、その特性を示す曲線はほぼ同一となることが分か
る。
【0131】また、直線性及び/周期性を数値化する手
法として自己相関関数を用いた例を詳細に説明したが、
数値化の手法もこの自己相関関数を用いた例に限られな
い。
【0132】ボトムゲート型TFTの製造プロセスにお
ける具体的な適用例 つぎに、ボトムゲート型TFTの製造プロセスに上記ポ
リシリコン膜評価装置20を適用した具体的な適用例に
ついて説明する。
【0133】まず、図27に示すような、ボトムゲート
型TFTのポリシリコン膜の撮像画像から得られたAC
値を評価して、その評価結果をエキシマレーザアニール
装置にフィードバックし、このエキシマレーザアニール
装置30から出射されるレーザパワーを最適に設定する
適用例(EQC:Equipment Quality Control)につい
て説明する。
【0134】エキシマレーザアニール装置は、上述した
ようにレーザパワーの設定値に対して、実際のレーザパ
ワーの出力値の変動が比較的に大きい。出力されるレー
ザパワーは、ガウス分布的な特性を示しばらつきが生
じ、所定のパワー設定値に対してある程度のばらつきが
生じる。これに対して、ボトムゲート型TFTの場合、
ポリシリコン膜に与えられるエネルギーの製造マージン
(この範囲より外のエネルギーが与えられた場合には不
良品となるエネルギー範囲)は、そのばらつきに対して
相対的に大きな値となる。
【0135】したがって、図28に示すように、ポリシ
リコン膜の製造マージンの中心位置がレーザパワーの設
定値の最適値となり、この最適値にレーザパワーが設定
してあれば、レーザパワーが変動したとしてもポリシリ
コン膜に与えられるエネルギーは製造マージン内に入る
こととなり、高い歩留まりを得ることができる。しかし
ながら、図29に示すように、レーザパワーの設定値
が、製造マージンの最適値に設定されていない場合に
は、レーザパワーが変動すると、ポリシリコン膜に与え
られるエネルギーが製造マージンから外れる場合が多
く、歩留まりが低くなってしまう。
【0136】そのため、本適用例は、ボトムゲート型T
FTのAC値のピーク特性を利用して、以下のように、
エキシマレーザアニール装置のレーザパワーを最適値に
設定する。
【0137】まず、本適用例では、ポリシリコン膜を形
成した複数枚の基板を製造する。このとき、各基板毎に
エキシマレーザアニール装置のレーザパワーの設定を変
化させ、それぞれの基板についてゲート電極上及びガラ
ス基板上のAC値を求める。
【0138】すると、図30や図31に示すような、A
C値のピーク曲線をグラフ上に描くことができる。
【0139】このようなAC値のピーク曲線を描くと、
ゲート電極上とガラス基板上ともに良好なグレーンサイ
ズを得られるレーザパワーの許容範囲(ポリシリコン膜
の製造マージン)を求めることができる。具体的には、
製造マージンの下位限界のレーザパワーは、ゲート電極
上のポリシリコン膜に与えられるエネルギーの最低許容
エネルギー(L)に対応したレーザパワー、具体的に
は、図30及び図31に示したゲート電極上のAC値の
太線で描いた部分の左端のレーザパワー(MO(L))
となる。また、製造マージンの上位限界のレーザパワー
は、ガラス基板上のポリシリコン膜に与えられるエネル
ギーの最高許容エネルギー(H)に対応したレーザパワ
ー、具体的には、図30及び図31に示したガラス基板
上のAC値の太線で描いた部分の右端のレーザパワー
(G(H))となる。
【0140】そして、このように求めた製造マージンの
中間値を求め、この中間値におけるレーザパワーを最適
値として設定する。
【0141】以上のようにAC値を求めて、製造マージ
ンを求め、この製造マージンを最適値として設定するこ
とによって、ボトムゲート型TFTの歩留まりを高くす
ることができる。
【0142】
【発明の効果】本発明にかかるポリシリコンの評価方法
並びに薄膜トランジスタ製造システム及び方法では、レ
ーザアニール処理により生成したポリシリコン膜を紫外
光を用いた撮像部で撮像し、その撮像画像に基づきポリ
シリコン膜の表面空間構造の直線性及び/又は周期性を
評価する。この評価の際に、撮像部に入射する上記反射
光の光量を検出し、検出された上記光量に応じて撮像部
に入射される反射光の光量を、所定の範囲内に制御す
る。
【0143】このことにより本発明では、低温多結晶化
プロセスで形成されたポリシリコン膜の表面の空間構造
を自己相関関数を用いて数値化して膜の状態を評価する
際に、撮像部に入射する紫外光を最適が最適に設定さ
れ、再現性よくポリシリコン膜の状態を評価することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボトムゲート型TFTの模式的な断面構成を説
明する図である。
【図2】ポリシリコン膜を形成したのちのボトムゲート
型TFTの断面構造を説明するための図である。
【図3】ポリシリコン膜のグレーンサイズと、エキシマ
レーザアニールで与えられるエネルギーとの関係を説明
するための図である。
【図4】出力するレーザのエネルギ密度を最適値として
エキシマレーザアニールを行ったときのポリシリコン膜
の膜表面の画像と、最適値よりも少ないパワーとしたと
きのポリシリコン膜の膜表面の画像と、最適値よりも大
きいパワーとしたときのポリシリコン膜の膜表面の画像
とを説明するための図である。
【図5】(A)は、エキシマレーザアニールをする前の
TFT基板の断面構造を説明するための図である。
(B)は、良好なエネルギ密度でエキシマレーザアニー
ルを行った場合のTFT基板の断面構造を説明するため
の図である。(C)は、良好ではないエネルギ密度でエ
キシマレーザアニールを行った場合のTFT基板の断面
構造を説明するための図である。
【図6】エキシマレーザアニールをする前の工程に、表
面酸化工程を設けたTFTの製造プロセスを説明するた
めの図である。
【図7】直線性および周期性があるポリシリコン膜の撮
像画像を模式的に表した図である。
【図8】直線性および周期性がないポリシリコン膜の撮
像画像を模式的に表した図である。
【図9】本発明の実施の形態のポリシリコン膜の評価装
置の構成図である。
【図10】ポリシリコン膜の評価手順を説明するための
フローチャートである。
【図11】周期性が高い場合の自己相関関数を説明する
ための図である。
【図12】周期性が低い場合の自己相関関数を説明する
ための図である。
【図13】ポリシリコン膜の他の評価手順を説明するた
めのフローチャートである。
【図14】上記他の評価手順で評価した場合の周期性が
高い場合の自己相関画像を説明するための図である。
【図15】上記他の評価手順で評価した場合の周期性が
低い場合の自己相関画像を説明するための図である。
【図16】具体的な撮像画像に対する求められたAC値
の特性を説明する図である。
【図17】表面の空間構造の周期性が悪いポリシリコン
膜の表面画像を示す図、及びその模式的な構造を示す図
である。
【図18】表面の空間構造の周期性が中程度のポリシリ
コン膜の表面画像を示す図、及び、その模式的な構成を
示す図である。
【図19】表面の空間構造の周期性が良いポリシリコン
膜の表面画像を示す図、及びその模式的な構造を示す図
である。
【図20】CCDへの紫外光の露光量に対するAC値の
変動を示したグラフを示す。
【図21】撮像画像の画面の明るさに対するAC値の変
動を示したグラフを示す。
【図22】ポリシリコン膜に与えられるエネルギーに対
する自己相関値の特性を説明するための図である。
【図23】ポリシリコン膜に与えられるエネルギーに対
するAC値及びグレーンサイズの特性を説明するための
図である。
【図24】ボトムゲート型TFTにおけるエキシマレー
ザのエネルギ密度に対するAC値の特性を説明するため
の図である。
【図25】ボトムゲート型TFTのポリシリコン膜につ
いて、エキシマレーザのエネルギ密度に対するAC値の
具体的な実験データの一例を説明するための図である。
【図26】紫外光レーザを用いた顕微鏡装置(DUV)
で撮像した画像に基づきAC値を求めた場合の特性と、
SEMで撮像した画像に基づきAC値を求めた場合の特
性とを比較して説明するための図である。
【図27】ボトムゲート型TFTの製造プロセスにポリ
シリコン膜評価装置を適用した具体的な適用例(EQ
C)の構成を説明するための図である。
【図28】ポリシリコン膜に与えられるエネルギーの製
造マージンと、エキシマレーザのエネルギ密度の変動と
の関係を説明するための図である(最適にエネルギ密度
が設定されている場合)。
【図29】ポリシリコン膜に与えられるエネルギーの製
造マージンと、エキシマレーザのエネルギ密度の変動と
の関係を説明するための図である(最適にレーザのエネ
ルギ密度が設定されていない場合)。
【図30】ボトムゲート型TFTの製造マージンと、エ
キシマレーザのエネルギ密度との関係の一例を示し、こ
の一例からエネルギ密度の最適値を求めるための方法を
説明するための図である。
【図31】ボトムゲート型TFTの製造マージンと、エ
キシマレーザのエネルギ密度との関係の他の一例を示
し、この他の一例からエネルギ密度の最適値を求めるた
めの方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ボトムゲート型TFT、2 ガラス基板、3 ゲー
ト電極、4 第1のゲート絶縁膜、5 第2のゲート絶
縁膜、6 ポリシリコン膜、20 ポリシリコン膜評価
装置、30 エキシマレーザアニール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 H01L 29/78 627G (72)発明者 田附 幸一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA51 AB20 BA05 BA10 BC01 CA04 DA07 EA12 EC03 EC07 5B057 AA03 BA02 CA12 CA16 CE20 DA03 DB02 DC36 5F052 AA02 BA07 BB07 CA04 DA02 EA16 JA01 5F110 AA24 CC08 DD02 EE04 FF02 FF03 FF09 GG02 GG13 GG25 GG47 HJ12 HL03 HL04 NN03 NN04 NN12 NN14 NN23 NN24 NN72 PP03 PP06 PP40

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にアモルファスシリコン膜を成膜
    し、成膜したアモルファスシリコン膜に対してレーザア
    ニール処理することによって形成されたポリシリコン膜
    を評価するポリシリコン評価装置において、 上記ポリシリコン膜に対して集光した紫外光を照射し、
    その反射光を検出する光学系と、 上記光学系により検出された上記反射光を撮像する撮像
    部と、 上記撮像部により撮像された上記ポリシリコン膜の撮像
    画像の自己相関を算出して、このポリシリコン膜の表面
    空間構造の周期性を評価する評価手段と、 上記撮像部に入射する上記反射光の光量を検出する光量
    検出手段と、 上記光量検出手段により検出された上記光量に応じて、
    上記撮像部に入射される反射光の光量を、所定の範囲内
    に制御する制御手段とを備えることを特徴とするポリシ
    リコン評価装置。
  2. 【請求項2】 上記光量検出手段は、上記ポリシリコン
    膜に対して集光した紫外光の照射パワーを検出し、この
    検出した照射パワーに上記撮像部の撮像時間とを乗算し
    て、上記撮像部に入射される反射光の光量を算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリシリコン評価装置。
  3. 【請求項3】 上記光量検出手段は、上記撮像画像の明
    るさから上記撮像部に入射される反射光の光量を算出す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリシリコン評価装
    置。
  4. 【請求項4】 基板上にアモルファスシリコン膜を成膜
    し、成膜したアモルファスシリコン膜に対してレーザア
    ニール処理することによって形成されたポリシリコン膜
    を評価するポリシリコン評価方法において、 上記ポリシリコン膜に対して集光した紫外光を照射し、
    その反射光を検出し、検出した上記反射光を撮像部で撮
    像し、 上記ポリシリコン膜の撮像画像の自己相関を算出して、
    このポリシリコン膜の表面空間構造の周期性を評価し、 上記撮像部に入射する上記反射光の光量を検出し、検出
    された上記光量に応じて撮像部に入射される反射光の光
    量を、所定の範囲内に制御することを特徴とするポリシ
    リコン評価方法。
  5. 【請求項5】 上記ポリシリコン膜に対して集光した紫
    外光の照射パワーを検出し、この検出した照射パワーに
    上記撮像部の撮像時間とを乗算して、上記撮像部に入射
    される反射光の光量を算出することを特徴とする請求項
    4記載のポリシリコン評価方法。
  6. 【請求項6】 上記撮像画像の明るさから上記撮像部に
    入射される反射光の光量を算出することを特徴とする請
    求項4記載のポリシリコン評価方法。
  7. 【請求項7】 薄膜トランジスタを製造する薄膜トラン
    ジスタ製造システムにおいて、 基板上にアモルファスシリコン膜を成膜する成膜装置
    と、 アモルファスシリコン膜に対してレーザアニール処理す
    ることによってチャネル層となるポリシリコン膜を生成
    するレーザアニール装置と、 上記ポリシリコン膜に対して集光した紫外光を照射し、
    その反射光を検出する光学系と、上記光学系により検出
    された上記反射光を撮像する撮像部と、上記撮像部によ
    り撮像された上記ポリシリコン膜の撮像画像の自己相関
    を算出して、このポリシリコン膜の表面空間構造の周期
    性を評価する評価手段と、上記撮像部に入射する上記反
    射光の光量を検出する光量検出手段と、上記光量検出手
    段により検出された上記光量に応じて、上記撮像部に入
    射される反射光の光量を、所定の範囲内に制御する制御
    手段とを有するポリシリコン検査装置とを備えることを
    特徴とする薄膜トランジスタ製造システム。
  8. 【請求項8】 上記光量検出手段は、上記ポリシリコン
    膜に対して集光した紫外光の照射パワーを検出し、この
    検出した照射パワーに上記撮像部の撮像時間とを乗算し
    て、上記撮像部に入射される反射光の光量を算出するこ
    とを特徴とする請求項7記載の薄膜トランジスタ製造シ
    ステム。
  9. 【請求項9】 上記光量検出手段は、上記撮像画像の明
    るさから上記撮像部に入射される反射光の光量を算出す
    ることを特徴とする請求項7記載の薄膜トランジスタ製
    造システム。
  10. 【請求項10】 レーザアニール装置によってアモルフ
    ァスシリコン膜に対してアニール処理することによって
    チャネル層となるポリシリコン膜を生成するポリシリコ
    ン膜生成工程を有し、薄膜トランジスタを製造する薄膜
    トランジスタ製造方法において、 基板上にアモルファスシリコン膜を成膜し、 上記アモルファスシリコン膜に対して、レーザアニール
    処理を行ってポリシリコン膜を形成し、 上記ポリシリコン膜に対して集光した紫外光を照射し、
    その反射光を検出し、検出した上記反射光を撮像部で撮
    像し、 上記ポリシリコン膜の撮像画像の自己相関を算出して、
    このポリシリコン膜の表面空間構造の周期性を評価し、 上記撮像部に入射する上記反射光の光量を検出し、検出
    された上記光量に応じて撮像部に入射される反射光の光
    量を、所定の範囲内に制御することを特徴とする薄膜ト
    ランジスタ製造方法。
  11. 【請求項11】 上記ポリシリコン膜に対して集光した
    紫外光の照射パワーを検出し、この検出した照射パワー
    に上記撮像部の撮像時間とを乗算して、上記撮像部に入
    射される反射光の光量を算出することを特徴とする請求
    項10記載の薄膜トランジスタ製造方法。
  12. 【請求項12】 上記撮像画像の明るさから上記撮像部
    に入射される反射光の光量を算出することを特徴とする
    請求項10記載の薄膜トランジスタ製造方法。
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