JP2002216541A - ポリエチレン組成物及びこれを用いた絶縁電線 - Google Patents

ポリエチレン組成物及びこれを用いた絶縁電線

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JP2002216541A
JP2002216541A JP2001006435A JP2001006435A JP2002216541A JP 2002216541 A JP2002216541 A JP 2002216541A JP 2001006435 A JP2001006435 A JP 2001006435A JP 2001006435 A JP2001006435 A JP 2001006435A JP 2002216541 A JP2002216541 A JP 2002216541A
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polyethylene composition
polyethylene
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JP2001006435A
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Toshiaki Mabuchi
利明 馬淵
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、押出し加工性の改善、特に外観の
改善を図ったポリエチレン組成物を提供せんとするもの
である。 【解決手段】 かゝる本発明は、メタロセン触媒により
重合させた直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするポ
リエチレン組成物において、直鎖状低密度ポリエチレン
100重量部に、フッ素ゴム系又はフッ素樹脂系を主成
分とする加工助剤を100PPm以上添加するポリエチ
レン組成物にあり、この加工助剤の添加によって、押出
し外観の改善を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出し加工性の改
善、特に外観の改善を図ったポリエチレン組成物及びこ
れを用いた絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線、例えばCVケーブルやOC電
線などのでは、絶縁体として、架橋ポリエチレン(P
E)を用いている。この架橋にあたっては、既に種々の
架橋方法が提案されている。例えば、過酸化物架橋剤な
どを用いる化学架橋、シランカップリング剤を用いる水
架橋、電子線を照射する電子線架橋などである。CVケ
ーブルやOC電線の場合、主に、化学架橋や水架橋が使
用されている。
【0003】特に、水架橋の場合、絶縁材料のポリエチ
レンにシランカップリング剤及びグラフト化剤を添加し
て、押し出し、空気中などの水分奮雰囲気下におくのみ
でよいため、処理が簡単で、かつまた、特別な架橋装置
などは不要であるため、設備コストの低減が図れるとい
う利点がある。
【0004】しかしながら、水架橋では、経時変化によ
って反応が進行するため、架橋度が上がるまでに時間が
掛かる。このため、押出直後、直ちに加熱変形などの特
性が所定の規格値に達せず、出荷試験にパス(合格)で
きない恐れがあった。
【0005】この対策として、押し出し後、(1)長時
間放置したり、(2)温水中に導いて架橋反応を促進さ
せる方法が取られている。しかし、長時間放置する方法
では、時間が掛かると同時に、保管場所も必要となるな
どの問題があった。一方、温水中への導入方法では、温
水設備が必要とされるため、設備コストが嵩むという問
題があった。
【0006】このため、絶縁体のポリエチレンとして、
特に、融点の高いポリエチレンである、直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)を選択し、これをベースポリ
マーとして、使用する方法が提案されている。このLL
DPEの場合、その特性から、押出直後の架橋度がそん
なに上がらなくとも、その加熱変形などの特性が、所定
の規格値に達する。このため、上記のように、押し出し
後、長時間放置したり、温水中に導く必要がなく、押し
出し直後に直ちに出荷できるという利点が得られる。
【0007】このようなLLDPEとしては、従来から
の合成法によるもの(通常チーグラー・ナッタ触媒によ
り重合されたもの、以下単に通常LLDPEという)
と、最近普及してきた、メタロセン触媒(カミンスキー
触媒とも言われ、通常はシクロペンタジェニル環を含む
メタセロン化合物と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒、なお、種々の改良型もある)により重合されたも
のがある。
【0008】このメタロセン触媒によるLLDPE(以
下単にメタロセンLLDPEという)の場合、上記通常
LLDPEに比較して、分子量分布や組成分布が狭く、
シャープであるなどの特徴があり、これによって、優れ
た特性が得られる反面、加工時の溶融粘度が高く、成形
加工性が悪化するという点が指摘されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
が、メタロセンLLDPEをベースポリマーとするポリ
エチレン組成物を用い、これを水架橋して、電線の絶縁
体として、押し出し被覆したところ、成形加工性が悪
く、特に押出し表面に、不規則な凹凸が発生し、所謂メ
ルト・フラクチャー(melt fracture)が
現れ、綺麗な外観が得られないことが判った。
【0010】この外観悪化の改善について、本発明者等
が、種々の試験を行ったところ、メタロセンLLDPE
を主成分とするポリエチレン組成物に、所定量のフッ素
ゴム系又はフッ素樹脂系を主成分とする加工助剤を添加
すると、よい結果が得られることを見い出した。本発明
は、このような観点に立ってなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、メタロセン触媒により重合された直鎖状低密度ポリ
エチレンを主成分とするポリエチレン組成物において、
前記直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に、フッ素
ゴム系又はフッ素樹脂系を主成分とする加工助剤を10
0PPm以上添加することを特徴とするポリエチレン組
成物にある。
【0012】請求項2記載の本発明は、前記請求項1記
載のポリエチレン組成物を絶縁体としたことを特徴とす
る絶縁電線にある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリエチレン組成物にお
ける、ベースポリマーは、上述したメタロセンLLDP
Eである。このポリエチレン組成物を、電線の絶縁体と
して使用する場合、上述のように水架橋する。したがっ
て、このポリエチレン組成物に、所定量のシランカップ
リング剤及びグラフト化剤を添加し、工場内の空気中
(大気中)に押し出せば、水架橋が開始される。そし
て、押出直後、架橋度がそんなに上がらなくとも、ベー
スポリマーである、メタロセンLLDPEの特性によっ
て、加熱変形などの特性が所定の規格値に達するため、
直ちに出荷することができる。
【0014】上記シランカップリング剤として、例え
ば、ビニルトリメトシキシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シランなどが挙げられる。その添加量
は、メタロセンLLDPE100重量部に対して、0.
5〜3.0重量部程度とする。つまり、0.5重量部未
満では、所定の架橋度が得られず、逆に、3.0重量部
を越えるようになると、分散性が悪化し、また、コスト
上昇ともなるからである。さらに、これを越える量を添
加しても、それ以上の架橋度が達成は得られないことも
ある。
【0015】また、グラフト化剤としては、ジクミルペ
ルオキシド(DCP)、ベンゾイルペルオキシド(BP
O)、2,2−ジクロロベンゾイルペルオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサンなどが挙げられる。その添加量は、メタロセンL
LDPE100重量部に対して、0.05〜0.15重
量部程度とすればよい。
【0016】また、本発明で用いる、上記フッ素ゴム系
又はフッ素樹脂系を主成分とする加工助剤としては、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン−テトラフロ
ロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ヘキサフロロ
プロピレン、テトラフロロエチレンなどがある。この加
工助剤を、メタロセンLLDPEに添加すると、押出
時、ダイ表面にコーテイングされて、メタロセンLLD
PEとの摩擦力を低減させる作用が起きるものと推論さ
れる。これによって、成形加工性が改善され、特に、押
出し表面のメルト・フラクチャーがなくなり、良好な押
出し外観が得られた。
【0017】この加工助剤の添加量は、メタロセンLL
DPE100重量部に対して、100ppm以上とす
る。その理由は、100ppm未満では、上記した押出
し外観の改善効果が得られないからである。ただし、実
用的な観点から見た場合、添加量の上限値は、5000
ppm程度が好ましい。というのは、この量を越えて
も、それ以上の押出し外観の改善効果は得られず、逆
に、組成物物性に悪影響を及ぼす懸念があり、また、コ
スト上昇を招き、経済的にも不利となるからである。
【0018】なお、本発明のメタロセンLLDPEを主
成分とするポリエチレン組成物には、必要により、その
他の添加物を適宜添加することができる。例えば、老化
防止剤、耐光安定剤、カーボンブラック、ジブチル錫ラ
ウレートなどの有機錫化合物からなるシラン架橋用触媒
などが挙げられる。
【0019】また、上記のような絶縁電線の製造にあた
って、より具体的には、先ず、メタロセンLLDPEを
主成分とするポリエチレン組成物を、絶縁体として、電
線コア(導体、内部半導電層など)部分に押し出し被覆
する。次に、絶縁体上に、必要により外部半導電層を施
した後、外皮を設けるとよい。内部半導電層、絶縁体及
び外部半導電層は、同時押出とすることもできる。いず
れにしても、絶縁体の押し出し後、ポリエチレン組成物
の水架橋が開始され、経時的に進行するわけであるが、
押し出し直後、直ちに加熱変形などの特性が所定の規格
値に達するため、上述したように、迅速な出荷が可能と
なる。なお、出荷後実際の布設までには、搬送なども含
めて、かなりの時間的な余裕がある。このため、通常こ
の間に水架橋は完了する。したがって、架橋反応終了前
の迅速な出荷にあっても、実用上の問題は殆どない。
【0020】〈実施例〉表1〜2は、本発明に係る電線
(実施例1〜6)と、本発明の要件を欠く電線(比較例
1〜4)になる、配合例とその特性を示したものであ
る。なお、各サンプル電線は、導体が銅撚線導体(60
mm2 )、ベースポマリーがメタロセンLLDPE(I
M=2.3、密度=0.923、MP=124℃)、シ
ランカップリング剤がビニルトリメトシキシラン、グラ
フト化剤がDCP、フッ素ゴム系又はフッ素樹脂系の加
工助剤がフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共
重合体(バイトン、商品名:デュポン社製)である。線
速は、絶縁体押出時の走行速度(押出速度)である。な
お、表中の配合数値は、加工助剤以外は、重量部数であ
る。さらに、押出し外観は、目視により判定した。つま
り、押出し表面に不規則な凹凸がないか、即ちメルト・
フラクチャーがないか否か、綺麗な平滑面であるか否か
どうかの観点から観察した。そして、その表面状態が、
最も良好なものを「◎」とし、次に良好なものを「○」
とし、やや不良のものを「△」とし、不良のもの「×」
とした。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】上記表1から、本発明に係る電線(実施例
1〜6)では、加工助剤が最適範囲にあるため、成形加
工性が良く、良好な押出し外観が得られることが判る。
これに対して、表2から、本発明の要件を欠く電線(比
較例1〜4)では、成形加工性が悪く、良好な押出し外
観が得られないことが判る。つまり、比較例1〜2で
は、加工助剤が全く添加されておらず、線速が速くなる
と、特に押出し外観が悪くなることが判る。また、加工
助剤が添加されていても、その量が少な過ぎる場合(比
較例3〜4)、同様であることが判る。
【0024】なお、上記の説明では、本発明のポリエチ
レン組成物を電線の絶縁体に使用する場合を中心にして
説明したが、本発明は、これに限定されない。メタロセ
ンLLDPEを主成分とするポリエチレン組成物に、所
定量のフッ素ゴム系又はフッ素樹脂系を主成分とする加
工助剤を添加すれば、上記のように、成形加工性が改善
されるため、本発明のポリエチレン組成物は、成形加工
性の改善された組成物として、その他の用途にも、何ら
問題なく、使用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、メタロセンLLDPEを主成分とするポリエ
チレン組成物に、所定量のフッ素ゴム系又はフッ素樹脂
系を主成分とする加工助剤を添加してあるため、成形加
工性の改善された優れたポリエチレン組成物が得られ
る。また、これを電線の絶縁体に用いた場合、押出し外
観の良好な絶縁電線が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB031 BD122 BD142 BD152 BD162 EK036 EK046 EK066 EX016 EX036 FD146 GQ01 5G305 AA02 AA14 AB36 BA12 BA22 CA01 CA38 CD15 5G309 RA04 RA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン触媒により重合された直鎖状
    低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン組成物
    において、 前記直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に、フッ素
    ゴム系又はフッ素樹脂系を主成分とする加工助剤を10
    0PPm以上添加することを特徴とするポリエチレン組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のポリエチレン組成物
    を絶縁体としたことを特徴とする絶縁電線。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241235A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Hitachi Cable Ltd 架橋ポリエチレンを用いた成形物及び電線・ケーブル
WO2024080423A1 (ko) * 2022-10-12 2024-04-18 한국전기연구원 열가소성 고분자를 포함하는 절연체 조성물

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Effective date: 20040601