JP2002216512A - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯

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JP2002216512A
JP2002216512A JP2001013892A JP2001013892A JP2002216512A JP 2002216512 A JP2002216512 A JP 2002216512A JP 2001013892 A JP2001013892 A JP 2001013892A JP 2001013892 A JP2001013892 A JP 2001013892A JP 2002216512 A JP2002216512 A JP 2002216512A
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lens
reflector
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distribution pattern
light
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JP2001013892A
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Yutaka Nakada
豊 中田
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Ichikoh Industries Ltd
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ形状を変更することにより、内部をあ
る程度見づらくすると共に新たな機能を有する車両用前
照灯を提供する。 【解決手段】 レンズ1が縦断面及び横断面とも凹形状
で、レンズ1により内部が見づらくなるため、リフレク
タ3の仕上げ作業が簡略になる。発光面積は、小さいけ
ど、光量の大きい前照灯が得られ、大きな設置スペース
を確保できないような車体デザインの場合に好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レンズに配光用
のプリズムを形成せずに、リフレクタの反射面を自由曲
面にして、リフレクタ側に配光機能をもたせた車両用前
照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の前照灯は、配光機能をどこにもた
せるかによって、3つのタイプに分けることができる。
第1は、プロジェクタータイプで、楕円リフレクタの第
一焦点に光源をおき、第二焦点に配光用のシェードを配
置している。第2は、レンズ配光タイプで、レンズに配
光用のプリズムを形成し、リフレクタは、単なる放物面
になっている。第3は、リフレクタ配光タイプで、レン
ズには、配光用のプリズムを形成しない単なる素通しの
平レンズを用い、その代わりに、リフレクタの反射面を
自由曲面にして、リフレクタに配光機能をもたせてい
る。特に、この第3のリフレクタ配光タイプとしては、
図20乃至図23に示すものがある。
【0003】即ち、図20において、符号12は光源で
ある。この光源12は、シングルフィラメント又はダブ
ルフィラメントのハロゲンランプ、白熱灯、放電灯等
(所謂H1,H3、H4,H7,H11等)を使用す
る。この光源12は、灯室20内に配置されている。
【0004】図20において、符号13はリフレクタで
ある。このリフレクタ13は、自由曲面の反射面が複合
的に組み合わされてなる。このリフレクタ13の反射面
14は、アルミ蒸着や銀色塗装等により、金属の高輝度
感を呈する。また、この例におけるリフレクタ13は、
図21に示すように、縦に6個に分割されている。この
6個に分割された反射面ブロック(又は反射面セグメン
ト)21,22,23,24,25,26(21〜2
6)の境界線(継ぎ目)は、図示のように反射面ブロッ
ク21〜26が独立して見えるものと、反射面ブロック
21から26が連続して見えないものとがある。また、
このリフレクタ13においては、反射面ブロックを縦方
向に分割したものであるが、横方向に分割したもの、放
射方向に分割したもの、縦方向・横方向・放射方向を適
宜に組み合わせたものであっても良い。即ち、デザイン
を考慮してリフレクタ13の反射面ブロックを分割す
る。
【0005】前記自由曲面からなるリフレクタ13の詳
細については、例えば、「Mathematical Elements for
Computer Graphics」(Devid F. Rogers, J Alan Adam
s)に記載されている。即ち、平レンズ15を使用した
場合における前記リフレクタ13の反射面14は、下記
数1の一般式で求められる。
【0006】そして、下記数1の一般式のパラメトリッ
ク関数として、下記数2に示す。この下記数2のパラメ
トリック関数に、具体的な数値、例えば、放物面上のポ
イント等を代入することにより、レンズ15を使用した
場合におけるリフレクタ13の具体的な反射面14が得
られる。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】このリフレクタ13の焦点Fにおいては、
厳密な意味での単一の焦点を有していないが、複数の反
射面14相互の焦点距離の差異が僅少であり、ほぼ同一
の焦点を共有しているので、このほぼ同一の焦点を本明
細書においては、疑似焦点(又はただ単に焦点)と言
う。同様に、このリフレクタ13の光軸Z−Zにおいて
は、厳密な意味での単一な光軸を有していないが、複数
の光軸の差異が僅少であり、ほぼ同一の光軸を共有して
いるので、このほぼ同一の光軸を本明細書及び本図面に
おいては、疑似光軸(又はただ単に光軸)Z−Zと呼ぶ
ことにする。なお、前記リフレクタ13は、ランプハウ
ジングと別体のものであっても良い。
【0010】図20において、符号15はレンズであ
る。該レンズ15は、外面と内面とがほぼ平行をなす平
レンズ、所謂素通しのレンズ(本明細書においては、平
レンズと称する)である。なお、この平レンズ15の外
面、内面は、平面でも曲面でも良い。この平レンズ15
と前記リフレクタ13とにより、前記灯室20が画成さ
れる。
【0011】前記光源12を点灯すると、該光源12か
らの光L1が、リフレクタ13で反射され、その反射光
L2が平レンズ15を経て、出射光L3として外部に所
定の配光パターンで照射される。ここで、所定の配光パ
ターンとは、欧州配光規格ECEReg.、或いはそれに
準じたもの(例えば、日本国内型式認定基準)、北米配
光規格、FMVSSなどの配光規格に適合する配光パタ
ーンをいう。そして、図22に示すように、この所定の
配光パターンは、ロービームの配光パターンである。こ
の図示のロービームの配光パターンは、左側通行区分の
ものであり、右側通行区分のロービームの配光パターン
は、この図示のロービームの配光パターンと左右逆にな
る。
【0012】図22に示す所定のロービームの配光パタ
ーンは、リフレクタ13の反射面14の各反射面ブロッ
ク21〜26で制御される。即ち、図21に示すリフレ
クタ13の反射面14のうち、左から1番目の反射面ブ
ロック21においては、図23(A)に示す配光パター
ンが、左から2番目の反射面ブロック22においては、
図23(B)に示す配光パターンが、左から3番目の反
射面ブロック23においては、図23(C)に示す配光
パターンが、左から4番目の反射面ブロック24におい
ては、図23(D)に示す配光パターンが、左から5番
目の反射面ブロック25においては、図23(E)に示
す配光パターンが、左から6番目の反射面ブロック26
においては、図23(F)に示す配光パターンが、それ
ぞれ制御されて得られ、この各反射面ブロック21〜2
6により制御されて得られた配光パターン(図23
(A)乃至(F))を合成することにより、図22の所
定のロービームの配光パターンが得られることとなる。
尚、図22に示す所定のロービームの配光パターン以外
にも、ハイビーム用の光源(図示せず)及びリフレクタ
3により、図示しない所定のハイビームの配光パターン
が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなリフレクタ配光タイプの前照灯にあっては、リフレ
クタ13の反射面14を特殊な自由曲面にすることによ
り、どのような配光パターンでも生成可能である反面、
レンズ15には、プリズムのない素通しの平レンズを使
うため、外部から前照灯の内部のリフレクタ13がハッ
キリと見えてしまう。そのため、リフレクタ13の反射
面14の表面の仕上げ加工としては、反射に必要な光学
性能以上に、見た目においても綺麗になるように入念に
行う必要があり、作業自体が大変に煩雑なものになって
いる。
【0014】また、リフレクタ配光タイプの場合は、リ
フレクタ13側に配光機能をもたせているため、レンズ
15の形状に配光上の制約がなく、自由な形状が採用で
きる。つまり、どのようなレンズ15の形状を採用して
も、その形状に応じてリフレクタ13側の反射面14を
設計すれば良いため、レンズ15の形状の自由度が高い
ことになる。そのため、レンズ15の形状を自由に変更
することにより、新たな機能を有する前照灯が得られる
可能性が高くなり、その具体的な構造の提案が待たれて
いる。
【0015】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、レンズ形状を変更することに
より、内部をある程度見づらくすると共に新たな機能を
有する車両用前照灯を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光源と、反射面が自由曲面のリフレクタと、プリズムの
ないレンズとから成り、リフレクタによる反射光がレン
ズを通過して所定の配光パターンで外部に照射される車
両用前照灯であって、前記レンズは、縦断面が凹形状
で、横断面が平形状である。
【0017】請求項1記載の発明によれば、レンズの縦
断面が凹形状であるため、プリズムが形成されていなく
ても、レンズにより光が大きく屈折して内部が見づらく
なる。従って、従来のように、見映えを考慮して、リフ
レクタの反射面を光学的な必要性以上に入念に仕上げる
必要性がなく、リフレクタの仕上げ作業が簡略になる。
【0018】また、レンズの縦断面が凹形状で横断面が
平形状であるということは、縦ではリフレクタにより集
光された光を光軸に略沿った方向に拡散し、横ではリフ
レクタにより反射された光がそのまま光軸に略沿った方
向に通過しながら、光を所定の配光パターンで外部へ照
射することができる。従って、縦に小さく横に長い前照
灯を得やすく、前照灯が組み込まれるフロント部に、十
分な上下寸法の設置スペースを確保できないような車体
デザインの場合に好適である。更に、レンズの横断面が
平形状のため、レンズをガラス製にした場合は、レンズ
の研磨加工が行い易く、レンズの製造性の面で優れてい
る。
【0019】請求項2記載の発明は、リフレクタの反射
面が、縦断面がレンズより大きい略楕円面で、横断面が
レンズと略同サイズの略放物面である。
【0020】請求項2記載の発明によれば、リフレクタ
の反射面が、縦断面では、略楕円面のために、光を縦に
集光した状態でレンズに導くことができ、また横断面で
は、略放物面のために、光を光軸に略沿った状態でレン
ズに導くことができる。従って、縦断面が凹形状で横断
面が平形状であるレンズとの組み合わせに最適で、縦に
小さく横に長い前照灯を得やすい。また、縦方向におい
て、レンズより大きい略楕円面により、広い範囲で光を
集めてレンズ側に反射しているため、光量的に問題はな
い。
【0021】請求項3記載の発明は、リフレクタの反射
面に形成されている自由曲面が、NURBS(Non-Unif
orm Rational B-Spline Surface)である。
【0022】請求項3記載の発明によれば、リフレクタ
の自由曲面がNURBSのため、コンピュータシミュレ
ートによる配光特性の分析により、理想的な配光パター
ンをもった前照灯の設計が容易である。
【0023】請求項4記載の発明は、レンズにおける表
面及び裏面の少なくともいずれか一方に、トーラス曲面
又は自由曲面が形成されている。
【0024】請求項4記載の発明によれば、レンズの表
面や裏面にもトーラス曲面又は自由曲面を形成したた
め、リフレクタだけでなくレンズにも配光機能をもたせ
ることができ、より理想的な配光パターンが得られるよ
うになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な一実施形
態を図1〜図19に基づいて説明する。この実施形態
は、車両の前照灯に関するものである。この前照灯は、
図示せぬランプハウジングの前面にレンズ1を備え、内
部に光源2と、リフレクタ3を設けた構造になってい
る。尚、Sは光軸を示している。
【0026】前記レンズ1は、図1乃至図4に示すよう
に、外形が横長の長方形で、縦断面が凹形状で、横断面
が平形状であり、配光のためのプリズムは、形成されて
いない。但し、レンズ1の表面及び裏面には、配光用の
自由曲面であるNURBS(Non-Uniform Rational B-S
pline Surface)が形成されている。レンズ1は、ガラ
ス製でも、樹脂製でも良いが、この実施形態では、ガラ
スで形成している。レンズ1をこのようにガラス製にし
た場合は、レンズ1の横断面が前述のように平形状のた
め、レンズ1の研磨加工が行い易く、レンズ1の製造性
の面で優れている。
【0027】光源2は、前記光源12同様に、シングル
フィラメント又はダブルフィラメントのハロゲンラン
プ、白熱灯、放電灯等(所謂、H1、H3、H4、H
7、H11等)を使用する。
【0028】前記リフレクタ3の反射面4は、アルミ蒸
着や銀色塗装等により、金属の高輝度感を呈している。
リフレクタ3は、ランプハウジングと一体でも別体でも
良い。リフレクタ3の反射面4は、レンズ1よりも大き
く、縦断面及び横断面とも略楕円面である。そして、こ
の反射面4は、図6(a)に示すように、縦に10個に
分割されている。この10個に分割された反射面ブロッ
ク(若しくは反射面セグメント)21,22,23,2
4,25,26、27,28,29,30(21〜3
0)の境界線(繋ぎ目)は、図示のように反射面ブロッ
ク21〜30が独立して見えるものと、反射面ブロック
21〜30が連続して見えないものとがある。
【0029】図8は、本発明の前照灯におけるリフレク
タ3の製造方法の一実施形態を示したフローチャートで
あり、以下詳細に説明する。
【0030】まず、において、マイクロコンピュータ
(図示せず)にデータを入力する。このデータは、例え
ば、データベースの設計仕様等から、前照灯自体のデザ
イン及び前照灯を搭載する自動車のデザインを考慮して
選定される。このデータとしては、光源2の種類、リフ
レクタの大きさ及び表面形状、リフレクタの反射面ブロ
ックの分割、平レンズ15の大きさ及び表面形状並びに
裏面形状、目標配光パターン等々である。
【0031】次に、において、前記で入力されたデ
ータに基づいて、平レンズ15との組み合わせにより、
目標配光パターン(図18,図19)が得られるよう
に、リフレクタを仮設定する、処理が行われる。この仮
設定リフレクタは、NURBSの自由曲面におけるコン
トロールポイント、法線ベクトル等に基づいて自動的に
設定される。
【0032】続いて、において、前記の処理により
得られた仮設定リフレクタをそのまま変えずに、平レン
ズ15を縦断面が凹状で、横断面が平状のレンズ1に変
える処理が行われる。この時に、レイトレーシング手法
により、モデル化された光源2からの光がリフレクタの
反射面で反射し、その反射光がレンズで屈折されて、そ
の後出射光として前方のスクリーン(図示せず)上に到
達して作られるイメージの配光パターン(図示省略)が
計算して得られる。
【0033】において、前記の処理により得られる
目標配光パターン(図19)と、前記の処理により得
られる配光パターンとのずれを算出する処理が行われ
る。このずれは、レンズにおける光の屈折により生じる
ものである。
【0034】及びにおいて、前記の処理により算
出されたずれが0となるように、仮設定リフレクタをレ
ンズ用のリフレクタに本設定する処理が行われる。即
ち、前記の処理により得られる配光パターンが前記
の処理により得られる目標配光パターン(図19)とな
るように、リフレクタのNURBSの自由曲面を自動的
に修正変形して最適なNURBSの自由曲面を形成する
ものである。この及びの処理は、レイトレーシング
手法により、光源からの光がリフレクタで反射し、その
反射光がレンズで屈折され、その後出射光として前方の
スクリーン(図示せず)上に到達する、光線追跡計算を
繰り返すものである。
【0035】そして、前記ずれがほぼ0になったところ
で、レンズ1用のリフレクタ3が本設定されたことにな
り、において、本設定されたリフレクタ3が出力され
る。
【0036】このように、この実施形態における本発明
の製造方法は、内部の金属の高輝度感が失われずに、内
部をある程度見難くし、且つ光学設計上の自由度が大で
ある前照灯におけるリフレクタ3を製造することが出来
る。しかも、前記、、、、の処理、即ち、リ
フレクタ3の仮設定工程、ずれ算出工程、リフレクタの
本設定工程を、コンピュータで所定のプログラムに従っ
て処理することにより、前記前照灯におけるリフレクタ
3を高精度、高速度、高自由度に製造することができ
る。
【0037】次に、本発明のレンズ1を有する前照灯
と、従来の平レンズ15を有する前照灯との光学設計シ
ュミレーションを試行した結果について詳細に説明す
る。図6は、光学設計シュミレーションに入力するデー
タを示した説明図である。この図6におけるデータ寸法
は、それぞれ以下の通りである。 Ar=200mm(リフレクタ3の横寸法) Br=90mm(リフレクタ3の縦寸法) Al=200mm(レンズ1の横寸法) Bl=50mm(レンズ1の縦寸法) T=4mm(レンズ1(光軸Z−Zにおける)肉厚寸法) Sv=0°(レンズ1(光軸Z−Zにおける)側面傾斜
角度) Sh=0°(レンズ1(光軸Z−Zにおける)平面傾斜
角度) Rvo=100mm(レンズ1の表面の側面光軸Z−Zにお
ける曲率半径) Rho=800mm(レンズ1の表面の平面光軸Z−Zにお
ける曲率半径) Rvi=−200mm(レンズ1の裏面の側面光軸Z−Zに
おける曲率半径) Rhi=740mm(レンズ1の裏面の平面光軸Z−Zにお
ける曲率半径) F=24mm(焦点距離) Lf=4.6mm(光源2のフィラメントの長さ) Rf=0.73mm(光源2のフィラメントの半径)
【0038】前記データを下記の表1の値に入力する。
尚、条件としては、欧州配光規格ECEReg.を満足
し、リフレクタ3の大きさと光源2は同じものとする。
【0039】
【表1】
【0040】かかる前照灯の光源2を点灯すると、下記
の表2の結果が得られる。
【0041】
【表2】
【0042】前記光源2を点灯すると、該光源2からの
光L1がリフレクタ3で反射され、その反射光L2,L
3がレンズ1を経て、出射光L4,L5として外部に所
定の配光パターンで照射される。該所定の配光パターン
とは、欧州配光規格ECEReg.、或いはそれに準じた
もの(例えば、日本国内型式認定基準)、北米配光規
格、FMVSSなどの配光規格に適合する配光パターン
をいう。そして、図9に示すように、この所定の配光パ
ターンは、ロービームの配光パターンである。この図示
のロービームの配光パターンは、左側通行区分のもので
あり、右側通行区分のロービームの配光パターンは、こ
の図示のロービームの配光パターンと左右逆になる。
【0043】図9に示す所定のロービームの配光パター
ンは、リフレクタ3の反射面4の各反射面ブロック21
〜30で制御される。即ち、図6(a)に示すリフレク
タ3の反射面4のうち、左から1番目の反射面ブロック
21においては、図10に示す配光パターンが、左から
2番目の反射面ブロック22においては、図11に示す
配光パターンが、左から3番目の反射面ブロック23に
おいては、図12に示す配光パターンが、左から4番目
の反射面ブロック24においては、図13に示す配光パ
ターンが、左から5番目の反射面ブロック25において
は、図14に示す配光パターンが、左から6番目の反射
面ブロック26においては、図15に示す配光パターン
が、左から7番目の反射面ブロック27においては、図
16に示す配光パターンが、左から8番目の反射面ブロ
ック28においては、図17に示す配光パターンが、左
から9番目の反射面ブロック29においては、図18に
示す配光パターンが、左から10番目の反射面ブロック
30においては、図19に示す配光パターンが、それぞ
れ制御されて得られ、この各反射面ブロック21〜30
により制御されて得られた配光パターン(図10乃至図
19)を合成することにより、図9の所定のロービーム
の配光パターンが得られることとなる。尚、図9に示す
所定のロービームの配光パターン以外にも、ハイビーム
用の光源(図示せず)及びリフレクタ3により、図示し
ない所定のハイビームの配光パターンが得られる。
【0044】理論上のリフレクタ3の設計では光源2を
点光源として作成するが、実際には図1、図2に明らか
なように、フィラメントの長さをもっているので、光源
2には前後幅を有している。
【0045】このため、例えば、図6(a)に示すよう
に、光源2に一番近い反射面ブロック25におけるリフ
レクタ3の反射面4における一ポイントP1で、光源2
の光が反射された際に、光源(フィラメント)2の後端
bからの出射光L4は、図1に示すように、投影された
状態における水平線S1に対して角度θ1分だけ下側に
出射されるが、光源(フィラメント)2の前端aからの
出射光L5は、投影された状態における水平線S1に対
して角度θ2分だけ下側に出射される。出射された光L
4,L5が、スクリーン(図示せず)上では、図6
(b)及び図14に示すように、略中央部に上下に長尺
状であり且つ光源2からの左右方向のズレ分だけ少し傾
きをもって投影される。前記レンズ1から出射される出
射光L4,L4の投影された状態における水平線S1に
対しての角度θ1、θ2は、スクリーン(図示せず)上
の水平線H−Hからレンズ1からの角度θ1、θ2と同
じ角度で投影されている。
【0046】また、例えば、図6(a)に示すように、
光源2から3番目の反射面ブロック28におけるリフレ
クタ3の反射面4における一ポイントP2で、光源2の
光が反射された際に、光源(フィラメント)2の後端b
からの出射光L4は、図2に示すように、投影された状
態における垂直線S2に対して角度θ3分だけ内側に出
射されるが、光源(フィラメント)2の前端aからの出
射光L5は、投影された状態における垂直線S5に対し
て角度θ4分だけ内側に出射される。出射された光L
4,L5が、スクリーン(図示せず)上では、図6
(b)及び図17に示すように、略中央部に左右に長尺
状に投影される。前記レンズ1から出射される出射光L
4,L4の投影された状態における垂直線S2に対して
の角度θ3、θ4は、スクリーン(図示せず)上の垂直
線V−Vからレンズ1からの角度θ3、θ4と同じ角度
で投影されている。
【0047】尚、図9に示す所定のロービームの配光パ
ターン以外にも、ハイビーム用の光源(図示せず)及び
リフレクタ3により、図示しない所定のハイビームの配
光パターンが得られる。
【0048】つまり、前記反射面4に形成された自由曲
面は、それによって生成される配光パターンをコンピュ
ータシミュレートして配光特性を分析し、最適な配光パ
ターンになるように形成されたものである。従って、こ
の反射面4による反射光L2,L3がレンズ1を通過し
て外部に照射される時の出射光L4,L5の配光パター
ンは、すれ違い、走行パターンともにバランスのとれた
最適なものである。しかも、この実施形態では、レンズ
1の表面や裏面にも自由曲面(NURBS)を形成した
ため、リフレクタ3だけでなくレンズ1にも配光機能を
もたせることができ、より理想的な配光パターンが得ら
れるようになる。
【0049】そして、特にこの実施形態では、レンズ1
の縦断面が凹形状であるため、プリズムが形成されてい
なくても、外部から見た場合に、レンズ1により光が大
きく屈折して内部が見づらくなる。従って、従来のよう
に、見映えを考慮して、リフレクタ3の反射面4を光学
的な必要性以上に入念に仕上げる必要性がなく、リフレ
クタ3の仕上げ作業が容易になる。
【0050】また、レンズ1の縦断面が凹形状で横断面
が平形状であるということは、縦では、リフレクタ3の
略楕円面により集光された光を光軸Sに略沿った方向に
拡散し、横では、略放物面により反射された光がそのま
ま光軸Sに略沿った方向に通過しながら、光を所定の配
光パターンで外部へ照射することができる。従って、前
述のような横長のレンズ1を用いた、縦に小さく横に長
い前照灯を形成することができ、前照灯を組み込むべき
フロント部に、十分な上下寸法の設置スペースを確保で
きないような車体デザインの場合に好適である。
【0051】更に、縦断面及び横断面とも略楕円面であ
るリフレクタ3は、従来のプロジェクタータイプと同様
であるが、プロジェクタータイプのような配光用のシェ
ードを必要としないため、光の損失がなく大光量を得る
面において有利であると共に、レンズ1とリフレクタ3
との間の距離が小さく、設置スペースの奥行きの小さい
車両にも組み込み易い。
【0052】以上のように、レンズ1の形状を従来の単
なる平形状から、この実施形態のように縦断面は、凹形
状で、横断面は、平形状に変形することにより、現在の
多様化した車体デザインの要望に応え得る新たな機能
(上下寸法の小さい設置スペースにも組み込める機能)
を有する前照灯の実現が可能になった。
【0053】尚、以上において、レンズ1の縦断面を
「凹形状」にしたが、この断面における「凹形状」と
は、レンズ1がその断面において、入射光を光軸Sから
離反(拡散)する方向に屈折させる光学的機能を有する
形状のことを意味している。従って、図5(a)のよう
に片面だけが凹面になっているものや、図5(b)のよ
うに一方が凸面で他方がそれ以上の凹面になっているも
のや、図5(c)のように光軸Sに対して斜めになって
いるものも、本願発明の「凹形状」に含まれる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、レンズの縦断面が凹
形状であるため、プリズムが形成されていなくても、レ
ンズにより光が大きく屈折して内部が見づらくなる。従
って、従来のように、見映えを考慮して、リフレクタの
反射面を光学的な必要性以上に入念に仕上げる必要性が
なく、リフレクタの仕上げ作業が簡略になる。また、縦
に小さく横に長い前照灯が得られるため、前照灯が組み
込まれるフロント部に、十分な上下寸法の設置スペース
を確保できないような車体デザインの場合に好適であ
る。更に、レンズの横断面が平形状のため、レンズをガ
ラス製にした場合は、レンズの研磨加工が行い易く、レ
ンズの製造性の面で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る前照灯の縦断面
図。
【図2】図1の横断面図。
【図3】図1の正面図。
【図4】図1のレンズの斜視図。
【図5】図4のレンズの凹形状の変形例を示す断面図。
【図6】(a)は図1のリフレクタの反射面の正面図、
(b)はスクリーンに投影されるピンポイントにおける
代表的な配光パターン図。
【図7】光学シュミレーションに入力するデータを示し
た説明図であって、(A)は正面図、(B)は(A)に
おけるB−B線断面図、(C)は(A)におけるC−C
線断面図、(D)は(C)におけるD部の拡大図。
【図8】本発明の前照灯におけるリフレクタの製造方法
の一実施形態を示したフローチャート。
【図9】図1の前照灯による所定のロービームの配光パ
ターン図(等照度曲線図)。
【図10】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック21とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図11】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック22とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図12】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック23とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図13】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック24とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図14】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック25とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図15】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック26とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図16】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック27とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図17】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック28とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図18】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック29とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図19】図1に示すレンズ1と図6(a)に示すリフ
レクタ3の反射面4の反射面ブロック30とにより得ら
れる配光パターンであって、コンピュータのシュミレー
ションで得られた配光パターンを簡略化した配光パター
ンの説明図。
【図20】平レンズを使用した従来の前照灯の概略縦断
面図。
【図21】図20のリフレクタの表面図。
【図22】所定のロービームの配光パターン図(等照度
曲線図)。
【図23】(A)〜(F)は、図20に示す平レンズと
図20,21に示すリフレクタの反射面の反射面ブロッ
クとにより得られる配光パターンであって、コンピュー
タのシュミレーションで得られた配光パターンを簡略化
した配光パターンの説明図。
【符号の説明】
1 レンズ 2 光源 3 リフレクタ 4 反射面 S 光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F21W 101:10 F21Y 101:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、反射面が自由曲面のリフレクタ
    と、プリズムのないレンズとから成り、リフレクタによ
    る反射光がレンズを通過して所定の配光パターンで外部
    に照射される車両用前照灯であって、 前記レンズは、縦断面が凹形状で、横断面が平形状であ
    ることを特徴とする車両用前照灯。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用前照灯であって、 前記リフレクタの反射面は、縦断面がレンズより大きい
    略楕円面で、横断面がレンズと略同サイズの略放物面で
    あることを特徴とする車両用前照灯。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の車両用前照
    灯であって、 前記リフレクタの反射面に形成されている自由曲面が、
    NURBS(Non-Uniform Rational B-Spline Surfac
    e)であることを特徴とする車両用前照灯。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車
    両用前照灯であって、 前記レンズにおける表面及び裏面の少なくともいずれか
    一方に、トーラス曲面又は自由曲面が形成されているこ
    とを特徴とする車両用前照灯。
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