JP2002215157A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2002215157A
JP2002215157A JP2001011564A JP2001011564A JP2002215157A JP 2002215157 A JP2002215157 A JP 2002215157A JP 2001011564 A JP2001011564 A JP 2001011564A JP 2001011564 A JP2001011564 A JP 2001011564A JP 2002215157 A JP2002215157 A JP 2002215157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子楽器において、押鍵の鍵タッチに応じて
発音タイミングを制御すし、突っ込み発音と非突っ込み
発音との切換発音を可能にして、表現力やアーティキュ
レーションを増大する。 【解決手段】 押鍵検出手段の鍵スイッチとして鍵でオ
ンオフする浅スイッチ47とハンマーでオンオフする深
スイッチ48を設け、各スイッチの1接点および第2接
点からなる4つの接点により、鍵ストローク中のオン/
オフを検出する。浅スイッチの2接点からタッチデータ
を検出し、このタッチデータが所定値以上のとき突っ込
み発音する。所定値以下のとき深スイッチの2接点から
検出したタッチデータに応じて非突っ込み発音/非発音
を制御する。例えばピアノプレーヤーかパイプオルガン
プレーヤーかに応じて、あるいはプロ/アマチュアかに
応じれ突っ込み発音/非突っ込み発音かを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍵盤に配設された
例えば鍵スイッチにより押鍵操作時の鍵ストローク中に
鍵タッチ信号を生成し、該タッチ信号に基づいて楽音を
制御する電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子鍵盤楽器において、例えば特
公平8−10399号公報に開示されているように、鍵
ストロークの全行程で鍵の位置をセンシングして楽音を
制御する技術がある。このような技術によれば、例えば
1つの鍵スイッチの2つの接点スイッチの時間差だけか
らイニシャルタッチを求めて楽音を制御するものより
も、多彩な表現が可能となる。
【0003】また、例えば特開平7−199932号公
報には、鍵ストロークの全行程でのセンシングにより、
鍵ストロークの時間変化の非線形性に基づいて奏法を判
別する技術が開示されている。
【0004】また、3つの接点スイッチによる2つの時
間差のデータを用い、鍵ストロークの浅い方の(前の)
時間差データで楽音の音量を制御し、深い方の(後の)
時間差データで音色を制御するものもある。
【0005】ところで、ピアノは、鍵、アクション、ハ
ンマー、弦という伝達機構によって発音するようになっ
ている。このため、弱打の場合は押し終わりころに小さ
な音が鳴るような感じがする。また、強打の場合は、鍵
への初速が大で強音になる場合と、押し弾きで強音にな
る場合とがある。また、ピアノを弱打する場合は、押し
終わりで打弦されることが演奏者には解っているので、
タイミングに関してあまり違和感がないが、強打した場
合は、伝達機構特有の伝達遅れによる発音の遅れがある
ので、強打をしてジャストタイミングで演奏したと思っ
ても、打鍵動作よりは発音が少し遅れる感じがする。
【0006】このように、伝達機構や鍵への強弱が微妙
な発音遅れを生み、特に初心者では表現力やアーティキ
ュレーションが低下することがある。
【0007】また、パイプオルガンでは、押鍵のストロ
ークの初期に若干遊びがあり、それから少し押し下げた
ところで弁の感触が伝わってくる。そして弁を開放する
瞬間に最も抵抗が大きくなり、この時点から発音が開始
する。すなわち、実質的な発音が押鍵のタイミングから
遅れ気味になる。このような傾向は楽器の発音機構によ
るものであり、ホルン、バスーン、トロンボーンなどの
ような管楽器やヴィオラダガンバのうち、中型以上の弦
楽器でも、同様に演奏操作に対して発音が遅れ気味にな
る。
【0008】したがって、このような楽器を演奏するプ
ロの演奏者は、その楽器の特性を自然に会得し、合奏、
合唱、アンサンブル演奏を行う場合など、発音すべきタ
イミングよりも突っ込み気味(あるいは前のめり)にし
て演奏動作を連続させるようにしている。例えば、オー
ケストラ演奏のように、複数楽器が同時に休符した後、
複数楽器が同時発音するとき(テュッティー部分)など
は演奏中の見せ場であり、発音タイミングを合わせるの
が重要となる。
【0009】一方、このようにプロの演奏者は専門の楽
器の特性を会得しているため、べつの楽器を演奏すると
きに支障となる場合もある。例えば、パイプオルガン奏
者は突っ込み気味に演奏するため、同じ鍵盤楽器でもピ
アノを演奏すると発音タイミングが速くなりがちとな
る。また、逆にピアノ奏者がパイプオルガンを演奏する
と発音タイミングが遅れ気味となる。テュッティーの部
分毎に突っ込み演奏または遅れ気味演奏が繰り返される
と、演奏始めと終り近傍で、かなりのテンポの差を生
じ、作曲者が意図した極になり得ないことがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、鍵タ
ッチの強さに応じて発音タイミングを切換え制御するこ
とは行われていない。本発明は、上記の点に鑑みてなさ
れたものであり、押鍵の鍵タッチに応じて発音タイミン
グを制御することで、早めの発音(以後、「突っ込み発
音」という。)と通常の発音(以後、「非突っ込み発
音」という。)との切換発音を可能にして、表現力やア
ーティキュレーションを増大し、発音タイミングを合わ
せ易くし、演奏し易い電子楽器を提供することを課題と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の電子
楽器は、押離鍵操作される鍵と、該鍵を押鍵操作した時
の鍵ストローク中に鍵タッチ信号を生成する鍵タッチセ
ンサ手段と、該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッ
チ信号に基づいて楽音を制御する楽音制御手段と、を備
えた電子楽器において、前記鍵ストロークの浅い方で発
生される鍵タッチ信号の強さが閾値以下のとき、前記鍵
ストロークの深い方で発生される鍵タッチ信号に応じて
楽音の発音/非発音を制御するようにしたことを特徴と
する。
【0012】上記のように構成された請求項1の電子楽
器によれば、鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッ
チ信号(第1実施例の浅スイッチから得られるキーオン
タッチデータに対応)が閾値(第1実施例の所定値A1
に対応)を越えるような押鍵操作により直ぐに発音する
ような突っ込み発音が可能であり、かつ、この鍵タッチ
信号が閾値以下となるような押鍵操作により非突っ込み
発音が可能となる。したがって、例えば初心者でも表現
力やアーティキュレーションが増大し、演奏し易い電子
楽器となる。
【0013】本発明の請求項2の電子楽器は、押離鍵操
作される鍵と、該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中
に鍵タッチ信号を生成する鍵タッチセンサ手段と、該鍵
タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づいて
楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器にお
いて、前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ
信号の強さが閾値を越えているとき、該鍵タッチ信号の
検出直後に楽音の発音を開始するようにしたことを特徴
とする。
【0014】上記のように構成された請求項2の電子楽
器によれば、鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッ
チ信号が閾値(第1実施例の所定値A1に対応)を越え
るような押鍵操作により直ぐに発音するような突っ込み
発音が可能である。したがって、例えば初心者でも表現
力やアーティキュレーションが増大し、演奏し易い電子
楽器となる。
【0015】本発明の請求項3の電子楽器は、押離鍵操
作される鍵と、該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中
に鍵タッチ信号を生成する鍵タッチセンサ手段と、該鍵
タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づいて
楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器にお
いて、前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ
信号の強さが第1閾値以下のとき、前記鍵ストロークの
深い方で発生された鍵タッチ信号の強さが第2閾値を越
えているとき発音し、該鍵タッチ信号の強さが第2閾値
以下のとき非発音とすることを特徴とする。
【0016】上記のように構成された請求項3の電子楽
器によれば、鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッ
チ信号が第1閾値(第1実施例の所定値A1に対応)を
越えるような押鍵操作により直ぐに発音するような突っ
込み発音が可能である。また、この鍵ストロークの浅い
方で発生される鍵タッチ信号が第1閾値以下で、かつ、
鍵ストロークの深い方で発生される鍵タッチ信号(実施
例の深スイッチから得られるキーオンタッチデータに対
応)が第2閾値(実施例の所定値A2に対応)を越える
ような押鍵操作により、非突っ込み発音が可能となる。
したがって、例えば初心者でも表現力やアーティキュレ
ーションが増大し、演奏し易い電子楽器となる。さら
に、鍵ストロークの深い方で発生される鍵タッチ信号が
第2閾値以下となるような押鍵操作のときは非発音とな
るので、探り弾き等による誤発音を防止できる。
【0017】本発明の請求項4の電子楽器は、押離鍵操
作される鍵と、該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中
に鍵タッチ信号を生成する鍵タッチセンサ手段と、該鍵
タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づいて
楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器にお
いて、演奏者情報を入力する入力手段を設け、該入力手
段で入力される演奏者情報に応じて、前記鍵ストローク
の浅い方で発生される鍵タッチ信号が得られた直後に発
音するか、前記鍵ストロークの深い方で発生された鍵タ
ッチ信号に応じて発音/非発音を制御するかを、切り換
え設定できるようにしたことを特徴とする。
【0018】上記のように構成された請求項4の電子楽
器によれば、請求項3と同様に、押鍵操作に応じて突っ
込み発音が可能となり、この突っ込み発音をするか、鍵
ストロークの深い方で発生された鍵タッチ信号に応じて
発音/非発音を制御するかを演奏者情報に応じて設定で
きる。この鍵ストロークの深い方で発生された鍵タッチ
信号に応じて発音/非発音を制御するとき、鍵ストロー
クの深い方で発生される鍵タッチ信号が第2閾を越えて
いるとき発音し、該鍵タッチ信号の強さが第2閾値以下
のとき非発音とすることができる。これにより、発音の
場合は非突っ込み発音を行うことができ、非発音となる
押鍵操作のときは探り弾き等による誤発音を防止でき
る。
【0019】上記演奏者情報としては、例えば、演奏者
の癖、初心者(アマチュア)か上級者(プロ)か、ピア
ノ奏者かパイプオルガン奏者か、せっかちかのんびりか
など、演奏者の特に押鍵操作のタイミングの違いを考慮
した情報とする。そして、そのタイミングの違いに応じ
て突っ込み発音を行うか行わないかを設定することがで
きる。例えば、初心者は押鍵操作のタイミングが上級者
よりも遅れがちになるので突っ込み発音を行うように設
定する。したがって、例えば初心者でも表現力やアーテ
ィキュレーションが増大し、演奏し易い電子楽器とな
る。また、ピアノ奏者は押鍵操作のタイミングがパイプ
オルガン奏者よりも遅めになるので、パイプオルガンの
音色のとき、浅スイッチの鍵タッチ信号に応じて突っ込
み発音を行うようにすると、実際の発音タイミングがパ
イプオルガン奏者のようになる。また、パイプオルガン
奏者は押鍵操作のタイミングがピアノ奏者よりも早めに
なるので、深スイッチの鍵タッチ信号に応じて非突っ込
み発音を行うようにすると、実際の発音タイミングがピ
アノ奏者のようになる。したがって、演奏し易い電子楽
器となり、特に他楽器とのアンサンブル演奏や合唱を含
むオーケストラ演奏がしやすくなる。
【0020】本発明の請求項5の電子楽器は、押離鍵操
作される鍵と、該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中
に鍵タッチ信号を生成する鍵タッチセンサ手段と、該鍵
タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づいて
楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器にお
いて、前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ
信号の鍵タッチの強さが第1閾値以下のとき、前記鍵ス
トロークの深い方で発生された鍵タッチ信号の鍵タッチ
の強さが第2閾値を越えているとき発音し、該鍵タッチ
の強さが第2閾値以下のとき非発音とし、前記第1閾値
と前記第2閾値との両レベルを異ならせて設定するよう
にしたことを特徴とする。
【0021】上記のように構成された請求項5の電子楽
器によれば、請求項4と同様に、押鍵操作に応じて突っ
込み発音と非突っ込み発音が可能となる。第1閾値(浅
い方)>第2閾値(深い方)とすると、強タッチの押鍵
操作に限り突っ込み発音が可能となり、弱タッチである
ピアニシモ(PP)がよりピアノらしくなる。また、第
1閾値(浅い方)<第2閾値(深い方)とすると、弱タ
ッチでも突っ込み発音が可能となり、指の練習になった
り、力の弱い小指による表現力も強化される。また、ス
タッカート奏法が上手くなる。したがって、例えば初心
者でも表現力やアーティキュレーションが増大し、演奏
し易い電子楽器となる。
【0022】なお、請求項1〜3、5において、第1の
閾値を音色に対応して設定するようにしてもよい。例え
ば、パイプオルガン、ヴィオラダガンバ、バスーン、ホ
ルン、オーボエなどの音色では、第1閾値を小さくある
いは0とし、ピアノ、ギター、鉄琴、木琴などの音色で
は、第1閾値を大きくする。これにより、パイプオルガ
ン、ヴィオラダガンバ、バスーン、ホルン、オーボエな
ど発音が遅れがちになる音色(エンベロープの特性)に
対して、ピアノ〜木琴の演奏者が演奏するとき突っ込み
発音され、パイプオルガン〜オーボエの演奏者並に発音
タイミングの遅れを防止できる。
【0023】なお、本願明細書および図面において、
「閾値以下」および「閾値を越える」の組からなる表現
は、「閾値未満」および「閾値以上」の組からなる表現
と同等な表現とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の実施形態の電
子楽器のブロック図である。この例の電子楽器は、CP
U1、ROM2、RAM3、押離鍵検出手段4、スイッ
チ検出手段5、表示制御手段6、音源手段7等を備え、
これらの要素1〜7は、バス8を介して互いに接続され
ている。
【0025】システム全体を制御するCPU1は、これ
を駆動するクロックおよびタッチデータ(鍵タッチ信
号)を取得するための割込み処理のクロックを発生する
クロック発生器9を備えている。そして、CPU1は、
所定のプログラムに従って種々の制御を行い、主に、後
述する発音タイミングの制御を中枢的に遂行する。RO
M2には制御プログラムが記憶されており、後述する押
鍵検出手段4の鍵スイッチ(浅スイッチおよび深スイッ
チ)に応じた発音制御に関する各種処理プログラムや、
後述する落とし込みテーブル1、落とし込みテーブル
2、鍵スイッチの接点時間差をタッチデータ(ベロシテ
ィ値)に換するための変換テーブルTBL1、変換テー
ブルTBL2等の所要の各種テーブル、各種制御データ
が記憶されている。
【0026】RAM3は、CPU1の処理に際して必要
なデータやパラメータを記憶し、また、各種レジスタや
フラグ、処理中の各種データ等を一時記憶するためのワ
ーク領域として用いられる。例えば、RAM3内には、
キーバッファKEYBUF、フラグバッファTCBUF
等のバッファや、カウンタ領域、レジスタ、一時メモリ
領域などが確保されている。キーバッファKEYBUF
には、各発音チャンネルnに対応してキーコードKC
(n)、キーイベント種類KV(n)、タッチデータV
on(n)、Voff(n+16)等が一時記憶され、
フラグバッファTCBUFには、各チャンネルnに対応
して接点時間差計測モードフラグTC(n)が一時記憶
される。
【0027】また、RAM3内には、押離鍵タッチ情報
を得るための鍵スイッチ(浅スイッチおよび深スイッ
チ)による接点時間差Ton(n)およびToff(n
+16)をカウントするためのソフトウエアカウンタ領
域が設定されている。さらに、一時メモリ領域は、各種
レジスタや、減衰レートを記憶するレートレジスタ等が
設けられる。なお、チャンネル番号「n」は、例えば、
“0”〜“15”の整数である。これに対応して、音源
手段7側には、番号“0”〜“31”の32チャンネル
があり、例えばピアノの音色の場合、キーオン用および
キーオフ用にそれぞれnチャンネルおよびn+16チャ
ンネルが割り当てられる。
【0028】押離鍵検出手段4は、鍵盤装置10等を備
えた演奏操作装置に内蔵され、バス8を介してCPU1
等に接続されている。スイッチ検出手段5に接続される
パネルスイッチ11は、演奏者情報としてのパーソナル
データを入力するための文字キー、パーソナルデータに
対応するPデータキー、数値を入力するテンキー、音色
選択キー、各種効果などの演奏条件等の設定を行うため
の種々の操作キーを操作パネル上に備えている。液晶パ
ネルや各種インジケータから成るディスプレイ12は、
表示制御手段6を介してバス8に接続され、パネルスイ
ッチ11の操作パネル上の各種操作子に並置されてい
る。また、ディスプレイ12には、各種設定画面や各種
操作ボタンを表示し、ディスプレイ画面上で各種設定・
表示を行うこともできる。
【0029】音源手段7には、楽音波形の波高値(瞬時
値)データからなる波形データを記憶している波形RO
M70、および、CPU1との送受信を行う送受信レジ
スタ71を含んでおり、この波形ROM70は、キーオ
ン時に発生する楽音の生成に用いられるキーオン波形を
含む第1音源ソースと、例えばピアノの音色に対応して
キーオフ時に発生する楽音の生成に用いられるキーオフ
波形を含む第2音源ソースとから成る。
【0030】鍵盤10が操作されると、CPU1は、キ
ーコード、タッチデータ(ベロシティ値)、キーオン/
キーオフ等の各種データを音源手段7の対応するチャン
ネルに設定することで発音/消音処理を行う。なお、音
源手段7は時分割多重処理により各チャンネルの処理を
行い、CPU1から設定された各種データに基づいて波
形ROM70から波形を読み出し、タッチデータ等に基
づいて所定の演算を行なってデジタル楽音信号を発生す
る。そして、サウンドシステム13はデジタル楽音信号
のD/A変換や増幅等を行って、鍵操作に対応した楽音
を発生する。なお、DSP等で構成される効果回路もこ
のサウンドシステム13に含まれる。
【0031】[鍵盤装置]次に、実施形態における鍵盤
装置と鍵タッチセンサ手段のセンサ部を構成する鍵スイ
ッチについて、説明する。図2は、実施形態に係る鍵盤
装置10を示し、鍵操作情報を電子楽器システムに取り
込むための一手段を表わす。この図では、鍵盤装置10
は、非押鍵状態を側面から見て、ごく概略的に表わされ
ている。
【0032】鍵盤装置10は、白鍵21Wと黒鍵21B
とから成る鍵21と、鍵21に連動して駆動される質量
体(ハンマー)43とを多数備えている。楽器の棚板部
22上には、主鍵支持部23Aおよび副鍵支持部23B
が固着され、両支持部23A,23Bは鍵支持部23を
構成する。主鍵支持部23Aには支点ピンWf,Bfが
固設され、白鍵21Wは支点ピンWfに回動自在に支持
され、黒鍵21Bは支点ピンBfに回動自在に支持され
ている。鍵21の前方部(図示左側部)には、副鍵支持
部23Bから突設させた鍵ガイド部WG、BGが設けら
れ、白黒鍵21W,21Bを別々に押して離鍵する時の
鍵動を鍵ガイド部WG、BGによってガイドする構成に
なっている。また、副鍵支持部23Bには白鍵用下限ス
トッパ部WSおよび黒鍵用下限ストッパ部BSが設けら
れる。
【0033】鍵支持部23では、主鍵支持部23Aおよ
び副鍵支持部23Bを固定的に一体成形した接続部LD
によって、押鍵方向から見てラダー状に両支持部23
A,23Bを結合させている。そして、この接続部LD
の上方において鍵21の下方に位置するところには、支
持部B1,B2を介して棚板部22に設けられた基板S
B1上に鍵にて駆動される浅スイッチ47が配設されて
いる。鍵21の後方では、支点部Mfを有する質量体支
持部41が棚板部22に固設され、錘りW1,W2を内
包した樹脂製の質量体43の支点部mfが支点部Mfに
回動自在に支持され、これにより、質量体43は支持部
41に保持されている。支持部41の上部には、前方側
に上限ストッパUSが設けられ、後方側にストッパ部4
1Sが設けられる。
【0034】この質量体43は、前部に錘W1、後部に
錘W2を分散して有し、鍵21の後方上面の質量体駆動
部WAにより力伝達部44を介して駆動されるように配
設される。力伝達部44は、押鍵時に力を質量体43に
伝達すると共に、発音位置の微調節用ねじでもある。鍵
21の質量体駆動部WAは、滑加工面を有する。さら
に、質量体43の下方で質量体支持部41の上方に位置
するところには、支持部41の上面に基板SB2が載置
され、この基板SB2上には質量体43により駆動され
る深スイッチ48が配設されている。鍵21W(21
B)は、非押鍵時には、後部が上限ストッパ部USに当
接されて静止しているが、押鍵時には、前方においてス
トッパ部WS、BSと当接し、このとき、質量体43
は、後部下端がストッパ部41Sに当接する。この際、
ストッパ部41Sにて質量体43は衝突が緩和されるの
で機械的雑音が軽減される。
【0035】このような構成により、図示左側の矢印で
示すように下方向に押鍵すると、鍵21の後方および質
量体43の前方は、図示中央の矢印a1で示すように上
方向に回動し、質量体43の後方は、図示右側の矢印a
2で示すように下方向に回動する。離鍵時には、鍵21
および質量体43は、それぞれ、矢印とは逆方向に回動
して図示の位置に復帰する。
【0036】[鍵スイッチ]この実施形態においては、
浅スイッチ47および深スイッチ48によって押離鍵ス
トロークを検出している。図2の例では、第1および第
2アクチュエータ部45,46が鍵21および質量体4
3の下面に設けられ、第1アクチュエータ45により浅
スイッチ47が駆動し、第2アクチュエータ部46によ
り深スイッチ48が駆動する。
【0037】ここで、各アクチュエータ部45,46と
各スイッチ47,48との間の配置は、押鍵ストローク
において、先ず、第1アクチュエータ部45が浅スイッ
チ47に当接し、これに遅れて、第2アクチュエータ部
46が深スイッチ48に当接するような関係になってい
る。浅スイッチ47および深スイッチ48は、何れも、
ラバーで構成された2つの接点a,b;c,dを備える
接点時間差タイプの2メイク式タッチレスポンススイッ
チであり、各接点a,b;c,dは基板SB1,SB2
上における図示しない固定接点に対して閉成(オン)動
作および開放(オフ)動作を行い、各閉成動作および開
放動作の間にはストローク差が設定されている。
【0038】すなわち、浅スイッチ47においては、例
えば、押鍵ストロークで第1アクチュエータ部45が当
接する場合、先ず、浅スイッチ47の第1接点aが閉成
(オン)し、次に、浅スイッチ47の第2接点bが閉成
する。深スイッチ48においても、例えば、押鍵ストロ
ークで第2アクチュエータ部46が当接する場合、先
ず、深スイッチ48の第1接点cが閉成し、次に、深ス
イッチ48の第2接点dが閉成する。また、離鍵ストロ
ークでは、これとは逆に、深スイッチ48の接点d→
c、浅スイッチ47の接点b→aの順に開放(オフ)し
ていく。
【0039】図3は実施形態における鍵スイッチの機能
を説明するための図である。鍵盤装置10の各鍵21
は、それぞれ、図2の状態に対応する離鍵(非押鍵)位
置Sから最も深い最大押鍵位置Eまで、例えば、押指位
置(例えば鍵先端)にて最大10mmだけ、上下方向に
変位することができるように構成される。これに対し
て、鍵スイッチ即ち浅スイッチ47および深スイッチ4
8の第1および第2接点a〜dは、図3に示すように、
鍵21の押鍵方向動作に応じて鍵位置A〜Dで閉成(オ
ン)し、鍵21の離鍵方向動作に応じて鍵位置D〜Aで
開放(オフ)する。
【0040】例えば、離鍵(非押鍵)位置Sから最大押
鍵位置Eに達するまで鍵21を押鍵すると、下方向に向
かう押鍵ストロークでは、先ず、鍵位置Aで、浅スイッ
チ(SW)47の第1接点aを閉成(オン)して浅スイ
ッチ(SW)47のオン区間が開始し、次に、鍵位置B
に達すると、浅スイッチ(SW)47の第2接点bを閉
成して浅スイッチ(SW)47のオン区間が終了する。
さらに、鍵位置Cにおいては、深スイッチ(SW)48
の第1接点cを閉成して深スイッチ(SW)48のオン
区間が開始し、鍵位置Dで、深スイッチ(SW)48の
第2接点dを閉成して深スイッチ(SW)48のオン区
間が終了する。その後、鍵21は最大押鍵位置Eに到達
する。なお、以下の説明において「スイッチ」を適宜
「SW」と表記する。
【0041】逆に、鍵21が最大押鍵位置Eから上方向
に向かう離鍵ストロークでは、先ず、鍵位置Dで、深S
W48の第2接点dを開放(オフ)して深SW48のオ
ン区間が開始し、次に、鍵位置Cに達すると、深SW4
8の第1接点cを開放して深SW48のオン区間が終了
する。さらに、鍵位置Bにおいては、浅SW47の第2
接点bを開放して浅SW47のオン区間が開始し、鍵位
置Aで、浅SW47の第1接点aを開放して浅SW47
はオフとなり、浅SW47のオン区間が終了する。そし
て、鍵21は離鍵(非押鍵)位置Sに復帰し、全押離鍵
ストロークが完了する。
【0042】この例では、4つの接点a〜dの閉成(オ
ン)/開放(オフ)を常時チェックし、オン/オフ状態
変化の時点および方向を計測することによって、全部で
8種類のオン(閉成)およびオフ(開放)イベントから
成るキーイベントが生成される。すなわち、浅SW47
の第1および第2接点a,bおよび深SW48の第1お
よび第2接点c,dは、押鍵に伴う位置A〜Dでの閉成
(オン)によって4種類のオン(閉成)イベントを生成
し、離鍵に伴う位置D〜Aでの開放(オフ)によって4
種類のオフ(開放)イベントを生成する。そして、タッ
チデータを生成するために、各接点a〜dのうち所定の
接点間のイベントの時間差(時間間隔)を計測する。
【0043】なお、押鍵時に質量体43がその後端下部
をストッパ41Sで受けることによって質量体43がリ
バウンドする場合のリバウンドリミット位置RLを、位
置Cと位置Dとの間に設定することにより、質量体43
のリバウンドによるチャタリングの発生を抑制すること
ができる。
【0044】〔制御データの構成〕図18および図19
は、RAM3上に確保されたフラグバッファおよびカウ
ンタ領域のフォーマットを示しており、図18(A) は、
各チャンネル(CH)n毎の発音情報および消音情報を
記憶するためのキーバッファKEYBUFのフォーマッ
トを表わし、図18(B) は、キーイベント種類データK
V(n)の詳細を表わす。図19(A) は、各チャンネル
(CH)n毎の時間差計測モードフラグTC(n)を記
憶するためのフラグバッファTCBUFのフォーマット
を表わし、図19(B) は、各チャンネルn毎のオン時間
差Ton(n)およびオフ時間差Toff(n+16)
を計測するためのカウンタ領域のフォーマットを表わ
す。
【0045】キーバッファKEYBUFは、図18(A)
に示すように、左端のチャンネルナンバ域NRの発音チ
ャンネル番号n(この例では、“0”〜“15”の計1
6個)それぞれに対して、キーコードデータKC(n)
を格納するためのキーコード格納領域CR、キーイベン
ト種類データKV(n)を格納するためのキーイベント
種類格納領域VR、キーオンタッチデータVon(n)
を格納するためのキーオンタッチ格納領域VnR、およ
び、キーオフタッチデータVoff(n+16)を格納
するためのキーオフタッチ格納領域VfRにより構成さ
れる。
【0046】キーイベント種類データKV(n)は、キ
ーイベントを区別するためのデータであり、例えば、3
ビットで表される。すなわち、3ビットの各データは、
図18(B) に示すように、第3ビットがスイッチ種類を
表わしており“0”=深スイッチ48、“1”=浅スイ
ッチ47を示している。また、第2ビットが接点種類を
表わしており“0”=第2接点(b又はd)(2M)、
“1”=第1接点(a又はc)(1M)を示している。
さらに、第1ビットがイベント種類を表わしており
“0”=オフ(開放)、“1”=オン(閉成)を示して
いる。
【0047】例えば、図18(A) の例では、第0チャン
ネル(チャンネル番号=0)におけるキーイベント種類
データKV(0)=“101”B(なお、記号「B」
は、その直前の数値が2進数であることを示す。)は、
浅スイッチ47の第2接点b(2M)のオン(閉成)イ
ベントを示し、第1チャンネル(チャンネル番号=1)
のキーイベント種類データKV(1)=“010”B
は、深スイッチ48の第1接点c(1M)のオフ(開
放)イベントを示している。
【0048】図19に示す時間差計測モードフラグTC
(n)は、キーイベントの経緯に応じて4つの状態値
“00”B,“01”B,“10”B,“11”Bをと
り、これらの状態値は、図19(A) の欄外に示すよう
に、次のような状態を表わす。 〔1〕TC(n)=“00”B→割込みによりオン時間
差Ton(n)又はオフ時間差Toff(n+16)の
何れをも計測しない状態、 〔2〕TC(n)=“01”B→割込みによりオン時間
差Ton(n)を計測する状態、 〔3〕TC(n)=“10”B→割込みによりオフ時間
差Toff(n+16)を計測する状態 〔4〕TC(n)=“11”B→オン時間差Ton
(n)、オフ時間差Toff(n+16)の計測終了状
態 また、図19(B) に示すように、カウンタ領域は各チャ
ンネル番号に対応してオン時間差Ton(n)とオフ時
間差Toff(n+16)のカウンタレジスタを構成し
ている。
【0049】図4は、実施形態における楽音発生の一例
を説明する図であり、(a)は突っ込み発音の場合、
(b)は非突っ込み発音の場合を示している。押鍵操作
の鍵ストロークの過程で、浅スイッチ47の第1接点a
が閉成(オン)した時点t1から第2接点bが閉成した
時点t2までのオン時間差Ton(n)により、図20
(A) に示す「Ton→Von変換」テーブルTBL1か
らキーオンタッチデータV1on(n)を取得する。
【0050】第1実施例の場合は、キーオンタッチデー
タV1on(n)が所定値A1を越えているときは
(a)の突っ込み発音となり、第2〜第4実施例では設
定値であるDP値=“0”のとき突っ込み発音となる。
そして、この突っ込み発音では、第2接点bが閉成した
時点t2の直後から、音源手段7においてキーオン波形
が読み出され、キーオンタッチデータVon(n)=V
1on(n)に応じた楽音が発生される。
【0051】一方、第1実施例でキーオンタッチデータ
V1onが所定値A1以下の場合および第2〜第4実施
例でDP値=“0”でない場合は、時点t2ではキーオ
ン波形は読み出されず、発音の制御がその後の深スイッ
チ48の状態に委ねられる。すなわち、深スイッチ48
の第1接点cが閉成(オン)した時点t3から第2接点
dが閉成した時点t4までのオン時間差Ton(n)に
より、図20(B) に示す「Ton→Von変換」テーブ
ルTBL2からキーオンタッチデータV2on(n)が
取得される。このキーオンタッチデータV2on(n)
が所定値A2を越えている場合は(b)の非突っ込み発
音となり、第2接点dが閉成した時点t4の直後から、
音源手段7においてキーオン波形が読み出され、キーオ
ンタッチデータVon(n)=V2on(n)に応じた
楽音が発生される。
【0052】また、キーオンタッチデータV2on
(n)が所定値A2以下の場合はキーオン波形は読み出
されず、発音されない。なお、第4実施例においては、
DP値=“1”の場合は深スイッチ48の第1接点cが
閉成した時点t3の直後から中位の(medium)非突っ込
み発音(破線で図示)となる。
【0053】そして、突っ込み発音、非突っ込み発音の
いずれの場合も、浅スイッチ47の第2接点bが開成
(オフ)した時点t5からキーオン波形はレートRon
で減衰を開始する。ここで、この図4の例はピアノの音
色のようにキーオフ音を付加する例であり、キーオン波
形の減衰を開始するとともに、キーオフ波形が読み出さ
れてレートR0で増加させる。これにより、キーオン波
形とキーオフ波形のクロスフェード処理が行われる。そ
して、浅スイッチ47の第2接点bが開成した時点t5
から第1接点aが開成した時点t6までのオフ時間差T
off(n+16)によりキーオフタッチデータVof
f(n+16)が取得され、第1接点aが開成した時点
t6からキーオフ波形がレートR1で減衰を開始して消
音される。このレートR1はキーオフタッチデータVo
ff(n+16)に応じて制御される。
【0054】上記のようにキーオフ波形を用いるのは、
例えばピアノでは、ペダルを踏まない状態で離鍵する
と、ダンパーが弦に徐々に当てられて弦の振動が強制的
に減衰されることによる高調波を含んだ楽音をリアルに
再現するためである。また、キーオン波形からキーオフ
波形への移行を違和感なくスムーズに再生するため、波
形のクロスフェード処理を行いつつ、キーオフ波形に移
行し、キーオフ波形では、音量の減衰と音色変化とをと
もないながら再生される。また、ピアノでなく弦楽器の
非突っ込み系楽器であるヴィオラダガンバやダブルベー
ス等の音色に対する波形記憶/読出しについては、ピチ
カート奏法のみオフ波形をオフ時(t5)から読み出す
システムにしてもよい。
【0055】なお、キーオフ波形を用いない音色の場合
には、浅スイッチ47の第1接点aが開成した時点t6
からキーオン波形を減衰してもよいし、第2接点bが開
成した時点t5からキーオン波形を減衰してもよい。以
下の実施例では、図4に示すように、キーオン波形の
後、キーオフ波形を読み出すようにしているが、キーオ
フ波形を用いない音色の場合には、第1接点aが開成し
た時点t6からキーオン波形を減衰するものとする。
【0056】さらに、t2〜t3またはt2〜t4もし
くはt3〜t4の時間差(タイムインターバル)、すな
わち、突っ込み発音/非突っ込み発音に起因するタイム
ラグは、演奏者の鍵タッチの態様(例えば「押し初めゆ
っくりでその後速く押鍵」、「初めから速くその後も速
く押鍵」、「初めから最押下までゆっくりと押鍵」等)
によって、コントロール可能だというこうとである。し
たがって、楽曲終了直前のピアニッシモで表現される楽
音など、押鍵動作の深い部分で注意深く表現することが
可能となっている。この表現はアコースティックピアノ
に近似している。
【0057】次に、フローチャートに基づいて実施形態
の動作について説明する。 〔メイン処理〕図8は、実施形態の電子楽器におけるメ
イン処理のフローチャートであり、各実施例に共通であ
る。この処理を開始すると、先ず、初期化ルーチンRT
1において、RAM3内のキーバッファKEYBUF,
フラグバッファTCBUF、カウンタ領域等が初期化さ
れ、デフォルト音色等の設定等、各種初期化処理を実行
する。次の楽音制御パラメータ入力処理ルーチンRT2
では、後述の各実施例に対応して、それぞれ、「突っ込
み発音/非突っ込み発音」を制御するための所定値A1
(第1実施例)、所定値A2(第1〜4実施例)、パー
ソナルデータ(第2実施例、第3実施例)あるいはDP
値(第4実施例)の入力、音色(楽器種類等)の選択な
ど、演奏者による各種の入力処理により指定されたパラ
メータをRAM3の対応レジスタ等に設定する処理を実
行する。
【0058】続いて、押離鍵処理ルーチンRT3におい
て、演奏者による鍵盤装置10の押離鍵操作に応じて発
音/消音制御情報を生成し、発音/消音制御情報を音源
手段7に送出して発音/消音処理の実行を指示する。そ
して、楽音パラメータ設定処理ルーチンRT2に戻り、
以後、ルーチンRT2、RT3の処理を繰り返す。
【0059】この実施形態では、このメイン処理に並行
して、所定時間(例えば、1μsec)毎に発生される
クロック発生器9からのタイマ割込みクロックに応じて
タイマ割込み処理が起動される。この割込み処理は、押
離鍵処理と連繋をとりながら処理が実行されるもので、
鍵ストローク中のオン時間差およびオフ時間差の計測処
理を行うが、その詳細については後述する。
【0060】〔楽音制御パラメータ入力処理〕図9は、
楽音制御パラメータ入力処理(図8のRT2)の詳細を
表すフローチャートである。まず、ステップP1におい
て、パーソナルデータ入力またはパーソナルデータキー
の何れかのオンイベントの有無を判定し、何れもオンイ
ベントが無ければステップP7に進み、何れかのオンイ
ベントが有ればステップP2で、キーバッファKEYB
UFUの全チャンネル中にキーコード有りのチャンネル
が有るか否かを判定する。一つのチャンネルでもキーコ
ードが有れば、現在発音中であるので入力を禁止として
ステップP7に進み、全チャンネルにキーコードが無け
れば、現在発音中でないのでステップP3以降で入力処
理を行う。
【0061】ステップP3では、ディスプレイ12に
「Pデータキー入力可能」を表示するか、または、ディ
スプレイ12中の入力部分においてその入力可能部分先
端でカーソルをブリンクしてこのブリンクにより入力可
能状態を表示する。次に、ステップP4で入力処理を行
う。この入力処理は、テンキーあるいは文字キーまたは
プッシュキーにて数字または文字を入力する処理、入力
文字をディスプレイ12に表示する処理、カーソル位置
をシフトする処理などを行う。そして、ステップP5
で、リターンキー(入力確定を指定するキー)のオンイ
ベントの有無を判定し、リターンキーのオンイベントが
あるまで、P3,P4により入力処理を行う。リターン
キーのオンイベントがあればステップP6に進む。ステ
ップP6では、P3のブリンクを停止し、入力可能表示
を消す。
【0062】ステップP7の処理は各実施例に応じて異
なる。第1実施例では、テンキーから入力された数値を
所定値A1あるいは所定値A2として設定する。第2実
施例、第3実施例では、入力された文字列を識別し、識
別した文字列MOJIにより、各実施例に対応する図6
の落とし込みテーブルTBL1(x)または図7の落と
し込みテーブルTBL2(x)を参照し、この文字列で
各実施例に対応するDP値を所定値(“0”/“1”)
に設定する。また、所定値A2を設定する。さらに、第
4実施例では、テンキーから入力された数値(“0”/
“1”/“2”)をDP値に設定し、また、所定値A2
を設定する。すなわち、このステップP7で各実施例に
対応する所定値A1、A2またはDP値が決まり、ステ
ップP8の処理に進む。ステップP8では、ディスプレ
イ12をパーソナリティデータ表示モードから音色表示
モードに変更して音色の入力処理を行ったり、その他入
力処理を行い、メインルーチンに復帰する。
【0063】図10〜図12は、実施形態における押離
鍵処理(図8のRT3)の詳細を表わすフローチャート
である。なお、最初に第1実施例について主に説明する
が、図10は第1〜第4実施例に共通、図11は第1〜
第4実施例に殆ど共通、また、図12は第1〜第3実施
例に殆ど共通であり、異なる部分はその都度断ってその
詳細については後述する。
【0064】(第1実施例)第1実施例は、突っ込み発
音するか非突っ込み発音するかを決定する鍵タッチ信号
の閾値である第1の所定値A1と、第2の所定値A2を
演奏者が入力設定するものであるが、後述のように音色
に対応して設定するようにしてもよい。まず、図10の
ステップK1において、何れかの鍵のキーイベントの有
無を判別し、キーイベントが有ればステップK2に進
み、キーイベントがなければ直ちにメインルーチンに復
帰する。
【0065】ステップK2では、キーバッファKEYB
UFにおいて、発生したキーイベントのキーコードKC
(n)を格納しているチャンネル(CH)があるか否か
を判別し、当該キーコードを格納したチャンネル(C
H)があればステップK4に進む。一方、このようなチ
ャンネル(CH)がなければステップK3に進んで、R
AM3上のキーバッファKEYBUFにおいてキーコー
ド領域CRにキーコードデータKC(n)が格納されて
いない「空きチャンネル(CH)」があるか否かを調べ
る。その結果、空きチャンネル(CH)があればステッ
プK4に進み、そうでなければ直ちにメインルーチンに
復帰する。ここで、メインルーチンに復帰するというこ
とは、過去の短時間に多くのイベントが発生し、多くの
発音/消音処理の実行中であるから、これ以上新押鍵処
理は不可能であることによる処理であり、今発生したイ
ベントを無視する。
【0066】ステップK4では発音を割り当てるチャン
ネル(CH)を決定し、続いて、ステップK5にて、キ
ーバッファKEYBUFにおいて、チャンネル番号領域
NR内の決定したチャンネル番号nに対応するキーコー
ド領域CRおよびキーイベント種類領域VRに、発生し
たキーイベントのキーコードKC(n)およびキーイベ
ント種類KV(n)をそれぞれ書き込んだ後、ステップ
K6に進む。
【0067】ステップK6では、キーイベントが浅スイ
ッチ47から発生したか否かを判別し、浅スイッチ47
のキーイベントのときはステップK7に進み、そうでな
いときは、深スイッチ48のキーイベントであるのでス
テップK8に進む。ステップK7,K8では、それぞれ
イベントがオン/オフの何れのイベントであるかを判定
し、これにより、イベントのあったスイッチの種類とイ
ベントの種類に応じて制御のフローが変化する。
【0068】ここで、楽音の発生から消滅に至るプロセ
スでは、通常、図3に示した押鍵ストローク→離鍵スト
ロークとなり、これに応じた順序でイベントが発生す
る。そこで、この押鍵ストローク→離鍵ストロークのプ
ロセスで発生するイベントの順序(接点aオン→接点b
オン→接点cオン→接点dオン→接点dオフ→接点cオ
フ→接点bオフ→接点aオフ)に従って、動作を説明す
る。
【0069】≪接点aオン≫まず、浅スイッチ47の第
1接点aのオンイベントが発生するので、図10のステ
ップK7から図11のステップA1に進む。なお、図1
1のステップA6は第1実施例の処理であり、図11の
ステップA6以外の処理は第1〜第4実施例に共通であ
る。ステップA1では、オンイベントが第1接点aであ
るか第2接点bであるかを判定し、第1接点aのオンイ
ベントであるのでステップA2に進み、時間差計測モー
ドフラグTC(n)に“01”Bをセットし、元のルー
チンに復帰する。これにより、同時に進行しているタイ
マ割込み処理により、カウンタ領域の対応するチャンネ
ルnでオン時間差Ton(n)のカウント(計測)が開
始される。
【0070】≪接点bオン≫次に、浅スイッチ47の第
2接点bのオンイベントが発生するので、図10のステ
ップK7から図11のステップA1を経てステップA3
に進む。ステップA3では、浅スイッチ47のオン時間
差Ton(n)から変換テーブルTBL1に基づいて第
1タッチデータTBL1(Ton(n))を取得し、K
EYBUF(キーオンタッチデータ領域VnR)のV1
on(n)に取り込み、ステップA4に進む。なお、オ
ン時間差Ton(n)は第1接点aのオンイベントから
第2接点bのオンイベントまでの時間である。
【0071】ステップA4では、オン時間差のレジスタ
Ton(n)をリセットし、ステップA5で、時間差計
測モードフラグTC(n)に“11”Bを格納して非計
測モードに設定し、ステップA6に進む。ステップA6
では、タッチデータV1on(n)が所定値A1を越え
ているか否かを判定し、所定値A1以下であればステッ
プA7で発音延期フラグWAIT(n)に“1”を立て
て元のルーチンに復帰する(第1実施例)。なお、この
ステップSA6に対応する第2〜第4実施例の処理につ
いては後述する。一方、タッチデータV1on(n)が
所定値A1を越えていれば、ステップA8でタッチデー
タV1on(n)を音源送出用のレジスタVon(n)
に格納し、ステップA9で発音処理を行って元のルーチ
ンに復帰する。なお、この発音処理では、チャンネルデ
ータ(n)とキーコードKC(n)とキーオン(n)お
よびVon(n)を音源手段7に送出し、これにより楽
音が発生する。
【0072】このように、浅スイッチ47の第2接点b
のオンイベント時にオン時間差Ton(n)が検出さ
れ、この時間差に応じたタッチデータV1on(n)が
所定値A1を越えているとき、すなわち強く弾かれたと
きは、ステップA9で直ぐに発音が開始され、「突っ込
み発音」となる。また、タッチデータV1on(n)が
所定値A1以下のとき、すなわち弱く弾かれたときは、
発音が延期され、後述のように、後に続く深スイッチ4
8のタッチデータに基づく発音/非発音の判断に委ねら
れる。
【0073】≪接点cオン≫次に、押鍵が進んで深スイ
ッチ48の第1接点cのオンイベントが発生するので、
図10のステップK8から図12のステップB1に進
む。なお、図12は第1〜第3実施例に共通の処理であ
り、第4実施例の場合は、図10のステップK8から後
述する図17のステップB101に進む。図12のステ
ップB1では、オンイベントが第1接点cであるか第2
接点dであるかを判定し、第1接点cのオンイベントで
あるのでステップB2に進み、このステップB2で時間
差計測モードフラグTC(n)に“01”Bをセットし
て、元のルーチンに復帰する。これにより、深スイッチ
48による接点の時間差の計測が開始される。
【0074】≪接点dオン≫次に、深スイッチ48の第
2接点dのオンイベントが発生するので、図10のステ
ップK8から図12のステップB1を経てステップB3
に進む。なお、第4実施例の場合は、図10のステップ
K8から図17のステップB101に進む。図12のス
テップB3では、深スイッチ48のオン時間差Ton
(n)から変換テーブルTBL2に基づいて第2タッチ
データTBL2(Ton(n))を取得し、KEYBU
FのV2on(n)に取り込み、ステップB4に進む。
なお、オン時間差Ton(n)は第1接点cのオンイベ
ントから第2接点dのオンイベントまでの時間である。
【0075】ステップB4では、オン時間差のレジスタ
Ton(n)をリセットし、ステップB5で、時間差計
測モードフラグTC(n)に“11”Bを格納して非計
測モード(計時終了状態)に設定し、ステップB6に進
む。ステップB6では、タッチデータV2on(n)が
所定値A2を越えているか否かを判定し、所定値A2以
下であれば元のルーチンに復帰する。一方、タッチデー
タV2on(n)が所定値A2を越えていれば、ステッ
プB7で、発音延期フラグWAIT(n)に“1”が立
っているか否かを判定し、“1”が立っていなければ元
のルーチンに復帰する。そして、“1”が立っていれ
ば、ステップB8でタッチデータV2on(n)を音源
送出用のタッチデータVon(n)とし、ステップB9
で発音処理を行い、ステップB10で発音延期フラグW
AIT(n)をリセットして元のルーチンに復帰する。
なお、発音処理では、チャンネルデータ(n)とキーコ
ードKC(n)とキーオン(n)およびVon(n)と
を音源手段7に送出し、これにより発音が行われる。
【0076】このように、突っ込み発音しないで浅スイ
ッチ47のオンイベント時から発音が延期された場合、
深スイッチ48による時間差に応じた第2のタッチデー
タV2on(n)と第2の所定値A2とにより発音する
か発音しないかが判断される。そして、第2のタッチデ
ータV2on(n)が所定値A2を越えているときは発
音が開始され、「非突っ込み発音」となる。
【0077】また、第2タッチデータV2on(n)が
第2の所定値A2以下のときは発音されない。この第2
の所定値A2は、例えば通常のタッチデータに対して小
さな値に設定し、この所定値A2で発音を抑制すること
により、探り弾き等による誤発音を防止することができ
る。なお、この実施形態では第2の所定値A2を入力設
定するようにしているが、第2の所定値A2は予め設定
された値でもよいし、音色毎に設定された値でもよい。
【0078】≪接点dオフ,接点cオフ≫次に、離鍵が
開始されると、深スイッチ48の第2接点dのオフイベ
ントおよび第1接点cのオフイベントが順次発生する
が、いずれの場合も、図10のステップK8から元のル
ーチンに復帰し、何も処理をしない。
【0079】≪接点bオフ≫次に、浅スイッチ47の第
2接点bのオフイベントが発生すると、図10のステッ
プK7から図13のステップC1に進む。なお、図13
はキーオフ処理に対応するフローであり、第1〜第4実
施例に共通である。ステップC1では、オフイベントが
第1接点aであるか第2接点bであるかを判定し、第2
接点bのオフイベントであるのでステップC2に進み、
ステップC2で現在設定されている音色がキーオフ波形
を付加する音色(例えばピアノ)であるか否かを判定す
る。キーオフ波形を付加する音色でなければそのままス
テップC4に進み、キーオフ波形を付加する音色であれ
ば、ステップC3で、レート値Rn(n)にRonをレ
ートR(n+16)にR0にセットして音源手段7に出
力し、キーオン波形とキーオフ波形のクロスフェード処
理を指示してステップC4に進む。
【0080】そして、ステップC4で、時間差計測モー
ドフラグTC(n+16)を“10”B(Toff計
測)にセットしてオフ時間差Toff(n+16)の計
測を開始させ、元のルーチンに復帰する。
【0081】≪接点aオフ≫次に、浅スイッチ47の第
1接点aのオフイベントが発生すると、図10のステッ
プK7から図13のステップC1を経てステップC5に
進む。ステップC5では、浅スイッチ47のオフ時間差
Toff(n+16)から変換テーブルTBL2に基づ
いて第3タッチデータTBL2(Toff(n+1
6))を取得し、KEYBUF(キーオフタッチデータ
格納領域VfR)のVoff(n+16)に取り込み、
ステップC6に進む。なお、オフ時間差Toff(n+
16)は第2接点bのオフイベントから第1接点aのオ
フイベントまでの時間である。
【0082】次に、ステップC6で、オフ時間差のレジ
スタToff(n+16)をリセットし、ステップC7
で、消音処理を行う。このステップC7の消音処理で
は、キーオフタッチデータVoff(n+16)からレ
ートR1を求め、チャンネルデータ(n)、キーコード
KC(n)、キーオフ(n)、およびレートR1を音源
手段7に送出し、キーバッファKEYBUFおよびカウ
ンタ領域の当該チャンネルのデータをクリアし、元のル
ーチンに復帰する。これにより、音源手段7において消
音される。
【0083】〔タイマ割込み処理〕図14は、タイマ割
込み処理のフローチャートである。このタイマ割込み処
理では、時間差計測モードフラグTC(n)の状態値に
応じてオン時間差Ton(n)又はオフ時間差Toff
(n+16)の計測を行う。まず、ステップT1で、フ
ラグバッファTCBUFの全てのチャンネル(CH)の
時間差計測モードフラグTC(0)〜TC(31)が
“00”Bまたは“11”B(不計時状態/計時終了状
態)であるか否かを判別し、全チャンネルのフラグTC
(0)〜TC(31)が“00”Bまたは“11”Bの
ときは元のルーチンに復帰し、そうでないときはステッ
プT2に進む。
【0084】ステップT2では、フラグバッファTCB
UF内において“00”Bまたは“11”Bでない時間
差計測モードフラグを識別し、チャンネル(CH)番号
nを決定する。この場合、最初の番号値nは、“1”と
する(或いは、“00”Bまたは“11”Bでない時間
差計測モードフラグのある該当チャンネル(CH)のう
ち最も小さいチャンネル(CH)番号とする)。すなわ
ち、チャンネル番号の最小値から最大値までをスキャン
し、すべての“00”Bまたは“11”Bでないチャン
ネルを抽出する。その手法は様々であるが、チャンネル
番号を更新する処理を含む。
【0085】次に、ステップT3で、決定されたチャン
ネルnの時間差計測モードフラグTC(n)が“01”
Bであるか否かを判別する。TC(n)が“01”B
(Ton計測)のときは、ステップT4でカウンタ領域
のオン時間差Ton(n)(現在までのカウント値)を
“1”だけインクリメントし、ステップT6に進む。一
方、TC(n)が“01”Bでないときは、ステップT
5でカウンタ領域のオフ時間差Toff(n)(現在ま
でのカウント値)を“1”だけインクリメントし、ステ
ップT6に進む。そして、ステップT6では、現チャン
ネル番号nが最大チャンネル番号値MAX(ステップT
2でサーチ対象とするチャンネル番号の最大値)である
か否かを判別し、チャンネル番号nが最大チャンネル番
号値MAXであるときは元のルーチンに復帰し、そうで
ないときは、ステップT2に進んで前回のチャンネル番
号値nを含まない他のチャンネル番号を抽出した上、ス
テップT3以降の処理をする。
【0086】以上の処理により、浅スイッチ47および
深スイッチ48の各オン時間差Ton(n)、浅スイッ
チ47および深スイッチ48の各オフ時間差Toff
(n)が得られる。なお、この実施形態では浅スイッチ
47の時間差データを利用するのみで、深スイッチ48
のオフ時間差のデータは処理に利用しないが、何らかの
制御(例えば音色制御:オフベロシティが大ほど発音中
の楽音の高調波含有率を上げる)に利用するようにして
もよい。
【0087】上記のように、浅スイッチ47から得られ
るキーオンタッチデータが所定値A1を越えるような押
鍵操作により突っ込み発音を行うことができ、所定値A
1以下となるような押鍵操作により非突っ込み発音が可
能となる。そして、深スイッチ48から得られるキーオ
ンタッチデータが所定値A2を越えるような押鍵操作に
より、非突っ込み発音となる。したがって、例えば初心
者でも表現力やアーティキュレーションが増大し、演奏
し易い電子楽器となる。さらに、深スイッチ48から得
られるキーオンタッチデータが所定値A2以下となるよ
うな押鍵操作のときは非発音となるので、探り弾き等に
よる誤発音を防止できる。すなわち、探り弾きしたとし
ても、そのタッチが弱いはずなので、発音しないことが
多いということである。
【0088】また、所定値A1>所定値A2とすると、
スタッカート奏法の条件を満たすことになるので、スタ
ッカート奏法が上手くなる。なぜなら、押し弾き奏法で
は発音されにくいからである。また、強タッチの押鍵操
作に限り突っ込み発音が可能となり、弱タッチでは、発
音がわずかに遅れる(より正確には発音位置が押鍵方向
に沈む)ので、ピアノの鍵をゆっくりと押した場合と同
じような感覚として作用し、ピアニシモ(PP)がより
アコースティックピアノらしくなる。また、所定値A1
<所定値A2とすると、A2を比較的小にした場合には
弱タッチでも突っ込み発音が可能となり、力の弱い小指
による表現力も強化され、A1を比較的大とすれば、比
較的タッチを大にしないと発音されないので、指の練習
になる。
【0089】以上の実施例では、図12のステップB7
において発音延期フラグWAIT(n)に“1”が立っ
ていない場合、すなわち、突っ込み発音を行なっている
場合、そのまま元のルーチンに復帰するようにしている
が、ステップB7の判定がNOの後の処理として、図1
5(A) に示した処理を行うようにしてもよい。すなわ
ち、ステップB7において発音延期フラグWAIT
(n)に“1”が立っていない場合、ステップB7−1
で、深スイッチ48に基づいて検出されたキーオンタッ
チデータV2on(n)が浅スイッチ47に基づいて検
出されたキーオンタッチデータV1on(n)を越えて
いるか否かを判定し、越えていなければ元のルーチンに
復帰する。一方、V2on(n)がV1on(n)を越
えていれば、ステップB7−2で、キーオンタッチデー
タV2on(n)をレジスタVon(n)に格納して音
源手段7に送出し、発音中のキーオンタッチデータVo
n(n)を書き換える。
【0090】これにより、図15(B) に示したように、
V2on(n)>V1on(n)でない場合は、破線の
ように音量がスタッカート的奏法に対応する楽音となる
が、V2on(n)>V1on(n)の場合は、音量が
実線のように変化して押し弾きの場合に対応する楽音と
なる。なお、図15(B) 中の時間t2、t4は図4のt
2、t4に対応している。
【0091】なお、以上の第1実施例では、所定値A1
あるいはA2をパネルスイッチ11のテンキー等の操作
子で入力するようにしているが、例えばスライド操作子
やホイール操作子など、既存の操作子、あるいは別途設
けた操作子により入力設定できるようにしてもよい。
【0092】また、以上の第1実施例では、突っ込み発
音するか否かを決定する第1の所定値A1を演奏者が入
力設定するようにしているが、例えば、図5に示したテ
ーブル等を用い、音色に対応して所定値A1を設定する
ようにしてもよい。例えば、パイプオルガン、ヴィオラ
ダガンバ、バスーン、ホルン、オーボエなどをシミュレ
ートする音色では、そのエンベロープにより実質的な発
音が遅れ気味になる(すなわち、アコースティックな上
記楽器の発音は、所定発音タイミングから楽音が立ち上
がるが、人の耳に聞こえる程度に成長するのにタイムラ
グが生じるという意味であり、音のかたまり(音価)の
大きさ(音のエネルギーととらえるとわかりやすい)が
実質的に知覚されるタイミングは、実発音開始タイミン
グからわずかに遅れる)ので、所定値A1を“0”に設
定しておくことで常に「突っ込み発音」となり、初心者
が演奏しても発音タイミングの遅れを防止することがで
きる。また、鉄琴や木琴の音色は発音が立ち上がりが速
いので、所定値A1を最大値(MIDI規格のベロシテ
ィ“127”)に設定して、常に「非突っ込み発音」と
する。
【0093】(第2実施例)第2実施例は、突っ込み発
音するか非突っ込み発音するかを決定するDP値を、演
奏者が「何プレーヤーであるか」に応じて入力設定する
ものである。すなわちり、図9の楽音制御パラメータ入
力処理のステップP4〜P7において、入力された文字
列MOJIにより、例えば図6の落とし込みテーブルT
BL1(x)を参照し、この文字列(プレーヤー名等)
でDP値を所定値(“0”/“1”)に設定する。な
お、第2の所定値A2は演奏者が入力設定するものであ
る。そして、図10の押鍵処理を経て図11のステップ
A6以外は前記第1実施例と同様の処理を行う。
【0094】この第2実施例では図11のステップA6
の代わりに図16の処理を行う。すなわち、浅スイッチ
47の第2接点bの閉成により浅スイッチ47のオン時
間差からタッチデータV1on(n)を取得し、ステッ
プA5で、時間差計測モードフラグTC(n)に“1
1”Bを格納した後、ステップA6′に進む。ステップ
A6′では、DP値が“0”であるか否かを判定し、D
P値が“0”でなければステップA7で発音延期フラグ
WAIT(n)に“1”を立てて元のルーチンに復帰す
る。そして、DP値が“0”であれば、ステップA8で
タッチデータV1on(n)を音源送出用のレジスタV
on(n)に格納し、前記ステップA9(図11)で発
音処理を行う。なお、深スイッチ48のオンイベントの
ときは図12の処理を行い、浅スイッチ47のオフイベ
ントのときは図13の処理を行うことは、第1実施例と
同様である。
【0095】以上の第2実施例では、DP値が“0”の
とき「突っ込み発音」となり、DP値が“1”のとき
「非突っ込み発音」となる。図6に示したように、パー
ソナルデータが「何プレーヤー」であるかに対して、ピ
アノ、ギター、鉄琴、木琴等のプレーヤーとして入力し
た場合はDP値=0となり、ヴィオラダガンバ、バスー
ン、オーボエ、ホルン、パイプオルガン等のプレーヤー
として入力したときはDP値=1となる。したがって、
例えばパイプオルガンのように発音が遅れがちになる音
色が現在選択されれいる場合、ピアノ〜木琴の「プレー
ヤー」は突っ込み発音により発音タイミングの遅れを防
止できる。ヴィオラダガンバ〜パイプオルガンの「プレ
ーヤー」は通常の演奏でよい。
【0096】また、例えばピアノの音色が現在選択され
ている場合、ピアノ〜木琴の「プレーヤー」は突っ込み
発音により、従来のピアノの伝達機構特有の伝達遅れに
よる発音の遅れを感じさせないアーティキュレーション
の優れたジャストタイミングの発音となり、ヴィオラダ
ガンバ〜パイプオルガンの「プレーヤー」は非突っ込み
発音により、同様にアーティキュレーションの優れたピ
アノの発音が得られる。
【0097】(第3実施例)第3実施例は、突っ込み発
音するか非突っ込み発音するかを決定するDP値を、演
奏者が「何プレーヤーであるか」および「プロであるか
アマチュア」であるかに応じて入力設定するものであ
る。すなわち、図9の楽音制御パラメータ入力処理のス
テップP4〜P7において、入力された文字列MOJI
により、例えば図7の落とし込みテーブルTBL2
(x)を参照し、この文字列(プレーヤー名、「プロ」
/「アマ」等)でDP値を所定値(“0”/“1”)に
設定する。また、第2の所定値A2は演奏者が入力設定
するものである。なお、DP値および所定値A2に応じ
た制御は第2実施例と同様である。
【0098】これにより、例えばピアノプレーヤーの場
合、アマチュアを選択すると突っ込み発音となり、演奏
動作が遅れ気味になる初心者でも、表現力やアーティキ
ュレーションが増大してプロ並みに演奏でき、演奏し易
い電子楽器となる。
【0099】(第4実施例)第4実施例は、突っ込み発
音するか非突っ込み発音するかを決定するDP値を3段
階の中から演奏者が入力設定するものである。また、第
2の所定値A2は演奏者が入力設定するものである。す
なわち、図9の楽音制御パラメータ入力処理において、
DP値を例えばテンキーで“0”または“1”または
“2”を選択して入力する。この第4実施例では、図1
0、図11、図16および図13の前記第2実施例と同
様な処理を行い、DP値が“0”の場合は、図11およ
び図16の処理で突っ込み発音され、DP値が“0”以
外のときは、図16のステップA6′およびステップA
7を経て、発音が延期される。そして、深スイッチ48
のオンイベントの時に、図10のステップK8から図1
7のステップB101に進む。
【0100】ステップB101では、発音延期フラグW
AIT(n)に“1”が立っているか否かを判定し、
“1”が立っていなければ元のルーチンに復帰する。そ
して、“1”が立っていれば、ステップB102で、D
P値が“1”であるか否かを判定し、DP値が“1”で
なければステップB105に進み、DP値が“1”であ
れば、ステップB103に進む。ステップB103で
は、タッチデータV1on(n)を音源送出用のレジス
タVon(n)に格納し、ステップB104で、前記同
様な発音処理を行い、ステップB115で発音延期フラ
グWAIT(n)をリセットして元のルーチンに復帰す
る。これにより、図4に示したように深スイッチ48の
第1接点cが閉成した時点t3の直後から中位の(medi
um)非突っ込み発音が行われる。
【0101】ステップB105では、DP値が“2”で
あるか否かを判定し、DP値が“2”でなければ元のル
ーチンに復帰し、DP値が“2”であれば、ステップB
106以降の処理を行う。なお、ステップB106〜B
110の処理は、図12のステップB1〜B10の処理
と同じであり、DP値が“2”のときは、浅スイッチ4
7のオンイベント時および深スイッチ48の第1接点c
の閉成時に発音が延期され、深スイッチ48の第2接点
dが閉成した直後に、第2のタッチデータV2on
(n)が所定値A2を越えているときは発音が開始さ
れ、「非突っ込み発音」となる。また、第2タッチデー
タV2on(n)が第2の所定値A2以下のときは発音
されない。なお、深スイッチ48のオフイベントのとき
は、図10のステップK8から元のルーチンに復帰し、
浅スイッチ47のオフイベントのときは図13の処理を
行うことは、他の実施例と同様である。
【0102】以上のように、第4実施例では、浅スイッ
チ47および深スイッチ48の4つの接点のうち最初の
2つはタッチデータV1on(n)を取得するために利
用し、タッチデータV1on(n)が取得された2接点
めで発音開始するモード(DP値=0)と、深スイッチ
48の第1接点cのオンイベントで発音開始するモード
(DP値=1)と、深スイッチ48の第2接点dのオン
イベントで発音開始するモード(DP値=2)とがあ
る。
【0103】この第4実施例によれば、突っ込み発音、
中位の非突っ込み発音、および非突っ込み発音を選択す
ることができ、さらに演奏し易い電子楽器となる。例え
ばパイプオルガンのように発音が遅れがちになる音色に
対して、ピアノ〜木琴の「プレーヤー」はDP値=0に
して「突っ込み発音」とし、ヴィオラダガンバ〜パイプ
オルガンの「プレーヤー」はDP値=1として「中位の
非突っ込み発音」とし、ピアノのような音色に対して、
ピアノ〜木琴の「プレーヤー」はDP値=0または1に
して「突っ込み発音または中位の非突っ込み発音」と
し、ヴィオラダガンバ〜パイプオルガンの「プレーヤ
ー」はDP値=2として「非突っ込み発音」としてもよ
い。
【0104】また、鍵ストロークの全行程で鍵の位置を
センシングするような技術を用いてもよいが、この第4
実施例によれば浅スイッチ47および深スイッチ48の
2つのメカニックなスイッチだけで制御しているので、
鍵ストロークの検出精度(確度)が高い。さらに、制御
フローが簡単で、全行程センシングのようなソフト処理
も必要なく、押鍵操作に対応して処理速度を速くするこ
とができる。
【0105】以上の実施例では、4つの接点のオン/オ
フに応じて発音タイミングを制御するようにしている
が、3つの接点の鍵スイッチを用い、押鍵ストロークの
前2つの接点の時間差から取得したタッチデータに応じ
て、突っ込み発音をするようにしてもよい。
【0106】また、鍵ストローク中の接点数を増やした
り、さらに、全行程センシングを利用し、設定できるD
P値の数を増やし、非突っ込み発音の態様(発音タイミ
ング)を多段に設定できるようにしてもよいし、無段階
に設定できるようにしてもよい。この場合、タッチデー
タも、発音直前のデータや、押鍵初期、あるいは、中
間、またはそれらをミックスして平均を取ったデータを
利用してもよい。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の電子楽器
によれば、鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ
信号が閾値を越えるような押鍵操作により突っ込み発音
が可能であり、かつ、この鍵タッチ信号が閾値以下とな
るような押鍵操作により非突っ込み発音が可能となるの
で、例えば初心者でも表現力やアーティキュレーション
が増大し、演奏し易い電子楽器となる。
【0108】また、請求項2の電子楽器によれば、鍵ス
トロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号が閾値を越
えるような押鍵操作により突っ込み発音が可能であるの
で、例えば初心者でも表現力やアーティキュレーション
が増大し、演奏し易い電子楽器となる。
【0109】また、請求項3の電子楽器によれば、鍵ス
トロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号が第1閾値
を越えるような押鍵操作により突っ込み発音が可能であ
り、また、この鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タ
ッチ信号が第1閾値以下で、かつ、鍵ストロークの深い
方で発生される鍵タッチ信号が第2閾値を越えるような
押鍵操作により、非突っ込み発音が可能となるので、例
えば初心者でも表現力やアーティキュレーションが増大
し、演奏し易い電子楽器となる。さらに、鍵ストローク
の深い方で発生される鍵タッチ信号が第2閾値以下とな
るような押鍵操作のときは非発音となるので、探り弾き
等による誤発音を防止できる。
【0110】また、請求項4の電子楽器によれば、請求
項3と同様に、押鍵操作に応じて突っ込み発音が可能と
なり、この突っ込み発音をするか、鍵ストロークの深い
方で発生された鍵タッチ信号に応じて発音/非発音を制
御するかを演奏者情報に応じて設定できるので、演奏者
の特に押鍵操作のタイミングの違いに応じて突っ込み発
音を行うか行わないかを設定することができ、例えば初
心者でも表現力やアーティキュレーションが増大し、演
奏し易い電子楽器となる。また、ピアノ奏者はパイプオ
ルガンの音色のとき実際の発音タイミングをパイプオル
ガン奏者のようにでき、また、パイプオルガン奏者は例
えばピアノの音色のとき実際の発音タイミングをピアノ
奏者のようにでき、演奏し易い電子楽器となる。
【0111】また、請求項5の電子楽器によれば、請求
項4と同様に、押鍵操作に応じて突っ込み発音と非突っ
込み発音が可能となり、第1閾値>第2閾値とすると、
強タッチの押鍵操作に限り突っ込み発音が可能となり、
ピアニシモ(PP)がよりピアノらしくなり、また、第
1閾値<第2閾値とすると、弱タッチでも突っ込み発音
が可能となり、指の練習になったり、力の弱い小指によ
る表現力も強化され、スタッカート奏法が上手くなる。
したがって、例えば初心者でも表現力やアーティキュレ
ーションが増大し、演奏し易い電子楽器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電子楽器のブロック図であ
る。
【図2】実施形態に係る鍵盤装置を示す図である。
【図3】実施形態における鍵スイッチの機能を説明する
ための図である。
【図4】実施形態における楽音発生の一例を説明する図
である。
【図5】実施形態における所定値を音色で設定する場合
のテーブルの一例を示す図である。
【図6】実施形態における落とし込みテーブルTBL1
(第2実施例)を示す図である。
【図7】実施形態における落とし込みテーブルTBL2
(第3実施例)を示す図である。
【図8】実施形態におけるメイン処理のフローチャート
である。
【図9】実施形態における楽音制御パラメータ入力処理
のフローチャートである。
【図10】実施形態における押離鍵処理のフローチャー
トの一部である。
【図11】実施形態における押離鍵処理のフローチャー
トの他の一部である。
【図12】実施形態における押離鍵処理のフローチャー
トの他の一部である。
【図13】実施形態における押離鍵処理のフローチャー
トの他の一部である。
【図14】実施形態におけるタイマ割込み処理のフロー
チャートである。
【図15】実施形態における突っ込み発音を行っている
場合のタッチデータを変更する他の実施例のフローチャ
ートおよび作用を説明する図である。
【図16】実施形態における第2実施例に係るフローチ
ャートである。
【図17】実施形態における第4実施例に係るフローチ
ャートである。
【図18】実施形態におけるキーバッファおよびキーイ
ベント種類データのフォーマットを示す図である。
【図19】実施形態におけるフラグバッファTCBUF
とカウンタ領域のフォーマットを示す図である。
【図20】実施形態における「Ton→Von変換」テ
ーブルTBL1および「Ton→Von変換」テーブル
TBL2を示す図である。
【符号の説明】
1…CPU、7…音源手段、10…鍵盤装置、21W…
白鍵、21B…黒鍵、47…浅スイッチ、48…深スイ
ッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押離鍵操作される鍵と、 該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中に鍵タッチ信号
    を生成する鍵タッチセンサ手段と、 該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づ
    いて楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器
    において、 前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号の
    強さが閾値以下のとき、前記鍵ストロークの深い方で発
    生される鍵タッチ信号に応じて楽音の発音/非発音を制
    御するようにしたことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 押離鍵操作される鍵と、 該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中に鍵タッチ信号
    を生成する鍵タッチセンサ手段と、 該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づ
    いて楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器
    において、 前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号の
    強さが閾値を越えているとき、該鍵タッチ信号の検出直
    後に楽音の発音を開始するようにしたことを特徴とする
    電子楽器。
  3. 【請求項3】 押離鍵操作される鍵と、 該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中に鍵タッチ信号
    を生成する鍵タッチセンサ手段と、 該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づ
    いて楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器
    において、 前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号の
    強さが第1閾値以下のとき、前記鍵ストロークの深い方
    で発生された鍵タッチ信号の強さが第2閾値を越えてい
    るとき発音し、該鍵タッチ信号の強さが第2閾値以下の
    とき非発音とすることを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 押離鍵操作される鍵と、 該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中に鍵タッチ信号
    を生成する鍵タッチセンサ手段と、 該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づ
    いて楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器
    において、 演奏者情報を入力する入力手段を設け、 該入力手段で入力される演奏者情報に応じて、前記鍵ス
    トロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号が得られた
    直後に発音するか、前記鍵ストロークの深い方で発生さ
    れた鍵タッチ信号に応じて発音/非発音を制御するか
    を、切り換え設定できるようにしたことを特徴とする電
    子楽器。
  5. 【請求項5】 押離鍵操作される鍵と、 該鍵を押鍵操作した時の鍵ストローク中に鍵タッチ信号
    を生成する鍵タッチセンサ手段と、 該鍵タッチセンサ手段で生成される鍵タッチ信号に基づ
    いて楽音を制御する楽音制御手段と、を備えた電子楽器
    において、 前記鍵ストロークの浅い方で発生される鍵タッチ信号の
    鍵タッチの強さが第1閾値以下のとき、前記鍵ストロー
    クの深い方で発生された鍵タッチ信号の鍵タッチの強さ
    が第2閾値を越えているとき発音し、該鍵タッチの強さ
    が第2閾値以下のとき非発音とし、 前記第1閾値と前記第2閾値との両レベルを異ならせて
    設定するようにしたことを特徴とする電子楽器。
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