JP2002214745A - 画像形成用支持体 - Google Patents

画像形成用支持体

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JP2002214745A
JP2002214745A JP2001394389A JP2001394389A JP2002214745A JP 2002214745 A JP2002214745 A JP 2002214745A JP 2001394389 A JP2001394389 A JP 2001394389A JP 2001394389 A JP2001394389 A JP 2001394389A JP 2002214745 A JP2002214745 A JP 2002214745A
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Dennis J Eichorst
ジェイ.イーコースト デニス
Charles L Bauer
エル.バウアー チャールズ
Brian K Brady
ケー.ブラディ ブライアン
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Eastman Kodak Co
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    • G03C1/00Photosensitive materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アニール処理時にブロッキングを起こさず、
他層との密着性の良好な画像形成用支持体を提供するこ
と。 【解決手段】 第一面と第二面を有するポリエステル系
ベースの該第一面上にゼラチン下塗層を含み、かつ、該
第二面上に、導電性含金属微粒子をゼラチンに分散させ
てなる帯電防止層を含んでなることを特徴とする画像形
成用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に感光性画像
形成要素に、具体的には、導電性粒子を含む帯電防止層
を具備したアニール可能な支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムの製造では、ハロゲン化銀
粒子をゼラチンに分散させてなる画像形成層を、完成品
の支持体となり物理的一体性を提供する高分子フィルム
支持体上に付着させる。典型的には、セルロース系また
はポリエステル系の支持体、例えば、ポリ(エチレンテ
レフタレート)(PET)およびポリ(エチレンナフタ
レート)(PEN)が採用されている。画像形成用途の
多くで、ポリエステル系支持体の方が三酢酸セルロース
系支持体よりも有利であると考えられている。これは、
ポリエステル系支持体が優れた物理的強度、寸法安定性
を示し、しかも多くの薬品について耐薬品性を有するか
らである。その上、ポリエステル系支持体は、三酢酸セ
ルロース系支持体よりも、効率的に、かつ、低コストで
製造することができる。しかしながら、ポリエステル系
支持体の化学的不活性という特質は、同時に、ゼラチン
系写真乳剤のような極性材料のPETやPEN基材に対
する密着性を許容できるものとする上で、困難さをもた
らすことになる。
【0003】ハロゲン化銀乳剤やバッキング層のポリエ
ステル系支持体に対する許容できる密着性を得るため、
支持体の配向および結晶化の前や配向後に密着性促進層
または下塗層を適用すること、支持体を表面処理するこ
と、等をはじめとする様々な方策が採用されている。固
定層または下塗層の密着性は、米国特許第2,627,0
88号および同第3,143,421号に記載されている
ように、含塩素共重合体の使用をはじめとする各種方法
により助長される。米国特許第3,501,301号に
は、ポリエステルの延伸およびヒートセットまたは結晶
化の前に接着剤層を適用することや、ポリエステルフィ
ルム表面を攻撃する有機溶剤の添加が記載されている。
さらに、十分な密着性を得るため、写真乳剤を塗布する
前に、支持体の乳剤側にゼラチン含有層を続けて塗布し
なければならないことも多い。
【0004】同様に、ポリエステル系支持体の裏側に表
面処理や下塗系を施すことにより、導電性帯電防止層、
耐磨耗層、磁性層、ハレーション防止層、カール抑制
層、減摩層その他の補助層の密着性を高める。ポリエス
テル系支持体の乳剤側、裏側の両方について特に有効な
下塗系は、塩化ビニリデン含有ポリマーである。
【0005】上記ポリエステルフィルムの利点にもかか
わらず、ロール形態で使用する場合には、しつこく残る
コアセットカールが起こり、取り扱い性を低下させるこ
とがある。カメラを小型化する傾向が増大しているた
め、より小さなフィルムカートリッジで同じ露光数を維
持するには写真画像形成要素を薄くする必要がある。写
真要素の薄型化には、フィルム支持体を薄くすることが
最も効果的である。しかしながら、特に小さなフォーマ
ットのフィルムの場合、ポリエステル系支持体を使用し
なければならないコアセット、寸法安定性および物理的
強度に対する要求が増大することになる。これらの増大
する要求を満たすため、写真要素では、ポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレートのようなガラ
ス転移点が50℃〜200℃であるポリ(アルキレン芳
香族ジカルボキシレート)を含むポリエステル系支持体
を採用する場合が多くなっている。その上、ポリエステ
ル系支持体を40℃から最高でガラス転移温度までの温
度で0.1〜1500時間にわたり熱処理すると、コア
セットカールが大幅に抑制されることも周知である。
【0006】高分子支持体、画像形成層および密着性向
上層の他に、帯電防止層、減摩層または搬送制御層、疎
水性バリア層、ハレーション防止層、磨耗およびスクラ
ッチ防止層、透明磁気記録層その他の特殊機能層をはじ
めとする各種補助層を各種画像形成要素に含めることも
周知である。このような透明磁気記録層を感光性ハロゲ
ン化銀写真要素に含めて使用することについては、米国
特許第3,782,947号、同第4,279,945号、
同第4,302,523号、同第5,217,804号、同
第5,229,259号、同第5,395,743号、同第
5,413,900号、同第5,427,900号、同第
5,498,512号、他に記載されている。このような
要素では、画像を通常の写真処理で記録できると同時
に、従来の磁気記録技術で採用されているものと同様の
技法により情報を磁気記録層に同時に記録し、また、磁
気記録層から読み出すことができる。
【0007】写真業界では、静電荷の発生および放電に
まつわる問題が長年にわたり認識されている。電荷の蓄
積は粉塵を引き付けることとなり、物理的欠陥を生ぜし
める虞がある。蓄積した電荷の放電は、増感乳剤に不規
則なカブリパターンまたはスタチックマークを生ぜしめ
る虞がある。粉塵の存在は、磁気記録層を含む画像形成
要素の場合、物理的欠陥をもたらして写真要素の画質を
低下させる虞があるのみならず、ノイズをもたらすこと
により磁気記録性能(例、S/N比、「ドロップ・アウ
ト」等)を低下させる虞もある。帯電によるこうした問
題を防止するため、導電層または帯電防止層を写真要素
に導入して静電荷を散逸させることができる各種周知の
方法がある。典型的には、透明磁気記録層を含む写真要
素の場合、該磁気記録層の下方に位置するバッキング層
として帯電防止層を存在させる。
【0008】上述のように、必要な物理特性を付与する
ため、特に小型カメラ用の小さいフォーマットのフィル
ムのような最近の用途についてはコアセットを許容水準
にまで抑制するため、ポリエステル系支持体を熱処理ま
たはアニールすることが望まれる。さらに、下塗層また
はバッキング層を含む支持体をアニールすることは、製
造効率上有利である。ポリエステル系支持体上に帯電防
止層を塗被したものをアニールすることについては、米
国特許第5,629,141号、同第5,582,963
号、同第5,585,229号、同第5,739,309号
および同第5,766,835号に記載されている。上記
特許明細書に記載されている方法は、ポリエステル系支
持体の表面処理に続き、ゼラチンに酸化錫を分散させて
なる帯電防止層を適用することからなる。上記米国特許
第5,739,309号および同第5,582,963号の
場合、帯電防止層は表面処理済支持体に直接適用され
る。その他の特許においては、帯電防止層の前にゼラチ
ン下塗層を適用する。帯電防止層を有する支持体に熱処
理を施している。熱処理後、写真乳剤側にゼラチン下塗
層を適用し、更に別のバッキング層を適用することもで
きる。米国特許第5,629,141号、同第5,582,
963号、同第5,585,229号および同第5,73
9,309号には、更に別のバッキング層として、二酢
酸セルロースと架橋剤とからなる保護オーバーコート層
が記載されている。米国特許第5,766,835号で
は、更に別のバッキング層として、支持体の熱処理後、
さらに架橋される二酢酸セルロースにCo-γ-Fe2O3と研
磨剤粒子とを分散させてなる磁性層を適用する。上記特
許明細書は、支持体の自己付着またはブロッキングを防
止するために、特定の熱処理条件を制御することが重要
であることも開示している。米国特許第5,629,14
1号には、熱処理時の巻き付け張力もしくは湿度が高す
ぎるまたは刻み高さ(knurl height)が低すぎる場合に、
自己付着が起こり得ることが記載されている。さらに、
支持体の帯電が自己付着を促進するので、帯電防止のた
め導電性粒子を含めることが望ましいことも記載されて
いる。米国特許第5,585,229号には、巻き付け張
力、温度および刻み高さの他、熱処理中の粘着またはブ
ロッキング傾向を抑えるためにはロール径の差を小さく
維持しなければならないことが記載されている。また、
下塗層は典型的にはゼラチンを含むので、加熱時に層が
容易に接着してしまうことから、熱処理は、写真乳剤側
に下塗層を設ける前に行うことが好ましいことも記載さ
れている。米国特許第5,585,229号の実施例1−
26、2−21および3−26は、帯電防止層をゼラチ
ン下塗層に対してアニールした試料の場合、下塗層を熱
処理後に適用して調製した類似試料の場合と比較して、
自己付着またはブロッキングの傾向が大幅に増大し、か
つ、平面性の不十分な領域が拡大したことを示してい
る。米国特許第5,739,309号は、支持体の熱処理
を真空中または不活性ガス流下で実施することを特許請
求し、さらに該熱処理を下塗層の適用前に実施すること
が好ましいことを記載している。
【0009】ゼラチン含有下塗層に対するバッキング層
の熱処理については、米国特許第5,580,707号、
同第5,597,682号および同第5,719,015号
に記載されている。ポリエステル系支持体は、両面をコ
ロナ放電処理で表面処理した後、その乳剤側にゼラチン
含有下塗層を適用する。該支持体の反対側は、ゼラチン
に酸化錫を分散させてなる帯電防止層であってメタノー
ルと水の混合物から塗布したものを有する。次いで、該
帯電防止層の上に、三酢酸セルロースを含有する保護層
を塗布する。その後、下塗層、帯電防止層および保護層
を有する支持体を、写真乳剤層の適用前に熱処理する。
【0010】米国特許第5,459,021号に、支持体
と、ハロゲン化銀乳剤層と、磁気記録層と、微結晶の大
きさが平均で1〜20nmである金属酸化物粒子を含む層
とを有するハロゲン化銀写真材料が特許請求されてい
る。ポリエステル系支持体の両面を、コロナ放電により
表面処理し、続いてアクリル酸ブチル、スチレンおよび
追加のアクリレートからなる各種ラテックスポリマーを
使用して下塗層を適用した写真画像形成要素が記載され
ている。乳剤側の下塗層の上にはゼラチン下塗層をオー
バーコートし、反対側の下塗層上には、共重合体ラテッ
クスとゼラチンとの混合物に導電性金属酸化物粒子を分
散させてなる帯電防止層を塗布する。硝酸セルロースに
Co-γ-Fe2O3を分散させてなる磁性層も記載されてい
る。また、下塗層およびバッキング層を有するポリエチ
レンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート系
支持体をそれぞれ60℃または80℃の温度で24時間
熱処理することも記載されている。上記のように調製さ
れたフィルム試料のカールまたはコアセットが、直径1
0mmの心材に巻き付けて55℃、相対湿度20%の条件
下で3日間処理することによって評価されている。80
℃で熱処理されたポリエチレンナフタレートの試料の場
合、カール除去率は60〜70%となり、熱処理を施し
ていない類似試料のカール除去率50〜60%よりも多
少向上している。米国特許第5,459,021号で例証
されているコアセットの改良は、35mmフィルム用途の
場合は有利であり、室温での長期保存をシミュレートす
る。しかしながら、例証されているコアセット結果は、
心材の直径が10mm未満の6〜7mmが典型的であり、コ
アセット要件が一段と厳しいフォーマットの小さなフィ
ルムのための写真要素の場合には、十分に満足できる結
果ではない。その上、硝酸セルロースは易燃性であり、
製造時の安全性に大きな問題があることから、磁性層の
バインダーとして好ましくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、最外
層として、支持体の画像形成側にゼラチン含有下塗層
を、その反対側に帯電防止層を有する画像形成用支持体
を提供し、続いてこれを、乳剤の塗布前に、支持体のブ
ロッキングまたは自己接着を引き起こすことなく、また
はアニール前に追加の保護層もしくは中間層を必要とす
ることなく、80℃より高い温度でアニールすることに
ある。本発明のさらなる目的は、該アニール処理後の支
持体に対する透明磁気記録層その他の補助層の優れた密
着性を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一面と第二
面を有するポリエステル系ベースの該第一面上にゼラチ
ン下塗層を含み、かつ、該第二面上に、導電性含金属微
粒子をゼラチンに分散させてなる帯電防止層を含んでな
ることを特徴とする画像形成用支持体を提供する。本発
明による好ましい画像形成用支持体は、ガラス転移温度
(Tg)が90℃〜200℃の範囲内にあるポリエステル
系ベースを含み、該支持体の片面上にゼラチン含有下塗
層を、その反対面上に、導電性含金属微粒子をゼラチン
含有層に分散させてなる帯電防止層をそれぞれ有し、該
導電性微粒子が45〜80体積%の範囲内で存在してい
ることを特徴とする。該画像形成用支持体は、80℃か
ら該ポリエステル系ベースのTgまでの温度範囲内におい
て0.1〜1500時間かけてアニール処理される。さ
らなる実施態様では、アニール処理済画像形成用支持体
に透明磁気記録層が適用される。
【0013】乳剤側にゼラチン下塗層を有し、かつ、裏
側に、導電性含金属微粒子をゼラチンに分散させてなる
帯電防止層を有する本発明によるアニール可能な支持体
は、アニール工程中にブロックしない。さらに、45〜
80体積%の導電性粒子を含有する帯電防止層に対して
上方に位置する磁性層の優れた密着性が得られる。
【0014】本発明は、ゼラチン下塗層に対してブロッ
クしないにもかかわらず磁性層が良好に密着する、アニ
ール可能な支持体を提供する。具体的には、磁性層の優
れた密着性が、これまでは実現が困難であったが、アニ
ール工程後、さらに写真処理後にも維持される。本発明
によるアニール可能なパッケージは、帯電防止層の上に
保護層を追加する必要がない上、さらに磁性または減摩
剤を展開させる必要も一切ない。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による画像形成用支持体
は、ポリエステル系ベースの画像形成側にゼラチン含有
下塗層を塗被し、かつ、その反対側に、導電性含金属微
粒子をゼラチン含有層に分散させてなる帯電防止層を塗
被してなり、該導電性含金属微粒子は45〜75体積%
存在する。該ポリエステル系ベースは90℃〜200℃
の範囲内のガラス転移温度(Tg)を有する。ゼラチン
下塗層およびゼラチン含有帯電防止層を最外層として有
する画像形成用支持体は、80℃から該ポリエステル系
ベースのTgまでの温度範囲内で0.1時間〜1500
時間の熱処理を施される。好ましい実施態様では、熱処
理後の画像形成用支持体の帯電防止層の上に透明磁気記
録層を塗布して累置し、かつ、ゼラチン含有下塗層の上
に画像形成層を累置する。該帯電防止層に特定体積百分
率の導電性微粒子を含めることにより、ゼラチン下塗層
と帯電防止層との間の熱処理時の自己接着またはブロッ
キングが、中間保護層を必要とすることなく防止される
ことがわかった。その上、導電性粒子の体積%を特定し
たことにより、本発明の画像形成用支持体に対する透明
磁気記録層の密着性が優れたものとなる。
【0016】本発明の複合型画像形成用支持体は、例え
ば、写真要素、静電写真要素、フォトサーモグラフィ要
素、マイグレーション要素、エレクトロサーモグラフィ
要素、誘電記録要素および感熱色素転写式画像形成要素
をはじめとする各種画像形成要素に適している。多種多
様な画像形成要素の組成及び機能に関しては、米国特許
第5,719,016号に詳説されている。本発明による
複合型支持体を用いて提供され得る画像形成要素は、構
造および組成に関して広範囲に異なるものとなり得る。
例えば、支持体のタイプ、画像形成層の数や組成、該要
素に含まれる補助層の数や種類に関して異なることがあ
る。典型的な写真画像形成要素の画像形成層は、親水性
透水性コロイド内に分散された感輻射線剤(例、ハロゲ
ン化銀)を含む。好適な親水性コロイドとしては、タン
パク質、例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、セルロー
ス誘導体、多糖類、例えば、デキストラン、アラビアゴ
ム、等のような天然物と、水溶性ポリビニル化合物、例
えば、ポリ(ビニルピロリドン)、アクリルアミドポリ
マー、等のような合成高分子とが挙げられる。画像形成
性写真層の一般例はゼラチン/ハロゲン化銀系乳剤層で
ある。具体的には、該写真要素は、スチルフィルム、映
画フィルム、X線フィルム、グラフィックアーツフィル
ムまたはマイクロフィッシュであることができる。写真
要素は、黒白要素、ネガ/ポジ方式用カラー要素または
リバーサル方式用カラー要素であることができる。
【0017】本発明に有用なポリマーフィルム支持体
は、90℃〜200℃のガラス転移温度を有し、かつ、
ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン1,2-ジフェノキシエタン-4,4’-ジカルボ
キシレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエ
チレンナフタレートのようなポリエステル系支持体、並
びにその配合物またはラミネートが含まれる。特に好適
なものは、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレ
ンナフタレートとポリエチレンテレフタレートとの配合
物である。更に別の好適なポリエステル系支持体、ポリ
エステル共重合体およびポリエステル配合物が、米国特
許第5,580,707号に詳しく記載されている。積層
型支持体は、同時押出法、インライン積層法またはオフ
ライン積層法によって製造することができる。本発明に
よるポリエステル系支持体の同時押出には、フィードブ
ロックまたはマルチマニホールドを使用することができ
る。二軸延伸積層型支持体は、未延伸または一軸延伸フ
ィルムを積層し、次いでその積層フィルムに追加の延伸
(配向)を施すことにより得られる。オフライン積層法
では、複数の二軸延伸済フィルムを加熱または各種接着
剤により積層することにより二軸延伸積層型支持体が得
られる。支持体は、無色であっても、色素や顔料の添加
により着色されていてもよい。高屈折率型ポリエステル
系支持体の場合には、光伝送またはエッジカブリの傾向
を減じるため、色素または顔料を添加することが特に望
ましい。また、蛍光防止のために紫外線吸収剤を添加し
てもよい。支持体の厚さは特に重要ではなく、本発明に
よる写真要素の場合、50μm〜254μm(2〜10
ミル)の厚さが適している。
【0018】フィルム支持体は、その片面または両面
を、ゼラチン下塗層またはゼラチン含有帯電防止層の適
用前に、各種プロセスによって表面処理されることがで
きる。各種プロセスには、コロナ放電処理、グロー放電
処理、UV照射処理、火炎処理、電子ビーム処理また
は、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フェノール誘導体
(例、レソルシノールおよびp−クロロ−m−クレゾー
ル)をはじめとする密着性増進剤による処理、本発明の
下塗層による上塗り前の溶剤洗浄が含まれる。表面処理
または密着性増進剤による処理の他、塩化ビニリデン含
有コポリマー、ブタジエン系コポリマー、グリシジルア
クリレートまたはメタクリレート含有コポリマー、無水
マレイン酸含有コポリマー、縮合系ポリマー、例えば、
ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボ
ネート、これらの混合物および配合物、等のようなポリ
マーを含有する更に別の密着性増進プライマーまたはタ
イ層を、ポリエステル系支持体に適用してもよい。特に
好適なプライマーまたはタイ層は、含塩素ラテックスま
たは溶剤塗布可能な含塩素高分子層を含む。本発明のプ
ライマーまたは下塗層としては塩化ビニル含有ポリマー
および塩化ビニリデン含有ポリマーが好ましい。典型的
には、本発明のプライマー組成物は、水系で、質量基準
で約1〜20部のラテックスポリマー固形分と、0.1
〜5部のレソルシノール、クロロフェノールまたはクロ
ロメチルフェノールのような密着性増進剤とを含む。安
定ラテックスポリマーは、米国特許第2,627,088
号および同第3,501,301号に記載されているよう
な乳化重合法で調製される。好適な含塩素ポリマーは、
約70〜100質量%の塩化ビニルまたは塩化ビニリデ
ン系モノマーを含む。上方に位置する層の密着性を増進
するため、酸含有モノマーを含めることが望ましい。該
ポリマーには、そのガラス転移温度を調整するため、更
に別のモノマーを含めることができる。好適な酸含有モ
ノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
およびマレイン酸が挙げられる。ガラス転移温度の調整
に適したモノマーには、アクリロニトリル、スチレン、
メタクリロニトリル、グリシジルアクリレートおよびア
ルキルアクリレートが含まれる。好適な含塩素ポリマー
は、(1)塩化ビニリデンモノマー約70〜90質量%、
(2)酸含有モノマー約0.5〜15質量%および(3)Tg
調整用モノマー約5〜30質量%の混合物を含んでな
る。下塗層として特に好適なポリマーが米国特許出願第
09/106,623号に記載されている。
【0019】下塗またはプライマー組成物は、ベース製
造中にインラインプロセスで、またはオフラインプロセ
スで、ポリエステル系ベースに適用することができる。
インラインプロセスで適用する場合、該層は、ポリエス
テル系ベース上に、延伸前に、延伸後に、または一軸延
伸後の二軸延伸前に、塗布することができる。記載のプ
ライマー組成物は、典型的には、米国特許第2,627,
088号および同第3,143,421号に従い適用され
る。米国特許第2,779,684号に詳説されているよ
うに、塗布組成物をアモルファス支持体材料上に塗布
し、乾燥し、そして得られたフィルムを、延伸工程その
他ヒートセットのような工程を適用することにより配向
させる。したがって、使用される特定の支持体フィル
ム、それをコーティングするための手順および装置、並
びに該フィルムの配向は、本発明の要件にはならない。
本発明のフィルム製品の処理には、当該技術分野で採用
されている通常の塗布装置および処理工程のいずれでも
使用することができる。
【0020】支持体の画像形成側については、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、ゼラチンとフィルム形成性高分子
バインダーとの混合物またはゼラチンと非フィルム形成
性ポリマーラテックス粒子、等を含有する親水性下塗層
を、熱処理前のポリエステル系フィルムベースに適用す
る。該下塗層は、表面処理済のポリエステル系支持体に
適用するか、または適当な任意のプライマー層の上に累
置することができる。支持体の画像形成側にとって好適
な下塗層は、米国特許出願第09/067,306号に
記載されており、これを本願明細書に援用する。ゼラチ
ン下塗層の典型的な使用量は0.25〜5質量%、好ま
しい使用量は0.5〜1質量%の範囲内である。下塗層
は添加物、例えば、分散剤、界面活性剤、可塑剤、凝集
助剤、溶剤、コバインダー、可溶性色素、固体粒状色
素、ヘイズ抑制剤、接着促進剤、硬膜剤、帯電防止剤、
艶消剤、等を含むことができる。塗工性や乾燥性を変更
するため、界面活性剤(塗布助剤)を使用すること、ま
たは水分散液に水混和性溶剤を含ませることが、当該技
術分野では慣例となっている。好適な溶剤には、ケト
ン、例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン、並び
にアルコール、例えば、エタノール、メタノール、イソ
プロパノール、n−プロパノールおよびブタノールが含
まれる。下方に位置する下塗層、プライマー層またはタ
イ層を、ゼラチン下塗組成物による濡れをよくするた
め、例えば、コロナ放電処理により、表面処理してもよ
い。
【0021】本発明の導電性帯電防止層は、支持体のゼ
ラチン含有下塗層とは反対側に塗布される。該帯電防止
層は、ゼラチンまたはゼラチン誘導体を含むフィルム形
成性高分子バインダーに導電性含金属粒子を分散させて
なる。導電性粒子は45〜75体積%の範囲内で存在す
る。導電性粒子が45体積%未満となると、有効な帯電
防止層は得られるが、磁気記録層の密着性が、特に架橋
剤が存在しない場合に実現困難となる。さらに、導電性
粒子が45体積%よりも顕著に少ない場合には、熱処理
に際して帯電防止層とゼラチン下塗層との間でブロッキ
ングが起こる。導電性粒子が75体積%よりも著しく多
い場合には、帯電防止層の凝集破壊、粉立ち、および光
学濃度またはヘイズの増加が起こる。導電性粒子が45
〜75体積%の範囲内にあることにより、支持体を、接
着またはブロッキングを引き起こすことなく熱処理する
ことができ、しかも熱処理後には透明磁気記録層その他
の補助層を適用することができ、架橋剤を存在させるこ
となく優れた密着性が得られる。帯電防止層中の追加材
料には、イオン伝導性材料、導電性ポリマー、非導電性
粒子、磁性粒子、研磨粒子、マット粒子、分散剤、界面
活性剤、色素、減摩剤、ヘイズ抑制剤、密着性増進剤、
硬膜剤、等が含まれることができる。帯電防止層の高分
子バインダーは、ゼラチンまたはゼラチン誘導体を含有
し、またラテックスポリマーまたは親水性ポリマーを含
むこともできる。
【0022】導電性帯電防止層に使用することができる
導電性含金属粒子には、例えば、導電性結晶性無機酸化
物、導電性金属アンチモン酸塩および導電性無機非酸化
物またはこれらの混合物が含まれる。結晶性無機酸化物
は、例えば、米国特許第4,275,103号、同第4,
394,441号、同第4,416,963号、同第4,4
18,141号、同第4,431,764号、同第4,49
5,276号、同第4,571,361号、同第4,99
9,276号および同第5,122,445号に記載され
ている、ZnO、TiO、SnO、Al、I
、SiO 、MgO、BaO、MoO、WO
およびVまたはこれらの複合酸化物の中から選
ぶことができる。米国特許第5,484,694号に記載
されている、アンチモンドープ量が8原子%以上で、X
線微結晶サイズが100Å未満で、平均等価球直径が1
5nm未満であるが該X線微結晶サイズより小さくはない
というアンチモンをドープした酸化錫は、好適な粒状導
電性酸化物である。帯電防止層に使用するのに適した導
電性金属アンチモン酸塩には、例えば、米国特許第5,
368,995号および同第5,457,013号に記載
されているものが含まれる。アンチモン酸亜鉛が好適な
金属アンチモン酸塩である。帯電防止層に導電性粒子と
して使用するのに適した導電性無機非酸化物には、例え
ば、特開平4−55492号公報(平成4年2月24日
公開)に記載されているような、TiN、TiB、T
iC、NbB、WC、LaB、ZrB、MoB、
等が含まれる。導電性帯電防止層に含まれる導電性粒子
は、粒径または形状において特に限定されることはな
い。粒子形状は、概ね球形または等軸の粒子から、繊維
状、ウィスカ状またはリボン状のように高アスペクト比
の粒子まで、広範囲にわたることができる。さらに、米
国特許第5,719,016号および同第5,831,11
9号に記載されている導電性針状含金属粒子も帯電防止
剤として好適である。さらに、上記の導電性材料は、同
様に形状や組成に特に制限のない他の粒子の様々なもの
の表面にコーティングしてもよい。例えば、該導電性無
機材料を、非導電性SiO、AlまたはTiO
の粒子、ウィスカまたは繊維にコーティングすること
ができる。好適な導電性粒子であるアンチモン酸亜鉛お
よびアンチモンドープ型酸化錫の場合、45〜75%の
体積%は、概ね85/15〜95/5の導電性粒子対ゼ
ラチンの比率に相当する。
【0023】帯電防止層のバインダーとして、およびゼ
ラチン含有下塗層のため、どのようなゼラチン、ゼラチ
ン誘導体またはゼラチンと高分子コバインダーとの組合
せでも使用することができる。好適なゼラチンには、ア
ルカリ処理(すなわち、石灰処理)ゼラチン、酸処理ゼ
ラチンおよび酵素処理ゼラチンが含まれる。ゼラチン
は、当業者に公知の各種手段のいずれによっても硬化す
ることができる。有用な硬膜剤として、ホルムアルデヒ
ドおよびグルタルアルデヒドのようなアルデヒド化合
物、ジアセチルおよびシクロペンタンジオンのようなケ
トン化合物、ビス(2-クロロエチルウレア)、2-ヒドロ
キシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン並びに米国特許第
3,288,775号および同第2,732,303号並び
に英国特許第994,869号に記載されているものの
ような反応性ハロゲンを有する化合物、N-ヒドロキシメ
チロールフタルイミド並びに米国特許第2,732,31
6号および同第2,586,168号に記載のもののよう
なN-メチロール化合物、米国特許第3,103,437号
に記載のイソシアネート、米国特許第3,017,280
号および同第2,983,611号に記載のアジリジン化
合物、米国特許第2,725,294号および同第2,7
25,295号に記載の酸誘導体、米国特許第3,09
1,537号に記載のエポキシ化合物、ムコ塩素酸のよ
うなハロゲン化カルボキシアルデヒド、クロムミョウバ
ン、硫酸ジルコニウムのような無機化合物、並びに特開
昭56−12853号、同58−32699号、同60
−225148号、同51−126125号、同58−
50699号、同52−54427号および米国特許第
3,321,313号に記載のカルボキシル基活性化性化
合物、等が挙げられる。ゼラチン含有層はさらに、含塩
素プライマー層の熱分解により発生し得る塩酸を中和す
る酸掃去剤としても機能することができる。
【0024】本発明の導電層に使用するのに適した任意
のフィルム形成性高分子コバインダーとして、水溶性親
水性ポリマー、例えば、スルホン化スチレン/無水マレ
イン酸のような無水マレイン酸系コポリマー;カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢
酪酸セルロース、ジアセチルセルロースまたはトリアセ
チルセルロースのようなセルロース誘導体;合成親水性
ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ-N-ビ
ニルピロリドン、アクリル酸系コポリマー、ポリアクリ
ルアミド、それらの誘導体および加水分解物、ビニルポ
リマーおよびコポリマー、例えば、ポリ酢酸ビニルおよ
びポリアクリル酸エステル;上記ポリマーの誘導体;そ
の他の合成樹脂が挙げられる。他の好適なコバインダー
として、アクリル酸を含むアクリレート、メタクリル酸
を含むメタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリ
ルアミド、イタコン酸およびその半エステルおよびジエ
ステル、置換スチレンを含むスチレン、アクリロニトリ
ルおよびメタクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルエー
テル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン並びに
オレフィンのようなエチレン系不飽和モノマーから調製
された付加型ポリマーおよび共重合体の水性エマルショ
ン、並びにポリウレタンまたはポリエステルイオノマー
の水性分散体が挙げられる。好適なコバインダーは、ポ
リウレタン、ポリエステルイオノマー、およびハロゲン
化ビニリデン系共重合体の水性エマルションである。
【0025】45〜75体積%の範囲内で存在する導電
性粒子およびゼラチンを含有する帯電防止層およびゼラ
チン含有下塗層を最外層として有する本発明による被覆
支持体に、従来の支持体フィルム製造熱処理の後、支持
体のコアセットカール傾向を減じるため、長期の熱処
理、すなわちアニール工程を施す。このような「製造後
の」熱処理またはアニール処理は、米国特許第4,14
1,735号および同第5,326,689号(記載の温
度範囲は広い)に記載されているように、被覆フィルム
支持体を、約80℃(より好ましくは約90℃)から該
ポリマー支持体の概ねガラス転移温度(Tg)までの範
囲内の温度で、約0.1〜1500時間(より好ましく
は0.25〜500時間)かけて加熱することを含む。
コアセットカール傾向を抑えるための熱処理またはアニ
ール工程は、典型的な支持体製造時の加熱処理とは、主
な支持体製造プロセスの一部としてではなく支持体をロ
ールに巻き付けた後に実施される点で、峻別できるもの
である。本発明の好適な実施態様では、画像形成用支持
体は、ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルムベース
の両面に塩化ビニリデン系プライマー層を被覆したもの
からなる。該支持体の片面上にゼラチン下塗層を適用
し、そして該支持体の反対側に、ゼラチンに酸化錫また
はアンチモン酸亜鉛粒子を分散させた帯電防止用水性塗
布組成物を適用する。該支持体を、約90℃からポリエ
ステルベースのTgより4℃低い温度までの範囲内の温
度で0.25〜500時間の間アニール処理する。ポリ
エチレン-2,6-ナフタレートの場合、Tgが約140℃
であるから、その熱処理温度は90℃〜120℃、好ま
しくは100℃〜115℃、より好ましくは105℃〜
115℃の範囲内である。
【0026】従来技術において示したように、熱処理工
程の際には、巻取り張力、巻取り速度、刻み高さ、湿
度、ロール径、ロール均一性、コア材およびコア径を考
慮することも重要である。好適な巻取り張力は3〜75
kg/m、より好ましくは5〜40kg/m、最も好ましくは1
0〜35kg/mの範囲内である。巻取り張力が高すぎる
と、特に画像形成側のゼラチン下塗と45〜55体積%
の導電性粒子を有するゼラチン含有帯電防止層との場合
に、支持体の自己接着が起こり得る。一方、該張力が3
kg/m未満であると、すべりが生じて取り扱い性が悪くな
る。巻取りは、一定張力で行ってもよいし、張力を徐々
に上げながらまたは下げながら行ってもよい。好適な方
法は張力を下げながら巻き取る方法である。巻取り工程
は、室温から支持体のTgまでの範囲内であれば任意の
温度で行うことができる。ロール状フォーマットにおい
て適当なコアセット抑制を達成するための高温での所要
時間を短縮するためには、支持体の巻取りを80℃より
も高温で行うことが好ましい。一般には、熱処理工程中
の湿度をコントロールすることが好ましい。好適な相対
湿度は0%〜85%、より好ましくは0%〜80%、最
も好ましくは0%〜75%の範囲内である。
【0027】支持体の熱処理後、本発明の帯電防止層に
は、必要に応じて、透明磁気記録層、耐磨耗層、保護
層、カール制御層、搬送制御層、減摩層、画像記録層、
密着性増進層、水または溶剤の浸透性を制御するための
層、等のような多種多様な追加の機能層または補助層を
オーバーコートすることができる。本発明の好ましい実
施態様では、該画像形成要素は、帯電防止層の上に累置
された透明磁気記録層をさらに含み、そしてハロゲン化
銀乳剤層を含む画像形成層をゼラチン下塗層の上に累置
する。透明磁気記録層および画像形成層は支持体の熱処
理後に適用される。
【0028】本発明による複合支持体および画像形成要
素に使用するのに適した透明磁性層として、例えば、リ
サーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)、1
992年11月、Item 34390に記載されているものが挙げら
れる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclo
sure)は、Kenneth Mason Publications, Ltd.(DudleyHo
use, 12 North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7D
Q, ENGLAND)の刊行物である。該磁性層は、製造または
性能を改良するための任意追加成分、例えば、架橋剤ま
たは硬膜剤、触媒、塗布助剤、分散剤、界面活性剤(フ
ッ素化界面活性剤を含む)、電荷制御剤、減摩剤、研磨
粒子、充填剤粒子、等を含有することができる。本発明
の磁性粒子は、強磁性または強磁性酸化物、他の金属を
含む複合酸化物、保護被膜を有する合金粒子、フェライ
ト、ヘキサフェライト、等を含むことができ、また、各
種の粒子形状、大きさおよびアスペクト比を示すことが
できる。透明磁性コーティングに有用な強磁性酸化物と
して、γ-Fe2O3、Fe3O4およびCrO2が挙げられる。磁性
粒子は、必要に応じて、他の金属との固溶体であること
及び/又は各種ドーパントを含有することができ、また
粒状または高分子材料のシェルでオーバーコートされて
いてもよい。ドーパント、固溶体成分またはオーバーコ
ートとして好適な追加金属は、酸化鉄の場合はCoおよび
Zn、そして二酸化クロムの場合はLi、Na、Sn、Pb、Fe、
Co、NiおよびZnである。従来の磁気記録分野で一般に実
施されているように、磁性粒子を表面処理することによ
り化学安定性を助長し、または分散性を改良することが
できる。さらに、磁性酸化物粒子は、米国特許第5,2
17,804号および同第5,252,441号に記載さ
れているように、低光散乱性横断面を有する屈折率の低
い酸化物その他の材料の厚い層を含有することもでき
る。コバルト表面処理型γ-酸化鉄が好適な磁性粒子で
ある。この種の強磁性粒子は市販されており、例えば、
戸田工業社より、商品名CSF 4085V2、CSF 4565V、CSF 4
585VおよびCND 865Vで、またISK Magnetics社より、商
品名RPX-4392、RPX-5003、RPX-5026およびRPX-5012でそ
れぞれ入手可能である。
【0029】透明磁気記録層、帯電防止層、または本発
明の下塗層の上に塗布される補助層に適した高分子バイ
ンダーとしては、ゼラチン;セルロース系化合物、例え
ば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、酢酪酸セルロース、酢酸
プロピオン酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、
等;塩化ビニル系または塩化ビニリデン系コポリマー、
例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル系コポリマー、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール系コポリマー、塩
化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸系コポリマー、塩化
ビニル/塩化ビニリデン系コポリマー、塩化ビニル/ア
クリロニトリル系コポリマー、アクリル酸エステル/塩
化ビニリデン系コポリマー、メタクリル酸エステル/塩
化ビニリデン系コポリマー、塩化ビニリデン/アクリロ
ニトリル系コポリマー、アクリル酸エステル/アクリロ
ニトリル系コポリマー、メタクリル酸エステル/スチレ
ン系コポリマー、熱可塑性ポリウレタン樹脂、熱硬化性
ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリカーボネートまたはポリエステル樹
脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、アルキル樹脂、ウレア
-ホルムアルデヒド樹脂、等;ポリフッ化ビニル、ブタ
ジエン/アクリロニトリル系コポリマー、アクリロニト
リル/ブタジエン/アクリル酸系コポリマー、アクリロ
ニトリル/ブタジエン/メタクリル酸系コポリマー、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、スチレン/ブタジエン系コポリマー、ア
クリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、これらの誘
導体および部分加水分解物;その他の合成樹脂が挙げら
れる。他の好適なバインダーとしては、アクリル酸を含
むアクリレート、メタクリル酸を含むメタクリレート、
アクリルアミドおよびメタクリルアミド、イタコン酸お
よびその半エステルおよびジエステル、置換スチレンを
含むスチレン、アクリロニトリルおよびメタクリロニト
リル、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニ
ル、ハロゲン化ビニリデン並びにオレフィンのようなエ
チレン系不飽和モノマーから調製された付加型ポリマー
および共重合体の水性エマルション、並びにポリウレタ
ンまたはポリエステルイオノマーの水性分散体が挙げら
れる。透明磁気記録層に好適なバインダーには、ポリウ
レタン、ポリエステル、塩化ビニル系コポリマー並びに
セルロースエステル、特に二酢酸セルロースおよび三酢
酸セルロースが含まれる。フォーマットの小さい写真画
像形成要素に適用される透明磁気記録層の高分子バイン
ダーとして最も一般的に使用されているのは二酢酸セル
ロースである。二酢酸セルロースは適当な任意の架橋剤
または硬膜剤で架橋される場合が多いが、本発明によれ
ば架橋は不要である。使用することができる共通の架橋
剤として、イソシアネート、アジリジン、およびメラミ
ン樹脂、例えば、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂が挙
げられる。しかしながら、本発明の顕著な利点の一つ
は、上方に位置する磁気記録層を架橋しなくても、許容
できる密着性が得られることである。
【0030】本発明の好適な実施態様による写真要素
は、単色要素であっても多色要素であってもよい。多色
要素はスペクトルの三原色域のそれぞれに感光する複数
の画像色素生成ユニットを含有する。各ユニットは、ス
ペクトルの特定域に感光する単一乳剤層または多重乳剤
層を含むことができる。該要素の層は、画像形成ユニッ
トの層を含めて、当該技術分野で公知の各種順序にて配
置されることができる。別のフォーマットとして、スペ
クトルの三原色域の各々に感光する複数の乳剤を、区分
けされた単一層として配置することもできる。
【0031】典型的な多色写真要素は、支持体上に、一
層以上の赤感性ハロゲン化銀乳剤層に一種以上のシアン
色素生成カプラーを組み合わせてなるシアン色素像形成
ユニットと、一層以上の緑感性ハロゲン化銀乳剤層に一
種以上のマゼンタ色素生成カプラーを組み合わせてなる
マゼンタ色素像形成ユニットと、一層以上の青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層に一種以上のイエロー色素生成カプラー
を組み合わせてなるイエロー色素像形成ユニットとを担
持した構成を有する。該要素は、フィルター層、中間
層、ハレーション防止層、オーバーコート層、下塗層、
等のような追加の層を含むこともできる。
【0032】本発明の一実施態様による写真要素は、好
ましくは、リサーチ・ディスクロージャー(Research Di
sclosure)、1992年11月、Item 34390に記載されている
ように、磁性層を適用して用いられる。また、リサーチ
・ディスクロージャー(Research Disclosure)、1994年
6月、Item 36230に記載されているように、本発明によ
る複合支持体を小フォーマットフィルムに有用な技術と
組み合わせて使用することも具体的に企図される。リサ
ーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)は、K
enneth Mason Publications, Ltd.(Dudley House, 12 N
orth Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, ENGLAN
D)の刊行物である。
【0033】本発明の複合支持体と組み合わせて使用す
ることができる写真乳剤および写真要素に使用するのに
適した材料についての以下の説明では、上述のように入
手できるリサーチ・ディスクロージャー(Research Disc
losure)、1994年9月、Item36544を参照し、これを以降
「リサーチ・ディスクロージャー」と称する。以降参照
するセクションは、該リサーチ・ディスクロージャー、
Item 36544におけるセクションをさす。
【0034】写真要素の画像形成層に使用されるハロゲ
ン化銀乳剤はネガ型、ポジ型のいずれであってもよい。
好適な乳剤およびその調製法、並びに化学増感および分
光増感の方法が、セクションIおよびIII〜IVに記載さ
れている。ベヒクルおよびベヒクル関連添加物はセクシ
ョンIIに記載されている。色素像形成剤および調節剤は
セクションXに記載されている。UV色素、蛍光増白
剤、発光色素、カブリ防止剤、安定剤、吸光材料、光散
乱材料、塗布助剤、可塑剤、減摩剤、帯電防止剤および
艶消剤は、例えば、セクションVI〜IXに記載されてい
る。層および層配置、カラーネガおよびカラーポジの特
徴、走査促進特徴、支持体、露光および処理について
は、セクションXI〜XXに記載されている。ハロゲン化銀
乳剤画像形成層の他、本発明による画像形成要素の画像
形成層は、例えば、米国特許第5,457,013号に記
載されている他の画像形成層のいずれでも含むことがで
きる。
【0035】
【実施例】本発明の方法を下記の実施例で説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 支持体A キャストしたポリ(エチレンナフタレート)(PEN)支
持体の両面に下塗材料の溶液をコーティングすることに
より下塗支持体を調製した。該溶液は、7%のポリ(ア
クリロニトリル−コ−塩化ビニリデン−コ−アクリル
酸)系ラテックスと、1%のレソルシノールと、0.2
%のサポニンを水に含むものとした。乾燥後、下塗PEN
を高温で延伸および幅出しし、厚さ約100nmの接着層
と厚さ約95nmのPEN層とを得た。この支持体の画像形
成側に、1%ゼラチンと0.01%サポニンを水に溶か
した溶液を、乾燥ゲル厚が約100nmとなるように塗布
した。次いで、支持体を110℃で乾燥し、そして約1
40℃で熱緩和させた。ゼラチンに導電性アンチモン酸
亜鉛コロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添
加剤を含有する公称固形分量2.3質量%の帯電防止用
水性塗布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド
粒子のゼラチンに対する質量比は公称90/10とし
た。アンチモン酸亜鉛は塗被層の公称58体積%で存在
した。
【0036】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 2.077 ゼラチン 0.231 硬膜剤2 0.005 濡れ助剤3 0.030 水 97.657 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: 2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン 3: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0037】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.30g/m2となる
ように適用した。支持体の両面に塩化ビニリデン系プラ
イマー層を塗布し、その乳剤側にゼラチン含有下塗層
を、そして該ゼラチン下塗層とは反対側に帯電防止層を
それぞれ塗被した支持体に、公称刻み高さ10〜20μ
m、幅5〜15mmとなるようにナール処理(knurled)を
施した。ナール処理済支持体をシリンダー形心材に帯電
防止層を内向きにして巻き付けた。シリンダー形心材は
ガラス繊維からなり、その外径は15cm(6インチ)と
した。巻き付けた支持体に、ロール全体が100℃48
時間となるような条件で熱処理を施した。
【0038】支持体B 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量4.6質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称90/10とした。アン
チモン酸亜鉛は塗被層の公称60体積%で存在した。
【0039】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 4.154 ゼラチン 0.461 硬膜剤2 0.018 濡れ助剤3 0.030 水 95.337 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: 2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン 3: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0040】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.60g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0041】支持体C 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量4.3質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称90/10とした。アン
チモン酸亜鉛は塗被層の公称60体積%で存在した。
【0042】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 3.807 ゼラチン 0.423 硬膜剤2 0.011 濡れ助剤3 0.033 水 95.726 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: 2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン 3: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0043】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.55g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0044】支持体D 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量2.3質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称93/7とした。これは
塗被層中のアンチモン酸亜鉛約65体積%に相当する。
【0045】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 2.146 ゼラチン 0.162 濡れ助剤2 0.030 水 97.662 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0046】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.30g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0047】支持体E 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量4.5質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称93/7とした。アンチ
モン酸亜鉛は塗被層の公称68体積%で存在した。
【0048】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 4.292 ゼラチン 0.323 硬膜剤2 0.006 濡れ助剤3 0.030 水 95.349 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: 2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン 3: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0049】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.60g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0050】支持体F 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量2.4質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称80/20とした。アン
チモン酸亜鉛は塗被層の公称40体積%で存在した。
【0051】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 1.846 ゼラチン 0.462 硬膜剤2 0.018 濡れ助剤3 0.030 水 97.644 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: 2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン 3: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0052】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.30g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0053】支持体G 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。ゼラチンに導電性アンチモン酸亜鉛コ
ロイド粒子を分散させたものその他後述の各種添加剤を
含有する公称固形分量7.0質量%の帯電防止用水性塗
布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロイド粒子の
ゼラチンに対する質量比は公称80/20とした。アン
チモン酸亜鉛は塗被層の公称42体積%で存在した。
【0054】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 5.538 ゼラチン 1.385 濡れ助剤2 0.030 水 93.047 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: Olin 10 G, Olin Mathieson Chemical Co.
【0055】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.90g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。
【0056】支持体H 支持体Aに従い、帯電防止層を適用しない支持体を調製
した。支持体の前面と後面に塩化ビニリデン含有プライ
マー層を適用した。一方の表面にゼラチン含有下塗層を
適用した。最外層としてゼラチン下塗層および塩化ビニ
リデン系プライマー層が塗被されている支持体を熱処理
した。支持体はひどいブロッキングを示し、後続のコー
ティングのためにほどいて伸ばすことができなかった。
【0057】支持体I 帯電防止層の組成を除いて支持体Aと同様に、乳剤側に
下塗層を、その反対側に帯電防止層を有する熱処理済支
持体を調製した。塩化ビニリデン、アクリロニトリルお
よびアクリル酸からなるターポリマーに導電性アンチモ
ン酸亜鉛コロイド粒子を分散させたものその他後述の各
種添加剤を含有する公称固形分量2.0質量%の帯電防
止用水性塗布組成物を調製した。アンチモン酸亜鉛コロ
イド粒子のターポリマーに対する質量比は公称75/2
5とした。アンチモン酸亜鉛は塗被層の公称34体積%
で存在した。
【0058】成分 質量%(湿潤時) コロイド状アンチモン酸亜鉛1 1.441 ターポリマー 0.481 濡れ助剤2 0.033 分散助剤3 0.036 水 98.009 1: Celnax CX-Z, Nissan Chemical America, Inc. 2: Triton X-100, Rohm & Haas 3: Dequest 2006, Monsanto Co.
【0059】上記塗布組成物を、塩化ビニリデン下塗済
ポリエチレンナフタレート支持体に、コーティングホッ
パーを用いて、公称全乾燥被覆量が0.60g/m2となる
ように適用した。帯電防止コーティングを有する支持体
を乾燥させ、続いて支持体Aについて記載した条件に従
い熱処理した。支持体はひどいブロッキングを示し、後
続のコーティングのためにほどいて伸ばすことができな
かった。
【0060】支持体J 支持体Aに従い、帯電防止層を適用しない支持体を調製
した。支持体の前面と後面に塩化ビニリデン含有プライ
マー層を適用した。一方の表面にゼラチン含有下塗層を
適用した。残りの表面は、導電性含金属材料を添加しな
いゼラチン含有層とした。この支持体を同様の支持体に
対して、ゼラチン下塗層が互いに接触するようにしてア
ニール処理した。支持体は中程度のブロッキングを示
し、後続のコーティングのために使用はしなかった。
【0061】得られたゼラチン下塗層および帯電防止層
を有する熱処理済支持体に、続いて、数種類の透明磁気
記録層MC−1〜MC−6の一つをオーバーコートし
た。透明磁気記録層は、必要に応じて架橋されてもよ
く、かつ、適当な研磨粒子を含有する高分子バインダー
に、コバルト表面処理型γ-Fe2O3粒子を含有した。磁性
層の組成を以下に示す。すべての磁性層の全乾燥被覆量
は公称1.5g/m2とした。透明磁気記録層の上に、濡れ
助剤としてフッ素化界面活性剤とカルナバワックスを含
有する任意の減摩剤含有トップコート層を、公称乾燥被
覆量が約0.02g/m 2となるように適用した。導電性帯
電防止層およびゼラチン下塗層を有する支持体を熱処理
後、これに続いて透明磁気記録層、任意の減摩剤層その
他の任意層をオーバーコートしたものを含む多層構造体
を、本明細書では「磁性バッキングパッケージ」と称す
る。
【0062】磁性コーティング1(MC−1)CTA 下記の組成に従い、Co-γ-Fe2O3磁性粒子、アルミナ研
磨粒子、三酢酸セルロース、二酢酸セルロースおよび他
の各種添加剤を含む磁性コーティング組成物を調製し
た。 二酢酸セルロース 2.440g 三酢酸セルロース 0.180g 磁性酸化物 Toda CSF-4085V2 0.113g 界面活性剤 Rhodafac PE510 0.006g アルミナ Norton E-600 0.076g 分散助剤 Zeneca Solsperse 24000 0.004g 3M FC431 0.015g ジクロロメタン 67.919g アセトン 24.257g アセト酢酸メチル 4.851g
【0063】磁性コーティングMC−2 MC−1と同様に、但し、バインダーの主体を三酢酸セ
ルロースではなく二酢酸セルロースとして、磁性コーテ
ィング組成物を調製した。コーティングの組成を以下に
示す。 二酢酸セルロース 2.51g 三酢酸セルロース 0.115g 磁性酸化物 Toda CSF-4085V2 0.113g 界面活性剤 Rhodafac PE510 0.006g アルミナ Norton E-600 0.076g 分散助剤 Zeneca Solsperse 24000 0.004g 3M FC431 0.015g ジクロロメタン 67.919g アセトン 24.257g アセト酢酸メチル 4.851g
【0064】磁性コーティングMC−3、MC−4およ
びMC−5 MC−2と同様に、但し、架橋剤を含めて、磁性コーテ
ィング組成物を調製した。MC−3とMC−4には、そ
れぞれ二酢酸セルロースのCymel 303(Cytec Industrie
s, Inc.)の質量に対して5質量%と10質量%のメラミ
ン-ホルムアルデヒド樹脂架橋剤を含めた。さらに、架
橋反応用触媒として、Cymel 303の質量に対して3%の
パラトルエンスルホン酸を添加した。磁性コーティング
組成物MC−5には、イソシアネート系架橋剤Desmodur
N3300(Bayer社)を二酢酸セルロースの質量に対して7.
5質量%の量で添加した。
【0065】磁性コーティング組成物MC−6(Mm
E) Co-γ-Fe2O3磁性粒子とアルミナ研磨粒子を、メタクリ
ル酸メチル/メタクリル酸系コポリマーからなる高分子
バインダーに分散させてなる磁性コーティング組成物を
調製した。使用した塗布溶剤は、塩化メチレン、酢酸エ
チルおよびエチルアルコールとした。
【0066】本発明により調製された磁性バッキングパ
ッケージおよび比較例を、帯電防止層性能、乾燥密着性
および湿潤密着性について評価した。帯電防止能の評価
は、塩橋湿式電極抵抗率(WER)測定技法を使用して
内部電気抵抗率を測定することにより行った(例えば、
“Resistivity Measurements on Buried ConductiveLay
ers”、R.A. Elder, pp. 251-254, 1991, EOS/ESD Symp
osium Proceedingsに記載)。典型的には、WER値が
約1×1012Ω/□よりも高い帯電防止層は、写真画像
形成要素を静電気から保護する上で有効ではないとみな
される。
【0067】磁性バッキングパッケージの乾燥密着性の
評価は、コーティングの小領域をカミソリ刃でけがくこ
とにより行った。けがいた領域に1本の高粘着性テープ
を貼り付け、そして素早く剥がす動作を複数回行った。
該粘着テープを、コーティングを剥離させることなく剥
がすことができる回数を、乾燥密着性の定量測定値とす
る。乾燥密着性は、標準C−41処理による写真処理の
前後両方で評価した。湿潤密着性の評価は、ハロゲン化
銀写真要素の湿式処理をシミュレートする手順を用いて
行った。磁性バッキングパッケージの試料に幅1mmのラ
インをけがいた。次いで、その試料を38℃のKODAK Fl
exicolor現像液に浸漬し、3分15秒間浸漬しておい
た。加熱現像液から試料を取り出し、次いでFlexicolor
現像剤を含む約25℃の別の浴に浸漬し、900gの重
りが付いたゴムパッド(直径約3.5cm)を試料に接触
させ、けがいたラインと直交する方向で前後に100回
擦った。剥離した追加の材料の相対量を、各種層の湿潤
密着性の定量測定値とする。ブロッキング、WER値お
よび密着性の結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】上記の結果は、支持体の片面上にゼラチン
下塗層を有し、その反対側に、ゼラチンに45〜75体
積%の導電性含金属粒子を分散させてなる導電層を有す
る画像形成用支持体が、ブロッキングを起こすことなく
80℃よりも高温でアニール処理されることができ、か
つ、透明磁気記録層をオーバーコートした時に許容でき
る密着性を提供することを示している。例17は、ゼラ
チン下塗層を別のゼラチン含有層に対してアニール処理
すると、ブロッキングを起こすことを示している。同様
に、例15および例16は、支持体のアニール工程にお
いて、ゼラチン下塗層を、塩化ビニリデン含有プライマ
ー層または帯電防止層と接触させると、ひどいブロッキ
ングが発生することを示している。例11〜14は、導
電性粒子の含有量が45体積%未満である帯電防止層の
場合、磁性層に架橋剤が含まれていても、アニール処理
済支持体に対する透明磁気記録層の湿潤密着性が許容で
きないものであることを例証している。さらに、SER
およびWERの結果は、帯電防止層の導電性が、支持体
をアニール処理すること、および磁性層をオーバーコー
トすることによって、実質的に変化しないことを示して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ エル.バウアー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウエブスター,インペリアル ドライブ 1227 (72)発明者 ブライアン ケー.ブラディ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14514, ノース チリ,キース テラス 28 Fターム(参考) 2H023 FA01 FB01 FC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一面と第二面を有するポリエステル系
    ベースの該第一面上にゼラチン下塗層を含み、かつ、該
    第二面上に、導電性含金属微粒子をゼラチンに分散させ
    てなる帯電防止層を含んでなることを特徴とする画像形
    成用支持体。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル系ベースが、ポリエチ
    レンテレフタレート、ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチ
    レンテレフタレート、ポリエチレン1,2-ジフェノキシエ
    タン-4,4’-ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフ
    タレートまたはポリエチレンナフタレートを含む、請求
    項1に記載の画像形成用支持体。
JP2001394389A 2000-12-29 2001-12-26 画像形成用支持体 Pending JP2002214745A (ja)

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US75172500A 2000-12-29 2000-12-29
US85479301A 2001-05-14 2001-05-14
US09/854793 2001-05-14
US09/751725 2001-05-14

Publications (1)

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