JPH11316439A - 画像形成要素 - Google Patents

画像形成要素

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JPH11316439A
JPH11316439A JP11052565A JP5256599A JPH11316439A JP H11316439 A JPH11316439 A JP H11316439A JP 11052565 A JP11052565 A JP 11052565A JP 5256599 A JP5256599 A JP 5256599A JP H11316439 A JPH11316439 A JP H11316439A
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JP
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layer
conductive
particles
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binder
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JP11052565A
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Dennis J Eichorst
ジョン エイコースト デニス
Paul Albert Christian
アルバート クリスチャン ポール
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/85Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by antistatic additives or coatings
    • G03C1/853Inorganic compounds, e.g. metals

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  • Inorganic Chemistry (AREA)
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐スクラッチ性、耐磨耗性、密着性、ダステ
ィング特性、搬送性及び導電性に優れた最外保護層を有
する画像形成要素を提供すること。 【解決手段】 支持体と、少なくとも一層の画像形成層
と、透明な導電性且つ耐磨耗性の保護層とを含んでなる
画像形成要素であって、前記保護層が、ポリウレタン系
フィルム形成性バインダー中に分散された導電性含金属
微細パーティクル及び架橋剤を含み、前記ポリウレタン
系フィルム形成性バインダーが50%以上の引張破断伸
度及び34473N/cm2 以上の2%伸度におけるヤ
ング率を示す画像形成要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に画像形成要
素に関し、具体的には、支持体と、ハロゲン化銀系画像
形成層と、透明導電層とを含んでなる写真要素、サーモ
グラフィー要素及びフォトサーモグラフィー要素に関す
る。より詳細には、本発明は、支持体の画像形成層とは
反対側に、高度の耐スクラッチ性及び耐磨耗性を示し、
当該支持体への密着性に優れ、ダスティングが少なく、
しかも許容できる搬送性を示す透明な導電性の最外保護
層を有する画像形成要素に関する。
【0002】
【従来の技術】写真業界では、写真フィルムや印画紙の
製造時及び使用時に静電荷が発生したり放電したりする
ために様々な問題が起こることが長年認識されている。
フィルムや印画紙の上に蓄積した静電荷は、増感された
乳剤層に不規則なカブリのパターンを生ぜしめる恐れが
ある。また、電荷の蓄積が、支持体の搬送を困難にした
り、支持体にダストを引きつけさせることとなり、その
結果、乳剤塗布工程中に忌避スポットを生ぜしめる、カ
ブらせる、減感させる、その他物理的欠陥を生ぜしめる
場合もある。増感された乳剤層の適用中又は適用後に蓄
積静電荷が放電されると、不規則なカブリのパターン、
すなわち「スタチックマーク」が発生する恐れがある。
静電荷に関する諸問題は、新規乳剤の感度増加、塗工機
速度の高速化及び塗布後乾燥効率の向上によって一段と
深刻化している。フィルムの塗布工程中に静電荷が発生
する主な原因は、巻取り及び巻出し工程中、塗工機内部
での搬送中、並びにスリッティングやスプーリング等の
仕上げ工程中に、誘電率の高い高分子フィルムベースの
ウェブが摩擦帯電を受けやすいことにある。また、写真
フィルム完成品の使用に際して静電荷が発生することも
ある。オートマチックカメラの場合、特に相対湿度の低
い環境下では、フィルムカセットに対するロール状フィ
ルムの出し入れによって静電荷が発生しマーキングが生
じる恐れがある。同様に、高速自動フィルム処理装置も
マーキングをもたらす静電帯電を生じさせることがあ
る。また、自動高速フィルムカセットローダーに用いら
れるシートフィルム(例、x線フィルム、グラフィック
アーツフィルム)も静電帯電及びマーキングを被る。
【0003】蓄積した静電荷を散逸させるために、画像
形成要素に一又は二以上の導電性帯電防止層を各種方式
で、例えば、下塗層として、中間層として、とりわけ、
当該画像形成層の上に存在する最外層又は支持体の画像
形成層とは反対側の裏面層として、導入することができ
る。帯電防止層において多種多様な導電性帯電防止剤を
使用することにより広範囲にわたる表面導電率を得るこ
とができる。画像形成用途に用いられる従来の帯電防止
層の多くは、主にイオン伝導性を示す導電性物質、例え
ば、単純無機塩、界面活性剤のアルカリ金属塩、アルカ
リ金属イオンで安定化されたコロイド金属酸化物ゾル、
イオン伝導性ポリマー、アルカリ金属塩を含有する高分
子電解質、等を採用している。このようなイオン伝導体
の導電性は、一般に周囲環境の温度や相対湿度に対する
依存性が強い。相対湿度や温度が低い場合、電荷を運搬
するイオンの拡散移動性が大幅に低下するため、バルク
の導電率が相当に低下する。このようなイオン伝導体を
含有する帯電防止性裏面層の保護されていないものは、
相対湿度が高い場合に、水分を吸収して膨潤、軟化を起
こすことがある。特にロール状フィルムの場合には、フ
ィルムの裏面層の一部が乳剤側の表面層に密着(すなわ
ち、フェロタイピング)したり、さらには物理的に転写
(すなわち、ブロッキング)することもある。
【0004】電荷の散逸には、イオン伝導体より、共役
導電性ポリマー、導電性カーボンパーティクル、結晶性
半導体パーティクル、アモルファス半導体フィブリル及
び連続半導体薄膜又はネットワークのような電子伝導体
を含有する帯電防止層の方が、導電性が相対湿度に依存
せず、ただ周囲温度の影響をわずかに受けるにすぎない
ため、有効に使用することができる。従来技術として開
示されている各種の電子伝導体のうち、半導体金属酸化
物のような導電性含金属パーティクルが適当な高分子バ
インダーで分散させた場合には特に有効である。結晶性
半導体金属酸化物の粒状の公称的に球状の微粒子を含有
する帯電防止層が周知であり、広範囲に説明されてい
る。従来技術では、適当なドナー異種原子でドープされ
た又は酸素欠陥を含む二元系金属酸化物が写真要素の帯
電防止層において有用であることが開示されており、例
えば、米国特許第4,275,103号、同第4,41
6,963号、同第4,495,276号、同第4,3
94,441号、同第4,418,141号、同第4,
431,764号、同第4,495,276号、同第
4,571,361号、同第4,999,276号、同
第5,122,445号、同第5,294,525号、
同第5,382,494号、同第5,459,021号
他が挙げられる。特許請求された好適な導電性二元系金
属酸化物として、酸化亜鉛、チタニア、酸化錫、アルミ
ナ、酸化インジウム、シリカ、マグネシア、ジルコニ
ア、酸化バリウム、三酸化モリブデン、三酸化タングス
テン及び五酸化バナジウムが挙げられる。ドープされた
導電性金属酸化物粒状パーティクルの好適なものに、S
bをドープした酸化錫、Alをドープした酸化亜鉛及び
Nbをドープしたチタニアが含まれる。米国特許第5,
368,995号に開示されているさらに別の好ましい
導電性三元系金属酸化物としてアンチモン酸亜鉛及びア
ンチモン酸インジウムが挙げられる。その他、金属のホ
ウ化物、炭化物、窒化物及びケイ化物を含む好適な導電
性含金属粒状パーティクルが特開平4−55492号公
報に記載されている。
【0005】米国特許第4,203,769号及び同第
5,439,785号に、コロイド状の「アモルファ
ス」五酸化バナジウム、特に銀をドープした五酸化バナ
ジウムを含有する帯電防止性の裏面層又は下塗層が記載
されている。コロイド状五酸化バナジウムは、幅0.0
05〜0.01μm、厚さ約0.001μm及び長さ
0.1〜1μmの微視的なフィブリル又はリボンが高度
に絡み合ったものからなる。しかしながら、コロイド状
五酸化バナジウムは、湿式写真フィルム処理の現像液に
典型的な高いpHでは可溶性であるため、例えば、米国
特許第5,006,451号、同第5,221,598
号、同第5,284,714号及び同第5,366,8
55号に記載されているように、不透過性の上位バリヤ
層によって保護されなければならない。別法として、米
国特許第5,380,584号、同第5,427,83
5号、同第5,576,163号、同第5,360,7
06号他に記載されているように、導電層におけるコロ
イド状五酸化バナジウムにフィルム形成性のスルホポリ
エステル系ラテックス又はポリエステルイオノマー系バ
インダーを組み合わせることにより、処理中の劣化を極
力抑えることができる。
【0006】導電層が支持体上の最外層となる場合に
は、その帯電防止性能の劣化を防止するために写真要素
の取扱い中に起こり得る摩擦又はスクラッチからこれを
防護する必要がある。画像形成要素の裏側は、製造時、
巻取時、巻出時、カメラ使用時、処理時、処理済写真要
素の焼付け時又は映写時に、装置表面及び機械部品に直
に接することになる機会が多いため、摩擦による損傷や
スクラッチを特に受けやすい。スクラッチや摩擦跡は、
焼付け工程や映写工程の際に画質を低下させるのみなら
ず、処理済写真フィルムに永久的な損傷をもたらす。従
来技術では、写真フィルムの表面又は最外層のスクラッ
チ又は摩擦による損傷に対する抵抗性を改良する方法が
数多く知られている。より有効な方法の一つとして、帯
電防止層の上に、スクラッチや摩擦に対する耐性を高め
るために硬度が高く接触摩擦力が低いといった物理特性
を有する少なくとも一層の保護トップコート層を設ける
ことが周知である。
【0007】米国特許第5,026,622号に、支持
体のハロゲン化銀系増感乳剤層とは反対側に半導体酸化
錫又は酸化インジウムパーティクルを含有する導電層を
有し、当該導電層の上にポリマー含有中間裏面層を、さ
らに当該裏面層の上に別の保護層を有する写真要素が記
載されている。当該最外保護層には、ゼラチン、マット
剤、フッ素含有アニオン性界面活性剤及びスルホコハク
酸ジオクチルが含まれる。米国特許第5,219,71
8号には、粒状の半導体金属酸化物パーティクルを含有
する帯電防止層と、水不溶性ポリマー、マット剤、ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム及びゼラチンのラテック
スを含有する中間裏面層と、ポリエステル又はポリウレ
タンのような少なくとも一種の疎水性ポリマー、フッ素
含有界面活性剤、マット剤及び任意のスリップ助剤を含
有する最外保護層とを有する別の導電性三層型バッキン
グが記載されている。さらに、米国特許第5,254,
448号には、導電性金属酸化物粒状パーティクル又は
導電性ポリマー及び疎水性ポリマーラテックス、ゼラチ
ン並びに任意の硬膜剤を含む帯電防止層を有する三層型
バッキングに、ゼラチン、疎水性ポリマーラテックス、
マット剤及びバッキング色素を含有する中間裏面層をオ
ーバーコートすると同時にこれにフッ素含有界面活性
剤、マット剤、ゼラチン及び任意のポリマーラテックス
を含む保護層をオーバーコートすることが教示されてい
る。このような多重層バッキングを含む写真要素は、処
理後に帯電防止性を保持し、テフロン(商標)被覆表面
に対して許容できる搬送性能を示し、しかも良好な「耐
傷性」を有する、と記載されている。
【0008】耐磨耗性導電性裏面層において、アンチモ
ンドーパント濃度が高く(>8原子%)且つ微結晶サイ
ズが小さい(<100Å)アンチモンをドープした酸化
錫の小さな(<15nm)パーティクルを使用すること
が、米国特許第5,484,694号において特許請求
されている。また、支持体の裏側にある多要素型カール
制御層であって、導電層が一般に支持体の最も近くに配
置され、その上にバインダーとハレーション防止色素を
含有する中間層が存在し、そしてバインダー、マット及
び界面活性剤を含む最外保護層を有するものも特許請求
されている。
【0009】米国特許第5,366,855号、同第
5,382,494号、同第5,453,350号及び
同第5,514,528号に、簡素化された二層型導電
性バッキングが記載されている。米国特許第5,36
6,855号には、支持体のハロゲン化銀乳剤層とは反
対側にコロイド状の銀をドープした五酸化バナジウム及
び塩化ビニリデン含有ラテックスバインダー又はポリエ
ステルイオノマー分散体を含有する帯電防止層を塗布
し、続いて、フィルム形成性及び非フィルム形成性両方
のコロイドポリマーパーティクルと、任意の架橋剤と、
マット剤と、減摩剤とを含有する凝集層を含む保護層を
オーバーコートしたものが記載されている。このような
保護層は、処理液に対して不透過性のバリヤとして機能
し、耐ブロッキング性を示し、良好な耐スクラッチ性、
耐磨耗性を示し、しかも優れた減摩性を示すものとして
開示されている。しかしながら、フィルム形成性ポリマ
ーにポリ(メチルメタクリレート)のような硬質ポリマ
ーパーティクルを添加すると、塗布層が脆くなる恐れが
ある。米国特許第5,382,494号及び同第5,4
53,350号には、金属酸化物パーティクルのような
導電性微細パーティクル、ブチルアクリレート含有ター
ポリマー系ラテックス、任意の硬膜剤及び界面活性剤を
含有する水性塗布型帯電防止層の上に、好ましくはニト
ロセルロース又はジアセチルセルロースをバインダーと
して及びカルナバ蝋を減摩剤として含有する溶剤塗布型
透明磁気記録層をオーバーコートした写真要素が記載さ
れている。同様に、親水性バインダー中に導電性金属酸
化物粒状パーティクルを含有する帯電防止層を水性又は
溶剤分散体として適用し、これに必要により強磁性体パ
ーティクルを含有するセルロースエステル層をオーバー
コートしたものが米国特許第5,514,528号に記
載されている。必要により、このセルロースエステル層
の上に独立した減摩性オーバーコートを適用してもよ
い。
【0010】米国特許第5,529,891号に、分散
助剤又は安定剤、親水性又は樹脂型バインダー及び任意
に架橋剤、マット剤、帯電防止剤、コロイド無機パーテ
ィクルその他の各種添加剤を含有する保護表面層又は裏
面層に、特定の大きさの減摩剤パーティクル、特にフッ
素含有ポリマーを有するものを含めることが記載されて
いる。このような保護層を含む写真要素は、テーバー磨
耗試験機で評価したものとして耐表面スクラッチ性及び
耐磨耗性が改良されることが記載されている。
【0011】写真要素の裏面の滑性及び耐磨耗性を改良
するための別の方法が米国特許第5,565,311号
に記載されている。好ましくは帯電防止層の上のフィル
ム形成性バインダー及び任意の架橋剤を含有する裏面保
護層において、溶液、エマルション又は分散体として長
鎖脂肪族炭化水素部分とポリエーテル部分の両方を有す
る化合物を含有するスリップ剤を含めると、滑性及び耐
磨耗性が改良され且つバッキングにおける塗布層の数が
減少されると報告されている。マット剤の添加により、
耐スクラッチ性を改良すると共に、裏面層による乳剤表
面層又は乳剤側プライマー層のブロッキングを極力抑え
ることができる。さらに、スリップ剤、マット剤及び任
意に非イオン性、アニオン性、カチオン性又はベタイン
型のフッ素含有界面活性剤を含有する裏面保護層に、導
電性金属酸化物パーティクルのような帯電防止剤を含め
ることが、米国特許第5、565,311号に記載され
ている。
【0012】米国特許第5,679,505号には、導
電性裏面層の上に、特定のポリウレタンバインダー、減
摩剤、マット剤及び任意の架橋剤を含む耐磨耗性保護オ
ーバーコートであって架橋ポリウレタンバインダーを含
有するものがあると、五酸化バナジウムのように写真処
理で劣化する帯電防止剤を含有する帯電防止層のための
不透過性化学バリヤが提供され得ることが記載されてい
る。このような保護層は、写真処理液に対する保護を必
要としない導電性金属酸化物粒状パーティクルを含有す
るオーバーコート用帯電防止層に有用であるとも記載さ
れている。さらに、十分な帯電防止性を得るために必要
な金属酸化物パーティクルの配合量が多いため、単層型
の導電性バッキングの物理特性は実質的に劣化し、層の
耐久性を適当なものにするためには耐磨耗性オーバーコ
ートを使用しなければならないことも記載されている。
【0013】欧州特許出願公開第749,040号に
は、導電性金属酸化物粒状パーティクルのような導電性
微粒子と特にゼラチン塗布型の水不溶性ポリマー粒子と
の組合せを有する導電性単層型バッキングが、導電性パ
ーティクルの体積濃度が低い場合の高度の導電性と高度
の耐磨耗性とを同時に提供することが記載されている。
米国特許第5,340,676号に、バインダーとして
親水性コロイドのみを使用して調製された導電層よりも
導電性パーティクルの体積分率が低いことが必要である
導電層を調製するため、不溶性ポリマー粒子及び親水性
コロイドを導電性金属酸化物微細パーティクルと組み合
わせて使用することが記載されている。米国特許第5,
466,567号に、導電性微細粒状パーティクルのた
めのバインダーとして親水性コロイドと予備架橋ゼラチ
ンパーティクルとの組合せを使用した導電層について同
様に有益な結果が得られたことが記載されている。しか
しながら、このようなゼラチン含有層の耐磨耗性は不十
分である。
【0014】米国特許第5,310,640号及び同第
5,547,821号に、熱処理可能な画像形成要素に
使用するための導電性裏面層が記載されている。米国特
許第4,828,971号に記載されているように、熱
処理可能な画像形成要素に有用な裏面層は、十分な搬送
性を示すこと、熱処理時の変形に耐えること、支持体に
十分に密着すること、クラッキングやマーキングのない
こと、静電帯電作用が低いこと、及びセンシトメトリー
効果をまったく示さないこと、が必要である。熱処理可
能な画像形成要素について導電性バッキング及び保護オ
ーバーコート層を使用することが米国特許第5,31
0,640号に記載されている。好適な実施態様の一つ
に、銀をドープした五酸化バナジウムを高分子バインダ
ー中に分散させたものを含む導電層の上に、バインダー
としてのポリメチルメタクリレートと高分子マット剤と
を含有する保護層を配置したものがある。米国特許第
5,547,821号には、アンチモンをドープした酸
化錫粒状パーティクル、マット剤及び高分子フィルム形
成性バインダーを有する単層型導電性バッキングを使用
することが記載されている。別の好ましい実施態様とし
て、画像形成層の上の導電性オーバーコート層にアンチ
モンをドープした酸化錫粒状パーティクルを使用するこ
とが記載されている。報告されたテーバー磨耗試験の結
果は、単層型バッキングの耐磨耗性の相対レベルが、米
国特許第5,310,640号に記載されているオーバ
ーコートされた導電性裏面層よりも低いことを示唆して
いる。また、単層型導電性バッキングの表面散乱及びヘ
イズは、オーバーコートされた導電性バッキングよりも
高くなる。さらに、米国特許第5,547,821号に
報告されている表面抵抗率及びダスティングのデータか
らは、ポリウレタン系バインダーを含有する単層型導電
性バッキングでは低いダスティングと高い導電性を同時
に実現することは特に困難であるとの結論を得ることが
できる。
【0015】米国特許第5,529,884号には、ア
ンチモンをドープした酸化錫パーティクルのような導電
性含金属パーティクル、ゼラチン又は塩化ビニリデン系
ターポリマーラテックスのような高分子バインダー、マ
ット剤、塗布助剤及び任意の硬膜剤を含む、レーザー色
素アブレイティブ型画像形成要素の反対側に用いる導電
性単層型バッキングが記載されている。当該導電性バッ
キングの表面抵抗率値(〜109 Ω/□)は、アブレー
ション工程の前後で測定された値であり、実質的に変化
を示さなかった。当該裏面層の耐磨耗性や耐スクラッチ
性についての試験データはまったく報告されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、画像
形成要素に有用な耐磨耗性、耐スクラッチ性の裏面層及
び導電性裏面層に関する従来技術は広範囲にわたり、多
種多様な多層型バッキングが開示されている。しかしな
がら、当該技術分野には、導電性に加え耐磨耗性及び耐
スクラッチ性を示すような多機能を提供する単層型の保
護バッキングに対する重要なニーズがいまなお存在して
いる。導電性並びに耐磨耗性及び耐スクラッチ性を提供
することの他、単層型保護バッキングは、湿度変化の作
用を受けにくいこと、センシトメトリー的又は写真的に
悪影響を及ぼさないこと、支持体に対する密着性が高い
こと、ダスティング性が低いこと、フェロタイピング挙
動又はブロッキング挙動をまったく示さないこと、製
造、使用に際して十分な支持体搬送性を提供すること、
写真処理液による影響を受けないこと、さらにはリーズ
ナブルなコストで製造され得ることが必要でもある。本
発明の目的は、画像形成要素、特にハロゲン化銀写真フ
ィルムや熱処理可能な画像形成要素の多様なニーズに従
来技術よりもさらに有効に応えるような改良された導電
性、耐磨耗性、耐スクラッチ性、低ダスティング性を示
す単層型バッキングを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体と、少
なくとも一層の画像形成層と、透明な導電性且つ耐磨耗
性の保護層とを含んでなる画像形成要素に関する。当該
透明な導電性且つ耐磨耗性の保護層は、ポリウレタン系
フィルム形成性バインダー中に分散された導電性含金属
微細パーティクル及び架橋剤を含む。当該ポリウレタン
系フィルム形成性バインダーは、50%以上の引張破断
伸度及び34473N/cm2 (50,000lb/i
2 )以上の2%伸度におけるヤング率を示す。
【0018】本発明は、支持体と、少なくとも一層の感
光性又は感熱性の画像形成層と、少なくとも一層の透明
な導電性且つ耐磨耗性の保護層とを含んでなる、画像形
成プロセスにおいて用いられる画像形成要素であって、
当該導電性保護層が、(1)特定の種類の導電性、結晶
性の含金属パーティクル、(2)引張破断伸度が50%
以上であり且つ2%伸度におけるヤング率が34473
N/cm2 (50,000lb/in2 )以上であるポ
リウレタン系フィルム形成性バインダー及び(3)架橋
剤を含む、そのような画像形成要素を提供する。当該保
護層は、必要に応じて、減摩剤、マット剤その他の添加
剤を含有することができる。写真用の画像形成要素の場
合には、本発明の導電性保護層は、好ましくは支持体の
増感乳剤層とは反対側に単層型バッキングとして配置さ
れるが、任意の下塗層の上に存在することもできる。熱
処理可能な画像形成要素の場合には、当該透明導電性層
は、画像形成層の上になる保護オーバーコート層、耐磨
耗性裏面層、又は多要素カール制御層においてペロイド
の上になる中間層であることができる。これらの導電性
保護層は、画像形成要素の摩擦帯電による静電荷を散逸
させる機能と、画像形成要素の製造、使用又は処理に際
して起こり得る摩擦やスクラッチによる損傷から画像形
成要素を保護する機能とを同時に発揮する。本発明の導
電性保護層の導電性は、公称的には、相対湿度に依存し
ない。さらに、写真処理に一般に用いられる広範囲にわ
たるpH値(例、2≦pH≦13)を示す水溶液に晒さ
れることにより導電性が損なわれることもない。
【0019】本発明の導電性保護層は、例えば、写真要
素、サーモグラフィー要素、エレクトロサーモグラフィ
ー要素、フォトサーモグラフィー要素、誘電記録式要
素、色素移行式要素、レーザー色素アブレーション要
素、感熱色素転写式要素、静電写真要素及び電子写真要
素をはじめとする多種多様な画像形成要素に含めること
ができる。こうした多種多様な画像形成要素の組成や機
能に関する詳細は米国特許第5,368,995号に記
載されている。
【0020】本発明による導電性保護単層型バッキング
を設けることができる写真要素は、様々な構造、組成を
有することができる。例えば、支持体の種類、画像形成
層の数及び組成、当該要素に含まれる補助層の数及び種
類に関して大幅な変更が可能である。具体的には、写真
要素は、スチルフィルム、映画フィルム、x線フィル
ム、グラフィックアーツフィルム、ペーパープリント又
はマイクロフィッシュフィルム、特にCRT露光型、オ
ートリバーサル及びコンピューター出力型マイクロフィ
ッシュフィルムであることができる。それらは黒白要
素、ネガポジ処理用のカラー要素又はリバーサル処理用
のカラー要素であることができる。
【0021】本発明による導電性保護裏面層は様々な支
持体に適用することができる。当該支持体は透明であっ
ても不透明(反射性)であってもよい。本発明を実施す
る際に用いられる透明支持体の材料は、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、プロピオン
酸セルロースを含むセルロースエステル;硝酸セルロー
ス;ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン
ナフタレート)、ポリカーボネートのようなポリエステ
ル;ポリ(ビニルアセタール);ポリエチレン、ポリプ
ロピレンのようなポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ
アクリレート;その他;及び上記ポリマーの配合物又は
積層体、のような多種多様な合成高分子量ポリマーフィ
ルムのいずれを含むこともできる。透明フィルム支持体
は無色であっても、色素や顔料の添加により着色されて
いてもよい。好適な不透明又は反射性支持体として、
紙、ポリマー被覆紙(ポリエチレン、ポリプロピレン及
びエチレン−ブチレン系コポリマーを被覆又は積層した
紙)、合成紙、顔料含有ポリエステル、等が挙げられ
る。これらの支持体材料のうち、三酢酸セルロース、ポ
リ(エチレンテレフタレート)及び2,6−ナフタレン
ジカルボン酸又はその誘導体から合成されたポリ(エチ
レンナフタレート)のフィルムが好適である。支持体の
厚さは特に問題とはならない。本発明による写真要素の
場合には支持体の厚さが50μm〜254μm(2〜1
0ミル)であることが好適である。
【0022】本発明の導電性バッキングと支持体との間
の密着性を高めるために、当該支持体を各種方法により
表面処理することができる。かかる方法として、米国特
許第5,718,995号に記載されているようなコロ
ナ放電、グロー放電、UV照射、火炎処理、e−ビーム
処理、もしくはジクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸、レソ
ルシノール及びp−クロロ−m−クレゾールのようなフ
ェノール誘導体を含む密着性促進剤により処理、溶剤洗
浄、又は塩化ビニリデン含有コポリマー、ブタジエン系
コポリマー、グリシジルアクリレートもしくはメタクリ
レート含有コポリマー、無水マレイン酸含有コポリマ
ー、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカ
ーボネートのような縮合系ポリマー、それらの混合物及
び配合物、等のようなポリマーを含有する密着性促進プ
ライマー又はタイ層をオーバーコートする方法が挙げら
れる。
【0023】本発明の導電性保護バッキングの有意な利
点の一つは、特定の導電性含金属パーティクルを特定の
ポリウレタンバインダー及び架橋剤又は硬膜剤と一緒に
使用することから得られる。本発明によるポリウレタン
の物理特性により、当該裏面層が硬質になり、優れた耐
磨耗性及び耐スクラッチ性を提供するに十分な靱性を示
すことが確実となる。本発明による含金属導電性パーテ
ィクルを使用することにより、導電性含金属パーティク
ルの添加体積%が低い場合に光学的透明性及び導電性が
改良されることとなる。架橋剤を使用することにより、
当該導電層の凝集が確保され、さらに耐磨耗性及び耐ス
クラッチ性が改良される。特定の体積添加量の導電性パ
ーティクルをポリウレタンバインダー及び架橋剤と組み
合わせることにより、任意のマット粒子の密着性が優れ
たものとなり、ひいてはダスティングのレベルが低下す
ることとなる。
【0024】本発明の導電性バッキングに有用な導電性
含金属粒状パーティクルの特に好ましい種類の一つに、
粒状の半導体金属酸化物パーティクルが含まれる。好適
な半導体金属酸化物パーティクルは、比(体積)抵抗率
が1×105 Ω・cm未満、好ましくは1×103 Ω・
cm未満、より好ましくは1×102 Ω・cm未満であ
るものである。好適な半導体金属酸化物の例として、酸
化亜鉛、チタニア、酸化錫、アルミナ、酸化インジウ
ム、シリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化バリウム、
三酸化モリブデン、三酸化タングステン、五酸化バナジ
ウム、アンチモン酸亜鉛及びアンチモン酸インジウムが
挙げられる。このような半導体金属酸化物は、一般にド
ナー異種原子でドープされているか又は酸素原子欠陥を
示す。写真用画像形成要素の導電層に最も広く用いられ
ている半導体金属酸化物は、アンチモンをドープした酸
化錫である。本発明によるアンチモンをドープした酸化
錫のパーティクルは、アンチモンドーパント濃度として
8〜20原子%のアンチモンを有する。本発明において
使用するのに適した別の半導体金属酸化物のグループに
は、導電性金属炭化物、導電性金属窒化物、導電性金属
ケイ化物及び導電性金属ホウ化物が含まれる。本発明に
適した粒状酸化錫パーティクルを特徴付けるために用い
られる別の物理特性は、平均x線微結晶サイズである。
x線微結晶サイズの概念については米国特許第5,48
4,694号及びその中で引用されている文献に詳細に
記載されている。10nm未満の微結晶サイズを示すア
ンチモンをドープした酸化錫の半導体性粒状パーティク
ルを含有する透明導電層が画像形成要素に特に有用であ
ることが米国特許第5,484,694号に教示されて
いる。同様に、米国特許第5,459,021号におい
て、x線微結晶サイズの平均値が1〜20nm、好まし
くは1〜5nm、より好ましくは1〜3.5nmの範囲
にある導電性粒状金属酸化物パーティクルを含有する帯
電防止層を含む写真要素が特許請求されている。微結晶
サイズの小さな金属酸化物パーティクルを使用すること
に対する利点が、米国特許第5,484,694号及び
同第5,459,021号に記載されており、これに
は、電気性能を損なわずに非常に小さいサイズにまで粉
砕できること、規定の導電性レベルをより少ない重量被
覆量で得ることができること、並びにこのようなパーテ
ィクルを含有する導電層の光学濃度、脆性及びクラッキ
ングが減少することが含まれる。
【0025】本発明の導電性保護層に使用するのに適し
たアンチモンをドープした酸化錫のパーティクルは、一
般に10nm未満という非常に小さな一次粒径を示す。
粒径が小さいため、導電性コーティングの光学的透明性
を低下させる光の散乱が極力抑えられる。薄い導電層の
透明性を確保することの他、多数の導電経路を提供する
導電性パーティクルが相互連結した多数の鎖又はネット
ワークを形成するためにも、平均粒径の小さいことが必
要である。各種の半導体性、結晶性のアンチモンをドー
プした酸化錫の粉末が各種製造業者から市販されている
(例、Keeling& Walker社、石原産業(株)、Dupont Pe
rformance Chemicals、三菱金属(株)、日産化学工業
(株)、等)。しかしながら、市販のSbをドープした
酸化錫粉末のすべてが、光学的透明性及び多数の導電経
路の形成のどちらも確保し且つなおも導電性の薄い塗布
層を形成するに十分なパーティクルの比導電率を保持す
るために必要な粒径低下の程度を可能ならしめるに十分
な化学的均質性を示すとは限らない。その他の好適な半
導体金属酸化物の例として、錫をドープしたインジウム
三二酸化物、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、ニオ
ブをドープした二酸化チタン、酸素欠乏チタン亜酸化物
TiOx (x<2)及びチタンオキシニトリドTiOx
y (x+y≦2)、アンチモン酸亜鉛及びアンチモン
酸インジウムが挙げられる。
【0026】好適なSbをドープした酸化錫の具体例の
一つに、特開平4−79104号に記載されており且
つ、5〜10重量%のアンチモンをドープした単相、結
晶性の酸化錫の粒状パーティクルとして石原産業(株)
より商品名「SN−100P」で市販されている導電性
酸化錫粉末がある。SN−100Pのアンチモンをドー
プした酸化錫粉末の平均比(体積)抵抗率は、米国特許
第5,236,737号に記載されているものに類似す
るDC2本プローブ試験セルを使用して充填粉末として
測定した場合に1〜10Ω・cmである。透過型電子顕
微鏡写真の画像分析により測定されたSN−100Pの
Sbをドープした酸化錫粉末の一次粒子の平均等価円直
径は約10nmである。このSbをドープした酸化錫の
x線粉末回折分析により、供給品そのままの乾燥粉末と
して、x線微結晶サイズが35〜45Åである単相の結
晶性の高いものであることが確認された。
【0027】本発明による含金属粒状パーティクルは一
次粒径が小さいため、好適な水準の表面電気抵抗率を得
るために導電性塗布層において用いられる導電性パーテ
ィクルの体積分率を、従来技術のより大きなパーティク
ルを用いて可能となる値よりも低くすることが可能とな
る。このことは、事実上高分子バインダーの体積分率を
増加することとなり、このため、本発明の導電性保護バ
ッキングのバインダーに関係する各種特性、例えば、支
持体に対する密着性、バッキングの凝集性及び任意のマ
ット粒子の保持性が改良され、ひいてはダスティングレ
ベルの低下をもたらし得る。含金属パーティクルの好適
な体積%は9〜30%の範囲にある。裏面層に含まれる
含金属パーティクルの量を重量%ではなく体積%で定義
しているのは、好適な導電性パーティクルの密度が広範
囲にわたり変動し得るからである。上記のアンチモンを
ドープした酸化錫パーティクルの場合、上記範囲は酸化
錫対バインダーの重量比では2:3〜3:1に相当す
る。本発明の導電性保護層における導電性含金属粒状パ
ーティクルの使用量が約9体積%よりも著しく少ない
と、有効なレベルの表面導電性が得られない。導電性含
金属パーティクルの使用量が30体積%よりも著しく多
いと、ダスティングが増大するという点で、本発明の目
的の一つが達成されない。導電性含金属パーティクルの
使用量が70体積%よりも多い場合には、本発明のその
他いくつかの目的が達成されず、すなわち、散乱損失に
よる透明性の低下やヘイズの増大、裏面層と支持体との
間の密着性の低下及び裏面層自体の凝集性の低下を招く
こととなる。30体積%よりも多いが70体積%よりは
少ない使用量では、導電性、透明性、密着性及びヘイズ
を改良するという本発明の目的のいくつかが達成される
が、ダスティングは増大することとなる。このため、本
発明の導電性裏面層は導電性含金属パーティクルを好ま
しくは30体積%以下、より好ましくは25体積%以下
の量で含む。導電性パーティクルの体積分率の最適値
は、粒径、バインダーの種類及び個別具体的な画像形成
要素の導電性要件に依存して変動する。
【0028】含金属粒状導電性パーティクルを含有する
帯電防止層の上の耐磨耗性、耐スクラッチ性の保護層に
おいてポリウレタンを使用することが、例えば、米国特
許第5,366,855号、同第5,547,821号
及び同第5,679,505号に記載されている。本発
明の導電性の単層型の耐磨耗性、耐スクラッチ性の保護
層は、含金属導電性パーティクルの分散体とフィルム形
成性ポリウレタンバインダー及び架橋剤とを含有する塗
布溶液から調製される。このような導電性保護層は、写
真要素や熱処理可能な画像形成要素によく適合するもの
であり、先に引用した従来技術のものと比較して実質的
に改良された帯電防止特性、耐磨耗性、耐スクラッチ
性、ダスティング、透明性、ヘイズ及び製造適性を示
す。本発明における導電性保護層に使用するのに適した
ポリウレタンは、50%以上の引張破断伸度及び344
73N/cm2 (50,000lb/in2 )以上の2
%伸度におけるヤング率を示すことが特徴である。当該
ポリウレタンバインダーの上記物理特性要件により、当
該裏面層が硬質になり、優れた耐磨耗性及び耐スクラッ
チ性を提供するに十分な靱性を示すことが確実となり、
さらには、本発明の導電性含金属パーティクル及び任意
のマット粒子に対する十分な密着性を維持することによ
り製造工程中のダイスティングを極力抑えること、ま
た、本発明の導電性保護層の支持体に対する優れた密着
性を処理後に維持することも確実になる。熱安定性やU
V安定性に優れ、黄変もないことから、脂肪族ポリウレ
タンが好適である。好適なポリウレタンは、水分散性で
あっても溶剤可溶性であってもよい。本発明による好適
なポリウレタンバインダーは、コロイド状ポリマー粒子
の水性分散液として塗布される。
【0029】水性ポリウレタン分散液の調製方法は、当
該技術分野では周知であり、末端イソシアネート基を含
有するプレポリマーの水性分散液をジアミン又はジオー
ルとの反応により連鎖延長させる工程を含む。当該プレ
ポリマーは、末端ヒドロキシル基を有するポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリカーボネート又はポリアクリレ
ートと過剰量の多官能性イソシアネートとを反応させる
ことにより調製することができる。次いで、この生成物
を、イソシアネートと反応する官能基、例えば、ヒドロ
キシル基、及びアニオンを形成し得る基、典型的にはカ
ルボン酸基、を有する化合物で処理する。その後、その
アニオン性基を第三アミンで中和してプレポリマー水性
分散液を形成する。
【0030】導電性保護層の硬度及び凝集性を改良する
ために、ポリウレタン中に存在する官能基、例えば、カ
ルボキシル基、と反応する架橋剤が必要である。好適な
ポリウレタン系バインダーに適した架橋剤として、多官
能性のアジリジン、カルボジイミド、エポキシ、等が挙
げられる。架橋剤は、塗布層の全体重量を基準として
0.5〜30重量%で使用することができる。好適な架
橋剤濃度は2〜10重量%の範囲である。
【0031】本発明の導電性保護層には、ポリウレタン
バインダー、架橋剤及び導電性含金属パーティクルの
他、写真分野で周知の他の成分を存在させてもよい。こ
れら追加的成分として、マット剤、減摩剤、フッ素含有
界面活性剤をはじめとする界面活性剤、分散助剤、塗布
助剤、粘度調節剤、電荷制御剤、可溶性及び/又は固体
粒状色素、コバインダー、カブリ防止剤、殺生剤その他
を挙げることができる。導電性保護層内に含めることが
好ましいが、マット剤、減摩剤、フッ素含有界面活性剤
をはじめとする界面活性剤、可溶性及び/又は固体粒状
色素その他は、必要に応じて、本発明の導電層の上又は
下の追加的補助層の中に含めることができる。本発明
は、密着性、耐磨耗性、耐久性及び透明性に優れ、しか
も必要により搬送制御層としての機能をも発揮し得る導
電性保護層を提供するものであるが、追加的補助層を適
用すると有利な場合もある。具体的には、搬送性を制御
するための補助層が考えられる。さらに、特殊な用途の
ために含金属パーティクルの体積配合量を30〜70体
積%としなければならない場合にダスティングのレベル
を低下させるため、任意のオーバーコート層を設けても
よい。
【0032】本発明の導電性保護層には、製造工程時及
び完成した画像形成要素の顧客による使用時の両方にお
いて良好な搬送特性を確保する摩擦係数を生ぜしめるた
めに、必要に応じて適当な減摩剤を含めることができ
る。好適な減摩剤は、例えば、米国特許第2,588,
756号、同第3,121,060号、同第3,29
5,979号、同第3,042,522号及び同第3,
489,567号に記載されているような、脂肪酸の高
級アルコールエステル、高級脂肪酸カルシウム塩、金属
ステアリン酸塩、シリコーン化合物、パラフィン、等を
はじめとする常用の各種材料が知られている。好ましい
搬送特性のためには、減摩後の表面の摩擦係数が0.1
0〜0.40を示すことが必要である。しかしながら、
より好適な範囲は0.15〜0.30である。裏面層の
摩擦係数が0.15未満であると、長尺のスリットロー
ル状の写真フィルムが保存時又は運搬時に不安定となる
可能性がある。当該摩擦係数が製造中に約0.30より
も高い場合又は処理後に0.30よりも高くなる場合
(水溶性減摩剤を使用すると通常こうなるが)、搬送特
性が劣化する。具体的には不溶性減摩剤粒子の水性分散
体が好ましく、特に、米国特許第5,529,891号
に記載されているタイプの減摩剤粒子が好適である。本
発明の単層型バッキングを塗布する際に用いられるポリ
ウレタンバインダー粒子と導電性含金属パーティクルと
の分散体を含有する水性塗布組成物の中に、カルナバ
蝋、ポリエチレンオキシド、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィン蝋、シリコーン、ステアレート又はア
ミドの水性分散粒子を直接導入することができる。これ
により、バッキングの表面導電性を劣化させる可能性の
ある独立した減摩剤オーバーコートを適用する必要がな
くなる。減摩剤としてはカルナバ蝋やステアレートの水
性分散体が好ましいが、その理由は、低濃度でも摩擦を
有効に制御でき、しかも水性分散ポリウレタンとの適合
性に優れるからである。
【0033】減摩剤の他、一般には裏面層にマット剤を
含めることにより、製造時、使用時、処理時及び焼付け
又は映写時の写真要素の搬送特性を改良する。さらに、
マット剤は、ロール状フィルムにおいて典型的に存在す
る圧力下で乳剤層表面と接触せしめられた場合に裏面層
がフェロタイピングを引き起こす可能性を減じる。本明
細書中の用語「フェロタイピング」とは、裏面層が、き
つく巻かれたロール状フィルムにおいて起こるように加
圧下で写真要素の乳剤側の表面層に直接接触せしめられ
た場合に、当該乳剤側の層に対して、後にこれらの層を
分離した時に多少の粘着が認められるほど強く付着して
しまう状態を記述するものである。フェロタイピングが
ひどい場合には、バッキングと乳剤側の層とを分離した
時に、乳剤側の層の表面が損なわれる恐れがある。この
ような損傷は、センシトメトリー的にも悪影響をもたら
す可能性がある。
【0034】本発明の単層型導電性バッキングは、必要
に応じて、フェロタイピング又はブロッキングの可能性
を極力減じるためにマット剤を含むことができる。好適
なマット剤として、シリカ、アルミナ被覆シリカ、炭酸
カルシウムその他の無機酸化物、ガラス球体のような無
機粒子、又は粉砕ポリマー、高融点ワックスもしくはマ
ットビーズのような高分子粒子が挙げられる。形状及び
粒径分布が均一であるため高分子マットビーズが好適で
ある。マット粒子の平均直径は0.75〜2.5μmの
範囲にあるべきである。マット粒子の好適な乾燥被覆量
は1〜100mg/m2 の範囲である。しかしながら、
本発明の導電性バッキングに用いられるマット粒子の塗
布重量の好適な範囲は15〜65mg/m2 である。
【0035】蓄積した静電荷の散逸を助長するための電
荷制御剤として、乳剤層の上の最外保護層に又は最外裏
面層に、多種多様な界面活性剤又は塗布助剤の少なくと
も一種を含めることは周知である。例えば、米国特許出
願第08/991,288号及び同第08/991,4
93号(1997年12月16日出願)に記載されてい
るタイプのアニオン性、カチオン性及びベタイン系の界
面活性剤をはじめとする多種多様なイオン性界面活性剤
が電荷制御剤として評価されている。
【0036】導電性含金属パーティクルの水性分散体
は、顔料分散体や塗料製造の分野でよく知られている各
種の機械攪拌法、混合法、均質化法又は配合法のいずれ
かにより、適当量の任意の分散助剤、コロイド安定剤又
は高分子コバインダーの存在下で調製することができ
る。別法として、好適な導電性含金属パーティクルの安
定なコロイド分散体を市販品として入手することがで
き、例えば、固形分公称値30重量%のアンチモンをド
ープした酸化錫の導電性パーティクルの安定化分散体を
石原産業(株)から商品名「SN-100D 」で入手すること
ができる。好適なアンチモンをドープした酸化錫のコロ
イド分散体は、非常に小さな平均凝集体サイズを示す。
バインダー及び添加剤を配合した導電性含金属パーティ
クルの分散体は、周知の各種塗布法のいずれかにより上
記した各種写真用支持体に塗布することができる。手塗
り技法にはコーティングロッド、コーティングナイフ又
はドクターブレードを使用する方法が含まれる。機械式
塗布法には、エアドクターコーティング、リバースロー
ルコーティング、グラビアコーティング、カーテンコー
ティング、ビーズコーティング、スライドホッパーコー
ティング、押出コーティング、回転コーティング、等の
他、当該技術分野で周知の塗布法が含まれる。
【0037】本発明の導電性保護層は、個別具体的な画
像形成要素の特殊要件に応じて適当な任意の被覆量で支
持体に適用することができる。例えば、ハロゲン化銀写
真フィルムの場合、当該導電性裏面層におけるアンチモ
ンをドープした針状酸化錫の乾燥被覆重量は0.005
〜1.5g/m2 の範囲にある。好適な被覆量は0.0
1〜0.75g/m2 の範囲にあり、さらに好適な被覆
量は0.05〜0.5g/m2 の範囲にある。
【0038】本発明の単層型導電性バッキングの内部電
気抵抗率(WER)は、帯電防止層の上に保護オーバー
コートを有する従来技術の多層型導電性バッキングの値
と同等又はそれより優れている。本発明の導電性裏面層
は、典型的には1×1010Ω/□未満、好ましくは1×
109 Ω/□未満、より好ましくは1×108 Ω/□未
満の表面抵抗率を示す。
【0039】本発明の単層型の導電性、耐磨耗性、耐ス
クラッチ性の保護層は、個別具体的画像形成用途の各種
画像形成要素に含めることができ、かかる要素の例とし
て、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、
黒白フィルム、カラー印画紙、黒白印画紙、電子写真用
媒体、並びにサーモグラフィー用媒体及びフォトサーモ
グラフィー用媒体を含む熱処理可能な画像形成要素、感
熱色素転写要素、レーザー色素アブレーション型要素、
レーザートナー融着型媒体、等が挙げられる。好適な感
光性画像形成層は、カラー像又は黒白像を提供するもの
である。このような画像形成層は、塩化銀、臭化銀、臭
ヨウ化銀、塩臭化銀、等のようなハロゲン化銀を含有す
ることができる。ネガ型、リバーサル型の両方のハロゲ
ン化銀要素が考えられる。リバーサルフィルムの場合、
米国特許第5,236,817号(特に実施例16及び
21)に記載されている乳剤層が特に好適である。本発
明による写真要素の製造においては、リサーチ・ディス
クロージャー(Research Disclosure, Vol. 176, Item 1
7643, December, 1978) 、同(Vol. 225, Item 22534, J
anuary, 1983) 、同(Item 36544, September, 1994) 及
び同(Item 37038, February, 1995)に記載されているよ
うな公知のハロゲン化銀乳剤層のいずれでも有用であ
る。
【0040】本発明の導電性裏面層を有する写真要素
は、簡単な黒白要素もしくはモノクロ要素又は多層及び
/もしくは多色要素のいずれであってもよい。一般に、
写真要素は、フィルム支持体の当該導電性裏面層とは反
対側に、ゼラチン水溶液中にハロゲン化銀結晶を分散さ
せたものを含む一又は二以上の感光性画像形成層を、必
要に応じて一又は二以上の下塗層と共に塗布することに
より製造される。当該塗布工程は、支持体へ単一層又は
複数層を適用する連続運転式塗工機で実施することがで
きる。多色要素の場合、米国特許第2,761,791
号及び同第3,508,947号に記載されているよう
に、複合フィルム支持体の上に複数の層を同時に塗布す
ることができる。有用な塗布工程及び乾燥工程のさらに
別の方法がリサーチ・ディスクロージャー(Research Di
sclosure, Vol. 176, Item 17643,December, 1978) に
記載されている。
【0041】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに説明す
る。しかしながら、本発明の範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。 比較例1 米国特許第5,679,505号に記載されている方法
と同様にして、帯電防止層を有する多層型導電性バッキ
ング及び独立したポリウレタン含有保護オーバーコート
を調製した。銀をドープした五酸化バナジウムのコロイ
ドゲルを水に分散させたものと水性ポリエステルイオノ
マー分散液と濡れ助剤とを含有する帯電防止層用塗布組
成物を総固形分0.077%で調製した。当該塗布組成
物の成分を以下に示す。成分 重量%(湿潤時) ポリエステルイオノマー系バインダー 0.028% (AQ29D: Eastman Chemicals) 濡れ助剤 (Triton X-100: Rohm & Haas) 0.021% コロイド状五酸化バナジウム 0.028% 水 残部
【0042】ポリエチレンテレフタレート系支持体を移
動させながらこれに帯電防止組成物をコーティングホッ
パーで公称総乾燥被覆量が11mg/m2 となるように
塗布した。当該支持体には塩化ビニリデン系ターポリマ
ーラテックスを含有する下塗層を予め塗布しておいた。
続いて、この帯電防止層の上に、減摩剤とマット粒子を
含有するポリウレタン系保護トップコートをオーバーコ
ートした。このポリウレタン系保護トップコートの組成
を以下に示す。成分 mg/m2 ポリウレタンバインダー(Witcobond W-232: Witco Chemical社) 973.3 減摩剤(Michemlube 160: Michelman社) 0.6 マット剤、ポリ (メチルメタクリレート) 、2μmビーズ 33.0 濡れ助剤(Triton X-100: Rohm & Haas) 7.5 多官能性アジリジン架橋剤(Neocryl CX-100: Polyvinyl Chem.社) 61.9
【0043】比較例2〜4 比較例1と同様にして多層型バッキングを調製したが、
但し、当該帯電防止層は、アンチモンをドープした酸化
錫パーティクルを酸化錫対バインダーの重量比80/2
0で含むものとし且つ公称総乾燥被覆量が約430〜1
075mg/m 2 となるように塗布した。本比較例で用
いた導電性のアンチモンをドープした酸化錫の粉末は、
Keeling and Walker社から商品名「CPM375」で市販され
ている。当該酸化錫は、6重量%のアンチモンを含有
し、アトリッションミル粉砕による粒径低下後の平均粒
径として15nmを示す。比較例1の場合と同様、導電
性酸化錫パーティクルを含有する帯電防止層の上に続い
て保護ポリウレタントップコートをオーバーコートし
た。
【0044】比較例5〜10 比較例2〜4と同様にして多層型バッキングを調製した
が、但し、当該帯電防止層は、酸化錫をアクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン及びアクリル酸のターポリマー系ラ
テックス中に酸化錫対バインダーの重量比90/10及
び75/25で分散させたものを含むものとし且つ公称
総乾燥被覆量が約430〜1075mg/m2 となるよ
うに塗布した。これら従来技術の多層型バッキングと後
述の単層型バッキングの説明は表1に示す。
【0045】各種フィルム支持体上に導電層及び保護ト
ップコート層を有するバッキング試料を、その電気的性
能、光学的透明性、密着性、耐ダスティング性、耐磨耗
性及び搬送特性に関して評価した。当該導電性バッキン
グの表面電気抵抗率(SER)を、米国特許第2,80
1,191号に記載されている方法により2点DCプロ
ーブを使用して約20℃及び公称相対湿度50%におい
て測定した。多層型バッキングの内部抵抗率は湿式電極
抵抗率(WER)法(R.A. Elder, "Resistivity Measu
rements on Buried Conductive Layers", 1990 EOS/ESD
Symposium Proceedings, pp. 251-254 参照) により測
定した。二種の測定技法による相違を極力なくすことに
より多層型バッキングとの直接比較を可能ならしめるた
め、単層型バッキングの内部抵抗率についても測定し
た。また、標準のC−41写真処理法による処理後の試
料についても内部抵抗率を測定した。
【0046】X-Rite Model 361T デンシトメーターを用
いて、全光学濃度及び全紫外濃度(Dmin )をそれぞれ
530nm及び380nmにおいて評価した。全光学濃
度及び全紫外濃度を未被覆支持体の寄与分について補正
することによりネット又はΔUVDmin 及びΔオルソD
min を算出した。補正後の値は、多層型バッキングの場
合には導電層と保護層を合計した寄与分又は単層型バッ
キングの寄与分に相当する。
【0047】導電性バッキングの乾燥密着性を、カミソ
リの刀で当該コーティングに小さなクロスハッチ領域を
けがくことにより評価した。けがかれた領域の上に粘着
性の高い接着テープを貼り、そしてそのコーティングか
ら素早く剥離した。剥離したコーティングの相対量を、
支持体に対するコーティングの密着性を示す定量的測定
値とする。湿潤密着性は、ハロゲン化銀写真要素の湿式
処理を模倣した方法で評価した。バッキング又はオーバ
ーコート層に幅1ミリメートルの線をけがいた。次い
で、その試料を38℃の KODAK Flexicolor 現像液に3
分15秒間入れておいた。試料を取り出し、次いで Fle
xicolor 現像浴に入れ、そして900gの重みをかけて
重くしたゴムパッド(直径約3.5cm)を試料に対し
てけがき線に直角の方向で激しく擦りつけた。追加的に
剥離した材料の量を、コーティングの湿潤密着性の相対
測定値とする。剥離がまったくない場合には「優」、剥
離が1〜10%の場合には「良」、10〜20%の場合
には「可」、そして20%を超える場合には「不可」と
判定した。
【0048】上記の多層型及び単層型のバッキングによ
るダスティングの程度は、米国特許第5,547,82
1号に記載されている方法で評価した。ダスティングの
程度を格付けするために、1〜4の範囲の定量数値尺度
を採用した。写真用画像形成要素、特に孔あけが必要で
あるものの場合、非常に低いダスティングレベルしか許
容できない。格付け数値1は「優」、2未満は「良」、
2〜3は「不可」、3〜4は「劣」と判定した。
【0049】従来技術の多層型バッキング(比較例1〜
10)は、表2に記載した試験結果が例証しているよう
に、良好な内部抵抗率、光学的透明性、優れた乾燥密着
性及びダスティング挙動を示している。各種バッキング
の内部抵抗率が処理により認知できるほど変化すること
はなかった。しかしながら、このような導電性バッキン
グの表面抵抗率を一層低下させ且つ湿潤密着性を向上さ
せることが望まれる。さらに、これらの改良を、簡素化
された製造工程で調製される単層型バッキングにおいて
実現することが非常に望ましい。
【0050】比較例11〜20 米国特許第5,547,821号に記載されている方法
に従い導電性裏面層を調製した。これらの試料は、ポリ
ウレタンバッキング(Witcobond W-232)、アンチモンを
ドープした酸化錫パーティクル(不適当)、マット粒子
及び塗布助剤(Olin 10G)を含むものとした。比較例11
〜16は、米国特許第5,547,821号の実施例1
〜6において採用された方法と同じ方法で調製した。比
較例17は米国特許第5,547,821号の実施例1
9と同様にしたが、但し、比較例17はオーバーコート
層としてではなく裏面層として調製した。比較例18〜
20は、公称総乾燥被覆量を1075mg/m2 として
塗布したことを除き、同様に調製した。これらの方法に
より調製された試料は、主に架橋剤を省略した点及び不
適当な導電性含金属パーティクルを使用した点において
本発明と相違する。さらに、比較例17及び20につい
て使用した導電性酸化錫の体積%添加量は、本発明の好
適な範囲から外れる量である。比較例11〜20の説明
を表1に示す。比較例11〜20の導電剤の重量%は、
他の試料の場合にように導電剤が置換するバインダーの
重量%ではなく添加剤を含む裏面層全体の重量%に相当
することに留意されたい。
【0051】比較例11〜20の単層型導電性バッキン
グは、比較例1〜10の多層型バッキングに対し、表面
抵抗率が顕著に改良されたこと及び湿潤密着性が一般に
改良されたことを例証している。しかしながら、一般に
ネットの紫外濃度及び光学濃度が付随的に増加すること
が認められる。いくつかのバッキングについては湿潤密
着性の不足も認められた。図1に、従来技術の多層型バ
ッキングに対する従来技術の単層型バッキングの内部抵
抗率を関数とした紫外濃度の増加を図示した。スリッテ
ィング、孔あけ及びスプーリングのような多数の仕上げ
工程を受ける写真用画像形成要素(例、ロール状フィル
ム)の場合、ダスティングは低いレベルでしか許容でき
ない。比較例11〜20の従来技術の単層型バッキング
は、多層型バッキングよりもダスティングの傾向が高
く、写真用画像形成要素には許容できないものである。
【0052】
【表1】
【0053】* 比較例11〜20は、裏面層全体の重量
%であり、その他はすべて導電剤及びバインダーの重量
%である。 実施例1〜12 50%以上の引張破断伸度及び34473N/cm
2 (50,000lb/in2 )以上の2%伸度におけ
るヤング率を示すポリウレタン系ラテックスバインダー
中に本発明による酸化錫を分散させたものを使用して単
層型の導電性保護バッキングを調製した。引張伸度及び
ヤング率は、本出願人に譲渡された米国特許第5,67
9,505号に記載されている方法によりASTM試験
法D882に記載されている手順に従い測定し、特定の
市販のポリウレタンについて表3に列挙した。コーティ
ングの組成は比較例1〜10の保護トップコートの組成
とほぼ同様としたが、但し、表示した重要%(表1)の
ポリウレタンバインダーを本発明の導電性酸化錫に置き
換えた。実施例1〜4の公称総乾燥重量被覆量は、比較
例1〜10における保護トップコート(非導電性)の乾
燥重量被覆量と同等とした。酸化錫、ポリウレタンバイ
ンダー及び架橋剤の他、単層型バッキングには、比較例
1〜10の場合と同様に任意のマット剤、減摩剤及び濡
れ助剤を含めた。実施例1〜12の単層型導電性バッキ
ングについての酸化錫の体積分率は約12〜30%の範
囲とした。
【0054】実施例13及び14 実施例2と同様に塗布組成物を調製し、これを、ポリ
(エチレンテレフタレート)支持体ではなくポリ(エチ
レンナフタレート)支持体を移動させてその上にコーテ
ィングホッパーにより公称総乾燥被覆量が1075mg
/m2 となるように塗布した。実施例13では、ポリ
(エチレンナフタレート)支持体に、塩化ビニリデン系
ターポリマーラテックスを含む下塗層又はプライマー層
を予め塗布しておいた。実施例14では、ポリ(エチレ
ンナフタレート)支持体に、塗布組成物を塗布する直前
に、処理レベル250ワットのコロナ放電による表面処
理を施した。
【0055】本例は、本発明の単層型導電性保護バッキ
ングが、従来技術の多層型バッキングと比較して、表面
抵抗率及び密着性における所望の改良を、ネットの紫外
濃度又は光学濃度を増加することなく示すことを例証す
るものである。図2は、本発明の単層型バッキングと従
来技術の多層型バッキングとについてネットの紫外濃度
及び内部抵抗率を比較するものである。図2は、内部抵
抗率が同等であれば透明性も同等であることを明らかに
示している。しかしながら、本発明の単層型バッキング
には、表面抵抗率が低く、湿潤密着性が改良され、しか
も製造工程が簡素化されるという追加的な利点がある。
表面抵抗率は写真処理の影響は受けない。さらに、従来
技術の単層型バッキングの場合に認められるようなダス
ティング挙動の増加はまったく認められない。
【0056】比較例21〜25 実施例1〜12と同様にして単層型導電性裏面層を調製
したが、導電性酸化錫の体積分率を好適な範囲を外れる
ものとした。比較例21〜23の裏面層は、酸化錫/バ
インダーの重量比を40/60以下とし、体積%として
9%未満に相当するものとした。酸化錫の体積%がこの
ように低い場合には、当該層が帯電防止層として機能す
るのに十分な導電性は得られない。比較例24及び25
の裏面層は、酸化錫対ポリウレタンの重量比がそれぞれ
85/15及び90/10であり、体積添加率としては
30%を上回る値に相当する。これらの試料は過剰なダ
スティングを示したため、写真用画像形成要素の保護層
としては不適当である。
【0057】比較例26 実施例3と同様にして導電性保護層を調製したが、但
し、ポリウレタンバインダーを、2%伸度におけるヤン
グ率が34473N/cm2 (50,000lb/in
2 )未満である Witcobond W-234(商標)とした。 Wit
cobond W-234(商標)をバインダーとして使用すると、
耐磨耗性要件及び低ダスティング要件を満たさない不適
当な物理特性を有する導電性バッキングが得られた。
【0058】比較例27及び28 実施例3と同様にして導電性裏面層を調製したが、但
し、使用した導電性酸化錫パーティクルは好ましくない
ものとした。比較例27は、アトリッションミル粉砕後
の一次粒径が約15nmを示した市販のCPM−375
を含有するものとした。比較例28のバッキングは、Du
pont Chemicalsから商品名「ZELEC ECP-3010-XC 」で市
販されている導電性酸化錫粉末を含むものとした。 ZEL
EC ECP-3010-XC(商標)の酸化錫は、アトリッションミ
ル粉砕後に15nm未満の一次粒径を示した。どちらの
場合も、好ましくない酸化錫の一次粒径を使用すると有
意なレベルのダスティングが発生したが、本発明の好適
な酸化錫パーティクルを含有するバッキングは導電性パ
ーティクルの体積添加量が同等な場合に低いダスティン
グ挙動を示した。
【0059】比較例29 実施例2と同様にして単層型導電性バッキングを調製し
たが、但し、架橋剤を省略した。ポリウレタンバインダ
ーを架橋しなかった場合のバッキングでは、ダスティン
グのレベルが実質的に高くなった。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】本発明の単層型導電性バッキングの帯電防
止性能、密着性及び透明性を改良することに加え、本発
明のさらなる目的として、当該導電性裏面層の耐スクラ
ッチ性及び耐磨耗性を改良することが含まれる。このよ
うな「多機能型」裏面層の耐磨耗性を評価するため、支
持体に各種バッキングを被覆した試料をテーバー磨耗試
験機で評価し、ASTM試験法D1044により試験し
た。この試験結果を表4に示す。本発明の単層型導電性
バッキングを含む画像形成要素の相対搬送特性を評価す
るために、米国特許第5,234,889号に記載され
ているPOD(pin-on-disk) 法により実施例1について
摩擦性を評価した。摩擦係数を測定したところ0.22
であった。
【0063】
【表4】
【0064】上記の結果は、本発明に従い特定の体積%
範囲の導電性含金属パーティクルを特定のポリウレタン
バインダー及び架橋剤と組み合わせて使用することによ
り、導電性の高い透明な単層型保護バッキングが得られ
ることを明確に示している。本発明の単層型保護バッキ
ングは、許容できるダスティングレベル、耐磨耗性又は
搬送特性を示す。当該単層型バッキングは、帯電防止層
及び追加的な保護トップコートを含む多層型バッキング
と比べて表面導電性が改良されることとなり、帯電防止
保護性が改良され得る。さらに、本発明は、必要な層の
数が削減されるため、画像形成要素の製造工程の簡素化
を可能ならしめる。最後に、本発明の導電性バッキング
は、写真用画像形成要素と熱処理可能な画像形成要素の
どちらの過酷な要求にも十分に適合するものである。
【0065】以下、本発明の好ましい実施態様を項分け
記載する。 〔1〕支持体と、少なくとも一層の画像形成層と、透明
な導電性且つ耐磨耗性の保護層とを含んでなる画像形成
要素であって、前記保護層が、ポリウレタン系フィルム
形成性バインダー中に分散された導電性含金属微細パー
ティクル及び架橋剤を含み、前記ポリウレタン系フィル
ム形成性バインダーが50%以上の引張破断伸度及び3
4473N/cm2 以上の2%伸度におけるヤング率を
示す画像形成要素。 〔2〕前記導電性含金属微細パーティクルが、半導体金
属酸化物、異種原子ドナーをドープした金属酸化物、酸
素欠陥を含む金属酸化物、導電性金属炭化物、導電性金
属窒化物、導電性金属ケイ化物及び導電性金属ホウ化物
からなる群より選択されたものである、〔1〕項に記載
の画像形成要素。 〔3〕前記導電性含金属微細パーティクルが、酸化錫、
インジウム三二酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、アンチ
モン酸亜鉛、アンチモン酸インジウム、三酸化モリブデ
ン、三酸化タングステン及び五酸化バナジウムからなる
群より選択されたものである、〔1〕項に記載の画像形
成要素。 〔4〕前記導電性含金属微細パーティクルが、アンチモ
ンをドープした酸化錫、錫をドープしたインジウム三二
酸化物、アルミニウムをドープした酸化亜鉛及びモリブ
デンをドープした酸化チタンからなる群より選択された
ものである、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔5〕前記導電性含金属パーティクルの充填粉末比(体
積)抵抗率が103 Ω・cm以下である、〔1〕項に記
載の画像形成要素。 〔6〕前記含金属パーティクルの平均直径が0.01μ
m以下であり且つそのx線微結晶サイズが50Å以下で
ある、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔7〕前記透明な導電性且つ耐磨耗性の保護層に含まれ
る結晶性の単相の導電性含金属パーティクルの乾燥重量
被覆量が0.005〜1.5g/m2 である、〔1〕項
に記載の画像形成要素。 〔8〕前記含金属パーティクルが当該導電層の9〜30
体積%を構成する、〔1〕項に記載の画像形成要素。
〔9〕前記導電性保護層の表面抵抗率が1×1010Ω/
□未満である、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔10〕前記支持体が、セルロースエステル、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリスチレン及びポリアクリレ
ートからなる群より選択されたものである、〔1〕項に
記載の画像形成要素。 〔11〕前記支持体が、コロナ放電、グロー放電、UV
照射、電子ビーム処理、火炎処理、溶剤洗浄又は密着性
促進剤により表面処理されたものである、〔1〕項に記
載の画像形成要素。 〔12〕前記架橋剤が多官能性のアジリジン、カルボジ
イミド又はエポキシを含む、〔1〕項に記載の画像形成
要素。 〔13〕前記架橋剤が塗布層総重量を基準に0.5〜3
0重量%を構成する、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔14〕(1)第一面及び第二面を有する支持体; (2)前記支持体の第一面上に累置された少なくとも一
層のハロゲン化銀乳剤層;並びに (3)ポリウレタン系フィルム形成性バインダー中に分
散された導電性のアンチモンをドープした酸化錫の微細
パーティクルを架橋剤と共に含み、前記ポリウレタン系
フィルム形成性バインダーが50%以上の引張破断伸度
及び34473N/cm2 以上の2%伸度におけるヤン
グ率を示す透明な導電性且つ耐磨耗性の裏面層であっ
て、前記支持体の第二面上に累置されたものを含んでな
る写真フィルム。 〔15〕(1)第一面及び第二面を有する支持体; (2)前記支持体の第一面上に累置された少なくとも一
層の画像形成層;並びに (3)ポリウレタン系フィルム形成性バインダー中に導
電性のアンチモンをドープした酸化錫の微細パーティク
ルを分散させたものを架橋剤と共に含み、前記ポリウレ
タン系フィルム形成性バインダーが50%以上の引張破
断伸度及び34473N/cm2 以上の2%伸度におけ
るヤング率を示す導電性且つ耐磨耗性の裏面層であっ
て、前記支持体の第二面上に累置されたものを含んでな
る熱処理可能な画像形成要素。 〔16〕(1)支持体; (2)前記支持体の第一面上に累置されたサーモグラフ
ィー式画像形成層;並びに (3)ポリウレタン系フィルム形成性バインダー中に導
電性のアンチモンをドープした酸化錫の微細パーティク
ルを分散させたものを架橋剤と共に含み、前記ポリウレ
タン系フィルム形成性バインダーが50%以上の引張破
断伸度及び34473N/cm2 以上の2%伸度におけ
るヤング率を示す導電性保護層であって、前記画像形成
層の上に存在するものを含んでなる熱処理可能な画像形
成要素。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種裏面層の内部抵抗率に対する紫外濃度をプ
ロットしたグラフである。
【図2】各種裏面層の内部抵抗率に対するネットの紫外
濃度をプロットしたグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、少なくとも一層の画像形成層
    と、透明な導電性且つ耐磨耗性の保護層とを含んでなる
    画像形成要素であって、前記保護層が、ポリウレタン系
    フィルム形成性バインダー中に分散された導電性含金属
    微細パーティクル及び架橋剤を含み、前記ポリウレタン
    系フィルム形成性バインダーが50%以上の引張破断伸
    度及び34473N/cm2 以上の2%伸度におけるヤ
    ング率を示す画像形成要素。
JP11052565A 1998-02-27 1999-03-01 画像形成要素 Pending JPH11316439A (ja)

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