JP2002214187A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JP2002214187A
JP2002214187A JP2001008919A JP2001008919A JP2002214187A JP 2002214187 A JP2002214187 A JP 2002214187A JP 2001008919 A JP2001008919 A JP 2001008919A JP 2001008919 A JP2001008919 A JP 2001008919A JP 2002214187 A JP2002214187 A JP 2002214187A
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Japan
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biosensor
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liquid suction
layer
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JP2001008919A
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Katsuji Nakahara
勝次 中原
Kiyohiko Ito
喜代彦 伊藤
Masaji Miyazaki
正次 宮崎
Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Eriko Yamanishi
永吏子 山西
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Toray Industries Inc
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Toray Industries Inc
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体試料のキャビティ内への迅速且つ正確な
導入を助成し、測定精度の高い優れたバイオセンサを提
供する。 【解決手段】 キャビティが、少なくとも作用極、対極
からなる電極部が配置された絶縁性基板、切欠部を有す
るスペーサおよび液体吸引性を有するカバーとの貼り合
わせにより形成されているバイオセンサであり、液体吸
引性を有するカバーの表面に液体吸引層が設けられ、該
液体吸引層が表面抵抗値1×1012Ω以下で、臨界表面
張力35mN/m以上であるバインダーと界面活性剤お
よび/または導電性樹脂から成ること、スペーサと絶縁
性基板およびカバーが軟化点70℃〜150℃のホット
メルト接着剤で貼り合わされていること、絶縁性基板、
スペーサ、カバーがプラスチックフィルムであることが
好ましい態様として含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の微量の液体
試料中の特定成分、例えば血液や尿等の生体液の特定成
分を検査・定量する際に用いられるバイオセンサに関
し、特に液体試料を毛細管現象にて導入するキャビティ
を具備したバイオセンサにおいて液体試料のキャビティ
内への導入を助成する構成に特徴があるものである。
【0002】
【従来の技術】液体試料中の特定の成分を定量するバイ
オセンサとして、例えば血液中のグルコースとセンサ中
に担持されたグルコースオキシダーゼ、フェリシアン化
カリウム等の試薬との反応により得られる電流値を計測
することにより血糖値などを求めるものがある。
【0003】図1はそのような従来の血糖値測定用のバ
イオセンサを示す分解斜視図である。なお、図1に示す
バイオセンサの主要構成は、本発明に係るバイオセンサ
においても同等であり、本発明においては各部に改良や
変更が施される。図1において、ポリエチレンテレフタ
レート等からなる絶縁基板5上には、スクリーン印刷等
により作用極1と対極2からなる電極が形成されてお
り、これら電極上には酵素であるグルコースオキシダー
ゼ、電子伝達体であるフェリシアン化カリウム及び親水
性高分子であるカルボキシメチルセルロースなどを含む
試薬層10が形成されている。
【0004】そしてある量の血液を採取し、採取した血
液と試薬層10との反応で生じる電流値を上記電極で検
出するためのキャビティ11を形成するため、電極およ
び試薬上の部分を細長く切り欠いたスペーサ7と、空気
逃げ孔9を形成したカバー6とを絶縁性基板5上に貼り
合わせている。
【0005】このような構成のバイオセンサにおいて、
血液は吸引口8から毛細管現象によりキャビティ11内
に導入され、電極と試薬のある位置まで導かれる。そし
て、電極上での血液と試薬との反応により生じる電流値
は、リード3、4を通じて図示しない外部の測定装置に
接続して読みとられる。
【0006】しかし、上述の様な毛細管現象だけでは、
血液をキャビティ11内にスムーズに導入することは難
しく、より素早く且つ正確に血液を導入するためには、
試薬層10を覆うようにその上から卵黄レシチンなどの
界面活性剤層12を展開するなどの工夫がなされてい
た。
【0007】しかしながら、上述の卵黄レシチンなどの
界面活性剤層を試薬層上に担持することにより、試薬層
の溶解性や反応性の低下、また、キャビティ内部から絶
縁性基板とスペーサとの間に血液が滲み込むなどの現象
により、センサ性能が悪化するという問題を有してい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る問題点を解決し、液体試料のキャビティ内への迅速且
つ正確な導入を助成し、測定精度の高い優れたバイオセ
ンサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のバイオセンサは、液体試料が毛細管現象に
て導入されるキャビティを具備し、導入された前記液体
試料と試薬の反応により液体試料中の成分を分析可能な
バイオセンサにおいて、前記キャビティが少なくとも作
用極、対極からなる電極部が配置された絶縁性基板、切
欠部を有するスペーサおよび液体吸引性を有するカバー
との貼り合わせにより形成されていることを特徴とする
ものからなる。
【0010】また、本発明のバイオセンサにおいては、
液体吸引性を有するカバーの表面には液体吸引層が設け
られ、該液体吸引層がバインダーと界面活性剤および/
または導電性樹脂からなることが好ましい。この液体吸
引層は、その表面抵抗値1×1012Ω以下で、臨界表面
張力35mN/m以上であることが好ましい。また、ス
ペーサが両面にホットメルト接着剤層を有し、該ホット
メルト接着剤層を介してスペーサと絶縁性基板およびカ
バーが貼り合わされていることが好ましい。このホット
メルト接着剤の軟化点は70℃〜150℃の範囲にある
ことが好ましい。また、絶縁性基板、スペーサ、カバー
は、プラスチックフィルムからなることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明のバイオ
センサにおいては、液体試料が毛細管現象にて導入され
るキャビティを具備し、導入された液体試料と試薬の反
応により液体試料中の成分を分析可能なバイオセンサに
おいて、キャビティが少なくとも作用極、対極からなる
電極部が配置された絶縁性基板、切欠部を有するスペー
サおよび液体吸引性を有するカバーとの貼り合わせによ
り形成されている。すなわち、全体の主要構成は図1に
示したものと同等の構成であるが、とくに液体吸引層を
有するカバーを用いる点に特徴がある。
【0012】この本発明のバイオセンサにおけるカバー
には、液体吸引性を有する液体吸引層が積層される。液
体吸引層は有機系バインダーや無機系バインダーおよび
/または金属や金属化合物等を主体とした膜で構成され
ている。
【0013】液体吸引層として用いられるバインダーと
しては、例えば、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ウレタン樹脂、ナ
イロン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル
酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアルキレン
オキシド樹脂、ゼラチン等の有機系バインダー、ジルコ
ニウム、珪素、アルミニウム、チタン原子等を含む無機
系バインダーが挙げられるが、中でもポリエステル樹脂
が基材との接着力や、液体試料の塗れ・展開性から好ま
しく用いられる。
【0014】さらに、本発明においては、このバインダ
ーに、表面抵抗値、臨界表面張力調整剤として、各種の
界面活性剤や導電性樹脂を添加することができる。界面
活性剤としては、例えば「実用プラスチック事典 材料
編」((株)産業調査会 1996年)や「13398
の化学商品」(化学工業日報社 1998年)に記載さ
れている非イオン系、アニオン系、カチオン系、および
両性系の界面活性剤が挙げられる。
【0015】非イオン系界面活性剤としては、例えば、
高級脂肪酸アミド、アセチレングリコール類、アセチレ
ングリコールのエチレンオキサイド付加物等が、アニオ
ン系界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル系、
スルホサクシネート系等が、カチオン系界面活性剤とし
ては、例えば、第4級アンモニウム系のアルキルトリメ
チルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメ
チルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジル
メチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン等が挙げられ
る。
【0016】導電性樹脂としては、非イオン系、アニオ
ン系、カチオン系導電性樹脂が挙げられるが、帯電防止
効果、すなわち表面抵抗値の低下効果からカチオン系導
電性樹脂が好ましく用いられる。カチオン系導電性樹脂
の中でも第4級アンモニウム塩型カチオン導電性樹脂、
例えば、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド等の第4級アンモニウム塩重合物が電気伝導性、液体
試料の塗れ・展開性から好ましく用いられる。
【0017】液体吸引層中の界面活性剤および/または
導電性樹脂の含有量は、通常0.1〜20部であり、好
ましくは0.5〜15部、より好ましくは1〜10部で
ある。
【0018】界面活性剤および/または導電性樹脂の添
加量が上記範囲より多いと、基材との接着性が低下した
り、ブロッキングしやすくなったりして好ましくない。
また、界面活性剤および/または導電性樹脂の添加量が
上記範囲より少ないと、所望の表面抵抗値が得られ難
く、また液体試料の濡れ性、展開性の悪化や電気伝導性
の低下により、液体試料のスムーズなキャビティ内への
導入ができなくなる。
【0019】本発明の液体吸引層の表面抵抗値は1×1
12Ω以下であることが好ましく、より好ましくは5×
1011Ω以下である。表面抵抗値が上記範囲より高い
と、液体試料の濡れ性、展開性の悪化や、電気伝導性の
低下により、液体試料のスムーズなキャビティ内への導
入ができなくなるおそれがある。
【0020】また、液体吸引層の臨界表面張力は35m
N/m以上であることが好ましく、より好ましくは40
mN/m以上である。臨界表面張力が上記範囲より低い
と、液体試料の濡れ性・展開性が悪化し、液体試料のス
ムーズなキャビティ内への導入ができなくなるおそれが
ある。
【0021】また、液体吸引層の付着量は0.1〜10
g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.5
〜5g/m2である。付着量が上記範囲より少ないと加
工時の擦り傷等により付着層の脱落や、ピンホールが発
生し易くなり測定精度が低下し好ましくない。また、付
着量が上記範囲より多くなると作業性が悪くなったり、
ブロッキングを生じやすくなり好ましくない。
【0022】本発明のスペーサには、その両面に軟化点
が70℃〜150℃のホットメルト接着剤が積層される
ことが好ましい。ホットメルト接着剤の軟化点が上記範
囲より低いと、孔開け加工時に刃に接着剤がついたり、
貼り合わせ時に接着剤がにじみ出たりして好ましくな
い。ホットメルト接着剤の軟化点が上記範囲より高い
と、貼り合わせ時に高温が必要となり、試薬層の劣化や
各部材の寸法変化が生じたりして好ましくない。
【0023】また、ホットメルト接着層を用いること
で、スペーサとカバーあるいは絶縁性基板とが強固且つ
緻密に接着されるため、キャビティ内部からの液体試料
の滲みだしを防ぎ、キャビティ内に正確に液体試料を規
制することができる。
【0024】ホットメルト接着剤としては、例えば、ポ
リエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ア
イオノマー樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−アクリル酸
共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、
エチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メ
タクリル酸共重合樹脂等が挙げられるが、特にこれらに
限定されない。
【0025】本発明の絶縁性基板、スペーサ、カバーと
しては、プラスチックフィルム、合成紙、紙または表面
処理が施された複合シートが好ましく用いられるが、中
でも寸法安定性や耐久性等の点からプラスチックフィル
ムが好ましい。
【0026】プラスチックフィルムの材質としては、ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した
ものを用いることもできる。
【0027】さらに、上記プラスチックフィルムの中で
も、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリエチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン4,4’
−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートな
どが好ましく、これらの中で機械的特性、作業性などの
品質、経済性などを総合的に勘案すると、ポリエチレン
テレフタレートが特に好ましく用いられる。
【0028】絶縁性基材、スペーサ、カバーの厚みは特
に限定されないが、通常10μm〜500μm、好まし
くは20μm〜400μm、より好ましくは30μm〜
300μmであることが望ましい。
【0029】
【実施例】本発明における特性の評価方法について次に
説明する。 (1)表面抵抗値 東京電気(株)製のHI−レジスタンステスター、モデ
ル「TR−2」)(HI−RESISTANCE TE
STER MODEL TR−2)を用いて20℃、6
0%RHの雰囲気下に24時間放置後測定した。
【0030】(2)臨界表面張力 JIS−K6768に準じ、濡れ指数標準液(和光純薬
工業(株)製)を用いて測定した。
【0031】(3)付着量 塗布液を塗布した基材100cm2の重量を測定し
(A)、次に塗布前の基材100cm2の重量を測定し
(B)、(A−B)×100で付着量(g/m2)を算
出した。
【0032】(4)軟化点 JIS−K2531(環球法)に準じて測定した。
【0033】(5)血液の濡れ性・展開性 液体吸引層上にヘマトクリットを45%に調整した血液
を10μL滴下したときの血液の拡がり(円径の測
定)、及びバイオセンサのキャビティ内へ前記血液が完
全に充填するのに要した時間を測定した。
【0034】〔各部材の作製方法〕次に、各部材の作製
方法について以下に説明する。 (1)スペーサ 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム”ルミラー”(タイプ188E20)を基材と
し、また塗布液として、軟化点105℃のポリエステル
樹脂をトルエン/MEK(メチルエチルケトン)=4/
1で溶解し、30%溶液を用意した。30%の塗布液を
コンマコータにてシリコーン系離型フィルムに塗布し、
120℃で2分間乾燥して上記188E20に転写し
た。同様にして両面にホットメルト接着剤付きのスペー
サフィルムを得た。ホットメルト接着剤層の厚さはそれ
ぞれ25μmであった。
【0035】(2)カバーA 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム“ル
ミラー”(タイプ100T60)を基材とし、また、塗
布液として、ポリエステル樹脂/リン酸エステル系アニ
オン界面活性剤/アセチレングリコールのエチレンオキ
サイド付加物非イオン界面活性剤を、100/5/5の
割合で調合し、トルエン/MEK=1/1で15%に希
釈したものを用意した。15%に希釈した塗布液をグラ
ビアコータにて基材に塗布し、120℃で30秒間乾燥
して液体吸引層を有するカバーフィルムを得た。液体吸
引層の付着量は1.5g/m2であった。
【0036】(3)カバーB 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム“ル
ミラー”(タイプ100T60)を基材とし、また、塗
布液として、ポリエステル樹脂/ポリオキシエチレント
リアルキルアンモニウム塩系カチオン界面活性剤を10
0/5の割合で調合し、トルエン/MEK=1/1で1
5%に希釈したものを用意した。15%に希釈した塗布
液をグラビアコータにて基材に塗布し、120℃で30
秒間乾燥して液体吸引層を有するカバーフィルムを得
た。液体吸引層の付着量は1.0g/m2であった。
【0037】(4)カバーC 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム“ル
ミラー”(タイプ100T60)を基材とし、また、塗
布液として、ポリエステル樹脂/高級脂肪酸アミド系非
イオン系界面活性剤を100/10の割合で調合し、ト
ルエン/MEK=1/1で15%に希釈したものを用意
した。15%に希釈した塗布液をグラビアコータにて基
材に塗布し、120℃で30秒間乾燥して液体吸引層を
有するカバーフィルムを得た。液体吸引層の付着量は
1.0g/m2であった。
【0038】〔バイオセンサ(血糖センサ)の作製方
法〕東レ(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム
“ルミラー”(タイプ250H10)上に、スクリーン
印刷法により作用極及び対極からなる電極を設け、その
上に酵素(グルコースオキシダーゼ)、電子伝達体(フ
ェリシアン化カリウム)および親水性高分子(カルボキ
シメチルセルロース)などを含む試薬層を形成し、その
上から、前記各部材の作製方法(1)の手順で作製した
切り欠け部を有するスペーサと、前記各部材の作製方法
(2)または(3)または(4)の手順で作製した液体
吸引層を有するカバーAまたはカバーBまたはカバーC
とを接着することで、血液が導かれるキャビティを備え
た血糖センサを作製した。
【0039】表1はヘマトクリットを45%に調整した
血液を液体吸引層上に10μL滴下した際の血液の拡が
りを比較したものである。表1から明らかなように、各
部材の作製方法(2)、(3)、(4)の手順でそれぞ
れ作製した液体吸引層を有するカバーA、B、Cを用い
た場合にも、従来の界面活性剤(卵黄レシチン)を試薬
層上に形成した従来のものと同等の血液の拡がりが得ら
れた。これは、本実施例の液体吸引層が従来の界面活性
剤層と同等の血液に対する塗れ性を持つことを示すもの
である。
【0040】
【表1】
【0041】表2はヘマトクリットを45%に調整した
血液が、前記血糖センサのキャビティ内に完全に充填さ
れるまでに要した時間を比較したものである。表2から
明らかなように、本実施例センサの血液が充填されるま
でに要した時間は従来センサと同等である。これは、本
実施例の液体吸引層が従来の界面活性剤層と同等の血液
に対する塗れ性を持つことを示唆するものであり、ま
た、本実施例の血糖センサの血液吸引能が従来の血糖セ
ンサと同等であることを示すものである。
【0042】
【表2】
【0043】図2は、上述のようにして作製された本実
施例センサのセンサ応答特性を従来センサと比較したも
のである。なお、センサ応答値はキャビティ内に血液を
充填させた後、約25秒間試薬と血液中のグルコースと
の反応を促進させ、その後作用極用リード3と対極用リ
ード4の間に電圧を0.5V印加し、その5秒後に得ら
れた電流値を示す。図2から明らかなように、センサ試
薬層上に界面活性剤層を含まないカバーA、B、Cを用
いた本実施例センサでは、約5〜15%の応答値増加が
確認された。これは、試薬層上に界面活性剤層を含まな
いことで試薬層の溶解性や反応性が向上し、それによっ
て、センサの応答特性が向上したことを示すものであ
り、中でもカバーBを用いて作製された実施例センサが
良好であった。これは液体吸引層に含まれる界面活性剤
の種類として、カチオン系界面活性剤がセンサ応答特性
において最も好ましいことを示唆するものである。
【0044】表3は上述のようにして作製された本実施
例センサの測定精度を、従来センサと比較したものであ
り、各グルコース濃度毎に前記センサを20個測定した
ときの応答値のバラツキ度合いをCV値で表したもので
ある。
【0045】表3から明らかなように、試薬層上に界面
活性剤層を含まない本実施例センサで大幅な測定精度の
向上(CV値の低下)が確認された。これは、試薬層上
に界面活性剤層を含まないことで試薬層の溶解性や反応
性が向上し、センサ個々のバラツキが軽減されたことを
示唆するものである。
【0046】
【表3】
【0047】上記実施例においては血液中のグルコース
濃度を計測するバイオセンサについて示したが、測定対
象とする試料液、物質、およびバイオセンサの形式はこ
れに限定されるものではない。
【0048】例えば、試料液としては血液以外にも生体
試料液として唾液、細胞間質液、尿や汗などを、また、
食品や飲料水なども用いることができる。
【0049】対象物質としては、グルコース以外にも乳
酸、コレステロール、尿酸、アスコルビン酸、ビリルビ
ンなどを用いることができる。
【0050】バイオセンサに用いる電極材料としてはカ
ーボンや金、白金、パラジウムなどの貴金属があり、電
極形成方法としては前述のスクリーン印刷法以外にもス
パッタリング蒸着法などを用いることができる。
【0051】また、グルコースオキシダーゼ以外の酵素
としては、ラクテートオキシダーゼ、コレステロールオ
キシダーゼ、コレステロールエステラーゼ、ウリカー
ゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダ
ーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒド
ロゲナーゼなどを、電子伝達体としてはフェリシアン化
カリウム以外にもp−ベンゾキノン及びその誘導体、フ
ェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセ
ン及びその誘導体などを、また、親水性高分子としては
カルボキシメチルセルロース以外にもヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリジン
等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチン
及びその誘導体、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸
及びその塩、スターチ及びその誘導体、無水マレイン酸
およびその塩、アガロースゲル及びその誘導体などが挙
げられる。
【0052】これらの試薬を含む試薬層は電極上の全面
もしくは一部に配置する以外にも、本発明の効果を損な
わない限り、液体試料が導かれるキャビティ内であれば
何れの場所に配置しても構わない。
【0053】また、電流測定においては、作用極と対極
のみの2電極方式と、参照極や液体試料液不足を検知す
る検知極などを加えた3電極方式があり、3電極方式の
ほうがより正確な測定が可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るバイ
オセンサによれば、液体試料のセンサキャビティ内への
迅速且つ正確な導入を助成することができ、応答性、測
定精度に優れたバイオセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイオセンサの主要構成を示す分解斜視図であ
る。
【図2】本発明の各実施例に係るセンサと従来センサと
の比較特性図である。
【符号の説明】
1 作用極 2 対極 3 作用極用リード 4 対極用リード 5 絶縁性基板 6 カバー 7 スペーサ 8 吸引口 9 空気逃げ孔 10 試薬層 11 キャビティ 12 界面活性剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 336G 338 (72)発明者 伊藤 喜代彦 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 宮崎 正次 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 徳永 博之 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 山西 永吏子 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA13 CA25 CA26 DA01 DA04 DA31 DA53 DA69 FB01 FB05 GC20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体試料が毛細管現象にて導入されるキ
    ャビティを具備し、導入された前記液体試料と試薬の反
    応により液体試料中の成分を分析可能なバイオセンサに
    おいて、前記キャビティが、少なくとも作用極、対極か
    らなる電極部が配置された絶縁性基板、切欠部を有する
    スペーサおよび液体吸引性を有するカバーとの貼り合わ
    せにより形成されていることを特徴とするバイオセン
    サ。
  2. 【請求項2】 液体吸引性を有するカバーの表面に液体
    吸引層が設けられ、該液体吸引層がバインダーと界面活
    性剤および/または導電性樹脂からなることを特徴とす
    る請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 液体吸引層の表面抵抗値が1×1012Ω
    以下であることを特徴とする請求項2に記載のバイオセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 液体吸引層の臨界表面張力が35mN/
    m以上であることを特徴とする請求項2または3に記載
    のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 スペーサが両面にホットメルト接着剤層
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 ホットメルト接着剤の軟化点が70℃〜
    150℃であることを特徴とする請求項5に記載のバイ
    オセンサ。
  7. 【請求項7】 絶縁性基板、スペーサ、カバーがプラス
    チックフィルムからなることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載のバイオセンサ。
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