JP2002213184A - 多重カッタの駆動構造 - Google Patents

多重カッタの駆動構造

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JP2002213184A
JP2002213184A JP2001011320A JP2001011320A JP2002213184A JP 2002213184 A JP2002213184 A JP 2002213184A JP 2001011320 A JP2001011320 A JP 2001011320A JP 2001011320 A JP2001011320 A JP 2001011320A JP 2002213184 A JP2002213184 A JP 2002213184A
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Japan
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cutter
support member
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rotary joint
bearing
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JP2001011320A
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English (en)
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Yuji Sakuma
裕治 佐久間
Shigeo Fujii
茂男 藤井
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッタを径方向に同芯的に分割してなる第1
〜第nカッタ部を夫々独立して駆動する多重カッタの駆
動装置において、最外周の第1カッタ部に油圧や電気を
容易に供給できる多重カッタの駆動装置を提供する。 【解決手段】 掘削機本体4の前部に回転可能に設けた
カッタを径方向に同芯的に第1カッタ部5と第2カッタ
部6とに分割し、外側の第1カッタ部5に第1支持部材
8を、内側の第2カッタ部6に第2支持部材17を夫々
設け、他方、掘削機本体4に上記第1支持部材8を軸支
する第1軸受13と第1支持部材8を回転駆動する第1
駆動モータ15とを設け、上記第1支持部材8に第2支
持部材17を軸支する第2軸受19と第2支持部材17
を回転駆動する第2駆動モータ23とを設け、且つ、第
1および第2支持部材8、17のうち少なくとも第1支
持部材8の回転中心に、相対回転を許容しつつ油圧や電
気を接続する回転継手25を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタを径方向に
同芯的に分割してなる第1〜第nカッタ部(n≧2)
を、夫々独立して駆動する多重カッタの駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すような多重カッタを備
えたシールド掘進機が知られている(特許269580
1号公報等)。かかる多重カッタ式のシールド掘進機a
は、筒体状のシールドフレームbとその内部を仕切る隔
壁cとからなる掘削機本体dを有すると共に、掘削機本
体dの前部に設けたカッタを径方向に同芯的に分割して
なる第1カッタ部eと第2カッタ部fとを有する。
【0003】外側の第1カッタ部eは、周方向に所定間
隔が隔てられた中間ビームgを介し、隔壁cに軸支され
た筒体hに連結されている。筒体hには第1ギヤiがリ
ング状に設けられており、第1ギヤiには第1駆動モー
タjのピニオンkが噛合されている。他方、内側の第2
カッタ部fは、センターシャフトlを介して隔壁cに軸
支されている。センターシャフトlには第2ギヤmが設
けられており、第2ギヤmには第2駆動モータnのピニ
オンoが噛合されている。
【0004】この構成によれば、第1駆動モータjと第
2駆動モータoとを別々に運転制御することで、外側の
第1カッタ部eの回転数(rpm) と内側の第2カッタ部f
の回転数(rpm) とを夫々独立して制御できる。これによ
り、例えば内側の第2カッタ部fの回転数(rpm) を外側
の第1カッタ部eの回転数(rpm) よりも速くすれば、双
方のカッタ部e、fに夫々取り付けられたビットの切羽
面に対する単位時間当たりの摺動距離の均等化を図るこ
とができる。
【0005】ところで、図4に示すように、内側の第2
カッタ部fにその土砂取込口の開度を調節するシャッタ
pを設けてその駆動用の油圧ジャッキqを設ける場合、
油圧ジャッキqへの油圧の給排は、センターシャフトl
の後端部に公知の回転継手r(ロータリージョイント)
を設けることで実現できる。ロータリージョイントr
は、掘削機本体dに対するセンターシャフトlの回転を
許容しつつ、掘削機本体dとセンターシャフトlとの間
で油圧をやり取りするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、外側の第1カ
ッタ部eに径方向外方に出没するコピーカッタsを設け
てその駆動用の油圧ジャッキtを設ける場合、上記ロー
タリージョイントrからセンターシャフトlを介して第
2カッタ部fに供給された油圧を、第1カッタ部eの油
圧ジャッキtに供給することはできない。外側の第1カ
ッタ部eは、内側の第2カッタ部fから切り離されてい
るからである。すなわち、上記ロータリージョイントr
のみでは対応できない。
【0007】この場合、外側の第1カッタ部eに連結さ
れた筒体hの後端部にそれと同径のリング状のロータリ
ージョイント(図示せず)を設ければ、理論的にはその
リング状ロータリージョイントを介して掘削機本体dと
第1カッタ部eとの間で相対回転を許容しつつ油圧をや
り取りできると考えられる。しかし、その場合、現実に
はロータリージョイントが非常に大径となるため高圧の
油圧ラインのシール精度を確保できず、実現が難しい。
【0008】また、以上の問題点は、油圧供給ではなく
電気供給についても同様に生じる。すなわち、外側の第
1カッタ部eに上記油圧ジャッキtのような油圧機器で
はなく電動シリンダや超音波式地山空洞探査装置や電気
式摩耗検知ビット等のような電気機器を設ける場合、そ
の電気機器に電気を供給する回転継手として上記ロータ
リージョイントの代わりにスリップリングを設けること
になるが、この場合にも上述と全く同様の問題が生じる
ことになる。
【0009】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、カッタを径方向に同芯的に分割してなる第1〜
第nカッタ部を夫々独立して駆動する多重カッタの駆動
装置において、最外周の第1カッタ部に油圧や電気を容
易に供給できる多重カッタの駆動装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく第
1の発明にかかる多重カッタの駆動装置は、掘削機本体
の前部に回転可能に設けたカッタを径方向に同芯的に第
1カッタ部と第2カッタ部とに分割し、外側の第1カッ
タ部に第1支持部材を、内側の第2カッタ部に第2支持
部材を夫々設け、他方、掘削機本体に上記第1支持部材
を軸支する第1軸受と第1支持部材を回転駆動する第1
駆動モータとを設け、上記第1支持部材に第2支持部材
を軸支する第2軸受と第2支持部材を回転駆動する第2
駆動モータとを設け、且つ、第1および第2支持部材の
うち少なくとも第1支持部材の回転中心に、相対回転を
許容しつつ流体圧や電気を接続する回転継手を設けたも
のである。
【0011】また、第2の発明にかかる多重カッタの駆
動装置は、掘削機本体の前部に回転可能に設けたカッタ
を径方向に同芯的に第1〜第nカッタ部(n≧2)に分
割し、最外周の第1カッタ部に第1支持部材を設け、第
1カッタ部の内方の第2カッタ部に第2支持部材を設
け、以降同様に第n−1カッタ部の内方の第nカッタ部
に第n支持部材を設け、他方、掘削機本体に上記第1支
持部材を軸支する第1軸受と第1支持部材を回転駆動す
る第1駆動モータとを設け、第1支持部材に第2支持部
材を軸支する第2軸受と第2支持部材を回転駆動する第
2駆動モータとを設け、以降同様に第n−1支持部材に
第n支持部材を軸支する第n軸受と第n支持部材を回転
駆動する第n駆動モータとを設け、且つ、第1〜第n支
持部材のうち少なくとも第1〜第n−1支持部材の回転
中心に、相対回転を許容しつつ流体圧や電気を接続する
回転継手を夫々設けたものである。
【0012】また、上記第1カッタ部に、径方向外方に
出没するコピーカッタ等の流体圧機器を設け、上記第1
支持部材に、その流体圧機器と上記回転継手とを接続す
る流体圧経路を設けてもよい。
【0013】また、上記流体圧として油圧を用い、上記
流体圧機器として油圧機器を用い、上記流体圧経路とし
て油圧経路を用いてもよい。
【0014】また、上記第1カッタ部に、地山空洞探査
機等の電気機器を設け、上記第1支持部材に、その電気
機器と上記回転継手とを接続する電気経路を設けてもよ
い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を添付図面に
基いて説明する。
【0016】図1は、本実施形態に係る多重カッタの駆
動装置を備えた多重カッタ式シールド掘進機1の側断面
図である。図示するように、この多重カッタ式シールド
掘進機1は、筒体状に形成されたシールドフレーム2と
その内周面にフランジ状に形成された本体隔壁部3とか
らなる掘削機本体4を有すると共に、掘削機本体4の前
部に回転可能に設けたカッタを径方向に同芯的に分割し
てなる第1カッタ部5と第2カッタ部6とを有する。
【0017】外側の第1カッタ部5には、周方向に所定
間隔が隔てられた中間ビーム7を介し、第1支持部材8
が取り付けられている。第1支持部材8は、上記本体隔
壁部3と面一に配置され実質的に切羽側と坑内側とを仕
切る隔壁として機能する円板状の隔壁部9と、隔壁部9
の背面に設けられ円筒状に形成された筒体部10と、筒
体部10の側面にその周方向に沿って設けられた第1ギ
ヤ部11と、筒体部10の側面に鍔状に設けられた係合
部12とを有する。
【0018】掘削機本体4の本体隔壁部3には、上記係
合部12に係合して第1支持部材8を軸支する第1軸受
13が設けられている。第1軸受13には図示しないシ
ールが設けられている。また、シールドフレーム2に
は、上記第1ギヤ部11に噛合する第1ピニオン14を
有する第1駆動モータ15が、ブラケット16を介して
設けられている。第1駆動モータ15は周方向に所定間
隔を隔てて複数配置されている。この構成によれば、第
1駆動モータ15を駆動すると、第1支持部材8が回転
され、中間ビーム7を介して第1カッタ部5が回転す
る。
【0019】他方、第1カッタ部5の内側の第2カッタ
部6には、第2支持部材としてセンターシャフト17が
取り付けられている。センターシャフト17は、第1支
持部材8の隔壁部9に形成された支持穴18を貫通し、
支持穴18に取り付けられた第2軸受19を介して第1
支持部材8に軸支されている。第2軸受19には図示し
ないシールが設けられている。支持穴18を貫通したセ
ンターシャフト17には、第2ギヤ部20が設けられて
いる。第2ギヤ部20は、第1支持部材8の隔壁部9に
設けられたケース部21によって覆われている。
【0020】ケース部21には、第2ギヤ部20に噛合
する第2ピニオン22を有する第2駆動モータ23が設
けられていると共に、センターシャフト17の端部を軸
支する別の第2軸受24が設けられている。第2駆動モ
ータ23は、周方向に所定間隔を隔てて複数配置されて
いる。この構成によれば、第2駆動モータ23を駆動す
ると、センターシャフト17が回転駆動され、第2カッ
タ部6が回転する。すなわち、第2カッタ部6は、第1
駆動モータ15によって回転駆動される第1支持部材8
を基準として、その第1支持部材8に対して回転するこ
とになる。
【0021】第1支持部材8のケース部21の回転中心
には、掘削機本体4に対する相対回転を許容しつつ油圧
を接続する回転継手25(ロータリージョイント)が設
けられている。ロータリージョイント25は、図2に示
すように、回転側であるケース部21の回転中心に固定
された円柱状のロータ部26と、静止側であるシールド
フレーム2にブラケット27を介して固定された円筒状
のステータ部28とを有し、ステータ部28の内部にロ
ータ部26が挿入されて構成されている。ステータ部2
8の側面には、オイルの給排口29a、29bが複数形
成されており、各給排口29a、29bには、オイル配
管30a、30bが接続されている。
【0022】他方、ロータ部26の側面には、上記給排
口29a、29bの位置に合わせて周方向に沿ってオイ
ル溝31a、31bが形成されており、ロータ部26の
内部には、一端がオイル溝31a、31bに連通され他
端が第1支持部材8側のオイル配管32a、32bに連
通されるオイル通路33a、33bが形成されている。
かかるロータリージョイント25によれば、掘削機本体
4と第1支持部材8との相対回転を許容しつつ、オイル
配管30a、32a間の油圧、オイル配管30b、32
b間の油圧を夫々接続することができる。なお、図2で
は、供給側のオイル経路のみを示しているが、排出側の
オイル経路も同様の構成になっている。
【0023】オイル配管32bは、第1支持部材8に取
り付けられた第2駆動モータ23(油圧モータ)に接続
されている。また、オイル配管32aは、中間ビーム7
の内部を通って、第1カッタ部5に設けられたコピーカ
ッタ34用の油圧ジャッキ35に接続されている。コピ
ーカッタ34は、油圧ジャッキ35によって径方向外方
に出没し、カーブ掘進時のコーナー内側を余掘りするも
のである。本実施形態では、上記コピーカッタ34用の
油圧ジャッキ35が特許請求の範囲の請求項3の流体圧
(油圧)機器に相当し、オイル配管32aが特許請求の
範囲の請求項3の流体圧(油圧)経路に相当する。な
お、第1駆動モータ15には駆動用のオイル配管36が
接続されている。
【0024】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0025】本実施形態によれば、第1駆動モータ15
を駆動すると、第1支持部材8および中間ビーム7を介
して外側の第1カッタ部5が回転され、第2駆動モータ
23を駆動すると、センターシャフト17を介して内側
の第2カッタ部6が回転される。ここで、第2カッタ部
6は、第1駆動モータ15によって回転駆動される第1
支持部材8を基準として、その第1支持部材8に対して
回転する。よって、第1および第2駆動モータ15、2
1の回転方向を同方向にした場合、第2カッタ部6は第
2駆動モータ23によって回転される分だけ第1カッタ
部5よりも速く同方向に回転される。また、第2駆動モ
ータ23を停止して第1駆動モータ15のみを駆動した
場合、第2カッタ部6は第1駆動モータ15によって第
1カッタ部5と一体的に同方向に回転される。
【0026】また、第2駆動モータ23の回転方向を第
1駆動モータ15の回転方向と逆方向に駆動した場合、
第2カッタ部6の回転速度が第1カッタ部5の回転速度
よりも遅いときには第2カッタ部6は第1カッタ部5よ
りも遅く同方向に回転され、第2カッタ部6の回転速度
が第1カッタ部5の回転速度と等しいときには第2カッ
タ部6は見掛け上は停止して第1カッタ部5のみが回転
され、第2カッタ部6の回転速度が第1カッタ部5の回
転速度よりも速いときには第2カッタ部6は第1カッタ
部5とは逆方向に回転される。なお、第2カッタ部6と
第1カッタ部5とを逆方向に回転駆動した場合、掘削機
本体4のローリングを抑制できる。
【0027】このように、本実施形態によれば、外側の
第1カッタ部5と内側の第2カッタ部6とを夫々独立し
て回転駆動できる。ここで、内側の第2カッタ部6を回
転駆動する第2駆動モータ23は、第1駆動モータ15
で回転される第1支持部材8に取り付けられているた
め、第1支持部材8の回転に伴ってその回転中心に対し
て遊星歯車のように公転運動することになる。よって、
そのままでは掘削機本体4側から第2駆動モータ23へ
の油圧の給排が困難となるが、本実施形態では、第1支
持部材8の回転中心にロータリージョイント25を設
け、そのロータリージョイント25を介して第2駆動モ
ータ23への油圧の給排を行っているため、問題なく第
2駆動モータ23に油圧を給排できる。
【0028】また、本実施形態では、外側の第1カッタ
部5にコピーカッタ34及びその駆動用油圧ジャッキ3
5を設けているが、第1カッタ部5と第1支持部材8と
が中間ビーム7を介して一体となっているので、かかる
油圧ジャッキ35への油圧の給排も上記ロータリージョ
イント25によって行うことができる。すなわち、ロー
タリージョイント25によって掘削機本体4側から第1
支持部材8に両者の相対回転を許容しつつ油圧を供給し
ているので、その第1支持部材8に取り付けた第2駆動
モータ23と第1支持部材8に中間ビーム7を介して設
けた第1カッタ部5内の油圧ジャッキ35とに、掘削機
本体4側から夫々油圧を供給できる。これにより、外側
の第1カッタ部5と内側の第2カッタ部6とを夫々独立
して駆動しつつ、従来困難であった外側の第1カッタ部
5内のコピーカッタ34用の油圧ジャッキ35に油圧を
容易に供給・排出できる。
【0029】なお、外側の第1カッタ部5に、コピーカ
ッタ34用の油圧ジャッキ35に加えて又は代えて図4
に示すような土砂取込口の開度を調節するシャッタ及び
その駆動用の油圧ジャッキ等の油圧機器を設けることも
考えられるが、この場合、そのシャッタ用の油圧ジャッ
キ等の油圧機器にも上記ロータリージョイント25を介
して同様に油圧を給排できる。また、第1カッタ部5
に、電動シリンダや超音波式地山空洞探査装置や電気式
摩耗検知ビット等のような電気機器を設けることも考え
られるが、この場合には、その電気機器に電気を供給す
る回転継手25にスリップリングを用いれば対応でき
る。
【0030】また、内側の第2カッタ部6に図4に示す
ような土砂取込口の開度を調節するシャッタ等の油圧機
器や上記電気式摩耗検知ビット等のような電気機器を設
けることも考えられるが、この場合、センターシャフト
17(第2支持部材)の後端部の回転中心と第1支持部
材8のケース部21の回転中心との間に図示しない第2
回転継手(ロータリージョイント、スリップリング)を
設け、第1の回転継手25のロータ部26のオイル配管
32を第2回転継手のステータ部に接続し、両回転継手
を直列に接続することにより、第2カッタ部6内に設け
た油圧機器や電気機器に油圧や電気を給排できる。
【0031】別の実施形態を図3に示す。
【0032】図3は、別の実施形態に係る多重カッタの
駆動装置を備えた多重カッタ式シールド掘進機の側断面
図である。図示するように、この多重カッタ式シールド
掘進機50は、筒体状に形成されたシールドフレーム5
1とその内周面にフランジ状に形成された本体隔壁部5
2とからなる掘削機本体53を有すると共に、掘削機本
体53の前部に回転可能に設けたカッタを径方向に同芯
的に分割してなる第1カッタ部54と第2カッタ部55
と第3カッタ部56とを有する。
【0033】最外周の第1カッタ部54には、周方向に
所定間隔が隔てられた第1中間ビーム57を介し、第1
支持部材58が取り付けられている。第1支持部材58
は、上記本体隔壁部52と面一に配置され実質的に切羽
側と坑内側とを仕切る隔壁として機能する円板状の第1
隔壁部59と、第1隔壁部59の背面に設けられ円筒状
に形成された第1筒体部60と、第1筒体部60の側面
に設けられた第1ギヤ部61と、第1筒体部60の端部
に設けられたドーナッツ円板状の第1蓋部62とを有す
る。
【0034】かかる第1支持部材58は、掘削機本体5
3の本体隔壁部52に設けられた第1軸受63によって
軸支されている。第1軸受63には図示しないシールが
設けられている。また、掘削機本体53のシールドフレ
ーム51には、上記第1ギヤ部61に噛合する第1ピニ
オン64を有する第1駆動モータ65が、ブラケット6
6を介して設けられている。ブラケット66は、シール
フドフレーム51の周方向に沿ってフランジ状に形成さ
れており、第1ギヤ部61の収納室の一部を区画する。
第1駆動モータ65は周方向に所定間隔を隔てて複数配
置されている。この構成によれば、第1駆動モータ65
を駆動すると、第1支持部材58が回転され、第1中間
ビーム57を介して第1カッタ部54が回転する。
【0035】第1カッタ部54の内側の第2カッタ部5
5には、周方向に所定間隔が隔てられた第2中間ビーム
67を介し、第2支持部材68が取り付けられている。
第2支持部材68は、上記第1隔壁部59と面一に配置
され実質的に切羽側と坑内側とを仕切る隔壁として機能
する円板状の第2隔壁部69と、第2隔壁部69の背面
に設けられ円筒状に形成された第2筒体部70と、第2
筒体部70の側面に設けられた第2ギヤ部71と、第2
筒体部68の端部に設けられた円板状の第2蓋部72と
を有する。
【0036】かかる第2支持部材68は、第1支持部材
58の第1隔壁部59に設けられた第2軸受73に軸支
されている。第2軸受73には図示しないシールが設け
られている。また、第1支持部材58の第1蓋部材62
には、上記第2ギヤ部71に噛合する第2ピニオン74
を有する第2駆動モータ75が設けられている。なお第
1蓋部材62は、ドーナッツ円板状に形成されており、
第2ギヤ部71の収納室の一部を区画する。
【0037】第2駆動モータ75は周方向に所定間隔を
隔てて複数配置されている。この構成によれば、第2駆
動モータ75を駆動すると、第2支持部材68が回転さ
れ、第2中間ビーム67を介して第2カッタ部55が回
転する。すなわち、第2カッタ部55は、第1駆動モー
タ65によって回転駆動される第1支持部材58を基準
として、その第1支持部材58に対して回転することに
なる。
【0038】第2カッタ部55の内側、即ち最内周の第
3カッタ部56には、第3支持部材としてセンターシャ
フト76が取り付けられている。センターシャフト76
は、第2支持部材68の第2隔壁部69の形成された支
持穴77を貫通し、支持穴77に取り付けられた第3軸
受78を介して第2支持部材68に軸支されている。第
3軸受78には図示しないシールが設けられている。支
持穴77を貫通したセンターシャフト76には、第3ギ
ヤ部79が設けられている。第3ギヤ部79は、第2支
持部材68の内部に収容されている。
【0039】第2支持部材68の第2蓋部72には、第
3ギヤ部79に噛合する第3ピニオン80を有する第3
駆動モータ81が設けられている。第3駆動モータ81
は、周方向に所定間隔を隔てて複数配置されている。こ
の構成によれば、第3駆動モータ81を駆動すると、セ
ンターシャフト76が回転駆動され、第3カッタ部56
が回転する。すなわち、第3カッタ部56は、第2駆動
モータ75によって回転駆動される第2支持部材68を
基準として、その第2支持部材68に対して回転するこ
とになる。
【0040】さて、第1支持部材58には、その第1蓋
部62から当該第1支持部材58の回転中心まで延出さ
れた第1延長部材82が設けられている。第1延長部材
82には、第1支持部材58の回転中心に位置させて、
掘削機本体53に対する相対回転を許容しつつ油圧を接
続する第1回転継手83(第1ロータリージョイント)
が設けられている。第1ロータリージョイント83の構
造は、図2にて既述したため詳細は省略するが、ロータ
部83aとステータ部83bとからなり、ロータ部83
aが第1延長部材82の回転中心に固定され、ステータ
部83bがブラケット84を介してシールドフレーム5
1に固定されている。
【0041】また、第2支持部材68には、その回転中
心に位置させて第2延長部材85が設けられている。第
2延長部材85には、第2支持部材68の回転中心に位
置させて、第1支持部材58に対する相対回転を許容し
つつ油圧を接続する第2回転継手86(第2ロータリー
ジョイント)が設けられている。第2ロータリージョイ
ント86の構造は、図2にて既述したため詳細は省略す
るが、ロータ部86aとステータ部86bとからなり、
ロータ部86aが第2延長部材85の回転中心に固定さ
れ、ステータ部86bがブラケット87を介して第1延
長部材82に固定されている。
【0042】図3に示すように、第1ロータリージョイ
ント83のステータ部83bに接続されたオイル配管8
8aは、オイル配管88bを介して第2駆動モータ75
に接続される。また、第1ロータリージョイント83の
ステータ部83bに接続されたオイル配管89aは、オ
イル配管89bを介して第2ロータリージョイント86
に接続され、さらにオイル配管89cを介して第3駆動
モータ81に接続される。また、第1ロータリージョイ
ント83のステータ部83bに接続されたオイル配管9
0aは、第1延長部材82と第1支持部材58と第1中
間ビーム57との内部に設けられたオイル配管90bを
介し、第1カッタ部54に設けられたコピーカッタ91
用の油圧ジャッキ92に接続される。なお、第1駆動モ
ータ65には駆動用のオイル配管93が接続されてい
る。
【0043】以上の構成からなる本実施形態の作用を説
明すると、本実施形態によれば、第1カッタ部54と第
2カッタ部55と第3カッタ部56とを夫々独立して駆
動しつつ、上記第1ロータリージョイント83によって
最外周の第1カッタ部54に設けたコピーカッタ91の
駆動用油圧ジャッキ92に油圧を容易に供給・排出でき
る。また、第1カッタ部54に土砂取込口開度調節用の
シャッタ及びその駆動用油圧ジャッキ等の油圧機器を設
けた場合にも、その油圧機器に上記第1ロータリージョ
イント83によって油圧を給排できる。
【0044】また、第3カッタ部56に土砂取込口開度
調節用のシャッタ及びその駆動用油圧ジャッキ等を設け
る場合には、センターシャフト76の後端部と第2支持
部材68との間の回転中心に第3のロータリージョイン
ト(図示せず)を設ければよいことは、前実施形態と同
様である。また、油圧シリンダのような油圧機器ではな
く、電動シリンダや超音波式地山空洞探査装置や電気式
摩耗検知ビット等のような電気機器を各カッタ部54、
55、56のいずれかに設ける場合、回転継手83、8
6としてスリップリングを用いればよいことも、前実施
形態と同様である。
【0045】なお、第1カッタ部54と第2カッタ部5
5と第3カッタ部56との回転方向は、前実施形態で説
明したように、理論的には同方向でも逆方向でも自由に
設定可能であり、逆方向とした場合には掘削機本体53
のローリングを抑制できる。また、上記いずれの実施形
態においても、流体圧として油圧を用いたものを示した
が、これに限らず液圧・空気圧等を用いてもよい。ま
た、上記いずれの実施形態においても、カッタを油圧駆
動としているが、これに限らず電動駆動としてもよいし
油圧駆動と電動駆動とを併用してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ッタを径方向に同芯的に分割してなる第1〜第nカッタ
部を夫々独立して駆動する多重カッタの駆動装置におい
て、最外周の第1カッタ部に油圧や電気を容易に供給で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多重カッタの駆動装
置を備えた多重カッタ式シールド掘進機の側断面図であ
る。
【図2】回転継手としてのロータリージョイントの概要
図である。
【図3】別の実施形態に係る多重カッタの駆動装置を備
えた多重カッタ式シールド掘進機の側断面図である。
【図4】従来例を示す多重カッタの駆動装置を備えた多
重カッタ式シールド掘進機の側断面図である。
【符号の説明】
4 掘削機本体 5 第1カッタ部 6 第2カッタ部 8 第1支持部材 13 第1軸受 15 第1駆動モータ 17 第2支持部材としてのセンターシャフト 19 第2軸受 23 第2駆動モータ 25 回転継手としてのロータリージョイント 32a 油圧経路としてのオイル配管 35 油圧機器としてのコピーカッタ駆動用油圧ジャッ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削機本体の前部に回転可能に設けたカ
    ッタを径方向に同芯的に第1カッタ部と第2カッタ部と
    に分割し、外側の第1カッタ部に第1支持部材を、内側
    の第2カッタ部に第2支持部材を夫々設け、他方、掘削
    機本体に上記第1支持部材を軸支する第1軸受と第1支
    持部材を回転駆動する第1駆動モータとを設け、上記第
    1支持部材に第2支持部材を軸支する第2軸受と第2支
    持部材を回転駆動する第2駆動モータとを設け、且つ、
    第1および第2支持部材のうち少なくとも第1支持部材
    の回転中心に、相対回転を許容しつつ流体圧や電気を接
    続する回転継手を設けたことを特徴とする多重カッタの
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 掘削機本体の前部に回転可能に設けたカ
    ッタを径方向に同芯的に第1〜第nカッタ部(n≧2)
    に分割し、最外周の第1カッタ部に第1支持部材を設
    け、第1カッタ部の内方の第2カッタ部に第2支持部材
    を設け、以降同様に第n−1カッタ部の内方の第nカッ
    タ部に第n支持部材を設け、他方、掘削機本体に上記第
    1支持部材を軸支する第1軸受と第1支持部材を回転駆
    動する第1駆動モータとを設け、第1支持部材に第2支
    持部材を軸支する第2軸受と第2支持部材を回転駆動す
    る第2駆動モータとを設け、以降同様に第n−1支持部
    材に第n支持部材を軸支する第n軸受と第n支持部材を
    回転駆動する第n駆動モータとを設け、且つ、第1〜第
    n支持部材のうち少なくとも第1〜第n−1支持部材の
    回転中心に、相対回転を許容しつつ流体圧や電気を接続
    する回転継手を夫々設けたことを特徴とする多重カッタ
    の駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記第1カッタ部に、径方向外方に出没
    するコピーカッタ等の流体圧機器を設け、上記第1支持
    部材に、その流体圧機器と上記回転継手とを接続する流
    体圧経路を設けた請求項1乃至2記載の多重カッタの駆
    動装置。
  4. 【請求項4】 上記流体圧として油圧を用い、上記流体
    圧機器として油圧機器を用い、上記流体圧経路として油
    圧経路を用いた請求項1乃至3記載の多重カッタの駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 上記第1カッタ部に、地山空洞探査機等
    の電気機器を設け、上記第1支持部材に、その電気機器
    と上記回転継手とを接続する電気経路を設けた請求項1
    乃至2記載の多重カッタの駆動装置。
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