JP2002212741A - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ処理による薄膜形成方法において、
高速成膜と高い膜品質とを同時に実現する。 【解決手段】プラズマ処理装置により薄膜を形成するに
際して、所定の原料ガス圧力及び原料ガス供給量におい
て投入電力を増加したときに、形成される薄膜の光学ギ
ャップの低下が緩和し始めてから、その緩和が解消され
て、再度、光学ギャップがほぼ一定の割合で低下し始め
るまでの電力範囲(領域)を予め求めて、その範囲に
投入電力を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマにより発
生する反応種を用いて、基板等の被処理物に対してシリ
コンの薄膜を形成する薄膜形成方法に関し、更に詳しく
は、投入電力の最適化により、成膜速度および膜品質を
向上させることができる薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】対向する電極間に高周波電力を印加し、
その電極間に所定の圧力および流量の原料ガスを導入す
ることによって、プラズマが発生することが知られてお
り、プラズマ中にて発生するイオン、ラジカル等の反応
種を用いて被処理物の表面に薄膜を形成する方法が実用
化されている。この薄膜形成方法は、プラズマCVD法
と呼ばれ、半導体製造プロセスにおいて多用されてい
る。
【0003】半導体製造プロセスにおけるプラズマCV
D法を用いた薄膜形成方法の一つとして、アモルファス
シリコン薄膜の形成方法がある。プラズマCVD法を用
いて、ガラス板、金属板等の基板表面にアモルファスシ
リコン薄膜を形成する場合には、シラン(SiH4)、
ジシラン等のSi元素を含む原料ガスを、数Torr程
度の圧力でプラズマ中に導入し、基板の加熱温度を、1
00℃〜300℃の範囲内に設定することにより、その
基板表面に良質のアモルファスシリコン薄膜が形成され
る。
【0004】太陽電池用のアモルファスシリコン薄膜の
場合には、光導電率が1.0E−5〔S・cm〕以上の
特性が必要とされている。また、太陽電池用に限らず、
薄膜の成膜速度は、製造コストの観点から高速であるこ
とが望まれる。従って、成膜プロセスにおいては、薄膜
が高特性であって、しかも、成膜速度を速くすることが
要求されている。
【0005】プラズマCVD法を用いてアモルファスシ
リコン薄膜を形成する場合における投入電力に対する成
膜特性の依存性については、一般的に、図15の各グラ
フに示す傾向であることが知られている。
【0006】図15の各グラフは、Jpn.J.Appl.Phys.Vo
l.35(1996)pp.26-33に記載されたものであり、投入電力
および反応ガスにおける水素ガス/原料ガス比が、成膜
速度、光学ギャップ、導電率等に及ぼす影響を、それぞ
れ示している。図15の各グラフにおいて、投入電力
(横軸)は単位面積当たりの投入電力の逆数(RF powe
r)-1で示されている。従って、この値が小さいほど投
入電力は大きくなる。
【0007】図15の各グラフに示されているように、
プラズマCVD法を用いてアモルファスシリコン薄膜を
形成する場合には、成膜特性は投入電力に依存してお
り、図15の(e)に示すように、投入電力の増大と共
に成膜速度が増大し、同時に、図15の(c)に示すよ
うに、膜中の水素濃度が上昇することによって、図15
の(b)に示すように、光学ギャップが増大し、図15
の(a)に示すように、光導電率が低下する。その結
果、形成されるアモルファスシリコン薄膜の品質が低下
することが確認されている。
【0008】従って、光導電率が高い高品質の薄膜が得
られる投入電力の適正範囲は、より低電力側へ偏ったも
のとなる。しかしながら、このように投入電力を低下さ
せた場合には、成膜速度も低下するために、高速で成膜
することができず、高品質の膜を高速で効率よく製造す
ることが容易でないという問題がある。
【0009】また、通常、プラズマ中に投入される電力
は、単位基板面積当たり、最大でも30〔mW/cm
2 〕程度であり、高密度で電力を投入することも容易で
はない。
【0010】さらに、図15の各グラフに示す投入電力
に対する成膜特性の依存性は、数Torr程度の圧力で
原料ガスをプラズマ中に導入した場合のデータであり、
大気圧程度の高圧力下において原料ガスを含んだ反応ガ
スをプラズマ中に導入した場合に、高い導電率を示す良
膜質が得られる電圧範囲については、明確には示されて
いない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、Jpn.J.Ap
pl.Phys.Vol.35(1996)pp.26-33に記載されている投入電
力に対する成膜特性の依存度のデータでは、投入電力の
増大と共に、成膜速度および光ギャップが増大し、光導
電率が低下するために、高い膜品質を得るために投入電
力を大きくすることができず、単位面積当たりの投入電
力が高い範囲において、高い膜品質を得ることは容易で
なく、高品質の薄膜を高速にて効率よく成膜することを
実現することは容易でないという問題がある。また、高
密度で電力を投入すること自体が容易でなく、さらに
は、原料ガスの圧力を大気圧付近の高い圧力に設定した
場合に、高品質の薄膜を得ることかできる電力範囲につ
いては不明である。
【0012】近時、プラズマCVD法等に使用されるプ
ラズマ処理装置として、回転電極を用いることが提案さ
れている。この場合には、ドラム状の回転電極を被処理
物に対向させて、この回転電極を高速回転させると、回
転電極の局所的な加熱が防止され、発生するプラズマが
安定する。また、被処理物と回転電極との間のプラズマ
の発生領域に原料ガスが効率よく供給されると共に、プ
ラズマ処理後のガスが、プラズマの発生領域から効率的
に排出される。これらのことから、回転電極を用いたプ
ラズマ処理装置では、プラズマ処理による薄膜の製造効
率を向上させることができる。
【0013】しかしながら、このような回転電極を用い
たプラズマ処理装置では、高圧雰囲気にてプラズマ処理
を実施しなければならず、反応容器内が大気圧程度の非
常に高い圧力に設定される。しかも、プラズマは、回転
電極と被処理物との間の狭い領域にのみ、局所的に発生
するため、被処理物の表面全体をプラズマ処理する場合
には、被処理物を移動させる必要がある。
【0014】このように、回転電極を用いるプラズマ処
理装置では、高圧雰囲気、被処理物の移動等、特有の処
理条件とされるために、高品質の薄膜が得られる電力を
設定する方法についてはまだ教示されていない。
【0015】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
であり、その目的は、高速成膜と高い膜品質とを同時に
実現できるプラズマ処理による薄膜形成方法を提供する
ことにある。
【0016】本発明の他の目的は、高密度で電力を投入
することができるプラズマ処理による薄膜形成方法を提
供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、高いガス圧力
下で高い膜品質を得ることかできるプラズマ処理による
薄膜形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜形成方法
は、Siを含む原料ガスを、高周波電力を用いて発生さ
せたプラズマによって分解し、分解によって生じた反応
種により薄膜を形成する薄膜形成方法であって、前記原
料ガスが所定の圧力にて所定の流量で供給される状態に
おいて、投入電力を増加したときに形成される薄膜の光
学ギャップの低下が緩和し始めてから、再度、光学ギャ
ップの低下の緩和が解消して低下し始めるまでの電力範
囲を予め求めて、求められた電力範囲に投入電力を設定
することを特徴とする。
【0019】また、本発明の薄膜形成方法は、Siを含
む原料ガスを、高周波電力を用いて発生させたプラズマ
によって分解し、分解によって生じた反応種により薄膜
を形成する薄膜形成方法であって、前記原料ガスが所定
の圧力にて所定の流量で供給される状態において、投入
電力を増加したときに形成される薄膜の成膜速度の上昇
が緩和するか若しくは減少する電力範囲を予め求めて、
求められた電力範囲に投入電力を設定することを特徴と
する。
【0020】この場合、単位電極幅当たりの投入電力Y
〔W/cm〕を、所定の原料ガス圧力および原料ガス供
給量における成膜速度の最大値X〔オングストローム/
sec〕に対して、 Y〔W/cm〕 > 0.155・X〔オングストロー
ム/sec〕 の範囲に設定することが好ましい。
【0021】あるいは、単位電極幅当たりの投入電力Y
〔W/cm〕を、供給する反応ガス中の原料ガス濃度X
〔%〕に対して、 Y〔W/cm〕 > 60.2・X〔%〕+12.9 の範囲に設定することが好ましい。
【0022】さらに、本発明の薄膜形成方法は、Siを
含む原料ガスを、高周波電力を用いて発生させたプラズ
マによって分解し、分解によって生じた反応種によって
薄膜を形成する薄膜形成方法であって、単位電極幅当た
りの投入電力Y〔W/cm〕を、供給する反応ガス中の
原料ガス濃度X〔%〕に対して、 (110.3・X〔%〕+17.9)×0.7 < Y
〔W/cm〕< (110.3・X〔%〕+17.9)
×1.3 の範囲に設定することを特徴とする。
【0023】この場合、単位試料−電極間ギャップ当り
における単位電極幅当りの投入電力Y[W/cm/μ
m]を、供給する反応ガス中の原料ガス濃度X[%]に
対して、 0.7×(0.552・X〔%〕+0.0895)<
Y〔W/cm/μm〕<1.3×(0.552・X
〔%〕+0.0895) の範囲に設定することが好ましい。
【0024】また、単位試料−電極間ギャップ当りにお
ける単位電極幅当りの投入電力Y[W/cm/μm]
を、供給する反応ガス中の原料ガス濃度X[%]に対し
て、 0.301・X〔%〕+0.0646<Y〔W/cm/
μm〕 の範囲に設定することが好ましい。
【0025】本発明の薄膜形成方法においては、いずれ
の場合においても、供給される反応ガスの全圧を100
Torr以上に設定することが好ましいまた、いずれの
場合においても、原料ガスに添加される水素ガス量と原
料ガス量との比である水素ガス供給量/原料ガス供給量
を、1以上14以下に設定することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0027】本発明のプラズマ処理による薄膜形成方法
は、プラズマ処理装置によって、試料上にアモルファス
シリコン薄膜を実験的に形成し、この実験から得られた
データに基づいて完成されたものであり、以下の説明に
よって、設定される投入電力の根拠について明らかにな
る。また、成膜特性に対する原料ガス圧力の影響、およ
び、原料ガスに添加される水素ガス量と原料ガス量との
比の影響についても明らかになる。
【0028】<実験装置及び実験方法>図1は、アモル
ファスシリコン薄膜を実験的に形成するために使用され
るプラズマ処理装置の一例を示す概略構成図である。こ
のプラズマ処理装置は、精密工学会誌Vol.65.No.11.199
9.p1600-1604および精密工学会1998年度関西地方定
期学術講演会講演論文集p121-122に記載された実験装置
である。
【0029】図1に示されたプラズマ処理装置は、反応
容器15と、反応容器15内における上下方向の中程に
水平に配置された架台19と、架台19上に設置された
ドラム状の回転電極5と、反応容器15内における回転
電極5の下方に設置された試料台11とを備えている。
【0030】回転電極5の軸心部には、回転軸5aが設
けられており、回転軸5aの各端部が、架台19上に設
けられたベアリング6によって、それぞれ回転可能に支
持されている。回転軸5aには、反応容器15の外部に
取付けられた回転モータ8の回転力が、マグネットカッ
プリング7を介して、電気的に絶縁された状態で伝達さ
れるようになっており、回転軸5aの回転によって、回
転電極5が回転される。各ベアリング6は、架台19上
に絶縁体14を介して支持されている。このようにして
回転される回転電極5は、グランドに対して電気的に絶
縁されている。
【0031】回転電極5には、反応容器15の上面に設
置された空洞共振器3が接続されており、この空洞共振
器3に、高周波電力を供給するための高周波電源1が、
同軸線路2を介して接続されている。空洞共振器3は、
反応容器15内の伝送線路4および回転電極5における
回転軸5aの各端部を支持するベアリング6を介して、
回転電極5と電気的に接続されている。
【0032】試料台11は、回転電極5の表面に下方か
ら対向するように、架台19内に配置されており、試料
台11上には、被処理物としての試料10が載置される
ようになっている。試料台11上に載置された試料10
は、所定のギャップを隔てて回転電極5の表面に対向さ
れる。この試料台11は、その下方に設けられたXステ
ージ12によって水平方向に移動され、また、Zステー
ジ13によって垂直方向に移動されるようになってい
る。Xステージ12は、プラズマ処理に際して、試料台
11を、回転電極5の軸心に沿って水平に試料台11を
移動させるようになっており、これにより、試料台11
上の試料10は、表面全体にわたって成膜される。Zス
テージ13は、回転電極5の表面と試料10とのギャッ
プを調整するために用いられる。なお、試料台11上の
試料10は、グランドに電気的に接続されている。
【0033】このような構成のプラズマ処理装置では、
次のようにして、試料10の表面にアモルファスシリコ
ン薄膜が形成される。
【0034】まず、原料ガスとしてのSiH4に、He
ガスおよびH2ガスを混合して、反応容器15内に導入
する。また、高周波電源1から、周波数150MHzの
高周波電力を発振させる。高周波電源1から発振された
高周波電力は、同軸線路2によって空洞共振器3の内部
に伝送され、空洞共振器3によって、共振および昇圧さ
れて反応容器15内に導入される。反応容器15内に導
入された高周波電力は、伝送線路4及びベアリング6を
介して回転電極5に供給される。これにより、回転電極
5と、その下方の試料台11上に載置された試料10と
の間に高圧電界が発生し、反応容器15内に導入された
反応ガスに基づくプラズマ9が発生する。そして、プラ
ズマ内の反応種に基づく薄膜(ここではアモルファスシ
リコン薄膜)が試料10の表面に形成される。
【0035】このような薄膜形成方法では、反応容器1
5内の圧力が大気圧付近の非常に高い圧力に設定される
ため、回転電極5と試料10との間のギャップでは、回
転電極5の回転方向における狭い限定された領域にしか
プラズマ9が発生しない。そのため、Xステージ12に
よって試料台11を回転電極5の回転方向へ水平移動さ
せて、試料10を同方向に移動させることにより、試料
10の表面全体にわたって薄膜を形成することができ
る。
【0036】回転モータ8は、マグネットカップリング
7によって、電気的に絶縁された状態を維持しつつ、回
転電極5を所望の回転数で高速回転させており、高速回
転する回転電極5の表面に追従して反応ガスが、ギャッ
プ内に発生したプラズマ9へ供給される。試料台11
は、内蔵された図示しないヒータにより、ステージ温度
を室温から400℃程度まで加熱制御できるようになっ
ており、これにより、試料10の表面温度を変化させる
ことができる。また、回転電極5と試料10との間のギ
ャップは、Zステージ13によって調整される。実験条
件に示されるステージ温度とは試料台の設定温度で、試
料の表面温度とは多少異なる。
【0037】このように、回転電極5を用いたプラズマ
処理装置による薄膜形成方法では、回転電極5の高速回
転と高圧雰囲気下にて発生するプラズマという2つの大
きな特徴があり、この特徴により、従来とは異なる成膜
特性が示される。そして、高周波電力、試料の表面温
度、電極回転数、反応ガス温度等の処理条件を、適切に
設定することにより、様々な膜質のアモルファスシリコ
ン薄膜を形成することができる。本発明では、特に、光
導電率が高い高品質なアモルファスシリコン薄膜を形成
するための高周波電力の範囲について説明する。
【0038】以下に、図1のプラズマ処理装置を使用し
て得た成膜特性についてのデータを用いて、高い膜品質
が得られる電力範囲について詳細に説明する。
【0039】まず、本発明における成膜速度の算出方法
について、図2に基づいて説明する。
【0040】図2(a)は、回転電極5とはギャップを
介して対向された試料10の表面にアモルファスシリコ
ンが堆積する状態を示しており、図2(b)は、回転電
極5の回転方向における試料10の表面に堆積するアモ
ルファスシリコンの堆積速度分布を示している。
【0041】前述したように、回転電極5を用いたプラ
ズマ処理装置によってアモルファスシリコン薄膜を形成
する場合は、反応容器内の圧力が大気圧付近の非常に高
い圧力に設定されるため、回転電極5と試料10との間
のギャップでは、回転電極5の回転方向における狭い限
定された領域にしかプラズマが発生しない。このため、
回転電極5の下方では、回転電極5の回転方向における
アモルファスシリコンの堆積速度分布は、概ね図2
(b)の曲線16にて示すようになる。
【0042】本発明では、この曲線16にて示される実
際の堆積速度分布を、ギャップ内にて発生するプラズマ
9の回転電極5の回転方向における幅方向寸法wの範囲
で一定であると仮定して平均化し、図2(b)に示され
た平均化された幅方向寸法(直線17)によって得られ
る堆積速度分布における堆積速度を、成膜速度として用
いている。この成膜速度は、試料を走査させて成膜を行
った時のアモルファスシリコン薄膜の膜厚および試料の
移動速度を用いて、次の式(1)にて表される。
【0043】x=(h・v)/w …(1) ここで、xは成膜速度、hはアモルファスシリコン薄膜
の膜厚、vは試料10の移動速度、wは、前述したよう
に、ギャップ間に発生するプラズマ9の回転電極5の回
転方向における幅方向寸法(プラズマ幅)である。
【0044】なお、プラズマ幅wは、投入電力、SiH
4濃度等の処理条件によって変化するが、本発明におけ
る成膜速度の数値は、このプラズマ幅を全て30mmと
仮定して、試料10の移動速度と膜厚とに基づいて算出
している。この移動速度は走査速度とも呼ばれる。
【0045】<投入電力の設定方法1>図3および図4
は、それぞれ、図1に示すプラズマ処理装置を用いて、
表1に示す条件にて薄膜形成を行った場合に、投入電力
に対する成膜速度および膜特性の依存性を評価した結果
を示したものであり、図3(a)は、投入電力に対する
導電率を示すグラフ、図3(b)は、投入電力に対する
光感度を示すグラフ、図4(a)は投入電力に対する光
学ギャップを示すグラフ、図4(b)は、投入電力に対
する成膜速度を示すグラフである。
【0046】
【表1】 表1に示すように、プラズマ処理装置の回転電極5は、
軸方向の長さ(電極幅)が10cm、直径が300mm
になっている。大面積基板の成膜を行う場合には、回転
電極5の軸方向寸法である電極幅を大きくすることによ
って、回転電極5と試料10との間のギャップに発生す
るプラズマ9は、回転電極5の軸方向に沿って広がるこ
とになるが、そのような場合において、同様のプラズマ
状態を維持するためには、回転電極5の軸方向に沿った
電極幅の増大に比例して投入電力を増大する必要があ
る。このため、実際の投入電力〔W〕としては、回転電
極5の軸方向に沿った電極幅〔cm〕で割った単位電極
幅当たりの投入電力〔W/cm〕を用いることが望まし
い。以下の説明では、投入電力として、この単位電極幅
当たりの投入電力〔W/cm〕を用いている。
【0047】実際の投入電力〔W〕を、単位電極幅当た
りの投入電力〔W/cm〕とするには、回転電極5の軸
方向における電極幅〔cm〕にて除すればよい。用いて
いる電極幅より、試料が小さく、回転軸方向のプラズマ
幅が小さい場合には、回転軸方向のプラズマ幅で割れば
よい。回転電極5以外の電極を用いる場合は、その電極
の1辺の長さを電極幅として取り扱えばよい。
【0048】図3および図4に示されたアモルファスシ
リコン薄膜の膜特性において、特に、図4(a)に示さ
れる投入電力に対する光学ギャップの依存性に注目する
と、投入電力の変化に対する光学ギャップの挙動は、以
下の3つの領域、、に弁別される。
【0049】ここで、光学ギャップEopt[eV]は、
得られたアモルファスシリコンの光吸収係数α[1/c
m]の光の振動数ν[Hz]に対する依存性から求めら
れ、h・νに対する(αhν)1/3のプロットを描き、
前記プロットの直線部分の延長線がh・ν軸と交わる点
をEoptとしている。
【0050】即ち、前記プロットの直線部分を抽出し、
次式を当てはめた場合に得られるE optの値を採用して
いる。
【0051】(αhν)1/3=B(h・ν−Eopt) 但し、hは、プランク定数、Bは前記プロットの傾きを
表す定数である。
【0052】領域は、投入電力が比較的低い領域(図
4(a)のグラフでは、50W/cm以下の領域)であ
り、投入電力の増加と共に光学ギャップがほぼ一定の割
合で低下している。領域は、領域に続く領域(図4
(a)では、50〜100W/cmの領域)であり、投
入電力の増加に対し、光学ギャップの低下が緩和された
飽和状態になり、ほぼ一定の値を示している。領域
は、領域に続く投入電力が比較的高い領域(図4
(a)では、100W/cm以上の領域)であり、投入
電力の増加に伴って、光学ギャップの低下が緩和された
状態が解消し、再度、光学ギャップがほぼ一定の割合で
低下している。
【0053】投入電力が比較的低い領域では、図3
(a)に示すように、光導電率の最低値が、1.00E
−6(S・cm)未満と低く、また、図4(a)に示す
ように、光学ギャップの最大値が1.75eVと高い。
従って、従来技術により教示される高い膜品質が得られ
る電力範囲は、領域より低い領域となるはずである。
実際、領域では、投入電力が比較的低い(50W/c
m以下)とは言え、従来の低雰囲気下におけるプラズマ
処理技術の場合と比較すると、プラズマ幅wが僅か3c
mに過ぎないので、投入電力密度は大きい。
【0054】この領域で注目すべき点は、図4(b)
に示すように、投入電力の増加と共に、成膜速度は緩や
かな上昇を示し、また、図4(b)に示すように、光学
ギャップは低下し、同時に、図3(a)に示すように、
導電率は増加して、膜品質が急激に向上していることで
ある。この現象は、従来の低雰囲気下におけるプラズマ
処理技術が示す膜品質の投入電力に対する依存性とは全
く逆の傾向になっている。この理由は以下のとおりであ
る。
【0055】大気圧付近の高圧力下においてプラズマを
発生させているため、プラズマは、回転電極5と試料1
0との間の限定された狭い領域にしか発生せず、プラズ
マが発生している領域における電力密度は大きくなる。
その結果、試料10の表面の加熱が大幅に促進され、膜
中水素濃度が低下される。しかしながら、この場合に
は、同時に、SiH3等の表面拡散種の拡散距離も大き
くなり、従って、膜品質が向上する。
【0056】このように、高圧力下においてプラズマを
発生させた場合、その発生範囲が狭くなる。このため、
プラズマ領域における電力密度が増大し、試料10の表
面の加熱が促進される。これにより、高い電流密度域に
おいて電力密度の増大に伴って膜品質が向上するとい
う、従来の低圧雰囲気下におけるプラズマ処理の場合と
は異なった高圧雰囲気下におけるプラズマ処理特有の現
象が生じる。その結果、高い膜品質が得られる電力範囲
が、従来の低圧雰囲気下におけるプラズマ処理における
場合よりも大きい領域に存在している。また、従来の低
電圧雰囲気下におけるプラズマ処理の場合における電力
の決定方法とは異なった、より大きい電力範囲に投入電
力を設定することにより、高い膜品質の薄膜を形成する
ことができる。
【0057】領域よりも投入電力が増大して、領域
に入ると、成膜速度は増加が緩和され減少に向かい、光
学ギャップの低下も緩和されて飽和状態になる。これ
は、投入電力の増大に伴う試料10表面温度の上昇、お
よび、これによる膜中水素濃度の低下と、表面拡散種の
拡散距離の増加とが同程度になるためであり、得られる
アモルファスシリコン薄膜の品質はピークとなる。図4
(a)に示すように、投入電力を増加させたときに光学
ギャップの低下が緩和し始める電力値(図4(a)のグ
ラフでは50W/cm)から、その緩和状態が解消され
て再び光学ギャップが低下し始める電力値までの範囲で
は、図3(b)に示すように、光感度は、ほぼ1.0E
+6を超えており、また、図3(a)に示すように、光
導電率も1.0E−5(S・cm)を超え、高い膜品質
が得られる電力範囲となる。
【0058】領域よりも投入電力をさらに増大して、
領域に入ると、プラズマによる加熱により試料10の
温度が著しく上昇し、その結果、得られるアモルファス
シリコン薄膜の膜中水素濃度が著しく低下し、図4
(a)に示すように、再び光学ギャップが低下する。こ
のような電力範囲では、膜中ダングリングボンドの水素
終端化が行われず、逆に膜品質が低下し、図3(a)に
示すように、光感度は1.0E+6以下になり、また、
図3(a)に示すように、光導電率も低下する。
【0059】以上のように、高圧力下においてプラズマ
を発生させる際に、投入電力を増加させると、光学ギャ
ップの低下が緩和し始める電力値から、その緩和状態が
解消されて、再度、光学ギャップが低下し始める電力値
までの電力範囲で、高い膜品質が得られる。そして、こ
の高い膜品質が得られる電力範囲は、従来の成膜時にお
ける電力範囲よりも相当に高い。従って、この電力範囲
内に投入電力を設定することにより、高速成膜と高い膜
品質とを同時に実現することが可能となる。これは、従
来技術に教示されていない電力の決定方法である。
【0060】表1に示される処理条件において、投入電
力が50W/cmおよび80W/cmの場合について、
PIN構造のアモルファスシリコン太陽電池のI層を所
定の膜厚で作製した。作製された太陽電池の変換効率を
表2に示す。
【0061】
【表2】 表2に示されるように、光学ギャップの低下が飽和する
領域の電力範囲を中心として高い膜品質が得られてい
る。なお、この表2における太陽電池の変換効率は、他
の方法によってI層を作製した場合の太陽電池の変換効
率を基準値として規格化したものである。
【0062】前述したように、投入電力の増加と共に光
学ギャップが低下する現象は、高圧力下においてプラズ
マを発生させることにより、プラズマが収縮して電力密
度が高くなり、試料10が加熱されて膜中水素濃度が低
下することに起因する。このため、原料ガスをジシラン
等に変更した場合、PH3、B26等のドーパントガス
を添加した場合、また、表1において、反応ガス圧力以
外の条件を変えた場合等にも、同様に、上記の電力範囲
は成立する。
【0063】反応ガスの圧力を変化させた場合、プラズ
マによる試料10の加熱状態が変化する。従来技術であ
る低圧プラズマの場合、反応ガス圧力は、最大でも10
Torr程度である。従って、低圧プラズマでは、プラ
ズマ中でエネルギー消費を行う原子の単位体積当たりの
数密度も小さく、投入電力密度を大きくできないが、高
圧プラズマでは、反応ガス圧力に比例して前記原子の単
位体積当たりの数密度も増加し、投入電力密度を高くす
ることが可能となるため、試料表面を十分に加熱でき
る。
【0064】反応ガス圧力が、低圧プラズマの10倍程
度の100Torr以上の場合、プラズマは効率よく試
料10を加熱するため、投入電力の増加に伴って光学ギ
ャップは低下するとともに導電率は向上し、光学ギャッ
プの低下が飽和する電力範囲で高い膜品質が得られる。
このように、100Torr以上という圧力範囲で成膜
を行う場合には、投入電力の増加に伴う光学ギャップの
低下が飽和する領域において、導電率の高い膜品質が得
られる。
【0065】表1においては、回転電極5の軸方向に沿
った電極幅が10cm、回転電極5の回転方向における
プラズマ幅を30mmとして、500W〜1200W程
度の電力が投入されている。単位面積当たりの電力密度
に換算すると、16W/cm 2から40W/cm2程度に
なる。30Wの電力を投入した場合でも、単位面積当た
りの電力密度は1W/cm2である。このように、単位
面積当たりの投入電力が大きいために、効率よく試料1
0を加熱することができる。
【0066】図5および図6は、図1のプラズマ処理装
置を用いて表3に示す条件で薄膜形成を行った場合にお
ける投入電力に対する成膜速度及び膜特性の依存性を評
価した結果をそれぞれ示したものであり、図5(a)は
投入電力に対する導電率を示すグラフ、図5(b)は投
入電力に対する光感度を示すグラフ、図6(a)は投入
電力に対する光学ギャップを示すグラフ、図6(b)は
投入電力に対する成膜速度を示すグラフである。
【0067】
【表3】 表3に示されるように、反応ガス中の原料ガス濃度、す
なわちSiH4濃度が、0.1%、0.5%、1%と変
更されている。図6(a)に示すように、光学ギャップ
の投入電力に対する各SiH4濃度に注目すると、Si
4濃度が異なる場合においても、投入電力の増加に伴
い光学ギャップが順次低下し、また、図5(a)に示す
ように、導電率は上昇する。さらに、投入電力を増加さ
せた場合、図6(a)に示すように、光学ギャップの低
下は飽和し、同時に、図5(a)および(b)に示すよ
うに、光感度および光導電率は最大値を示し、高い膜品
質が得られている。
【0068】また、図9および図10は、図1のプラズ
マ処理装置を用いて表4に示す条件で薄膜形成を行った
場合における投入電力に対する成膜速度および膜特性の
依存性を評価した結果をそれぞれ示したものであり、図
9(a)は投入電力に対する導電率を示すグラフ、図9
(b)は投入電力に対する光感度を示すグラフ、図10
(a)は投入電力に対する光学ギャップを示すグラフ、
図10(b)は投入電力に対する成膜速度を示すグラフ
である。
【0069】
【表4】 表4に示されるように、反応ガス中のSiH4濃度が1
%に、H2濃度が5〔%〕にそれぞれなっている。図1
0(a)に示すように、投入電力に対する光学ギャップ
が飽和状態になって一定値を示す電力範囲(図10
(a)では70W/cm〜170W/cmの範囲)で
は、光導電率が、1.0E−5(S・cm)以上とな
り、高い膜品質が得られている。このことから、SiH
4濃度、水素濃度、或いはH2/SiH4比が変化して
も、上記の電力範囲が成立する。
【0070】<投入電力の設定方法2>次に、図6
(b)に示された投入電力に対する成膜速度の依存性に
注目する。なお、図6(b)は、前述したとおり、図1
のプラズマ処理装置を用いて表3に示す条件で薄膜形成
を行った場合における投入電力に対する成膜速度の依存
性を評価した結果を、種々のSiH4濃度について示し
たものである。
【0071】図6(b)に示された投入電力に対する成
膜速度の依存性より次のことが理解される。いずれのS
iH4濃度についても、投入電力の増加に伴い成膜速度
は増加し、図5(a)および(b)に示すように、その
増加が緩和されて飽和状態になる領域、すなわち、最大
値に達した後に減少する領域において、光導電率あるい
は光感度が最大値を示す。
【0072】従って、所定の原料ガス圧力及び供給量に
おいて投入電力のみを変化させたときに得られる投入電
力に対する成膜速度の依存性において、成膜速度が最大
値を示す電力以上の範囲に投入電力を設定することによ
り、高い膜品質のアモルファスシリコン薄膜が形成され
る。
【0073】そして、各SiH4濃度において、成膜速
度が最大値を示す投入電力と、そのときの成膜速度の最
大値との関係は、次の式(2)によって、近似的に示さ
れる。
【0074】 成膜速度が最大値を示す単位電極幅当たりの投入電力〔W/cm〕 = 成膜速度の最大値〔オングストローム/sec〕 …(2) この関係は、図6(b)のグラフに直線にて示されてい
る。
【0075】従って、成膜条件が変更されても、所定の
原料ガス供給量及び原料ガス圧力の下で投入電力のみを
変化させた場合に得られる成膜速度の最大値〔オングス
トローム/sec〕の0.155倍以上に電力を投入す
ることにより、高い膜品質が得られる。
【0076】また、各SiH4濃度において成膜速度が
最大値を示す投入電力と、SiH4濃度との関係は、図
7に示すようになる。この関係は、次の式(3)によっ
て近似的に示される。
【0077】 各SiH4濃度において成膜速度が最大値を示す単位電極幅当たりの投入電力 〔W/cm〕 = 60.2×SiH4濃度〔%〕+12.9 …(3) この関係は、図7に直線で示されている。
【0078】すなわち、各SiH4濃度において成膜速
度が最大値を示す単位電極幅当たりの投入電力〔W/c
m〕は、SiH4濃度が異なる場合においても、式
(3)より求められる。従って、SiH4濃度が決定す
れば、式(3)によって算出される投入電力以上に電力
を設定することにより、高い膜品質が得られる。
【0079】<投入電力の設定方法3>次に、図5
(a)に示された投入電力に対する光導電率の依存性に
注目する。なお、図5(a)は、前述したとおり、図1
のプラズマ処理装置を用いて表3に示す条件で薄膜形成
を行った場合における投入電力に対する光伝導率の依存
性を評価した結果を、種々のSiH4濃度について示し
たものである。
【0080】図5(a)において、光伝導率が最大値を
示す電力と、SiH4濃度との関係を図示すると、図8
のようになる。図8より、各SiH4濃度において、光
導電率が最大値を示す単位電極幅当たりの投入電力〔W
/cm〕と、反応ガス中のSiH4濃度との関係は、次
の式(4)にて示される。
【0081】 各SiH4濃度において光導電率が最大値を示す単位電極幅当たりの投入電力 〔W/cm〕 = 110.3×SiH4 濃度〔%〕+17.9 …(4) この関係は、図8中に直線で示されている。
【0082】従って、各SiH4濃度において、式
(4)で示される電力を投入することによって、光導電
率の高い高品質なアモルファスシリコン薄膜を得ること
ができる。
【0083】また、図5(a)のグラフからは、式
(4)にて示される電力に対して30%以上増加あるい
は減少させると、光導電率は1.0E−5〔S・cm〕
以下となり、膜品質が悪化するがわかる。従って、高い
膜品質を得ることができる電力範囲は、式(4)で示さ
れる投入電力の0.7倍から1.3倍の範囲となる。
【0084】図9(a)は、前述したとおり、SiH4
濃度が1%、H2濃度が5%の反応ガスを使用した場合
における投入電力に対する導電率の依存性を示すグラフ
であるが、光導電率が最大値を示す単位電極幅当たりの
投入電力は、130W/cmである。従って、H2/S
iH4比を変化させた場合においても、式(4)にて示
される投入電力の0.7倍から1.3倍の範囲の投入電
力において、高い膜品質が得られる。
【0085】ここで、さらに、試料−電極間ギャップを
変化させた場合について、図13および表7を用いて説
明する。
【0086】
【表7】 図6および図7のSiH4濃度0.1%(試料−電極間
ギャップは200μm)において、σPが最大値となる
単位電極幅あたりの投入電力は、25W/cmである。
ここで、さらに、表7に示される実験条件において、試
料−電極間ギャップを変化させ、(単位電極幅あたりの
投入電力[W/cm])/(試料−電極間ギャップ)の
値がほぼ一定値となるように、単位電極幅当りの投入電
力[W/cm]も同時に変化させた場合のσPの挙動
を、図13に示す。
【0087】図13より分かるように、試料−電極間ギ
ャップを変化させた場合においても、それに応じて単位
電極幅あたりの投入電力を変化させて、(単位電極幅あ
たりの投入電力[W/cm])/(試料−電極間ギャッ
プ)の値がほぼ一定値となるように設定することによ
り、σPの値は、1.0E−4[S・cm]付近を維持
し、良膜質が得られていることが分かる。これは、試料
−電極間ギャップを変化させると、プラズマ体積が変化
し、同時にプラズマに対する投入電力密度が変化するた
め、同時に単位電極幅当りの投入電力を変化させて、
(単位電極幅あたりの投入電力[W/cm])/(試料
−電極間ギャップ)の値をほぼ一定とすることにより、
良膜質が得られる電力状態を実現することによる。
【0088】従って、良膜質が得られる電力範囲[W]
は、式(4)で教示される単位電極幅当りの電力[W/
cm]の0.7倍から1.3倍の範囲であったが、試料
−電極間ギャップを考慮し、(単位試料−電極間ギャッ
プ当り、単位電極幅当りの投入電力[W/cm/μ
m])で管理すると、前述の式(4)は、試料−電極間
ギャップで割ることにより、以下の式(5)のようにな
る。
【0089】 0.7×(0.55×SiH4濃度[%]+0.0895) < 各SiH4濃度において、良膜質が得られる(単位試料−電極間ギャップ当り における単位電極幅当りの投入電力[W/cm/μm]) <1.3×(0.55×SiH4濃度[%]+0.0895) …(5) また、さらに、前記単位試料−電極間ギャップ当りにお
ける単位電極幅当りの投入電力[W/cm/μm]によ
って管理し、同じ電力状態を維持することは、成膜速度
が最大位置を描く電力値[W]においても同様に適用す
ることができ、従って、式(3)を試料−電極間ギャッ
プ[μm]で割ることにより、より良膜質を得られる電
力範囲が、以下の(6)式で表される。
【0090】 0.301×SiH4濃度[%]+0.0645) < 各SiH4濃度において、良膜質が得られる(単位試料−電極間ギャップ当りに おける単位電極幅あたりの投入電力[W/cm/μm]) …(6) <反応ガス圧力の影響およびH2/SiH4比の影響>反
応ガス圧力が成膜特性に影響し、従来の低圧プラズマに
おける圧力の10倍程度の100Torr以上の圧力の
場合、プラズマにより試料10が効率よく加熱され、導
電率の高い膜品質が得られることは、前述した。
【0091】最後に、H2/SiH4比の影響について説
明する。
【0092】プラズマ処理によるアモルファスシリコン
薄膜の形成では、SiH4等の原料ガスを水素ガスで希
釈して電極間に供給する。ここにおける水素ガス/原料
ガス比は水素希釈比と呼ばれている。
【0093】図11および図12は、2つの条件下でH
2/SiH4比を変化させた場合の、H2/SiH4比に対
する成膜特性の依存性を示している。第1の条件では、
SiH4濃度が0.5〔%〕である表1に示す条件で成
膜を行う場合に、単位電極幅当たりの投入電力が、光学
ギャップの低下が緩和する飽和状態の領域(領域)に
含まれる80W/cmに設定されている。第2の条件で
は、SiH4濃度が1%である表4に示す条件で成膜を
行う場合に、単位電極幅当たりの投入電力が、光学ギャ
ップの低下が緩和された領域(領域)に含まれる13
0W/cmに設定されている。
【0094】それぞれの条件を、表5に示す。それぞれ
における単位電極幅当たりの投入電力は、光学ギャップ
の低下が緩和された飽和状態の領域(領域)のほぼ中
央に位置している。
【0095】
【表5】 これら2つの条件下においてH2/SiH4比に対する成
膜特性の依存性を図11および図12にそれぞれ示して
おり、図11(a)はH2/SiH4比に対する導電率を
示すグラフ、図11(b)はH2/SiH4比に対する光
感度を示すグラフ、図12(a)はH2/SiH4比に対
する光学ギャップを示すグラフ、図12(b)はH2
SiH4比に対する成膜速度を示すグラフである。
【0096】図11(a)に示されたH2/SiH4比に
対する光導電率σpの依存性に注目すると、H2/Si
4比が1から14の範囲で光導電率σpがピークを示
し、高い膜品質が得られていることがわかる。
【0097】また、図12(a)に示されたH2/Si
4比に対する光ギャップEoptの依存性からは、次
のことがわかる。
【0098】H2/SiH4比が低い領域(SiH4
0.5%および1%とも、H2/SiH 4比が0〜3の範
囲)では、H2/SiH4比の増大に伴って光ギャップが
上昇するか或いはほとんど変化しない。この領域を領域
Aと呼ぶ。
【0099】領域AからH2/SiH4比を大きくすると
(SiH4が0.5%ではH2/SiH4比が3〜6の場
合、SiH4が1%ではH2/SiH4比が3〜5の場
合)、H 2/SiH4比がより低い領域Aにおける光ギャ
ップの挙動とは異なり、その光ギャップは徐々に低下す
る。この領域を領域Bと呼ぶ。
【0100】H2 /SiH4比をさらに大きくしていと
(SiH4が0.5%では、H2/SiH4比が6〜14
の場合、SiH4が1%では、H2/SiH4比が5〜1
0の場合)、光ギャップの低下が緩和された飽和状態に
なる。この領域を領域Cと呼ぶ。
【0101】H2/SiH4比を領域Cよりもさらに大き
くしていくと(SiH4が1%ではH2/SiH4比比が
10以上の場合)、光ギャップは、再度、ほぼ一定の割
合で低下する。この領域を領域Dと呼ぶ。
【0102】このように、H2/SiH4比の増減に対す
る光ギャップの挙動変化は大きく、H2/SiH4比の増
大に伴って光ギャップが上昇するか或いはほとんど変化
しない領域Aと、その後において、光ギャップが緩やか
に低下して飽和し、さらにほぼ一定割合で低下する領域
B、C、Dとに大別される。
【0103】また、図12(b)に示されるH2/Si
4比に対する成膜速度の依存性を見ても、H2/SiH
4比の増大に伴って成膜速度が向上することがわかる。
【0104】従来の低圧プラズマでは、一般的に、H2
/SiH4比の増大に伴って光ギャップおよび成膜速度
は、ともに低下する。しかし、高圧プラズマでは、光ギ
ャップおよび成膜速度ともに、従来の低圧プラズマとは
異なる挙動を示す。
【0105】そして、図11(a)に示されたH2/S
iH4比に対する導電率の依存性から、SiH4濃度が
0.5%、1%のそれぞれについて、領域BおよびCに
おいて、光導電率のピークが存在し、高い膜品質が得ら
れる。
【0106】表5に示されるSiH4濃度が0.5%の
条件で、H2/SiH4比が1(領域A)、3(領域A〜
B)、6(領域C)の場合について、PIN構造のアモ
ルファスシリコン太陽電池のI層を所定の膜厚で作製し
た。作製された太陽電池の変換効率を表6に示す。
【0107】
【表6】 表6に示されるように、領域Cにおいて高い膜品質が得
られている。なお、ここにおける太陽電池の変換効率
は、他の方法でI層を作製した場合の太陽電池の変換効
率を基準値として規格化したものである。
【0108】また、ここで、SiH4濃度に注目する。
【0109】図14は、表8中のSiH4濃度0.1
[%]および1[%]において成膜を行い、得られたア
モルファスシリコンの膜中の不純物[cm-3](酸素密
度および窒素密度)を、SIMSによって測定した結果
である。
【0110】図14より分かるように、SiH4濃度が
高いほうが、膜中の不純物密度が小さいことが分かる。
【0111】
【表8】 表8より分かるように、原料ガスの分圧は、最大で7.
6Torr程度であり、一般的な低圧プラズマとほぼ変
わらない値である。従って、反応容器壁からの水分分
離、反応容器リーク等による窒素および酸素原子のアモ
ルファスシリコン膜への混入は、同様に発生するが、リ
ーク防止、反応容器ベーキング実施等の一般的な方法に
より前記リーク等に起因する膜中不純物を低減させるこ
とができる。
【0112】しかし、本方式では、さらに、原料ガスを
He、Ar等の希ガスによって希釈するため、前記希ガ
ス中の不純物が成膜されたアモルファスシリコン中に混
入し、膜中不純物として膜特性を劣化させる。これは、
原料ガスをHe、Ar等の希ガスで希釈することに起因
するものである。本装置においては、ターボ分子ポンプ
を用いて、5E−6Torrまで反応容器内を真空排気
している。
【0113】本実験に用いたHeガスの純度は、高純度
He;99.9999[%]である。このとき、最大
0.0001[%]は不純物が混入していることにな
る。
【0114】このとき、表8中のSiH4濃度0.1
[%]においては、SiH4とHeガス不純物の割合
は、(Heガス中不純物/SiH4ガス)=1000
[ppm]となることが分かる。このとき、アモルファ
スシリコン中の酸素および窒素密度は、それぞれ、O=
3E19、N=1E19[cm-3]である。
【0115】しかし、表8中のSiH4濃度1[%]に
おいては、SiH4とHeガス不純物の割合は、(He
ガス中不純物/SiH4ガス)=1000[ppm]と
なり、膜中の不純物である酸素および窒素密度は、それ
ぞれ、O=5E18、N=3E18[cm-3]となり、
膜中の不純物密度が低下していることがわかる。
【0116】これは、希釈ガスHe中の不純物0.00
01[%]に対してSiH4濃度[%]を増加させるこ
とによって、(Heガス中不純物/SiH4ガス)比を
低下させ、それによって、アモルファスシリコン膜中の
不純物密度を低下させることによる。従って、図14よ
り分かるように、SiH4濃度が高いほうが膜中の不純
物密度が小さくなる。
【0117】一般的にアモルファスシリコンの不純物量
において、酸素および窒素密度は、1.0E18[cm
-3]以下が良膜質と言われているため、少なくとも表8
中の結果からSiH4濃度1[%]以上が必要であるこ
とが分かる。
【0118】また、図14中のSiH4濃度0.1
[%]と1[%]の場合における2点間を結ぶ直線よ
り、膜中不純物密度が1E18[cm-3]以下になるS
iH4濃度を算出すると、酸素でSiH4濃度;1.14
[%]以上、窒素でSiH4濃度;1.26[%]以上
が好ましいことがわかる。
【0119】その他の方式においても、前記希釈ガス中
の不純物を取り除くことが考えられるが、本実験に用い
たHeガスの純度は、99.9999[%]であり、
0.0001[%]の不純物が混入していることにな
り、これを超高純度Heに置き換えて99.9999
[%]とした場合、前記希釈ガスの値段が高くなり、高
圧プラズマにおいてプラズマを発生させ、薄膜を形成す
る本方式の場合、大幅なコスト増加になり、不具合が生
じる。また、該純化器等によって希釈ガスの不純物を除
去する場合においても、前記ガス純化器を取り付ける
分、コスト増加になり不具合が生じる。
【0120】従って、希釈ガスに対するSiH4濃度
[%]を少なくとも1[%]以上、好ましくは、1.2
6[%]以上とすることによって、膜中不純物の少ない
アモルファスシリコン膜を低コストにて作製することが
できる。
【0121】なお、上記実施形態で使用したプラズマ処
理装置は、回転電極を備え、高圧雰囲気という特徴を有
している。さらに、単位面積当たりの投入電力が大きい
高電力密度の特徴を有し、その他、10mm以下の狭い
試料−電極間ギャップ、高周波、高速成膜、He希釈等
の特徴も有する。前述した電力範囲で高い膜品質が得ら
れる要因は、これらの特徴のなかでも、電極を高速回転
させることによって1ヵ所で電極が加熱されることを阻
止し、高い電力において安定してプラズマを発生させる
ことにある。しかし、他に高圧力下において安定したプ
ラズマを発生させる方式が存在しないわけではない。従
って、本発明で使用されるプラズマ処理装置は、回転電
極を用いる構成に限られるものではない。
【0122】
【発明の効果】本発明は、このように、Siを含む原料
ガスを、高周波電力を用いて発生させたプラズマによっ
て分解し、分解によって生じた反応種によって薄膜を形
成するプラズマ処理による薄膜形成方法において、所定
の原料ガス圧力および原料ガス供給量において投入電力
を増加した場合に、形成される薄膜の光学ギャップの低
下が緩和し始める電力から、その緩和が解消されて、再
度、光学ギャップが低下し始める電力までの電力範囲
に、前記投入電力を設定することによって、高速成膜と
高い膜品質とを同時に実現することができる。
【0123】また、所定の原料ガス圧力および原料ガス
供給量において投入電力を増加したときに、形成される
薄膜の成膜速度が緩和されるか若しくは減少する電力範
囲に、前記投入電力を設定することによっても、高速成
膜と高い膜品質とを同時に実現することができる。
【0124】さらに、単位電極幅当たりの投入電力Y
〔W/cm〕を、供給する反応ガス中の原料ガス濃度X
〔%〕に対して、(110.3・X〔%〕+17.9)
×0.7<Y〔W/cm〕<(110.3・X〔%〕+
17.9)×1.3の範囲に設定することによっても、
高速成膜と高い膜品質とを同時に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成方法の実施に使用されるプラ
ズマ処理装置の概略構成図である。
【図2】そのプラズマ処理装置における回転電極の直下
における堆積速度分布の説明図である。
【図3】投入電力に対する成膜特性の依存性をそれぞれ
示しており、(a)は、投入電力に対する導電率を示す
グラフ、(b)は、投入電力に対する光感度を示すグラ
フである。
【図4】投入電力に対する成膜特性の依存性をそれぞれ
示しており(a)は、投入電力に対する光学ギャップを
示すグラフ、(b)は、投入電力に対する成膜速度を示
すグラフである。
【図5】投入電力に対する成膜特性の依存性を、原料ガ
ス濃度をパラメータとしてそれぞれ示しており、(a)
は、投入電力に対する導電率を示すグラフ、(b)は、
投入電力に対する光感度を示すグラフである。
【図6】投入電力に対する成膜特性の依存性を、原料ガ
ス濃度をパラメータとしてそれぞれ示しており、(a)
は、投入電力に対する光学ギャップを示すグラフ、
(b)は、投入電力に対する成膜速度を示すグラフであ
る。
【図7】原料ガス濃度を変化させたときの、成膜速度が
最大値を示す投入電力と原料ガス濃度との関係を示すグ
ラフである。
【図8】原料ガス濃度を変化させたときの、光導電性が
最大値を示す投入電力と原料ガス濃度との関係を示すグ
ラフである。
【図9】水素ガス/原料ガス比を変更したときの、成膜
特性の投入電力に対する依存性をそれぞれ示しており、
(a)は、投入電力に対する導電率を示すグラフ、
(b)は、投入電力に対する光感度を示すグラフであ
る。
【図10】水素ガス/原料ガス比を変更したときの、投
入電力に対する成膜特性の依存性をそれぞれ示してお
り、(a)は、投入電力に対する光学ギャップを示すグ
ラフ、(b)は、投入電力に対する成膜速度を示すグラ
フである。
【図11】水素ガス/原料ガス比に対する成膜特性の依
存性をそれぞれ示しており、(a)は、水素ガス/原料
ガス比に対する導電率を示すグラフ、(b)は、水素ガ
ス/原料ガス比に対する光感度を示すグラフである。
【図12】水素ガス/原料ガス比に対する成膜特性の依
存性をそれぞれ示しており、(a)は、水素ガス/原料
ガス比に対する光学ギャップを示すグラフ、(b)は、
水素ガス/原料ガス比に対する成膜速度を示すグラフで
ある。
【図13】電極−試料間ギャップを変化させた場合の光
導電率を示すグラフである。
【図14】それぞれのSiH4濃度に対する膜中不純物
濃度を示すグラフである。
【図15】従来の低圧プラズマ処理技術により薄膜を形
成したときの、成膜速度及び水素ガス/原料ガス比に対
する成膜特性の依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 高周波電源 5 回転電極 8 回転モータ 9 プラズマ 10 試料 11 試料台 15 反応容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA16 AA17 BA30 EA01 FA01 GA04 JA05 JA06 JA09 JA16 KA16 KA30 LA16 5F045 AA08 AB04 AC01 AC18 AD06 AE25 BB16 5F051 BA14 CA07 CA08 CA16 CA23 CA34 CA35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを含む原料ガスを、高周波電力を用
    いて発生させたプラズマによって分解し、分解によって
    生じた反応種により薄膜を形成する薄膜形成方法であっ
    て、 前記原料ガスが所定の圧力にて所定の流量で供給される
    状態において、投入電力を増加したときに形成される薄
    膜の光学ギャップの低下が緩和し始めてから、再度、光
    学ギャップの低下の緩和が解消して低下し始めるまでの
    電力範囲を予め求めて、求められた電力範囲に投入電力
    を設定することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 Siを含む原料ガスを、高周波電力を用
    いて発生させたプラズマによって分解し、分解によって
    生じた反応種により薄膜を形成する薄膜形成方法であっ
    て、 前記原料ガスが所定の圧力にて所定の流量で供給される
    状態において、投入電力を増加したときに形成される薄
    膜の成膜速度の上昇が緩和するか若しくは減少する電力
    範囲を予め求めて、求められた電力範囲に投入電力を設
    定することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 単位電極幅当たりの投入電力Y〔W/c
    m〕を、所定の原料ガス圧力および原料ガス供給量にお
    ける成膜速度の最大値X〔オングストローム/sec〕
    に対して、 Y〔W/cm〕 > 0.155・X〔オングストロー
    ム/sec〕 の範囲に設定することを特徴とする請求項2に記載の薄
    膜形成方法。
  4. 【請求項4】 単位電極幅当たりの投入電力Y〔W/c
    m〕を、供給する反応ガス中の原料ガス濃度X〔%〕に
    対して、 Y〔W/cm〕 > 60.2・X〔%〕+12.9 の範囲に設定することを特徴とする請求項2に記載の薄
    膜形成方法。
  5. 【請求項5】 Siを含む原料ガスを、高周波電力を用
    いて発生させたプラズマによって分解し、分解によって
    生じた反応種によって薄膜を形成する薄膜形成方法であ
    って、単位電極幅当たりの投入電力Y〔W/cm〕を、
    供給する反応ガス中の原料ガス濃度X〔%〕に対して、 (110.3・X〔%〕+17.9)×0.7 < Y
    〔W/cm〕< (110.3・X〔%〕+17.9)
    ×1.3 の範囲に設定することを特徴とする薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 単位試料−電極間ギャップ当りにおける
    単位電極幅当りの投入電力Y[W/cm/μm]を、供
    給する反応ガス中の原料ガス濃度X[%]に対して、 0.7×(0.552・X〔%〕+0.0895)<
    Y〔W/cm/μm〕< 1.3×(0.552・X
    〔%〕+0.0895) の範囲に設定することを特徴とする請求項5に記載の薄
    膜形成方法。
  7. 【請求項7】 単位試料−電極間ギャップ当りにおける
    単位電極幅当りの投入電力Y[W/cm/μm]を、供
    給する反応ガス中の原料ガス濃度X[%]に対して、 0.301・X〔%〕+0.0645 < Y〔W/c
    m/μm〕 の範囲に設定することを特徴とする請求項4に記載の薄
    膜形成方法。
  8. 【請求項8】 供給される反応ガスの全圧を100To
    rr以上に設定することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の薄膜形成方法。
  9. 【請求項9】 原料ガスに添加される水素ガス量と原料
    ガス量との比である水素ガス供給量/原料ガス供給量
    を、1以上14以下に設定することを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の薄膜形成方法。
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JPH09104985A (ja) * 1995-08-08 1997-04-22 Sanyo Electric Co Ltd 回転電極を用いた高速成膜方法及びその装置
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JP2001348665A (ja) * 2000-06-05 2001-12-18 Yuzo Mori 大気圧プラズマCVDによるアモルファスSiC薄膜

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