JP2002212700A - 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 - Google Patents
溶融Sn−Ag系めっき鋼板Info
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- JP2002212700A JP2002212700A JP2001005451A JP2001005451A JP2002212700A JP 2002212700 A JP2002212700 A JP 2002212700A JP 2001005451 A JP2001005451 A JP 2001005451A JP 2001005451 A JP2001005451 A JP 2001005451A JP 2002212700 A JP2002212700 A JP 2002212700A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Pbフリーはんだ性、耐ホイスカー性を兼備
し、Pbを使用することのない電気部材用溶融めっき鋼
板を提供する。 【解決手段】 めっき層が0.1〜5質量%Agを含有
し、めっき付着量が片面当たり15〜100g/m2 で
あることを特徴とする電気部材用溶融Sn−Ag系めっ
き鋼板。更に、エージング後のPbフリーはんだ3秒以
下であること、Cu、Bi、Zn、Inの1種類あるい
は2種類以上を総量で0.01〜5質量%を更に有する
こと、メッキ鋼板界面に、鉄族系合金層を有する、ある
いは最表層に化成処理皮膜を有してもよい。 【効果】 該めっき鋼板は、Pbを使用しない電気部材
用表面処理鋼板として好適な特性を有する。
し、Pbを使用することのない電気部材用溶融めっき鋼
板を提供する。 【解決手段】 めっき層が0.1〜5質量%Agを含有
し、めっき付着量が片面当たり15〜100g/m2 で
あることを特徴とする電気部材用溶融Sn−Ag系めっ
き鋼板。更に、エージング後のPbフリーはんだ3秒以
下であること、Cu、Bi、Zn、Inの1種類あるい
は2種類以上を総量で0.01〜5質量%を更に有する
こと、メッキ鋼板界面に、鉄族系合金層を有する、ある
いは最表層に化成処理皮膜を有してもよい。 【効果】 該めっき鋼板は、Pbを使用しない電気部材
用表面処理鋼板として好適な特性を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたPbフリー
はんだ性、耐ホイスカー(Whisker)性を有し、
またPbを使用しない主として電気部材用に用いられる
溶融めっき鋼板に関するものである。
はんだ性、耐ホイスカー(Whisker)性を有し、
またPbを使用しない主として電気部材用に用いられる
溶融めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報化の進展、電子機器の進歩は
目覚ましく、電子機器の需要は増大傾向にある。これら
の部材として使用される鋼板に要求される重要な特性と
してはんだ性がある。これまで、はんだ性に優れる表面
処理鋼板としては、Pb−Snめっき鋼板、電気Snめ
っき鋼板等が使用されてきた。また、はんだとしてもこ
れまではPb−Sn系のものが多量に使用されてきた。
しかし周知のように、Pbは人体に対して毒性があり、
環境に負担がかかる物質としてその使用が抑制される傾
向にある。
目覚ましく、電子機器の需要は増大傾向にある。これら
の部材として使用される鋼板に要求される重要な特性と
してはんだ性がある。これまで、はんだ性に優れる表面
処理鋼板としては、Pb−Snめっき鋼板、電気Snめ
っき鋼板等が使用されてきた。また、はんだとしてもこ
れまではPb−Sn系のものが多量に使用されてきた。
しかし周知のように、Pbは人体に対して毒性があり、
環境に負担がかかる物質としてその使用が抑制される傾
向にある。
【0003】このような流れから、Pbフリー表面処理
鋼板に対する要求が高まりつつある。その候補材として
電気Snめっき鋼板があるが、昔から電気Snめっき鋼
板にはホイスカー(Whisker)と呼ばれる針状の
Sn単結晶が生成し、回路の短絡を生じるという欠点が
知られている。電子部品の小型化により、このホイスカ
ーの問題は最近再びクローズアップされつつある。この
欠点を補うものとして、例えば特開平8−134690
号公報にはんだ性に優れた電気亜鉛めっき鋼板、特開平
2−270970号公報に、Ni−Sn−Znめっき鋼
板、特開2000−119833号公報に溶融Sn−Z
nめっき鋼板が開示されている。しかし、これらの鋼板
は、はんだ性の点で、従来のPb−Sn系のめっき鋼板
に及ばないのが現状である。
鋼板に対する要求が高まりつつある。その候補材として
電気Snめっき鋼板があるが、昔から電気Snめっき鋼
板にはホイスカー(Whisker)と呼ばれる針状の
Sn単結晶が生成し、回路の短絡を生じるという欠点が
知られている。電子部品の小型化により、このホイスカ
ーの問題は最近再びクローズアップされつつある。この
欠点を補うものとして、例えば特開平8−134690
号公報にはんだ性に優れた電気亜鉛めっき鋼板、特開平
2−270970号公報に、Ni−Sn−Znめっき鋼
板、特開2000−119833号公報に溶融Sn−Z
nめっき鋼板が開示されている。しかし、これらの鋼板
は、はんだ性の点で、従来のPb−Sn系のめっき鋼板
に及ばないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、はんだ性の
点でPb−Sn系めっき鋼板と同等で、耐ホイスカー性
を兼備した全く新しい材料を提供することを課題とする
ものである。
点でPb−Sn系めっき鋼板と同等で、耐ホイスカー性
を兼備した全く新しい材料を提供することを課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の特
性に及ぼす材料側の要因について、種々検討を加えた。
Pbフリーはんだとしては、現在種々の候補材が出てい
る段階ではあるが、Snを中心とする材料が検討されて
いる。具体的には、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Sn
−Bi系等である。これらPbフリーはんだに対して良
好な濡れ性を有するには、Snを主たるめっき金属とし
て用いる必要がある。しかし、純Snめっきでは耐ホイ
スカー性に劣ることから、ホイスカーの成長を抑制する
ために合金化する必要がある。Sn−Zn合金めっきの
場合はホイスカー性は向上するが、腐食促進試験におい
てZnの腐食生成物がめっき表面を覆うようになるた
め、腐食試験後すなわち高温湿潤な環境下に長期保存さ
れた場合はPbフリーはんだに対して良好な濡れ性を示
さない。Sn−Bi合金めっきの場合はBi自体が大変
脆い金属であるため機械的強度に劣り好ましくない。
性に及ぼす材料側の要因について、種々検討を加えた。
Pbフリーはんだとしては、現在種々の候補材が出てい
る段階ではあるが、Snを中心とする材料が検討されて
いる。具体的には、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Sn
−Bi系等である。これらPbフリーはんだに対して良
好な濡れ性を有するには、Snを主たるめっき金属とし
て用いる必要がある。しかし、純Snめっきでは耐ホイ
スカー性に劣ることから、ホイスカーの成長を抑制する
ために合金化する必要がある。Sn−Zn合金めっきの
場合はホイスカー性は向上するが、腐食促進試験におい
てZnの腐食生成物がめっき表面を覆うようになるた
め、腐食試験後すなわち高温湿潤な環境下に長期保存さ
れた場合はPbフリーはんだに対して良好な濡れ性を示
さない。Sn−Bi合金めっきの場合はBi自体が大変
脆い金属であるため機械的強度に劣り好ましくない。
【0006】以上の理由から、Sn−Ag系合金がめっ
きのベースとして最良であると見出した。また、Sn−
Ag合金を電気めっきにて析出する場合、SnとAgの
析出電位が離れているため、めっき浴に様々な添加剤を
入れ合金として析出させようという試みはあるものの、
一般に所望の組成に制御するのは困難であり、かつ、電
気めっきであるがゆえにホイスカーの成長の駆動力の一
つと考えられる電着応力を皆無にすることは難しい。そ
の点、Sn−Ag合金めっきを溶融めっきとして得るこ
とは、組成制御の容易さ、電着応力を皆無にするという
点で、電気めっきSn−Ag合金めっきより優れる。こ
のような検討により、本発明を完成させたものである。
そして、本発明の要旨とするところは以下に示すもので
ある。
きのベースとして最良であると見出した。また、Sn−
Ag合金を電気めっきにて析出する場合、SnとAgの
析出電位が離れているため、めっき浴に様々な添加剤を
入れ合金として析出させようという試みはあるものの、
一般に所望の組成に制御するのは困難であり、かつ、電
気めっきであるがゆえにホイスカーの成長の駆動力の一
つと考えられる電着応力を皆無にすることは難しい。そ
の点、Sn−Ag合金めっきを溶融めっきとして得るこ
とは、組成制御の容易さ、電着応力を皆無にするという
点で、電気めっきSn−Ag合金めっきより優れる。こ
のような検討により、本発明を完成させたものである。
そして、本発明の要旨とするところは以下に示すもので
ある。
【0007】(1)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層
を有し、該めっき層の組成が質量%でSnに加えてAg
を0.1〜5質量%を含有し、残部がSnと不可避的不
純物であり、かつめっき付着量が片面当たり15〜10
0g/m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系め
っき鋼板。 (2)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有し、該め
っき層が質量%で95〜99.9%のSnを含有し、か
つめっき付着量が片面当たり15〜100g/m2 であ
ることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっき鋼板。
を有し、該めっき層の組成が質量%でSnに加えてAg
を0.1〜5質量%を含有し、残部がSnと不可避的不
純物であり、かつめっき付着量が片面当たり15〜10
0g/m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系め
っき鋼板。 (2)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有し、該め
っき層が質量%で95〜99.9%のSnを含有し、か
つめっき付着量が片面当たり15〜100g/m2 であ
ることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっき鋼板。
【0008】(1)5×25mmの短冊状に鋼板をせん
断し、温度105℃、湿度100%RH飽和の条件下で
8時間のエージングを行い、短辺側を25質量%ロジン
−メタノールフラックスに浸漬した後、直ちに245℃
のSn−3.5質量%Agはんだ浴に2mm/secの
浸漬速度で2mm浸漬したときに、応力値が0になるま
での時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下であることを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の溶融Sn−
Ag系めっき鋼板。 (4)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層に加え、C
u、Bi、Zn、Inの1種類あるいは2種類以上を総
量で0.01〜5質量%を添加することを特徴とする前
記(1)〜(3)に記載の電気部材用溶融Sn−Ag系
めっき鋼板。
断し、温度105℃、湿度100%RH飽和の条件下で
8時間のエージングを行い、短辺側を25質量%ロジン
−メタノールフラックスに浸漬した後、直ちに245℃
のSn−3.5質量%Agはんだ浴に2mm/secの
浸漬速度で2mm浸漬したときに、応力値が0になるま
での時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下であることを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の溶融Sn−
Ag系めっき鋼板。 (4)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層に加え、C
u、Bi、Zn、Inの1種類あるいは2種類以上を総
量で0.01〜5質量%を添加することを特徴とする前
記(1)〜(3)に記載の電気部材用溶融Sn−Ag系
めっき鋼板。
【0009】(5)Sn−Ag系めっき層、鋼板界面
に、Ni、Fe、Co、またはその化合物よりなる層を
有することを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の溶
融Sn−Ag系めっき鋼板。 (6)最表面に、Cr、Si、Pの1種類あるいは2種
類以上を含有する化成処理皮膜を有することを特徴とす
る前記(1)〜(5)に記載の溶融Sn−Ag系めっき
鋼板。 (7)用途が電気部材用であることを特徴とする前記
(1)〜(6)記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼板にあ
る。
に、Ni、Fe、Co、またはその化合物よりなる層を
有することを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の溶
融Sn−Ag系めっき鋼板。 (6)最表面に、Cr、Si、Pの1種類あるいは2種
類以上を含有する化成処理皮膜を有することを特徴とす
る前記(1)〜(5)に記載の溶融Sn−Ag系めっき
鋼板。 (7)用途が電気部材用であることを特徴とする前記
(1)〜(6)記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼板にあ
る。
【0010】次に、本発明を詳細に説明する。まず、め
っき層のSn−Agめっきの限定理由を述べる。Sn−
Agめっき層は、Ag量を0.1〜5質量%とする。こ
れはAg量が0.1質量%未満であると耐ホイスカー性
に劣るためである。一方、5質量%超のAg含有は、耐
ホイスカー性に対する効果が飽和してしまうだけでな
く、Sn−Ag合金めっきの融点が上昇して、はんだ濡
れ性の悪化およびSn−Ag合金めっきの製造上の不都
合を招く。また、高価なAgを過剰に添加することは経
済上の面からも好ましくない。めっき層中のSnの含有
量は、耐食性の観点から95〜99.9%であることが
望ましい。
っき層のSn−Agめっきの限定理由を述べる。Sn−
Agめっき層は、Ag量を0.1〜5質量%とする。こ
れはAg量が0.1質量%未満であると耐ホイスカー性
に劣るためである。一方、5質量%超のAg含有は、耐
ホイスカー性に対する効果が飽和してしまうだけでな
く、Sn−Ag合金めっきの融点が上昇して、はんだ濡
れ性の悪化およびSn−Ag合金めっきの製造上の不都
合を招く。また、高価なAgを過剰に添加することは経
済上の面からも好ましくない。めっき層中のSnの含有
量は、耐食性の観点から95〜99.9%であることが
望ましい。
【0011】本発明におけるAgの組成範囲では、溶融
めっき法が簡便かつ好ましい。電気めっき法ではSnと
Agの析出電位が離れており、一般にAgが優先析出す
る。また、電流密度の変化によりAgの析出量は大きく
変動するため組成を一定に制御することは困難である。
めっきの成分としては、これ以外の微量成分を含有する
ことは本発明の趣旨を損なうものではない。微量成分と
しては、Fe、Ni、Co、Sb等がありうる。
めっき法が簡便かつ好ましい。電気めっき法ではSnと
Agの析出電位が離れており、一般にAgが優先析出す
る。また、電流密度の変化によりAgの析出量は大きく
変動するため組成を一定に制御することは困難である。
めっきの成分としては、これ以外の微量成分を含有する
ことは本発明の趣旨を損なうものではない。微量成分と
しては、Fe、Ni、Co、Sb等がありうる。
【0012】めっきの付着量としては片面当たり15〜
50g/m2 とする。付着量が15g/m2 未満である
と、当然耐食性も劣る。また、めつき素地を完全に覆っ
てないため、はんだ濡れ性も劣る。付着量が100g/
m2 を超えると、特性が飽和するとともに、コスト増大
を招く。より望ましくは50g/m2 以下である。ま
た、めっきの種類としては溶融めっきが望ましい。電気
めっきでは目付量は電気量に比例するため、目付量が増
大するとそれに伴い電気代が上がり経済上好ましくな
い。
50g/m2 とする。付着量が15g/m2 未満である
と、当然耐食性も劣る。また、めつき素地を完全に覆っ
てないため、はんだ濡れ性も劣る。付着量が100g/
m2 を超えると、特性が飽和するとともに、コスト増大
を招く。より望ましくは50g/m2 以下である。ま
た、めっきの種類としては溶融めっきが望ましい。電気
めっきでは目付量は電気量に比例するため、目付量が増
大するとそれに伴い電気代が上がり経済上好ましくな
い。
【0013】実用上のはんだ付け工程を最も良くシュミ
レートし、その良否指針となるものにゼロクロスタイム
がある。ゼロクロスタイムとは、めっき鋼板をフラック
スに浸漬した後に、特定温度のはんだ浴に特定速度で浸
漬し、濡れ応力値が0になるまでの時間である。このゼ
ロクロスタイムが短いほど、速やかにはんだとめっき鋼
板が濡れることを示しており好ましい。このゼロクロス
タイムはサンプル形状、使用フラックス種、使用はんだ
種、はんだ浴温、浸漬速度、浸漬深さにより変動する。
レートし、その良否指針となるものにゼロクロスタイム
がある。ゼロクロスタイムとは、めっき鋼板をフラック
スに浸漬した後に、特定温度のはんだ浴に特定速度で浸
漬し、濡れ応力値が0になるまでの時間である。このゼ
ロクロスタイムが短いほど、速やかにはんだとめっき鋼
板が濡れることを示しており好ましい。このゼロクロス
タイムはサンプル形状、使用フラックス種、使用はんだ
種、はんだ浴温、浸漬速度、浸漬深さにより変動する。
【0014】そのため本発明においては5×25mmの
短冊状に鋼板をせん断し、温度105℃、湿度100%
RH飽和の条件下で8時間のエージングを行い、短辺側
を25質量%ロジン−メタノールフラックスに浸漬した
後、直ちに245℃のSn−3.5質量%Agはんだ浴
に2mm/secの浸漬速度で2mm浸漬し、応力値が
0になるまでの時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下で
あることを満足する溶融Sn−Ag系めっき鋼板とし
た。エージング処理により一般にめっき鋼板にとって悪
環境といわれる高温多湿での保管状況もシュミレートで
き、より厳格な規定ができる。ゼロクロスタイムをこの
ような範囲にするには、めっき付着量やめっき層中のA
gの量を制御すればよい。
短冊状に鋼板をせん断し、温度105℃、湿度100%
RH飽和の条件下で8時間のエージングを行い、短辺側
を25質量%ロジン−メタノールフラックスに浸漬した
後、直ちに245℃のSn−3.5質量%Agはんだ浴
に2mm/secの浸漬速度で2mm浸漬し、応力値が
0になるまでの時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下で
あることを満足する溶融Sn−Ag系めっき鋼板とし
た。エージング処理により一般にめっき鋼板にとって悪
環境といわれる高温多湿での保管状況もシュミレートで
き、より厳格な規定ができる。ゼロクロスタイムをこの
ような範囲にするには、めっき付着量やめっき層中のA
gの量を制御すればよい。
【0015】また、電気部品は熱に対し非常に弱いもの
もあるので、できるだけ少ない入熱で、ある程度低温で
はんだ付けできる方が好ましい。めっき層の融点とはん
だ濡れ性は相関があり、めっき層の融点が低いほどはん
だ濡れ性は良くなる傾向にある。Sn−Agでは3.5
Ag質量%で共晶点が存在するが、その他にもSnと共
晶点を持ち有害性、経済性を考慮するとCu、Bi、Z
n、Inがある。Sn−Agめっきにこれらの元素を特
定量加えると三元、四元の共晶点に近い組成でSn−A
g二元系より更に低い融点を得ることが出来る。
もあるので、できるだけ少ない入熱で、ある程度低温で
はんだ付けできる方が好ましい。めっき層の融点とはん
だ濡れ性は相関があり、めっき層の融点が低いほどはん
だ濡れ性は良くなる傾向にある。Sn−Agでは3.5
Ag質量%で共晶点が存在するが、その他にもSnと共
晶点を持ち有害性、経済性を考慮するとCu、Bi、Z
n、Inがある。Sn−Agめっきにこれらの元素を特
定量加えると三元、四元の共晶点に近い組成でSn−A
g二元系より更に低い融点を得ることが出来る。
【0016】Cu、Bi、Zn、Inはそれぞれ0.0
1〜5質量%の範囲でSn−Agめっきの特性を損なわ
ずに融点を下げることができる。5質量%超では、Cu
は逆に融点の上昇、Biは融点は更に下がるがめっき層
が脆化し、Znははんだ濡れ性に悪影響を及ぼし、In
は経済上好ましくない。したがって、Cu、Bi、Z
n、Inの添加量は1種類あるいは2種類以上の合計が
0.01〜5質量%になるようにする。
1〜5質量%の範囲でSn−Agめっきの特性を損なわ
ずに融点を下げることができる。5質量%超では、Cu
は逆に融点の上昇、Biは融点は更に下がるがめっき層
が脆化し、Znははんだ濡れ性に悪影響を及ぼし、In
は経済上好ましくない。したがって、Cu、Bi、Z
n、Inの添加量は1種類あるいは2種類以上の合計が
0.01〜5質量%になるようにする。
【0017】本発明においては、Sn−Agめっきを溶
融めっきにより施すものである。この際、めっきの濡れ
性を高めるために、Ni、Co、Fe、あるいはその化
合物よりなるプレめっきを施すことも可能である。この
ときにはSn−Ag系めっき層、鋼板界面に、Ni、F
e、Co、またはその化合物よりなる層を有することと
する。その付着量については、特に限定しないが、0.
2〜1.0g/m2 程度が好ましい。更に、Sn−Ag
めっきの表面を化成処理することも可能である。このと
き、Cr、Si、Pの1または2種以上を含有する化成
処理皮膜を有することとする。特に、Crを含有する化
成処理皮膜を施すことで、耐食性が向上する。このとき
の付着量も特に限定しないが、一般にはCr換算で20
mg/m 2 以下程度である。
融めっきにより施すものである。この際、めっきの濡れ
性を高めるために、Ni、Co、Fe、あるいはその化
合物よりなるプレめっきを施すことも可能である。この
ときにはSn−Ag系めっき層、鋼板界面に、Ni、F
e、Co、またはその化合物よりなる層を有することと
する。その付着量については、特に限定しないが、0.
2〜1.0g/m2 程度が好ましい。更に、Sn−Ag
めっきの表面を化成処理することも可能である。このと
き、Cr、Si、Pの1または2種以上を含有する化成
処理皮膜を有することとする。特に、Crを含有する化
成処理皮膜を施すことで、耐食性が向上する。このとき
の付着量も特に限定しないが、一般にはCr換算で20
mg/m 2 以下程度である。
【0018】使用するめっき原板の組成も特に限定する
ものではない。しかし、高度な加工性を要求される部位
には、加工性に優れたIF鋼の適用が望ましい。加工性
を要求されない用途に対しては、Al−K鋼の適用が望
ましい。また、鋼板の製造方法としては通常の方法によ
るものとする。鋼成分は、例えば転炉−真空脱ガス処理
により調整され溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造さ
れ熱間圧延される。溶融めっき方法として大きくフラッ
クス法とゼンジマー法があるが、どちらの製造法でも製
造可能である。さらに、めっき後の後処理として、クロ
メート等の化成処理以外に、溶融めっき後の外観均一化
処理であるゼロスパングル処理、めっきの改質処理であ
る焼鈍処理、表面状態、材質の調整のための調質圧延等
がありえるが、本発明においては特にこれらを限定せ
ず、適用することも可能である。
ものではない。しかし、高度な加工性を要求される部位
には、加工性に優れたIF鋼の適用が望ましい。加工性
を要求されない用途に対しては、Al−K鋼の適用が望
ましい。また、鋼板の製造方法としては通常の方法によ
るものとする。鋼成分は、例えば転炉−真空脱ガス処理
により調整され溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造さ
れ熱間圧延される。溶融めっき方法として大きくフラッ
クス法とゼンジマー法があるが、どちらの製造法でも製
造可能である。さらに、めっき後の後処理として、クロ
メート等の化成処理以外に、溶融めっき後の外観均一化
処理であるゼロスパングル処理、めっきの改質処理であ
る焼鈍処理、表面状態、材質の調整のための調質圧延等
がありえるが、本発明においては特にこれらを限定せ
ず、適用することも可能である。
【0019】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
明する。
【実施例】(実施例1)表1に示す成分の鋼を通常の転
炉−真空脱ガスにより溶製し、鋼片とした後、通常の条
件で熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍工程を行い、焼鈍鋼
板(板厚0.6mm)を得た。この鋼板に電気めっき法
でNiめっきを施した。しかる後、フラックス法でSn
−Agめっきを行った。フラックス法はZnCl2 水溶
液をロール塗布して使用し、Agの組成は0〜6%まで
変更した。浴温は280℃とし、めっき後エアワイピン
グにより付着量を調整した。これらの鋼板の一部には後
処理皮膜を施した。後処理の種類と組成を下に示す。な
お、後処理皮膜は全て両面同一処理とし、その付着量の
表示方法は、表2のようにした。クロメート皮膜:金
属Cr量をg/m2 で表示、化成処理A:シリカ量を
g/m2 で表示。これらを電気機材用鋼板としての性能
を評価した。このときの評価方法は下に記述した方法に
よった。めっき条件と性能評価結果を表3に示す。
炉−真空脱ガスにより溶製し、鋼片とした後、通常の条
件で熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍工程を行い、焼鈍鋼
板(板厚0.6mm)を得た。この鋼板に電気めっき法
でNiめっきを施した。しかる後、フラックス法でSn
−Agめっきを行った。フラックス法はZnCl2 水溶
液をロール塗布して使用し、Agの組成は0〜6%まで
変更した。浴温は280℃とし、めっき後エアワイピン
グにより付着量を調整した。これらの鋼板の一部には後
処理皮膜を施した。後処理の種類と組成を下に示す。な
お、後処理皮膜は全て両面同一処理とし、その付着量の
表示方法は、表2のようにした。クロメート皮膜:金
属Cr量をg/m2 で表示、化成処理A:シリカ量を
g/m2 で表示。これらを電気機材用鋼板としての性能
を評価した。このときの評価方法は下に記述した方法に
よった。めっき条件と性能評価結果を表3に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】(1)Pbフリーはんだ性 5×25mmの短冊状に鋼板をせん断し、温度105
℃、湿度100%RH飽和の条件下で8時間のエージン
グを行い、短辺側を25質量%ロジン−メタノールフラ
ックスに浸漬した後、直ちに245℃のSn−3.5質
量%Agはんだ浴に2mm/secの浸漬速度で2mm
浸漬し、応力値が0になるまでの時間(ゼロクロスタイ
ム)を測定した。測定にははんだメニスカスの時間経過
を記録する装置を使用した。 [評価基準] ○:3秒以内 ×:3秒超
℃、湿度100%RH飽和の条件下で8時間のエージン
グを行い、短辺側を25質量%ロジン−メタノールフラ
ックスに浸漬した後、直ちに245℃のSn−3.5質
量%Agはんだ浴に2mm/secの浸漬速度で2mm
浸漬し、応力値が0になるまでの時間(ゼロクロスタイ
ム)を測定した。測定にははんだメニスカスの時間経過
を記録する装置を使用した。 [評価基準] ○:3秒以内 ×:3秒超
【0024】(2)耐ホイスカー性 OT曲げ加工および100φ、30mm深さの円筒絞り
加工を行った後、試料を60℃、RH90%の条件で湿
気槽試験を3ケ月間行った。その後、平面部、曲げ部、
円筒側壁部でホイスカーの発生を電子顕微鏡(1000
倍)により観察した。 〔評価基準〕 ○;ホイスカー発生なし ×:ホイスカー発生
加工を行った後、試料を60℃、RH90%の条件で湿
気槽試験を3ケ月間行った。その後、平面部、曲げ部、
円筒側壁部でホイスカーの発生を電子顕微鏡(1000
倍)により観察した。 〔評価基準〕 ○;ホイスカー発生なし ×:ホイスカー発生
【0025】(3)耐食性 70×150mmの試料に、JIS Z2371に記載
の塩水噴霧試験を行い、赤錆発生状況を評価した。試験
サイクルは塩水噴霧試験8時間の後、16時間休止させ
更に8時間の塩水噴霧試験を行った。 〔評価基準〕 ○;赤錆発生なし ×:赤錆発生 めっき層にAgが含有されていないあるいは少ないと耐
ホイスカー性に劣り(比較例13,14)、また、逆に
過剰であっても濡れ性が劣る(比較例15)。めっきの
付着量が少ないと耐食性に劣る(比較例16,17)。
本発明例では、いずれも良好な結果を示した。
の塩水噴霧試験を行い、赤錆発生状況を評価した。試験
サイクルは塩水噴霧試験8時間の後、16時間休止させ
更に8時間の塩水噴霧試験を行った。 〔評価基準〕 ○;赤錆発生なし ×:赤錆発生 めっき層にAgが含有されていないあるいは少ないと耐
ホイスカー性に劣り(比較例13,14)、また、逆に
過剰であっても濡れ性が劣る(比較例15)。めっきの
付着量が少ないと耐食性に劣る(比較例16,17)。
本発明例では、いずれも良好な結果を示した。
【0026】(実施例2)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Biめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Biの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Biめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Biの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0027】(実施例3)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Cuめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Cuの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Cuめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Cuの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0028】(実施例4)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Znめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Znの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Znめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Znの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0029】(実施例5)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Inめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Inの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Inめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Inの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0030】(実施例6)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.0%Ag−1.0%Bi−0.
5%Cuめっきを行った。フラックス法はZnCl2 水
溶液をロール塗布して使用した。浴温は280℃とし、
めっき後エアワイピングにより付着量を調整した。これ
らのめっき鋼板には実施例1の表2のα後処理皮膜を
0.02g/m2 施した。こうして製造した鋼板を電気
材料部材としての性能を評価した。このときの評価方法
も実施例1のそれと同じである。評価結果は、いずれの
めっきでも良好な結果を示した。
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.0%Ag−1.0%Bi−0.
5%Cuめっきを行った。フラックス法はZnCl2 水
溶液をロール塗布して使用した。浴温は280℃とし、
めっき後エアワイピングにより付着量を調整した。これ
らのめっき鋼板には実施例1の表2のα後処理皮膜を
0.02g/m2 施した。こうして製造した鋼板を電気
材料部材としての性能を評価した。このときの評価方法
も実施例1のそれと同じである。評価結果は、いずれの
めっきでも良好な結果を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明は、電気部材に要求されるPbフ
リーはんだ性、耐ホイスカー性という特性をバランス良
く満たし、かつPbを使用しない材料を提供するもので
ある。本発明により人体に悪影響を及ぼしうる要因を排
除することが可能となり産業上の寄与は大きい。
リーはんだ性、耐ホイスカー性という特性をバランス良
く満たし、かつPbを使用しない材料を提供するもので
ある。本発明により人体に悪影響を及ぼしうる要因を排
除することが可能となり産業上の寄与は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布田 雅裕 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AB01 BA03 BB09 BC01 GA01 4K026 AA02 AA13 AA22 BA02 BA06 4K027 AA05 AA22 AB12 AB46 AC03 AC52
Claims (7)
- 【請求項1】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有
し、該めっき層の組成が質量%でSnに加えてAgを
0.1〜5質量%を含有し、残部がSnと不可避的不純
物であり、かつめっき付着量が片面当たり15〜100
g/m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっ
き鋼板。 - 【請求項2】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有
し、該めっき層が質量%で95〜99.9%のSnを含
有し、かつめっき付着量が片面当たり15〜100g/
m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっき鋼
板。 - 【請求項3】 5×25mmの短冊状に鋼板をせん断
し、温度105℃、湿度100%RH飽和の条件下で8
時間のエージングを行い、短辺側を25質量%ロジン−
メタノールフラックスに浸漬した後、直ちに245℃の
Sn−3.5質量%Agはんだ浴に2mm/secの浸
漬速度で2mm浸漬したときに、応力値が0になるまで
の時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下であることを特
徴とする請求項1または2に記載の溶融Sn−Ag系め
っき鋼板。 - 【請求項4】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層に加
え、Cu、Bi、Zn、Inの1種類あるいは2種類以
上を総量で0.01〜5質量%を添加することを特徴と
する請求項1〜3に記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼
板。 - 【請求項5】 Sn−Ag系めっき層、鋼板界面に、N
i、Fe、Co、またはその化合物よりなる層を有する
ことを特徴とする請求項1〜4に記載の溶融Sn−Ag
系めっき鋼板。 - 【請求項6】 最表面に、Cr、Si、Pの1種類ある
いは2種類以上を含有する化成処理皮膜を有することを
特徴とする請求項1〜5に記載の溶融Sn−Ag系めっ
き鋼板。 - 【請求項7】 用途が電気部材用であることを特徴とす
る請求項1〜6記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005451A JP2002212700A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005451A JP2002212700A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002212700A true JP2002212700A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18873496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001005451A Withdrawn JP2002212700A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002212700A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7147933B2 (en) | 2001-08-14 | 2006-12-12 | Snag, Llc | Tin-silver coatings |
CN113061827A (zh) * | 2021-02-25 | 2021-07-02 | 宁波博威合金板带有限公司 | 一种热浸镀锡银合金涂层及其制备方法和应用 |
-
2001
- 2001-01-12 JP JP2001005451A patent/JP2002212700A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7147933B2 (en) | 2001-08-14 | 2006-12-12 | Snag, Llc | Tin-silver coatings |
CN113061827A (zh) * | 2021-02-25 | 2021-07-02 | 宁波博威合金板带有限公司 | 一种热浸镀锡银合金涂层及其制备方法和应用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080401 |