JP2002212700A - 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 - Google Patents

溶融Sn−Ag系めっき鋼板

Info

Publication number
JP2002212700A
JP2002212700A JP2001005451A JP2001005451A JP2002212700A JP 2002212700 A JP2002212700 A JP 2002212700A JP 2001005451 A JP2001005451 A JP 2001005451A JP 2001005451 A JP2001005451 A JP 2001005451A JP 2002212700 A JP2002212700 A JP 2002212700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
plating
plated steel
mass
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001005451A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuto Goto
靖人 後藤
Shinichi Yamaguchi
伸一 山口
Masahiro Fuda
雅裕 布田
Teruaki Isaki
輝明 伊崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001005451A priority Critical patent/JP2002212700A/ja
Publication of JP2002212700A publication Critical patent/JP2002212700A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbフリーはんだ性、耐ホイスカー性を兼備
し、Pbを使用することのない電気部材用溶融めっき鋼
板を提供する。 【解決手段】 めっき層が0.1〜5質量%Agを含有
し、めっき付着量が片面当たり15〜100g/m2
あることを特徴とする電気部材用溶融Sn−Ag系めっ
き鋼板。更に、エージング後のPbフリーはんだ3秒以
下であること、Cu、Bi、Zn、Inの1種類あるい
は2種類以上を総量で0.01〜5質量%を更に有する
こと、メッキ鋼板界面に、鉄族系合金層を有する、ある
いは最表層に化成処理皮膜を有してもよい。 【効果】 該めっき鋼板は、Pbを使用しない電気部材
用表面処理鋼板として好適な特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたPbフリー
はんだ性、耐ホイスカー(Whisker)性を有し、
またPbを使用しない主として電気部材用に用いられる
溶融めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報化の進展、電子機器の進歩は
目覚ましく、電子機器の需要は増大傾向にある。これら
の部材として使用される鋼板に要求される重要な特性と
してはんだ性がある。これまで、はんだ性に優れる表面
処理鋼板としては、Pb−Snめっき鋼板、電気Snめ
っき鋼板等が使用されてきた。また、はんだとしてもこ
れまではPb−Sn系のものが多量に使用されてきた。
しかし周知のように、Pbは人体に対して毒性があり、
環境に負担がかかる物質としてその使用が抑制される傾
向にある。
【0003】このような流れから、Pbフリー表面処理
鋼板に対する要求が高まりつつある。その候補材として
電気Snめっき鋼板があるが、昔から電気Snめっき鋼
板にはホイスカー(Whisker)と呼ばれる針状の
Sn単結晶が生成し、回路の短絡を生じるという欠点が
知られている。電子部品の小型化により、このホイスカ
ーの問題は最近再びクローズアップされつつある。この
欠点を補うものとして、例えば特開平8−134690
号公報にはんだ性に優れた電気亜鉛めっき鋼板、特開平
2−270970号公報に、Ni−Sn−Znめっき鋼
板、特開2000−119833号公報に溶融Sn−Z
nめっき鋼板が開示されている。しかし、これらの鋼板
は、はんだ性の点で、従来のPb−Sn系のめっき鋼板
に及ばないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、はんだ性の
点でPb−Sn系めっき鋼板と同等で、耐ホイスカー性
を兼備した全く新しい材料を提供することを課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の特
性に及ぼす材料側の要因について、種々検討を加えた。
Pbフリーはんだとしては、現在種々の候補材が出てい
る段階ではあるが、Snを中心とする材料が検討されて
いる。具体的には、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Sn
−Bi系等である。これらPbフリーはんだに対して良
好な濡れ性を有するには、Snを主たるめっき金属とし
て用いる必要がある。しかし、純Snめっきでは耐ホイ
スカー性に劣ることから、ホイスカーの成長を抑制する
ために合金化する必要がある。Sn−Zn合金めっきの
場合はホイスカー性は向上するが、腐食促進試験におい
てZnの腐食生成物がめっき表面を覆うようになるた
め、腐食試験後すなわち高温湿潤な環境下に長期保存さ
れた場合はPbフリーはんだに対して良好な濡れ性を示
さない。Sn−Bi合金めっきの場合はBi自体が大変
脆い金属であるため機械的強度に劣り好ましくない。
【0006】以上の理由から、Sn−Ag系合金がめっ
きのベースとして最良であると見出した。また、Sn−
Ag合金を電気めっきにて析出する場合、SnとAgの
析出電位が離れているため、めっき浴に様々な添加剤を
入れ合金として析出させようという試みはあるものの、
一般に所望の組成に制御するのは困難であり、かつ、電
気めっきであるがゆえにホイスカーの成長の駆動力の一
つと考えられる電着応力を皆無にすることは難しい。そ
の点、Sn−Ag合金めっきを溶融めっきとして得るこ
とは、組成制御の容易さ、電着応力を皆無にするという
点で、電気めっきSn−Ag合金めっきより優れる。こ
のような検討により、本発明を完成させたものである。
そして、本発明の要旨とするところは以下に示すもので
ある。
【0007】(1)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層
を有し、該めっき層の組成が質量%でSnに加えてAg
を0.1〜5質量%を含有し、残部がSnと不可避的不
純物であり、かつめっき付着量が片面当たり15〜10
0g/m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系め
っき鋼板。 (2)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有し、該め
っき層が質量%で95〜99.9%のSnを含有し、か
つめっき付着量が片面当たり15〜100g/m2 であ
ることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっき鋼板。
【0008】(1)5×25mmの短冊状に鋼板をせん
断し、温度105℃、湿度100%RH飽和の条件下で
8時間のエージングを行い、短辺側を25質量%ロジン
−メタノールフラックスに浸漬した後、直ちに245℃
のSn−3.5質量%Agはんだ浴に2mm/secの
浸漬速度で2mm浸漬したときに、応力値が0になるま
での時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下であることを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の溶融Sn−
Ag系めっき鋼板。 (4)鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層に加え、C
u、Bi、Zn、Inの1種類あるいは2種類以上を総
量で0.01〜5質量%を添加することを特徴とする前
記(1)〜(3)に記載の電気部材用溶融Sn−Ag系
めっき鋼板。
【0009】(5)Sn−Ag系めっき層、鋼板界面
に、Ni、Fe、Co、またはその化合物よりなる層を
有することを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の溶
融Sn−Ag系めっき鋼板。 (6)最表面に、Cr、Si、Pの1種類あるいは2種
類以上を含有する化成処理皮膜を有することを特徴とす
る前記(1)〜(5)に記載の溶融Sn−Ag系めっき
鋼板。 (7)用途が電気部材用であることを特徴とする前記
(1)〜(6)記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼板にあ
る。
【0010】次に、本発明を詳細に説明する。まず、め
っき層のSn−Agめっきの限定理由を述べる。Sn−
Agめっき層は、Ag量を0.1〜5質量%とする。こ
れはAg量が0.1質量%未満であると耐ホイスカー性
に劣るためである。一方、5質量%超のAg含有は、耐
ホイスカー性に対する効果が飽和してしまうだけでな
く、Sn−Ag合金めっきの融点が上昇して、はんだ濡
れ性の悪化およびSn−Ag合金めっきの製造上の不都
合を招く。また、高価なAgを過剰に添加することは経
済上の面からも好ましくない。めっき層中のSnの含有
量は、耐食性の観点から95〜99.9%であることが
望ましい。
【0011】本発明におけるAgの組成範囲では、溶融
めっき法が簡便かつ好ましい。電気めっき法ではSnと
Agの析出電位が離れており、一般にAgが優先析出す
る。また、電流密度の変化によりAgの析出量は大きく
変動するため組成を一定に制御することは困難である。
めっきの成分としては、これ以外の微量成分を含有する
ことは本発明の趣旨を損なうものではない。微量成分と
しては、Fe、Ni、Co、Sb等がありうる。
【0012】めっきの付着量としては片面当たり15〜
50g/m2 とする。付着量が15g/m2 未満である
と、当然耐食性も劣る。また、めつき素地を完全に覆っ
てないため、はんだ濡れ性も劣る。付着量が100g/
2 を超えると、特性が飽和するとともに、コスト増大
を招く。より望ましくは50g/m2 以下である。ま
た、めっきの種類としては溶融めっきが望ましい。電気
めっきでは目付量は電気量に比例するため、目付量が増
大するとそれに伴い電気代が上がり経済上好ましくな
い。
【0013】実用上のはんだ付け工程を最も良くシュミ
レートし、その良否指針となるものにゼロクロスタイム
がある。ゼロクロスタイムとは、めっき鋼板をフラック
スに浸漬した後に、特定温度のはんだ浴に特定速度で浸
漬し、濡れ応力値が0になるまでの時間である。このゼ
ロクロスタイムが短いほど、速やかにはんだとめっき鋼
板が濡れることを示しており好ましい。このゼロクロス
タイムはサンプル形状、使用フラックス種、使用はんだ
種、はんだ浴温、浸漬速度、浸漬深さにより変動する。
【0014】そのため本発明においては5×25mmの
短冊状に鋼板をせん断し、温度105℃、湿度100%
RH飽和の条件下で8時間のエージングを行い、短辺側
を25質量%ロジン−メタノールフラックスに浸漬した
後、直ちに245℃のSn−3.5質量%Agはんだ浴
に2mm/secの浸漬速度で2mm浸漬し、応力値が
0になるまでの時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下で
あることを満足する溶融Sn−Ag系めっき鋼板とし
た。エージング処理により一般にめっき鋼板にとって悪
環境といわれる高温多湿での保管状況もシュミレートで
き、より厳格な規定ができる。ゼロクロスタイムをこの
ような範囲にするには、めっき付着量やめっき層中のA
gの量を制御すればよい。
【0015】また、電気部品は熱に対し非常に弱いもの
もあるので、できるだけ少ない入熱で、ある程度低温で
はんだ付けできる方が好ましい。めっき層の融点とはん
だ濡れ性は相関があり、めっき層の融点が低いほどはん
だ濡れ性は良くなる傾向にある。Sn−Agでは3.5
Ag質量%で共晶点が存在するが、その他にもSnと共
晶点を持ち有害性、経済性を考慮するとCu、Bi、Z
n、Inがある。Sn−Agめっきにこれらの元素を特
定量加えると三元、四元の共晶点に近い組成でSn−A
g二元系より更に低い融点を得ることが出来る。
【0016】Cu、Bi、Zn、Inはそれぞれ0.0
1〜5質量%の範囲でSn−Agめっきの特性を損なわ
ずに融点を下げることができる。5質量%超では、Cu
は逆に融点の上昇、Biは融点は更に下がるがめっき層
が脆化し、Znははんだ濡れ性に悪影響を及ぼし、In
は経済上好ましくない。したがって、Cu、Bi、Z
n、Inの添加量は1種類あるいは2種類以上の合計が
0.01〜5質量%になるようにする。
【0017】本発明においては、Sn−Agめっきを溶
融めっきにより施すものである。この際、めっきの濡れ
性を高めるために、Ni、Co、Fe、あるいはその化
合物よりなるプレめっきを施すことも可能である。この
ときにはSn−Ag系めっき層、鋼板界面に、Ni、F
e、Co、またはその化合物よりなる層を有することと
する。その付着量については、特に限定しないが、0.
2〜1.0g/m2 程度が好ましい。更に、Sn−Ag
めっきの表面を化成処理することも可能である。このと
き、Cr、Si、Pの1または2種以上を含有する化成
処理皮膜を有することとする。特に、Crを含有する化
成処理皮膜を施すことで、耐食性が向上する。このとき
の付着量も特に限定しないが、一般にはCr換算で20
mg/m 2 以下程度である。
【0018】使用するめっき原板の組成も特に限定する
ものではない。しかし、高度な加工性を要求される部位
には、加工性に優れたIF鋼の適用が望ましい。加工性
を要求されない用途に対しては、Al−K鋼の適用が望
ましい。また、鋼板の製造方法としては通常の方法によ
るものとする。鋼成分は、例えば転炉−真空脱ガス処理
により調整され溶製され、鋼片は連続鋳造法等で製造さ
れ熱間圧延される。溶融めっき方法として大きくフラッ
クス法とゼンジマー法があるが、どちらの製造法でも製
造可能である。さらに、めっき後の後処理として、クロ
メート等の化成処理以外に、溶融めっき後の外観均一化
処理であるゼロスパングル処理、めっきの改質処理であ
る焼鈍処理、表面状態、材質の調整のための調質圧延等
がありえるが、本発明においては特にこれらを限定せ
ず、適用することも可能である。
【0019】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【実施例】(実施例1)表1に示す成分の鋼を通常の転
炉−真空脱ガスにより溶製し、鋼片とした後、通常の条
件で熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍工程を行い、焼鈍鋼
板(板厚0.6mm)を得た。この鋼板に電気めっき法
でNiめっきを施した。しかる後、フラックス法でSn
−Agめっきを行った。フラックス法はZnCl2 水溶
液をロール塗布して使用し、Agの組成は0〜6%まで
変更した。浴温は280℃とし、めっき後エアワイピン
グにより付着量を調整した。これらの鋼板の一部には後
処理皮膜を施した。後処理の種類と組成を下に示す。な
お、後処理皮膜は全て両面同一処理とし、その付着量の
表示方法は、表2のようにした。クロメート皮膜:金
属Cr量をg/m2 で表示、化成処理A:シリカ量を
g/m2 で表示。これらを電気機材用鋼板としての性能
を評価した。このときの評価方法は下に記述した方法に
よった。めっき条件と性能評価結果を表3に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】(1)Pbフリーはんだ性 5×25mmの短冊状に鋼板をせん断し、温度105
℃、湿度100%RH飽和の条件下で8時間のエージン
グを行い、短辺側を25質量%ロジン−メタノールフラ
ックスに浸漬した後、直ちに245℃のSn−3.5質
量%Agはんだ浴に2mm/secの浸漬速度で2mm
浸漬し、応力値が0になるまでの時間(ゼロクロスタイ
ム)を測定した。測定にははんだメニスカスの時間経過
を記録する装置を使用した。 [評価基準] ○:3秒以内 ×:3秒超
【0024】(2)耐ホイスカー性 OT曲げ加工および100φ、30mm深さの円筒絞り
加工を行った後、試料を60℃、RH90%の条件で湿
気槽試験を3ケ月間行った。その後、平面部、曲げ部、
円筒側壁部でホイスカーの発生を電子顕微鏡(1000
倍)により観察した。 〔評価基準〕 ○;ホイスカー発生なし ×:ホイスカー発生
【0025】(3)耐食性 70×150mmの試料に、JIS Z2371に記載
の塩水噴霧試験を行い、赤錆発生状況を評価した。試験
サイクルは塩水噴霧試験8時間の後、16時間休止させ
更に8時間の塩水噴霧試験を行った。 〔評価基準〕 ○;赤錆発生なし ×:赤錆発生 めっき層にAgが含有されていないあるいは少ないと耐
ホイスカー性に劣り(比較例13,14)、また、逆に
過剰であっても濡れ性が劣る(比較例15)。めっきの
付着量が少ないと耐食性に劣る(比較例16,17)。
本発明例では、いずれも良好な結果を示した。
【0026】(実施例2)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Biめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Biの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0027】(実施例3)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Cuめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Cuの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0028】(実施例4)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Znめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Znの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0029】(実施例5)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.5%Ag−Inめっきを行っ
た。フラックス法はZnCl2 水溶液をロール塗布して
使用し、Inの組成は0.01〜5%まで変更した。浴
温は280℃とし、めっき後エアワイピングにより付着
量を調整した。これらのめっき鋼板には実施例1の表2
のα後処理皮膜を0.02g/m2 施した。こうして製
造した鋼板を電気材料部材としての性能を評価した。こ
のときの評価方法も実施例1のそれと同じである。評価
結果は、いずれのめっき組成でも良好な結果を示した。
【0030】(実施例6)実施例1の表1に示す成分の
焼鈍鋼板(板厚0.6mm)に電気Niめっきして、フ
ラックス法でSn−3.0%Ag−1.0%Bi−0.
5%Cuめっきを行った。フラックス法はZnCl2
溶液をロール塗布して使用した。浴温は280℃とし、
めっき後エアワイピングにより付着量を調整した。これ
らのめっき鋼板には実施例1の表2のα後処理皮膜を
0.02g/m2 施した。こうして製造した鋼板を電気
材料部材としての性能を評価した。このときの評価方法
も実施例1のそれと同じである。評価結果は、いずれの
めっきでも良好な結果を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明は、電気部材に要求されるPbフ
リーはんだ性、耐ホイスカー性という特性をバランス良
く満たし、かつPbを使用しない材料を提供するもので
ある。本発明により人体に悪影響を及ぼしうる要因を排
除することが可能となり産業上の寄与は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布田 雅裕 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AB01 BA03 BB09 BC01 GA01 4K026 AA02 AA13 AA22 BA02 BA06 4K027 AA05 AA22 AB12 AB46 AC03 AC52

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有
    し、該めっき層の組成が質量%でSnに加えてAgを
    0.1〜5質量%を含有し、残部がSnと不可避的不純
    物であり、かつめっき付着量が片面当たり15〜100
    g/m2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっ
    き鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層を有
    し、該めっき層が質量%で95〜99.9%のSnを含
    有し、かつめっき付着量が片面当たり15〜100g/
    2 であることを特徴とする溶融Sn−Ag系めっき鋼
    板。
  3. 【請求項3】 5×25mmの短冊状に鋼板をせん断
    し、温度105℃、湿度100%RH飽和の条件下で8
    時間のエージングを行い、短辺側を25質量%ロジン−
    メタノールフラックスに浸漬した後、直ちに245℃の
    Sn−3.5質量%Agはんだ浴に2mm/secの浸
    漬速度で2mm浸漬したときに、応力値が0になるまで
    の時間(ゼロクロスタイム)が3秒以下であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の溶融Sn−Ag系め
    っき鋼板。
  4. 【請求項4】 鋼板表面に溶融Sn−Agめっき層に加
    え、Cu、Bi、Zn、Inの1種類あるいは2種類以
    上を総量で0.01〜5質量%を添加することを特徴と
    する請求項1〜3に記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼
    板。
  5. 【請求項5】 Sn−Ag系めっき層、鋼板界面に、N
    i、Fe、Co、またはその化合物よりなる層を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4に記載の溶融Sn−Ag
    系めっき鋼板。
  6. 【請求項6】 最表面に、Cr、Si、Pの1種類ある
    いは2種類以上を含有する化成処理皮膜を有することを
    特徴とする請求項1〜5に記載の溶融Sn−Ag系めっ
    き鋼板。
  7. 【請求項7】 用途が電気部材用であることを特徴とす
    る請求項1〜6記載の溶融Sn−Ag系めっき鋼板。
JP2001005451A 2001-01-12 2001-01-12 溶融Sn−Ag系めっき鋼板 Withdrawn JP2002212700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001005451A JP2002212700A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 溶融Sn−Ag系めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001005451A JP2002212700A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 溶融Sn−Ag系めっき鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002212700A true JP2002212700A (ja) 2002-07-31

Family

ID=18873496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001005451A Withdrawn JP2002212700A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 溶融Sn−Ag系めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002212700A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147933B2 (en) 2001-08-14 2006-12-12 Snag, Llc Tin-silver coatings
CN113061827A (zh) * 2021-02-25 2021-07-02 宁波博威合金板带有限公司 一种热浸镀锡银合金涂层及其制备方法和应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147933B2 (en) 2001-08-14 2006-12-12 Snag, Llc Tin-silver coatings
CN113061827A (zh) * 2021-02-25 2021-07-02 宁波博威合金板带有限公司 一种热浸镀锡银合金涂层及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112080746B (zh) 一种锌铝镁镀层钢及其制备方法
JP5556186B2 (ja) 高耐食性溶融亜鉛めっき鋼板
JP2005264188A (ja) 曲げ加工性に優れる溶融Zn−Al系合金めっき鋼材及びその製造方法
JP2754126B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JPH04147955A (ja) 溶融Zn−Mg−Alめっき鋼板及びその製造方法
JP2971459B1 (ja) 電気部材用溶融Sn−Znめっき鋼板
JP2002212700A (ja) 溶融Sn−Ag系めっき鋼板
JP2002173753A (ja) 耐黒変性に優れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板とその製造方法
KR970000190B1 (ko) 아연도금강판의 제조방법
JP2704816B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JPS5817252B2 (ja) 高耐食性合金メッキ鉄鋼製品
JPS61179861A (ja) 高耐食性溶融Zn合金メツキ鋼板
JP2557573B2 (ja) 溶融Znめっき鋼板及びその製造方法
JP2964678B2 (ja) Zn−Al合金めっき方法
JPH08269662A (ja) 亜鉛−錫合金めっき鋼板の製造法
WO2005080635A1 (en) Sn-zn alloy hot dip plated steel sheet
JPH0551715A (ja) 疲労特性に優れた溶融亜鉛アルミニウム合金めつき被覆物
JP2938449B1 (ja) 溶融Sn−Zn系めっき鋼板
JPH0368749A (ja) 亜鉛系溶融めっき鋼板の製造方法
WO2004033745A1 (ja) 耐食性および加工性に優れた溶融Sn−Zn系めっき鋼板
JP3910912B2 (ja) 後処理めっき鋼板
JPH04154950A (ja) Fe‐Zn合金めっき鋼板の製造方法
KR100369216B1 (ko) 내식성과표면외관이우수한용융아연도금강판의제조방법
JP2991877B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JPS6330376B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401