JP2002212260A - 水性ウレタンポリオール及びそれを用いた塗料組成物 - Google Patents
水性ウレタンポリオール及びそれを用いた塗料組成物Info
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Abstract
分子内に親水基をする水性ポリオールの提供、およびこ
れを使用した水性塗料組成物の提供。 【解決手段】 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少な
くとも1種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の
特徴を有するポリイソシアネートを前駆体とする、分子
内にウレタン結合、水酸基および親水基をともに有する
水性ウレタンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下
Description
結合、水酸基および親水基をともに有する水性ウレタン
ポリオールに関する。
から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製
品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料
に使用されるようになってきた。更に、耐候性、耐薬品
性、耐衝撃性等の高度な品質が要求される自動車用1液
性塗料に関する提案も多く、特開昭56−157358
号報、特開昭63−175079号報、特開昭63−1
93968号報等に水性塗料が開示されている。ここで
用いられている硬化剤の多くはアルキルエーテル化メラ
ミン樹脂単独である。アルキルエーテル化メラミン樹脂
などのメラミン系樹脂を硬化剤として形成される塗膜は
硬度、密着性などの優れた物性を有するものの、耐衝撃
性などのかとう性が不足している。
かとう性を付与する提案が多い。ウレタン結合の導入方
法としては、例えば硬化剤に水性化されたブロックポリ
イソシアネートを用いる方法、ウレタンディスパージョ
ンを添加する方法等がある。ブロックポリイソシアネー
トの水性化技術として例えば、特開昭52−59657
号公報ではブロックポリイソシアネートを水性化するた
めに界面活性剤を使用している。特開昭56−1517
53号公報は炭素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエ
チレンオキサイドを使用し、かつポリイソシアネートの
イソシアネート基を重亜硫酸ソーダで封鎖することによ
りブロックポリイソシアネートの水性化を可能にしてい
る。
のポリオキシエチレンを反応させ親水成分の溶出を防
ぎ、高速撹拌機等を用いて水性化する技術が特開昭61
-31422号公報に開示されている。耐熱性のあるイ
ソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートのブロ
ック体を水性化する技術が特開昭62−151419号
公報、特開平2−3465号公報に開示されている。
ソシアネートの一部にポリオキシエチレン基を付加さ
せ、更にポリエチレングリコール、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドの共重合体等の水溶性高分子化
合物を混合している。特開平2−3465号公報はヒド
ロキシカルボン酸により親水性を付与している。この技
術は、ブロックイソシアネート基の解離後、イソシアネ
ート基が再生し、水酸基と反応し、ウレタン結合を形成
する。これまでのブロックポリイソシアネートはメラミ
ン系硬化剤と比べ低温硬化性に劣る場合があった。
しては、特開平10−183060号公報等がある。一
般にウレタンディスパージョンは官能基を持たないので
架橋構造に組み込まれないため、これを使用した塗膜は
耐水性などが劣る場合があった。一方で、ウレタン結合
と水酸基とを共に有するウレタンポリオールの提案もあ
る。ウレタンポリオールは主剤としての活用であり、
(ブロック)ポリイソシアネート、メラミン系硬化剤な
どの硬化化剤と組み合わせることにより、多様な対応が
可能になる。ここで、(ブロック)ポリイソシアネート
とはブロックポリイソシアネートまたはポリイソシアネ
ートをいう。
−96662号公報、特開昭60−96663号公報で
は、有機ポリイソシアネートとポリエステルポリールか
ら得られたポリエステル−ポリウレタンポリオールが、
特開平3−149215号公報、特開昭3−14927
2号公報では、2〜5官能性ポリイソシアネートとジオ
ールから得られるウレタンポリオールが、特開昭4−2
2776号公報では、2〜5官能性ポリイソシアネート
と対称な1,3−ジオールから得られるウレタンポリオ
ールが挙げられる。しかしながら、これらはすべて親水
基を持たない非水系であり、地球環境を考慮した水性の
ウレタンポリオールの出現が望まれていた。
グ性などのかとう性を付与できる水性ウレタンポリオー
ルを提供することにある。
した結果、前記課題を達成し、本発明に到達した。即
ち、本発明は、下記の通り。 1. 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少なくとも1
種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の特徴を有
するポリイソシアネートを前駆体とする、分子内にウレ
タン結合、水酸基および親水基をともに有する水性ウレ
タンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下
誘導される1.記載の水性ウレタンポリオール。 3. ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数が
5.5〜20である1.または2.記載の水性ウレタン
ポリオール。 4. ポリイソシアネートが脂肪族、脂環族ジイソシア
ネートの少なくとも1種以上とポリオールの少なくとも
1種以上から誘導される1.から3.のいずれかに記載
の水性ウレタンポリオール。 5 1.、2.、3.または4.のいずれかに記載の水
性ウレタンポリオールを含む水性塗料組成物。 6. (ブロック)ポリイソシアネート、メラミン系硬
化剤から選ばれる少なくとも1種以上を含む5.記載の
塗料組成物。
の水性ウレタンポリオールの前駆体となるポリイソシア
ネートを構成する脂肪族ジイソシアネートとしては、炭
素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとして
は炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメ
チレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−
1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−
1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシア
ナートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来
る。
ら、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIとい
う)、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIとい
う)が好ましく、単独で使用しても、併用しても良い。
上記ジイソシアネートはオリゴマー化されポリイソシア
ネートとなる。このポリイソシアネートは例えば、ビウ
レット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレト
ジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキ
サジアジントリオン結合等を形成することにより製造さ
れる。
であるポリイソシアネートの原料として前記ジイソシア
ネートに加え、ポリオールを用いることができる。その
ポリオールとしては、低分子量ポリオールと高分子量ポ
リオールがある。低分子量ポリオールとしてはジオール
類、トリオール類、テトラオール類などがある。ジオー
ル類としては例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5
−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタン
ジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オ
クタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4
−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオールなどがあり、トリオール類と
しては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパンな
どがあり、テトラオール類としては、例えばペンタエリ
トリトールなどがある。
ポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオ
ールなどがある。ポリエステルポリオールとしては、例
えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独
または混合物と、前記の低分子量ポリオールの単独また
は混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポ
リオール、及び例えばε−カプロラクトンを低分子量ポ
リオールで開環重合して得られるようなポリカプロラク
トン類等が挙げられる。
ジイソシアネート、脂肪族、脂環族ジイソシアネートま
たはこれらから得られるポリイソシアネートで変成する
ことができる。この場合、特に脂肪族、脂環族ジイソシ
アネートまたはこれらから得られるポリイソシアネート
が耐候性、耐黄変性などから好ましい。ポリエーテルポ
リオール類としては、低分子量ポリオールの単独または
混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなど
の水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩
基性触媒、金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸
亜鉛錯体などの複合金属シアン化合物錯体などを使用し
て、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレン
オキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混
合物を多価ヒドロキシ化合物にランダムあるいはブロッ
ク付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエ
チレンジアミン類等のポリアミン化合物にアルキレンオ
キサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール
類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルア
ミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオー
ル類等が含まれる。
加え 例えばジグリセリン、ジトリメチロールプロパ
ン、、ジペンタエリスリトールなど 例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−ア
ラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトー
ル、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖
アルコール系化合物 例えばアラビノース、リボース、キシロース、グル
コース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソ
ルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単
糖類、 例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビ
オース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース
などの二糖類、 例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトー
スなどの三糖類 たとえはスタキオースなどの四糖類 などがある。
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル
等の活性水素を持つアクリル酸エステル、またはグリセ
リンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モ
ノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノ
エステルあるいはメタクリル酸モノエステルの群から選
ばれた単独または混合物と、
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒド
ロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素
を持つメタクリル酸エステル、またはメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等
のメタクリル酸エステルの群から選ばれた単独または混
合物を用い、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、ス
チレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマーの群
から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存
在下において重合させて得られるアクリルポリオールが
挙げられる。
応させ、ポリイソシアネートの1例が得られる。ジイソ
シアネートとポリオールはイソシアネート基/水酸基の
当量比は得られるポリイソシアネートの粘度の観点から
5/1以上が好ましく、生産性の観点から50/1以下
が好ましい。より好ましくは5/1〜20/1である。
反応温度は反応性の観点から50℃以上が好ましく、副
反応抑制の観点から200℃以下が好ましい。より好ま
しくは50〜150℃である。反応に際して、錫、亜
鉛、鉛等の有機金属塩及び3級、4級アミン系化合物、
ナトリウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒
として用いてもよい。
べてが反応する前後または同時に、イソシアヌレート化
反応、アロファネート化反応を行うこともでき、その際
に反応触媒を使用することができる。反応終了後、反応
触媒を使用した場合は触媒を失活することが好ましい。
その後、未反応のジイソシアネートを薄膜蒸留器、抽出
などで除去することが好ましい。
に1分子中に存在するイソシアネート基の数(以下イソ
シアネート基平均数と言う)は3.0〜20、好ましく
は5.5〜20、更に好ましくは6〜12である。硬化
性の観点から3.0以上が好ましく、形成された塗膜の
機械的物性の観点から20以下が好ましい。イソシアネ
ート基濃度はウレタンポリオールの水酸基数への影響の
観点から3wt%〜20wt%である。
リオールの水酸基数への影響の観点から3wt%以下、
好ましくは1wt%以下、更に好ましくは0.5wt%
以下である。本発明の水性ウレタンポリオールは親水基
が付加されている。親水基の導入方法としては、例え
ば、得られたポリイソシアネートに親水基を付与する。
前記親水基としては例えば、カルボキシル基、スルホン
酸基、リン酸基などアニオン性、アミノ基などのカチオ
ン性基のイオン性基、ポリエチレンオキサイドのような
のノニオン性基などがある。これらの官能基を有する化
合物はイソシアネート基と反応する活性水素もまた有す
る。具体的には、イオン性基を有する化合物としては、
オキシ酸としてカルボキシル基を有する、グリコール
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草
酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチ
ロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等があり、
スルホン酸基を有するものとしては例えばイセチオン酸
などがあり、メルカプトカルボン酸としては例えばメル
カプト酢酸などがある。
ばポリエチレンオキサイドがある。ポリエチレンオキサ
イドは、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等
のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得ら
れ、プロピレンオキサイドを含んでも良い。エチレンオ
キサイド含有量は50wt%以上が好ましく、数平均分
子量は200〜2,000が好ましい。上記の親水基と
活性水素をともに含む化合物と前記ポリイソシアネート
を反応させる。この反応は、溶剤を用いて行うこともで
きる。この場合に使用する溶剤は、イソシアネート基に
対して不活性であることが好ましい。反応温度は、40
〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃
である。必要に応じてジブチル錫ジラウレート等の錫化
合物等の塩基性化合物を反応触媒に使用しても良い。
割合は1〜50当量%が好ましく、より好ましくは4〜
40当量%である。50当量%を越えると、これを用い
て得られる塗膜の耐水性などが劣る場合がある。更に水
分散性の向上などの目的に応じて、ノニオン系、アニオ
ン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することがで
きる。具体的な前記界面活性剤としては、例えばポリエ
チレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等の
ノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキル
リン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキル
ベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホ
ン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤がある。
イソシアネートとポリオールを反応し、本発明の水性ウ
レタンポリオールを得ることができる。また、ポリイソ
シアネートとポリオールを反応させた後、または同時に
親水基を付与することもできる。なお、本発明でいう水
性ウレタンポリオールとは、水を含む媒体中に分散、溶
解し得るウレタンポリオールである。
以上有する化合物が好ましく、ジオール類、トリオール
類などがあり、ジオール類としては例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プ
ロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタン
ジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オ
クタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4
−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオールなどがあり、トリオール類と
しては、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙
げられる。
しいポリオールはジオールであり、1級水酸基と2級水
酸基を併せ持つジオールが特に好ましい。場合により前
記ポリイソシアネートにモノアルコールを付加してもよ
い。このモノアルコールとしては例えばメタノール、エ
タノール、ブタノール、プロパノール、オクタノールな
どが挙げられる。
応でイソシアネート基/水酸基の当量比は1未満が好ま
しく、粘度の観点から1/2以下がより好ましく、塗膜
物性の観点から1/20以上がより好ましい。特に好ま
しくは、1/2〜1/10である。本発明のウレタンポ
リオールは統計的1分子当たりのウレタン結合数は3以
上が好ましく、より好ましくは5.5以上、更に好まし
くは6以上であり、50以下が好ましい。水酸基数は3
以上が好ましく、より好ましくは5.5以上、更に好ま
しくは6以上であり、50以下が好ましい。
る。この場合はイソシアネート基に対して不活性な溶剤
を用いるのが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエス
テル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤などがあ
る。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
オールに加えポリオールの水酸基と反応する官能基を有
する硬化剤を含む。硬化剤としては、例えば2液性の常
温硬化の可能なポリイソシアネート、1液性の熱硬化型
の例えば、ブロックポリイソシアネート、メラミン系硬
化剤、等がある。ここで使用するポリイソシアネートは
1分子中にイソシアネート基を2〜20個有し、例え
ば、ビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結
合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート
結合、オキサジアジントリオン結合等を形成することに
より製造されたジイソシアネートの2〜20量体のオリ
ゴマーが好ましい。
トは、例えば、水、t−ブタノール、尿素などのいわゆ
るビウレット化剤とジイソシアネートをビウレット化剤
/ジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が約1
/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシア
ネートを除去精製し得られる。その具体例としては特開
昭53−106797号公報、特開昭55−11452
号公報、特開昭59−95259号公報などがある。
アネートは、例えば触媒などにより環状3量化反応を行
い、転化率が約5〜約80wt%になった時に反応を停
止し、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られ
る。この際に、1〜6価のアルコール化合物を併用する
ことができる。その具体例としては、特開昭55−38
380号公報、特開昭57−78460号公報、特開昭
57−47321号公報、特開昭61−111371号
公報、特開昭64−33115号公報、特開平2−25
0872号公報、特開平6−312969号公報等があ
る。
は、例えばトリメチロールプロパンなどの2〜6価のポ
リオールとジイソシアネートをポリオールの水酸基/ジ
イソシアネートのイソシアネート基の当量比が約1/2
〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネー
トを除去精製し得られる。ブロックポリイソシアネート
とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロッ
ク剤により封鎖し、得られる化合物である。
ール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メ
チレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イ
ミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド
系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロッ
ク化剤の例を下記に示す。 (1) メタノール、エタノール、2−プロパノール、
n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1
−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカ
シエタノール、2−ブトキシエタノールなどのアルコー
ル類
数4以上のアルキル基を置換基として有するモノまたは
ジアルキルフェノール類であって、例えばn−プロピル
フェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェ
ノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノ
ール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノ
ール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピル
フェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピル
クレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチ
ルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n
−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノ
ール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノ
ール類
ゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒ
ドロキシ安息香酸エステル等 (4) 活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸
ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ
チルアセトン等 (5) メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシ
ルメルカプタン等 (6) 酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε
−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラ
クタム等 (7) 酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミ
ド等 (8) イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール等
ン尿素等 (10) オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセト
アルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム等 (11) アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カ
ルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、イソプロピルエチルアミン等 (12) イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイ
ミン等 (13) ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラ
ゾール、3,5−ジメチルピラゾール等 がある。
キシム系、酸アミド系、活性メチレン系から選ばれる少
なくとも1種である。ポリイソシアネートとブロック剤
とのブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わらず行う
ことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に
対して不活性な溶剤を用いるのが好ましい。ブロック化
反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩または3級
アミン系化合物、ナトリウムなどのアルカリ金属のアル
コラート等を触媒として用いてもよい。
が好ましく、副反応抑制の観点から150℃以下で行う
ことが好ましい。より好ましくは30〜100℃であ
る。本発明に用いることができるメラミン系硬化剤は、
例えばメラミンにアルキルエーテル基を付加して得られ
る。この付加方法としては、メラミンとホルムアルデヒ
ドをアルカリ条件下で反応させメチロール化した後、酸
性条件下アルコールと反応させアルキルエーテル化する
方法またはメラミン、ホルムアルデヒド、アルコールを
酸性条件下反応させアルキルエーテル化する方法があ
る。
有するが、この活性水素をメチロール基に変換する場
合、メラミンとホルマリンのモル比、反応液のPH等に
より、メチロール化度が決定される。アルキルエーテル
化に用いるアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノールなどの1価アルコールがあ
り、2種以上を併用しても良い。
しては、例えば、メトキシ、ブトキシ基などの完全アル
キル化エーテル化メラミン、メチロール型メチル化、ブ
チル化メラミン、イミノ型メチル化メラミン、イミノ型
ブチル化メラミンなどがある。前記のウレタンポリオー
ルと硬化剤の配合比は、目的とする塗膜性能により異な
るが、(ブロック)ポリイソシアネートの場合は水酸基
/イソシアネート基の当量比が5/1〜1/5が好まし
く、より好ましくは3/1〜1/3、更に好ましくは2
/1〜1/2である。ブロックポリイソシアネートとメ
ラミン系硬化剤を併用することもできる。
用することができる。これらのポリオールとしては例え
ば、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオー
ル類、アクリルポリオール類、脂肪族炭化水素ポリオー
ル類、エポキシポリオール類、フッ素ポリオール類、塩
素化ポリオール類などが挙げられる。ポリエステルポリ
ール類、ポリエーテルポリオール類、アクリルポリオー
ル類としては、前記のポリオール類が挙げられる。
えば末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物が挙
げられる。エポキシポリオール類としては、例えばビス
フェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノール
AD型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラッ
ク型、環状脂肪族エポキシ型、グリシジルエステル型、
グリシジルアミン型、複素環型などがあり、グリシジル
基とアミンを反応させることにより水酸基を付加しても
良い。この場合のアミンとしては、第1アミンである例
えばn−プロピルアミン、イソブチルアミンなど、第2
アミンである例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、
第3アミンである例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミンなど、アミノアルコールである例えば2−アミノ
エタノール、2,2’−イミノジエタノールなどが挙げ
られる。
素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−341
07号公報、特開昭61−275311号公報で開示さ
れているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビ
ニルエステル等の共重合体がある。塩素化ポリオールと
しては、分子内に塩素および水酸基を有するポリオール
であり、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、
ポリエチレンなどを触媒の存在下または紫外線の照射
下、塩素ガスを吹き込んで反応させて得ることができ
る。
ポリール、ポリエステルポリオールである。本発明のウ
レタンポリオール及び塗料組成物に硬化促進剤を添加す
ることができる。硬化剤が(ブロック)ポリイソシアネ
ートの場合は、主に塩基性化合物が用いられる。その具
体例は、例えば、トリエチルアミン、1,4−ジアザビ
シクロオクタンなどのアミン化合物、ジブチル錫ジラウ
レート、ナフテン酸亜鉛などの金属カルボン酸塩などが
ある。
酸性化合物が用いられる。その具体例は、カルボン酸類
として例えば、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレ
イン酸、デカン次カルボン酸などがあり、スルホン酸類
としては、例えばパラトルエンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸な
どがあり、
ルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホス
フェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフ
ェート、モノエチルホスフェート、モノエチルホスフェ
ート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェ
ートなどの酸性リン酸エステル、ジエチルホスファイ
ト、ジブチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、
ジラウリルホスファイト、モノエチルホスファイト、モ
ノブチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モ
ノラウリルホスファイトなどがある。
せることができる。そのアミン化合物としては、例えば
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n
−ブチルアミン、ジn−ブチルアミンなどのアルキルア
ミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミンなどのアルカノールアミンなどがある。
これら硬化促進剤は配合される塗料樹脂分に対して、
0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%であ
る。
剤を用いることができる。溶剤としては例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソ
ルブなどのエステル類、ブタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール類、などの群から目的及び用途
に応じて適宜選択して使用することができる。これらの
溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
ンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えばベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば酸化チタン、
カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマ
イカ等、金属粉顔料例えばアルミ等、レオロジーコント
ロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合
物等を添加してもよい。この様に調整された塗料組成物
はロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静
電塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及び
プラスチック、無機材料などの素材にプライマーまたは
上中塗りとして、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自
動車塗装における水性トップクリアコート、水性ベース
コート、水性中塗りなどに美粧性、耐候性、耐酸性、防
錆性、耐チッピング性などを付与するために有用であ
る。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、
表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定される
ものではない。部はすべて質量部である。 (数平均分子量の測定)数平均分子量は下記の装置を用
いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPC
という)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量で
ある。 装置:東ソー(株)HLC−802A キャリアー:テトラハイドロフラン 検出方法:示差屈折計
得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えば
HDIであれば168)のピークの濃度をその面積%で
表した。 (粘度の測定)E型粘度計(トキメック社製VISCO
NIC ED型)を用いて、25℃で測定した。 (耐衝撃性評価)撃心1.27cm、荷重500g、高
さ50cmとしたデュポン式耐衝撃試験器を用いて塗膜
温度25℃で評価した。塗膜に異常が認められた場合を
×、認められない場合を○とした。
0℃、24時間浸漬後、未溶解部分質量の浸漬前質量に
対する値を計算し、80%未満の場合は×、80%以上
90%未満の場合は○、90%以上の場合は◎で表し
た。
温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ
口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、6
価ポリエーテルポリオール(旭電化の商品名「アデカポ
リエーテルポリオールSP−600」数平均分子量61
0)49部(イソシアネート基/水酸基の当量比15/
1)を仕込み、撹拌下反応器内温度を160℃で9時間
保持した。反応液温度を下げ、薄膜蒸留器で未反応ジイ
ソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネート
の数平均分子量は1940、イソシアネート基濃度は1
6.9wt%、粘度は6200mPa・s/25℃、未
反応モノマー濃度0.3wt%であった。イソシアネー
ト基平均数は7.8であった。
応時間にした以外は製造例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
度計、環流冷却管、滴下ロート、窒素吹き込み管を取り
付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、メチルイソ
ブチルケトン95部を仕込み、115℃に昇温する。ア
クリルモノマー(スチレン/メタアルリル酸メチル/ア
クリル酸n−ブチル/アクリル酸/2−ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート=10/40/30/7/27(質
量部)にアゾイソブチロニトリル1.1gを溶解し、反
応器に3Hrかけて滴下した。30分後、アゾイソブチ
ロニトリル1.1gをメチルイソブチルケトン(以下M
IBKと言う)131gに溶解し、その溶液を1Hrか
けて滴下した。得られたアクリルポリオールは固形分3
4%、樹脂分水酸基価102mgKOH/g、樹脂分酸
価48mgKOH/gであった。更に酸価と当量のジメ
チルエタノールアミンを添加し、カルボキシル基を中和
した。
例1と同様な装置を用いて、製造例1で得られたポリイ
ソシアネート500部、メトキシポリエチレングリコー
ル(日本油脂の商標「ユニオックスM550」)332
部、MIBK386部、ジブチル錫ジラウレート(以下
DBTDLと言う)0.025部を仕込み、80℃で1
Hr保持した。更に、1,3−ブタンジオール380部
を添加し、80℃で1Hr保持した。その後反応液の赤
外スペクトル測定により、イソシアネート基の吸収が消
失していたことを確認した。
表2に示した条件で実施例1と同様に行った。
組成物)実施例1のウレタンポリオール40部(樹脂分
24部)、製造例4のアクリルポリオール200部(樹
脂分68部)、メラミン系硬化剤サイメル300(三井
サイアナミドの商品名)12部、硬化促進剤 キャタリ
スト4050(三井サイアナミドの商品名)0.6部を
混合し、更にイオン交換水268部を添加し、固形分2
0wt%の水性塗料を調整した。この塗料を鋼板及びポ
リプロピレン板にアプリケーター塗装をした。室温で3
0分セッティング後、140℃のオーブン内で30分焼
き付けた。塗膜の形成された鋼板で耐衝撃性評価を行っ
た結果○であった。ポリプロピレン板上に焼き付けられ
た塗膜のゲル分率を測定した結果◎であった。
行った。結果を表3に示す。
用いることなく実施例4と同様に行った。結果を表3に
示す。
性、かとう性、硬化性良好な水性塗料組成物を提供する
ことができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少な
くとも1種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の
特徴を有するポリイソシアネートを前駆体とする、分子
内にウレタン結合、水酸基および親水基をともに有する
水性ウレタンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下 - 【請求項2】 ポリイソシアネートとジオールから誘導
される請求項1記載の水性ウレタンポリオール。 - 【請求項3】 ポリイソシアネートのイソシアネート基
平均数が5.5〜20である請求項1または2記載の水
性ウレタンポリオール。 - 【請求項4】 ポリイソシアネートが脂肪族、脂環族ジ
イソシアネートの少なくとも1種以上とポリオールの少
なくとも1種以上から誘導される請求項1から3のいず
れかに記載の水性ウレタンポリオール。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4のいずれかに
記載の水性ウレタンポリオールを含む水性塗料組成物。 - 【請求項6】 (ブロック)ポリイソシアネート、メラ
ミン系硬化剤から選ばれる少なくとも1種以上を含む請
求項5記載の塗料組成物。
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JP2005048116A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Aisin Chem Co Ltd | 耐チッピング塗料及び耐チッピング塗膜 |
JP2018062595A (ja) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 粘着剤および粘着シート |
-
2001
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