JP2002212260A - 水性ウレタンポリオール及びそれを用いた塗料組成物 - Google Patents

水性ウレタンポリオール及びそれを用いた塗料組成物

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JP2002212260A
JP2002212260A JP2001004214A JP2001004214A JP2002212260A JP 2002212260 A JP2002212260 A JP 2002212260A JP 2001004214 A JP2001004214 A JP 2001004214A JP 2001004214 A JP2001004214 A JP 2001004214A JP 2002212260 A JP2002212260 A JP 2002212260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かとう性、耐候性に優れたウレタン結合及び
分子内に親水基をする水性ポリオールの提供、およびこ
れを使用した水性塗料組成物の提供。 【解決手段】 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少な
くとも1種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の
特徴を有するポリイソシアネートを前駆体とする、分子
内にウレタン結合、水酸基および親水基をともに有する
水性ウレタンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子内にウレタン
結合、水酸基および親水基をともに有する水性ウレタン
ポリオールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境、安全、衛生などの観点
から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製
品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料
に使用されるようになってきた。更に、耐候性、耐薬品
性、耐衝撃性等の高度な品質が要求される自動車用1液
性塗料に関する提案も多く、特開昭56−157358
号報、特開昭63−175079号報、特開昭63−1
93968号報等に水性塗料が開示されている。ここで
用いられている硬化剤の多くはアルキルエーテル化メラ
ミン樹脂単独である。アルキルエーテル化メラミン樹脂
などのメラミン系樹脂を硬化剤として形成される塗膜は
硬度、密着性などの優れた物性を有するものの、耐衝撃
性などのかとう性が不足している。
【0003】そこで、塗膜中にウレタン結合を導入し、
かとう性を付与する提案が多い。ウレタン結合の導入方
法としては、例えば硬化剤に水性化されたブロックポリ
イソシアネートを用いる方法、ウレタンディスパージョ
ンを添加する方法等がある。ブロックポリイソシアネー
トの水性化技術として例えば、特開昭52−59657
号公報ではブロックポリイソシアネートを水性化するた
めに界面活性剤を使用している。特開昭56−1517
53号公報は炭素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエ
チレンオキサイドを使用し、かつポリイソシアネートの
イソシアネート基を重亜硫酸ソーダで封鎖することによ
りブロックポリイソシアネートの水性化を可能にしてい
る。
【0004】ポリイソシアネートに親水性基である特定
のポリオキシエチレンを反応させ親水成分の溶出を防
ぎ、高速撹拌機等を用いて水性化する技術が特開昭61
-31422号公報に開示されている。耐熱性のあるイ
ソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートのブロ
ック体を水性化する技術が特開昭62−151419号
公報、特開平2−3465号公報に開示されている。
【0005】特開昭62−151419号公報はポリイ
ソシアネートの一部にポリオキシエチレン基を付加さ
せ、更にポリエチレングリコール、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドの共重合体等の水溶性高分子化
合物を混合している。特開平2−3465号公報はヒド
ロキシカルボン酸により親水性を付与している。この技
術は、ブロックイソシアネート基の解離後、イソシアネ
ート基が再生し、水酸基と反応し、ウレタン結合を形成
する。これまでのブロックポリイソシアネートはメラミ
ン系硬化剤と比べ低温硬化性に劣る場合があった。
【0006】ウレタンディスパージョンに関する技術と
しては、特開平10−183060号公報等がある。一
般にウレタンディスパージョンは官能基を持たないので
架橋構造に組み込まれないため、これを使用した塗膜は
耐水性などが劣る場合があった。一方で、ウレタン結合
と水酸基とを共に有するウレタンポリオールの提案もあ
る。ウレタンポリオールは主剤としての活用であり、
(ブロック)ポリイソシアネート、メラミン系硬化剤な
どの硬化化剤と組み合わせることにより、多様な対応が
可能になる。ここで、(ブロック)ポリイソシアネート
とはブロックポリイソシアネートまたはポリイソシアネ
ートをいう。
【0007】この提案の例としては、例えば特開昭60
−96662号公報、特開昭60−96663号公報で
は、有機ポリイソシアネートとポリエステルポリールか
ら得られたポリエステル−ポリウレタンポリオールが、
特開平3−149215号公報、特開昭3−14927
2号公報では、2〜5官能性ポリイソシアネートとジオ
ールから得られるウレタンポリオールが、特開昭4−2
2776号公報では、2〜5官能性ポリイソシアネート
と対称な1,3−ジオールから得られるウレタンポリオ
ールが挙げられる。しかしながら、これらはすべて親水
基を持たない非水系であり、地球環境を考慮した水性の
ウレタンポリオールの出現が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐チッピン
グ性などのかとう性を付与できる水性ウレタンポリオー
ルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、前記課題を達成し、本発明に到達した。即
ち、本発明は、下記の通り。 1. 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少なくとも1
種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の特徴を有
するポリイソシアネートを前駆体とする、分子内にウレ
タン結合、水酸基および親水基をともに有する水性ウレ
タンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下
【0010】2. ポリイソシアネートとジオールから
誘導される1.記載の水性ウレタンポリオール。 3. ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数が
5.5〜20である1.または2.記載の水性ウレタン
ポリオール。 4. ポリイソシアネートが脂肪族、脂環族ジイソシア
ネートの少なくとも1種以上とポリオールの少なくとも
1種以上から誘導される1.から3.のいずれかに記載
の水性ウレタンポリオール。 5 1.、2.、3.または4.のいずれかに記載の水
性ウレタンポリオールを含む水性塗料組成物。 6. (ブロック)ポリイソシアネート、メラミン系硬
化剤から選ばれる少なくとも1種以上を含む5.記載の
塗料組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
の水性ウレタンポリオールの前駆体となるポリイソシア
ネートを構成する脂肪族ジイソシアネートとしては、炭
素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとして
は炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメ
チレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−
1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−
1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシア
ナートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来
る。
【0012】なかでも、耐候性、工業的入手の容易さか
ら、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIとい
う)、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIとい
う)が好ましく、単独で使用しても、併用しても良い。
上記ジイソシアネートはオリゴマー化されポリイソシア
ネートとなる。このポリイソシアネートは例えば、ビウ
レット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレト
ジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキ
サジアジントリオン結合等を形成することにより製造さ
れる。
【0013】本発明の水性ウレタンポリオールの前駆体
であるポリイソシアネートの原料として前記ジイソシア
ネートに加え、ポリオールを用いることができる。その
ポリオールとしては、低分子量ポリオールと高分子量ポ
リオールがある。低分子量ポリオールとしてはジオール
類、トリオール類、テトラオール類などがある。ジオー
ル類としては例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5
−ペンタンジオール、
【0014】2−メチル−2,3−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタン
ジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オ
クタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4
−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオールなどがあり、トリオール類と
しては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパンな
どがあり、テトラオール類としては、例えばペンタエリ
トリトールなどがある。
【0015】高分子量ポリオールとしてはポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオ
ールなどがある。ポリエステルポリオールとしては、例
えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独
または混合物と、前記の低分子量ポリオールの単独また
は混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポ
リオール、及び例えばε−カプロラクトンを低分子量ポ
リオールで開環重合して得られるようなポリカプロラク
トン類等が挙げられる。
【0016】これらのポリエステルポリオールは芳香族
ジイソシアネート、脂肪族、脂環族ジイソシアネートま
たはこれらから得られるポリイソシアネートで変成する
ことができる。この場合、特に脂肪族、脂環族ジイソシ
アネートまたはこれらから得られるポリイソシアネート
が耐候性、耐黄変性などから好ましい。ポリエーテルポ
リオール類としては、低分子量ポリオールの単独または
混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなど
の水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩
基性触媒、金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸
亜鉛錯体などの複合金属シアン化合物錯体などを使用し
て、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレン
オキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混
合物を多価ヒドロキシ化合物にランダムあるいはブロッ
ク付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエ
チレンジアミン類等のポリアミン化合物にアルキレンオ
キサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール
類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルア
ミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオー
ル類等が含まれる。
【0017】前記低分子量ポリオールとしては、前記に
加え 例えばジグリセリン、ジトリメチロールプロパ
ン、、ジペンタエリスリトールなど 例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−ア
ラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトー
ル、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖
アルコール系化合物 例えばアラビノース、リボース、キシロース、グル
コース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソ
ルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単
糖類、 例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビ
オース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース
などの二糖類、 例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトー
スなどの三糖類 たとえはスタキオースなどの四糖類 などがある。
【0018】アクリルポリオールとしては、例えば、ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル
等の活性水素を持つアクリル酸エステル、またはグリセ
リンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モ
ノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノ
エステルあるいはメタクリル酸モノエステルの群から選
ばれた単独または混合物と、
【0019】アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒド
ロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素
を持つメタクリル酸エステル、またはメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等
のメタクリル酸エステルの群から選ばれた単独または混
合物を用い、
【0020】アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、ス
チレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマーの群
から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存
在下において重合させて得られるアクリルポリオールが
挙げられる。
【0021】前記のジイソシアネートとポリオールを反
応させ、ポリイソシアネートの1例が得られる。ジイソ
シアネートとポリオールはイソシアネート基/水酸基の
当量比は得られるポリイソシアネートの粘度の観点から
5/1以上が好ましく、生産性の観点から50/1以下
が好ましい。より好ましくは5/1〜20/1である。
反応温度は反応性の観点から50℃以上が好ましく、副
反応抑制の観点から200℃以下が好ましい。より好ま
しくは50〜150℃である。反応に際して、錫、亜
鉛、鉛等の有機金属塩及び3級、4級アミン系化合物、
ナトリウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒
として用いてもよい。
【0022】イソシアネート基と水酸基の1部またはす
べてが反応する前後または同時に、イソシアヌレート化
反応、アロファネート化反応を行うこともでき、その際
に反応触媒を使用することができる。反応終了後、反応
触媒を使用した場合は触媒を失活することが好ましい。
その後、未反応のジイソシアネートを薄膜蒸留器、抽出
などで除去することが好ましい。
【0023】得られたポリイソシアネートの統計平均的
に1分子中に存在するイソシアネート基の数(以下イソ
シアネート基平均数と言う)は3.0〜20、好ましく
は5.5〜20、更に好ましくは6〜12である。硬化
性の観点から3.0以上が好ましく、形成された塗膜の
機械的物性の観点から20以下が好ましい。イソシアネ
ート基濃度はウレタンポリオールの水酸基数への影響の
観点から3wt%〜20wt%である。
【0024】未反応ジイソシアネート濃度はウレタンポ
リオールの水酸基数への影響の観点から3wt%以下、
好ましくは1wt%以下、更に好ましくは0.5wt%
以下である。本発明の水性ウレタンポリオールは親水基
が付加されている。親水基の導入方法としては、例え
ば、得られたポリイソシアネートに親水基を付与する。
前記親水基としては例えば、カルボキシル基、スルホン
酸基、リン酸基などアニオン性、アミノ基などのカチオ
ン性基のイオン性基、ポリエチレンオキサイドのような
のノニオン性基などがある。これらの官能基を有する化
合物はイソシアネート基と反応する活性水素もまた有す
る。具体的には、イオン性基を有する化合物としては、
オキシ酸としてカルボキシル基を有する、グリコール
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草
酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチ
ロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等があり、
スルホン酸基を有するものとしては例えばイセチオン酸
などがあり、メルカプトカルボン酸としては例えばメル
カプト酢酸などがある。
【0025】ノニオン性基を有するものとしては、例え
ばポリエチレンオキサイドがある。ポリエチレンオキサ
イドは、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等
のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得ら
れ、プロピレンオキサイドを含んでも良い。エチレンオ
キサイド含有量は50wt%以上が好ましく、数平均分
子量は200〜2,000が好ましい。上記の親水基と
活性水素をともに含む化合物と前記ポリイソシアネート
を反応させる。この反応は、溶剤を用いて行うこともで
きる。この場合に使用する溶剤は、イソシアネート基に
対して不活性であることが好ましい。反応温度は、40
〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃
である。必要に応じてジブチル錫ジラウレート等の錫化
合物等の塩基性化合物を反応触媒に使用しても良い。
【0026】親水基の全イソシアネート基に対する付加
割合は1〜50当量%が好ましく、より好ましくは4〜
40当量%である。50当量%を越えると、これを用い
て得られる塗膜の耐水性などが劣る場合がある。更に水
分散性の向上などの目的に応じて、ノニオン系、アニオ
ン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することがで
きる。具体的な前記界面活性剤としては、例えばポリエ
チレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等の
ノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキル
リン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキル
ベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホ
ン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤がある。
【0027】この様にして得られた親水基を有するポリ
イソシアネートとポリオールを反応し、本発明の水性ウ
レタンポリオールを得ることができる。また、ポリイソ
シアネートとポリオールを反応させた後、または同時に
親水基を付与することもできる。なお、本発明でいう水
性ウレタンポリオールとは、水を含む媒体中に分散、溶
解し得るウレタンポリオールである。
【0028】前記のポリオールとしては、水酸基を2個
以上有する化合物が好ましく、ジオール類、トリオール
類などがあり、ジオール類としては例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プ
ロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、
【0029】2−メチル−2,3−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタン
ジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オ
クタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4
−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオールなどがあり、トリオール類と
しては、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙
げられる。
【0030】これらは2種以上を併用してもよい。好ま
しいポリオールはジオールであり、1級水酸基と2級水
酸基を併せ持つジオールが特に好ましい。場合により前
記ポリイソシアネートにモノアルコールを付加してもよ
い。このモノアルコールとしては例えばメタノール、エ
タノール、ブタノール、プロパノール、オクタノールな
どが挙げられる。
【0031】ポリイソシアネートとポリアルコールの反
応でイソシアネート基/水酸基の当量比は1未満が好ま
しく、粘度の観点から1/2以下がより好ましく、塗膜
物性の観点から1/20以上がより好ましい。特に好ま
しくは、1/2〜1/10である。本発明のウレタンポ
リオールは統計的1分子当たりのウレタン結合数は3以
上が好ましく、より好ましくは5.5以上、更に好まし
くは6以上であり、50以下が好ましい。水酸基数は3
以上が好ましく、より好ましくは5.5以上、更に好ま
しくは6以上であり、50以下が好ましい。
【0032】前記の反応は溶剤存在下で行うことができ
る。この場合はイソシアネート基に対して不活性な溶剤
を用いるのが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエス
テル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤などがあ
る。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0033】本発明の塗料組成物は、前記ウレタンポリ
オールに加えポリオールの水酸基と反応する官能基を有
する硬化剤を含む。硬化剤としては、例えば2液性の常
温硬化の可能なポリイソシアネート、1液性の熱硬化型
の例えば、ブロックポリイソシアネート、メラミン系硬
化剤、等がある。ここで使用するポリイソシアネートは
1分子中にイソシアネート基を2〜20個有し、例え
ば、ビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結
合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート
結合、オキサジアジントリオン結合等を形成することに
より製造されたジイソシアネートの2〜20量体のオリ
ゴマーが好ましい。
【0034】ビウレット結合を有するポリイソシアネー
トは、例えば、水、t−ブタノール、尿素などのいわゆ
るビウレット化剤とジイソシアネートをビウレット化剤
/ジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が約1
/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシア
ネートを除去精製し得られる。その具体例としては特開
昭53−106797号公報、特開昭55−11452
号公報、特開昭59−95259号公報などがある。
【0035】イソシアヌレート結合を有するポリイソシ
アネートは、例えば触媒などにより環状3量化反応を行
い、転化率が約5〜約80wt%になった時に反応を停
止し、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られ
る。この際に、1〜6価のアルコール化合物を併用する
ことができる。その具体例としては、特開昭55−38
380号公報、特開昭57−78460号公報、特開昭
57−47321号公報、特開昭61−111371号
公報、特開昭64−33115号公報、特開平2−25
0872号公報、特開平6−312969号公報等があ
る。
【0036】ウレタン結合を有するポリイソシアネート
は、例えばトリメチロールプロパンなどの2〜6価のポ
リオールとジイソシアネートをポリオールの水酸基/ジ
イソシアネートのイソシアネート基の当量比が約1/2
〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネー
トを除去精製し得られる。ブロックポリイソシアネート
とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロッ
ク剤により封鎖し、得られる化合物である。
【0037】そのブロック剤としては、例えば、アルコ
ール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メ
チレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イ
ミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド
系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロッ
ク化剤の例を下記に示す。 (1) メタノール、エタノール、2−プロパノール、
n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1
−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカ
シエタノール、2−ブトキシエタノールなどのアルコー
ル類
【0038】(2) アルキルフェノール系;炭素原子
数4以上のアルキル基を置換基として有するモノまたは
ジアルキルフェノール類であって、例えばn−プロピル
フェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェ
ノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノ
ール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノ
ール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピル
フェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピル
クレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチ
ルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n
−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノ
ール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノ
ール類
【0039】(3) フェノール系;フェノール、クレ
ゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒ
ドロキシ安息香酸エステル等 (4) 活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸
ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ
チルアセトン等 (5) メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシ
ルメルカプタン等 (6) 酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε
−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラ
クタム等 (7) 酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミ
ド等 (8) イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール等
【0040】(9) 尿素系;尿素、チオ尿素、エチレ
ン尿素等 (10) オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセト
アルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム等 (11) アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カ
ルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、イソプロピルエチルアミン等 (12) イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイ
ミン等 (13) ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラ
ゾール、3,5−ジメチルピラゾール等 がある。
【0041】好ましいブロック剤は、アルコール系、オ
キシム系、酸アミド系、活性メチレン系から選ばれる少
なくとも1種である。ポリイソシアネートとブロック剤
とのブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わらず行う
ことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に
対して不活性な溶剤を用いるのが好ましい。ブロック化
反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩または3級
アミン系化合物、ナトリウムなどのアルカリ金属のアル
コラート等を触媒として用いてもよい。
【0042】反応は、反応速度の観点から−20℃以上
が好ましく、副反応抑制の観点から150℃以下で行う
ことが好ましい。より好ましくは30〜100℃であ
る。本発明に用いることができるメラミン系硬化剤は、
例えばメラミンにアルキルエーテル基を付加して得られ
る。この付加方法としては、メラミンとホルムアルデヒ
ドをアルカリ条件下で反応させメチロール化した後、酸
性条件下アルコールと反応させアルキルエーテル化する
方法またはメラミン、ホルムアルデヒド、アルコールを
酸性条件下反応させアルキルエーテル化する方法があ
る。
【0043】メラミンは通常6個の活性水素を分子内に
有するが、この活性水素をメチロール基に変換する場
合、メラミンとホルマリンのモル比、反応液のPH等に
より、メチロール化度が決定される。アルキルエーテル
化に用いるアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノールなどの1価アルコールがあ
り、2種以上を併用しても良い。
【0044】この様にして得られたメラミン系硬化剤と
しては、例えば、メトキシ、ブトキシ基などの完全アル
キル化エーテル化メラミン、メチロール型メチル化、ブ
チル化メラミン、イミノ型メチル化メラミン、イミノ型
ブチル化メラミンなどがある。前記のウレタンポリオー
ルと硬化剤の配合比は、目的とする塗膜性能により異な
るが、(ブロック)ポリイソシアネートの場合は水酸基
/イソシアネート基の当量比が5/1〜1/5が好まし
く、より好ましくは3/1〜1/3、更に好ましくは2
/1〜1/2である。ブロックポリイソシアネートとメ
ラミン系硬化剤を併用することもできる。
【0045】また、必要に応じて、各種ポリオールを併
用することができる。これらのポリオールとしては例え
ば、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオー
ル類、アクリルポリオール類、脂肪族炭化水素ポリオー
ル類、エポキシポリオール類、フッ素ポリオール類、塩
素化ポリオール類などが挙げられる。ポリエステルポリ
ール類、ポリエーテルポリオール類、アクリルポリオー
ル類としては、前記のポリオール類が挙げられる。
【0046】脂肪族炭化水素ポリオール類としては、例
えば末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物が挙
げられる。エポキシポリオール類としては、例えばビス
フェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノール
AD型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラッ
ク型、環状脂肪族エポキシ型、グリシジルエステル型、
グリシジルアミン型、複素環型などがあり、グリシジル
基とアミンを反応させることにより水酸基を付加しても
良い。この場合のアミンとしては、第1アミンである例
えばn−プロピルアミン、イソブチルアミンなど、第2
アミンである例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、
第3アミンである例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミンなど、アミノアルコールである例えば2−アミノ
エタノール、2,2’−イミノジエタノールなどが挙げ
られる。
【0047】フッ素ポリオール類としては分子内にフッ
素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−341
07号公報、特開昭61−275311号公報で開示さ
れているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビ
ニルエステル等の共重合体がある。塩素化ポリオールと
しては、分子内に塩素および水酸基を有するポリオール
であり、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、
ポリエチレンなどを触媒の存在下または紫外線の照射
下、塩素ガスを吹き込んで反応させて得ることができ
る。
【0048】併用する好ましいポリオールは、アクリル
ポリール、ポリエステルポリオールである。本発明のウ
レタンポリオール及び塗料組成物に硬化促進剤を添加す
ることができる。硬化剤が(ブロック)ポリイソシアネ
ートの場合は、主に塩基性化合物が用いられる。その具
体例は、例えば、トリエチルアミン、1,4−ジアザビ
シクロオクタンなどのアミン化合物、ジブチル錫ジラウ
レート、ナフテン酸亜鉛などの金属カルボン酸塩などが
ある。
【0049】硬化剤がメラミン系硬化剤の場合は、主に
酸性化合物が用いられる。その具体例は、カルボン酸類
として例えば、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレ
イン酸、デカン次カルボン酸などがあり、スルホン酸類
としては、例えばパラトルエンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸な
どがあり、
【0050】リン酸エステル類としては、例えばジメチ
ルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホス
フェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフ
ェート、モノエチルホスフェート、モノエチルホスフェ
ート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェ
ートなどの酸性リン酸エステル、ジエチルホスファイ
ト、ジブチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、
ジラウリルホスファイト、モノエチルホスファイト、モ
ノブチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モ
ノラウリルホスファイトなどがある。
【0051】これらの酸化合物はアミン化合物と反応さ
せることができる。そのアミン化合物としては、例えば
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n
−ブチルアミン、ジn−ブチルアミンなどのアルキルア
ミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミンなどのアルカノールアミンなどがある。
これら硬化促進剤は配合される塗料樹脂分に対して、
0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%であ
る。
【0052】また、用途、目的に応じて各種溶剤、添加
剤を用いることができる。溶剤としては例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソ
ルブなどのエステル類、ブタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール類、などの群から目的及び用途
に応じて適宜選択して使用することができる。これらの
溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0053】また、必要に応じて、酸化防止剤例えばヒ
ンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えばベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば酸化チタン、
カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマ
イカ等、金属粉顔料例えばアルミ等、レオロジーコント
ロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合
物等を添加してもよい。この様に調整された塗料組成物
はロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静
電塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及び
プラスチック、無機材料などの素材にプライマーまたは
上中塗りとして、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自
動車塗装における水性トップクリアコート、水性ベース
コート、水性中塗りなどに美粧性、耐候性、耐酸性、防
錆性、耐チッピング性などを付与するために有用であ
る。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、
表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
【0054】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳
細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定される
ものではない。部はすべて質量部である。 (数平均分子量の測定)数平均分子量は下記の装置を用
いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPC
という)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量で
ある。 装置:東ソー(株)HLC−802A キャリアー:テトラハイドロフラン 検出方法:示差屈折計
【0055】(未反応モノマー濃度)前記GPC測定で
得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えば
HDIであれば168)のピークの濃度をその面積%で
表した。 (粘度の測定)E型粘度計(トキメック社製VISCO
NIC ED型)を用いて、25℃で測定した。 (耐衝撃性評価)撃心1.27cm、荷重500g、高
さ50cmとしたデュポン式耐衝撃試験器を用いて塗膜
温度25℃で評価した。塗膜に異常が認められた場合を
×、認められない場合を○とした。
【0056】(ゲル分率)硬化塗膜を、アセトン中に2
0℃、24時間浸漬後、未溶解部分質量の浸漬前質量に
対する値を計算し、80%未満の場合は×、80%以上
90%未満の場合は○、90%以上の場合は◎で表し
た。
【0057】
【製造例1】 (ポリイソシアネートの製造)攪拌機、
温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ
口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、6
価ポリエーテルポリオール(旭電化の商品名「アデカポ
リエーテルポリオールSP−600」数平均分子量61
0)49部(イソシアネート基/水酸基の当量比15/
1)を仕込み、撹拌下反応器内温度を160℃で9時間
保持した。反応液温度を下げ、薄膜蒸留器で未反応ジイ
ソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネート
の数平均分子量は1940、イソシアネート基濃度は1
6.9wt%、粘度は6200mPa・s/25℃、未
反応モノマー濃度0.3wt%であった。イソシアネー
ト基平均数は7.8であった。
【0058】
【製造例2〜3】表1に示すポリオール、反応温度、反
応時間にした以外は製造例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【製造例4】(アクリルポリオールの製造)攪拌機、温
度計、環流冷却管、滴下ロート、窒素吹き込み管を取り
付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、メチルイソ
ブチルケトン95部を仕込み、115℃に昇温する。ア
クリルモノマー(スチレン/メタアルリル酸メチル/ア
クリル酸n−ブチル/アクリル酸/2−ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート=10/40/30/7/27(質
量部)にアゾイソブチロニトリル1.1gを溶解し、反
応器に3Hrかけて滴下した。30分後、アゾイソブチ
ロニトリル1.1gをメチルイソブチルケトン(以下M
IBKと言う)131gに溶解し、その溶液を1Hrか
けて滴下した。得られたアクリルポリオールは固形分3
4%、樹脂分水酸基価102mgKOH/g、樹脂分酸
価48mgKOH/gであった。更に酸価と当量のジメ
チルエタノールアミンを添加し、カルボキシル基を中和
した。
【0061】
【実施例1】 (水性ウレタンポリオールの製造)製造
例1と同様な装置を用いて、製造例1で得られたポリイ
ソシアネート500部、メトキシポリエチレングリコー
ル(日本油脂の商標「ユニオックスM550」)332
部、MIBK386部、ジブチル錫ジラウレート(以下
DBTDLと言う)0.025部を仕込み、80℃で1
Hr保持した。更に、1,3−ブタンジオール380部
を添加し、80℃で1Hr保持した。その後反応液の赤
外スペクトル測定により、イソシアネート基の吸収が消
失していたことを確認した。
【0062】
【実施例2、3】 (水性ウレタンポリオールの製造)
表2に示した条件で実施例1と同様に行った。
【0063】
【表2】
【0064】
【実施例4】 (水性ウレタンポリオールを用いた塗料
組成物)実施例1のウレタンポリオール40部(樹脂分
24部)、製造例4のアクリルポリオール200部(樹
脂分68部)、メラミン系硬化剤サイメル300(三井
サイアナミドの商品名)12部、硬化促進剤 キャタリ
スト4050(三井サイアナミドの商品名)0.6部を
混合し、更にイオン交換水268部を添加し、固形分2
0wt%の水性塗料を調整した。この塗料を鋼板及びポ
リプロピレン板にアプリケーター塗装をした。室温で3
0分セッティング後、140℃のオーブン内で30分焼
き付けた。塗膜の形成された鋼板で耐衝撃性評価を行っ
た結果○であった。ポリプロピレン板上に焼き付けられ
た塗膜のゲル分率を測定した結果◎であった。
【0065】
【実施例5〜7】表3に示した条件で実施例1と同様に
行った。結果を表3に示す。
【0066】
【比較例1】表3に示す条件で水性ウレタンポリールを
用いることなく実施例4と同様に行った。結果を表3に
示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明の水性ウレタンポリオールは耐候
性、かとう性、硬化性良好な水性塗料組成物を提供する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 CA03 CA04 CA05 CB03 CB04 CB05 DA01 DB04 DB05 DB07 DC02 DC12 DC35 DC37 DC39 DC43 DC50 DF01 DG03 DG04 DG05 DG08 DG15 DG16 DP18 HA01 HA07 HA11 HC03 HC22 HC61 HC64 HC71 HC73 LA05 LA14 LA16 QA01 QA02 QA03 RA07 4J038 DA162 DG101 DG261 DG262 DG301 DG302 KA03 MA08 MA10 NA03 NA04 NA11 PB04 PB05 PB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族、脂環族ジイソシアネートの少な
    くとも1種以上から誘導され、かつ、下記1)〜3)の
    特徴を有するポリイソシアネートを前駆体とする、分子
    内にウレタン結合、水酸基および親水基をともに有する
    水性ウレタンポリオール。 1)イソシアネート基平均数 3.0〜20 2)イソシアネート基濃度 3〜20wt% 3)ジイソシアネートモノマー濃度 3wt%以下
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネートとジオールから誘導
    される請求項1記載の水性ウレタンポリオール。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネートのイソシアネート基
    平均数が5.5〜20である請求項1または2記載の水
    性ウレタンポリオール。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネートが脂肪族、脂環族ジ
    イソシアネートの少なくとも1種以上とポリオールの少
    なくとも1種以上から誘導される請求項1から3のいず
    れかに記載の水性ウレタンポリオール。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4のいずれかに
    記載の水性ウレタンポリオールを含む水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 (ブロック)ポリイソシアネート、メラ
    ミン系硬化剤から選ばれる少なくとも1種以上を含む請
    求項5記載の塗料組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2018062595A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤および粘着シート

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