JP2002212243A - セメント分散剤の製造方法 - Google Patents

セメント分散剤の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリル酸エステル系単量体及び(メタ)アクリル酸を
含有する単量体混合物を、反応容器内で重合濃度50〜90
重量%、重合温度50〜70℃、(メタ)アクリル酸の中和
率0%の条件で反応させる(メタ)アクリル酸系セメン
ト分散剤の製造方法 【効果】 高濃度で、かつ未反応モノマーの少ない高性
能のセメント分散剤を短時間で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度で性能の高
い(メタ)アクリル酸系セメント分散剤を高い生産性で
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
(メタ)アクリル酸系セメント分散剤〔(メタ)アクリ
ル酸とポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートから合成されるポリマー〕の製造方法としては、例
えば、単量体混合物又は単量体混合物と連鎖移動剤との
混合物を、水を含む反応容器に滴下する方法(特開平9-
86990号公報)、単量体混合物と連鎖移動剤の混合物
を、水を含む反応容器に滴下する方法において、混合物
溶液の滴下前と滴下後に連鎖移動剤を滴下する方法(特
開2000-159555号公報)等が知られている。
【0003】しかしながら、上記従来の(メタ)アクリ
ル酸系セメント分散剤は、反応熱の除去効果を高めるた
めに、水で固形分濃度10〜50%に希釈した状態で合成さ
れる。この製法は、濃度が低く、反応速度が低いため、
生産効率が低かった。特に粉末分散剤を製造する場合、
真空撹拌乾燥器での乾燥時間が長くなり、更に生産効率
が低くなるという問題があった。また、特公平5-58005
号公報で開示されているアクリルポリマーの連続塊状重
合法では、反応温度が高いため、耐圧式の反応容器を用
いる必要があることからコストの増大を招き、また生成
される高分子化合物の分子量が高くなり易く、セメント
分散剤として十分な分散能を発現できる分子量域のもの
が生成し難いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において本発
明者らは、鋭意研究を重ねた結果、(メタ)アクリル酸
の中和度を0とし、特定の温度で重合を行うことによ
り、高い重合濃度(反応液中の固形分濃度)で、かつ短
時間での合成が可能となり、高濃度で性能の高いセメン
ト分散剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、ポリアルキレングリコ
ールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び(メ
タ)アクリル酸を含有する単量体混合物を、反応容器内
で重合濃度50〜90重量%、重合温度50〜70℃、(メタ)
アクリル酸の中和率0%の条件で反応させることを特徴
とする(メタ)アクリル酸系セメント分散剤の製造方法
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる単量体混合物
は、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸
エステル系単量体(以下、単量体Aという)及び(メ
タ)アクリル酸(以下、単量体Bという)を必須成分と
し、更に、これらと共重合可能な他の単量体(以下、単
量体Cという)を含むものでもよい。
【0007】ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体(単量体A)としては、例え
ば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポ
リブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコールポリブチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポ
リプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリ
ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキ
シポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコ
ールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシポリプロピレングリコールポリブチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールポリブチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、1-プロポキシポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-プ
ロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、1-ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、2-ブトキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、2-メチル-1-プロポキシポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-メチル
-2-プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、シクロヘキソキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、1-オクトキシポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、2-エチル-1-ヘ
キサノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ノニルアルコキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ラウリルアルコキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、セチルアルコ
キシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ステアリルアルコキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、フェニルメトキシポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチル
フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、p-エチルフェノキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ジメチルフェノキシポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、p-t-ブチル
フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ドデシルフェノキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェニルフェ
ノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ナフキトシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート等を挙げることができ、これらはいずれかを
単独で又は2種以上を組合わせて使用することができ
る。
【0008】本発明の製造方法により得られるセメント
添加剤は、セメントに吸着後、単量体A由来のポリアル
キレングリコール鎖の親水性と立体反発により、強力な
セメント分散性を発揮するものと考えられる。その観点
からは、ポリアルキレングリコール鎖には、親水性の高
いオキシエチレン基を多く導入することが好ましく、単
量体Aとしてメトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、特にメトキシポリエチレングリコー
ルモノメタクリレートを用いるのが好ましい。また、ポ
リアルキレングリコール鎖が長すぎると、溶解に長時間
を要することになるため、オキシアルキレン基の平均付
加モル数は、5〜70、更には10〜40、特に23〜25が好ま
しい。
【0009】(メタ)アクリル酸(単量体B)として
は、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれでもよく、い
ずれかを単独で又は両者を組合わせて使用することがで
きるが、メタクリル酸が好ましい。単量体Bをアルカリ
で中和すると、反応速度が低下し、未反応モノマーや分
散能が低い低分子ポリマーが増加する。このためその中
和率は、0%であることが必要である。従って、反応系
にアルカリ金属水酸化物等の中和剤を添加することなく
反応を行う必要がある。
【0010】上記単量体A、Bと共重合可能なその他の
単量体(単量体C)としては、例えば、炭素数1〜20の
脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和ジカル
ボン酸、これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウ
ム塩及び有機アミン塩;マレイン酸、フマル酸、シトラ
コン酸等の不飽和ジカルボン酸と、炭素数1〜20の脂肪
族アルコール、炭素数2〜4のグリコール又はこれらの
グリコールの付加モル数2〜300の(アルコキシ)ポリ
アルキレングリコールとのモノエステル又はジエステ
ル;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキ
ルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン等の芳香族ビ
ニル類;(メタ)アリルスルホン酸、スルホエチル(メ
タ)アクリレート、2-メチルプロパンスルホン酸(メ
タ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和ス
ルホン酸類、これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモ
ニウム塩及び有機アミン塩等が挙げられ、これらはいず
れかを単独で又は2種以上を組合わせて使用することが
できる。
【0011】単量体混合物中の単量体A、単量体B及び
単量体Cの比率としては、総単量体重量中、単量体Aは
5〜98重量%、更に25〜96重量%、特に40〜94重量%が
好ましく、単量体Bは95〜2重量%、更に75〜4重量
%、特に60〜6重量%が好ましく、単量体Cは0〜50重
量%、更に0〜30重量%、特に0〜10重量%が好まし
い。
【0012】本発明では必要に応じ連鎖移動剤を使用す
ることができる。連鎖移動剤としては、例えばメルカプ
トエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、
2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン
酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3-メル
カプトプロピオン酸オクチル、2-メルカプトエタンスル
ホン酸等のチオール系化合物等が挙げられ、これらはい
ずれかを単独で又は2種以上を組合わせて使用すること
ができる。
【0013】本発明の製造方法は、通常、重合開始剤を
用いて行われる。水中で重合を行う場合の重合開始剤と
しては、例えば、アンモニア又はアルカリ金属の過硫酸
塩;過酸化水素;2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパ
ン)二塩酸塩等のアゾアミジン化合物などの水溶性の重
合開始剤が挙げられ、これらはいずれかを単独で又は2
種以上を組合わせて使用することができる。また、上記
重合開始剤とともに亜硫酸水素ナトリウム、モール塩、
アスコルビン酸等の促進剤を併用してもよい。また、有
機溶剤中で重合を行う場合の重合開始剤としては、ラウ
ロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クメン
ハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等
が挙げられ、これらはいずれかを単独で又は2種以上を
組合わせて使用することができ、その際、アミン等の促
進剤を併用してもよい。
【0014】本発明で用いられる単量体混合物、連鎖移
動剤及び重合開始剤はいずれも、そのままの状態で用い
てもよく、またそれぞれを水、有機溶剤、又はその双方
に溶解させた溶液(単量体混合物溶液、連鎖移動剤溶
液、重合開始剤溶液)として用いてもよく、なかでも水
溶液として用いるのが好ましい。
【0015】本発明の製造方法における重合濃度、すな
わち反応液中の溶媒を除いた固形分の濃度は、低濃度で
あると反応時間が長くなり、未反応モノマーが残存し易
く、更に、合成時の生産性や乾燥粉末化の効率が低下す
るため、50〜90重量%であることが必要であり、好まし
くは60〜90重量%である。
【0016】重合温度は、50〜70℃であることが必要で
あり、好ましくは55〜65℃である。重合温度がこの範囲
より低い場合には、重合反応が生起しないおそれがあ
り、重合温度がこの範囲より高い場合には、分散力の低
い高分子ポリマーが増加し、いずれの場合も好ましくな
い。重合温度の調整は、例えば、槽型反応器を用いる場
合は、滴下速度とジャケット温度を調整して反応熱を制
御することにより行うことができ、また筒型反応器(ス
タティックミキサーやチューブ)を用いる場合は、送入
速度とジャケット温度を調整して反応熱を制御すること
により行うことができる。
【0017】重合開始剤は、反応容器の予熱による分解
を回避し、不測の熱による爆発的反応を回避するため、
予め反応容器に仕込むことなく、また予め単量体混合物
と混合することなく、別途、反応容器に添加するのが好
ましい。
【0018】重合開始剤は、液体状、粉末状のいずれで
もよい。これらをそのままの状態で用いてもよく、予め
希釈して重合開始剤含有溶液を調製して用いてもよい。
粉末状の重合開始剤をそのまま用いると、反応系中で均
一に溶解させるのに時間を要することがあるため、重合
開始剤含有溶液を調製して用いることが好ましい。重合
開始剤は、単量体混合物の添加終了後もさらに引き続い
て添加するのが好ましく、これにより、反応後における
単量体混合物の残存を防止することができる。
【0019】重合開始剤の添加終了後、引き続き温度を
維持又は昇温して、反応を熟成させ、反応活性を低下さ
せるのが好ましい。反応活性が残っていると、得られる
セメント分散剤の経時安定性が低下する原因となる。
【0020】以上のようにして得られた反応液は、その
まま液状のセメント分散剤として使用することができ、
またこの反応液を原料として乾燥し、粉末分散剤として
使用することができる。
【0021】このようにして得られたセメント分散剤
は、他の公知のセメント混和剤と組み合わせて使用して
もよい。公知のセメント混和剤としては、例えば他のセ
メント分散剤(リグニンスルホン酸塩及びその誘導体、
オキシカルボン酸塩、ポリオール誘導体、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル誘導体、アルキルアリ
ルスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン
酸のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系高分子化合物
等)、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、
遅延剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集剤、
乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤等を
挙げることができ、これらはいずれかを単独で又は2種
以上を組合わせて使用することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例1〜5及び比較例1〜7 300mlの3つ口フラスコに、表1に示す各成分のうち重
合開始剤(20重量%過硫酸アンモニウム)以外のものを
仕込み、撹拌しながら、オイルバスで加温して原料を溶
かした。その後、20重量%過硫酸アンモニウム水溶液を
加え、表2に示す温度で重合を行った。表2に、重合開
始後2時間及び4時間における未反応モノマーの有無、
得られたポリマーの重量平均分子量、及び下記方法によ
り測定したモルタルフローを示す。
【0024】(モルタルフロー測定方法)分散剤として
は、上記方法で得られた反応液を水で希釈し、固形分濃
度を30重量%に調整して用いた。
【0025】・配合 セメント:500g、小笠砂:500g、水:150g、消泡
剤:CC-118(日本油脂社製)5g(セメント×1重量
%)、分散剤:2.5g(セメント×0.15重量%;固形分
として)
【0026】・練り方 練り鉢にセメント、小笠砂、並びに混和剤と消泡剤の水
溶液を添加し、ホバートミキサーを用いて、90秒間混合
して、モルタルを調製した。
【0027】・フロー値の測定方法 厚さ5mmのみがき板ガラス上にモルタルフローコーンを
置き、調製したモルタルを充填した後、フローコーンを
引き上げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を
測定し、その平均値をフロー値とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】−:実施例1〜5は、重合開始後2時間の
時点において未反応単量体が確認できなかったため、反
応を2時間で終了した。
【0031】比較例8 300mlのオートクレーブ(SUS316)にメタリルスルホン
酸ソーダ7.7g、メタクリル酸18g、メトキシポリエチ
レングリコールメタクリレート82.2g(n=23)及び水
19.6gを仕込み、電気炉で加温して原料を溶かした。そ
の後、20重量%過硫酸アンモニウム9.7gを仕込み、180
℃に加温して2時間反応させた。反応後、水で固形分濃
度を30重量%に調整したが、不溶性のポリマーが残存し
たため、分子量分布及びモルタルフローは測定できなか
った。
【0032】実施例6 200Lのモノマー溶解槽にメタクリル酸13.1kg、メタリ
ルスルホン酸ソーダ5.6kg、メトキシポリエチレングリ
コールメタクリレート59.9kg(n=23)及び水14.3kgを
仕込み、45℃に加温して原料を溶かした。次に200Lの
ジャケット付きガラスライニング製槽型反応器に、モノ
マー混合液100kgと20重量%過硫酸アンモニウム水溶液
7.1kgを、それぞれ1L/min、0.07L/minの流速で滴
下した。その間、槽型反応器の内部温度が70℃を超えな
いようにジャケット温度を調整した。反応後、得られた
ポリマーの重量平均分子量及びモルタルフロー(固形分
濃度30重量%)を測定したところ、重量平均分子量は48
000、モルタルフローは261mmであった。
【0033】実施例7 実施例6と同様の方法で、モノマー混合液を調製した。
次にジャケット付き筒型反応器(内径21mm×長さ9m)
に、モノマー混合液100kgと20重量%過硫酸アンモニウ
ム水溶液7.1kgを、それぞれ1L/min、0.07L/minの
流速で流した。その間、筒型反応器の内部温度が70℃を
超えないようにジャケット温度を調整した。反応後、得
られたポリマーの重量平均分子量及びモルタルフロー
(固形分濃度30重量%)を測定したところ、重量平均分
子量は47000、モルタルフローは255mmであった。
【0034】実施例8及び比較例9 粉末分散剤の製造 実施例1及び比較例1で得られた反応液(固形分400g
相当)に10重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、
pHをアルカリ性に調整した後、亜硫酸ソーダ及びトリエ
タノールアミンを固形分に対してそれぞれ1重量%添加
し、過酸化物を中和した。これを処理容積が1Lのニー
ダー型混練攪拌機に入れて温度90℃、30Torrの減圧下、
混練しながら濃縮・乾燥を行った。得られた粉粒体は粉
砕機(マツバラ社製MCG180)で粉砕して、粒径50〜500
μmに調整した。上記の各粉末分散剤の製造において、
乾燥に要した時間及び乾燥減量を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高濃度で、
かつ未反応モノマーの少ない高性能のセメント分散剤を
短時間で製造することができる。特に、得られた反応液
を粉末分散剤の原料に用いれば、水が少ないため、乾燥
時間を短縮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 BA04 BA05 BA06 BA07 BA14 CD00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレングリコールモノ(メタ)
    アクリル酸エステル系単量体及び(メタ)アクリル酸を
    含有する単量体混合物を、反応容器内で重合濃度50〜90
    重量%、重合温度50〜70℃、(メタ)アクリル酸の中和
    率0%の条件で反応させることを特徴とする(メタ)ア
    クリル酸系セメント分散剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体混合物が、メトキシポリエチレン
    グリコールメタクリレート及びメタクリル酸を含有する
    ものである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合濃度が60〜90重量%である請求項1
    又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 槽型反応器において、滴下速度とジャケ
    ット温度を調整することにより反応熱を制御しつつ反応
    を行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 筒型反応器において、送入速度とジャケ
    ット温度を調整することにより反応熱を制御しつつ反応
    を行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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