JP2002212092A - 毛髪成長促進剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪成長促進剤組成物を提供すること。 【解決手段】 血行促進剤と毛包細胞復活剤を含む組成
物であって、血行促進剤は樟脳と桑白皮の根エキス、松
の新芽エキスの組成となっており、毛包細胞復活剤は幼
虫の繭から作られる繊維状のバイオポリマー（Biopolym
er）からなる組成物であって、副作用や毒性がなく、毛
髪成長促進効果に優れた毛髪成長促進剤組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪成長促進剤組
成物に関し、さらに詳細には、血行促進剤と毛包細胞復
活剤を含む組成物であって、血行促進剤が樟脳と桑白皮
の根エキス、松の新芽エキスの組成となっており、毛包
細胞復活剤が幼虫の繭から作られる繊維状のバイオポリ
マー（Biopolymer）からなる組成物であって、副作用や
毒性がなく、毛髪成長促進効果に優れた毛髪成長促進剤
組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】毛髪は、約１０万〜１５万本程度であ
り、各々の毛髪は相違する周期を有し、成長期、退行
期、休止期を経て成長、脱落する。このような周期は、
３〜６年にわたって繰返されるが、この結果、一日平均
５０〜２００本余りの毛髪が脱落することになる。一般
に脱毛症とは、このような周期のうち成長期の毛髪比率
が少なくなり、退行期または休止期の毛髪が多くなり、
異常に毛髪が脱落する数字が多くなることを指す。

【０００３】現在知られている脱毛の原因は、男性ホル
モンによる毛包機能の低下、毛包・毛根部の新陳代謝機
能の低下、頭皮生理機能の低下、頭皮柔軟性の低下によ
る頭部皮下組織末梢血管の血流量の減少により毛髪の成
長に異常を引き起こす局所血流障害、栄養不足、ストレ
ス、薬物による副作用および遺伝的原因など種々の原因
によって誘発されることが知られている。従来、髪に栄
養を与え、脱毛症を治療および予防するためには、血行
促進剤、局所刺激による血液循環促進、毛包機能の強
化、抗男性ホルモン剤、抗脂漏剤、角質溶解剤、殺菌消
炎剤、毛包の栄養供給と酵素活性の復活のためにアミノ
酸およびビタミン類などを複数の成分で組合せて使用し
ている。しかし、効果の面においては、まだ明らかな効
果を有するものはないのが実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記のような従来の問題を解決すべく、副作用や毒
性がなく、かつ毛髪成長促進効果に優れた組成物につい
て鋭意研究した結果、血行促進剤が樟脳と桑白皮の根エ
キス、松の新芽エキスからなり、毛包細胞復活剤が幼虫
の繭から作られる繊維状のバイオポリマー（Biopolyme
r）を含有する毛髪成長促進剤組成物を開発し、本発明
を完成するに至った。したがって、本発明は、副作用や
毒性がなく、かつ優れた毛髪成長効果を示す毛髪成長促
進剤組成物を提供することにその目的がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、毛髪成長促進
剤組成物において、桑白皮の根エキス０．１〜３０質量
％、松の新芽エキス０．１〜２０質量％、樟脳エキス
０．０１〜１０質量％およびバイオポリマー０．０１〜
３０質量％を含有する毛髪成長促進剤組成物である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明による毛髪成長促進剤は、精選、洗浄、細
切、滅菌および乾燥工程の順序に前処理した桑白皮の根
と松の新芽、樟脳の根、幹、葉に、水、エタノールまた
は水とエタノールの混合液をほぼ同一の質量で加えて２
０〜１２０℃の温度で３０分〜４８時間浸漬し、搾汁し
て抽出した後、濾過した桑白皮の根エキス０．１〜３０
質量％、松の新芽エキス０．１〜２０質量％、樟脳エキ
ス０．０１〜１０質量％を混合したエキスとBombyx Mor
iという蛾の幼虫や幼虫の繭から作られる強い繊維状の
光沢のあるバイオポリマー（Biopolymer）を０．０１〜
３０質量％含有させ、混合したものを主成分とする。

【０００７】本発明による組成物のうち、桑白皮の根エ
キスは、桑科あるいは桑科（Moraceae）植物の根皮、コ
ルク層を除去したものであって、水、エタノールを用い
て抽出して得られる。主要成分としては、フラボノイ
ド、タンニン、スコポレチンなどと昆虫ホルモンの一種
であるエクディステロン、インコステロンなどを含んで
いる。薬理作用としては、利尿、血圧降下作用、解熱、
鎮咳、脚気などの治療に効能を発揮し、美容的効果とし
ては、美白、消炎、育毛、過酸化脂質抑制、ふけ防止、
血液循環促進および皮膚新陳代謝機能の活性化などがあ
る。好ましい含量は、０．１〜３０質量％であって、
０．１質量％未満であると効果が十分に発揮されず、３
０質量％以上であるとタンニン成分が多すぎるため好ま
しくない。

【０００８】本発明による組成物のうち、松の新芽エキ
スは、松（赤松）の新芽を水とエタノールの混合液をほ
ぼ同一の質量で加えて抽出したものであり、クエルセチ
ングリコシドとカムフェロールグリコシドを主成分とし
て含有する。薬理作用としては、消炎効果と抗酸化効果
などを有する。好ましい含量は、０．１〜２０質量％で
あって、０．１質量％未満であると消炎効能が低くな
り、２０質量％を超えると他の有効成分とのバランスが
とれない。本発明による組成物のうち、樟脳エキスは、
日本、スマトラなどで育つ樹齢５０年以上のクスノキ
（Laurus camphora）の根、幹、葉を水、エタノールで
抽出して得られる。薬理作用としては、血液循環促進お
よび消炎作用に優れる。好ましい含量は、０．０１〜１
０質量％であって、０．０１質量％未満であると消炎効
能が低くなり、１０質量％を超えると刺激的な匂いだけ
でなく、他の有効成分とのバランスがとれない。

【０００９】本発明による組成物のうち、バイオポリマ
ー（Biopolymer）は、Bombyx Moriという蛾の幼虫や幼
虫の繭から作られるシルクタンパク質類で、髪の毛の主
成分であるケラチンタンパク質と類似する構造を有して
いるため、毛包細胞の復活に多くの影響を及ぼす。好ま
しい含量は、０．０１〜３０質量％であって、０．０１
質量％未満であると毛包細胞復活の効果が期待できず、
３０質量％を超えると剤形が不安定であり、有効成分の
バランスがとれない。本発明に使用される基剤は、濃度
調節機能と美容効果が向上できるものであればいずれも
使用可能であり、たとえば、精製水、一価アルコール、
多価アルコール、高級脂肪酸、油脂類、パラフィン類、
乳化剤、可溶化剤などが使用でき、これらのうちいずれ
か一つまたはこれらの混合液を用いる場合、好ましい含
有量は７０〜９５質量％範囲であって、これは主材料と
して使用される発毛促進組成物の使用量によって決定さ
れる。

【００１０】本発明において、毛髪成長促進組成物は、
桑白皮の根エキス、松の新芽エキス、樟脳エキス、バイ
オポリマーを主成分とし、通常の毛髪成長促進剤に配合
される他の成分、たとえば、血液循環促進のためのトウ
ガラシチンキ、酢酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジ
ル、銀杏の葉エキス、毛根刺激および細胞活性のための
ヒノキチオール、ニコチン酸アミド、エル−メントー
ル、何首烏エキス、プロポリスエキスや角質溶解のため
のピロクトンオラミン、サリチル酸、たわしエキス、エ
タノール、その他保湿剤などをともに使用することがで
きる。本発明において毛髪成長促進成分として配合され
るエル−メントール、何首烏エキス、プロポリスエキ
ス、エタノール、たわしエキス、銀杏の葉エキスなどは
主成分の効果を妨げずに剤形を保持できる範囲で使用濃
度に対する制限はないが、人体安全性や剤形安定性を考
慮してエル−メントールは０．０１〜１．０質量％、何
首烏エキス、プロポリスエキス、たわしエキス、銀杏の
葉エキスなどは各々０．０１〜１０質量％、エタノール
１〜５０質量％が適当である。また、本発明による組成
物を含有する毛髪化粧原料を５〜３０質量％含有するヘ
アトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアシャ
ンプー、ヘアコンディショナーなどの剤形に製造でき
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を下記実施例によってさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 実施例１および比較例１〜４：動物を用いた毛髪成長促
進効果実験 ここで使用された動物は、Ｃ３Ｈマウスで、毛髪成長観
察に多く用いられる動物であって、毛髪の成長開始のと
きに、毛髪がピンク色から青色に変化するため、成長期
の始発点を肉眼で観察しやすい。まず、背部の毛を電気
髭剃りを用いて除き、各マウスの体重を測定し、体重が
均一に分散されるように各群当り５匹ずつに分けた。一
日間の適応期間を置き、翌日から除毛部位に次の表１に
示すように比較例１、比較例２、比較例３、比較例４と
実施例１の液状養毛剤を塗布し、この際個体当り背部に
午前９時、午後１時、６時にスプレー式で１回３回ずつ
塗布した。前記塗布量は約０．３ｃｃであり、画像分析
器を通じて毛髪成長が促進された面積を測定し、写真撮
影を通じて毛髪成長程度および分布程度を観察した。塗
布期間は２５日間であった。

【００１２】

【表１】

【００１３】前記表１から分かるように、比較例２は桑
白皮の根エキス、松の新芽エキス、樟脳エキス、バイオ
ポリマーを除くその他補助成分からなる組成であり、比
較例３は桑白皮の根エキス、松の新芽エキス、樟脳エキ
ス、バイオポリマー、たわしエキスを除くその他補助成
分からなる組成であり、比較例４は桑白皮の根エキス、
松の新芽エキス、樟脳エキス、バイオポリマー、たわし
エキス、銀杏の葉エキスを除くその他補助成分からなる
組成であり、実施例１は補助成分と主成分をともに含有
したものであって、比較例とともに液状養毛剤を製造し
て動物実験に用いた。その結果は、画像分析器を用いて
毛を除去して面積に対する新生毛が育った面積の比率を
求めて比較し、効果の判定は新生毛が育った面積によっ
て５段階の評価尺度に区分して評価した（表２）。

【００１４】

【表２】

【００１５】

【表３】

【００１６】表３から分かるように、桑白皮の根エキ
ス、松の新芽エキス、樟脳エキス、バイオポリマーを含
む実施例１の組成物が比較例１に比べて約２．５倍以上
の高い毛髪成長促進効果を示し、その他の補助成分を含
み、主組成物を含まない比較例２より約２倍以上の毛髪
成長促進効果を示した。また、上記比較例１及び２、実
施例１の動物の毛髪成長の程度を示す写真を図１に示
す。

【００１７】実施例２ 前記実施例１の結果に基づいて毛髪の成長を促進できる
種々の剤形の組成を次の表４に示す。

【表４】

【００１８】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明は副作用
や毒性がなく、かつ非常に優れた毛髪成長促進効果を示
す毛髪成長促進剤組成物であって、この組成物をヘアト
ニック剤、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアシャン
プー、ヘアコンディショナーなどの剤形に製造すること
ができるため、広く応用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】比較例１及び２、実施例１の動物の毛髪成長の
程度を示す写真である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 權英二 大韓民国 ヤンチェオン−ク シンジュン −ドン 1278 サムスン アパートメント 101−1804 (72)発明者 金南珍 大韓民国 チューンチェオン−ナムド チ ュナン−シ スンフワン−ユップ メジュ ー−リー 183 ブーユン アパートメン ト 105−502 (72)発明者 呉知暎 大韓民国 カンナム−ク タエチ−ドン ユンマ アパートメント 21−108 (72)発明者 韓先一 大韓民国 ソウル マポ−ク マンウォン −２ドン 432−53 (72)発明者 李和英 大韓民国 ソウル グワンナク−ク シリ ンボン−ドン 11−10 202 Ｆターム(参考） 4C083 AA072 AA082 AA111 AA112 AC022 AC072 AC102 AC122 AC422 AC442 AC482 AC542 AC642 AC692 AC782 AD092 AD451 AD452 AD532 AD662 CC37 EE22 FF01 4C084 AA02 CA49 MA02 MA17 MA63 NA06 NA14 ZA921 4C088 AB02 AB03 AB19 AB33 AB34 AB43 AC01 AC04 AC11 BA08 MA08 MA17 MA63 NA06 NA14 ZA89

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 桑白皮の根エキス０．１〜３０質量％、
   松の新芽エキス０．１〜２０質量％、樟脳エキス０．０
   １〜１０質量％およびバイオポリマー０．０１〜３０質
   量％を含むことを特徴とする毛髪成長促進剤組成物。
2. 【請求項２】 ヘアトニック剤、ヘアローション、ヘア
   クリーム、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナーの剤
   形に製造されていることを特徴とする請求項ｌ記載の毛
   髪成長促進剤組成物。