JP2002211927A - 酸化チタン分散液の製造法。 - Google Patents

酸化チタン分散液の製造法。

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JP2002211927A JP2001005135A JP2001005135A JP2002211927A JP 2002211927 A JP2002211927 A JP 2002211927A JP 2001005135 A JP2001005135 A JP 2001005135A JP 2001005135 A JP2001005135 A JP 2001005135A JP 2002211927 A JP2002211927 A JP 2002211927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない簡単な方法で酸化チタン分散液の
得られる製造法およびそれにより得られる酸化チタン分
散液の提供。 【解決手段】 ペルオキソチタン酸溶液を使用し、それ
に酸化チタン粉末を混合し、十分に攪拌するだけで得ら
れる酸化チタン分散液あり、その製造法である。また、
その粉末においては超微粒子のアナターゼ型およびルチ
ル型、あるいはそれらを混合したものが好ましく使用で
きる。更に、それにより得られた酸化チタン分散液はバ
インダーなどを使用しなくとも、各種基体に塗布し乾燥
させるだけで付着力の良い光触媒効果のある酸化チタン
膜が得られるものであり、それを加熱する事でより付着
力を増した緻密な光触媒効果のある酸化チタン膜が得ら
れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタン分散液
の製造法およびそれにより得られる酸化チタン分散液に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、酸化チタン溶液や分散液を得よ
うとすると、一般的にチタン含有化合物や粉末の酸化チ
タンを使用し、その溶媒として塩酸や有機分散剤などを
用い得ていたものであり、安定性が悪く数時間から数日
でその粒子が凝集しゲル化したりするものが多くあっ
た。加えて、酸や不純物を含んでいるため塗布できる基
体も制限される事も多く、且つそれらを除去し密着性の
良い緻密な膜を得ようとすると、数百度以上の加熱・焼
成を要するものであり、更には有害物質を生成する事も
多かったものである。他に、本発明と同じペルオキソチ
タン酸溶液や過酸化チタンを80度以上の温度で長時間
加熱する事によりそのアモルファス状態の酸化チタンを
結晶化させる事でアナターゼ分散液を得る製造法などが
あったが、そのための特別な設備・工程が必要であり、
且つ品質管理が難しくコスト高でもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来にない簡
単な方法で酸化チタン分散液の得られる製造法およびそ
れにより得られる酸化チタン分散液の提供を課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するのための手段】本発明は、ペルオキソ
チタン酸溶液および酸化チタン粉末を使用し、それらを
必要に応じた混合比にて混合・攪拌するだけで光触媒効
果のある酸化チタン分散液が得られる製造法であり、従
来にない簡単な製造法である。また、ペルオキソチタン
酸溶液は、バインダーの代わりに使用でき得る付着力を
有し、且つ酸化チタン粉末をその溶液中に分散・浮遊さ
せ得る能力を有するものであり、本発明はそれらの特性
を活用するものである。加えて、本発明に使用するペル
オキソチタン酸溶液はアモルファス型の酸化チタン溶液
であり、従来は光触媒活性はないとされるものである
が、繊維製品に付着させた場合においてはアナターゼ型
と比較すると緩慢ではあるが十分な光触媒活性を有する
ものであり、本発明者はそれを見出し、その効果をも活
用するものであり、できるものである。
【0005】更に、それにより得られた酸化チタン分散
液は数週間の保存においても十分に実用に耐え得る分散
液であり、且つ同じくバインダーを使用せずとも各種基
体に付着させ得る付着力があり、且つその付着させた基
体を乾燥させるだけで光触媒効果のある酸化チタン膜が
得られるものである。また、その方法もスプレーでの吹
付けや分散液に浸漬する事でも簡単に得られるものであ
り、更には塗布・乾燥後の膜(基体)を加熱する事で、
より緻密な付着力を増した酸化チタン膜が得られるもの
でもある。
【0006】本発明に使用するペルオキソチタン酸溶液
は公知の製法により得られるものであり、且つ市販もさ
れており何れも好ましく使用できる。更にその市販の溶
液を含み、その製法により得られる溶液はアモルファス
型の酸化チタン溶液であり、且つ中性で水と酸化チタン
でできており、且つ不純物を殆ど含有しないものである
ため各種基体に使用でき好適である。また、酸化チタン
粉末においても各種のものが市販されているものであ
り、アナターゼ型およびルチル型あるいはそれらを混合
したもので溶液中に分散・浮遊させ得る粒子径のもので
あれば、同じく何れも好ましく使用できるものである。
【0007】但し、それぞれにおいてはでき得る限り不
純物を含有せず、且つ中性のものであるのが望ましい。
それらにおいて不純物を含有したものであると、その影
響により分散液が得難くなる恐れもあり、且つそれを取
り除くための工程および、あるいは設備が必要であり、
更には塗布・付着する基体をも制限される恐れも多くな
り、それらを考慮すると経済効率および利用効率も悪く
好ましくない。他にも過酸化チタン溶液として同等の製
品も市販されており、同じく好ましく使用できるもので
ある。以下に本発明を更に説明する。
【0008】
【発明の実施形態】本発明によると、酸化チタン分散液
を得るために使用するペルオキソチタン酸溶液は公知の
製法で得られるものであり、例えば次により得る事がで
きる。
【0009】まず原料として、酸化チタンゲルあるいは
水中に微粉砕した水酸化チタンや酸化チタン等の粒子を
分散させた液を使用し、それを塩化チタンや硫酸チタン
などのチタン化合物の水溶液をアンモニアや水酸化ナト
リウム等と反応させる方法等で得られる溶液を使用する
ものであるが、中でもそれらにより得られた四塩化チタ
ン水溶液が好ましく使用できる。次にその60重量%の
水溶液を容積比率において1とし、それに容積比率とし
て99となるように蒸留水を加える事で全体容積が10
0となるようにした混合液を得。更にその混合液の容積
を100として、それに2.5重量%のアンモニア水を
混合液との容積比が100対11となる量を滴下する事
で水酸化チタンを沈殿させ、それを濾過する事で沈殿物
を得。それをその沈殿形成に用いたアンモニアが検出さ
れなくなるまで蒸留水で十分に洗浄した後、更に前記混
合液に対する蒸留水の容積比が100対18となる量の
蒸留水および更に30重量%の過酸化水素水を同じく混
合液に対する容積比が100対2となる量を加え、合計
比で100対20となる液を攪拌する事で黄色のペルオ
キソチタン酸溶液が得られるものである。この溶液はア
モルファス型の酸化チタン溶液であり、バインダーとし
ても用いる事のできる付着力を有するものであり、且つ
それを固体などの基体に塗布し乾燥させ、それを250
〜300度以上の温度にて数時間加熱する事で、光触媒
効果のあるアナターゼ型の酸化チタンに結晶化し、更に
付着力を増した緻密な膜が得られるものでもある
【0010】また、それと同等のペルオキソチタン酸溶
液は各方面より市販されており、中でもPTAゾルとし
て市販されるペルオキソチタン溶液が好ましく使用で
き、株式会社田中転写より市販されている。他にも、過
酸化チタン溶液として株式会社タオより市販されるもの
も同等・同質のものであり同じく使用できるものであ
る。これらは共に中性で不純物をほとんど含まない液で
あり取り扱い易く、且つそれらを使用する事で特別な設
備および加工工程を要せずに、本発明の酸化チタン分散
液を得る事ができるものである。
【0011】次に、ペルオキソチタン酸溶液に混合する
酸化チタン粉末においては、アナターゼ型およびルチル
型あるいはそれらを混合したものがそれぞれ好ましく使
用できるが、より光触媒効果を得たい場合にはアナター
ゼ型の粉末が好適である。またその粒子径も分散・浮遊
させ得る大きさの粒子径であれば何れも使用でき、超微
粒子といわれるものであれば溶液中に分散させ易く且つ
沈殿する恐れも少ないものであるが、好ましくは100
nm以下であり、更に好ましくは10nm以下のもので
ある。その中の一つである石原産業株式会社よりST−
01として市販されるアナターゼ型酸化チタン粉末が、
その粒子径も7nm程度の超微粒子であり好適である。
但し、これに限るものではなくそれぞれの使途に応じた
粉末を選択するのが望ましい。
【0012】また、本分散液を得るために使用する機器
等は一般市販される実験用レベルのものでも十分であ
り、特別な機器等は不要である。但し、混合した溶液を
攪拌する場合においては攪拌機などを使用するのが粉末
をより分散させる事ができ好適である。中でも超音波に
よるものが好ましく用いられるものであり、それらを使
用する事でより分散させ得る事は周知の通りである。従
って使用する酸化チタン粉末は、粒子径のより小さなも
のが混合・分散され易いため、それらを考慮した選択が
望ましい。以下に分散液の製造法を更に説明するが、前
記の通り製造条件により差異が生じるため、これらに限
定されるものではない。
【0013】本発明による分散液を得る方法は従来にな
い簡単な方法で得られるものであるが、従来にはなかっ
た方法であり便利に使用・利用できる製法である。ま
ず、前記製法により得たペルオキソチタン酸溶液あるい
は市販の溶液に、必要とする効果の得られる量の酸化チ
タン粉末を混合し、且つそれを十分に攪拌し、それによ
り得た混合液を24時間放置する事で飽和分散量以上と
なり溶液に分散し切れなかった粉末、および溶液中にお
いて凝集し粒子径の大きくなった粉末を沈殿させ、それ
を除去あるいはその上澄みとなった溶液を抽出する事で
本発明の分散液を得るものである。そのため、混合する
酸化チタン粉末は微粒子である程分散効率も良くなるも
のであるが、これに限るものではなく、それぞれの使途
に応じた粒子径の粉末を選択し、必要とする分散液を得
るのが望ましい。尚、多くの場合半日程度以上放置する
事で粒子径が大きく分散・浮遊できないものは沈殿す
る。
【0014】尚、本発明における飽和分散量とは、その
溶液に粉末を混合した場合において、その分散した粉末
が24時間経過した状態で沈殿物として生じる事なく溶
液が分散・保持でき得る量をいうものであるが、使用す
る溶液や粉末および攪拌条件等により差異があるため厳
密なものではないが、本発明において基準とするもので
ある。また前記の通り、その攪拌方法において超音波に
よる攪拌機を使用する事で、手作業レベルで行うよりも
より分散効率が良くなり、より高濃度となる分散液も得
られ好ましく用いられるものである。
【0015】但し、使用する粉末の粒子径が大きいと当
然にその粒子の重量も重くなり、それにより溶液がその
粉末を分散させ保持でき得る能力以上の重量となり沈殿
するため、それぞれの使途に応じた使用する粉末の選択
が望ましい。しかし、その粉末がそれらの製造時におい
て超微粒子であっても、時間の経過と共にその混合前の
粉末の状態においてそれらが凝集し、より大きな粒子径
となったものも含有しており、且つそれらが沈殿する事
が多くあるため、それに応じた混合量を調整するのが望
ましい。更には混合・攪拌中、あるいはその直後の分散
液中において粒子が凝集する事も多くあるため、同じく
それらを考慮のうえ混合量を調整するのが望ましい。加
えて、それらはその混合する粉末の量に関わらず、微量
であっても沈殿する粉末を生じる事でも判断できるもの
である。逆に、それを利用する事により、粉末を篩いに
かける事もなく有効な粉末のみを選択できる方法でもあ
る。
【0016】本発明によると、使用するペルオキソチタ
ン酸溶液の酸化チタン含有濃度(以下、濃度という)は
特にこだわる必要はなく、高濃度となる分散液を得たい
場合および、あるいは基体への付着力を増したい場合や
必要な場合においては高濃度の溶液を、逆に低濃度の分
散液を得たい場合や、あまり付着力が必要でない場合な
どには低濃度の溶液を使用すれば良いものである。但
し、その溶液濃度により混合・分散させ得る粉末量、お
よびそれにより得られた分散液の一回の塗布による得ら
れる付着量すなわち膜厚が違うため、使途に応じた選択
が望ましい。更にその混合する粉末量に比例し光触媒効
果も変化するため、同じくそれらを考慮した選択が望ま
しい。
【0017】尚、本分散液を使用する場合において使い
勝手の良い分散液を得るには、それに使用するペルオキ
ソチタン酸溶液濃度を概ね0.5〜1.5重量%とした
ものが好ましく用いられるものである。但し、これに限
るものではないが、より高濃度の溶液により得られた分
散液を使用する場合において、基体によっては付着効率
が悪くなる恐れもあり、またそれ以下であると分散効率
が悪くなるためである。例えば、繊維などに付着させる
場合においては、高濃度の分散液を使用し基体に付着さ
せると、得られる膜が厚くなり過ぎ剥離し易くなり、且
つゴワゴワとした使用感の良くないものとなり、無駄に
なる事も多く好ましくない。更に、他の基体においても
同様にその乾燥中において剥離し易くなる恐れも多くな
るからでもある。更に加えて、溶液濃度に比例しその溶
液がゲル状のものとなり、粉末を混合・分散させる事が
困難になるからでもある。
【0018】これらにより本発明の分散液が得られるも
のである。更に、使用するペルオキソチタン酸溶液にお
いては、酸化チタン粉末を分散状態で保持できる何等か
の効果・作用等を持つ事が判断できると共に、それによ
り得られるものである。更には、塩酸や硫酸を使用する
ものでないため、安全なものが得られるものであり、且
つ簡単に分散液を得る事のできる製法である。
【0019】本発明によれば、従来の製法と比較して酸
化チタン分散液が特別な設備も必要とせず簡単に得られ
るものであり、更には一ヶ月程度の保存ができ実用に適
する分散液が得られるものであり、好ましく用いられる
ものでもある。加えて本分散液においては、時間の経過
と共に生じる酸化チタンの沈殿物のある場合、その使用
前に攪拌する事で簡単に再度分散し、十分にその実用に
耐え得る溶液となるものであり、更に便利に使用できる
ものである。また、使用するペルオキソチタン酸溶液濃
度によりその飽和分散量も変化し、更にはその攪拌方法
を変更する事で、より高濃度となるように混合・分散さ
せ得るものである。例えば、前記の通り超音波による攪
拌機を使用する場合においては、手作業で攪拌する事と
比較してその差のある事は周知の通りである。更にはそ
の粉末の粒子径によっても変化するため、一つに限定さ
れるものではなく、それぞれに応じた方法の選択をする
のが望ましい。尚、沈殿した粉末は再使用できるもので
あり、且つそれらを更に粉砕すればより分散し易い粉末
が得られ効率的である。以下に本発明を更に説明する。
【0020】
【実施例】(実施例1)まず、本発明に使用するペルオ
キソチタン酸溶液であるPTAゾルを使用し、その濃度
が1重量%に調整された1000gの溶液をガラス容器
に入れ、それに混合する粉末としてST−01(以下、
本粉末という)2gを加え、それを手作業にて十分に攪
拌したものを24時間放置し、粉末が凝集し粒子径が大
きくなり分散しきれずに分離したと思われる若干の沈殿
物を除去する事で約1000gの薄黄色の不透明となっ
た本分散液を得た。尚、本分散液は目視において十分均
等に浮遊しているように分散されているものであり、混
合前の粉末自体の凝集および、あるいは攪拌中による凝
集によりできたと思われる粒子径の大きくなった粉末
0.5g程度が沈殿した。加えて、同じ粉末でその保存
期間が6ヶ月以上経過した物を使用した場合においては
より多くの(約1g)沈殿物を生じたものであり、それ
に応じたペルオキソチタン酸溶液の色に近い薄黄色の分
散液となったのものである。これによりその保存期間中
に粉末粒子が凝集した事が推測できるものであり、且つ
それぞれに応じた粉末の混合量の調整が必要である事も
判断されるものである。
【0021】次に本分散液の分散状態および保管できる
期間を確認するため、試験管に20mlを取りそれを5
本作成し、それぞれホコリ除けのためにラップにて軽く
蓋をし、試験管立に立てた状態で放置する事でその状態
を確認した。24時間放置した状態において、4本にお
いては沈殿する様子もなかったが、1本において僅かに
確認できる程度の沈殿物が見受けられただけであった。
48時間経過後の状態においても前記と殆ど変化はな
く、その表層部の0.5〜1mm程度がそれぞれ僅かに
澄んだ状態となっている程度であった。以後7日間経過
した状態においても殆ど変化はなく、表層部の澄んだ部
分が1〜2mm程度になった程度の変化であった。15
〜20日間経過時において、それぞれに僅かに確認でき
る沈殿物が見受けられた程度であった。
【0022】更にその状態において、2本の本分散液を
再度攪拌する事で、当初と同様の分散状態となったもの
であり、その状態も3〜5日間程度は持続したものであ
る。逆にこれにより同沈殿物である粉末は本分散液中の
粒子が時間の経過と共に自然に凝集したために起こった
沈殿物である事が推測できるものであり、且つペルオキ
ソチタン酸溶液においては粒子を分散・浮遊させる何等
かの作用・効果のある事が判断できるものである。更に
は、沈殿物が生じていても使用前に再度攪拌する事で、
作成直後と同等の分散液として使用できる事も分かるも
のである。但し、一度凝集し粒子径が大きくなっている
ため、再攪拌した場合における分散期間が短いものと思
われる。
【0023】その後一ヶ月経過の状況は、明らかに沈殿
物のできた事が分かる常態であったが、その溶液を前記
と同様に再攪拌したものは1日程度は沈殿物を生じずに
分散状態を維持したものである。これらにより、沈殿物
を生じたとしても使用前に再攪拌すれば十分に使用ので
きるものである事が判断できるものである。また、長期
間の経過と共にその粒子の凝集状態が変化しより大きな
ものとなっている事も推測できるものである。これらに
より、実務上一ヶ月程度は十分に使用できるものであ
り、それを保存期間とするのが望ましい。
【0024】本実施例において、その混合する粉末量を
倍の4gとした場合において、その沈殿した粉末量は2
g程度であり、その溶液もより薄黄色の不透明な状態と
なったものである。これによりその分散・保持できる粒
子径以上のものが沈殿した事が推測できるものであり、
且つ溶液に分散させ得る粉末量は、その混合量に比例す
るものでなく、粒子径の小さいものほどより分散させ易
い事も判断できるものである。
【0025】(比較例1)比較として、蒸留水1000
gを分散溶媒として使用し、実施例1と同じく本粉末2
gを同様に混合したものは、その直後においては分散し
浮遊している粒子もあったが、その後まもなく沈殿を始
め12時間経過後にはその多くが沈殿しその液が僅かに
白く濁っている程度であった。24時間経過後には殆ど
分離・沈殿し澄んだ状態となったものである。これによ
り、本発明の分散液は十分に実用に耐え得るものである
事が分かるものであり、PTAゾルすなわちペルオキソ
チタン酸溶液を使用する事により、簡単に酸化チタン分
散液が得られるものである事も判断できるものである。
【0026】(実施例2)次に、本分散液の付着力およ
び光触媒効果の有無を確認するために白色の100角施
釉タイルを使用し、PTAゾルおよび本分散液を、それ
ぞれエアーブラシ(ノズル径0.3mm、圧力2.0M
Pa、空気量が毎分17リットルのものを使用)にて同
タイルにそれぞれ約1.5mlを均等に吹付け、自然乾
燥させたものをそれぞれ3枚づつ作成し実験用タイルを
得た。尚、本分散液を吹付けたものを供試体として、お
よびPTAゾルを吹付けたものを比較用として、更に未
処理の同じタイルを対照として同じく3枚を使用し、そ
れぞれにパイロット社製のINK30Rの赤インクを3
0倍に薄めたもの約0.5mlを、それぞれの表面に同
じくエアーブラシにて直径5cm程度の大きさに均等に
塗布し、その乾燥後に直射日光に当てそのインクの分解
効果の確認実験を目視にて行った。
【0027】その結果、それぞれの供試体はそれぞれ2
5〜35分程度で殆どインクを分解した。また、それぞ
れインクかすと思われる僅かな跡を残したものである
が、その後40〜50分程度放置する事でその跡も殆ど
分解し、なくなったものである。しかし比較用および対
照は、実験開始から1時間経過後においてもそれぞれ日
光の紫外線による分解と思われる、その色が薄く半減し
た程度の分解であり、その後1時間経過しても前記より
その濃さが更に半減した程度の分解であった。但し、比
較用としたPTAゾルを塗布したものは対照と比較した
場合において、より分解量が多かった程度であった。こ
れらはそれぞれ3枚共ほぼ同様の結果であった。
【0028】これらによっても本分散液に光触媒効果の
ある事が分かると共に、PTAゾルの単独の使用におい
ては光触媒活性のない事が分かるものである。よって、
本分散液において本粉末量を調整する事により、それぞ
れに応じた効果が得られるものである事も判断できるも
のである。
【0029】但し、本分散液の付着力はPTAゾルと比
較するとその付着力は弱かったが、強く擦るようにしな
いと剥離する事はなかったものである。また、水道で洗
浄した程度では剥離する事はなく、十分に実用に耐え得
るものである。更に加えて、それぞれを家庭用のドライ
ヤー(1000W)を使用し、基体より5cm程度離し
た距離より4〜5分程度加熱するだけでも付着力を増
し、より強く数回擦らないと剥離しないものであり、且
つそれによる光触媒効果も殆ど変化する事もなかったも
のである。更には150〜200度程度の温度にて10
〜5分以上加熱する事で、緻密で強固な且つ擦る程度で
は剥離しない酸化チタン膜が得られるものであり、粘着
テープを貼付しそれを剥がす事で剥離状況の確認をして
も、何ら剥離の様子もなく、且つ同じく光触媒効果も殆
ど変化のないものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、従来にない簡単な方法で酸化
チタン分散液が得られるものであり、本製法を活用する
事により、従来にない簡単で安価に、且つ安全な方法で
実用に耐え得る酸化チタン分散液を得る事ができるもの
である。加えて、各種の濃度の分散液を得る場合におい
ても簡単に調整もできるものであり、更にその得られる
分散液も中性であるため後加工において、且つバインダ
ーなどを使用せずとも金属、ガラス、プラスチック、木
材などの基体から各種繊維製品などの柔軟な基体に至る
まで、各種基体に塗布・付着させる事ができるものであ
り、本発明を活用・応用する事で各種分野での酸化チタ
ンの利用・応用範囲が広がるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルオキソチタン酸溶液と酸化チタン粉
    末を使用し、それらを混合する事で得る事を特徴とした
    酸化チタン分散液の製造法。
  2. 【請求項2】 前項の製造法により得る事を特徴とした
    酸化チタン分散液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004050218A1 (ja) * 2002-12-03 2004-06-17 Dainichi Shoji K. K. 光触媒清浄化装置
WO2004069946A1 (ja) * 2003-02-10 2004-08-19 Kansai Paint Co., Ltd. 光触媒-酸化チタン複合膜形成用塗布剤
JP2007145696A (ja) * 2005-10-24 2007-06-14 Nippon Maintenance Engineering Kk 低次酸化チタン粒子含有組成物の製造方法

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