JP2002210663A - フランジ一体型金属コア付レジノイド砥石 - Google Patents

フランジ一体型金属コア付レジノイド砥石

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JP2002210663A
JP2002210663A JP2001005286A JP2001005286A JP2002210663A JP 2002210663 A JP2002210663 A JP 2002210663A JP 2001005286 A JP2001005286 A JP 2001005286A JP 2001005286 A JP2001005286 A JP 2001005286A JP 2002210663 A JP2002210663 A JP 2002210663A
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metal core
resinoid
flange
grindstone
grinding wheel
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Kenji Ito
健二 伊藤
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Noritake Co Ltd
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸への取り付けが短時間かつ容易とな
り、且つ取り付け状態で従来よりも軽量となり得るレジ
ノイド砥石を提供する。 【解決手段】 レジノイド砥石部12の内周側には、レ
ジノイド砥石を挟持してそれを支持する従来のフランジ
機能を兼ね備えるフランジ一体型金属コア16が固着さ
れていることから、そのフランジ一体型金属コア16に
形成された取付穴17に主軸36の軸端を嵌め入れるこ
とにより、フランジ一体型金属コア付レジノイド砥石1
0が主軸36に固定される。主軸36への取り付け作業
が短時間となるとともに容易な作業となる。ビレットグ
ラインダのような研削盤の主軸(回転軸)36に取り付
けられた状態でも従来に比較して軽量となるため、主軸
36の太さや主軸36を回転可能に支持する軸受けの大
きさ、それを回転駆動する駆動モータの大きさも小さく
なるとともに、研削作業に要するエネルギが少なくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジノイド砥石部
を外周に有し、フランジ一体型金属コアをその内周側に
固着してそのレジノイド砥石部を支持する形式のフラン
ジ一体型金属コア付レジノイド砥石に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レジノイド砥石を研削盤の回転軸に装着
するに際しては、そのレジノイド砥石の中央部に設けら
れた取り付け穴に嵌合する1対のフランジによりその中
央部が挟持され、その1対のフランジが回転軸に対して
キーなどにより相対回転不能に固定されるようになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記1対のフランジを
レジノイド砥石にセットするのに比較的多くの時間を必
要とし、砥石を使用する研削作業の時間短縮の大きな障
害となっていた。また、上記1対のフランジは、たとえ
ば炭素鋼のような鉄系の金属材料により構成されること
からレジノイド砥石よりも重い場合が殆どであり、その
フランジがセットされたレジノイド砥石の取り扱いが比
較的困難であった。さらに、研削盤の主軸(回転軸)に
取り付けられたレジノイド砥石はフランジを用いて固定
されているために重量が大きくなり、主軸の太さや、主
軸を回転可能に支持する軸受けの大きさ(荷重容量)が
大きくなるので、それを回転駆動する駆動モータの大き
さ(出力容量)も大きくなるとともに、研削作業に要す
るエネルギを多く必要としていた。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、回転軸への取り
付けが短時間かつ容易に行われ得、しかも、取り付け状
態で従来よりも軽量となり得るレジノイド砥石を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥石の
要旨とするところは、(a) 砥粒または砥粒および骨材が
有機結合剤によって結合されたレジノイド砥石部と、
(b) そのレジノイド砥石部を内周側から支持するために
該砥石部の回転中心側に固着され、回転軸に直接取り付
けられるフランジ一体型金属コアとを、含むことにあ
る。
【0006】
【発明の効果】このようにすれば、レジノイド砥石部の
内周側には、砥石を挟持してそれを支持する従来のフラ
ンジ機能を兼ね備えるフランジ一体型金属コアが固着さ
れていることから、そのフランジ一体型金属コアに形成
された穴に回転軸を嵌め入れることにより、フランジ一
体型金属コア付レジノイド砥石が回転軸に固定される。
このため、1対のフランジをレジノイド砥石にセットし
て回転軸に取り付ける従来の場合に比較して、比較的軽
量なフランジ一体型金属コアの穴に回転軸をはめ入れる
ことによりレジノイド砥石を回転軸へ取り付けることが
できるため、回転軸への取り付け作業が短時間となると
ともに容易な作業となる。また、研削盤の主軸(回転
軸)に取り付けられた状態でも従来に比較して軽量とな
るため、主軸の太さや、主軸を回転可能に支持する軸受
けの大きさ(荷重容量)が小さくなり、それを回転駆動
する駆動モータの大きさ(出力容量)も小さくなるとと
もに、研削作業に要するエネルギが少なくなる。また、
上記のように、フランジ一体型金属コアとレジノイド砥
石とが一体構造とされて軽量化されているため、高速回
転による高速研削が可能となり、研削能率が一層高めら
れるとともに、従来のようにフランジの締めつけ不具合
による締めつけの緩みが発生することがなく、研削作業
が安全に行われ得る。
【0007】さらに、フランジ一体型金属コアを従来の
レジノイド砥石の不使用部と同様の外径とし、そのフラ
ンジ一体型金属コアを再利用することにより、レジノイ
ド砥石部の廃棄部分を最小限とすることができるととも
に、製造時の原材料を節約できて製造費用が低減され
る。また、フランジ一体型金属コアは従来のレジノイド
砥石の不使用部よりも破損のおそれがないので再利用に
適するとともに、その破損のおそれのない分だけフラン
ジ一体型金属コア付レジノイド砥石の安全性が高められ
る。また、たとえフランジ一体型金属コアが破損したと
しても、金属製であるために他の用途への再利用が容易
である。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記レジノイド
砥石部は、ホットプレスを用いて前記フランジ一体型金
属コアに固着されたものである。このようにすれば、レ
ジノイド砥石部がフランジ一体型金属コアに対して安定
した強度で強固に固着される。
【0009】また、好適には、前記フランジ一体型金属
コアは、その固着面に有機系接着剤が予め塗布された後
にホットプレスを用いて前記砥石部が固着されたもので
ある。このようにすれば、レジノイド砥石部がフランジ
一体型金属コアに対して接着されるので、一層安定した
強度で強固に固着される。
【0010】また、好適には、前記フランジ一体型金属
コアは、その固着面に多数の凹凸が形成されたものであ
る。このようにすれば、多数の凹凸によって固着表面積
が増加させられているので、レジノイド砥石部がフラン
ジ一体型金属コアに対して一層安定した強度で強固に固
着される。
【0011】また、好適には、前記フランジ一体型金属
コアは、レジノイド砥石部の熱膨張率αに対して、α−
(5×10-6)乃至α+(5×10-6)の範囲内の熱膨
張係数(1/K:室温〜500℃)を有するものであ
る。このようにすれば、砥石使用時の温度変化が大きい
場合にフランジ一体型金属コアとレジノイド砥石部との
接着部位にかかる応力が少なくなるので、より安全に研
削作業を行うことができる。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例のフランジ一体
型金属コア付レジノイド砥石(以下、レジノイド砥石と
いう)10を示す斜視図であり、図2はそのレジノイド
砥石の断面図である。このレジノイド砥石10は、たと
えば外径610mm×厚み75mm×内径89mm程度
の寸法を備えたものであり、砥粒または砥粒および骨材
がフェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂など
の有機結合剤によって結合されることにより構成された
円環状のレジノイド砥石部12と、そのレジノイド砥石
部12を内周側から支持するためにそのレジノイド砥石
部12の回転中心側すなわち内周面14に固着された円
環状のフランジ一体型金属コア(以下、金属コアとい
う)16とを備えている。金属コア16の中央部に設け
られた取付穴17の内周面の一部にはキー溝19が形成
されている。
【0014】上記レジノイド砥石部12は、砥粒または
砥粒および骨材が有機結合剤によって結合されることに
より、たとえば砥粒率50%(JISR6212に規定
する組織6に相当)の緻密な組織に構成されており、気
孔率は略零である。一方、上記金属コア16は、後述の
主軸36に直接取り付けられることによりレジノイド砥
石部12をその主軸36に固定するフランジ機能を有
し、たとえば炭素鋼のような鉄系の金属製であって、内
周面14に対向する外周面である固着面18を備えてい
る。また、この金属コア16は、レジノイド砥石部12
の熱膨張率αに対して、α−(5×10-6)乃至α+
(5×10-6)の範囲内の熱膨張係数(1/K:室温〜
500℃)を有するように、その材質が選択されてい
る。
【0015】図3は、図1のレジノイド砥石部12の外
周面である研削面22の近傍の断面を拡大して概念的に
示す図である。砥粒20は、たとえば粒度が#20程度
すなわち平均粒径で10000μm程度で円柱状を成す
シリンダタイプのアルミナ砥粒(Al23 )であり、
結合剤組織24中に略一様に分散させられ、一部が研削
面22に露出させられている。この砥粒20の熱膨張係
数αG はたとえば7×10-6/℃程度である。結合剤組
織24は砥粒20の熱膨張係数αG よりも大きい熱膨張
係数αP (=50×10-6/℃)を有するフェーノール
樹脂などの熱硬化性樹脂から成る合成樹脂結合剤26
と、その合成樹脂結合剤26中に略一様に分散させられ
た無機質充填剤(骨材)28とから構成される。この結
合剤組織24中における合成樹脂結合剤26と無機質充
填剤28との容積比はたとえば1:1程度である。
【0016】上記無機質充填剤28は複数種類の無機質
粒子が混合されたものであって、たとえば、研削助剤と
して機能する硫化鉄、骨材として機能する硫酸カリウ
ム、クリオライトなどを含む。この無機質充填剤28
は、重研削用のレジノイド砥石の充填材(フィラー)と
して従来から用いられているものであり、たとえば0.
5〜50μm程度の平均粒径を備え、10×10-6〜1
00×10-6/℃程度の熱膨張係数を備えている。従っ
て、レジノイド砥石部12の熱膨張率αは10×10-6
〜14×10-6/℃程度となるため、金属コア16は、
たとえば12×10 -6/℃程度となるように選択されて
いる。
【0017】図2に戻って、金属コア16の外周面であ
る固着面18には、その固着面18或いはそれに接着さ
れるレジノイド砥石部12の内周面14の固着面積を増
加させて固着強度を高めるための凹凸が設けられてい
る。すなわち、上記固着面18には複数本の環状溝30
が設けられることにより、外周側へ所定の回転軸心方向
の間隔で突き出すフィン構造の凹凸が形成されている。
このような凹凸に替えて、ローレット加工による凹凸、
セレーション加工による凹凸のような他の種類の凹凸が
形成されてもよい。
【0018】そして、上記金属コア16の固着面18と
レジノイド砥石部12の内周面14との間には、製造時
に塗布された有機系耐熱接着剤32が介在させられてい
る。この有機系耐熱接着剤32は、前記結合剤組織24
中における合成樹脂結合剤26と同程度以上の耐熱性を
有するものであり、好適にはレジノイド砥石部12の合
成樹脂結合剤26と同系の材質から構成される。この有
機系耐熱接着剤32には、たとえばフェノール樹脂系接
着剤、ポリイミド系接着剤などが用いられる。
【0019】上記レジノイド砥石10は、たとえば図4
の工程図に示すプロセスを経て製造される。すなわち、
予備混合工程S1において、たとえばフェノール樹脂な
どの合成樹脂結合剤粉末と無機質充填剤28とを混合し
て所謂ボンド粉が予備的に作成される。次いで、攪拌混
合工程S2では、砥粒20および液状フェノール樹脂等
の合成樹脂結合剤と上記ボンド粉とが攪拌且つ混合され
ることにより所謂杯土が作製される。このとき、ファラ
スファイバ等の補強材が前記結合剤組織24を補強する
ために必要に応じて混合される。
【0020】続く成形工程S3では、前記有機系耐熱接
着剤32が固着面18に塗布された金属コア16が内周
部に嵌め入れられている所定の成形型内の外周部に上記
の杯土が充填された後、予め定められた温度、圧力、加
圧時間に従って熱間加圧成形(ホットプレス)が行われ
ることにより、その成形型内でレジノイド砥石部12の
結合と、そのレジノイド砥石部12と金属コア16との
間の接着が同時に行われる。さらに、熟成工程S4にお
いて、結合剤組織24の種類毎に予め定められた温度で
熟成(アフターキュア)されることにより、品質が安定
化される。
【0021】以上のように製造されたレジノイド砥石1
0は、たとえば図5に示すビレットグラインダに装着さ
れ、鋼片台車33上に載置された長手状の鋼片(ビレッ
ト)34の傷60を削除するために用いられる。図5に
おいて、鋼片台車33の上方には、鋼片台車33の移動
方向すなわち鋼片34の長手方向に平行な回転軸心まわ
りにレジノイド砥石10を回転可能に支持する主軸(回
転軸)36が設けられている。図6は、主軸36に対す
るレジノイド砥石10の取り付け構造を示している。レ
ジノイド砥石10の金属コア16の中央に設けられた取
付穴17内に主軸36の軸端部に設けられた小径部37
が嵌め入れられた状態でボルト38が締め着けられるこ
とにより、金属コア16が座金39を介して主軸36に
締着されている。金属コア16の取付穴17内に設けら
れたキー溝19内には、小径部37に固定されたキー4
1が嵌め入れられることにより、レジノイド砥石10と
主軸36との相対回転が防止されている。
【0022】上記レジノイド砥石10が装着された主軸
36は、1点鎖線で示されるベルト40を介してモータ
42により回転駆動されるようになっている。モータ4
2やレジノイド砥石10などは、シリンダ装置44のピ
ストンロッド46の出入りに従って左右方向に移動させ
られる水平移動台48上に設けられており、その水平移
動台48上には、さらに1対のシリンダ装置50のピス
トンロッド52の出入りに従って回動軸54まわりに回
動させられるアーム56が設けられ、上記主軸36はそ
のアーム56の先端部において回転可能に支持されてい
る。鋼片台車33が所定の速度で移動させられる状態
で、作業者がレバー58を操作することにより上記シリ
ンダ装置44および50が作動させられてレジノイド砥
石10は左右方向および上下方向に移動させられること
により、たとえば図7に示すように鋼片34上の傷60
が研削により除去される。このような研削は、高能率で
行うために比較的大きな研削負荷が加えられるので、重
研削とも称される。
【0023】上記のレジノイド砥石10の性能を評価す
るために本発明者等により行われた実験例を説明する。
この実験例では、実験試料1、比較試料1、および比較
試料2の3種類が各2個ずつ製造され、1個は安全性を
確認するための回転破壊試験に、他の1個は研削性能を
評価するための研削試験に用いられた。実験試料1の砥
石は、外径610mm×厚み75mm×内径89mmの
寸法であり、図4に示す工程を経ることにより図1或い
は図2に示すように構成されたものである。比較試料1
の砥石64は、図4に示す工程と同様の工程を経ること
により、図8に示すように構成されている。すなわち、
砥石64は、全体として厚肉円板状を成し、前記金属コ
ア16と同様の材質から構成され且つ中央部に取付穴6
6が形成された金属コア68と、前記レジノイド砥石部
12と同様の材質から構成されてその金属コア68の外
周面に固着された砥石部70とから構成されている。ま
た、上記比較試料2の砥石72は、図9に示すように、
上記金属コア68の代わりに研削しないことを前提とし
て別途調整したコアー用の杯土(砥粒および樹脂結合剤
の混合体)を供給して機械的強度を高めたレジノイド砥
石であり、内周部にそのコアー用の杯土により構成され
た補強部73と中央部に設けられた比較的大きな取付穴
74とを備えている。上記砥石64および72は、たと
えば図10に示すように、図6の金属コア16と同様
に、主軸36の小径部37にボルト38により締着され
た第1フランジ部材76とその第1フランジ部材76に
ボルト78により固定された第2フランジ部材80との
間に砥石64および72の内周部が挟持されることによ
り、主軸36に固定されている。図10は、砥石64が
主軸36に固定された状態を示している。
【0024】 (表1) 砥石種類 破壊回転速度Nd 破壊周速Vd 安全率(Vd /80 ) 実験試料1 5667 rpm 181 m/s 2.26 比較試料1 5405 rpm 173 m/s 2.16 比較試料2 5148 rpm 164 m/s 2.05
【0025】表1は、上記実験試料1、比較試料1、お
よび比較試料2を用いて回転破壊試験を行ったときの試
験条件および結果を示している。表1から、実験試料1
のフランジ構造を併せ持つ金属コア16を有するレジノ
イド砥石は、比較試料2の内周部の機械的強度が高めら
れた従来のものよりも1.10倍の強度が得られるとと
もに、比較試料1の金属コア68を有するものよりも
1.05倍の強度が得られた。表1において、安全率
は、破壊周速Vd を使用周速80m/s で割った倍数で示
されており、通常、2.0以上が要求されている。実験
試料1は2.05倍以上すなわち2.26倍であり、安
全性については満足されている。
【0026】表2は、以下の加工条件で研削を行ったと
きの結果を、比較試料2を100とした場合の相対値で
示している。表2において、砥石摩耗量は研削加工によ
る重量減少値を、被削材研削量は被削材(ビレット)の
重量減少値を、研削比は被削材研削量/砥石摩耗量をそ
れぞれ示している。研削比の値が大きいほど高い研削性
能を表す。表2から明らかなように、実験試料1は、比
較試料2に比較して61%も高い研削比が得られ、比較
試料1よりも高い研削比が得られた。これは、従来の砥
石の比較試料2の補強部(コア部)73がレジノイド砥
石から構成されているために比較的弾性率が低いのに対
し、実験試料1は、金属コア16を用いているので、弾
性率が高く、さらにレジノイド砥石部12を支持すると
いうフランジ機能(構造)を金属コア16が併せ持ち、
取付穴17の径が従来よりも小径となることから、比較
試料2の補強部73を金属に置き換えた比較試料1の砥
石よりもさらにマスとしての砥石弾性率が上がるため、
研削時の砥石がその弾性によって逃げ難くなって研削量
が増加し、且つ砥石の弾性のために発生するタタキ減少
が少なくなるとともに、砥石摩耗も減少している。これ
により、実験試料1の砥石は、高い研削比が得られてい
る。
【0027】また、上記実験試料1の砥石は、フランジ
により挟持される比較試料1或いは2と比較して、総重
量が40%或いは20%低くなるため、研削時の消費電
力値では、比較試料1或いは2と比較して、それぞれ2
0%或いは10%低くなり、省エネルギの点においても
有利な結果が得られている。
【0028】研削加工条件 被削材の材質 :SUS430 被削材の寸法 :130×130×2600(mm) 砥石の周速 :80m/s 鋼片台車の速度:0.5m/s 研削時間 :20分 研削方式 :モータ定電流駆動による定電流研削
【0029】 (表2) 砥石種類 砥石総重量 砥石摩耗量 被削材研削量 研削比 消費電力値 実験試料1 80 84 135 161 90 比較試料1 120 89 130 146 110 比較試料2 100 100 100 100 100
【0030】上述のように、本実施例のレジノイド砥石
10によれば、レジノイド砥石部12の内周側には、レ
ジノイド砥石を挟持してそれを支持する従来のフランジ
機能を兼ね備えるフランジ一体型金属コア16が固着さ
れていることから、そのフランジ一体型金属コア16に
形成された取付穴17に主軸36の軸端を嵌め入れるこ
とにより、フランジ一体型金属コア付レジノイド砥石1
0が主軸36に固定される。このため、主軸36への取
り付け作業が短時間となるとともに容易な作業となる。
また、ビレットグラインダのような研削盤の主軸 (回転
軸)36に取り付けられた状態でも従来に比較して軽量
となるため、主軸36の太さや、主軸36を回転可能に
支持する軸受けの大きさ(荷重容量)が小さくなり、そ
れを回転駆動する駆動モータの大きさ(出力容量)も小
さくなるとともに、研削作業に要するエネルギが少なく
なる。また、上記のように、フランジ一体型金属コア1
6とレジノイド砥石部12とが一体構造とされて軽量化
されているため、高速回転による高速研削が可能とな
り、研削能率が一層高められるとともに、従来のように
フランジの締めつけ不具合による締めつけの緩みが発生
することがなく、研削作業が安全に行われ得る。
【0031】さらに、本実施例のレジノイド砥石10に
よれば、フランジ一体型金属コア16を従来のレジノイ
ド砥石の不使用部と同様の外径とし、そのフランジ一体
型金属コア16を再利用することにより、レジノイド砥
石部12の廃棄部分を最小限とすることができるととも
に、製造時の原材料を節約できて製造費用が低減され
る。また、フランジ一体型金属コア16は従来のレジノ
イド砥石の不使用部よりも破損のおそれがないので再利
用に適するとともに、その破損のおそれのない分だけフ
ランジ一体型金属コア付レジノイド砥石10の安全性が
高められる。また、たとえフランジ一体型金属コア16
が破損したとしても、金属製であるために他の用途への
再利用が容易である。
【0032】また、本実施例のレジノイド砥石10によ
れば、レジノイド砥石部12が、ホットプレスを用いて
前記フランジ一体型金属コア16に固着されたものであ
るので、レジノイド砥石部12がフランジ一体型金属コ
ア16に対して安定した強度で強固に固着される。
【0033】また、本実施例のレジノイド砥石10によ
れば、フランジ一体型金属コア16は、その固着面18
に有機系接着剤32が予め塗布された後にホットプレス
を用いてレジノイド砥石部12が固着されたものである
ことから、レジノイド砥石部12がフランジ一体型金属
コア16に対して接着されるので、一層安定した強度で
強固に固着される。
【0034】また、本実施例のレジノイド砥石10によ
れば、フランジ一体型金属コア16は、その固着面18
に多数の凹凸が形成されたものであることから、その多
数の凹凸によって固着表面積が増加させられているの
で、レジノイド砥石部12がフランジ一体型金属コア1
6に対して一層安定した強度で強固に固着される。
【0035】また、本実施例のレジノイド砥石10によ
れば、フランジ一体型金属コア16は、レジノイド砥石
部12の熱膨張率αに対して、α−(5×10-6)乃至
α+(5×10-6)の範囲内の熱膨張係数(1/K:室
温〜500℃)を有するものであることから、砥石使用
時の温度変化が大きい場合にフランジ一体型金属コア1
6とレジノイド砥石部12との接着部位にかかる応力が
少なくなるので、より安全に研削作業を行うことができ
る。
【0036】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】図11および図12のレジノイド砥石90
は前述のレジノイド砥石10の変形例を示している。こ
のレジノイド砥石90も、前述のレジノイド砥石10と
同様に、砥粒20または砥粒20および骨材28が有機
結合剤26によって結合された円環状のレジノイド砥石
部92と、そのレジノイド砥石部92を内周側から支持
するためにそのレジノイド砥石部92の回転中心側にす
なわち内周側に固着され、主軸36に直接取り付けられ
るフランジ一体型金属コア(金属コア)94とを備えて
いる。この金属コア94には、取付穴95および図示し
ないキー112を嵌合するためのキー溝が形成されてお
り、このキー溝の位置は製造砥石の最終仕上 (砥石外周
の真円出し)に於いて仕上機に取り付ける際には最上部
或いは最下部になるように位置決め固定されるととも
に、その仕上時と同じ回転角度位置にて研削盤に取り付
けられるようになっている。なお、キー溝をある特定位
置に意識的に設定したい場合とか、キー溝を設けない場
合には砥石側面等に位置決めマークを設定することで、
研削盤への取付位置を仕上機と同じ位置に復元できる。
さらにこの金属コア94は、レジノイド砥石部92の厚
み寸法よりも十分に大きい軸心方向寸法を備えたボス部
96と、レジノイド砥石部92の内周面に固着され、ボ
ス部96よりも大きい外径とボス部96よりも小さいが
レジノイド砥石部92の厚み寸法よりも大きい軸心方向
寸法とを備えたリム部98と、そのリム部98およびボ
ス部96の軸心方向(厚み方向)寸法よりも十分に小さ
い軸心方向寸法を有し、そのリム部98およびボス部9
6を連結する円板状の連結部100と、軽量化のために
その連結部100に設けられた嵌通穴102とを備えて
いる。上記リム部98の軸心方向の一端部にはレジノイ
ド砥石部92に当接して位置決めするために外周側に突
き出す位置決め突起104が設けられ、他端部には動バ
ランスをとるためにリム部98の径方向厚みよりも大き
く形成されたバランス調整部106が設けられ、そこに
はバランスウエイト等の手動あるいは自動バランス調整
手段が組み込まれている。さらに、この金属コアー94
にはこの砥石90を研削盤に自動着脱を行うための挟持
部を設けることが出来る。こうすることで、大重量の大
型砥石でも容易に着脱でき、自動化が容易である。
【0038】軸受108を介してビレットグラインダの
ハウジング110により回転可能に支持され、且つベル
ト40を介してモータ42により回転駆動されるように
なっている主軸36の軸端部は、それに固定されたキー
112が上記キー溝に嵌合されるように上記ボス部96
に形成された取付穴95内に嵌め入れられた後、ボルト
114により円形プレート116を介して締めつけられ
ることにより、レジノイド砥石90が主軸36に取り付
けられる。
【0039】本実施例のレジノイド砥石90によれば、
前述の実施例のレジノイド砥石10と同様の効果が得ら
れるのに加えて、金属コア94が、レジノイド砥石部9
2よりも肉薄の円板状の連結部100によってリム部9
8およびボス部96が径方向において連結されているの
で、レジノイド砥石90が一層軽量となる。また、リム
部98の軸心方向の一端部には位置決め突起104が設
けられてレジノイド砥石部92が金属コア94に対して
正確に位置決めされる。さらに、リム部98の軸心方向
の他端部には動バランスをとるためにリム部98の径方
向厚みよりも大きく形成されたバランス調整部106が
設けられているので、軽量化に拘らず好適な動バランス
が得られる。さらに、ビレットグラインダのような粉塵
が多く発生する環境で使用される砥石や研削盤は一般的
に粉塵による砥石軸ハメアイ部での噛込み防止などを目
的にハメアイ交差を大きく (緩く)してある。このよう
な場合でも、本実施例のレジノイド砥石90は、前述の
ようにキー溝が利用されることから、ハメアイ交差に基
づく外周振れは砥石の取付初期から最小となり片当たり
による異常振動が激減するので、この異常振動に基づく
金属コアーとレジノイド砥石部の界面での剥離の危険性
も大きく低下する。
【0040】以上、本発明の一実施例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0041】たとえば、前述の実施例のレジノイド砥石
10、90は、厚肉円板状の全体形状を備えた重研削の
ためのビレットグラインダ用砥石であったが、カップ状
の砥石、平面研削砥石、円筒研削砥石、スナッキング砥
石、心無し砥石、内面研削用砥石など、他の形状或いは
用途のレジノイド砥石であっても差し支えない。
【0042】また、前述の実施例の金属コア16、94
は、主軸36の円柱状軸端部に嵌め着けられていたが、
主軸36の軸端部がテーパ状に形成され、そのテーパ状
の軸端部に嵌め着けられてもよい。
【0043】また、前述の実施例の金属コア16、94
は、炭素鋼のような鉄系の金属製であったが、必ずしも
鉄系の金属製でなくてもよく、適切な熱膨張率さえ得ら
れれば、他の種類の金属或いは合金製であってもよい。
【0044】また、前述の実施例の金属コア16の固着
面18には、複数本の環状溝30による凹凸が設けられ
ていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。また、
その金属コア16の固着面18には、有機系接着剤32
が塗布された状態でホットプレスによりレジノイド砥石
部12が固着されていたが、その有機系接着剤32は必
ずしも塗布されなくてもよく、また、レジノイド砥石部
12の成形のためにホットプレスに替えてコールドプレ
スが用いられてもよい。この場合には、成形されたレジ
ノイド砥石部12が金属コア16の固着面18に接着さ
れる。
【0045】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のフランジ一体型金属コア付
レジノイド砥石を示す斜視図である。
【図2】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石の構成を説明する断面図である。
【図3】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石のレジノイド砥石部の組成を概略説明する図である。
【図4】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石の製造工程を説明する工程図である。
【図5】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石が用いられるビレットグラインダの構成を説明する図
である。
【図6】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石がビレットグラインダの主軸に取り付けられる構造を
説明する断面図である。
【図7】図6のビレットグラインダによりビレット表面
の傷が除去される状態を説明する断面図である。
【図8】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石と性能を比較するための金属コア付レジノイド砥石を
示す斜視図である。
【図9】図1のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
石と性能を比較するための従来の補強部付レジノイド砥
石を示す斜視図である。
【図10】図8の金属コア付レジノイド砥石がビレット
グラインダの主軸に取り付けられる構造を説明する断面
図である。
【図11】本発明の他の実施例のフランジ一体型金属コ
ア付レジノイド砥石がビレットグラインダの主軸に取り
付けられた状態を説明するために一部を切り欠いて示す
図である。
【図12】図11の他の実施例のフランジ一体型金属コ
ア付レジノイド砥石の一部を示す正面図である。
【符号の説明】
10:フランジ一体型金属コア付レジノイド砥石(レジ
ノイド砥石) 12:レジノイド砥石部 16:フランジ一体型金属コア(金属コア) 36:主軸(回転軸)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒または砥粒および骨材が有機結合剤
    によって結合されたレジノイド砥石部と、 該レジノイド砥石部を内周側から支持するために該砥石
    部の回転中心側に固着され、回転軸に直接取り付けられ
    るフランジ一体型金属コアと を、含むことを特徴とするフランジ一体型金属コア付レ
    ジノイド砥石。
  2. 【請求項2】 前記レジノイド砥石部は、ホットプレス
    を用いて前記フランジ一体型金属コアに固着されたもの
    である請求項1のフランジ一体型金属コア付レジノイド
    砥石。
  3. 【請求項3】 前記フランジ一体型金属コアは、その固
    着面に有機系接着剤が予め塗布された後にホットプレス
    を用いて前記砥石部が固着されたものである請求項1ま
    たは2のフランジ一体型金属コア付レジノイド砥石。
  4. 【請求項4】 前記フランジ一体型金属コアは、その固
    着面に多数の凹凸が形成されたものである請求項1乃至
    3のいずれかのフランジ一体型金属コア付レジノイド砥
    石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004299019A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Noritake Co Ltd セグメント型超砥粒砥石

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