JP2002210363A - 軽質炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法及びそれを用いた軽質炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents
軽質炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法及びそれを用いた軽質炭化水素油の水素化処理方法Info
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Abstract
が高く、耐硫黄性が優れ、長寿命の軽質炭化水素油の水
素化触媒及びその製造方法の提供。 【解決手段】 (A)周期律表第6族元素および周期律
表第8〜10族卑金属元素から選ばれる少なくとも一つ
の元素の化合物と、(B)周期律表第8〜10族貴金属
元素から選ばれる少なくとも一つの元素の化合物とを含
有し、かつ化合物(A)に帰属する昇温還元法の還元ピ
ーク温度が500℃以下である軽質炭化水素油の水素化
処理触媒、及びこれを用いた軽質炭化水素油の水素化処
理方法。担体に化合物(A)を担持し、還元処理を行っ
た後、化合物(B)の溶液と接触させることからなる上
記軽質炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法。
Description
水素からなる原料を水素化処理する触媒、該触媒の製造
方法及びこれを用いた軽質炭化水素油の水素化処理方法
に関し、特に石油精製分野において低温で水素化処理を
行うことを可能にする高活性な水素化処理触媒、該触媒
の製造方法及びそれを用いた軽質炭化水素油の水素化処
理方法に関するものである。
きわめて重要な技術であり、改質や精製方法に広く使用
されている。たとえば、水素共存下に原料油中の硫黄化
合物を反応させて除去する水素化脱硫処理、同様に窒素
化合物を除去する水素化脱窒素処理、原料油中の炭化水
素を分解して軽質化する水素化分解処理、原料油中の芳
香族炭化水素をはじめとする不飽和炭化水素を水素化す
る水添処理等に利用されている。本発明において水素化
処理とはこれら水素化を伴う処理全般を指すものとす
る。これらの水素化処理においては触媒を用いて高温、
高圧下で反応を進行させるが、反応条件を低温、低圧に
することによってプロセスの経済性を向上させるため、
触媒の活性が高いことが望まれる。
は、通常、金属酸化物等の多孔質で表面積の大きい物質
を担体として、水素化活性を有する金属ないし化合物を
担持した担持触媒である。一般に、貴金属を用いた触媒
は水素化活性が高いが、硫黄分等の物質による被毒を受
けやすい。一方、ニッケル、コバルト、モリブデン、タ
ングステン等の金属の硫化物を主体とする硫化物触媒
は、貴金属触媒に比べると水素化活性は高くないが、硫
黄の被毒に強いことが知られている。水素化処理におい
ては、その目的、原料等に応じて様々な触媒が選択され
用いられる。
触媒として多くの種類の触媒が用いられている。しかし
ながら近年の環境保全に対する要求の高まりを背景とし
て、経済性を向上させる目的および環境に対する負荷を
低減する目的で、さらに高活性であり、かつ高い耐硫黄
性と長い触媒寿命を兼ね備えた触媒が切望されている現
状にある。
て、前述した2種類の触媒、即ちモリブデン、タングス
テン、ニッケル、コバルト等、周期律表第6族元素また
は周期律表第8〜10族卑金属元素の化合物を含有する
触媒と、ロジウム、パラジウム、白金等の周期律表第8
〜10族貴金属元素を含有する触媒を単に混合しただけ
では、両者の特長を兼ね備えた高性能の水素化触媒は得
られない。
性成分である周期律表第6族元素または周期律表第8〜
10族卑金属元素の化合物からなる反応活性点の近傍
に、選択的に周期律表第8〜10族貴金属元素を存在さ
せることが重要であり、これにより、周期律表第8〜1
0族貴金属上で水素が活性化され、反応活性点へ水素を
効率的にスピルオーバーさせることができる。この水素
のスピルオーバーによって反応活性点上の水素が増加し
て、水素化反応活性の向上とともに、被毒物となる硫黄
化合物の水素化促進による耐硫黄性の向上、および活性
低下の原因となるコークの水素化促進による長寿命化が
図れる。これにより高価な貴金属の使用量を低く抑えな
がら触媒性能を高めることができる。
は周期律表第6族元素または周期律表第8〜10族卑金
属元素化合物からなる反応活性点の近傍に、周期律表第
8〜10族貴金属元素を選択的に存在させることが重要
であり、これにより高価な貴金属の使用量を低く抑えな
がら触媒性能を高めることができることに着目し、高性
能の水素化処理触媒を得るため鋭意研究を重ねた結果、
反応活性点となる触媒の成分が還元を受ける際の挙動が
水素化処理の触媒活性と密接な関係を有し、特定の還元
特性を有する水素化処理触媒のみが高活性を有すること
を見出し、またこのような還元特性を有する触媒を得る
ための方法を見出し、本発明を完成した。
よび周期律表第8〜10族卑金属元素から選ばれる少な
くとも一つの元素の化合物(A)と、周期律表第8〜1
0族貴金属元素から選ばれる少なくとも一つの元素の化
合物(B)とを含有し、かつ化合物(A)に帰属する昇
温還元法の還元ピーク温度が500℃以下であることを
特徴とする軽質炭化水素油の水素化処理触媒、該触媒の
製造方法及びこれを用いた軽質炭化水素油の水素化処理
方法である。このような還元特性を有する触媒は、担体
に化合物(A)を担持し還元処理を行った後、化合物
(B)の溶液と接触させることにより得られる。以下、
本発明を詳細に説明する。
律表第6族元素および周期律表第8〜10族卑金属元素
から選ばれる少なくとも一つの元素の化合物(A)と、
周期律表第8〜10族貴金属元素から選ばれる少なくと
も一つの元素の化合物(B)の2成分を必須成分として
含有する。ここに周期律表による族番号は1989年I
UPAC無機化学命名法改訂版による長周期型周期律表
に基づくものである。なお本発明において、ある元素の
化合物にはその元素の単体も含むものとする。
ン、タングステンを指すものであり、その中ではモリブ
デン、タングステンが好ましく、モリブデンがさらに好
ましい。
コバルト、ニッケルを指し、その中ではコバルト、ニッ
ケルが好ましい。
第6族元素のみ、周期律表第8〜10族卑金属元素のみ
を用いても良いが、両者とも用いても良い。
あるが、好ましくは硫化物、酸化物、金属であり、さら
に好ましくは硫化物、金属である。また触媒中の(A)
成分の含有量は任意であるが、酸化物とした場合の重量
換算で、触媒全量(担体を含む)に対して1〜50重量
%が好ましい。さらに好ましくは2〜30重量%であ
る。なおこの酸化物とは、化学式で表示するとそれぞれ
Fe3O4、Co3O4、NiO、CrO3、MoO3、WO
3であり、無水物として換算する。
ニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金を指すが、その中ではルテニウム、ロジウム、
パラジウム、白金が好ましい。さらに好ましくはロジウ
ム、パラジウム、白金であり、最も好ましくはロジウム
である。これら元素の化合物の形態は任意であるが、好
ましくは金属である。また(B)成分として一種類の周
期律表第8〜10族貴金属元素を用いても良いが、複数
の周期律表第8〜10族貴金属元素を用いることが好ま
しい。とくにロジウムと、パラジウムおよび/または白
金を共存させて用いることが好ましい。触媒中の(B)
成分の含有量は任意であるが、金属とした場合の重量換
算で、触媒全量(担体を含む)に対して0.01〜5重
量%が好ましい。さらに好ましくは0.05〜2重量%
である。
割合は、金属として(B)/(A)が10重量%以下、
特に5重量%以下であることが好ましい。
(A),(B)両成分以外の成分を含有しても良い。そ
の他の成分としては、担体となる成分および非化学量論
的組成を有する金属酸化物を好ましく例示できる。非化
学量論的組成を有する金属酸化物としては、ランタンお
よびランタニドの酸化物が好ましく、ランタン、セリウ
ム、サマリウムの酸化物がさらに好ましい。
ことが必須ではないが、活性成分の表面積を増大させて
効率的に反応を行うことが可能になる点などから担体を
含有することが好ましい。担体は任意であり、通常用い
られる担体を使用できる。多孔質で表面積の大きなアル
ミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア等の
金属酸化物、シリカアルミナ、アルミナボリア等の複合
金属酸化物、各種の粘土鉱物、活性炭等が挙げられる。
含むことが好ましい。イオン交換能を有する物質として
は、ゼオライト、各種のモレキュラーシーブ、シリコア
ルミノフォスフェートを代表とするメタロアルミノフォ
スフェート、粘土鉱物等を例示することができる。中で
もゼオライト、粘土鉱物が好ましい。好ましいゼオライ
トとしてはフォージャサイト(Xゼオライト、Yゼオラ
イト、超安定Yゼオライト)、モルデナイト、βゼオラ
イト、ペンタシル型ゼオライト(MFI等)、フェリエ
ライト、Lゼオライト、Aゼオライト等が挙げられる。
さらに好ましくは、フォージャサイト、モルデナイト、
βゼオライト、MFI、フェリエライト、Lゼオライト
である。好ましい粘土鉱物としては、3層構造を有する
スメクタイト(モンモリロナイト(ベントナイト、活性
白土、酸性白土等を含む)、サポナイト、ヘクトライ
ト、スチブンサイト等)、2層構造を有するカオリナイ
ト、セピオライト等が挙げられる。これらの中では、合
成されたスメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ス
チブンサイト)、セピオライト、特にサポナイト、スチ
ブンサイトが好ましい。
でも良い。バインダーの種類は任意であるが、成型性に
優れ、調製後の耐熱性が高いものが好ましい。アルミナ
ゾル、ベーマイト、シリカゾル、各種の粘土鉱物などを
好適に用いることができる。
は含浸法、共沈法、混練法等、任意であるが、好ましい
方法として含浸法(Incipient wetness法、浸漬法
等)、イオン交換法、気相担持法(CVD法等)等が挙
げられる。担持させる原料化合物の形態は担持法によっ
て異なるが、含浸法、イオン交換法の場合、水溶性の塩
化物、硝酸塩、酢酸塩等が好ましく用いられる。
混練法等、任意であるが、好ましい方法として含浸法
(Incipient wetness法、浸積法等)、イオン交換法、
気相担持法(CVD法等)、後で定義するイオン交換金
属析出法等が挙げられ、特に好ましい担持法は、イオン
交換金属析出法である。担持させる原料化合物の形態は
担持法によって異なるが、含浸法、イオン交換法、イオ
ン交換金属析出法の場合、水溶性の塩化物、硝酸塩、酢
酸塩、アンミン錯体等が好ましく用いられる。なお、化
合物(B)は、その一部をイオン交換金属析出法で担持
し、一部を含浸法、イオン交換法などの他の担持法で担
持しても良い。
あり、どちらを先に担持しても良く同時に担持しても良
いが、化合物(A)を先に担持し、化合物(B)を後に
担持する方が好ましい。
よび還元処理を行うことが好ましい。酸化処理には特に
制限はなく任意の方法を採用できるが、好ましくは酸素
による酸化処理であり、具体的には空気中ないし酸素を
含むガス中で加熱する方法である。温度は200〜70
0℃が好ましく、300〜650℃がさらに好ましい。
還元処理には特に制限はなく任意の方法を採用できる
が、好ましくは水素による還元処理であり、具体的には
水素中ないし水素を含むガス中で加熱する方法である。
還元温度は200〜700℃が好ましく、300〜65
0℃がさらに好ましい。また、還元処理の後、あるいは
還元処理の代わりに硫化処理を行っても良い。硫化処理
には特に制限はなく任意の方法を採用できるが、好まし
くは硫化水素による還元処理であり、具体的には硫化水
素中ないし硫化水素を含むガス中で加熱する方法であ
る。硫化水素と水素の混合ガスを用いることが好まし
い。硫化温度は200〜700℃が好ましく、300〜
650℃がさらに好ましい。
からなる触媒の反応活性点の近傍に選択的に(B)成分
の貴金属を存在させ、該貴金属上で水素を活性化させて
反応活性点へ水素を効率的にスピルオーバーさせること
により反応活性点上の水素を増加させ、水素化反応活
性、耐硫黄性の向上、および長寿命化を図ることである
が、このような触媒性能を有する本発明の水素化処理触
媒は、含有する(A)成分化合物に帰属する昇温還元法
の還元ピーク温度が500℃以下であることにより特徴
づけられている。
る手法として有効な手段であり、触媒の還元され易さを
知ることができる。そしてこの手法により、(A)成分
化合物の還元され易さと水素化処理における反応活性と
の間に相関があり、本発明の触媒の場合、昇温還元法の
還元ピーク温度が500℃以下である触媒が高活性であ
ることが見出された。ここに昇温還元法の還元ピーク温
度とは、触媒を水素還元雰囲気中で一定の速度で昇温し
た時に温度を横軸に、熱伝導度検出器からの信号強度を
縦軸にして得られる昇温還元曲線におけるピーク温度で
ある。昇温還元法による還元ピーク温度の具体的な測定
法は次のとおりである。
空気中120℃±10℃で8時間以上乾燥した触媒0.
15g±0.01gを充填する。触媒はコーツウールで
保持する。熱電対を触媒部近傍に設置し触媒部の温度を
測定する。
ml/分)中で400℃±10℃で2時間以上前処理を
行う。
ス気流(水素50〜70容量%/アルゴン50〜30容
量%、流量20ml/分±2ml/分)に切り替える。
ml/分)中で10℃/分±0.5℃/分の昇温速度に
制御して一定昇温速度で1000℃まで昇温する。水素
消費に伴う混合ガスの組成変化を熱伝導度検出器により
連続的に検出し、その信号をレコーダーを用いて記録さ
せチャートを得る。設定した昇温速度から水素消費に伴
う混合ガスの組成変化と温度の相関を得る。
図1に示す。図1の縦軸は熱伝導度検出器からの信号強
度であるが、昇温還元法において水素消費に相当する値
である。また図1の横軸は時間の経過を示すが、一定の
速度で昇温しているのでその時点での触媒部温度に相当
する値である。本発明では、信号強度(水素消費量に対
応)が最も高いピークを与える時の触媒部温度を還元ピ
−ク温度と定義する。図1において、還元ピーク温度は
()では373℃であり()では512℃である。
含有する触媒では、その含有量等の条件によって周期律
表第8〜10族貴金属元素の還元に起因するピークが現
れるので、本発明の(A),(B)2成分からなる触媒
においては、周期律表第8〜10族貴金属元素の還元に
起因するピークが最大となることがある。しかし周期律
表第8〜10族貴金属元素の還元に起因するピークは3
00℃未満に現れるので、本発明では300℃未満に現
れるピークは周期律表第8〜10族貴金属元素の還元に
起因するピークとみなし、本発明における化合物(A)
に帰属する昇温還元法の還元ピーク温度は、300℃以
上のピークの内で最大のピークを与える温度と定義す
る。
より測定された(A)成分化合物に帰属する昇温還元法
の還元ピーク温度が500℃以下であることを特徴とす
るものであるが、好ましくは450℃以下であり、40
0℃以下がさらに好ましく、特に好ましくは390℃以
下であり、最も好ましくは380℃以下である。
素化処理触媒は、ここに定義するイオン交換金属析出法
で調製することが好ましい。この方法は次の工程よりな
る。 (1)担体に、化合物(A)を担持する。 (2)還元処理を行う。 (3)化合物(B)の溶液を接触させる。
り、前述した担持法を採用できる。また化合物(A)だ
けでなく、その他の成分を担持しても良い。またもう一
方の触媒成分である化合物(B)の一部を同時に担持し
ても良い。
意であり、水素の他、各種の還元剤を用いることができ
るが、好ましい還元処理は水素による還元処理である。
この工程での還元処理温度は化合物(A)の種類によっ
て異なるが、周期律表第8〜10族卑金属では200〜
700℃が好ましく、300〜650℃がさらに好まし
い。周期律表第6族元素では、300〜900℃が好ま
しく、500〜800℃がさらに好ましい。(2)の工程
では、(1)の工程で担持した化合物(A)の一部あるい
は全部が金属状態に還元されることが重要である。
還元処理後の触媒に化合物(B)の溶液を接触させる。
接触の方法は任意であるが、(2)の工程で得られた還元
処理後の触媒を溶液中に浸す方法、(2)の工程で得られ
た還元処理後の触媒に溶液を注ぐ方法が好ましく例示で
きる。(2)の工程で得られた還元処理後の触媒を溶液中
に浸す方法では、浸しておく時間は1分〜1日、特に2
分〜5時間が好ましい。接触させる温度は0〜100
℃、特に10〜80℃が好ましい。用いる溶液の種類は
任意であるが、主たる溶媒は水であることが好ましい。
また接触させる化合物(B)の形態は任意であるが、主
たる溶媒が水である場合、水溶性の塩化物、硝酸塩、酢
酸塩、アンミン錯体等が好ましく用いられる。このとき
の濃度は0.05〜10重量%、特に0.1〜5重量%
が好ましい。さらにこの工程の操作は不活性ガス中で行
われることが望ましい。不活性ガスとしては、窒素、ア
ルゴン、ヘリウムなどが好ましい。この工程において、
金属状態に還元された成分(A)の化合物と化合物
(B)が反応し、金属上に周期律表第8〜10族貴金属
元素が金属として析出する。この方法をイオン交換金属
析出法と呼ぶ所以である。
しい。この処理によって、活性点が安定化される。ま
た、還元処理の後、あるいは還元処理の代わりに硫化処
理を行っても良い。
表第8〜10族貴金属元素を活性点の近傍に選択的に存
在させることができる結果、高価な貴金属の使用量を少
なくすることができる。好ましい例として、ロジウムを
担持した場合、ロジウムの量は0.01〜2重量%とす
ることができる。さらに好ましくは0.02〜1重量%
である。このロジウムの効果を補強するため、パラジウ
ムおよび/または白金を共存させることが望ましい。パ
ラジウム、白金の担持量は、触媒全量に対して好ましく
は0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜2
重量%である。
油は軽質炭化水素油である。本発明で言う軽質炭化水素
油とは、日本工業規格の JIS K2254 石油製
品−蒸留試験方法(1990年改正)の常圧法蒸留試験
方法により測定された90容量%留出温度が、390℃
以下の炭化水素油を指す。この軽質炭化水素油の例は原
油を常圧蒸留装置(トッパー)で蒸留した際に留出する
留出油留分であり、これにはナフサ、灯油、軽油と一部
の重質軽油が含まれる。なお、重質炭化水素油が重質で
あるために該試験方法の常圧法蒸留試験方法で90容量
%留出温度が測定できない場合には、該試験方法の減圧
法蒸留試験方法により測定された結果から求められる常
圧換算留出温度によって90容量%留出温度を決定する
ものとする。
素化脱窒素処理、水素化分解処理、芳香族炭化水素や不
飽和炭化水素の水添処理等、軽質炭化水素油の各種の水
素化処理に広範囲に適用できる。
詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定される
ものではない。
メクトンSA、クニミネ工業株式会社)に、まず以下の
イオン交換法でコバルトとパラジウムを担持した。12
0℃で乾燥した多孔質サポナイト10gに対して0.2
モル/リットルの硝酸コバルトと0.005モル/リッ
トルの硝酸パラジウム(II)混合水溶液1リットルの
割合で混合し80℃以上の温度で1.5時間撹拌した。
その後ろ過し、試料10gに対して蒸留水2リットルと
エタノール100ミリリットルで洗浄した。120℃で
乾燥後、空気中400℃で4時間焼成した。得られた担
持触媒を水素65容量%/アルゴン35容量%混合ガス
気流中600℃で30分間還元した。その後、不活性ガ
ス中で0.002モル/リットルの塩化ロジウム水溶液
に室温で、10分間接触させた(イオン交換金属析出
法)。120℃で8時間乾燥後、空気中400℃で4時
間焼成し、水素65容量%/アルゴン35容量%混合ガ
ス気流中600℃で30分間還元した。得られた触媒を
触媒とした。
まず以下のイオン交換法でコバルトとパラジウムを担持
した。120℃で乾燥した多孔質サポナイト10gに対
して0.2モル/リットルの硝酸コバルトと0.005
モル/リットルの硝酸パラジウム(II)混合水溶液1
リットルの割合で混合し80℃以上の温度で1.5時間
撹拌した。その後ろ過し、試料10gに対して蒸留水2
リットルとエタノール100ミリリットルで洗浄した。
120℃で乾燥後、空気中400℃で4時間焼成した。
得られた担持触媒に、ロジウム担持量が0.1重量%と
なるようにIncipient wetness法で塩化ロジウム水溶液
を含浸した。120℃で8時間乾燥後、空気中400℃
で4時間焼成し、水素65容量%/アルゴン35容量%
混合ガス気流中600℃で30分間還元した。得られた
触媒を触媒とした。触媒調製1,2で製造した触媒
,の金属担持量を表1に示す。
行った。測定には市販の装置(TP−2000、株式会
社大倉理研)を用いた。内径5mmの石英管に、空気中
120℃で8時間乾燥した触媒0.15gを充填し、コ
ーツウールで保持した。熱電対を触媒部近傍に設置し触
媒部の温度を測定した。乾燥空気気流中(流量20ml
/分)で400℃で2時間前処理を行った後、乾燥空気
気流を水素/アルゴン混合ガス気流(水素65容量%/
アルゴン35容量%、流量20ml/分)に切り替え、
混合ガス気流中で10℃/分の昇温速度に制御して一定
昇温速度で1000℃まで昇温した。水素消費に伴う混
合ガスの組成変化を熱伝導度検出器により連続的に検出
し、レコーダーを用いてその信号を記録しチャートを得
た。結果を図1()に示す。
を用いて触媒により水素化脱硫実験を行った。原料油
は中東産原油の軽油留分を脱硫した脱硫軽油を用いた。
硫黄含有量は452重量ppmであり、90容量%留出
温度は360℃であった。触媒をリアクターに充填
し、水素気流中で180℃に昇温した後、原料油をフィ
ードし反応温度に昇温して反応を開始した。反応条件を
表2に示す。反応開始72時間後の生成油を分析して脱
硫率を求めた。結果を表1に示す。
い、実施例1と同様に昇温還元法の測定を行った。結果
を図1()に示す。また触媒を用い、実施例1と同
様に水素化脱硫実験を行った。結果を表1に示す。
用水素化脱硫触媒(触媒とする)を用い、実施例1と
同様に昇温還元法の測定を行った。結果を図1()に
示す。また触媒を用い、実施例1と同様に水素化脱硫
実験を行った。結果を表1に示す。
よび周期律表第8〜10族卑金属元素から選ばれる少な
くとも一つの元素の化合物(A)と、周期律表第8〜1
0族貴金属元素から選ばれる少なくとも一つの元素の化
合物(B)とを含有する触媒において、化合物(A)に
帰属する昇温還元法の還元ピーク温度を500℃以下と
したことにより、水素化反応活性の向上、長寿命化が可
能となり、また高価な貴金属の使用量を低くして高性能
の軽質炭化水素油の水素化処理触媒が提供される。また
このような高性能の水素化処理触媒はイオン交換金属析
出法等の方法で容易に製造することができる。
た時に得られる昇温還元曲線である。 横軸:温度 縦軸:熱伝導度検出器からの信号強度 :触媒の昇温還元曲線 :触媒の昇温還元曲線 :触媒の昇温還元曲線
Claims (4)
- 【請求項1】周期律表第6族元素および周期律表第8〜
10族卑金属元素から選ばれる少なくとも一つの元素の
化合物(A)と、周期律表第8〜10族貴金属元素から
選ばれる少なくとも一つの元素の化合物(B)とを含有
し、かつ化合物(A)に帰属する昇温還元法の還元ピー
ク温度が500℃以下であることを特徴とする軽質炭化
水素油の水素化処理触媒。 - 【請求項2】化合物(B)の少なくとも一部がロジウム
化合物である請求項1記載の水素化処理触媒。 - 【請求項3】担体に化合物(A)を担持し、還元処理を
行った後、化合物(B)の溶液と接触させることを特徴
とする請求項1または2に記載の水素化処理触媒の製造
方法。 - 【請求項4】請求項1記載の水素化処理触媒を用いて軽
質炭化水素油を水素化することを特徴とする軽質炭化水
素油の水素化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001008541A JP4564673B2 (ja) | 2001-01-17 | 2001-01-17 | 軽質炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法及びそれを用いた軽質炭化水素油の水素化処理方法 |
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