JP2002209598A - 酵母由来可溶性多糖 - Google Patents

酵母由来可溶性多糖

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JP2002209598A
JP2002209598A JP2001007026A JP2001007026A JP2002209598A JP 2002209598 A JP2002209598 A JP 2002209598A JP 2001007026 A JP2001007026 A JP 2001007026A JP 2001007026 A JP2001007026 A JP 2001007026A JP 2002209598 A JP2002209598 A JP 2002209598A
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soluble polysaccharide
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derived
cell wall
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JP2001007026A
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Masaru Kato
優 加藤
Yoji Imazato
洋二 今里
Yoshitaka Hitomi
能貴 人見
Hideyuki Wakabayashi
英行 若林
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧・加熱処理工程を必要とせず、またエタ
ノール沈殿などの煩雑な工程を必要とせず、工場規模で
の実生産に適した簡便な処理工程により、機能性成分で
あるβ−グルカンを多く含む酵母由来可溶性多糖を高収
率で製造する方法を提供すること。 【解決手段】 酵母を950kg/cm2の高圧ホモジ
ナイズ処理して破砕した後、自己消化処理を施し、次い
で洗浄することにより得られるβ−グルカンに富む(マ
ンノース:グルコース=33〜39:67〜61)酵母
細胞壁画分に、ザイモリエース等の酵母細胞壁溶解酵素
を作用させ、高分子(MW5000〜100万):低分
子(MW200〜5000)=40〜60:60〜40
の比率で含む可溶性多糖を、乾物当り60〜80%の高
収率で製造する。この可溶性多糖は、血清コレステロー
ル低下作用や免疫増強作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−グルカンに富
む酵母由来可溶性多糖を高収率で製造する方法や、かか
る製造方法により得られるβ−グルカンに富む酵母由来
可溶性多糖や、かかる酵母由来可溶性多糖が有する血清
コレステロール低下作用、免疫増強作用などの機能を利
用した食品素材若しくは食品又は医薬品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酵母細胞壁を利用する試みは数多
くなされてきており、例えば、特表平04−50599
7号公報には、食物中の繊維源、糞便増量剤および短鎖
脂肪酸を供給するために十分な量の酵母由来のβ−グル
カンからなり、哺乳動物における消化を改良し、血清コ
レステロールのレベルを減少し、そして体重低下を増強
する、哺乳動物に投与するための食物補足組成物が開示
されている。特開平06−256199号公報には、酵
母菌体を平均粒子系が10μ以下に微粉砕してなる、飼
料用免疫増強剤が開示されている。特開昭55−136
231号公報には、ピキア・フェルメンタンスの細胞か
らアルカリ処理により蛋白、脂質、及びマンナンを除去
し、酸処理によりグリコーゲン及び可溶性のグルカンを
除去する方法により得られたピキア・フェルメンタンス
の細胞壁抽出物から成る医薬品が開示されている。特公
昭47−15712号公報には、市販乾燥酵母およびカ
ンデイダ属に属する菌の菌体より成る群から選ばれた制
癌性高分子多糖体含有酵母を出発原料となし、前記酵母
を自己消化、酵素処理および稀アルカリ加温処理し、次
いで強アルカリ加温処理をすることにより、水に可溶性
でグルコースのみから成る制癌性高分子多糖体を得る方
法が開示されている。
【0003】また、特公平4−66546号公報には、
酵母菌体および/またはその細胞壁より得られた白色、
無味、無臭の食物繊維状水溶性多糖類であって、エタノ
ール沈殿後の前記多糖類中マンノースとグルコースの構
成比が3〜5:1である食物繊維状水溶性多糖類が開示
され、特公平6−69383号公報には、酵母菌体およ
び/または酵母自己消化不溶物を90〜110℃で10
〜20時間熱水抽出後、該抽出液に酵母細胞壁溶解酵素
0.5〜5.0%を用いて、4〜24時間処理すること
により、エタノール沈殿後のマンノースとグルコースの
構成比が75〜95:5〜25で、平均分子量が2万〜
5万の酵母水溶性多糖類を収率よく(酵母自己消化不溶
物の乾燥物量比15〜30%)製造する方法が開示され
ている。
【0004】その他、特開昭51−29215号公報に
は、サッカロミセス属に属するビール酵母の生菌体を自
己消化させ、得られた自己消化物よりペプチドグルコマ
ンナンSPGM−IおよびSPM−IIをそれぞれ単独で
または混合物として採取する新規免疫促進物質の製法が
開示され、特開昭54−97692号公報には、サッカ
ロミセス属に属する酵母の直鎖状マンナンを与える株を
培養し、得られる分子量10,000以上の直鎖状マン
ナン類の製法が開示され、特開昭58−121216号
公報には、サッカロミセス属に属する酵母を培養し、得
られる酵母菌体を熱水抽出し除蛋白後、中性マンナンを
除去して得たリン含有マンナンを有効成分とする腹水型
腫瘍治療剤が開示され、特開昭58−109423号公
報には、サッカロミセス属に属する酵母から得られるマ
ンナンからなる抗感染性物資が開示され、特開平09−
84529号公報には、微生物由来のマンナン、酵母細
胞壁を0.001〜10重量%含む家畜および家禽用飼
料を摂取させ、有害な腸内細菌を選択的に体外に排除す
る方法が開示され、特公昭64−3479号公報には、
サッカロミセス属に属する酵母を有機溶媒処理して得ら
れる酵母の細胞壁画分を熱水処理し、その抽出液にアル
コールを加えて得られる沈殿を水に溶解し、次いで凍結
したのち融解させ、その上清をプロテアーゼ処理する抗
腫瘍作用を有する高分子多糖類物質の製法が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の酵
母細胞壁を利用する技術には、生成物が水不溶性で、飲
料などへの利用が制限されるという問題や、酵母細胞壁
から多糖を抽出する工程に酸、アルカリ、有機溶媒など
を使用することから、中和や脱塩など煩雑な工程を必要
とするという問題や、精製工程が煩雑でかつ収率が低い
という問題や、製造コスト、安全性などの面で食品とし
ての利用が不向きであるという問題が少なからず存在し
ていた。そのため、酵母細胞壁を可溶化し、飲用形態と
しての食品あるいは機能性食品として利用するには問題
があり、例えば、前述の特公平6−69383号公報記
載の発明では、加圧下での加熱抽出処理と細胞壁溶解酵
素処理との組み合わせ処理により、酵母自己消化不溶物
から可溶性多糖を抽出しているが、収率は酵母自己消化
不溶物の乾燥物量比15〜30%に過ぎず、また前記の
ように、この可溶性多糖のマンノース:グルコース比は
75〜95:5〜25であり、様々な機能性が知られて
いるβ−グルカン含量が少ないという問題があった。さ
らにこの方法では、酵母細胞壁溶解酵素処理のみでは収
率が上がらないことから、長時間にわたる加圧・加熱処
理工程を必要とし、加えて、エタノール沈殿工程を含む
ために防爆設備も必要とすることなど、煩雑な工程を必
要とするという問題があった。
【0006】本発明の課題は、加圧・加熱処理工程を必
要とせず、またエタノール沈殿などの煩雑な工程を必要
とせず、工場規模での実生産に適した簡便な処理工程に
より、機能性成分であるβ−グルカンを多く含む酵母由
来可溶性多糖を高収率で製造する方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究し、酵母を高圧ホモジナイズ処
理してから自己消化させ、次いで洗浄することにより得
られる酵母細胞壁画分(自己消化処理残さ)が、意外に
も、β−グルカンを多く含むことを見い出した。すなわ
ち、自己消化により酵母エキスを製造する際、高圧ホモ
ジナイザーにより酵母細胞壁をあらかじめ物理的に破壊
した後、自己消化を行うことにより、β−グルカンが多
くなり、多糖の構成糖比率がマンノース:グルコースが
33〜39:61〜67となることを見い出した。この
ように、自己消化処理残さのβ−グルカン含量が多くな
ることは、高圧ホモジナイザーなどの物理的破壊処理に
起因するものと考えられ、全く予想できなかった知見で
ある。
【0008】また、市販の各種酵母細胞壁溶解酵素をこ
の自己消化処理残さに作用させたところ、アルスロバク
ター属に属する細菌由来のザイモリエース(生化学工業
社製)が可溶化収率の点で最も優れており、驚くべきこ
とに、該酵素単独処理で、乾物当り60〜80%もの高
い収率で可溶化できるとともに、得られる可溶性多糖は
高分子(MW5000〜100万、メインピーク8万)
と低分子(MW200〜5000、メインピーク60
0)のバランスがよく、高分子:低分子=40〜60:
40〜60の比率で含んでいることを見い出した。その
他の市販酵素剤としては、トリコデルマ属に属するカビ
由来のグルカネックス(ノボ・ノルデイスク社製)など
が、高分子と低分子のバランスがよい可溶性多糖を高収
率で生成することがわかった。従来、酵母細胞壁を溶解
する酵素の作用で、これほど高収率で、かつ高分子と低
分子のバランスがよい可溶化多糖が生成することは知ら
れていなかった。
【0009】また、エタノール沈殿など有機溶媒を使う
工程などを含まず、酵素処理物そのものを製品とする非
常に簡単な方法を採用したことにより、消化吸収され易
い比較的低分子のβ−グルカンリッチな画分が損なわれ
ないこともわかった。さらに、酵母由来可溶性多糖は、
自己消化処理残さを高圧ホモジナイザーなどを利用して
水洗浄すると、色や苦味が大幅に低減し、ほぼ透明に近
い、僅かに酵母臭のする可溶性多糖となり、飲料を含め
た食品の素材として好適であることもわかった。
【0010】そしてまた、この酵母由来可溶性多糖の機
能性を評価した結果、経口での血清コレステロール低下
作用、及び、腹腔投与でのTNF−α産生促進作用、高
温ストレスによるNK活性低下抑制作用、経口又は腹腔
投与での抗腫瘍作用などの免疫増強作用があることが見
い出された。酵母細胞壁には様々な機能性が報告されて
いるが、いずれも活性成分は煩雑な工程で精製する必要
があり、収率も低いのが一般的であった。ところがこの
様な特別な方法や精製を必要としない簡単な製法による
酵母由来可溶性多糖がこれほど多くの機能性を有するこ
とは予想しないことであった。本発明は以上のような知
見に基づいて完成するに至ったものである。
【0011】すなわち本発明は、以下の工程を含む酵母
由来可溶性多糖の製造方法 (1)酵母を物理的に破壊する工程 (2)物理的に破壊された酵母に自己消化処理を施す工
程 (3)自己消化処理が施された酵母を洗浄し、酵母細胞
壁画分を調製する工程 (4)調製された酵母細胞壁画分に細胞壁溶解酵素を作
用させ、酵母由来可溶性多糖を回収する工程 (請求項1)や、工程(1)における物理的な破壊が、
高圧ホモジナイザーを用いる破壊であることを特徴とす
る請求項1記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法(請求
項2)や、高圧ホモジナイザー処理圧が、600kg/
cm2以上であることを特徴とする請求項1又は2記載
の酵母由来可溶性多糖の製造方法(請求項3)や、高圧
ホモジナイザー処理圧が、950kg/cm2以上であ
ることを特徴とする請求項3記載の酵母由来可溶性多糖
の製造方法(請求項4)や、工程(3)における洗浄
が、高圧処理を伴う水洗浄であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖の製造方
法(請求項5)や、工程(4)における細胞壁溶解酵素
として、可溶化収率を60〜80%とすることができる
細胞壁溶解酵素を用いることを特徴とする請求項1〜5
のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法(請求
項6)や、工程(4)における酵母由来可溶性多糖が、
マンノースとグルコースとを33〜39:67〜61の
比率で含む酵母由来可溶性多糖であることを特徴とする
請求項1〜6のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖の製
造方法(請求項7)や、工程(4)における酵母由来可
溶性多糖が、高分子(MW5000〜100万)と低分
子(MW200〜5000)とを40〜60:60〜4
0の比率で含む酵母由来可溶性多糖であることを特徴と
する請求項1〜7のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖
の製造方法(請求項8)に関する。
【0012】また本発明は、請求項1〜8のいずれか記
載の製造方法により得られることを特徴とする酵母由来
可溶性多糖(請求項9)や、マンノースとグルコースと
を33〜39:67〜61の比率で含むことを特徴とす
る酵母由来可溶性多糖(請求項10)や、高分子(MW
5000〜100万)と低分子(MW200〜500
0)とを40〜60:60〜40の比率で含むことを特
徴とする請求項9又は10記載の酵母由来可溶性多糖
(請求項11)に関する。
【0013】さらに本発明は、請求項9〜11のいずれ
か記載の酵母由来可溶性多糖を機能性成分として含有す
ることを特徴とする食品素材又は食品(請求項12)
や、血清コレステロール低下作用を有することを特徴と
する請求項12記載の食品素材又は食品(請求項13)
や、免疫増強作用を有することを特徴とする請求項12
又は13記載の食品素材又は食品(請求項14)や、請
求項9〜11のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖を有
効成分として含有することを特徴とする医薬品(請求項
15)や、血清コレステロール低下作用を有することを
特徴とする請求項15記載の医薬品(請求項16)や、
免疫増強作用を有することを特徴とする請求項15又は
16記載の医薬品(請求項17)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の酵母由来可溶性多糖の製
造方法としては、(1)酵母を物理的に破壊処理する工
程、(2)物理的に破壊された酵母に自己消化処理を施
す工程、(3)自己消化処理が施された酵母を洗浄し、
酵母細胞壁画分を調製する工程、(4)調製された酵母
細胞壁画分に細胞壁溶解酵素を作用させ、酵母由来可溶
性多糖を回収する工程、を含むことを特徴とする製造方
法であれば特に制限されるものではなく、上記酵母由来
可溶性多糖の原料となる酵母としては、分類学上酵母に
属するものであればどのような酵母を用いてもよく、例
えば、ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母、トルラ酵母
等を挙げることができ、より具体的には、サッカロマイ
セス・セレビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)、サ
ッカロマイセス・ルーキシ(Saccharomyces rouxii)、
サッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Saccharomy
ces carlsbergensis)等のサッカロマイセス属の酵母、
キャンディダ・ウティリス(Candida utilis)、キャン
ディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャン
ディダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、キャン
ディダ・フレーベリ(Candida flaveri)等のキャンデ
ィダ属の酵母などを例示することができる。
【0015】上記工程(1)において、酵母を破壊する
ための物理的処理としては、物理的に酵母細胞壁を破壊
し、かつ酵母細胞壁画分(自己消化処理残さ洗浄物)の
β−グルカン含量が多くなる処理であればどのようなも
のでもよく、高圧ホモジナイザー処理、フレンチプレス
処理、超音波処理、ミル処理等を具体的に例示すること
ができるが、これらの中でも簡便さやより高β−グルカ
ン含量のものを得ることができる点で、高圧ホモジナイ
ザーを用いる酵母の破壊処理が好ましい。高圧ホモジナ
イザーを用いて破壊処理する場合の処理条件としては、
最終的にβ−グルカンを効率よく可溶化することができ
る処理条件であれば特に制限されないが、例えば、処理
圧については100〜1500kg/cm2、好ましく
は600〜1200kg/cm2、より好ましくは95
0〜1100kg/cm2、処理回数は通常1回でよい
が、2回以上行うときは、破壊処理物の昇温による自己
消化酵素群の活性低下を防ぐため、破壊処理が終了する
毎に破壊処理物の品温を充分に低下させる(40℃以
下)等の条件を挙げることができる。特に、処理圧95
0kg/cm2以上に処理圧を高めると、酵母細胞壁に
含まれているβ−1,3グルカン、β−1,6グルカン
等のβ−グルカンが損なわれることがなく、かかるβ−
グルカンを最終的に効率よく可溶化することができる。
また、かかる処理条件は破壊処理中に変更してもよく、
例えば処理圧を漸次高めていったり、処理温度を途中で
適宜変更することもできる。
【0016】上記物理的破壊処理工程(1)前に、酵母
に脱苦味処理工程を設けることもできる。脱苦味処理
は、アルカリ処理と水洗浄処理からなり、アルカリ処理
としては、例えば、固形分濃度を5〜20重量%、好ま
しくは8〜12重量%、より好ましくは約10重量%に
調整した酵母菌体スラリーに、そのpHが8〜12、好
ましくは9〜11となるように水酸化ナトリウムを添加
し、0〜20℃、好ましくは0〜10℃での攪拌処理を
挙げることができる。このようなアルカリ処理後水洗浄
処理により、異味異臭原因物質が簡便かつ低コストで除
去することができ、単独で摂取する場合はもちろん、他
の食品素材と混合使用する場合であっても、かかる食品
素材の風味を損なうことがない無味無臭の酵母細胞壁画
分とすることができる。
【0017】上記工程(2)における自己消化処理とし
ては、酵母菌体に内在する酵素のみを利用するいわゆる
自己消化法や、酵母菌体に内在する酵素に加えて、プロ
テアーゼ、ヌクレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラ
ーゼ、リパーゼ等の酵素を系外から添加する酵素添加併
用法や、系外から添加する酵素のみを利用する酵素添加
法などによる処理を挙げることができるが、酵母菌体内
の酵素による消化作用と系外から添加する酵素による消
化作用とを併せて利用する酵素添加併用法が好ましい。
このような自己消化処理により、水や極性溶剤に可溶性
の酵母菌体内成分、例えば蛋白質、アミノ酸、糖質、核
酸、有機酸などの菌体内成分を可溶化して菌体外に除去
することができる。これらの可溶性菌体内成分を除去す
ることなく、可溶性多糖を得るために酵母細胞壁溶解酵
素を作用させると、これらの可溶性成分が酵母細胞壁溶
解酵素の作用を阻害し、可溶性多糖の生成反応の遅延が
生じて収率が低下することから、酵母細胞壁溶解酵素を
用いての可溶性多糖の生成工程に先立って、酵母菌体か
ら上記可溶性菌体内成分を除去した後の酵母細胞壁画分
を調製することが必要である。上記自己消化処理におけ
る処理条件としては、酵母菌体内成分を酵母エキスとし
て製造する際に用いられている条件を例示することがで
き、例えば、950kg/cm2高圧ホモジナイザー処
理した酵母菌体スラリーを、pH6.5〜8.5の中〜
弱アルカリ性にし、そこにエンド型プロテアーゼを含む
酵素剤を添加して、30〜47℃にて、5〜20時間、
自己消化させる処理条件を例示することができる。
【0018】上記(3)自己消化処理が施された酵母を
洗浄し、酵母細胞壁画分を調製する工程は、自己消化処
理後の酵母菌体から、水洗浄等によって蛋白質、アミノ
酸、糖質、核酸、有機酸などの可溶性成分を除去するこ
とにより行われれ、この工程(3)により自己消化処理
残さ(酵母細胞壁画分)が得られるが、可溶性成分をよ
り一層効率よく除去するために高圧処理を併用すること
が好ましい。かかる高圧処理としては、この高圧処理後
に行われる水洗浄とあいまって、自己消化処理時に生成
したアミノ酸等の呈味エキス成分や酵母特有の苦味成分
等の食物繊維以外の夾雑物を効率よく除去しうる、酵母
自己消化処理残さに高圧を負荷する処理であればどのよ
うな処理でもよく、高圧ホモジナイザー処理、フレンチ
プレス処理、エクストルーダー処理等を具体的に例示す
ることができるが、これらの高圧処理の中でも夾雑物の
除去効率の点で高圧ホモジナイザー処理が好ましい。例
えば高圧ホモジナイザーを用いた酵母自己消化残さの高
圧処理としては、100〜1500kg/cm2、好ま
しくは500〜1500kg/cm2の圧力下での高圧
処理を挙げることができる。また、酵母自己消化残さの
高圧処理は、夾雑物の除去効果をさらに高めるために、
複数回実施したり、処理圧力や処理温度の異なる高圧処
理を併用することもできる。
【0019】酵母自己消化残さの高圧処理に続いて行わ
れる水洗浄の方法としては、エキス分や苦味成分等の高
圧処理後の水可溶性画分と、水不溶性の酵母細胞壁画分
を分離できる方法であればどのような方法でもよく、必
要に応じて加水・攪拌した後の遠心分離処理、濾過処理
等の方法を挙げることができるが、作業効率を考慮する
と遠心分離処理の方が好ましい。水洗浄に用いられる水
としては通常の上水道水を用いることができるが、夾雑
物の除去効率を低下させない範囲で、酸性水、アルカリ
性水、エタノール含有水を用いることもできる。また、
洗浄回数については、夾雑物の除去の程度・度合いによ
り適宜選択することができる。そして、高圧処理、水洗
浄処理の後、必要に応じて、酵素処理、酸、アルカリ処
理等を行い、より純度の高い酵母細胞壁画分とすること
もできる。
【0020】上記のようにして調製された酵母自己消化
処理残さの洗浄物である酵母細胞壁画分(以下「BY
C」という)は、次いで酵母由来可溶性多糖を回収する
工程(4)に付される。かかる工程(4)における細胞
壁溶解酵素を用いる可溶化処理は、BYCの所定濃度、
例えば5〜15%の懸濁液に、酵母細胞壁溶解酵素を所
定量、例えばザイモリエース20T(生化学工業社製)
を用いる場合であれば、BYC固形分あたり0.02〜
2%添加し、所定のpH、例えばpH6.0〜9.0、
望ましくはpH7.0〜8.0、所定の温度、例えば2
0〜50℃、望ましくは35〜45℃で攪拌下、所定の
時間、例えば0.5〜24時間反応させることにより行
われる。次いで、例えば、90℃で30分程度の加熱に
より酵素反応を停止した後、遠心分離することにより、
ほぼ透明に近い、僅かな酵母臭のある酵母由来可溶性多
糖(以下「可溶化BYC」という)を上清液として得る
ことができる。かかる上清液を適宜セライトなどで濾過
し、清澄液を得ることもできる。さらに、これを減圧濃
縮、加熱濃縮あるいは凍結乾燥などを行い、濃縮溶液状
の可溶化BYC又は粉末状の可溶化BYCとすることも
できる。
【0021】本発明において用いられる細胞壁溶解酵素
としては、酵母細胞壁に作用し、可溶化BYCを生成し
うるものであればどのような酵素でもよいが、可溶化収
率を60〜80%とすることができる細胞壁溶解酵素が
好ましい。本発明において用いられる細胞壁溶解酵素の
具体例としては、ザイモリエース(生化学工業社製)、
グルカネックス(ノボ・ノルディスク社製)、YL−1
5(天野製薬社製)、YL−NL(天野製薬社製)、フ
ァンセラーゼ(ヤクルト薬品工業社製)、キタラーゼ
(ケイアイ化成社製)、ツニカーゼ(大和化成社製)、
セルロシンTP25(阪急共栄物産社製)などを好適に
挙げることができ、これら細胞壁溶解酵素をそれぞれの
至適pH、至適温度で作用させたり、2種以上の細胞壁
溶解酵素を複数の段階であるいは同時に用いることもで
きるが、高分子多糖と低分子多糖をバランスよく含む可
溶化BYCが高収率で得られる点で、ザイモリエースや
グルカネックスが望ましい。これら細胞壁溶解酵素、特
にザイモリエースやグルカネックスを用いてBYCを処
理すると、60〜80%の高収率で可溶化BYCを回収
することができる上に、高分子(MW5000〜100
万、メインピーク8万)と低分子(MW200〜500
0、メインピーク600)の比率が、高分子:低分子=
40〜60:40〜60である高分子多糖と低分子多糖
のバランスがよい可溶化BYCを得ることができる。ま
た、酵素の種類、酵素添加濃度、反応温度、反応時間な
どを変えることにより、高分子と低分子の比率が異なる
など種々の物性の可溶化BYCを調製することが可能と
なる。
【0022】本発明の可溶化BYCとしては、上記の本
発明の可溶化BYCの製造方法により得られるものであ
れば特に制限されるものではなく、例えば、高圧ホモジ
ナイザー処理における処理圧力を変えることにより、自
己消化処理における添加酵素の種類を変えることによ
り、あるいは、細胞壁溶解酵素の種類や反応条件を変え
ることにより、種々の物性を有する可溶化BYCを得る
ことができるが、これらの中でも、マンノースとグルコ
ースの比率が、マンノース:グルコース=33〜39:
67〜61である可溶化BYCや、高分子(MW500
0〜100万)と低分子(MW200〜5000)の比
率が、高分子:低分子=40〜60:60〜40である
可溶化BYCや、マンノースとグルコースの比率が、マ
ンノース:グルコース=33〜39:67〜61であ
り、かつ、高分子(MW5000〜100万)と低分子
(MW200〜5000)の比率が、高分子:低分子=
40〜60:60〜40である可溶化BYCを好ましく
例示することができる。
【0023】本発明の可溶化BYCは各種機能を有して
いる。すなわち、経口投与での血清コレステロール低下
作用、及び、腹腔投与でのTNF−α産生促進作用、高
温ストレスによるNK活性低下抑制作用、経口又は腹腔
投与での抗腫瘍作用などの免疫増強作用を、本発明の可
溶化BYCは有している。かかる本発明の可溶化BYC
が有する機能性は、可溶化BYCの物性を変えることに
より調節することもできる。したがって、本発明の可溶
化BYCは、種々の機能性食品や医薬品として利用する
ことができる。例えば、本発明の可溶化BYCを機能性
成分として各種食品素材又は食品に添加・配合すること
により、血清コレステロール低下作用や免疫増強作用等
を有する機能性食品素材又は食品とすることができ、ま
た本発明の可溶化BYCを有効成分として配合すること
により、血清コレステロールの低下や免疫増強等を必要
としている患者用の医薬品とすることができる。
【0024】上記本発明の可溶化BYCを機能性成分と
して添加・配合することができる食品素材又は食品とし
ては、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛
乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、
スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パ
ン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの
和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、う
どん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセー
ジ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシン
グ、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃ
く、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜
を例示することができる。また、本発明の可溶化BYC
を医薬品として用いる場合は、薬学的に許容される通常
の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝
剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種
調剤用配合成分を添加することができる。また、医薬品
として用いる場合、経口的又は非経口的に投与すること
ができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉
末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で
経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、
乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射薬として非経口
投与することができる他、スプレー剤として鼻孔内投与
することもできる。そして、投与量及び投与回数は、投
与法と患者の年齢、体重、病状等によって異なるが、病
床部位に局所的に投与する方法が好ましい。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を掲げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。 実施例1(高圧ホモジナイザーの処理圧力の検討) [脱苦味処理と高圧ホモジナイザー前処理と自己消化]
ビール醸造工程で副生する酵母(通常ビール酵母と呼ば
れるもの)に水酸化ナトリウムを加えてpH10.5と
した後、水洗と遠心分離を行って脱苦味処理し、固形分
濃度10%(w/v)に調整したサンプル酵母スラリー
を調製した。なお、固形分とは乾物を表す。このサンプ
ル酵母スラリーに、高圧ホモジナイザー(RANNIE
社、TYPE 10.51VH)を用いて、300、6
00、950kg/cm2の3種類の処理圧力下、1回
の通過にてそれぞれ破壊処理を行った。なお、高圧ホモ
ジナイザー処理を行わないサンプル酵母スラリーを対照
とした。高圧ホモジナイザー処理後の3種類のサンプル
及び未処理の対照のpHを7.8に調整し、ニュートラ
ーゼ0.8L(ノボ・ノルディスク社製)を2mg/g
固形分添加し、47℃で6時間の反応条件で自己消化を
行った後、加熱により反応停止した。続いてこの自己消
化処理した残さ中の蛋白画分を減らすために、アルカラ
ーゼ2.4L(ノボ・ノルディスク社製)を3mg/g
固形分添加し、pH7.5、60℃で一晩反応させた。
【0026】[自己消化残さの洗浄後の細胞壁溶解酵素
処理]アルカラーゼ処理後、遠心分離にて残さを集め、
3種類のサンプル及び対照のそれぞれについて、高圧ホ
モジナイザーにて室温下900kg/cm2で1回通
過、続いて室温下500kg/cm2で1回通過処理
し、この処理物を水で3倍に希釈・攪拌後、遠心分離し
た。操作を3回繰り返して洗浄を行った。これら洗浄後
のBYCを固形分濃度10%(w/v)に調整し、最終
濃度2mMリン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムにより
pH7.5に調整し、細胞壁溶解酵素としてザイモリエ
ース20T(生化学工業社製)をBYCの固形分量に対
し重量で0.5%添加し、40℃で2時間、振盪しつつ
可溶化処理を行った後、加熱により反応を停止した。こ
れらを遠心分離して可溶性画分(可溶化BYC)をそれ
ぞれ回収した。
【0027】[構成糖の分析と結果]これら各種高圧ホ
モジナイザー条件で処理した後、自己消化を行った残さ
のザイモリエース処理による可溶化物の構成糖を調べる
ために、酸分解で単糖まで分解し、HPLCにてその構
成糖と比率を分析した。すなわち、60mg(固形物換
算)の可溶化物に1.5N塩酸を3ml添加し、100
℃にて3時間分解した。これをイオン交換樹脂により脱
塩し、アミネックスHPX−87Pカラム(バイオラッ
ド社)にて移動相:MQ水(超純水)、流速:0.6m
l/分、カラム温度:85℃にて分析した。また、可溶
化物を固形分5%(w/v)となる様に希釈し、4倍量
のエタノールを添加し、生じた沈殿を凍結乾燥後、MQ
水に再溶解し、上記方法と同様に、構成糖の分析を行っ
た。結果を表1に示す。生成した単糖はマンノースとグ
ルコースであり、その構成糖比は表1に示す様に、エタ
ノール沈殿前のサンプル、エタノール沈殿後のサンプル
のいずれも対照と比べて、グルコース比率、すなわちグ
ルカン比率が6〜10%上昇していることがわかった。
特にエタノール沈殿後のサンプルは、高圧ホモジザイザ
ー処理圧力を600kg/cm2から950kg/cm2
に高めると、グルカン比率が約10%上昇することがわ
かった。このことから、高圧ホモジナイザー処理圧力を
950kg/cm2以上にすると、酵母自己消化を行っ
た残さのグルカン比率が急激に上昇することがわかっ
た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2(各種細胞壁溶解酵素の検討) 市販の各種酵母細胞壁溶解酵素を用いて、可溶化収率、
および高分子(MW1万以上)と低分子(MW1万以
下)の比率の評価を行った。すなわち、酵母自己消化残
さ(BYC)を固形分濃度10%(w/v)とし、表2
に示す各種酵素を、表2に示すそれぞれの至適pH、至
適温度にて、酵素添加量を対BYC固形分(乾物換算)
に対し重量で0.1、0.2、0.5、1、2%それぞ
れ添加し、その各々について1、2、4、6時間反応さ
せ、最も収率の高かった時点での高分子と低分子の比率
を求めた。なお、分子量の分析はバイオシルSEC12
5(バイオラッド社)にて移動相:50mMリン酸ナト
リウム、pH6.8、0.15M塩化ナトリウム緩衝
液、流速:1ml/分、カラム温度:40℃にて行っ
た。結果を図1に示す。図1に示されているように、ザ
イモリエース20Tが収率で最も優れ、さらに高分子と
低分子のバランスもほぼ等量と優れていることがわかっ
た。また、グルカネックスも添加量を多くすれば、ザイ
モリエースと同等の物性の可溶化物が得られることがわ
かった。
【0030】
【表2】
【0031】実施例3(ザイモリエースによるBYCの
可溶化) 自己消化前の高圧ホモジナイザー処理圧力を950kg
/cm2とした実施例1記載の方法で得たBYC3kg
を、固形分濃度が10%(w/v)になるように調整し
た後、ザイモリエース20T(生化学工業社製)をBY
Cの固形分量に対し重量で1%添加し、pH7.5、4
0℃で2時間、ジャーファーメンター内で攪拌しつつ可
溶化処理を行った。引き続き加熱により酵素反応を停止
させた後、遠心分離して可溶性画分(可溶化BYC)を
回収した。これを凍結乾燥しサンプル粉末(1)を得
た。次に、ザイモリエース20Tの添加量を0.5%と
し、45℃で2時間の反応条件とする以外は上記と同様
にしてサンプル粉末(2)を得た。また、ザイモリエー
ス20Tの添加量を0.05%とし、40℃で24時間
の反応条件とする以外は上記と同様にしてサンプル粉末
(3)を得た。サンプル粉末(1)〜(3)はTSK−
gel G4000PW・XLカラム(TOSO社)に
て移動相:50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、
0.15M塩化ナトリウム緩衝液、流速:1ml/分、
カラム温度:40℃にて分子量の分析を行った。その分
析値を表3及び表4に示す。表3から、酵素処理条件を
コントロールすることにより、収率及び分子量分布のコ
ントロールが可能となることがわかった。また、これら
サンプル粉末(1)〜(3)を1%水溶液としたもの
は、ほぼ透明に近い、僅かな酵母臭と甘味を呈し、飲料
を含む食品素材として好適であることがわかった。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】実施例4(各種ロットによる可溶化物の物
性評価) 自己消化前の高圧ホモジナイザー処理圧力を950kg
/cm2とした実施例1記載の方法でそれぞれ得られた
A〜Dの4ロットのBYC各3kgを、固形分濃度がそ
れぞれ10%(w/v)になるように調整した後、ザイ
モリエース20T(生化学工業社製)をBYCの固形分
量に対し重量で0.5%添加し、pH7.5、40℃で
2時間、ジャーファーメンター内で攪拌しつつ可溶化処
理を行った。引き続き加熱により酵素反応を停止させた
後、遠心分離して可溶性画分(可溶化BYC)を回収し
た。これらを実施例1に記載の酸分解及び構成糖分析法
に従い、構成糖比の分析を行った。結果を表5に示す。
表5に示されるように、いずれのロットでも、マンノー
ス:グルコース=約33〜39:61〜67となり、高
圧ホモジナイザー処理を行ってから自己消化する方法で
得られた可溶化BYCはグルコースが多く、グルカンが
多いことがわかった。
【0035】
【表5】
【0036】実施例5(可溶化BYCの脂質代謝改善活
性評価) 可溶化BYCが脂質代謝改善作用、特に血清コレステロ
ール上昇抑制作用を有することを調べるために、以下の
試験を行った。5日間固形飼料(CE−2:日本クレ
ア)で予備飼育した4週令のSD系雄ラット(日本チャ
ールズ・リバー)18匹を試験に供した。これら18匹
のラットを平均体重が等しくなるように1群6匹ずつ3
群に群分けし、以下の表6に示す「標準飼料」、コレス
テロール、脂肪、スクロースの各添加量を増加させた
「高コレステロール飼料」、高コレステロール飼料に可
溶化BYCとして実施例3で調製したサンプル粉末
(2)を5%添加した「可溶化BYC飼料」を用い、1
6日間自由摂食させ、一夜絶食の後、17日目に解剖を
行った。解剖時には採血及び肝臓重量の測定を行い、血
液からは血清を分離し総コレステロール濃度を測定し
た。総コレステロール濃度の測定は市販キット(コレス
テロールE−テストワコー、和光純薬工業社製)を用い
て行った。
【0037】
【表6】
【0038】肝臓重量の測定結果を図2に、血清総コレ
ステロール濃度の測定結果を図3にそれぞれ示す。試験
結果は平均±標準誤差で表した。有意差検定は、まず分
散分析を行い、p<0.05の場合についてFisherのP
LSDを行い、p<0.05の場合を有意差があるとし
た。各図におけるアルファベット符号はこれが異なれ
ば、群間で有意差があることを示す(p<0.05)。
図2から、高コレステロール飼料群では標準飼料群に比
して肝臓が肥大し脂肪肝の様相を呈したが、可溶化BY
C飼料群では肝臓の肥大が有意に軽減されることがわか
る。また図3から、高コレステロール飼料群では標準飼
料群に比して血清総コレステロール濃度が高値を示した
が、可溶化BYC飼料群では血清総コレステロール濃度
は有意に減少することがわかる。これら図2及び図3の
結果から、可溶化BYCはコレステロール負荷ラットに
対して、脂質代謝改善効果を有することが確認された。
したがって、ヒトにおいても血清総コレステロール低下
など脂質代謝改善効果が期待される。
【0039】実施例6(可溶化BYCのTNFαの産生
誘導活性評価) マクロファージは外来性異物(細菌など)や内因性異物
(変異細胞など)の刺激を受けると活性化され、異物を
貪食処理する(Priming状態)。さらにPriming状態のと
ころに適当な二次刺激を与えるとTNFなどのサイトカ
インを分泌する(Triggering状態)。このTNFは腫瘍
を直接傷害するだけでなく、炎症の初発・進展・終息に
作用したり、IL−1、IFNγなどのサイトカインを
誘導するなどの生体防御機構に関与している。そこで、
山崎らの方法(薬学雑誌, 115(9), p749-755, 1995)を
若干改良した方法で可溶化BYCのTNFαの産生誘導
活性を調べるために、以下の試験を行った。
【0040】1週間固形飼料(CE−2:日本クレア)
で予備飼育したICR雄マウス6週令(CRJ)を試験
に供した。また、可溶化BYCとして実施例3で調製し
たサンプル粉末(2)をMQ水で適当な濃度に懸濁した
後、100℃で10分間加熱溶解し、これを滅菌済み生
理食塩水で希釈し、0.1mg/0.2ml、1mg/
0.2ml、10mg/0.2mlの各サンプル液を調
製し、かかるサンプル液をPriming誘導液又はTriggerin
g誘導液としてマウスに投与した。陽性対照(Positive
Control)としては、抗腫瘍剤として利用されているPic
ibanil(中外製薬社製「溶連菌製剤OK−432」)を
使用した。Priming刺激に0.1KE/0.2ml/m
ouse、Triggering刺激に1KE/0.2ml/mo
useを投与した。また陰性対照(Negative Control)
としては両刺激とも等量の生理食塩水を用いた。なお、
TNFαの定量はELISA法(コスモバイオ社製「mo
useTNFα ELISA Kit」)を用いて行った。なお、1KE
は0.1mgを意味する。
【0041】上記調製した各サンプル液をマウスに0.
2mlずつ尾静脈投与し、3時間後にTriggering剤とし
てPicibanilを0.2ml尾静脈投与し、2時間後に採
血し、遠心分離して血漿を採取し、血漿中のTNFα含
量を測定することにより、PrimingとしてのTNFα誘
導活性についてのPriming効果を調べた。結果を図4に
示す。図4からわかるように、可溶化BYCにTNFα
誘導能は見られたものの、濃度依存性はなく、また、抗
腫瘍剤Picibanilの10〜100分の1の誘導効果を示
した。すなわち0.01mgのPicibanilと0.1〜1
mg可溶化BYCが同等の効果を示している。また、Pr
iming剤としてPicibanilをマウスに0.2ml尾静脈投
与し、3時間後に上記調製した各サンプル液を0.2m
lずつ尾静脈投与し、2時間後に採血し、遠心分離して
血漿を採取し、血漿中のTNFα含量を測定することに
より、TriggeringとしてのTNFα誘導活性についての
Triggering効果を調べた。結果を図5に示す。図5から
わかるように、可溶化BYC投与によって濃度依存的に
TNFα誘導能を示した。その効果は0.1mgPiciba
nilと10mg可溶化BYCが同等の効果であるため、P
icibanilの100分の1程度と推定される。
【0042】実施例7(可溶化BYCの高温ストレスに
よるNK活性低下抑制活性評価) マウスを高温下で飼育すると、運動量の低下、摂食量の
減少、体重の減少、NK活性の低下等が生じることが知
られる。そこで、高温ストレス条件下、可溶化BYCを
経口ゾンデで投与し、NK活性を測定し、可溶化BYC
の免疫増強活性について調べた。1週間固形飼料で予備
飼育したC3H/Hej雄マウス6週令(日本クレア)
を試験に供し、市販の保温電球を用いて飼育空間を37
℃に保って、マウスに高温ストレスを負荷した。また、
可溶化BYCとして実施例3で調製したサンプル粉末
(2)をMQ水で適当な濃度に懸濁した後、100℃で
10分間加熱溶解し、これを胃ゾンデを用いて、500
mg/kgを7日間連続経口投与した。なお対照群には
蒸留水を投与した。本飼育終了後、頚椎脱臼にて動物を
屠殺後、脾臓を摘出した。脾臓は5mlの10%FCS
加RPMI−1640培地の入ったペトリ皿中で、スラ
イドグラス二枚の磨りガラス部分で挟み込みすりつぶ
し、更に金属メッシュを通し浮遊細胞液とした。5℃で
2分間1600rpmで遠心分離後、10%FCS加R
PMI−1640培地中に浮遊させた。その後、10%
FCS加RPMI−1640培地で細胞数を調整し、51
Crでラベルした標的細胞YAC−1とE:T比50:
1で4時間培養し、上清中に遊離した51CrからNK活
性を測定した。試験結果は平均±標準誤差で表し、有意
差検定はStudent's-tを用いた。結果を表7に示す。N
K活性は、対照群3.04±0.14に対し、可溶化B
YC群は3.94±0.29と有意(p<0.01)な
活性の上昇が確認され、免疫増強活性があることがわか
った。
【0043】
【表7】
【0044】実施例8(可溶化BYCの抗腫瘍活性評
価) マウスに結腸癌由来の癌細胞を移植し、移植翌日より可
溶化BYCを経口ゾンデ、又は腹腔内で投与し、腫瘍体
積、NK活性を測定し、可溶化BYCの抗腫瘍作用につ
いて調べた。2週間固形飼料で予備飼育したBALB/
c雄マウス6週令(日本クレア)を試験に供した。ま
た、インビトロで継代移植を継続しているcolon2
6担癌マウスより、腫瘍を摘出し癌細胞を分離して使用
した。皮下移植21日目の担癌マウスより腫瘍部を摘出
し、滅菌生理食塩水20mlを加えたシャーレ上に金属
メッシュをのせ、メッシュ上で注射器の内筒ゴム部を用
いてすりつぶした。細胞はシャーレ内でピペットを用い
て懸濁し、700rpmで5分間遠心分離した。得られ
た沈さに再度滅菌生理食塩水を5ml加え再浮遊し、
0.04%トリパンブルーを用いて細胞総数を測定し
た。さらに700rpmで5分間遠心分離後、滅菌生理
食塩水を加え、癌細胞数1×105/100μl/匹を
腹部皮下に移植し、colon26担癌マウスを作製し
た。
【0045】また、可溶化BYCとして実施例3で調製
したサンプル粉末(2)をMQ水で適当な濃度に懸濁し
た後、100℃で10分間加熱溶解した。投与試験群は
以下のように設定した。 可溶化BYC経口投与群 500mg/kg 8匹 経口投与対照群 8匹 可溶化BYC腹腔内投与群 10mg/kg 8匹 腹腔内投与対照群 8匹 なお、腹腔内投与対照群には生理食塩水、経口投与群に
は蒸留水を投与した。サンプル投与は上記colon2
6担癌マウスを作製した翌日より14日間連続投与し
た。
【0046】担癌マウスの腫瘍径を週に1回ノギスで測
定し、Attiaの方法に準じて、式;腫瘍体積(mm3)=
腫瘍の長径×短径2×0.4により腫瘍体積を算出し
た。測定結果は平均±標準誤差で表し、有意差検定はSt
udent's-tを用いた。結果を表8に示す。表8に示され
ているように、腫瘍体積は14日目で可溶化BYC経口
投与群、可溶化BYC腹腔内投与群ともに有意(p<
0.05)な低下が確認され、可溶化BYCが腫瘍体積
増加抑制作用を示すことがわかった。
【0047】
【表8】
【0048】本飼育終了後、頚椎脱臼にて動物を屠殺
後、脾臓を摘出した。脾臓は5mlの10%FCS加R
PMI−1640培地の入ったペトリ皿中で、スライド
グラス二枚の磨りガラス部分で挟み込みすりつぶし、更
に金属メッシュを通し浮遊細胞液とした。5℃で2分間
1600rpmで遠心分離後、10%FCS加RPMI
−1640培地中に浮遊させた。その後、10%FCS
加RPMI−1640培地で細胞数を調整し、51Crで
ラベルした標的細胞YAC−1とE:T比50:1で4
時間培養し、上清中に遊離した51CrからNK活性を測
定した。試験結果は平均±標準誤差で表し、有意差検定
はStudent's-tを用いた。結果を表9に示す。表9に示
されているように、NK活性は可溶化BYC経口投与群
ではやや上昇傾向が見られ、可溶化BYC腹腔内投与群
では有意(p<0.05)に上昇していることが確認さ
れた。
【0049】
【表9】
【0050】以上のことから、可溶化BYCはcolo
n26担癌マウスに対して、経口投与及び腹腔内投与に
おいて腫瘍増殖抑制効果ならびにNK活性上昇促進効果
等の抗腫瘍効果を示すことが確認された。
【0051】実施例9(機能性食品の製造) 血清コレステロール低下作用や免疫増強作用を有する機
能性食品や医薬品を調製した。可溶化BYCとして実施
例3で調製したサンプル粉末(2)をそれぞれ用い、表
10に示す配合でタブレットを、表11に示す配合でヨ
ーグルトゼリーを、表12に示す配合でクッキーを、表
13に示す配合で栄養飲料を、表14に示す配合でジュ
ースを、表15に示す配合でカプセルをそれぞれ常法に
より製造した。
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
【表13】
【0056】
【表14】
【0057】
【表15】
【0058】
【発明の効果】本発明によると、自己消化に先だって酵
母を高圧ホモジナイズ処理することにより、多方面にわ
たる機能性を有するβ−グルカンを増加させることがで
き、また、BYCに酵母細胞壁溶解酵素を作用させたと
ころ酵素単独の処理のみで、乾物当り60〜80%もの
高い収率で可溶化BYCが得られることや、また高分子
と低分子がバランスがよく含まれている可溶化BYCが
得られることがわかった。また、本発明の可溶化BYC
は、経口での血清コレステロール低下作用や、腹腔投与
でのTNF−α産生促進作用、高温ストレスによるNK
活性低下抑制作用、経口または腹腔投与での抗腫瘍作用
などの免疫増強作用を有しており、機能性食品や医薬品
として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種市販細胞壁溶解酵素による、BYCの可溶
化特性を示す図である。
【図2】可溶化BYCのコレステロール負荷食ラットへ
の肝臓重量低下作用を示す図である。
【図3】可溶化BYCのコレステロール負荷食ラットへ
の血清コレステロール低下作用を示す図である。
【図4】可溶化BYCのTNFα誘導プライミング活性
を示す図である。
【図5】可溶化BYCのTNFα誘導トリガリング活性
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 37/04 C08B 37/00 C08B 37/00 P C12P 19/14 C12P 19/14 Z //(C12P 19/04 (C12P 19/04 C12R 1:865) C12R 1:865) (72)発明者 人見 能貴 群馬県高崎市宮原町3番地 麒麟麦酒株式 会社応用開発センター内 (72)発明者 若林 英行 群馬県高崎市宮原町3番地 麒麟麦酒株式 会社応用開発センター内 Fターム(参考) 4B018 LB01 LB08 MD33 MD81 ME04 ME07 MF01 MF07 MF12 4B064 AF12 CA21 CB01 CB07 DA01 DA10 4C086 AA01 AA02 AA04 EA20 GA17 MA01 MA04 NA14 ZB09 ZB26 ZC33 4C087 AA01 AA02 AA04 BC11 CA14 CA47 MA52 NA14 ZB09 ZB26 ZC33 4C090 AA04 AA08 AA09 BA21 BB12 BB14 BC17 BD37 CA01 CA42 DA09 DA23 DA27

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含む酵母由来可溶性多糖の
    製造方法。 (1)酵母を物理的に破壊する工程 (2)物理的に破壊された酵母に自己消化処理を施す工
    程 (3)自己消化処理が施された酵母を洗浄し、酵母細胞
    壁画分を調製する工程 (4)調製された酵母細胞壁画分に細胞壁溶解酵素を作
    用させ、酵母由来可溶性多糖を回収する工程
  2. 【請求項2】 工程(1)における物理的な破壊が、高
    圧ホモジナイザーを用いる破壊であることを特徴とする
    請求項1記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法。
  3. 【請求項3】 高圧ホモジナイザー処理圧が、600k
    g/cm2以上であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法。
  4. 【請求項4】 高圧ホモジナイザー処理圧が、950k
    g/cm2以上であることを特徴とする請求項3記載の
    酵母由来可溶性多糖の製造方法。
  5. 【請求項5】 工程(3)における洗浄が、高圧処理を
    伴う水洗浄であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法。
  6. 【請求項6】 工程(4)における細胞壁溶解酵素とし
    て、可溶化収率を60〜80%とすることができる細胞
    壁溶解酵素を用いることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか記載の酵母由来可溶性多糖の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(4)における酵母由来可溶性多糖
    が、マンノースとグルコースとを33〜39:67〜6
    1の比率で含む酵母由来可溶性多糖であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 工程(4)における酵母由来可溶性多糖
    が、高分子(MW5000〜100万)と低分子(MW
    200〜5000)とを40〜60:60〜40の比率
    で含む酵母由来可溶性多糖であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか記載の酵母由来可溶性多糖の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の製造方法
    により得られることを特徴とする酵母由来可溶性多糖。
  10. 【請求項10】 マンノースとグルコースとを33〜3
    9:67〜61の比率で含むことを特徴とする酵母由来
    可溶性多糖。
  11. 【請求項11】 高分子(MW5000〜100万)と
    低分子(MW200〜5000)とを40〜60:60
    〜40の比率で含むことを特徴とする請求項9又は10
    記載の酵母由来可溶性多糖。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれか記載の酵母
    由来可溶性多糖を機能性成分として含有することを特徴
    とする食品素材又は食品。
  13. 【請求項13】 血清コレステロール低下作用を有する
    ことを特徴とする請求項12記載の食品素材又は食品。
  14. 【請求項14】 免疫増強作用を有することを特徴とす
    る請求項12又は13記載の食品素材又は食品。
  15. 【請求項15】 請求項9〜11のいずれか記載の酵母
    由来可溶性多糖を有効成分として含有することを特徴と
    する医薬品。
  16. 【請求項16】 血清コレステロール低下作用を有する
    ことを特徴とする請求項15記載の医薬品。
  17. 【請求項17】 免疫増強作用を有することを特徴とす
    る請求項15又は16記載の医薬品。
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