JP2002209575A - トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法 - Google Patents

トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法

Info

Publication number
JP2002209575A
JP2002209575A JP2001011435A JP2001011435A JP2002209575A JP 2002209575 A JP2002209575 A JP 2002209575A JP 2001011435 A JP2001011435 A JP 2001011435A JP 2001011435 A JP2001011435 A JP 2001011435A JP 2002209575 A JP2002209575 A JP 2002209575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tissue
tovera
cultured cell
medium
cultured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001011435A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Morikawa
弘道 森川
Misa Takahashi
美佐 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiroshima University NUC
Original Assignee
Hiroshima University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiroshima University NUC filed Critical Hiroshima University NUC
Priority to JP2001011435A priority Critical patent/JP2002209575A/ja
Priority to CA002352441A priority patent/CA2352441C/en
Priority to US09/908,632 priority patent/US6800482B2/en
Publication of JP2002209575A publication Critical patent/JP2002209575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/04Plant cells or tissues
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • A01H4/005Methods for micropropagation; Vegetative plant propagation using cell or tissue culture techniques
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H4/00Plant reproduction by tissue culture techniques ; Tissue culture techniques therefor
    • A01H4/008Methods for regeneration to complete plants

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トベラの安定した大量増殖、形質転換系を確
立する培養細胞及び組織培養法を提供することにある。 【解決手段】 本発明のトベラの培養細胞は、トベラの
組織の一部を、チジアズロン(TDZ)を含む培地で培養し
て得た、未分化能を有することを特徴とする。また、本
発明のトベラの組織培養は、未分化能を有するトベラの
培養細胞を、チジアスロン(TDZ)を含む培地で培養し
て、継代培養することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、培養細胞及び組織培養法
に関し、特にトベラの培養細胞及び当該培養細胞を利用
したトベラの組織培養法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年高等植物の組織培養研究が盛んにな
り、葉、茎、根などから取り出した植物組織を大量に培
養する技術が注目されている。切り取った植物片を栄養
分を含んだ寒天や液体の培地に置くと、切り口から細胞
の集団がもり上がってくる。これをカルスと呼ぶ。
【0003】一般に異なる組織の細胞、例えば、根と葉
の組織は、互いに形も機能も違っている。これは細胞が
成長する段階で次第に分化していった結果である。しか
し、カルスは、不定形、未分化のまま成長を続ける。
【0004】通常、植物を増やすには種子を蒔いたり、
挿し木をしたりしなければならない。またその育成には
土壌や環境などが大きく影響する。しかしカルスの培養
は、そのような変化に左右されない。さらに、カルスは
通常の植物体よりも速く成長する。カルスに発芽や発根
を促がすホルモンや化学物質を加えると、完全な植物体
となる。
【0005】このようなカルスの組織培養法としては、
ポプラやユーカリなどの樹木の組織培養法が知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、組織培
養法として確立されているのは、ポプラやユーカリなど
の樹種に限られていた。これは、その他の品種は、適切
なホルモン等を使用しなければ、発育、又は発根させる
ことが困難であることが理由の1つである。
【0007】ところで、トベラは、低木街路樹トベラ科
に属する植物であり、道路の中央分離帯などで植栽され
ている街路樹である。トベラは、公害に強く、耐塩性を
有する。このような公害に強い植物を確実に、かつ、迅
速に供給するには、組織培養法が効果的である。しか
し、トベラの安定した大量増殖法は、確立されていな
い。
【0008】そこで、本発明は、トベラの安定した大量
増殖、形質転換系を確立する培養細胞及び組織培養法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者らは、トベラのカルス化、再分化を誘導する
のに適した条件について基礎研究を積み重ねた結果、本
発明の培養細胞及び組織培養法を見出すに至った。
【0010】本発明の培養細胞は、トベラの組織の一部
を、トベラのカルス化を誘導するために有効的な量のチ
ジアズロン(TDZ)を含む培地で培養して得た、未分化能
を有することを特徴とする。
【0011】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、トベラの組織が、茎、葉、胚細胞
及び根からなる群から選択されることを特徴とする。
【0012】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、トベラの組織が、トベラを播種し
た後8週間未満の組織であることを特徴とする。
【0013】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、トベラの組織が、無菌適に生育さ
せた組織であることを特徴とする。
【0014】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、トベラの組織が、トベラの実生切
片に外来物資を導入した組織であることを特徴とする。
【0015】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、外来物質が、遺伝物質、タンパク
質、オルガネラ、生理活性物質、指示薬からなる群から
選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0016】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、遺伝物質が、DNA、RNA、オリゴヌ
クレオチド、プラスミド、染色体、人工染色体、オルガ
ネラDNA、核酸アナログからなる群から選択される少な
くとも1種であることを特徴とする。
【0017】また、本発明のトベラの培養細胞の好まし
い実施態様としては、前記培地には、さらにナフタレン
酢酸(NAA)を含むことを特徴とする。
【0018】また、本発明のトベラの組織培養法の好ま
しい実施態様としては、未分化能を有するトベラの培養
細胞を、トベラのカルス化を誘導するために有効的な量
のチジアスロン(TDZ)を含む培地で培養して、継代培
養して、トベラの小植物体を得ることを特徴とする。
【0019】また、本発明のトベラの組織培養法の好ま
しい実施態様としては、未分化能を有するトベラの培養
細胞が、請求項1〜4項のいずれか1項に記載の培養細胞
であることを特徴とする。
【0020】また、本発明のトベラの組織培養法の好ま
しい実施態様としては、培地が、さらにナフタレン酢酸
(NAA)を含むことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の培養細胞は、トベラの組
織の一部を、トベラのカルス化を誘導するために有効的
な量のチジアズロン(TDZ)を含む培地で培養して得た、
未分化能を有するトベラの培養細胞である。組織培養法
における小植物体の形成過程としては、一般に、カル
スの発生、カルスから多芽体の形成、多芽体の再分
化、小植物体の形成、を経る。トベラの組織培養にお
いてもこの形成過程をとる。ここで、多芽体とは、シュ
ート(芽)が多数集まったものであり、細胞は分化してい
る状態のものを意味する。以下、本発明のトベラの培養
細胞、及び組織培養法について説明する。
【0022】トベラの組織とは、特に限定されないが、
茎、葉、根、茎頂、根端、及び胚細胞などの組織を挙げ
ることができる。好ましくは、茎、葉、胚細胞、及び根
である。
【0023】また、トベラの組織は、成熟したトベラ樹
木から採取したものでも良いが、好ましくは、トベラ種
子を播種した後、比較的若い細胞組織である。例えば、
トベラ種子を播種した後8週間未満が好ましい。
【0024】トベラ種子の播種は、培地上で無菌的に発
芽、生育させて行うことができる。無菌処理は、特に限
定されないが、例えば、エタノール等で数時間、次亜鉛
素酸ナトリウムで数時間処理した後、滅菌水で洗浄して
行うことができる。種子は、1〜3晩以上、4〜10℃の暗
所下で給水させたものを用いることが好ましい。該種子
を培地に播種する。
【0025】本発明の培養細胞は、上述の組織の一部を
チジアスロン(TDZ)を含む培地で培養して得ることがで
きる。チジアズロンの量は、用いる培地、培養条件にも
よるが、好ましくは、10〜102μMである。かかる範囲と
したのは、10μM未満、102μM以上では、高い再分化率
を維持することが困難だからである。チジアズロンを含
む培地としては、特に限定されない。例えば、WP培地、
MS培地、ホワイト(White)培地及びこれらの修正培地
のような培地をあげることができる。WP培地は、ツツジ
科のアメリカシャクナゲ(Kalmia latiflora)の茎張培
養・大量培養用に、MS培地から改良されたものである。
MS培地は、タバコの髄組織、及びカルスの増殖を指標に
して開発された培地である。トベラの培養には、カルス
形成率、及び再分化率を高めるという観点から、好まし
くは、WP培地である。
【0026】本発明においては、培地には、さらにナフ
タレン酢酸(NAA)を含むことができる。ナフタレン酢酸
(NAA)の量は、他の培養条件にもよるが、好ましくは、
1μM〜102μMである。ナフタレン酢酸(NAA)の量は、好
ましくは、1〜10μMである。かかる範囲としたのは、1
μM未満や、102μM以上では、高い再分化率を維持する
ことが困難だからである。
【0027】この他、培地には、通常の培養に用いられ
る微量有機物、炭素源等を含むことができる。微量有機
物としては、ビタミンB1、B6、ニコチン酸、チアミン塩
酸塩、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸等のビタミン
類;グリシン、アスパラギン等のアミノ酸;イノシッ
ト、ソルビット等の6価アルコールを挙げることができ
る。
【0028】炭素源としては、シュークロース、グルコ
ース等の糖類を挙げることができる。培地に植えられた
組織片の培養は、22〜28度の温度条件、明所下、暗所下
で行うことができる。温度条件は、好ましくは、24〜26
度である。約1週間目頃からカルス化が生じる。カルス
が観察されて約2週間後には、多芽体が再分化するのが
観察できる。得られるカルス及び多芽体は、例えば、2
週間毎に継代して培養することができる。
【0029】本発明の組織培養法は、未分化能を有する
トベラの培養細胞を、チジアスロン(TDZ)を含む培地
で培養して、継代培養することができる。チジアズロン
の量については、上述の培養細胞の培養に用いる条件を
適用することができる。
【0030】なお、未分化能を有するトベラの培養細胞
として、上述した本発明の培養細胞を用いることができ
る。
【0031】また、本発明の組織培養法においては、培
地には、さらにナフタレン酢酸(NAA)を含むことができ
る。ナルタレン酢酸の量については、上述の培養細胞の
培養に用いる条件を適用することができる。
【0032】次に、外来物質を導入した本発明の培養細
胞について説明する。本発明の培養細胞に外来物質を導
入するには、常法の外来物質導入法を用いる事ができ
る。例えば、レーザーを用いた外来物質の導入法(特開
昭62−7837号)が知られているが、このようなレーザー
によって本発明の培養細胞へ外来物質を導入することが
できる。遺伝子導入法としては、例えば、大別して直接
微細なガラス管を用いて注入する方法(マイクロインジ
ェクション法)、細胞融合の技術を応用する方法(リポ
ソーム法やプロトプラスト融合法)、感染の過程を利用
した導入法(アグロバクテリウム法)、及び膜透過性を
亢進させる方法(エレクトロポレーション法)などが知
られている。また、DNAでコーティングした金属微粒
子を高速で、生物の細胞に打ち込み、細胞壁、細胞膜を
貫通して、細胞内に遺伝子を導入する遺伝子銃法も知ら
れている。これらの遺伝子導入法を用いて、本発明の培
養細胞に遺伝子を導入することが可能となる。
【0033】トベラの組織が、トベラの実生切片の生細
胞に外来物質を導入した組織である場合において、該組
織を培養することにより、優良株の増殖、新品種の増殖
が可能となる。実生とは、芽生え、種子植物の種子から
発芽した幼植物を意味する。多くは、子葉又は第一葉を
残存している時期のものをいう。
【0034】実生切片としては、特に限定されず、組織
片のカルス化前、カルス化後、多芽体形成前、多芽体形
成後のいずれであっても良い。効率よく、外来物資を発
現させるという観点から、好ましくは、カルス化前の実
生切片である。
【0035】外来物質としては、遺伝物質、タンパク
質、オルガネラ、生理活性物質、指示薬からなる群から
選択される少なくとも1種を挙げることができる。
【0036】遺伝物質としては、DNA、RNA、オリゴヌク
レオチド、プラスミド、染色体、人工染色体、オルガネ
ラDNA、核酸アナログからなる群から選択される少なく
とも1種を挙げることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、下記実施例に限定されて解釈され
る意図ではない。
【0038】実施例1 基本培地として、WP培地あるいはMS培地を用いた。炭素
源として1%ショ糖、ゲル化剤として0.3%ゲランガムの
条件を用いた。トベラ種子を70%エタノールで1時間、
2.5%次亜鉛素酸ナトリウムで1時間処理した後、滅菌水
で洗浄して無菌処理を行った。2晩以上4℃暗所下で給
水させた後培地に播種した。発芽後、4週間の実生を組
織培養に用いた。実生の葉、茎、根から厚さ1mmの切片
を調整し、ホルモンであるナフチル酢酸とチジアズロン
を含む培地上に置床し培養する。培養、10日後に切片
から、多芽体の形成が確認され始める。置床から約2ヵ
月後、多芽体からシュートを切り出し、インドール酢酸
を切り口にぬった。インドール酢酸処理したシュート
を、固形培地あるいは培地を含ませた、パーライト、バ
ーミキュライト混合土に挿した。シュートを培養し発根
させた。一定期間培養し、切り口から根の伸長が観察さ
れた植物体を苗木として用いた。
【0039】WP培地にチジアズロンとナフタレン酢酸を
添加して茎切片を6週間培養した後の観察結果を表1に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、チジアズロンの
濃度が10μM以上においては、ナフタレン酢酸を含む培
地において、再分化を確認した。
【0042】実施例2 次いで、培養細胞への遺伝子の導入を試みた。即ち、
葉、茎、根から切り出した切片をホルモンを含む培地で
一定期間培養した後、遺伝子導入し、更に培養すること
で、遺伝子導入トベラの作成を試みた。
【0043】遺伝子導入トベラの作成法としては、ま
ず、パーティクルガン法を用いてトベラ実生茎切片に遺
伝子を導入する。実生茎切片は、カルスが発生していな
い前のものであった。このとき目的とする遺伝子の他に
選別マーカーであるハイグロマイシン耐性を有する遺伝
子を指標として、実生茎切片に導入した。当該指標遺伝
子を用いて、トベラシュートを選別した。遺伝子を導入
したトベラを実施例1と同様の方法を用いて組織培養し
た。遺伝子を導入したトベラの外観の顕微鏡写真を図1
に示す。遺伝子が細胞に存在するのをPCR法を用いて確
認した。
【0044】実施例3 トベラの葉、胚からの再分化の様子を調べた。培地とし
て、WP培地を用いた。培養温度は、22℃〜28℃の間とし
た。また、明所下でトベラを培養した。トベラの播種条
件、その他の培養条件については、実施例1と同様に行
った。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から明らかなように、チジアズ
ロンを10〜105nM量を含む培地で培養した場合に、か
なりの高い再分化率を達成した。
【0047】実施例4 実施例1と同様の条件下で、培地上で無菌的にトベラを
発芽、生育させて、8週間及び23週間後の実生の葉、
茎、根から各々の切片を作成した。これらの切片を用い
て、播種後数週間における再分化率を調べた。
【0048】組織片を培地に置床し、6週間後に多芽体
(multiple shoots)の形成率及びカルスの形態を観察し
た。再分化条件の検討には、ホルモンとしてベンジルア
デニン(BA)、チジアズロン(TDZ)、ナフタレン酢酸(N
AA)、インドール酢酸(IAA)、2,4-ジクロロフェノキシ
酢酸(2,4-D)を用いた。また、様々な濃度の前記ホルモ
ンを単独又は組み合わせて検討を行った。基本培地とし
て、MS培地、WP培地を用いた。2週間毎に継代し、継代
は、同じ培地で行った。
【0049】トベラの組織の一部をホルモンとしてTDZ
とNAAを含む培地で培養した場合、カルス誘導と再分化
誘導は同じ培地上で起こった。切片を置床した後3週間
目ぐらいまでは、カルスの増殖が起こった。その後、多
芽体が形成され、再分化誘導されたことを確認した。一
方、TDZと2,4−Dを含む培地で培養したものは、多芽体
を形成したカルスよりもやわらかいカルスが形成され
た。しかし、引き続き同条件の培地上で培養しても多芽
体は形成されなかった。
【0050】また、トベラの組織としては、葉、根と比
較すると、茎から誘導したカルスの再分化能が高いこと
が判明した。
【0051】WP培地上で無菌的に発芽、生育させた播種
後8週間、23週間の実生を、出発材料として用いた場合
には、播種後8週間のものが効率よく多芽体を形成し
た。
【0052】以上をまとめると、再分化能を比較した結
果、播種後8週間の実生から得た茎の横断切片を、TDZ及
びNAAを含むWP培地で培養したものが最も高率良く再分
化した。
【0053】
【発明の効果】本発明の培養細胞によれば、トベラの組
織培養を効率的に行うことが可能で、かつ、再分化能の
高い植物体再生が可能であるという有利な効果を奏す
る。
【0054】本発明の培養細胞によれば、優良株の増殖
や外来遺伝子の導入に利用できるという有利な効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遺伝子を導入したトベラの外観の顕微鏡写真
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B030 AA03 AB03 AD06 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD06 CD09 CD13 CD14 CD17 4B024 AA08 CA01 CA11 DA01 EA04 FA10 GA11 GA17 HA12 4B065 AA89X AB01 AC10 BA01 BA25 BB08 BB13 BB34 BB35 BC31 CA53

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トベラの組織の一部を、トベラのカルス
    化を誘導するために有効的な量のチジアズロン(TDZ)を
    含む培地で培養して得た、未分化能を有するトベラの培
    養細胞。
  2. 【請求項2】 トベラの組織が、茎、葉、胚細胞及び根
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記
    載の培養細胞。
  3. 【請求項3】 トベラの組織が、トベラ種子を播種した
    後8週間未満の組織であることを特徴とする請求項1又は
    2項に記載の培養細胞。
  4. 【請求項4】 トベラの組織が、トベラ種子を無菌的に
    生育させた組織であることを特徴とする請求項3記載の
    培養細胞。
  5. 【請求項5】 トベラの組織が、トベラの実生切片の生
    細胞に外来物資を導入した組織であることを特徴とする
    請求項1〜4項に記載の培養細胞。
  6. 【請求項6】 外来物質が、遺伝物質、タンパク質、オ
    ルガネラ、生理活性物質、指示薬からなる群から選択さ
    れる少なくとも1種である請求項5記載の培養細胞。
  7. 【請求項7】 遺伝物質が、DNA、RNA、オリゴヌクレオ
    チド、プラスミド、染色体、人工染色体、オルガネラDN
    A、核酸アナログからなる群から選択される少なくとも1
    種である請求項6記載の培養細胞。
  8. 【請求項8】 前記培地には、さらにナフタレン酢酸(N
    AA)を含むことを特徴とする請求項1〜7項のいずれか1
    項に記載の培養細胞。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8項のいずれか1項に記載の培
    養細胞を、トベラのカルス化を誘導するために有効的な
    量のチジアズロン(TDZ)を含む培地で継代培養して、
    トベラの小植物体を得ることを特徴とするトベラの組織
    培養法。
  10. 【請求項10】 培地が、さらにナフタレン酢酸(NAA)
    を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 培地が、WP培地であることを特徴とす
    る請求項9又は10項に記載の方法。
JP2001011435A 2001-01-19 2001-01-19 トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法 Pending JP2002209575A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011435A JP2002209575A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法
CA002352441A CA2352441C (en) 2001-01-19 2001-07-18 Cultured cells of australian laurel, pittosporaceae and a method for culturing tissues by using said cultured cells
US09/908,632 US6800482B2 (en) 2001-01-19 2001-07-20 Cultured cells of Australian laurel, Pittosporaceae and a method for culturing tissues by using said cultured cells

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011435A JP2002209575A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002209575A true JP2002209575A (ja) 2002-07-30

Family

ID=18878573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001011435A Pending JP2002209575A (ja) 2001-01-19 2001-01-19 トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6800482B2 (ja)
JP (1) JP2002209575A (ja)
CA (1) CA2352441C (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105432466B (zh) * 2015-11-13 2017-08-15 广西壮族自治区药用植物园 一种海桐体细胞胚胎发生和植株再生的方法
CN106068763B (zh) * 2016-06-21 2018-12-14 中国科学院昆明植物研究所 海桐种子的清理方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5304725A (en) * 1989-10-10 1994-04-19 Forgene, Inc. Elite white spruce hybrids and method of production
US5480789A (en) * 1991-04-01 1996-01-02 Florigene Europe B.V. Genetically transformed rose plants and methods for their production
WO1992017056A1 (en) * 1991-04-01 1992-10-15 Florigene B.V. Carnation plants and methods for their transformation and propagation
US5840581A (en) * 1996-03-29 1998-11-24 International Paper Company Process for somatic embryogenesis of sweetgum

Also Published As

Publication number Publication date
CA2352441A1 (en) 2002-07-19
US20020137206A1 (en) 2002-09-26
CA2352441C (en) 2006-12-12
US6800482B2 (en) 2004-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mohan et al. Plant regeneration in pigeonpea [Cajanus cajan (L.) Millsp.] by organogenesis
Hussey In vitro propagation of some members of the Liliaceae, Iridaceae and Amaryllidaceae
Kunitake et al. Somatic embryogenesis and plant regeneration from protoplasts of asparagus (Asparagus officinalis L.)
CN111280065A (zh) 一种落叶松体细胞胚再生的方法
Kunitake et al. Somaclonal and chromosomal effects of genotype, ploidy and culture duration in Asparagus officinalis L.
CN102172220A (zh) 牡丹茎叶愈伤组织诱导方法
EP0536327A1 (en) Rose plants and methods for their production and genetic transformation
CN109735538A (zh) 一种提高森林草莓叶片再生效率的载体及其制备方法和应用
Gantait et al. In vitro Mass Multiplication with Pure Genetic Identity in Anthurium andreanum Lind.
JPH07308137A (ja) ヤマナラシ節に属する植物の植物体生産方法
CN101186910B (zh) 花生转基因的方法
US7897838B2 (en) Methods for high efficiency transformation and regeneration of plant suspension cultures
CN109220809B (zh) 栾树体细胞胚胎发生及植株再生的培养方法
JP2002233360A (ja) ヒメイタビの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法
CN112931227B (zh) 一种杜仲各部位全株诱导植物再生及构建转基因植株再生体系的方法
WO1993012645A1 (en) Somatic embryogenesis and plant regeneration of cacao
JP4228044B2 (ja) シバ属植物の再分化植物体及び形質転換植物体
Khadiga et al. Effect of cultivar and growth regulator on in vitro micropropagation of potato (Solanum tuberosum L).
JP2002209575A (ja) トベラの培養細胞及び該培養細胞を用いた組織培養法
CN113528534A (zh) GhMYB44基因在棉花愈伤组织分化发育中的应用
Aboel-Nil Tissue culture of Douglas-fir and Western North American conifers
CN116814651B (zh) 一种燕子花MYB4a转录因子在调控植物花柱伸长中的应用
JPH0937666A (ja) エンジュの組織培養法
CN116941529B (zh) 一种烟草单倍体植株加倍与快繁一体化的方法
JPH03277219A (ja) バラの組織培養法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040908

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041005