JP2002209214A - 画像圧縮装置及び方法 - Google Patents

画像圧縮装置及び方法

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JP2002209214A
JP2002209214A JP2001001806A JP2001001806A JP2002209214A JP 2002209214 A JP2002209214 A JP 2002209214A JP 2001001806 A JP2001001806 A JP 2001001806A JP 2001001806 A JP2001001806 A JP 2001001806A JP 2002209214 A JP2002209214 A JP 2002209214A
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JP2001001806A
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Masami Nakagawa
昌巳 中川
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報量の多いHD画像等を画像処理する際の
演算量を効果的に削減する。 【解決手段】 画像分割部20は、制御部10の制御に
より入力される1画像を複数の分割ブロックに分割す
る。画像処理部30は、分割ブロック毎にシーンチェン
ジ検出、又は2・3プルダウン検出を行う。この際、画
像処理部30は、入力される1画像における各分割ブロ
ックの位置を示す位置情報sに基づいて、上記複数の分
割ブロックのうち所望の分割ブロックの画像情報に重み
付けを行う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を
算出する。符号化部40は、画像処理部30から出力さ
れた処理画像を分割ブロック毎に符号化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるMPEG
(Moving Picture Expert Group)等により画像情報を
圧縮符号化する画像圧縮装置及び方法に関し、特に、高
精細度(HD:High Difinition)画像をはじめとする
情報量の多い画像を圧縮符号化する画像圧縮装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばNTSC(National Television
System Committee)の画像情報を圧縮符号化する既存の
画像圧縮装置は、マクロブロック単位で演算した動き予
測誤差(ME残差)や平均輝度分離残差等の画像情報を
フィールド単位又はフレーム単位で総和して圧縮を行っ
ている。このためのアプリケーションとしては、例え
ば、シーンチェンジ検出や2・3プルダウン検出等があ
る。このシーンチェンジ検出及び2・3プルダウン検出
について、以下で説明する。
【0003】先ず、シーンチェンジ検出について説明す
る。MPEG等の圧縮符号化方式では、符号化アルゴリ
ズムとして動き補償予測と離散コサイン変換を使用す
る。MPEGの特徴としては、動き補償の予測効率を高
める双方向予測、編集やランダムアクセスを可能とする
GOP(Group Of Picture)構造、全体の符号発生量制
御等の符号化の細かな制御が挙げられる。この中で、双
方向予測を実現するため、MPEGでは、1画面分の画
像(フレーム又はフィールド)に、フレーム内符号化画
像(以下、Iピクチャという。)、フレーム間順方向予
測符号化画像(以下、Pピクチャという。)、及び双方
向予測符号化画像(以下、Bピクチャという。)の3種
類のピクチャタイプを規定している。
【0004】Iピクチャは、予測は使わずに1画面内で
閉じた情報による符号化のみを行うものであり、圧縮率
は悪いが、ランダムアクセス時のアクセス点として利用
される。MPEGでは、GOPにIピクチャが少なくと
も1枚入るように規定されている。これにより、GOP
単位での編集やランダムアクセスが可能になる。
【0005】Pピクチャは、過去のIピクチャあるいは
Pピクチャからの順方向の動き補償予測を用いるもので
あり、Iピクチャよりも圧縮率が高い。また、Bピクチ
ャは、過去及び未来のピクチャを用いた双方向予測を用
いるものであり、最も圧縮率が高い。
【0006】ところで、Pピクチャ又はBピクチャでシ
ーンチェンジが起こった場合には、そのピクチャの前又
は前後のピクチャから予測することが困難であるため、
画像が歪み、また、その画質劣化は、後続のPピクチ
ャ、Bピクチャに伝播し、さらなる画質劣化に繋がる。
【0007】このため、シーンチェンジ検出では、例え
ば画像入力データの現在のフレームと1フレーム前のフ
レームとの差分をとり、その差分の絶対値が閾値を超え
た場合に、現フレームをシーンチェンジのフレームとし
て検出する。シーンチェンジとされたフレームのピクチ
ャタイプがPピクチャ、Bピクチャである場合には、そ
のピクチャをIピクチャに変更する。これにより誤差の
伝達を防ぐことができる。
【0008】次に、2・3プルダウン検出について説明
する。映画等のフィルム素材は、毎秒24コマ(フレー
ム)の画像データであり、一方、例えば、NTSC方式
のテレビジョン素材は、毎秒30フレームの画像データ
である。この際、1コマをそのまま1フレームに変換し
ていくと、フィルムの1秒がビデオでは0.8秒で再生
されてしまうので、映像を早回しをした状態になり適切
でない。従って、例えば、所定の変換パターンで同じフ
ィールドを繰り返して挿入することによりフレーム数を
増やし、毎秒24フレームから毎秒30フレームへフレ
ーム数を変換する必要がある。
【0009】このようなフレーム数の変換処理は、所定
の変換パターンで2つのフィールドを3つのフィールド
に変換することから、一般に、2・3プルダウン検出と
呼ばれ、2・3プルダウン検出を行う装置は、フィルム
素材をテレビジョン素材に変換することから、一般に、
テレシネ(telecine)装置と呼ばれる。
【0010】ここで、2・3プルダウン検出によりフレ
ーム数を増やした画像データを、MPEG等の方式によ
り圧縮符号化する場合には、2・3プルダウン検出によ
り、フレーム数を増やすために繰り返して挿入したフィ
ールド(繰り返しフィールド)の情報は、冗長であり、
圧縮効率を上げるためには、繰り返しフィールドを検出
し、除去してから圧縮符号化処理することが望ましい。
【0011】このように、2・3プルダウン検出により
フレーム数を毎秒30フレームに増やした繰り返しフィ
ールドを検出し、除去して、再びフレーム数を毎秒24
フレームに減らす処理は、一般に、逆2・3プルダウン
検出と呼ばれ、繰り返しフィールドの検出方法は、例え
ば、「テレシネ画像に適したMPEG2ビデオ符号化の
前処理方式に関する一考察(A Study on Preprocessing
of MPEG2 Video Coding for Telecine Source)[編
者;岩崎他、1995年テレビジョン学会年次大会(IT
E'95:1995 ITE Annual Convention)予稿7−11]」に
開示されている。
【0012】しかしながら、2・3プルダウン検出によ
り得られたテレビジョン素材に対して編集が施されてい
たり、あるいは、CM等のフィールド単位で編集が施さ
れた画像データが挿入されている場合があり、このよう
なテレビジョン素材においては、フィールドの変換パタ
ーンが乱れていることがある。
【0013】このような不具合を有するテレビジョン素
材を放送に用いる場合には、リアルタイム性が要求され
るので、逆2・3プルダウン検出を用いることができな
い。
【0014】そのため、除去したフィールドに対応する
フィールドの画像データに、MPEGに規定されたフラ
グであり、伸長復号処理の際に用いられる繰り返しフラ
グ(Repeat first field flag)を付加する方法が行わ
れている。これにより、本来のフィルム素材が持つ24
コマの情報のみ伝達すれば、デコーダ側で30フレーム
に変換される。この繰り返しフラグについては、例えば
特開平10−243392号公報に記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走査線が普
通のテレビジョン(525本)の2倍以上にあたる11
25本あり、きめ細かな画像が見られる高精細度テレビ
ジョン(HDTV:HighDifinition TV。以下、この画
像をHD画像という。)が現在普及しつつある。
【0016】しかし、上述したようなシーンチェンジ検
出や2・3プルダウン検出等の手法をHD画像にそのま
ま用いるには課題が多い。
【0017】先ず、HD画像は、通常のNTSC画像と
比べて約6倍の情報量を持っている。このことは、リア
ルタイムに適応的な圧縮を行おうとするHD画像の画像
圧縮装置に相当量の演算能力を要求する。
【0018】さらに、画面の横縦の長さが16:9と視
野角が広く、画面全体の変化や特徴が、視聴者の注目点
の特徴と異なる場合が多い。例えば、画面全体は大きく
変化しているが、視聴者は、静止した主人公の顔に注目
している場合などである。この場合、全体の変化量の大
きさからシーンチェンジと判断するのは、不適切であ
る。また、レターサイズといわれる上下に黒帯が入った
映画や、編集中のタイムコードが入った映画は、2・3
プルダウン検出を間違えやすい。この場合も、画面全体
の画像情報を用いることは、不適切である。
【0019】これらのHD画像特有の性質から、画面全
体の特徴を用いて圧縮符号化処理を最適化する既存の手
法では満足のいく性能が得られなかった。
【0020】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、情報量の多いHD画像等を圧縮
符号化処理する際に、高圧縮率、高画質を確保したまま
演算量を削減する画像圧縮装置及び方法を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る画像圧縮装置は、画像を圧縮符号
化する画像圧縮装置であって、入力される1画像を複数
の分割ブロックに分割処理する際の分割パターンを決定
し、上記分割処理を制御する制御手段と、上記分割パタ
ーンに応じて、上記入力される1画像を上記複数の分割
ブロックに分割処理する画像分割手段と、上記制御手段
から供給された制御情報に基づいて、上記分割ブロック
毎に画像情報を算出し、画像処理を行う画像処理手段と
を備える。
【0022】ここで、上記制御情報は、上記分割パター
ンに応じて分割処理される1画像における各分割ブロッ
クの位置を示す位置情報である。また、上記画像処理手
段は、上記位置情報に基づいて、上記複数の分割ブロッ
クのうち所望の分割ブロックの画像情報に重み付けを行
う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を算出す
る。
【0023】これにより、目的に応じて効果的な位置の
分割ブロックのみを演算し、精度を落とすことなく演算
処理を削減する。また、人間の主観特性に合わせた処理
を行う。
【0024】また、本発明に係る画像圧縮方法は、画像
を圧縮符号化する画像圧縮方法であって、入力される1
画像を複数の分割ブロックに分割処理する際の分割パタ
ーンを決定する分割パターン決定工程と、上記分割パタ
ーンに応じて、上記入力される1画像を上記複数の分割
ブロックに分割処理する画像分割工程と、上記分割パタ
ーン決定工程にて生成された制御情報に基づいて、上記
分割ブロック毎に画像情報を算出し、画像処理を行う画
像処理工程とを有する。
【0025】ここで、上記制御情報は、上記分割パター
ンに応じて分割処理される1画像における各分割ブロッ
クの位置を示す位置情報である。また、上記画像処理工
程では、上記位置情報に基づいて、上記複数の分割ブロ
ックのうち所望の分割ブロックの画像情報に重み付けを
行う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を算出す
る。
【0026】これにより、目的に応じて効果的な位置の
分割ブロックのみを演算し、精度を落とすことなく演算
処理を削減する。また、人間の主観特性に合わせた処理
を行う。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】本実施の形態における画像圧縮装置の構成
を図1に示す。この画像圧縮装置1は、HD画像を圧縮
符号化して出力するものである。画像圧縮装置1は、入
力されるHD画像を複数の分割ブロックに分割処理する
際の分割パターンを決定し、上記分割処理を制御する制
御部10と、上記分割パターンに応じて上記入力される
HD画像を上記複数の分割ブロックに分割処理する画像
分割部20と、制御部10から供給される制御情報に基
づいて、上記分割ブロック毎に画像情報を算出し、画像
処理を行う画像処理部30と、画像処理部30において
画像処理された処理画像を符号化する符号化部40とを
備える。
【0029】制御部10は、入力されるHD画像を複数
の分割ブロックに分割処理する際の分割パターンを決定
し、上記分割処理を制御する。分割のパターンは、任意
であり、入力される画像に応じて適応的に決定する。
【0030】画像分割部20は、HD画像を入力し、制
御部10の決定した分割パターンに応じてその画像を分
割する。画像分割部20は、分割した画像を画像処理部
30に供給する。
【0031】画像処理部30は、制御部10から供給さ
れる位置情報sに基づいて、分割ブロック毎に動き予測
誤差(ME残差)、平均輝度分離残差等の定量的な画像
情報を算出し、シーンチェンジ検出、2・3プルダウン
検出等を行う。ここで、位置情報sとは、入力されたH
D画像における各分割ブロックの位置を示す情報であ
る。この際、画像処理部30は、後述するように、複数
の分割ブロックのうち所望の分割ブロックの画像情報に
重み付けを行う、又は所望の分割ブロックのみの画像情
報を算出する。画像処理部30は、分割ブロック毎に画
像処理を行った処理画像を符号化部40に供給する。
【0032】符号化部40は、画像処理部30から供給
された分割ブロック毎の処理画像を符号化する。また、
符号化部40は、処理画像を符号化した情報を多重化し
て外部に出力する。この際、符号化部40は、制御部1
0から供給される位置情報sも併せて多重化する。
【0033】本実施の形態における画像圧縮装置1は、
以上のような構成により入力されるHD画像を圧縮符号
化して出力する。
【0034】以下では、具体的な例として、シーンチェ
ンジ検出及び2・3プルダウン検出の演算量を削減し、
かつ精度を確保する例を述べる。
【0035】先ず、本実施の形態におけるシーンチェン
ジ検出について説明する。フレーム間順方向予測符号化
画像(以下、Pピクチャという。)、又は双方向予測符
号化画像(以下、Bピクチャという。)でシーンチェン
ジが起こった場合には、そのピクチャの前又は前後のピ
クチャから予測することが困難であるため、画像が歪
み、また、その画質劣化は、後続のPピクチャ、Bピク
チャに伝播し、さらなる画質劣化に繋がる。これによ
り、GOPの後段になるに従って動き補償に伴う誤差の
蓄積が原因で画質が劣化し、次のGOPの先頭でまた良
好な画質に戻るという現象、すなわちドリフトが生じる
ことになる。
【0036】このため、シーンチェンジ検出では、例え
ば画像入力データの現在のフレームと1フレーム前のフ
レームとの差分をとり、その差分の絶対値が閾値を超え
た場合に、現フレームをシーンチェンジのフレームとし
て検出する。シーンチェンジとされたフレームのピクチ
ャタイプがPピクチャ、Bピクチャである場合には、そ
のピクチャをフレーム内符号化画像(以下、Iピクチャ
という。)に変更する。これにより誤差の伝達を防ぐこ
とができる。
【0037】しかし、画面全体の変化や特徴が、視聴者
の注目点の特徴と異なる場合がある。例えば、画面全体
は大きく変化しているが、視聴者は、静止した主人公の
顔に注目している場合などである。この場合、全体の変
化量の大きさからシーンチェンジと判断するのは、不適
切である。
【0038】そこで、以下のようにしてシーンチェンジ
検出の演算量を削減し、かつ精度を確保する。具体的に
は、画像分割部20において入力される画像を複数の分
割ブロックに分割し、それぞれの分割ブロック毎に画像
処理部30で例えば動き予測誤差、平均輝度分離残差等
を算出する。この場合、画像処理部30は、図2に示す
ような構成となっている。
【0039】画像処理部30は、フレーム間差分検出部
31と、シーンチェンジ検出部32とを備える。
【0040】フレーム間差分検出部31は、各分割ブロ
ック毎に例えば動き予測誤差、平均輝度分離残差等の画
像情報を算出し、入力されるHD画像の現在のフレーム
と1フレーム前のフレームとの画像情報の差分をとる。
シーンチェンジ検出部32は、その差分の絶対値が閾値
を超えた場合に、現フレームをシーンチェンジのフレー
ムとして検出する。この画像情報の算出の際には、制御
部10から供給される位置情報sを基に、所望の分割ブ
ロックの画像情報に重み付けを行う、又は所望の分割ブ
ロックのみの画像情報を算出する。すなわち、各分割ブ
ロックにプライオリティをつける。
【0041】以下では、図3を参照しながら、このプラ
イオリティの判断について説明する。画像分割部20
は、入力されるHD画像を図3に示すように6分割する
ものとする。この分割方法は、任意であり、便宜上3×
2ブロックに分割した場合のみ説明する。なお、HD画
像は、通常のNTSC(National Television System C
ommittee)画像の約6倍の情報量を持つので、少なくと
も6分割するのが好ましい。このAからFまでの各分割
ブロックは、通常のNTSC画像が持つ画素数とほぼ等
しい。
【0042】多くの画像は、画面の中央付近に注目点が
ある場合が多い。図3における画面の中央付近とは、B
ブロックとEブロックである。そこでBブロックとEブ
ロックの画像情報の変化は、例えばAブロックやFブロ
ック等の画像情報の変化よりも重要に扱われる。すなわ
ち、BブロックとEブロックの画像情報は、プライオリ
ティが高いとされる。
【0043】画面両脇下のDブロックとFブロックは、
画像情報が変化しやすい。また、これらのブロックは、
画枠の外から突然物体が現れるオクルージョンと呼ばれ
る現象が頻繁に起こる場所であり、予測が困難なため、
MPEGとして予測誤差が大きくなりやすい。しかし、
これらのブロックにおける画像情報の変化は、主観的に
は重要でない場合が多く、注目に値しない変化が多い。
そこで、DブロックとFブロックは、シーンチェンジ検
出を行うにあたって、その画像情報を算出しないか、プ
ライオリティを下げて判断材料にするのが適切である。
【0044】しかし、上述したBブロックとEブロック
のみの画像情報でシーンチェンジを検出すると、画面中
央の変化に敏感になりやすい傾向がある。そのため、現
実的には、さらにAブロックやCブロックの画像情報の
変化も考慮に入れながらシーンチェンジか否かを判断す
るのが妥当である。
【0045】映像の大きな変化、すなわちシーンチェン
ジと判断されたフレームは、通常、符号化部40でIピ
クチャとして処理されるか、レートコントロールによっ
てレート配分を大きくされるといった扱いを受ける。こ
れにより当該フレームの歪み率の低下、及びそのフレー
ムのピクチャから予測されるPピクチャ、Bピクチャの
予測誤差の低減、すなわち誤差の伝達を断ち切ることが
できる。
【0046】上述のように、画像処理部30は、入力さ
れるHD画像を分割して、各分割ブロック毎に画像情報
を算出し、また、制御部10から供給される位置情報s
を基に、所望の分割ブロックの画像情報に重み付けを行
う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を算出する
ことで、シーンチェンジ検出の精度を確保したまま、そ
の演算量を削減することができる。また、人間の主観特
性に合わせた処理が可能となる。
【0047】なお、ここでの画像情報は、動き予測誤差
でもよいし、平均輝度分離残差でもよい。その両方を使
っても構わない。
【0048】次に、本実施の形態における2・3プルダ
ウン検出について説明する。上述したように、フィルム
の形で存在する映画素材は、毎秒24コマで記録されて
いる。これを通常のビデオ映像に記録するためには、N
TSC方式に変換する場合、毎秒30枚(60フィール
ド)のフレームという形に変換する。この際、1コマを
そのまま1フレームに変換していくと、フィルムの1秒
がビデオでは0.8秒で再生されてしまうため、映像を
早回しをした状態になり適切でない。そのため周期的に
同じフィールドを繰り返すことでこの問題を解決するテ
レシネ手法が用いられるのが一般的である。これが2・
3プルダウン検出である。以下、図4、図5を用いて説
明する。
【0049】フィルム素材の画像は、図4(A)に示す
ような順次走査画像であるが、テレビジョン素材の画像
は、図4(B)に示すようなインタレース画像である。
すなわち、順次走査画像における奇数番目と偶数番目の
走査線を別々にまとめ(これをフィールドという。)、
フレーム間隔の半分の時間毎に交互に表示する。なお、
奇数番目の走査線を含むフィールドをトップフィール
ド、偶数番目の走査線を含むフィールドをボトムフィー
ルドと呼ぶ。そこで、先ずフィルム素材の各フレームを
図5(A)においてA,B,C,Dで示すトップフィー
ルドと、a,b,c,dで示すボトムフィールドとに分
ける。次に、トップフィールド、ボトムフィールドに分
けた毎秒24フレームのフィルム素材のフィールドの何
れかを、図5(B)に丸印を付して示すように、同一の
フィールドA,cを所定の挿入パターンで繰り返す繰り
返しフィールド(Repeat first field)A’,c’とす
る処理を行ってフィールド数を増やし、毎秒30フレー
ムのテレビジョン素材に変換する。
【0050】しかし、ビデオ化されたフィルム素材に
は、この繰り返されたフィールドが周期的に存在してい
ることになり冗長である。特に、MPEGとして圧縮効
率を考えると効率が悪い。
【0051】そこで、MPEGでは、この繰り返された
フィールドを伝送しなくてすむように、繰り返しフラグ
(Repeat first field flag)と呼ばれるフラグが用意
されている。これを用いることによって、本来のフィル
ム素材が持つ24コマの情報のみ伝達すれば、デコーダ
側で30フレームに変換される仕組みになっている。単
純に1秒間に30フレーム分の情報を送らなくてはなら
ないところを、24フレーム分の情報だけですむため、
フィルム素材は、比較的圧縮しやすいといわれている。
【0052】しかし、このためには、繰り返しフィール
ドを検出する必要がある。現行のNTSC映像から繰り
返しフィールドを検出する場合は、フィールド単位で1
つ前のフィールドとの輝度の差分値等を用いて、プルダ
ウンパターンと比較しながら検出する手法がとられてい
る。この2・3プルダウン検出については、例えば、本
件出願人が先に出願した特開平11−69227号公報
に記載されている。
【0053】上述したように、HD画像は、NTSC映
像の約6倍の情報量を持っているため、同じ手法をHD
画像でも試みようとすると、NTSC映像の約6倍の差
分演算を行う必要がでてくる。また、スクリーンの正確
な再現を目的として、画面の上下に黒帯を入れて正確な
縦横比(アスペクトレシオ)を実現している素材もあ
り、その黒帯部分の演算結果は、無意味である。
【0054】そこで、以下のようにして2・3プルダウ
ン検出の演算量を削減し、かつ精度を確保する。このと
き画像処理部30は、図6に示すような構成であり、画
像分割部20によって分割された分割ブロック毎に2・
3プルダウン検出を行う。
【0055】画像処理部30は、図6に示すように、フ
レーム間差分検出部33と、2・3プルダウン検出部3
4とを備える。
【0056】フレーム間差分検出部33は、制御部10
から供給される位置情報sを基に、各分割ブロック毎に
フレーム間の輝度差分情報等の画像情報を算出する。2
・3プルダウン検出部34は、この画像情報に基づいて
2・3プルダウン検出を行う。
【0057】この画像情報の算出の際には、制御部10
から供給される位置情報sを基に、所望の分割ブロック
の画像情報に重み付けを行う、又は所望の分割ブロック
のみの画像情報を算出する。すなわち、各分割ブロック
にプライオリティをつける。
【0058】以下では、図7を参照しながら、このプラ
イオリティの判断について説明する。画像分割部20
は、入力されるHD画像を図7に示すように分割するも
のとする。この分割方法は、任意であり、便宜上3×4
ブロックに分割した場合のみ説明する。なお、フィルム
素材は、上述したように画面の上下に黒帯が入ることが
あるので、この場合は、少なくともこの黒帯部分と画像
部分とが1つの分割ブロックに含まれないように分割す
ることが好ましい。
【0059】図7のように分割した場合、Aブロックか
らCブロックは、青空や静止した天井であったり、ある
いは黒帯など、輝度差分情報に意味のない場合が多く、
その部分の演算を行わないか、又はプライオリティを下
げて判断材料とする。
【0060】JブロックからLブロックも黒帯が入る場
合があり、その部分の演算を行わないか、又はプライオ
リティを下げて判断材料とする。
【0061】従って、DブロックからIブロックまでの
演算だけでも十分精度を確保できるうえ、必要な演算量
が半分になる。
【0062】上述のように、画像処理部30は、入力さ
れるHD画像を分割して、各分割ブロック毎に画像情報
を算出し、また、制御部10から供給される位置情報s
を基に、所望の分割ブロックの画像情報に重み付けを行
う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を算出する
ことで、シーンチェンジ検出の精度を確保したまま、そ
の演算量を削減することができる。
【0063】なお、画像情報として輝度差分情報を用い
る例を示したが、これは他のパラメータであっても構わ
ない。
【0064】画像処理部30においてシーンチェンジ検
出、又は2・3プルダウン検出が行われた処理画像は、
符号化部40に供給されて符号化される。この際、制御
部10から供給される位置情報sも併せて多重化され
る。これにより、図示しない復号装置において位置情報
を基に分割前の画像に復元される。
【0065】以上のように、本実施の形態における画像
圧縮装置1は、入力されるHD画像を分割し、各分割ブ
ロックにプライオリティをつけるため、画像処理の際に
必要なメモリを全画面分持つ必要がなく、メモリを小さ
くでき、分割しない場合と比べてハードウェアを簡素化
できる。
【0066】また、画像処理の際の演算回数が減ること
によって、圧縮符号化に必要な処理時間が短縮できる。
【0067】なお、本発明は上述した実施の形態のみに
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、入力される画像は、HD画像に限らず、例えば
NTSC画像であっても構わない。また、画像処理は、
上述したシーンチェンジ検出及び2・3プルダウン検出
に限らない。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
画像圧縮装置は、画像を圧縮符号化する画像圧縮装置で
あって、入力される1画像を複数の分割ブロックに分割
処理する際の分割パターンを決定し、上記分割処理を制
御する制御手段と、上記分割パターンに応じて、上記入
力される1画像を上記複数の分割ブロックに分割処理す
る画像分割手段と、上記制御手段から供給された制御情
報に基づいて、上記分割ブロック毎に画像情報を算出
し、画像処理を行う画像処理手段とを備える。
【0069】このような画像圧縮装置は、画像処理を行
う画像を複数の分割ブロックに分割することで、目的に
応じて効果的な位置の分割ブロックのみを演算し、精度
を落とすことなく演算処理を削減することができる。
【0070】ここで、上記制御情報は、上記分割パター
ンに応じて分割処理される1画像における各分割ブロッ
クの位置を示す位置情報である。また、上記画像処理手
段は、上記位置情報に基づいて、上記複数の分割ブロッ
クのうち所望の分割ブロックの画像情報に重み付けを行
う、又は所望の分割ブロックのみの画像情報を算出す
る。
【0071】このように、各分割ブロックの画像情報に
プライオリティを持たせることによって、人間の主観特
性に合わせた処理が可能となる。本発明に係る画像圧縮
方法は、画像を圧縮符号化する画像圧縮方法であって、
入力される1画像を複数の分割ブロックに分割処理する
際の分割パターンを決定する分割パターン決定工程と、
上記分割パターンに応じて、上記入力される1画像を上
記複数の分割ブロックに分割処理する画像分割工程と、
上記分割パターン決定工程にて生成された制御情報に基
づいて、上記分割ブロック毎に画像情報を算出し、画像
処理を行う画像処理工程とを有する。
【0072】このような画像圧縮方法では、画像処理を
行う画像を複数の分割ブロックに分割することで、目的
に応じて効果的な位置の分割ブロックのみを演算し、精
度を落とすことなく演算処理を削減することができる。
ここで、上記制御情報は、上記分割パターンに応じて分
割処理される1画像における各分割ブロックの位置を示
す位置情報である。また、上記画像処理工程では、上記
位置情報に基づいて、上記複数の分割ブロックのうち所
望の分割ブロックの画像情報に重み付けを行う、又は所
望の分割ブロックのみの画像情報を算出する。
【0073】このように、各分割ブロックの画像情報に
プライオリティを持たせることによって、人間の主観特
性に合わせた処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像圧縮装置の構成を説明
した図である。
【図2】同画像圧縮装置のシーンチェンジ検出を行う場
合の画像処理部の構成を説明した図である。
【図3】シーンチェンジ検出をする際の画像の分割例を
説明した図である。
【図4】順次走査画像とインタレース画像とを説明した
図であり、同図(A)は、順次走査画像を示し、同図
(B)は、インタレース画像を示す。
【図5】2・3プルダウン検出を説明した図であり、同
図(A)は、2・3プルダウン検出前を示し、同図
(B)は、2・3プルダウン検出後を示す。
【図6】同画像圧縮装置の2・3プルダウン検出を行う
場合の画像処理部の構成を説明した図である。
【図7】2・3プルダウン検出をする際の画像の分割例
を説明した図である。
【符号の説明】
1 画像圧縮装置、10 制御部、20 画像分割部、
30 画像処理部、31,33 フレーム間差分検出
部、32 シーンチェンジ検出部、34 2・3プルダ
ウン検出部、40 符号化部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を圧縮符号化する画像圧縮装置であ
    って、 入力される1画像を複数の分割ブロックに分割処理する
    際の分割パターンを決定し、上記分割処理を制御する制
    御手段と、 上記分割パターンに応じて、上記入力される1画像を上
    記複数の分割ブロックに分割処理する画像分割手段と、 上記制御手段から供給された制御情報に基づいて、上記
    分割ブロック毎に画像情報を算出し、画像処理を行う画
    像処理手段とを備えることを特徴とする画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 上記制御情報は、上記分割パターンに応
    じて分割処理される1画像における各分割ブロックの位
    置を示す位置情報であることを特徴とする請求項1記載
    の画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 上記画像処理手段は、上記位置情報に基
    づいて、上記複数の分割ブロックのうち所望の分割ブロ
    ックの画像情報に重み付けを行うことを特徴とする請求
    項2記載の画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 上記画像処理手段は、上記位置情報に基
    づいて、上記複数の分割ブロックのうち所望の分割ブロ
    ックのみの画像情報を算出することを特徴とする請求項
    2記載の画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 上記画像処理手段によって上記画像処理
    された処理画像を符号化する符号化手段を備えることを
    特徴とする請求項1記載の画像圧縮装置。
  6. 【請求項6】 上記入力される1画像は、高精細度画像
    であることを特徴とする請求項1記載の画像圧縮装置。
  7. 【請求項7】 上記画像処理手段は、シーンチェンジ検
    出を行うことを特徴とする請求項1記載の画像圧縮装
    置。
  8. 【請求項8】 上記画像処理手段は、2・3プルダウン
    検出を行うことを特徴とする請求項1記載の画像圧縮装
    置。
  9. 【請求項9】 画像を圧縮符号化する画像圧縮方法であ
    って、 入力される1画像を複数の分割ブロックに分割処理する
    際の分割パターンを決定する分割パターン決定工程と、 上記分割パターンに応じて、上記入力される1画像を上
    記複数の分割ブロックに分割処理する画像分割工程と、 上記分割パターン決定工程にて生成された制御情報に基
    づいて、上記分割ブロック毎に画像情報を算出し、画像
    処理を行う画像処理工程とを有することを特徴とする画
    像圧縮方法。
  10. 【請求項10】 上記制御情報は、上記分割パターンに
    応じて分割処理される1画像における各分割ブロックの
    位置を示す位置情報であることを特徴とする請求項9記
    載の画像圧縮方法。
  11. 【請求項11】 上記画像処理工程では、上記位置情報
    に基づいて、上記複数の分割ブロックのうち所望の分割
    ブロックの画像情報に重み付けを行うことを特徴とする
    請求項10記載の画像圧縮方法。
  12. 【請求項12】 上記画像処理工程では、上記位置情報
    に基づいて、上記複数の分割ブロックのうち所望の分割
    ブロックのみの画像情報を算出することを特徴とする請
    求項10記載の画像圧縮方法。
  13. 【請求項13】 上記画像処理工程で上記画像処理され
    た処理画像を符号化する符号化工程を有することを特徴
    とする請求項9記載の画像圧縮方法。
JP2001001806A 2001-01-09 2001-01-09 画像圧縮装置及び方法 Withdrawn JP2002209214A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100951465B1 (ko) 2008-05-08 2010-04-07 엘지전자 주식회사 영상 부호화 방법, 복호화 방법, 및 그 기록 매체
WO2010137084A1 (ja) * 2009-05-29 2010-12-02 パナソニック株式会社 フィルム映像領域検出方法

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