JP2002207725A - 電子文書に対する隠蔽処理装置 - Google Patents

電子文書に対する隠蔽処理装置

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JP2002207725A
JP2002207725A JP2001002304A JP2001002304A JP2002207725A JP 2002207725 A JP2002207725 A JP 2002207725A JP 2001002304 A JP2001002304 A JP 2001002304A JP 2001002304 A JP2001002304 A JP 2001002304A JP 2002207725 A JP2002207725 A JP 2002207725A
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Hidemichi Fukazawa
秀通 深澤
Hisayoshi Furuya
寿佳 古谷
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PLANET COMPUTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDF電子文書に対して、特定部分を隠蔽す
る処理を行う。 【解決手段】 原本データ入力部10から、文字コード
を含むPDFファイルを、原本データD1として入力し
格納部20に格納する。文書表示部50により、この原
本電子文書を表示させ、隠蔽領域設定部30によって、
原本電子文書上の一部に隠蔽領域を設定する。隠蔽領域
はマスクデータD2として格納部40に格納される。中
間データ作成部60は、原本データD1内の文字コード
をビットマップ展開し、その一部をマスクデータD2で
覆うことにより、TIFF形式の中間データD3を作成
する。フォーマット変換部70によって、中間データD
3を再びPDF形式に戻し、処理済データD4を格納部
80に得る。処理済データ出力部90から出力されるP
DFファイルには、隠蔽処理が施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子文書に対する隠
蔽処理装置に関し、特に、官公庁が公的な電子文書を公
開する場合、あるいは、一般企業が業務上の電子文書を
公開する場合に、公開の対象外とする特定の文字列部分
に対する電子的な隠蔽処理を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを利用した情報通信技術の
発達により、官公庁や一般企業では、文書の電子化が進
められている。電子文書は、磁気ディスクや光ディスク
などの電子情報記録媒体に記録して保存することがで
き、必要に応じて、編集、複製、プリントなどの処理を
コンピュータで行うことができ、しかも、インターネッ
トなどの通信媒体を介して配布することも可能である。
このように多くのメリットを有する電子文書は、今後、
あらゆる分野へと普及し、これまでの紙媒体の文書が徐
々に電子文書に置き換えられてゆくものと予想される。
【0003】現在、インターネットのWebページとし
て提示する電子文書としては、HTML(Hyper Text M
arkup Language)形式のファイルが一般化しているが、
一般的なビジネスで利用される電子文書としては、PD
F(Portable Document Format)形式のファイルが最も
普及している。PDF形式のファイルは、文字コードと
して表現されたデータ、ビットマップイメージとして表
現されたデータ、ベクトル図形として表現されたデー
タ、などを混在させて取り扱うことができ、しかも、異
なるOSプラットホームで利用した場合にも、ほぼ共通
した表示形態が得られるという利点を有するため、現在
のところ、PDF形式は、ビジネスで利用される電子文
書の事実上の標準フォーマットとなっている。一般に、
PDF電子文書の作成、編集、閲覧などの作業を行うた
めには、米国アドビ社から提供されているソフトウエア
「Adobe Acrobat」が広く利用されている。ワードプロ
セッサによって入力された文字データ、スキャナやデジ
カメから取り込まれた画像データ、作図ソフトウエアで
作成された図形データなどの様々な文書データが、「Ad
obe Acrobat」を利用してPDF形式の電子文書に変換
された上で、種々の媒体に記録されて配布されたり、イ
ンターネットを介して配信されたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、今
後、官公庁や一般企業によって公開されたり、配布され
たりする多くの文書が、紙媒体の文書から電子文書に置
き換えられてゆくものと予想されるが、文書によって
は、必ずしもすべての内容を公開できるとは限らない。
たとえば、官公庁によって公開される公文書の中には、
法令などの要請により、たとえば個人名など、一般には
公開してはならない情報が含まれていることも少なくな
い。同様に、一般企業が公開する文書の中にも、企業秘
密に属する情報や、新製品の詳細情報など、伏せておく
べき情報が含まれている場合もある。このように非公開
とすべき情報が文書内に含まれていた場合、従来の紙媒
体の文書であれば、該当部分に対して手作業でいわゆる
「墨塗り処理」を施し、部分的に判読不能の状態にして
公開するという措置が施されていた。
【0005】しかしながら、電子文書の場合、このよう
な手作業により「墨塗り処理」を施すことはできない。
もちろん、上述した「Adobe Acrobat」など、電子文書
編集用のソフトウエアには、通常、複数のレイヤーを取
り扱う機能が備わっているので、「墨塗り処理」用のた
めの専用レイヤーを定義し、この専用レイヤー上で黒塗
り処理を行えば、一見したところ、非公開とすべき特定
部分を隠蔽したような処理を施すことは可能である。し
かし、このような疑似的な隠蔽処理を施しただけでは、
非公開とすべき部分の情報は、データとしては依然とし
て電子文書内に残っているため、配布した電子文書内の
データが解析されると、非公開部分の内容を判読されて
しまうおそれがある。
【0006】そこで本発明は、電子文書内の特定部分を
完全に隠蔽する処理を行うことが可能な電子文書に対す
る隠蔽処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、所定のコードの羅列によって文字列を表す第1属
性のデータと、多数の画素の集合によって画像を表す第
2属性のデータと、の少なくとも2種類の属性のデータ
を組み合わせることにより、文字と画像とが混在した文
書を定義する混在文書フォーマットを用い、この混在文
書フォーマットで記述された電子文書に対して、少なく
とも文字列の指定部分に対する隠蔽処理を施す隠蔽処理
装置において、隠蔽処理の対象となる原本電子文書を、
混在文書フォーマットで記述された原本データとして入
力する原本データ入力部と、入力した原本データを格納
する原本データ格納部と、原本電子文書上の隠蔽すべき
文字列を覆うための隠蔽領域を設定し、この隠蔽領域を
示すマスクデータを生成する隠蔽領域設定部と、生成さ
れたマスクデータを格納するマスクデータ格納部と、原
本データ格納部に格納されている原本データと、マスク
データ格納部に格納されているマスクデータとに基づい
て、ディスプレイ画面上に、原本電子文書と隠蔽領域と
を重ねて表示する文書表示部と、原本データ格納部に格
納されている原本データと、マスクデータ格納部に格納
されているマスクデータとを取り込み、原本データ内の
第1属性のデータについては、これを第2属性のデータ
に変換することにより、原本電子文書に対して隠蔽領域
部分を隠蔽した状態を示す第2属性のデータを作成し、
第2属性のデータのみからなる中間文書フォーマットで
記述された中間データを作成する中間データ作成部と、
中間文書フォーマットで記述された中間データを、混在
文書フォーマットで記述された処理済データに変換する
フォーマット変換部と、変換された処理済データを格納
する処理済データ格納部と、この処理済データ格納部に
格納されている処理済データを出力する処理済データ出
力部と、を設けるようにしたものである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る隠蔽処理装置において、第2属性のデータ
を、個々の画素をデータビットに対応させることにより
画像を表現する形式のデータ、もしくはこのような形式
のデータに対して所定のアルゴリズムで圧縮処理を施す
ことにより得られるデータ、によって構成するようにし
たものである。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る隠蔽処理装置において、隠蔽領
域設定部が、原本データを二次元平面上に展開する原本
レイヤーと、マスクデータを二次元平面上に展開するマ
スクレイヤーと、を定義し、マスクレイヤー上に展開さ
れる図形データとしてマスクデータを生成する機能を有
し、文書表示部が、原本レイヤー上に展開された情報と
マスクレイヤー上に展開された情報とを重ねて表示させ
る機能を有し、中間データ作成部が、原本レイヤー上に
展開された情報とマスクレイヤー上に展開された情報と
について、マスクレイヤー上に展開された情報が優先表
示されるような合成演算を行うことにより中間データの
作成を行う機能を有するようにしたものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る隠蔽処理装置において、マスクレイヤー上
に、隠蔽領域を示すマスクデータとともに、当該隠蔽領
域に関する注釈を記述したコメントデータを展開できる
ようにし、隠蔽領域設定部に、マスクデータとコメント
データとの双方を生成する機能をもたせ、文字表示部
に、マスクデータの内容とともにコメントデータの内容
をディスプレイ画面上に表示させる機能をもたせ、中間
データ作成部に、コメントデータを除外した合成演算を
行うことにより、コメントデータの内容を含まない中間
データの作成を行う機能をもたせるようにしたものであ
る。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第4の態様に係る隠蔽処理装置において、「電子文書
を、混在文書フォーマットで記述された原本データとし
て原本レイヤー上に取り込み、電子文書に対する注釈情
報を、原本レイヤーとは別のアノテーションレイヤー上
に付加する機能をもった編集装置」を利用して隠蔽領域
設定部を構成し、この編集装置におけるアノテーション
レイヤーを、マスクレイヤーとして利用するようにした
ものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1
〜第5の態様に係る隠蔽処理装置において、隠蔽領域設
定部が、隠蔽領域の輪郭を示す図形データをマスクデー
タとして生成する機能を有し、中間データ作成部が、原
本電子文書の隠蔽領域内部に含まれていた情報を一切含
まず、かつ、隠蔽領域の輪郭を示す情報を含む中間デー
タを作成する機能を有するようにしたものである。
【0013】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1
〜第6の態様に係る隠蔽処理装置において、混在文書フ
ォーマットとしてPDF形式のフォーマットを用い、中
間文書フォーマットとしてTIFF形式のフォーマット
を用いるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0015】§1.装置の基本構成 はじめに、本発明に係る電子文書に対する隠蔽処理装置
の基本構成を説明する。図1は、本発明の基本的な実施
形態に係る電子文書に対する隠蔽処理装置の構成を示す
ブロック図である。この隠蔽処理装置は、隠蔽処理の対
象となる電子文書(ここでは、原本電子文書と呼ぶ)に
対して、文字列の指定部分に対する隠蔽処理を施し、こ
れを処理済の電子文書として出力する機能を有してい
る。図における原本データ入力部10は、この原本電子
文書を原本データD1として入力する機能を有し、入力
された原本データD1は、原本データ格納部20に格納
される。オペレータは、この原本電子文書内の非公開部
分に隠蔽領域を設定するため、隠蔽領域設定部30に所
定の指示を与えて、隠蔽領域を示すマスクデータD2を
作成する作業を行う。こうして作成されたマスクデータ
D2は、マスクデータ格納部40に格納される。文書表
示部50は、原本データ格納部20に格納されている原
本データD1に基づいて、ディスプレイ画面上に原本電
子文書を表示する機能を有しており、また、マスクデー
タ格納部40内に格納されているマスクデータD2に基
づいて、ディスプレイ画面上に隠蔽領域を表示する機能
を有している。したがって、ディスプレイ画面上には、
原本電子文書と隠蔽領域とが重ねて表示されることにな
り、オペレータは、このディスプレイ画面を見ながら、
隠蔽領域設定部30に所定の指示を与え、非公開部分に
隠蔽領域を設定する作業を行うことができ、その結果を
確認することができる。
【0016】こうして、原本データD1に対応するマス
クデータD2が作成できたら、中間データ作成部60に
よって中間データD3が作成される。この中間データD
3は、原本データD1とマスクデータD2とに基づいて
作成されるデータであり、原本電子文書に対して隠蔽領
域部分を隠蔽する処理を施したデータに相当する。もっ
とも、このような隠蔽処理を施すことにより、中間デー
タD3のフォーマットは、原本データD1とは異なるフ
ォーマットになる。そこで、この中間データD3に対し
て、フォーマット変換部70においてフォーマット変換
処理を施し、原本データD1と同じフォーマットをもっ
た処理済データD4を生成し、これを処理済データ格納
部80に格納する。最後に、必要に応じて、この処理済
データD4を処理済データ出力部90を介して外部へと
出力し、磁気記録媒体や光記録媒体などの電子記録媒体
に書き込んだり、インターネットなどの通信媒体を介し
て配信したりすることができる。
【0017】かくして、原本データ入力部10から入力
された所定のフォーマットの原本データD1は、最終的
には、全く同じフォーマットの処理済データD4とし
て、処理済データ出力部90から出力されることにな
る。このように、原本データD1と処理済データD4と
は同じフォーマットのデータであるが、処理済データD
4では、原本データD1に含まれていた一部の情報が隠
蔽された状態となっている。より正確に言えば、原本デ
ータD1に含まれていた隠蔽対象部分の情報は、処理済
データD4内からは抹消されており、処理済データD4
をどのように解析しても、隠蔽対象部分の情報が判読さ
れることはない。
【0018】この隠蔽処理装置を用いれば、オペレータ
は、原本データ入力部10に対して、隠蔽処理の対象と
なる原本電子文書を原本データD1として入力した上
で、文書表示部50によってディスプレイ画面上に表示
される内容を確認しながら、隠蔽領域設定部30に対し
て隠蔽領域を指定する指示を与える作業を行うだけで、
処理済データ出力部90から、処理済データD4を得る
ことができる。オペレータが隠蔽領域の設定作業さえ行
えば、隠蔽領域設定部30によるマスクデータD2の作
成処理、中間データ作成部60による中間データD3の
作成処理、フォーマット変換部70によるフォーマット
変換処理は、すべて自動で行われ、オペレータはこれら
の処理に関与する必要はない。また、原本データD1
は、原本データ格納部20内にそのまま格納されている
ので、オペレータは、この原本データD1を利用して、
何度でも隠蔽処理を繰り返し実行することが可能であ
る。たとえば、配布先に応じて、それぞれ隠蔽箇所を変
えた複数種類の電子文書を用意したい場合であれば、同
一の原本データD1に対して、複数種類のマスクデータ
D2を作成すれば、個々のマスクデータD2を利用して
複数種類の処理済データD4を得ることができるので、
これら複数種類の処理済データD4をそれぞれの配布先
へと配布することができる。もちろん、原本データD1
とともにマスクデータD2も格納保存されているので、
処理済データD4が失われた場合でも、必要な場合に
は、保存されていた原本データD1とマスクデータD2
に基づいて、処理済データD4を何回でも繰り返して作
成することが可能である。
【0019】なお、図1では、説明の便宜上、この隠蔽
処理装置を機能ブロックの集合として示すが、実際に
は、この隠蔽処理装置は、汎用のコンピュータに専用の
アプリケーションソフトウエアを組み込むことにより実
現できる。あるいは、単独のアプリケーションソフトウ
エアとしてではなく、複数のアプリケーションソフトウ
エアの組み合わせとして実現することも可能である。更
に、ライブラリプログラムやプラグインプログラムとし
て組み込むことも可能であるし、OSプログラムに組み
込むことも可能である。したがって、実際には、原本デ
ータ格納部20、マスクデータ格納部40、処理済デー
タ格納部80といった各格納部は、コンピュータに備わ
っている種々のデータ記録手段によって構成される。ま
た、文書表示部50は、このコンピュータ用の表示処理
用のハードウエアおよびソフトウエアによって構成さ
れ、原本データ入力部10や処理済データ出力部90
は、このコンピュータ用のデータ入出力手段によって構
成される。更に、隠蔽領域設定部30、中間データ作成
部60、フォーマット変換部70といった各構成要素
は、実際には、このコンピュータのハードウエアおよび
ソフトウエアを利用した処理機能によって実現される構
成要素である。
【0020】§2.装置の具体的な動作 続いて、この図1の隠蔽処理装置で取り扱われるデータ
のフォーマットに言及しながら、この装置の具体的な動
作および各構成要素の具体的な機能を説明する。まず、
この隠蔽処理装置によって隠蔽処理を施す対象となる電
子文書は、所定のコードの羅列によって文字列を表す第
1属性のデータと、多数の画素の集合によって画像を表
す第2属性のデータと、の少なくとも2種類の属性のデ
ータを組み合わせることにより、文字と画像とが混在し
た文書を定義する混在文書フォーマットで記述されてい
ることを前提としている。このような混在文書フォーマ
ットとしては、前述したPDF形式のフォーマットが一
般に普及している。図2は、この混在文書フォーマット
(PDF)で記述された電子文書ファイルのデータ構造
を示す図である。図示のとおり、この混在文書フォーマ
ットでは、第1属性のデータと第2属性のデータとが混
在している。
【0021】PDF形式のフォーマットでは、文字コー
ドとして表現されたデータ、ビットマップイメージとし
て表現されたデータ、ベクトル図形として表現されたデ
ータ、などを混在させて取り扱うことができるため、通
常、ワードプロセッサによって入力された文字列のデー
タは、文字コードとして取り扱われ、スキャナやデジカ
メから取り込まれたイメージのデータは、画素の集合か
らなる画像データとして取り扱われ、作図ソフトウエア
などで作成された図形のデータは、ベジェなどのベクト
ルデータとして取り扱われる。したがって、PDF形式
のファイルには、文字コード、画像データ、ベクトルデ
ータが混在することになる。ただ、これらのうち、少な
くとも文字コードと画像データとを組み合わせることに
より、文字と画像とが混在した文書を定義できるフォー
マットで記述されている電子文書であれば、本発明に係
る隠蔽処理装置による隠蔽処理を実行することができ
る。
【0022】そこで、ここでは、原本データ入力部10
によって入力される原本データD1が、図2に示すよう
に、第1属性のデータ(所定のコードの羅列によって文
字列を表す文字コードからなるデータ)と、第2属性の
データ(多数の画素の集合によって画像を表す画像デー
タからなるデータ)と、によって構成されている例につ
いて、以下の説明を行うことにする。もちろん、本発明
で取り扱う混在文書フォーマットとしては、この他に、
第3属性のデータ(たとえば、ベジェなどのベクトルデ
ータ)や、更に、第4、第5属性のデータを含んでいて
もかまわない。また、本発明における第2属性のデータ
は、個々の画素をデータビットに対応させることにより
画像を表現する形式のデータ(いわゆるビットマップ形
式のデータ)そのものに限定されるわけではなく、この
ようなビットマップ形式のデータに対して所定のアルゴ
リズムで圧縮処理を施すことにより得られるデータであ
ってもかまわない。
【0023】一方、中間データ作成部60によって作成
される中間データD3は、図3に示すように、第2属性
のデータのみからなる中間文書フォーマットで記述され
たデータとなっている。別言すれば、中間データD3
は、文字コードを含まない画像データのみからなる中間
文書フォーマットで記述されていることになる。このよ
うな中間文書フォーマットとしては、たとえば、TIF
F(Tag Image File Format )形式のフォーマットを用
いることができる。これに対し、フォーマット変換部7
0による変換処理によって得られる処理済データD4
は、原本データD1と同じ混在文書フォーマットのデー
タとなる。なお、隠蔽領域設定部30によって作成され
るマスクデータD2は、どのようなフォーマットで記述
されたデータであってもかまわないが、ここでは、図形
を示すのに適したベクトルデータを用いた形式のフォー
マットを用いている。
【0024】結局、この隠蔽処理装置を用いれば、混在
文書フォーマット(たとえば、PDF)で記述された原
本データD1から、中間文書フォーマット(たとえば、
TIFF)で記述された中間データD3が作成され、こ
の中間データD3のフォーマットを再び混在文書フォー
マット(PDF)に戻すことにより、処理済データD4
が得られることになる。本発明の意図するところは、混
在文書フォーマット(PDF)で記述された原文電子文
書に対して、同一のフォーマット(PDF)で記述され
た隠蔽処理済みの電子文書を得ることにあり、処理済デ
ータ出力部90から出力される処理済データD4は、原
本電子文書を構成する原本データD1と同一のフォーマ
ット(PDF)で記述された電子文書として配布するこ
とができる。
【0025】続いて、この隠蔽処理装置を用いた具体的
な隠蔽処理作業を説明しながら、この装置の動作を説明
する。ここでは、PDF形式のフォーマットで記述され
た原本データD1を、原本電子文書として入力し、必要
な隠蔽処理を施す場合を考えてみる。オペレータが、原
本データ入力部10から原本データD1を入力すると、
この原本データD1は、原本データ格納部20に格納さ
れる。実際には、この入力処理は、コンピュータに原本
電子文書となるPDFファイルを読み込む処理として行
われる。ここでは、この入力された原本データD1の内
容が、図4に示すようなものであったとしよう。図4
は、この原本データD1の内容、すなわち原本電子文書
の内容を、ディスプレイ画面上に表示した状態を示すも
のである。図示のとおり、この原本電子文書は、新型パ
ソコンの仕様説明書であり、文字列部分と画像部分とに
よって構成される。ここでは、この仕様説明書の文字列
部分が第1属性のデータ(文字コード)によって構成さ
れ、画像部分が第2属性のデータ(画像データ)によっ
て構成されているものとする。本発明の特徴は、このよ
うな原本電子文書の文字列の指定部分に対する隠蔽処理
にある。
【0026】いま、このような新型パソコンの仕様説明
書を、正式な新製品発表に先立って、関係業者にPDF
ファイルとして配布することになったとしよう。ただ
し、現段階では、図4に示されている仕様のうち、予定
定価、搭載メモリ、内蔵HDの詳細な数値までは公開す
べきではないため、これらの数値部分に対して隠蔽処理
を施した上で、この仕様説明書をPDFファイルとして
配布する必要が生じたものとしよう。この場合、オペレ
ータは、隠蔽領域設定部30に対して所定の指示を与え
ることにより、原本電子文書上の隠蔽すべき文字列を覆
うための隠蔽領域を設定する作業を行う。前述したよう
に、図4に示すような原本データD1の内容は、文書表
示部50の機能によって、ディスプレイ画面上に表示さ
れるので、オペレータは、この画面上で隠蔽領域を設定
する作業を行うことができる。たとえば、予定定価であ
る「¥198,000」なる文字列を覆うための隠蔽領
域は、ディスプレイ画面上で、図5に示すような矩形領
域A1として設定することができる。このような矩形領
域A1は、たとえば、マウスなどの入力機器を利用し
て、対角位置にある2頂点P1,P2を指定する入力を
行うことにより設定することができる。
【0027】こうして設定された矩形領域A1の情報
は、マスクデータ格納部40内にマスクデータD2とし
て格納されることになる。ここでは、この矩形領域A1
の輪郭を示す図形データが、マスクデータD2として格
納される。上述したように、マスクデータD2のフォー
マットとしては、どのようなものを用いてもかまわない
が、矩形の輪郭情報からなるマスクデータであれば、た
とえば、2頂点P1,P2の座標値を示すデータによっ
て構成することができる。隠蔽領域設定部30は、この
ように、オペレータの指示に基づいて、隠蔽領域の輪郭
を示す図形データをマスクデータD2として生成し、こ
れをマスクデータ格納部40に格納する処理を実行す
る。文書表示部50は、原本データ格納部20に格納さ
れている原本データD1と、マスクデータ格納部40に
格納されているマスクデータD2とに基づいて、ディス
プレイ画面上に、原本電子文書と隠蔽領域とを重ねて表
示する処理を行うので、オペレータは、設定した隠蔽領
域の位置および大きさをディスプレイ画面上で確認しな
がら作業を進めることができる。なお、図5では、矩形
領域A1の輪郭を構成する外枠線のみをディスプレイ画
面上に表示させた例を示したが、たとえば、図6の矩形
領域A1のように、隠蔽領域の内部にハッチングを施
したり、あるいは着色して示したりしてもよい。もちろ
ん、隠蔽領域の内部を完全に塗り潰していわゆる「墨塗
り処理」を施した状態を示すようにしてもかまわない
(この場合、隠蔽処理対象となった文字列は、ディスプ
レイ画面上では判読できなくなる)。
【0028】図7は、このようにして、3箇所に隠蔽領
域(矩形領域)A1,A2,A3を設定したときのディ
スプレイ画面上の表示例を示している。図示のように、
ディスプレイ画面上には、設定した隠蔽領域A1,A
2,A3が矩形の輪郭線として表示されるので、オペレ
ータは、隠蔽領域設定作業の結果を直ちに確認すること
ができる。図8は、このような隠蔽領域設定作業を行っ
た場合に生成されるマスクデータD2の内容を示す図で
ある。図示のとおり、生成されるマスクデータD2は、
隠蔽領域A1,A2,A3に対応する矩形を示す図形デ
ータになる。この図形データは、少なくとも各隠蔽領域
の輪郭に関する情報を有していればよい。
【0029】オペレータは、必要な隠蔽領域の設定が完
了したら、この隠蔽処理装置に対して、隠蔽領域設定作
業の終了を示す指示を与える。この指示を受けて、中間
データ作成部60は、中間データD3を作成する処理を
実行する。すなわち、中間データ作成部60は、原本デ
ータ格納部20に格納されている原本データD1と、マ
スクデータ格納部40に格納されているマスクデータD
2とを取り込み、原本データD1内の第1属性のデータ
(文字コード)については、これを第2属性のデータ
(画像データ)に変換することにより、原本電子文書に
対して隠蔽領域部分を隠蔽した状態を示す第2属性のデ
ータ(画像データ)を作成し、第2属性のデータ(画像
データ)のみからなる中間文書フォーマットで記述され
た中間データD3を作成する処理を行う。
【0030】この中間データ作成部60による中間デー
タ作成処理は、具体的には、次のような処理になる。ま
ず、原本データD1内の第1属性のデータ(文字コー
ド)については、第2属性のデータ(画像データ)に変
換する処理が行われる。図4に示す例の場合、PDFフ
ァイルとして与えられた原本データD1のうち、仕様説
明文の部分は、第1属性のデータ、すなわち、文字コー
ドとして組み込まれている。そこで、この文字コード部
分を画像データに変換する処理が実行される。文字コー
ドを画像データに変換する処理は、文字を画面表示する
場合や、文字をプリントする場合に行われている一般的
な処理であるため、ここでは詳細な説明は省略するが、
予め用意されたフォントデータに基づいて、個々の文字
をビットマップ形式のデータに展開することによって行
われる。こうして、文字コードを画像データに変換する
と、図4に示されているすべてのオブジェクトは、画像
データ、すなわち画素の集合によって表現されることに
なる。
【0031】続いて、この図4に示されているような原
本電子文書の内容に対して、前述の作業で設定された隠
蔽領域A1,A2,A3の部分を隠蔽した状態を示す第
2属性のデータ(画像データ)が作成される。具体的に
は、図4に示すような1枚の画像データと、図8に示す
ような1枚の画像データ(各隠蔽領域A1,A2,A3
の内部には、隠蔽領域内であることを示す画素が配置さ
れており、背景部分の画素とは区別される。)と、の間
の画像演算処理が行われ、図9に示すように、隠蔽領域
A1,A2,A3の部分が隠蔽された1枚の画像データ
が作成される。ここに示す例では、図9に示す画像デー
タは、TIFF形式の画像データファイルとして作成さ
れる。この図9に示す画像データが、中間データ作成部
60によって作成される中間データD3である。中間デ
ータD3は、図3に示す中間文書フォーマット(TIF
F)で記述されており、第2属性のデータ(画像デー
タ)のみから構成されている。この図9に示す画像デー
タは、1枚の画像データ(二次元平面上の画素配列から
なるデータ)であり、隠蔽領域A1,A2,A3内は塗
り潰された状態になっている。別言すれば、この中間デ
ータD3においては、図7に示す各隠蔽領域A1,A
2,A3の内部の文字列の情報は完全に失われているこ
とになる。このように、中間データD3には、原本電子
文書の隠蔽領域内部に含まれていた情報は、一切含まれ
ていないことになる。
【0032】続いて、フォーマット変換部70によっ
て、この中間データD3のフォーマットを、中間文書フ
ォーマット(TIFF)から混在文書フォーマット(P
DF)に変換する処理が行われ、処理済データD4が作
成される。処理済データD4と中間データD3とは、含
まれているオブジェクトの内容は全く同一であるが、相
互に異なるデータフォーマットで記述されたデータとい
うことになる。処理済データD4は、図10に示すよう
に、PDF形式のフォーマットで記述されたデータにな
っている。ただし、その内容を見ると、すべての情報
が、第2属性のデータ(画像データ)として表現されて
おり、第1属性のデータ(文字コード)は全く含まれて
いない。すなわち、この処理済データD4は、PDFフ
ァイルの形態をとっているものの、文字列の部分も画像
の部分も、いずれも画素の集合からなる画像データとし
て表現されていることになる。
【0033】かくして、処理済データ格納部80に格納
された処理済データD4を、処理済データ出力部90か
ら出力すれば、これをPDFファイルとして配布するこ
とが可能である。このように、原本データD1も処理済
データD4も、いずれもPDFファイルという点では同
等であるため、両者は全く同じ形態で配布することが可
能である。別言すれば、形式的には、原本データD1の
配布も処理済データD4の配布も何ら変わることはな
い。ただ、配布を受けた者が、これを閲覧した場合、前
者では、図4に示すようにすべての情報が提示されてし
まうのに対し、後者では、図9に示すように隠蔽領域内
の情報が隠蔽された状態で提示されることになる。しか
も、処理済データD4内には、もともと隠蔽領域内に含
まれていた原本電子文書内の情報は一切含まれていない
ため、データをどのように解析しようとも、隠蔽された
情報が判読されることはない。
【0034】なお、図9に示す例では、隠蔽領域の内部
を完全に塗り潰していわゆる「墨塗り処理」を施した状
態にしてあるが、中間データD3を作成する際には、隠
蔽領域に対して必ずしも「墨塗り処理」を施す必要はな
い。要するに、処理済データD4の配布を受けた者が、
これを閲覧した際に、「特定の部分が隠蔽処理されてい
る」と認識することができればよいので、隠蔽領域は、
たとえば白抜きの矩形で表示するようにしてもかまわな
い。要するに、中間データD3には、原本電子文書の隠
蔽領域内部に含まれていた情報が一切含まれないように
し、かつ、隠蔽領域の輪郭を示す情報が含まれているよ
うにすればよい。
【0035】§3.より実用的な実施形態 最後に、本発明を実施する上で、より実用的な実施形態
をいくつか述べておく。上述したように、本発明に係る
隠蔽処理装置では、原本データ格納部20には、図4に
示すようなオブジェクトの集合からなる原本データD1
が格納され、マスクデータ格納部40には、図8に示す
ような図形の集合からなるマスクデータD2が格納され
ることになる。そして、これら2種類のデータD1,D
2の内容は、文書表示部50によってディスプレイ画面
上に重ねて表示され、また、中間データ作成部60によ
って合成される。このような処理を行うには、レイヤー
を定義してデータを取り扱うと便利である。すなわち、
原本データD1を二次元平面上に展開するための原本レ
イヤーと、マスクデータD2を二次元平面上に展開する
マスクレイヤーと、を定義し、原本データD1とマスク
データD2とを、それぞれ異なるレイヤー上のデータと
して取り扱うようにする。したがって、隠蔽領域設定部
30は、原本レイヤーとは別個に定義されたマスクレイ
ヤー上に展開される図形データとして、マスクデータD
2を生成する処理を行うことになる。このような取り扱
いをするのであれば、文書表示部50は、原本レイヤー
上に展開された情報とマスクレイヤー上に展開された情
報とを重ねて表示させる処理を行うようにすればよい。
また、中間データ作成部60は、原本レイヤー上に展開
された情報とマスクレイヤー上に展開された情報とにつ
いて、マスクレイヤー上に展開された情報(マスクデー
タD2)が優先表示されるような合成演算を行うことに
より中間データD3の生成を行えばよい。
【0036】前述したように、PDF形式の電子文書の
作成、編集、閲覧などの作業を行うソフトウエアとし
て、「Adobe Acrobat」が広く利用されているが、この
「Adobe Acrobat」にも、複数のレイヤーに分けてデー
タを取り扱う機能が備わっている。すなわち、「Adobe
Acrobat」では、作成対象あるいは編集対象となる電
子文書のデータを展開するための原本レイヤーの他に、
たとえば、この電子文書に対する注釈情報を展開するた
めのアノテーションレイヤーが用意されている。そこ
で、このアノテーションレイヤーを、上述したマスクレ
イヤーとして利用するようにすれば、本発明に係る隠蔽
処理装置の大部分を、「Adobe Acrobat」の標準的な機
能を利用して実現できることになる。すなわち、図1に
示す構成要素のうち、原本データ入力部10、原本デー
タ格納部20、隠蔽領域設定部30、マスクデータ格納
部40、文書表示部50、処理済データ格納部80、処
理済データ出力部90の各要素は、「Adobe Acrobat」
をインストールした汎用のパソコンによって構成するこ
とができる。この場合、原本データD1の入力作業は、
「Adobe Acrobat」のアプリケーション上で原本電子文
書となる所定のPDFファイルを開く作業として実行す
ることができ、隠蔽領域の設定作業は、「Adobe Acrob
at」のアプリケーション上で、アノテーションレイヤー
を利用し、所定の矩形図形を注釈情報として入力する作
業として実行することができる。「Adobe Acrobat」に
は、アノテーションレイヤー上の注釈情報を、原本レイ
ヤー上の電子文書情報に重ねてディスプレイ表示する機
能が備わっているので、この表示機能をそのまま文書表
示部50の機能として利用することが可能である。ま
た、処理済データD4は、PDFファイルであるから、
「Adobe Acrobat」によって直接取り扱うことが可能な
ファイルであり、処理済データD4を出力する作業は、
「Adobe Acrobat」のアプリケーション上あるいやOS
上でのファイル操作として実行することができる。
【0037】したがって、本発明に係る隠蔽処理装置
を、「Adobe Acrobat」を利用して実現するのであれ
ば、中間データ作成部60およびフォーマット変換部7
0として機能する専用のソフトウエア(単独のアプリケ
ーションとして用意してもよいし、プラグインなどの補
助プログラムとして用意してもよい)を、このパソコン
に組み込むだけでよい。
【0038】なお、上述したアノテーションレイヤーを
マスクレイヤーとして利用するのであれば、アノテーシ
ョンレイヤーの本来の機能を生かして、隠蔽領域を設け
た理由などの注釈を記述するコメントデータを、このア
ノテーションレイヤーに書き込めるようにするとよい。
電子文書中の特定の文字列を隠蔽する必要がある場合、
通常、何らかの理由があるはずである。たとえば、「法
令により公開が制限されている個人名の部分であるた
め」とか、「新製品発表前における詳細な仕様を示す数
値部分であるため」といった理由により、特定の文字列
部分が隠蔽処理されることになる。アノテーションレイ
ヤーをマスクレイヤーとして利用する場合、オペレータ
は、アノテーションレイヤー上に隠蔽領域の輪郭に相当
する図形をマスクデータとして入力する作業を行うこと
になるので、この作業中に、アノテーションレイヤー上
に上述のような理由や他の注釈を示す文字列をコメント
データとして入力することも可能である。
【0039】結局、マスクレイヤーとして用いるアノテ
ーションレイヤー上に、隠蔽領域を示すマスクデータと
ともに、当該隠蔽領域を設けた理由を記述するコメント
データを展開できるようにしておき、隠蔽領域設定部3
0に、マスクデータとコメントデータとの双方を生成す
る機能をもたせ、文書表示部50に、マスクデータの内
容とともにコメントデータの内容をディスプレイ画面上
に表示させる機能をもたせておけば、マスクデータとと
もに、コメントデータを表示させることができ、これを
格納することも可能になる。
【0040】ただ、このコメントデータは、隠蔽作業を
行うオペレータによって利用される情報であるため、処
理済データD4上には現れないようにする必要がある。
そこで、中間データ作成部60には、このコメントデー
タを除外した合成演算を行うことにより、コメントデー
タの内容を含まない中間データD3を作成する機能をも
たせておくようにするとよい。具体的には、アノテーシ
ョンレイヤー上に入力されたオブジェクト(矩形図形や
コメント文)が、マスクデータを構成するオブジェクト
(矩形図形)であるのか、コメントデータを構成するオ
ブジェクト(コメント文)であるのか、を区別できるよ
うにしておき、コメントデータを構成するオブジェクト
(コメント文)については、その内容が中間データD3
に含まれないようにすればよい。実際には、たとえば、
アノテーションレイヤー上に入力されたオブジェクトの
うち、図形オブジェクトはマスクデータを構成するオブ
ジェクトであり、文字列オブジェクトはコメントデータ
を構成するオブジェクトである、というような基準で自
動的に区別できるようにしてもよいし、オペレータが入
力作業を行う際に、マスクデータを構成するオブジェク
トは赤色で入力し、コメントデータを構成するオブジェ
クトは青色で入力する、というような規則を定めておい
てもよい。あるいは、アノテーションレイヤーを更に2
枚のレイヤーに分け、マスクデータとコメントデータと
をそれぞれ別個のレイヤーに入れるようにしてもよい。
【0041】以上、本発明を図示するいくつかの実施形
態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施
可能である。特に、上述の実施形態では、混在文書フォ
ーマットとしてPDF、中間文書フォーマットとしてT
IFFを用いた例を示したが、本発明を実施する上で利
用するフォーマットは、必ずしもこれらのフォーマット
に限定されるものではない。また、上述の実施形態で
は、混在文書フォーマットとして、第1属性のデータ
(文字コード)と第2属性のデータ(画像データ)とを
混在させたフォーマットを示したが、原本データD1に
は、これ以外の属性データ(たとえば、ベクトルデー
タ)が含まれていても問題はない。たとえば、第3属性
のデータが含まれていた場合には、この第3属性のデー
タ部分に関しては、中間データD3を作成する段階にお
いて、ひとまず取り除いておき、処理済データD4が得
られた段階において、この処理済データD4に第3属性
のデータを加えるようにすればよい。
【0042】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電子文書に
対する隠蔽処理装置によれば、電子文書内の特定部分を
完全に隠蔽する処理を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態に係る電子文書に対
する隠蔽処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の原本データD1を記述するための混在文
書フォーマット(PDF)のデータ構造を示す図であ
る。
【図3】図1の中間データD3を記述するための中間文
書フォーマット(TIFF)のデータ構造を示す図であ
る。
【図4】図1の原本データD1の内容をディスプレイ画
面上に表示した状態を示す図である。
【図5】図4に示すディスプレイ画面上において、隠蔽
領域A1を設定する作業を示す図である。
【図6】図5に示す隠蔽領域A1の代わりに、内部にハ
ッチングが施された隠蔽領域A1を設定した状態を示
す図である。
【図7】図4に示すディスプレイ画面上において、3つ
の隠蔽領域A1,A2,A3を設定した状態を示す図で
ある。
【図8】図7に示す隠蔽領域A1,A2,A3の設定作
業により作成されたマスクデータD2上の図形を示す図
である。
【図9】図1の中間データD3の内容をディスプレイ画
面上に表示した状態を示す図である。
【図10】図1の処理済データD4の文書フォーマット
(PDF)のデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
10…原本データ入力部 20…原本データ格納部 30…隠蔽領域設定部 40…マスクデータ格納部 50…文書表示部 60…中間データ作成部 70…フォーマット変換部 80…処理済データ格納部 90…処理済データ出力部 A1,A2,A3,A1…矩形領域/隠蔽領域 D1…原本データ D2…マスクデータ D3…中間データ D4…処理済データ P1,P2…矩形領域の対角上の2頂点

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のコードの羅列によって文字列を表
    す第1属性のデータと、多数の画素の集合によって画像
    を表す第2属性のデータと、の少なくとも2種類の属性
    のデータを組み合わせることにより、文字と画像とが混
    在した文書を定義する混在文書フォーマットを用い、こ
    の混在文書フォーマットで記述された電子文書に対し
    て、少なくとも文字列の指定部分に対する隠蔽処理を施
    す隠蔽処理装置であって、 隠蔽処理の対象となる原本電子文書を、前記混在文書フ
    ォーマットで記述された原本データとして入力する原本
    データ入力部と、 入力した原本データを格納する原本データ格納部と、 前記原本電子文書上の隠蔽すべき文字列を覆うための隠
    蔽領域を設定し、この隠蔽領域を示すマスクデータを生
    成する隠蔽領域設定部と、 生成されたマスクデータを格納するマスクデータ格納部
    と、 前記原本データ格納部に格納されている原本データと、
    前記マスクデータ格納部に格納されているマスクデータ
    とに基づいて、ディスプレイ画面上に、前記原本電子文
    書と前記隠蔽領域とを重ねて表示する文書表示部と、 前記原本データ格納部に格納されている原本データと、
    前記マスクデータ格納部に格納されているマスクデータ
    とを取り込み、原本データ内の前記第1属性のデータに
    ついては、これを前記第2属性のデータに変換すること
    により、前記原本電子文書に対して前記隠蔽領域部分を
    隠蔽した状態を示す前記第2属性のデータを作成し、前
    記第2属性のデータのみからなる中間文書フォーマット
    で記述された中間データを作成する中間データ作成部
    と、 前記中間文書フォーマットで記述された中間データを、
    前記混在文書フォーマットで記述された処理済データに
    変換するフォーマット変換部と、 変換された処理済データを格納する処理済データ格納部
    と、 この処理済データ格納部に格納されている処理済データ
    を出力する処理済データ出力部と、 を備えることを特徴とする電子文書に対する隠蔽処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の隠蔽処理装置におい
    て、 第2属性のデータが、個々の画素をデータビットに対応
    させることにより画像を表現する形式のデータ、もしく
    は前記形式のデータに対して所定のアルゴリズムで圧縮
    処理を施すことにより得られるデータ、によって構成さ
    れることを特徴とする電子文書に対する隠蔽処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の隠蔽処理装置
    において、 隠蔽領域設定部が、原本データを二次元平面上に展開す
    る原本レイヤーと、マスクデータを二次元平面上に展開
    するマスクレイヤーと、を定義し、前記マスクレイヤー
    上に展開される図形データとしてマスクデータを生成す
    る機能を有し、 文書表示部が、前記原本レイヤー上に展開された情報と
    前記マスクレイヤー上に展開された情報とを重ねて表示
    させる機能を有し、 中間データ作成部が、前記原本レイヤー上に展開された
    情報と前記マスクレイヤー上に展開された情報とについ
    て、前記マスクレイヤー上に展開された情報が優先表示
    されるような合成演算を行うことにより中間データの作
    成を行う機能を有するようにしたことを特徴とする電子
    文書に対する隠蔽処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の隠蔽処理装置におい
    て、 マスクレイヤー上に、隠蔽領域を示すマスクデータとと
    もに、当該隠蔽領域に関する注釈を記述したコメントデ
    ータを展開できるようにし、 隠蔽領域設定部に、マスクデータとコメントデータとの
    双方を生成する機能をもたせ、 文字表示部に、マスクデータの内容とともにコメントデ
    ータの内容をディスプレイ画面上に表示させる機能をも
    たせ、 中間データ作成部に、コメントデータを除外した合成演
    算を行うことにより、コメントデータの内容を含まない
    中間データの作成を行う機能をもたせたことを特徴とす
    る電子文書に対する隠蔽処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の隠蔽処
    理装置において、 「電子文書を、混在文書フォーマットで記述された原本
    データとして原本レイヤー上に取り込み、前記電子文書
    に対する注釈情報を、前記原本レイヤーとは別のアノテ
    ーションレイヤー上に付加する機能をもった編集装置」
    を利用して隠蔽領域設定部を構成し、この編集装置にお
    ける前記アノテーションレイヤーを、マスクレイヤーと
    して利用することを特徴とする電子文書に対する隠蔽処
    理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の隠蔽処
    理装置において、 隠蔽領域設定部が、隠蔽領域の輪郭を示す図形データを
    マスクデータとして生成する機能を有し、 中間データ作成部が、原本電子文書の前記隠蔽領域内部
    に含まれていた情報を一切含まず、かつ、前記隠蔽領域
    の輪郭を示す情報を含む中間データを作成する機能を有
    することを特徴とする電子文書に対する隠蔽処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の隠蔽処
    理装置において、 混在文書フォーマットとしてPDF形式のフォーマット
    を用い、中間文書フォーマットとしてTIFF形式のフ
    ォーマットを用いることを特徴とする電子文書に対する
    隠蔽処理装置。
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