JP2002206866A - 静電浮遊炉 - Google Patents

静電浮遊炉

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JP2002206866A
JP2002206866A JP2000401970A JP2000401970A JP2002206866A JP 2002206866 A JP2002206866 A JP 2002206866A JP 2000401970 A JP2000401970 A JP 2000401970A JP 2000401970 A JP2000401970 A JP 2000401970A JP 2002206866 A JP2002206866 A JP 2002206866A
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JP
Japan
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electrode
chamber
floating
atmosphere
electrodes
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Application number
JP2000401970A
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English (en)
Inventor
Mari Yuzawa
眞理 湯澤
Kazuhiko Fukushima
一彦 福島
Haruhiko Shimoji
治彦 下地
Tomihisa Nakamura
富久 中村
Hiroki Karasawa
宏喜 唐澤
Toshitami Ikeda
俊民 池田
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National Space Development Agency of Japan
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
National Space Development Agency of Japan
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料製造中に材料から発生する蒸発物が発生
するのを抑止して、電極の汚染、惹いては、電極間の放
電を防止し、新材料を精度良く製造でき、さらに、材料
製造中における材料の形状の変化あるいは密度のアンバ
ランスによる材料の浮遊位置の不安定性を解消した静電
浮遊炉を提供すること。 【解決手段】 チャンバ内の雰囲気を加圧雰囲気ガス充
満状態にし、材料製造中に材料から発生する蒸発物を雰
囲気ガスの圧力により抑制する。また、電極交換ユニッ
ト内の雰囲気ガスを水平方向に回転させることにより材
料を回転させ、材料の浮遊位置を安定させる複数個のフ
ァンを電極交換ユニットの略一定水平面内に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電力で材料を
空中に浮遊させ、無接触で加熱、溶融、冷却を行うこと
により、新材料の製造を行う静電浮遊炉に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の静電浮遊炉の一例としては、図6
および図7に示すようなものがある。図6は、この従来
の静電浮遊炉の概略構成説明図であり、図7は図6の静
電浮遊炉において材料を浮遊させたときの状態を示すも
のである。
【0003】図6において、チャンバ1は、材料を製造
するために、真空用容器で構成されている。そして、チ
ャンバ1の側壁には観測機器類によりチャンバ1内部を
観察したり、チャンバ1内部の材料Sに光を照射するた
めの複数の窓2が設けられ、また、その上面には、内部
構造を交換する場合の出入り口を形成するためのチャン
バ蓋3が設けられている。
【0004】チャンバ1の内部には、静電界を形成して
材料を空中に浮遊させるための上電極部および下電極部
が収納されている。この上下電極部は、平行平板電極を
構成する。上電極部は、円形の上中心電極6、その回り
の同一平面内に配置された4枚の扇型をなす4分極リン
グ電極8とからなる。また、下電極部は、上電極部とは
対称的に構成されており、上中心電極6に相対する平行
位置に配設された円形の下中心電極7と、その回りの同
一平面内に配置された4枚の扇型をなす4分極リング電
極9とから構成されている。なお、下中心電極7は、そ
の中心に後述する材料放出装置16を出入りさせるため
の出入り口を有している。
【0005】また、チャンバ1の周りには、雰囲気制御
装置4、紫外線源5、位置検出装置10、光源11、加
熱用レーザ12、放射温度計13、ビデオ観察装置1
4、電極電圧制御装置15等が設けられ、また、チャン
バ1の下方には材料放出装置16が設けられている。こ
れらをさらに説明する。
【0006】雰囲気制御装置4は、材料Sの浮遊に必要
な静電界を発生させるために上下電極部間に高電圧を印
加したときに放電しないように、チャンバ1内の雰囲気
を高真空にするものである。紫外線源5は、チャンバ1
の窓2を経由して、材料Sに紫外線を照射し、材料Sか
ら電子を放出させることにより、材料Sをプラスに帯電
させている。
【0007】位置検出装置10と光源11とは、一対で
位置検出系を構成しており、これらはチャンバ1を挟ん
で相対する位置に配置されている。この位置検出系にお
いて、光源11は、チャンバ1の窓2を経由して材料S
に光を照射する。また、位置検出装置10は、光源11
の光を材料Sとチャンバ1の窓2とを経由して受け、電
極6、7、8、9と材料Sの影の中心位置の相対関係に
より、電極6、7、8、9の上下左右における中心位置
からの材料の位置のずれを検出し、この材料の位置のず
れに応じた位置のずれ信号を電極電圧制御装置15に出
力している。加熱用レーザ12は、チャンバ1の外側4
カ所に配置され、浮遊している材料に対し4方向からレ
ーザ光を照射し、浮遊している材料を加熱溶融させる。
【0008】放射温度計13は、チャンバ1の窓2を介
して加熱された材料Sから放射される波長を受光し、材
料Sの温度を無接触で測定することができる。ビデオ観
察装置14は、材料製造過程の評価のために、窓2を介
して浮遊している材料の表面の様子を観察する。電極電
圧制御装置15は、位置検出装置10からの信号に従
い、電極6、7、8、9に供給する電圧を調整し、位置
検出装置10で検出した電極中心に対する材料の位置の
ずれを制御する。
【0009】材料放出装置16は、材料Sを把持した状
態で下中心電極7の中心の穴を通って上中心電極6と下
中心電極7の間で材料を解放する構成要素であって、支
持部17、支持部17の内部にあって上下移動する押し
出し棒18、支持部17を上下移動させるための支持部
駆動装置19、押し出し棒18を上下動させるための押
し出し棒駆動装置20、材料を保持する指21から構成
されている。なお、指21は支持部17の上下動により
開閉される。
【0010】図7において、22は紫外線源5から出射
され材料に照射される紫外線光、23は光源11から出
射され材料に照射された後位置検出装置10で受光され
る光、24は材料を加熱するために加熱用レーザ12か
ら材料に照射されるレーザ光、25は加熱された材料の
温度に対応して放出される波長である。なお、波長25
が放射温度計13に入ることにより、非接触で材料の温
度を測定することができる。
【0011】次に、静電浮遊炉の制御方式を説明する。
まず、チャンバ1内部の雰囲気を雰囲気制御装置4によ
り制御する。そして、材料Sを材料放出装置16の指2
1に把持した状態で、材料放出装置16の支持部17が
支持部駆動装置19により上方向に移動する。そして、
材料Sを保持した指21が下中心電極7の中央の穴を通
って、上中心電極6と下中心電極7との中間まで移動し
たときに、電極電圧制御装置15から上中心電極6と上
外部4分極リング電極8とには−xkVの電圧を、下中
心電極7と下外部4分極リング電極9に0kVの電圧を
かける。数秒間この状態にし材料Sに+の電荷を溜めた
後押し出し棒駆動装置20を動作して押し出し棒18を
上方向に移動する。この結果、押し出し棒18は指21
と接触し、さらに上方向に移動しながら指21を押し開
き、材料Sを指21から解放する。解放された材料Sは
+に帯電しているため、−極になっている上中心電極6
と上外部4分極リング電極8に引かれて上方向に浮遊を
始める。材料Sの浮遊の後、位置検出装置10は光源1
1から材料Sに照射された光を受光することによって、
電極6、8、7、9に囲まれた空間の中心に対する材料
Sの位置のずれを算出する。
【0012】電極電圧制御装置15は、材料Sの位置の
ずれの値を位置検出装置10から入力し、これによって
上中心電極6、上外部4分極リング電極8、下中心電極
7、下外部4分極リング電極9にかかる電圧を制御し、
材料Sの位置を制御する。例えば、材料Sが上中心電極
6に近寄っている場合は、下中心電極7に対して上中心
電極6の電位を+電位にすることによって、+に帯電し
ている材料Sと上中心電極6の間に反発力を発生させ、
上中心電極6から材料Sを遠ざける。また、材料Sが下
中心電極7に近寄っている場合は、この逆に上中心電極
6に対して下中心電極7の電位を+電位にし、+に帯電
している材料Sと下中心電極7の間に反発力を発生さ
せ、下中心電極7から材料Sを遠ざける。また、材料S
が、電極6、8、7、9に囲まれた空間の中心に対して
右側に寄っている場合は、上外部4分極リング電極8の
4枚の内右側2枚と、下外部4分極リング電極9の4枚
の内右側2枚とを、他の2枚より+電位にすることによ
って、+に帯電している材料を反発力により中心に押し
戻す。また、材料Sが、電極6、8、7、9に囲まれた
空間の中心に対して左側に寄っている場合は、上外部4
分極リング電極8の4枚の内左側2枚と、下外部4分極
リング電極9の4枚の内左側2枚とを、他の2枚より+
電位にすることによって、+に帯電している材料を反発
力により中心に押し戻す。
【0013】このようにして材料Sの位置が電極中心近
傍に制御された後に、材料Sの帯電量を補給するため
に、紫外線源5から紫外線22を照射する。次に、加熱
用レーザ12からレーザ光24を材料Sに照射して加熱
溶融しながら、材料Sの溶融過程を、実験の結果できた
材料の成分評価に使用するために、実験評価ビデオ観察
装置14に録画する。また、同様に成分評価に使用する
ために、放射温度計13で材料Sから放射される波長2
5を測定し、材料Sの温度を記録する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図6および
図7に示す従来の静電浮遊炉では、材料製造中に材料S
から発生する物質によりチャンバ1内、特に、電極が汚
染され、これによって電極間隔が狭くなり高電圧が印加
されたときに放電する可能性が高くなる。また、後の材
料製造中に、この物質が空中に浮遊し、材料製造に関係
ない物質となり、製造精度を低下させる恐れがあるとい
う問題があった。
【0015】また、図6に示す従来の静電浮遊炉では、
浮遊している材料Sを加熱して溶融する場合、溶融途中
で材料の形状が変形したり、また均一に溶けないことに
よる密度のアンバランス等により、材料Sの浮遊位置が
不安定になり、場合によっては位置制御ができなくなる
程に位置が変動してしまうという問題があった。
【0016】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、第1の発明は、材料製造中
に材料から蒸発物が発生するのを抑止して、電極の汚
染、惹いては、電極間の放電を防止し、新材料を精度良
く製造でき、さらに、材料製造中における材料の形状の
変化あるいは密度のアンバランスによる材料の浮遊位置
の不安定性を解消した静電浮遊炉を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、材料の製造を行うための容器として真
空および加圧ガスに対応でるように構成されたチャンバ
と、この材料の製造過程において原料として使用する材
料から蒸発物が発生するのを抑制するときにはチャンバ
内の雰囲気を加圧状態にし、かつ、チャンバ内の雰囲気
ガスを排出するときにはこのチャンバ内を真空引きする
雰囲気制御装置と、前記材料を帯電させるための紫外線
源と、この紫外線源により帯電した材料を静電力による
反発力で空中に浮かせるように電界を発生する円形の中
心電極、この中心電極を囲む4枚の扇形の4分極リング
電極によりそれぞれ構成される上電極部および下電極部
と、前記材料に対し一方向から光を当て、その影を反対
側に設置したカメラで読み取り、この影の中心と前記上
下電極部を構成する各電極に対する相対位置とから前記
材料の位置のずれを検出する位置検出装置と、前記上電
極部および下電極部を構成する10枚の電極それぞれに
対し、材料を浮遊させるときは同電圧を供給し、材料浮
遊後は前記位置検出装置からの位置のずれ信号に対応し
て電位差をつけて電圧を供給する電極電圧制御装置と、
前記材料が空中に浮遊しているときに前記材料を加熱し
溶融させる加熱源と、前記加熱された材料の温度変化を
測定し記録する温度計測装置と、前記材料の表面変化の
様子や回転状況を観察するビデオ観察装置と、前記材料
を保持するための指、この指に保持した状態で前記材料
を前記チャンバ内に移動し、前記材料が前記上下電極部
間の所定位置に到達したときに前記指を開いて前記材料
を解放する駆動機構を有する材料放出装置とを備え、さ
らに、前記上下電極部は材料製造中に前記材料から発散
する物質によって汚れた場合に一体として交換可能な電
極交換ユニットして構成され、この電極交換ユニットの
略一定水平面内には、この電極交換ユニット内の雰囲気
ガスを水平方向に回転させ、この雰囲気ガスの回転によ
り材料を回転させて材料の浮遊位置を安定させる複数個
のファンが配置されているものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1に係る静電浮遊炉を図1に基づき説明す
る。この実施の形態1は、チャンバ内の雰囲気を数気圧
のガスにすることにより、材料製造中において材料から
蒸発物が発生するのを抑制したものであって、図1にそ
の構成を示す。なお、この図1において、図6および図
7に示した従来のものと同一または共通する要素には同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0019】この静電浮遊炉においては、内部で材料の
製造が行われるチャンバ26は、内部雰囲気が真空と数
気圧のガスの両方に対応できる真空/加圧ガス対応チャ
ンバとして構成されている。一方、雰囲気制御装置4
は、材料製造過程において特に材料Sが加熱される場合
は材料Sから蒸発物が発生し易いが、このときチャンバ
26内の雰囲気を加圧雰囲気ガス27が充満する状態に
して材料Sからの蒸発物の発生を抑止し、電極間の放電
を抑止したいときには雰囲気ガスを排出できるように構
成されている。また、この加圧雰囲気ガス27は、材料
製造の目的に合わせたガスである。なお、図1におい
て、28は材料製造中、特に加熱された状態のときに材
料Sから発生する蒸発物を示し、29は材料Sから発生
する蒸発物28を抑える働きをする加圧雰囲気ガス27
の蒸発物抑制力を示す。
【0020】上記のように構成された実施の形態1に係
る静電浮遊炉は、材料Sの製造を行うための容器として
真空および加圧ガスに対応でるように構成されたチャン
バ26と、この材料の製造過程において原料として使用
する材料Sから蒸発物が発生するのを抑制するときには
チャンバ26内の雰囲気を加圧雰囲気ガス27が充満す
る状態にし、かつ、チャンバ26内の雰囲気ガスを排出
するときにはこのチャンバ26内を真空引きする雰囲気
制御装置4とを備えることにより、材料製造中に材料S
から発生する蒸発物28を加圧雰囲気ガス27による蒸
発物抑制力29により抑えることができる。このため、
蒸発物28により電極が汚染されることにより電極間が
狭くなって電極間放電が発生したり、蒸発物28による
材料製造精度が低下したりすることを防ぐことが可能と
なる。
【0021】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2に係る静電浮遊炉を図2〜4に基づき説明する。こ
の実施の形態2は、上下電極部を一体化して電極交換ユ
ニットを構成したものである。なお、この図2は実施の
形態2に係る静電浮遊炉の全体構成を示し、図3は電極
交換ユニットの断面構造を示し、図4は回収用ガスの流
れに乗って材料が回収される状態を示す。また、これら
図において、図1に示した実施の形態1と同一または共
通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0022】この実施の形態2に係る静電浮遊炉では、
図2にその構成を示すように、仮に材料Sからの蒸発物
28によって電極6、7、8、9が汚染された場合、こ
れら電極6、7、8、9を容易に交換できるように、電
極6、7、8、9を組み込み材料Sや蒸発物28が外部
に出ない程度に密閉性がある電極交換ユニット30とし
て構成している。また、電極交換ユニット30には、実
施の形態1のもと同様に電極交換ユニット30内の材料
Sの状態を観察したり、材料Sを加熱したりすることが
行えるように、チャンバ26の窓2に対応する側壁の位
置に窓31が設けられている。
【0023】また、図2〜4に示されるように、下中心
電極7の中央には、材料放出装置16の支持部17と支
持部17に固定された指21とを出し入れするための材
料放出装置出入り口33が設けられている。また、電極
交換ユニット30の内部壁面と下外部4分極リング電極
9の外周面との間には、リング状の隙間34が形成され
ている。また、図3および図4に示されるように、材料
放出装置出入り口33と隙間34を通して電極交換ユニ
ット30内に加圧雰囲気ガス32の流れを作るために、
下中心電極7および下外部4分極リング電極9の下側に
は、材料回収用ファン35が配置されている。そして、
このファン35を駆動して加圧雰囲気ガス27を回すこ
とにより、材料放出装置出入り口33と隙間34とを通
じて電極交換ユニット30内部を循環する回収用ガスの
流れが形成される。
【0024】実施の形態2は、上記のように構成された
静電浮遊炉の電極交換ユニット30と材料回収用ファン
35とを備えることにより、材料製造終了後に材料Sを
回収用ガスの流れ36に乗せて移動させることができ、
この回収用ガスの流れ36の通り道である材料放出装置
の出入り口33の下に待機している指21を、押し出し
棒駆動装置20により押し出し棒18を上げた状態にす
ることで指21を開いた状態にしておき、材料Sがこの
指21の位置まで来た時に、押し出し棒駆動装置20を
動作させ押し出し棒18を下げることによって指21を
閉じ、指21により材料Sを保持する(図4参照)。
【0025】このように実施の形態2によれば、材料製
造作業終了後、製造された新材料を確実かつ容易に回収
することができる。すなわち、図6に示した従来の静電
浮遊炉では、1つの材料製造が終了し次ぎの材料と交換
する際に、チャンバ蓋3を開けチャンバ1の内部のどこ
かにある材料Sを探して取りださなくてはならず、この
ために作業手間がかかり、材料製造の準備時間がかかる
という問題があったが、この実施の形態によればこのよ
うな問題がない。
【0026】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3に係る静電浮遊炉を図5に基づき説明する。この実
施の形態3は、上下電極部を一体化して電極交換ユニッ
トを構成するとともに、材料の浮遊位置を安定させるた
めに電極交換ユニット内に水平方向に回転する雰囲気ガ
スの流れを生成するようにしたものである。なお、この
図5はこの実施の形態3に係る静電浮遊炉の要部構成を
示す図である。また、この図において、図1に示した実
施の形態1と同一または共通する要素には同一の符号を
付し、その説明を省略する。
【0027】電極交換ユニット30の内側の水平面内に
は、加圧雰囲気ガス27を回すための材料回転用ファン
37が配設されている。そして、この材料回転用ファン
37を駆動することにより、加圧雰囲気ガス27が水平
方向に回され、電極交換ユニット30の内部を水平面内
に循環する材料回転用ガスの流れ38が形成される。な
お、図5において、39は材料Sが材料回転用ガスの流
れ38によって回転することにより発生する材料回転角
運動量を示す。
【0028】上記のように構成された実施の形態3に係
る静電浮遊炉では、電極交換ユニット30を形成し、こ
の電極交換ユニット30内に材料回転用ファン37を備
えることにより、電極交換ユニット30の内部に、水平
に回転する材料回転用ガスの流れ38を生成することが
できる。これにより、材料製造中に材料Sの形状の変化
や密度のアンバランスが生じ、材料Sに外力が作用して
も、材料Sの浮遊位置を回転角運動量39により安定に
保持することができる。
【0029】
【発明の効果】この発明は以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏することができる。この発明
によれば、材料の製造を行うための容器として真空およ
び加圧ガスに対応できるように構成されたチャンバと、
この材料の製造過程において原料として使用する材料か
ら蒸発物が発生するのを抑制するときにはチャンバ内の
雰囲気を加圧状態にし、かつ、チャンバ内の雰囲気ガス
を排出するときにはこのチャンバ内を真空引きする雰囲
気制御装置とを備えているので、材料製造中に材料から
発生する蒸発物を雰囲気ガスの圧力により抑えることが
できる。したがって、蒸発物により電極が汚染され、電
極間が狭くなって放電を引き起こし、材料製造を失敗さ
せたり、次の材料製造中に前の材料の蒸発物が浮遊して
きて材料製造精度を低下させるというような問題が解決
され、安定した材料の製造を行うことができる。
【0030】また、この発明によれば、電極交換ユニッ
ト内の略一定水平面内に、この電極交換ユニット内の雰
囲気ガスを水平方向に回転させ、この雰囲気ガスの回転
により材料を回転させて材料の浮遊位置を安定させる複
数個のファンが配置されているので、材料を水平方向に
回転させ角運動量を持たせることことができる。したが
って、材料製造中において材料の変化や密度のアンバラ
ンスが発生し、材料に外力が作用しても、材料回転運動
により、材料の浮遊位置が不安定になることを防止する
ことができ、安定して材料の製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る静電浮遊炉の
全体構成説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る静電浮遊炉の
全体構成説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る電極交換ユニ
ットの断面構造説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2において回収用ガス
の流れに乗って材料が回収される状態を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る静電浮遊炉の
要部構成説明図である。
【図6】 従来の静電浮遊炉の一例を示す全体構成説明
図である。
【図7】 図6の静電浮遊炉におて材料を浮遊させたと
きの状態を示す図である。
【符号の説明】
2 チャンバの窓、4 雰囲気制御装置、5 紫外線
源、6 上中心(円形)電極、7 下中心(円形)電
極、8 上外部4分極リング電極、9 下外部4分極リ
ング電極、10 位置検出装置、11 光源、12 加
熱用レーザ、13放射温度計、14 ビデオ観察装置、
15 電極電圧制御装置、16 試料放出装置、17
支持部、18 押しだし棒、19 支持部駆動装置、2
0 押し出し棒駆動装置、21 指、26 真空/加圧
ガス対応チャンバ、27 加圧雰囲気ガス、28 材料
から発生する蒸発物、29 蒸発物抑制力、30 電極
交換ユニット、31 電極交換ユニットの窓、33 材
料放出装置出入り口、34通気用の隙間、35 材料回
転用ファン、36 回収用ガスの流れ、37 材料回転
用ファン、38 材料回転用ガスの流れ、39 材料回
転角速度、S 材料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 一彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 下地 治彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中村 富久 東京都港区浜松町二丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 (72)発明者 唐澤 宏喜 東京都港区浜松町二丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 (72)発明者 池田 俊民 東京都港区浜松町二丁目4番1号 宇宙開 発事業団内 Fターム(参考) 4K056 AA05 BA00 BB05 FA04 FA12 FA17 FA24 4K063 AA04 AA11 CA03 DA26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料の製造を行うための容器として真空
    および加圧ガスに対応できるように構成されたチャンバ
    と、 この材料の製造過程において原料として使用する材料か
    ら蒸発物が発生するのを抑止するときにはチャンバ内の
    雰囲気を加圧状態にし、また、チャンバ内の雰囲気ガス
    を排出するときにはこのチャンバ内を真空引きする雰囲
    気制御装置と、 前記材料を帯電させるための紫外線源と、 この紫外線源により帯電した材料を静電力による反発力
    で空中に浮かせるように電界を発生する円形の中心電
    極、この中心電極を囲む4枚の扇形の4分極リング電極
    によりそれぞれ構成される上電極部および下電極部と、 前記材料に対し一方向から光を当て、その影を反対側に
    設置したカメラで読み取り、この影の中心と前記上下電
    極部を構成する各電極に対する相対位置とから前記材料
    の位置のずれを検出する位置検出装置と、 前記上電極部および下電極部を構成する10枚の電極そ
    れぞれに対し、材料を浮遊させるときは同電圧を供給
    し、材料浮遊後は前記位置検出装置からの位置のずれ信
    号に対応して電位差をつけて電圧を供給する電極電圧制
    御装置と、 前記材料が空中に浮遊しているときに前記材料を加熱し
    溶融させる加熱源と、 前記加熱された材料の温度変化を測定し記録する温度計
    測装置と、 前記材料の表面変化の様子や回転状況を観察するビデオ
    観察装置と、 前記材料を保持するための指、この指に保持した状態で
    前記材料を前記チャンバ内に移動し、前記材料が前記上
    下電極部間の所定位置に到達したときに前記指を開いて
    前記材料を解放する駆動機構を有する材料放出装置とを
    備え、 さらに、前記上下電極部は材料製造中に前記材料から発
    散する物質によって汚れた場合に一体として交換可能な
    電極交換ユニットして構成され、この電極交換ユニット
    の略一定水平面内には、この電極交換ユニット内の雰囲
    気ガスを水平方向に回転させ、この雰囲気ガスの回転に
    より材料を回転させて材料の浮遊位置を安定させる複数
    個のファンが配置されていることを特徴とする静電浮遊
    炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005274032A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Air Trick,Inc. 静電浮遊炉
CN112563408A (zh) * 2020-11-27 2021-03-26 昆山微电子技术研究院 一种多场耦合材料加工装置

Cited By (3)

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JP4540096B2 (ja) * 2004-03-25 2010-09-08 エアー トリック インコーポレイテッド 静電浮遊炉
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