JP2002206182A - コンクリート構造物の電気防食装置 - Google Patents

コンクリート構造物の電気防食装置

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JP2002206182A
JP2002206182A JP2000401414A JP2000401414A JP2002206182A JP 2002206182 A JP2002206182 A JP 2002206182A JP 2000401414 A JP2000401414 A JP 2000401414A JP 2000401414 A JP2000401414 A JP 2000401414A JP 2002206182 A JP2002206182 A JP 2002206182A
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cathodic protection
concrete structure
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steel
anticorrosion
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Koji Kawamata
孝治 川俣
Makoto Yamamoto
山本  誠
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 規模の小さなコンクリート構造物にも設置が
容易な、不溶性の防食用電極を用いたコンクリート構造
物中の鋼材の電気防食装置を提供する。 【解決手段】 コンクリート構造物中の鋼材の電気防食
装置において、防食対象の鋼材から所定の距離を設けて
配置した複数個の電気防食用電極を有し、防食対象の鋼
材と各防食用電極には定電圧電源を接続した電気防食装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、コンクリ
ート構造物中の鉄骨、鉄筋等の鋼材の電気防食装置に関
するものであり、とくに規模が小さなコンクリート構造
物にも有用な電気防食装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物中の鉄骨、鉄筋等の
鋼材を防食するためにコンクリート中の鋼材の電位を腐
食が進行しない電位とする電気防食方法が適用されてい
る。電気防食方法には、電気防食の対象の鋼材よりも酸
化還元電位が卑な亜鉛、マグネシウム等の物質を鋼材に
接合したり、あるいはそれらからなる電極を一方の電極
とし、電気防食対象の鋼材との間を結線して通電する流
電電極すなわち消耗性の電極を用いた電気防食方法と、
チタン等の薄膜形成性金属に電極触媒物質の被覆を形成
した不溶性電極を一方の電気防食用電極として所定の防
食電流を通電する方法が知られている。
【0003】不溶性の電気防食用電極をコンクリート中
に配置する電気防食方法は、電気防食用電極を交換する
必要がなく、半永久的に防食効果を得ることができ、し
かも複雑に配置された鋼材の各部に対して所定の防食電
流を過不足なく通電することが可能であるという特徴を
有している。不溶性の電気防食用電極を用いた電気防食
方法では、鋼材表面での防食電流密度が過剰に通電され
ると、鋼材の電極電位が水素発生電位を超えることが起
こり、鋼材表面から水素が発生し鋼材の水素脆化が生じ
るという問題点があった。一方、通電電流密度が所望の
値よりも小さい場合には充分な防食効果を得ることがで
きなかった。
【0004】そこで、防食対象の鋼材に対して季節、気
象条件等の変化にかかわらず所望の電流密度で防食電流
の通電が行われるように、定電流電源からなる通電制御
装置を設け、防食対象に所望の一定電流を供給すること
が行われている。不溶性電極を用いた電気防食方法は、
実質的に消耗がない電極を用いた半永久的に防食電流を
通電することが可能な電気防食装置を提供可能であるも
のの、通電制御装置をはじめとして大規模な設備を必要
とした。しかしながら、電気防食が必要とされるコンク
リート構造物は大型の構造物に限らず、小型の橋梁をは
じめとした数多くの小型の構造物がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小型のコン
クリート構造物においても、電気防食用電極の交換が不
用で安定した性能が発揮可能な電気防食装置を提供する
ことを課題とするものであり、また商用電源による電気
の入手困難な地域においても電気防食が可能な装置を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、コンク
リート構造物中の電気防食装置において、コンクリート
構造物中の電気防食対象の鋼材から所定の距離を設けて
配置した複数個の電気防食用電極を有し、電気防食対象
の鋼材と各電気防食用電極には定電圧電源を接続したこ
とを特徴とする電気防食装置によって解決される。ま
た、同一の電流供給端子に複数の電気防食用電極が並列
に接続された前記の電気防食装置である。また、太陽電
池が電流供給手段に接続された前記の電気防食装置であ
る。また、太陽電池の受光面は水平面と直角の方向に配
置されたものである前記の電気防食装置である。電流の
蓄電手段を有する前記の電気防食装置である。
【発明の実施の形態】本発明は、コンクリート構造物中
の鋼材の電気防食において電気防食電流が過剰に通電さ
れない条件においては、定電流供給装置によって電流が
供給されなくても、電気防食対象の鋼材とそれに対向し
て配置された複数の電気防食用電極に対して、一定の電
圧を供給することができれば電気防食が十分に可能であ
ることを見出したものである。
【0007】電気防食対象の鉄筋等の鋼材において、一
般に鋼材の腐食が大きな領域のコンクリートは、腐食が
小さな領域に比べて、コンクリートが湿潤環境にある等
の条件にあって電流が通過しやすい。したがって、電流
は通電しやすい領域に集中的に流れるので、そのような
腐食が進行しやすい領域には多くの電流が流れる。した
がって、供給電圧を適切に設定し、一定の電圧で電流を
供給すれば電流が流れやすい領域、すなわち鋼材の腐食
が進みやすい領域においても通電過剰とならず、防食電
流を好適に供給することができる。本発明において、定
電圧電源は、それぞれの電極に対して独立して設けて
も、複数の電気防食用電極と対極とを同一の電源に接続
して一定の電圧を加えるものであっても良いが、構成が
簡単であるので後者が好ましい。
【0008】図1は、本発明のコンクリート構造物中の
鋼材の電気防食装置を説明する図である。本発明の電気
防食装置1は、コンクリート2中の鉄筋3と、鉄筋3か
ら所定の間隔を設けて配置した防食用電極4a、4b、
4c、電流供給手段5から構成されている。電流供給手
段から各防食用電極に防食電流が供給される。また、各
防食用電極はそれぞれ相互に電気的に接続されて、電流
供給手段から同一の電圧が印加される。また、電流供給
手段は、電源装置とともに電圧の制御調整を行う各種の
制御手段等を有したものを用いることができる。鉄筋と
電気防食用電極に印加される電圧は、防食対象の鉄筋に
対して過剰な防食電流が通電されない条件で一定の電圧
が供給される。防食用電極に供給する一定の電圧は、そ
れぞれの防食用電極に設けた電流検出手段6a、6b、
6cによって測定した防食電流値とコンクリート構造物
中に配置した参照電極7との間で検出される鉄筋の電位
を考慮して決定される。
【0009】また、各電気防食電極4a、4b、4cに
よって検出結果が大きく異なる場合には、コンクリート
構造物の強度に大きな影響を及ぼす部分に適切な防食電
流が供給されるように決定する。電気防食用電極を設置
した直後は電流値が変化するので電流値が安定化した後
に調整することが好ましい。本発明の電気防食装置を設
置する場合には、防食電流を供給する電源が必要となる
が、商用電源の入手が困難な地域においては、太陽電池
を電源とすることができる。
【0010】図2は、太陽電池を電源とした本発明のコ
ンクリート構造物中の鋼材の電気防食装置を説明する図
である。本発明の電気防食装置1は、コンクリート2中
の鉄筋3と、鉄筋3から所定の間隔を設けて配置した防
食用電極4a、4b、4cに結合した防食電流供給手段
5から定電圧が供給されており、防食電流供給手段5に
は、太陽電池8が接続されており、太陽電池には、蓄電
手段9が接続されている。防食用電極に供給する一定の
電圧は、それぞれの防食用電極へ供給される電流を電流
検出手段6a、6b、6cによる防食電流値とコンクリ
ート構造物中に配置した参照電極7との間で検出される
鉄筋の電位を考慮して決定される。太陽電池8は、一般
には太陽光線を太陽電池面に対して直角の方向から入射
されるように角度を考慮して設置されるが、積雪がある
地域では、図2に示すように太陽電池の入射面を水平面
に対して直角に配置することが好ましい。太陽電池の入
射面を水平面に対して直角に配置することによって降雪
期にも積雪による影響を受けることがない。なお、本発
明において厳密な意味において水平方向に直角方向であ
るものは勿論、降雪時に雪が流れ落ちるような傾斜を有
しているものも意味する。
【0011】また、太陽光は朝夕の一時を除いて上方か
ら太陽電池の受光面に入射するので、反射光が水平方向
に放射される可能性は小さい。したがって、太陽電池を
道路橋、鉄道橋等の交通施設等の電気防食装置用の電源
として地表面に近い位置に設置した場合にも、運転者の
視野に太陽電池の受光面から反射光が入る可能性は小さ
く、安全確認の障害も防止することができる。また、太
陽光による発電が行われない夜間等においても防食電流
が供給されるように、二次電池、電気二重層キャパシタ
等の蓄電手段9が接続されても良い。本発明の電気防食
装置は、既存のコンクリート構造物の表面の劣化した部
分等を補修した後に電気防食用電極を配置することによ
って設置することができる。また、コンクリート構造物
を新規に設置する際に、鉄筋に、特願2000−298
657号に記載の治具によって電気防食用電極を取り付
けてもよい。
【0012】
【発明の効果】本発明の電気防食装置は、比較的小型の
コンクリート構造物中の鋼材の電気防食に有効であり、
特に季節風による塩害と凍結による劣化の影響を受ける
日本海側に設置されているコンクリート構造物であっ
て、商用電源の入手困難な地域に立地する場合にも有効
に機能し、しかも太陽電池の設置を工夫したので降雪期
においても太陽電池によって電気防食用電流の供給が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のコンクリート構造物中の鋼材
の電気防食装置を説明する図である。
【図2】図2は、太陽電池を電源とした本発明のコンク
リート構造物中の鋼材の電気防食装置を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…電気防食装置、2…コンクリート、3…鉄筋、4
a、4b、4c…防食用電極、5…電流供給手段、6
a、6b、6c…電流検出手段、7…参照電極、8…太
陽電池、9…蓄電手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D059 BB39 GG21 4K060 AA03 BA02 BA03 CA04 CA12 EA08 EB01 FA03 5F051 BA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物中の鋼材の電気防食
    装置において、コンクリート構造物中の防食対象の鋼材
    から所定の距離を設けて配置した複数個の電気防食用電
    極を有し、防食対象の鋼材と各電気防食用電極には定電
    圧電源を接続したことを特徴とする電気防食装置。
  2. 【請求項2】 定電圧電源は太陽電池に接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電気防食装置。
  3. 【請求項3】 太陽電池の受光面は水平面と直角の方向
    に配置されたものであることを特徴とする請求項2記載
    の電気防食装置。
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