JP2002205107A - 薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法 - Google Patents

薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法

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JP2002205107A JP2000401885A JP2000401885A JP2002205107A JP 2002205107 A JP2002205107 A JP 2002205107A JP 2000401885 A JP2000401885 A JP 2000401885A JP 2000401885 A JP2000401885 A JP 2000401885A JP 2002205107 A JP2002205107 A JP 2002205107A
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直樹 池内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、板厚変動が少なく、±1%と
いう板厚精度を満足できる薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延
方法を提供することにある。 【解決手段】複数の圧延スタンドにワークロールシフト
機能を備えた全n段の圧延スタンドを有する冷間圧延機
により薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延するに際し、下記
(a)および/または(b)を制御することにより、第
2段目以降の圧延スタンドであって、ワークロールシフ
ト機能を有する少なくとも1つの圧延スタンドの水平分
力を制御することを特徴とする薄物ブリキ用鋼板の冷間
圧延方法。 (a) 第2段目以降の圧延スタンドであって、ワーク
ロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタン
ドの後方張力設定値 (b) 第2段目以降の圧延スタンドであって、ワーク
ロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタン
ドの圧下量

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数段の圧延スタ
ンドを有する冷間圧延機による、薄物ブリキ用鋼板の冷
間圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワークロールシフト機能を有する圧延機
では、被圧延鋼板の寸法、材質(変形抵抗)および目標
板厚プロフィルに応じてワークロールが板幅方向へシフ
トされ、圧延が行われる。
【0003】図3〜図5に示すようにワークロールシフ
ト機能を有する圧延機では、一般的にハウジング4内に
シリンダーブロック5を配置し、更にその内側にワーク
ロールチョック3が組込まれている。シリンダーブロッ
ク5とワークッロールチョック3はロックピンで固定さ
れ、駆動側のシリンダーブロック5が更にシフトシリン
ダー10へと連結されている。このシフトシリンダー1
0によりシリンダーブロック5、ワークロールチョック
3およびワークロール1が幅方向にシフトされる。8は
カップリングでスピンドル7とワークロール1との結合
部である。また、2はバックアップロールで、9は減速
機である。
【0004】冷間圧延では、種々の寸法・材質および目
標プロフィルがあり、上記のような冷間圧延機を用いた
鋼板の圧延では頻繁にワークロールシフトが実施され、
このためハウジング4とシリンダーブロック5間のライ
ナー6は摺動抵抗を受け偏磨耗する。
【0005】一方、ワークロール組替えを実施するため
にシリンダーブロック5とワークロールチョック3の間
は1〜2mm程度の間隙を持つ必要があるが、このよう
な間隙が圧延時のガタの要因となる。また、圧延中の加
工発熱とワークロールチョックのベアリング部の発熱に
よるワークロールチョックの熱膨張により、あるいはワ
ークロールの組替えそのものによりライナーに磨耗が発
生する。以上のような間隙(ガタ)やライナー磨耗によ
り圧延時の振動が増幅され、板厚変動が発生するという
問題がある。
【0006】これらの問題点を解決するために従来より
以下のような技術が開示されている。
【0007】特開昭54−2246号には、ワークロー
ルのふらつきを防止するために、ハウジング入側のチョ
ック間隙調整装置により、ワークロールのオフセット量
の調整をすると同時にワークロールチョックとハウジン
グとの間隙を零にすることが示されている。
【0008】特開平6−198315号には、ロールチ
ョックかハウジングのいずれかにガイドローラを設け、
このガイドローラに予圧機構で圧力を掛けるようにして
ガイドローラとハウジングとの隙間を無くすようにした
ロール用の軸受装置が示されている。
【0009】特開平8−10807号には、板厚変動の
ない高品質の圧延製品を圧延するために、圧下力でバッ
クアップロール軸受の当接端面が入側部材に押付けられ
ると共に、楔状部材を介してワークロール軸受本体が出
側部材側に押付けられ、上・下部ワークロールの通板方
向の振動が抑制される。また同時に、上・下部ワークロ
ールの上下方向の振動が制振機構で制振されることが示
されている。
【0010】特開平11−169918号には、圧延機
の振動を低減し、高能率圧延を可能にする圧延機とする
ために、ハウジングの側部に剛性低減部を設けることに
より、圧延時の荷重によってハウジングの側部が内側側
方に狭まり、チョックとハウジングのギャップをゼロに
近づけ、水平方向剛性を大きくすることが示されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術では、初期間隙または均一なライナーの磨耗
は抑えることができても局部的な偏磨耗までは抑えるこ
とができない。
【0012】最近の薄物ブリキ用鋼板等に求められる品
質は、さらに板厚変動の少ない±1%以内という板厚精
度の高い高品質の圧延製品を安定して供給することであ
るが、そのためには上記の局部的な偏磨耗をも抑え込む
必要がある。そのためには、頻繁に長時間の生産停止を
して全ライナー取替えを実施するか、画期的な冷間圧延
機の圧延条件を設定するしかなかった。
【0013】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、板厚変動が少なく、±1%という板厚精度
を満足できる薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、板厚変動
が少なく、高精度な板厚精度を満足できる薄物ブリキ用
鋼板の冷間圧延方法を見出すべく、試験およびその結果
についての検討を行った。その結果、第1と第2スタン
ドにワークロールシフト機能を備えた全5段の圧延スタ
ンドを有する冷間圧延機において、第2スタンドに水平
振動が観察され、この第2スタンドで板厚精度を満足で
きなくなるが、前記第2スタンドの水平分力が−2トン
以上となるように制御することにより、板厚変動が少な
く、特に±1%という板厚精度の高い薄物ブリキ用鋼板
を安定して製造できることを知見した。
【0015】また、さらに検討した結果、第1と第2ス
タンドにワークロールシフト機能を備えた冷間圧延機に
限らず、3スタンド以上の複数の圧延スタンドにワーク
ロールシフト機能を備えた圧延スタンドを有する冷間圧
延機により薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延する場合に、第
2段目以降の圧延スタンドであって、ワークロールシフ
ト機能を有する少なくとも1つの圧延スタンドの水平分
力を、それが負値ならばその絶対値が小さくなるよう
に、もしくは正値となるように制御することにより、前
記スタンドの水平振動を抑制でき、板厚変動が少なく、
高精度の板厚精度を満足できる薄物ブリキ用鋼板を圧延
できることがわかった。
【0016】本発明の複数段の圧延スタンドを有する冷
間圧延機による、薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法はこ
のような知見に基づきなされたもので、以下のような特
徴を有する。
【0017】(1)複数の圧延スタンドにワークロール
シフト機能を備えた全n段の圧延スタンドを有する冷間
圧延機により薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延するに際し、
下記(a)および/または(b)を制御することによ
り、第2段目以降の圧延スタンドであって、ワークロー
ルシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタンドの
水平分力を制御することを特徴とする薄物ブリキ用鋼板
の冷間圧延方法。
【0018】(a) 第2段目以降の圧延スタンドであ
って、ワークロールシフト機能を有する少なくとも1つ
の圧延スタンドの後方張力設定値 (b) 第2段目以降の圧延スタンドであって、ワーク
ロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタン
ドの圧下量 (2)少なくとも第1圧延スタンドと第2圧延スタンド
がワークロールシフト機能を備えている冷間圧延機によ
り薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延するに際し、下記(a)
および/または(b)を制御することにより、第2圧延
スタンドの水平分力を−2トン以上となるように制御す
ることを特徴とする上記(1)に記載の薄物ブリキ用鋼
板の冷間圧延方法。
【0019】(a) 第2圧延スタンドの後方張力設定
値 (b) 第2圧延スタンドの圧下量 ここで、本発明においてマイナスで表される水平分力と
は、圧延材に対して圧延材進行方向とは逆方向に作用す
る水平分力を意味する。
【0020】
【発明の実施の形態】第1と第2スタンドにワークロー
ルシフト機能を備えた冷間圧延機に限らず、3スタンド
以上の複数の圧延スタンドにワークロールシフト機能を
備えた圧延スタンドを有する冷間圧延機により薄物ブリ
キ用鋼板を冷間圧延する場合に、第2段目以降の圧延ス
タンド(第2段目圧延スタンドを含む)であって、ワー
クロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタ
ンドの水平分力を、それが負値ならばその絶対値が小さ
くなるように、もしくは正値となるように制御すること
により、前記スタンドの水平振動を抑制でき、板厚変動
が少なく、高精度の板厚精度を満足できる薄物ブリキ用
鋼板を圧延できる。
【0021】以下の実施の形態は4段圧延機を5スタン
ド有し、ワークロールシフト機能が第1および第2スタ
ンドに装備されている冷間圧延設備を用いる場合につい
て説明するが、本発明法が適用される冷間圧延設備の圧
延機の形式、スタンド数、およびワークロールシフト機
能を有するスタンドの数、段数などはこれに限らない。
【0022】図1および図2は本発明の薄物ブリキ用鋼
板の冷間圧延方法の一実施形態を示すもので、板厚変動
が少なく、±1%という板厚精度を満足できる薄物ブリ
キ用鋼板の冷間圧延方法の実施形態を示している。
【0023】図1は冷間圧延機の正面図で、4段圧延機
(4Hi)で構成される圧延スタンドを5スタンド有
し、ワークロールシフト機能が第1および第2スタンド
に装備されている。図中、NO.1〜NO.5はスタン
ド段数を示す。各圧延スタンドにおいて、1はワークロ
ール(作業ロール)、2はバックアップロール(支持ロ
ール)である。
【0024】図2はワークロール1に作用する力のつり
あいを示す説明図で、ワークロール1をバックアップロ
ール2の中心である圧延機中心より距離eだけオフセッ
トして配置する。このため、ワークロール1に作用する
圧延力Fは、圧延ラインに対し傾斜し、荷重水平分力F
hを発生する。
【0025】力の釣合いより圧延ライン方向の水平分力
は以下の式で表される。 水平分力=Tf+Fh−Tb ここで、Tf:前方張力 Tb:後方張力 Fh:荷重水平分力 であり、Tf、FhおよびTbの値は正値とする。ここで
hはどのスタンドでも荷重の0.5〜0.7%で、通
常5トン前後であり、通常第2スタンドから第5スタン
ドまでTb>Tfとなる。通常第2スタンドの後方張力T
bは約26〜28トンで前方張力Tfは約15〜16トン
であり、第2スタンド水平分力は−5トン前後となる。
【0026】このように、第2スタンドから第5スタン
ドまでの水平分力は通常負値となるが、本発明では第2
スタンドの水平振動の限界値が水平分力−2トンであ
り、第2スタンド水平分力>−2トンならば第2スタン
ドの水平振動が減少し、その結果板厚変動が少なく、±
1%という板厚精度を満足できることが判った。
【0027】これに対し、第1スタンドは後方張力Tb
が十分小さく水平分力は常にプラス側になるので、振動
は起きないと考えられる。
【0028】第2スタンドでの水平振動は、以下のよう
な原因で発生するものと考えられる。 第2スタンドはワークロールシフト機能を有するた
め、ワークロールチョック3の外側に約2.5〜3mの
スピンドル7がワークロール軸端部より連結されてい
る。ワークロールシフト位置によってスピンドルの長さ
が変化する。(図3〜図5参照) 上記スピンドル7はワークロールチョック位置で振回
り、この振回りの大きさはスピンドル7が長い程大きく
なる。すなわち、スピンドル7が短い時には上記振回り
の振幅は約0.4mm程度であるが、スピンドル7が長
くなった時の振回りの振幅は約1.5mmにもなり、こ
の変位がシリンダーブロック5に振動として伝達され
る。 第2スタンドの負の水平分力が大きい場合に、上記の
ようなスピンドルの大きな振回りを生じると、第2スタ
ンドの水平方向の振動が大きくなる。 第1スタンドと第2スタンドの間の張力の変動が発生
する。 第2スタンドで板厚変動が発生する。
【0029】これに対して、水平分力が−2トンより大
であるならば、スピンドル7の振回り大の場合であって
も水平振動の振幅は減少し、張力の変動、板厚変動は生
じない。
【0030】第2スタンドの水平分力が−2トン以上と
なるように制御する方法としては、第1スタンドと第2
スタンドの間の張力設定値を制御すること、および/ま
たは第2スタンドの圧下量を制御することにより可能で
ある。
【0031】第1と第2スタンドにワークロールシフト
機能を備えた冷間圧延機に限らず、3スタンド以上の複
数の圧延スタンドにワークロールシフト機能を備えた圧
延スタンドを有する冷間圧延機により薄物ブリキ用鋼板
を冷間圧延する場合に、第2段目以降の圧延スタンド
(第2段目圧延スタンドを含む)であって、ワークロー
ルシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタンドの
水平分力を制御する方法としては、第2段目以降の圧延
スタンドであって、ワークロールシフト機能を有する少
なくとも1つの圧延スタンドの後方張力設定値を制御す
ること、および/または第2段目以降の圧延スタンドで
あって、ワークロールシフト機能を有する少なくとも1
つの圧延スタンドの圧下量を制御することにより可能で
ある。
【0032】
【実施例】図1および図2に示すような冷間圧延機を用
い、本発明法を実施して、板厚2.4mmの鋼板を板厚
0.27mm、板幅1000mmの薄物ブリキ用鋼板に
冷間圧延した。本薄物ブリキ用鋼板の板厚精度は±3μ
mであった。
【0033】図1は冷間圧延機の正面図で、4段圧延機
(4Hi)で構成される圧延スタンドを5スタンド有
し、ワークロールシフト機能が第1および第2スタンド
に装備されている。図中、NO.1〜NO.5はスタン
ド段数を示す。各圧延スタンドにおいて、1はワークロ
ール(作業ロール)、2はバックアップロール(支持ロ
ール)である。
【0034】ワークロール1の直径は505mm、バッ
クアップロール2の直径は1368mmでオフセット量
eは6mmである。荷重水平分力Fhは図2の位置関係
より圧延力に分力係数0.0064(オフセット量e/
(ワークロール半径+バックアップロール半径))を乗
じて求められる。
【0035】表1は本発明法を実施する前の、第1〜第
5スタンドでの板厚、圧下率、荷重、後方張力Tb、前
方張力Tfを示している。第2スタンドでの圧下率は4
0.6%、後方張力Tbは26.0トン、前方張力Tf
15.7トンであった。このとき第2スタンドでの水平
分力は−4.3トンとなって水平振動が発生し、板厚変
動が生じた。図6はこの水平振動が発生したときの、第
2スタンドでの後方張力Tb、すなわち、第1スタンド
と第2スタンドの間の張力の変動を示し、図7は第2ス
タンドでの板厚変動を示し、図8は第2スタンドのシリ
ンダーブロックでの水平振動の振幅を示す。図6の第1
スタンドと第2スタンドの間の張力の変動は約24.5
〜26トンであり、図7の第2スタンドでの板厚変動は
約±4μmであり、図8の第2スタンドのシリンダーブ
ロックでの水平振動の振幅は約0.1G(Gは重力加速
度)であった。
【0036】表2は第1スタンドと第2スタンドの間の
張力設定値を制御することにより、本発明法を実施した
結果であり、第1〜第5スタンドでの板厚、圧下率、荷
重、後方張力Tb、前方張力Tfを示している。第2スタ
ンドでの圧下率は40.6%、後方張力Tbは20.7
トン、前方張力Tfは16.0トンであった。すなわ
ち、第1スタンドと第2スタンドの間の張力設定値を2
6.0トンから20.7トンに減少させた。このとき第
2スタンドでの水平分力は+1.7トンとなって水平振
動は減少し、板厚変動は大幅に減少した。図9はこのと
きの第2スタンドでの後方張力Tb、すなわち、第1ス
タンドと第2スタンドの間の張力の変動を示し、図10
は第2スタンドでの板厚変動を示し、図11は第2スタ
ンドのシリンダーブロックでの水平振動の振幅を示す。
図9の第1スタンドと第2スタンドの間の張力の変動は
約19.7〜20.5トンであり、図10の第2スタン
ドでの板厚変動は約±1.5μmであり、図11の第2
スタンドのシリンダーブロックでの水平振動の振幅は約
0.02G(Gは重力加速度)であった。
【0037】表3は第2スタンド単体の圧下量を制御
し、かつ第1スタンドと第2スタンドの間の張力設定値
を制御することにより、本発明法を実施した結果であ
り、第1〜第5スタンドでの板厚、圧下率、荷重、後方
張力Tb、前方張力Tfを示している。第2スタンドでの
圧下率を40.6%から41.4%に増加させた。第2
スタンドでの後方張力Tbは23.4トン、前方張力Tf
は14.8トンであった。すなわち、第1スタンドと第
2スタンドの間の張力設定値を26.0トンから23.
4トンに減少させた。このとき第2スタンドでの水平分
力は−1.8トンとなって水平振動は減少し、板厚変動
は大幅に減少した。図12は第2スタンドのシリンダー
ブロックでの水平振動の振幅を示す。図12の第2スタ
ンドのシリンダーブロックでの水平振動の振幅は約0.
02G(Gは重力加速度)であった。
【0038】なお、図6〜図12の横軸は時間であり、
第2スタンドのワークロール1回転の周期がT秒であ
る。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】第2スタンドの水平分力が−2トン以上と
なるように制御することにより、図8と図11、図12
との比較により第2スタンドのシリンダーブロックでの
水平振動の振幅が減少し、図6と図9との比較により第
2スタンドでの後方張力Tb、すなわち、第1スタンド
と第2スタンドの間の張力の変動の最大値が減少し、図
7と図10との比較により第2スタンドでの板厚変動が
減少して±3μm(±1%)という板厚精度を満足でき
るようになったことが明らかになった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧延スタンドの水平振動を減少させることにより板厚変
動が少ない冷間圧延機の圧延条件を設定することができ
る。これにより±1%という板厚精度を満足できる薄物
ブリキ用鋼板の冷間圧延方法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法の一
実施形態を示す冷間圧延機の正面図
【図2】本発明の薄物ブリキ用鋼板の冷間圧延方法の一
実施形態を示すワークロールに作用する力のつりあいを
示す説明図
【図3】ワークロールシフト機能を示すワークロールの
正面図
【図4】ワークロールシフト機能を示すワークロールの
平面図
【図5】ワークロールシフト機能を示す冷間圧延機の正
面図
【図6】従来法の冷間圧延機の第1スタンドと第2スタ
ンドの間の張力の変動を示すデータ
【図7】従来法の冷間圧延機の第2スタンドの板厚変動
を示すデータ
【図8】従来法の冷間圧延機の第2スタンドのシリンダ
ーブロック上の水平方向振動を示すデータ
【図9】本発明法の冷間圧延機の第1スタンドと第2ス
タンドの間の張力の変動を示すデータ
【図10】本発明法の冷間圧延機の第2スタンドの板厚
変動を示すデータ
【図11】本発明法の冷間圧延機の第2スタンドのシリ
ンダーブロック上の水平方向振動を示すデータ
【図12】本発明法の冷間圧延機の第2スタンドのシリ
ンダーブロック上の水平方向振動を示すデータ
【符号の説明】
1 ワークロール 2 バックアップロール 3 ワークロールチョック 4 ハウジング 5 シリンダーブロック 6 ライナー 7 スピンドル 8 カップリング 9 減速機 10 シフトシリンダー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧延スタンドにワークロールシフ
    ト機能を備えた全n段の圧延スタンドを有する冷間圧延
    機により薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延するに際し、下記
    (a)および/または(b)を制御することにより、第
    2段目以降の圧延スタンドであって、ワークロールシフ
    ト機能を有する少なくとも1つの圧延スタンドの水平分
    力を制御することを特徴とする薄物ブリキ用鋼板の冷間
    圧延方法。 (a) 第2段目以降の圧延スタンドであって、ワーク
    ロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタン
    ドの後方張力設定値 (b) 第2段目以降の圧延スタンドであって、ワーク
    ロールシフト機能を有する少なくとも1つの圧延スタン
    ドの圧下量
  2. 【請求項2】 少なくとも第1圧延スタンドと第2圧延
    スタンドがワークロールシフト機能を備えている冷間圧
    延機により薄物ブリキ用鋼板を冷間圧延するに際し、下
    記(a)および/または(b)を制御することにより、
    第2圧延スタンドの水平分力を−2トン以上となるよう
    に制御することを特徴とする請求項1に記載の薄物ブリ
    キ用鋼板の冷間圧延方法。 (a) 第2圧延スタンドの後方張力設定値 (b) 第2圧延スタンドの圧下量
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