JP2002205024A - 物品の洗浄方法 - Google Patents

物品の洗浄方法

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JP2002205024A
JP2002205024A JP2001000307A JP2001000307A JP2002205024A JP 2002205024 A JP2002205024 A JP 2002205024A JP 2001000307 A JP2001000307 A JP 2001000307A JP 2001000307 A JP2001000307 A JP 2001000307A JP 2002205024 A JP2002205024 A JP 2002205024A
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industrial degreasing
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JP2001000307A
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Junichi Maeno
純一 前野
Shugo Kawakami
修吾 川上
Kazuki Zenfuku
和貴 善福
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 洗浄工程において、被洗浄物に対する腐食等
の影響を抑制でき、かつ高品位な洗浄性、環境特性、臭
気、引火性、泡立ちなどの点でも満足しうる洗浄方法さ
らには安定性が良好な工業用脱脂洗浄剤組成物を提供す
る。 【解決手段】 一般式(1)で示される環状尿素化合物
及び非イオン性界面活性剤を含有してなる工業用脱脂洗
浄剤を、該洗浄剤の曇点以上の温度で接触させて、被洗
浄物品を洗浄する物品の洗浄方法;該洗浄に用いられる
工業用脱脂洗浄剤該洗浄に用いられる工業用脱脂洗浄
剤。 (R及びRはHまたはC〜Cの直鎖もしくは分
岐鎖のアルキル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品の洗浄方法お
よび該洗浄に用いる工業用脱脂洗浄剤に関する。詳しく
は、環状尿素化合物と非イオン性界面活性剤を含有して
なる水系の工業用脱脂洗浄剤により、金属部品、非金属
部品、電子部品、ガラス、レンズ等の物品表面に付着し
ている油脂類やパーティクル類を有効に洗浄除去する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品、精密機械部品などの製造にお
いては、その加工工程の至る所で付着油脂などの脱脂洗
浄が必要である。例えば、部材を切削加工する際には、
該部材と切削工具との潤滑性、加工作業性、徐熱効果な
どを考慮して、切削油が部材表面に塗布されているが、
最終製品などへの悪影響を防止するため、次工程におい
て、付着している油脂等が洗浄除去されている。
【0003】従来、かかる工業用脱脂洗浄剤としては、
塩素含有炭化水素溶剤または非ハロゲン系溶剤が使用さ
れていた。しかし、塩素含有炭化水素溶剤はそれ自体不
燃性でありかつ乾燥性に優れるという利点を有するもの
の、オゾン層破壊などの環境汚染、人体への影響の問題
から使用することはできない。また、非ハロゲン系溶剤
としてはイソプロピルアルコール、エチルアルコールな
どのアルコール類、キシレン、トルエン、ベンゼンなど
の石油系溶剤や、水系のアルカリ性洗浄剤が使用されて
いるが、アルコール類及び石油系溶剤は臭気、引火性に
問題があり、アルカリ性洗浄剤は油脂等の汚れに対する
洗浄力が不十分であり、洗浄力を向上させるために、ア
ルカリ性を高めた場合には、洗浄力は向上するものの、
アルミニウムや銅などの金属を腐食させたり、部材の地
肌を荒らしたり等の問題が生じる。
【0004】かかる現状から近時では環境特性、臭気、
引火性などの要求性能をある程度満足しうる工業用脱脂
洗浄剤として、非イオン性界面活性剤またはイオン性界
面活性剤とグリコールエーテル系溶剤を含有してなる水
系の工業用脱脂洗浄剤が使用されるようになった。しか
し、かかる界面活性剤を含有してなる水系の工業用脱脂
洗浄剤の洗浄力は充分とはいえず、また、界面活性剤を
含有するために洗浄時に泡立つという問題もあった。一
方、グリコールエーテル系溶剤を含有してなる水系の工
業用脱脂洗浄剤の洗浄性は満足できるものの、グリコー
ルエーテルは空気や、油脂類に含まれている酸、洗浄剤
に含まれる添加剤成分などによって容易に酸化、分解し
グリコール酸を発生させるなど、安定性に問題があっ
た。
【0005】これら問題を解決すべく、例えば、特開平
9−31490号公報のような物品の洗浄方法が提案さ
れている。当時、非イオン性界面活性剤を含有してなる
水系の工業用脱脂洗浄剤を曇点(曇点とは、非イオン性
界面活性剤を含有する水溶液の温度をあげていくと曇り
を生じる温度をいい、非イオン性界面活性剤を含有して
なる水溶液にのみ認められる特性である。)以上で使用
しても洗浄力が充分ではないと考えられており、かかる
工業用脱脂洗浄剤を用いて物品を洗浄するにあたって
は、該洗浄剤が混濁しない温度(曇点未満の温度)で洗
浄することが常識とされていた。しかし、該発明によ
り、かかる曇点以上の温度では水溶液中のミセルが脱水
和により巨大ミセルを形成して混濁して存在しており、
この時界面活性剤としての性質を失うが、溶剤として作
用するため、脱脂力に優れていることが知られており、
かかる工業用洗浄剤の使用方法については、洗浄剤の曇
点以上の温度で行う事が最適であるということが見出さ
れ、該洗浄方法により油脂類の付着した被洗浄物を有効
に洗浄することができるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−31490号公報に記載された発明によって油脂類
の付着した被洗浄物を有効に洗浄することができるよう
になったものの、該洗浄方法は非イオン性界面活性剤を
用いるため、「泡立ち」の問題や、洗浄剤が不安定であ
る等の諸問題があった。本発明は、これらの問題を解決
し、かつ環境特性、臭気、引火性、安定性などの要求性
能を満足できる水系の工業用脱脂洗浄剤を提供する事、
及びかかる工業用脱脂洗浄剤を用いて物品に付着してい
る油脂類を有効に洗浄除去する方法を提供する事を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく水系の工業用脱脂洗浄剤、及びかかる工業用
脱脂洗浄剤を用いた洗浄方法について鋭意検討を重ねた
結果、非イオン性界面活性剤と、環状尿素化合物を含有
してなる工業用脱脂洗浄剤を該洗浄剤の曇点以上の温度
で使用することで、従来の非イオン性界面活性剤とグリ
コールエーテル系溶剤からなる工業用脱脂洗浄剤と比較
して、「泡立ち」が同等以下でかつ「洗浄性」、および
「安定性」が向上することを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、 一般式(1):
【0009】
【化2】
【0010】(図中R及びRは水素原子または炭素
数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。)
で示される環状尿素化合物及び非イオン性界面活性剤を
含有してなる工業用脱脂洗浄剤を、該洗浄剤の曇点以上
の温度で接触させて、被洗浄物品を洗浄する物品の洗浄
方法および該洗浄に用いられる工業用脱脂洗浄剤に関す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の工業用脱脂洗浄剤は、特
定の構造を有する環状尿素化合物及び非イオン性界面活
性剤を有効成分として含有してなるものである。
【0012】本発明で用いられる環状尿素化合物は、一
般式(1):
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R は水素原子または炭素数1
〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を、R は炭
素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基)で表され
る化合物であり、環状尿素化合物の具体例としては、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジエチル
イミダゾリジノン、1,3−ジプロピルイミダゾリジノ
ンなどを例示できる。これら環状尿素化合物は単独でま
たは2種以上を適宜組み合せて使用できる。本発明の工
業用脱脂洗浄剤では、環状尿素化合物を用いることによ
り、洗浄力が向上し、加熱安定性、酸、アルカリ等の耐
薬品性に優れ、洗浄工程およびすすぎ処理工程における
当該洗浄剤の安定性が良好となるため好ましい。
【0015】本発明で用いられる非イオン性界面活性剤
としては、特に制限されず公知の物を使用できる。非イ
オン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキ
レンアルキル(アルキル基の炭素数6以上)エーテル、
ポリオキシアルキレンフェノールエーテル、ポリオキシ
アルキレンアルキルフェノールエーテルなどのポリアル
キレングリコールエーテル型非イオン性界面活性剤;ポ
リアルキレングリコールモノエステル、ポリアルキレン
グリコールジエステルなどのポリアルキレングリコール
エステル型非イオン性界面活性剤;脂肪酸アミドのアル
キレンオキサイド付加物;ソルビタン脂肪酸エステル、
ショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコール型非イオン
性界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシ
アルキレンアルキルアミンなどをあげることができる。
これら非イオン性界面活性剤は1種を単独でまたは2種
以上を適宜に選択して組み合せて使用できる。なお、前
記アルキレンとは、エチレン、プロピレンまたはブチレ
ンをいい、ポリオキシアルキレンとはポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンまたは
これらが共重合したものをいい、以後アルキレンと言う
場合はこのことを表す。
【0016】これら非イオン性界面活性剤では、洗浄力
の点からポリエチレングリコールエーテル型非イオン性
界面活性剤が好ましい。より好ましいものとしては一般
式(3):R −O−(CH CHO)m−H(式
中、R は炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基、フェニル基、または炭素数7〜12の直鎖も
しくは分岐鎖アルキル基で置換されたフェニル基を、m
は2〜20の整数を示す。)で表されるポリオキシエチ
レンアルキルエーテルである。特にR は炭素数8〜
16のアルキル基であり、mは3〜16の整数のポリオ
キシエチレンアルキルエーテルであることが好ましい。
【0017】また、本発明の工業用脱脂洗浄剤には、前
記非イオン性界面活性剤、環状尿素化合物に加えて、一
般式(2):R−X−R〔R、Rは水素原子ま
たは炭素数1〜18の炭化水素基であり、かつR、R
のいずれか一方は炭素数6以上の炭化水素基を示す。
Xは−C(R)(R)−{R、Rは水素原子ま
たは炭素数1〜18の炭化水素基を示す。}、−COO
−、−CO−または−O−を示す。〕で表される化合物
を有効成分として含有することもできる。当該一般式
(2)で表される化合物を含有する場合には、高粘度油
やグリース等の除去に対して洗浄力が向上するため好ま
しい。特に、一般式(1)で表される環状尿素化合物と
当該一般式(2)で表される化合物を含有させることに
より、洗浄力の向上と共に、加熱安定性、酸、アルカリ
等の耐薬品性に優れ、洗浄工程及びすすぎ処理工程にお
ける工業用脱脂洗浄剤の安定性が向上するため好まし
い。
【0018】前記一般式(2)におけるR 、R
、R で表される炭化水素基は直鎖状または分岐
鎖状の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基のいずれでもよく、それぞれが結合して脂環構
造を形成しているものでもよい。また、前記一般式
(2)または各炭化水素基は置換基を有してもよく、不
飽和結合を有していてもよい。なお、これら化合物のな
かでは引火点が70℃以上であるものを使用することが
安全性の面から好ましい。かかる前記一般式(2)で表
される化合物としては、例えば、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルベンゼン、テトラアミルベンゼン、ドデカ
ン、ヘキサデカン、テトラデカン、テトラデセン、デカ
リン、ジメチルデカリン、ジイソプロピルシクロヘキサ
ン、ブチルシクロヘキサン、ドデシルシクロヘキサン、
ジシクロヘキシルメタン等の石油系溶剤;パラメンタ
ン、ピナン等のテルペン類;ヤシ脂肪酸メチルエステ
ル、ミリスチン酸イソプロピルエステル、ステアリン酸
2エチルヘキシルエステル、ラウリン酸メチルエステ
ル、オレイン酸メチルエステル、オレイン酸イソブチル
エステル等の脂肪酸エステル類;メチルヘキシルケト
ン、ジイソブチルケトン等のケトン類;アミルキシリル
エ−テル、ヘキシルエーテル等のエーテル類等があげら
れる。これらの化合物は単独でまたは2種以上を適宜組
み合せて使用できる。
【0019】さらに、本発明で使用する水系の工業用脱
脂洗浄剤には、洗浄工程およびすすぎ処理工程における
洗浄剤の安定性を向上させるために、イオン性の界面活
性剤や有機溶剤、無機ビルダー等を有効成分として含有
させることもできる。イオン性の界面活性剤としては、
高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩など
の各種公知の硫酸エステル系アニオン性界面活性剤;ア
ルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩な
どの各種公知のスルホン酸塩系アニオン性界面活性剤;
アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルリン酸エステル塩などのリン酸エステル系アニオン
性界面活性剤;アルキル化アンモニウム塩、四級アンモ
ニウム塩などのカチオン性界面活性剤;アミノ酸型、ベ
タイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤があげら
れる。
【0020】本発明に用いられる工業用脱脂洗浄剤中の
環状尿素化合物の含有率は、通常0.1〜98重量%程
度であり、好ましくは0.5〜80重量%である。環状
尿素化合物の含有量が0.1重量%未満の場合には洗浄
力が不十分となるおそれがあり、98重量%を超える場
合は引火性およびすすぎ性が悪くなるおそれがある。ま
た、工業用脱脂洗浄剤中の非イオン性界面活性剤の含有
率は、通常、0.1〜98重量%程度であり、好ましく
は0.5〜80重量%である。非イオン性界面活性剤の
含有率が0.1重量%未満の場合には洗浄力が不十分と
なるおそれがあり、98重量%を越える場合には引火性
に問題がある。前記環状尿素化合物、非イオン性界面活
性剤を洗浄剤組成物として含有する水系の工業用脱脂洗
浄剤における洗浄剤組成物の使用量は当該洗浄剤が曇点
を生じる特性を維持できる範囲で使用できる。通常は、
洗浄剤組成物の使用量は、水系の工業用脱脂洗浄剤の5
0重量%以下、好ましくは30重量%以下である。ま
た、該洗浄剤中における環状尿素化合物の割合は水の割
合より少なくなるように調製するのが好ましい。なお、
水系の工業用脱脂洗浄剤が環状尿素化合物、非イオン性
界面活性剤に加えて、前記一般式(2)であらわされる
化合物、イオン性界面活性剤等を含有する場合には、該
洗浄剤中におけるこれら環状尿素化合物、非イオン性界
面活性剤の合計の含有率は通常0.1〜97重量%であ
れば特に制限なく前記一般式(2)であらわされる化合
物、イオン性界面活性剤等を使用できる。
【0021】本発明では、前記水系の工業用脱脂洗浄剤
を、該洗浄剤の曇点以上の温度で油脂類が付着した被洗
浄物品に接触させ、被洗浄物品より油脂類を除去する。
水系の工業用脱脂洗浄剤の曇点は、該洗浄剤中の有効成
分の種類およびその含有率により異なり、一概に決定す
ることができないため、物品の洗浄にあたっては、使用
する洗浄剤に応じて洗浄温度を曇点以上に設定して行
う。また、洗浄温度は、通常15〜95℃に設定するの
が好ましい。より好ましくは35〜85℃である。洗浄
温度が15℃に満たない場合には、一般的に油脂類の粘
度が高いため洗浄効率が悪く、95℃を越える場合には
水が沸騰するおそれがあり、洗浄操作上不便であり、い
ずれの場合も好ましくない。こうした理由から本発明の
工業用脱脂洗浄剤としては、曇点が95℃以下になるよ
うに調製したものを用いることが好ましい。なお、洗浄
は通常、10秒〜30分程度で終了する。
【0022】水系の工業用脱脂洗浄剤を油脂類が付着し
た被洗浄物品に接触させる手段は特に限定されず、各種
公知の手段を採用できる。例えば、水系の工業用脱脂洗
浄剤に被洗浄物品を直接浸漬して洗浄する方法、該洗浄
剤をスプレー装置でフラッシュする方法、機械的手段に
よりブラッシングする方法、超音波洗浄方法、液中ジェ
ット洗浄方法、揺動方法、直通式洗浄法(具体的には、
直通式洗浄装置「ダイレクトパス」、荒川化学工業
(株)製を用いる方法等)などの各種方法を適宜に選択
して採用することができる。特に、直通式洗浄法では、
洗浄剤中の有効成分の含有率が極めて低い場合にも短時
間で洗浄することができる。
【0023】このように油脂類を洗浄除去された物品
は、必要によりすすぎ処理された後に、乾燥される。す
すぎ処理剤としては、水または石油系溶剤、グリコール
エーテル類、アルコール類等があげられるが、かかる例
示に限定されるものではない。
【0024】なお、被洗浄物品としては、特に制限され
ないが、金属部品、非金属部品、電子部品、ガラス、レ
ンズなどの場合に洗浄効果が良好である。
【0025】
【発明の効果】本発明の洗浄剤および洗浄方法によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)環状尿素化合物および非イオン性界面活性剤を含
有する水系の工業用脱脂洗浄剤は環境特性、臭気、引火
性などの要求性能を満足し、かつ被洗浄物に付着してい
る油脂類を有効に洗浄除去できる。従来、洗浄力が不十
分とされていた非イオン性界面活性剤を含有する水系の
工業用脱脂洗浄剤を改良し、満足のいく洗浄力が得られ
た特開平9−31490号公報にも記載のグリコールエ
ーテルと非イオン性界面活性剤からなる水系工業用脱脂
洗浄剤(以下グリコールエーテル系脱脂洗浄剤)と同等
以上の洗浄力を得ることができた。これらは本発明の工
業用脱脂洗浄剤に含有する環状尿素化合物がグリコール
エーテルより脱脂能力が優れていることに由来する。 (2)従来の水系の工業用脱脂洗浄剤の洗浄時に問題で
あった「泡立ち」を抑制できる。洗浄温度を該洗浄剤の
曇点以上で行っていることから、界面活性剤としての機
能が弱くなるためであると推察されるが、グリコールエ
ーテル系脱脂洗浄剤と比較しても泡立ちが抑制された。 (3)本発明の工業用脱脂洗浄剤に含有する環状尿素化
合物は化合物自体の安定性がグリコールエーテルより優
れており、酸アルカリによる分解、熱や空気酸化による
変性が起き難く、長期間に渡り安定した洗浄力が維持で
きる。
【0026】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。なお製造例中に記載の曇点は各有効濃度
に調製した工業用脱脂洗浄剤を常温から加熱し、濁りが
発生した時の液温度である。
【0027】製造例1−1 ポリオキシエチレン(付加モル数7)ノニルエーテル4
0重量部と1,3−ジメチルイミダゾリジノン60重量
部からなる混合物に水を加え、これら混合物(有効成
分)の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤を調製し
た。有効成分の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤の
曇点は55℃であった。
【0028】製造例1−2 製造例1−1において混合物(有効成分)の含有率を
0.5重量%とした以外は同様にして工業用脱脂洗浄剤
を得た。得られた工業用脱脂洗浄剤の曇点は47℃であ
った。
【0029】製造例2−1 ポリオキシエチレン(付加モル数7)ノニルエーテル4
0重量部と1,3−ジプロピルイミダゾリジノン60重
量部からなる混合物に水を加え、これら混合物(有効成
分)の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤を調製し
た。有効成分の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤の
曇点は53℃であった。
【0030】製造例2−2 製造例2−1において混合物(有効成分)の含有率を
0.5重量%とした以外は同様にして工業用脱脂洗浄剤
を得た。得られた工業用脱脂洗浄剤の曇点は46℃であ
った。
【0031】製造例3−1 ポリオキシエチレン(付加モル数7)ノニルエーテル2
0重量部、1,3−ジメチルイミダゾリジノン60重量
部およびテトラデセン20重量部からなる混合物に水を
加え、これら混合物(有効成分)の含有率が5重量%の
工業用脱脂洗浄剤を調製した。有効成分の含有率が5重
量%の工業用脱脂洗浄剤の曇点は45℃であった。
【0032】製造例3−2 製造例3−1において混合物(有効成分)の含有率を
0.5重量%とした以外は同様にして工業用脱脂洗浄剤
を得た。得られた工業用脱脂洗浄剤の曇点は38℃であ
った。
【0033】製造例4−1 ポリオキシエチレン(付加モル数7)ノニルエーテル4
0重量部とブチルジグリコール60重量部からなる混合
物に水を加え、これら混合物(有効成分)の含有率が5
重量%の工業用脱脂洗浄剤を調製した。有効成分の含有
率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤の曇点は62℃であっ
た。
【0034】製造例4−2 製造例4−1において混合物(有効成分)の含有率を
0.5重量%とした以外は同様にして工業用脱脂洗浄剤
を得た。得られた工業用脱脂洗浄剤の曇点は55℃であ
った。
【0035】製造例5−1 ポリオキシエチレン(付加モル数7)ノニルエーテル2
0重量部、ブチルジグリコール60重量部およびテトラ
デセン20重量部からなる混合物に水を加え、これら混
合物(有効成分)の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄
剤を調製した。有効成分の含有率が5重量%の工業用脱
脂洗浄剤の曇点は48℃であった。
【0036】製造例5−2 製造例5−1において混合物(有効成分)の含有率を
0.5重量%とした以外は同様にして工業用脱脂洗浄剤
を得た。得られた工業用脱脂洗浄剤の曇点は41℃であ
った。
【0037】実施例1 油性切削油の付着した銅製端子(被洗浄物品A)または
グリースの付着したセラミック製電子部品(被洗浄物品
B)を、間隙孔を有する10cm×10cm×10cm
の篭状容器に仕込んだ後、当該容器を超音波洗浄装置
(28kHz,600W)に設置し、製造例1〜5で調
製した有効成分の含有率が5重量%の工業用脱脂洗浄剤
により、75℃で5分間洗浄した後、水により5分間す
すぎ処理を行った。さらに、100℃で10分間熱風乾
燥した。
【0038】実施例2 油性切削油の付着した銅製端子(被洗浄物品A)または
グリースの付着したセラミック製電子部品(被洗浄物品
B)を、間隙孔を有する10cm×10cm×10cm
の篭状容器に仕込んだ後、当該容器を直通式洗浄装置
(「ダイレクトパス」、荒川化学工業(株)製)に設置
し、製造例1〜5で調製した有効成分の含有率が5重量
%の工業用脱脂洗浄剤により、75℃で2分間洗浄した
後、水により5分間すすぎ処理を行った。さらに、80
℃で3分間熱風乾燥した。
【0039】実施例3 油性切削油の付着した銅製端子(被洗浄物品A)または
グリースの付着したセラミック製電子部品(被洗浄物品
B)を、間隙孔を有する10cm×10cm×10cm
の篭状容器に仕込んだ後、当該容器を超音波洗浄装置
(28kHz,600W)に設置し、製造例1〜5で調
製した有効成分の含有率が0.5重量%の工業用脱脂洗
浄剤により、75℃で5分間洗浄した。さらに、100
℃で10分間熱風乾燥した。
【0040】実施例4 油性切削油の付着した銅製端子(被洗浄物品A)または
グリースの付着したセラミック製電子部品(被洗浄物品
B)を、間隙孔を有する10cm×10cm×10cm
の篭状容器に仕込んだ後、当該容器を直通式洗浄装置
(「ダイレクトパス」、荒川化学工業(株)製)に設置
し、製造例1〜5で調製した有効成分の含有率が0.5
重量%の工業用脱脂洗浄剤により、65℃で2分間洗浄
した。さらに、80℃で3分間熱風乾燥した。
【0041】実施例、比較例において洗浄処理された被
洗浄物品Aまたは被洗浄物品Bに付着していた付着物の
除去の度合から以下の基準に基づき洗浄性を判定した。
評価結果を表1〜表2に示す。 ◎−−物品類に付着物が全く残っていない。 ○−−物品類の1%未満に付着物が残っている。 △−−物品類の1〜3%未満に付着物が残っている。 ×−−物品類の3%以上に付着物が残っている。
【0042】洗浄時における「泡立ち」の度合を、洗浄
後の洗浄槽を観察して、以下の判定基準に基づき目視判
定した。評価結果を表1〜表2に示す。 ◎−−泡立たない。 ○−−ほとんど良好泡立たない。 △−−少し泡立ちがある。 ×−−泡立つ。
【0043】実施例5 製造例1−1〜5−1において混合物(有効成分)の含
有率を50.0重量%の工業用脱脂洗浄剤を調製し、そ
れぞれ製造例1−3〜5−3とする。これを50℃に保
ち、洗浄剤の着色を観察し、経日安定性を評価した。評
価結果を表3に示す。 ○−−着色なし △−−若干着色 ×−−着色あり
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA46 BB01 BB82 BB94 4H003 AC11 BA12 DA05 DA09 DA15 DA16 DC04 ED02 ED04 ED29 ED30 ED31 ED32 FA16 FA19 FA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (図中R及びRは水素原子または炭素数1〜5の直
    鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。)で示される環
    状尿素化合物及び非イオン性界面活性剤を含有してなる
    工業用脱脂洗浄剤を、該洗浄剤の曇点以上の温度で接触
    させて、被洗浄物品を洗浄する物品の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 工業用脱脂洗浄剤が、一般式(2):R
    −X−R〔R、Rは少なくとも一方が炭素数6
    以上の炭化水素基であり、他方は水素原子または炭素数
    1〜18の炭化水素基を表す。Xは−C(R
    (R)−{R、Rは水素原子または炭素数1〜1
    8の炭化水素基を表す。}、−COO−、−CO−また
    は−O−を示す。〕で表される化合物のうちいずれか少
    なくとも1種を含有してなる請求項1記載の物品の洗浄
    方法。
  3. 【請求項3】 工業用脱脂洗浄剤が、イオン性界面活性
    剤を含有してなる請求項1または2記載の物品の洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 工業用脱脂洗浄剤の曇点が95℃以下で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の物品の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の物品の洗浄方法に
    用いられる工業用脱脂洗浄剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004155821A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Tosoh Corp 洗浄剤
JP2014159523A (ja) * 2013-02-20 2014-09-04 Arakawa Chem Ind Co Ltd ポリアミドイミド樹脂除去用の洗浄剤組成物

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