JP2002203947A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JP2002203947A
JP2002203947A JP2000403398A JP2000403398A JP2002203947A JP 2002203947 A JP2002203947 A JP 2002203947A JP 2000403398 A JP2000403398 A JP 2000403398A JP 2000403398 A JP2000403398 A JP 2000403398A JP 2002203947 A JP2002203947 A JP 2002203947A
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layer
electrode
semiconductor device
capacitor
sige
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JP2000403398A
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Kenji Hirakawa
顕二 平川
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容量素子の容量値の電圧依存性を小さくする。 【解決手段】容量素子の上部電極もしくは下部電極にお
いて、少なくとも誘電体層と接する側にSiより小さい
仕事関数を持つSi化合物層であるSiGe層を備える
とともに、MOSトランジスタのゲート電極において、
少なくともゲート絶縁膜と接する側にSiGe層を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関
し、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジ
スタと容量素子とを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のCMOS(Complementary MO
S)トランジスタでは、ゲート長の微細化に伴いリーク
電流の低減のため、デュアルゲート構造が使用されてい
る。
【0003】デュアルゲート構造とは、nMOSトラン
ジスタにはn型のゲート電極を用い、pMOSトラン
ジスタにはp型のゲート電極を用いる構造をいう。ま
た、このデュアルゲート構造の作製にあたっては、イオ
ン注入法を用いてポリSi層からなる各ゲート電極層
に、nMOSトランジスタ領域にはn型の不純物を、p
MOSトランジスタ領域にはp型の不純物をそれぞれド
ーピングし、アニールによる活性化を経て、各ゲート電
極に所定の導電型を付与している。
【0004】イオン注入法を用いたゲート電極層への不
純物のドーピングは、注入イオンがゲート絶縁膜を介し
てチャネル形成領域である半導体基板層に突き抜けた
り、注入量が多い場合は電界破壊を起こしやすい等の問
題もあり、注入条件の調整のため、ドーピング量は制限
され、比較的高濃度ドープが可能なP(燐)を注入した
場合でも、その不純物濃度はせいぜい3×1020/c
にとどまる。
【0005】一方、アナログ・デジタル変換回路では、
同一基板上にデュアルゲート構造のCMOSトランジス
タとともに容量素子が混載されており、このような容量
素子の作製に際しては、CMOSトランジスタと共通化
する工程で行うことが望まれている。よって、従来は、
CMOSトランジスタのゲート電極と同一材料、同一工
程を用いて、容量素子を構成する下部電極と上部電極と
を形成していた。
【0006】従って、容量素子を構成する下部電極もし
くは上部電極を形成する場合は、ゲート電極の作製条件
と同様に、まずポリSi層を形成し、次にイオン注入法
を用いて、不純物イオンをドーピングし、アニール工程
を経て導電性を付与し、その後所定形状にパターニング
を行うことにより電極を形成していた。よって、容量素
子の上部電極もしくは下部電極の不純物濃度もゲート電
極と同程度のものが用いられてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近のCMOSトラン
ジスタでは、ゲート長の微細化に伴い、ゲート絶縁膜の
薄膜化が進んでいる。ポリSiを用いたゲート電極中で
十分な不純物濃度が得られていないデュアルゲート構造
の場合には、ゲート絶縁膜の薄膜化により相対的にゲー
ト電極側にかかる電場が強くなるため、ゲート電極中に
空乏層が発生する現象が生じている。
【0008】容量素子においても、微細化の要請から、
容量の占有面積は縮小化しており、これに伴って誘電体
層の厚みも10〜30nm程度の極めて薄いものになっ
てきている。容量素子の電極もゲート電極と同じポリシ
リコン層で形成され、同一のイオン注入工程で不純物の
ドーピングが行われるため、その不純物濃度は、せいぜ
い3×1020/cmを程度である。よって、ゲート
電極と同様に容量素子の場合も、印加時において上部電
極もしくは下部電極中に空乏層が形成される現象が生じ
ている。
【0009】一方、最近のアナログ・デジタル変換回路
で用いる容量素子は、高ビット精度の確保の為、容量素
子の電圧依存性、即ち印加電圧Vに対する容量値Cの変
化を非常に低いレベル、例えば40ppm/V以下に抑え
ることが要請されている。
【0010】しかし、容量素子の電極中に空乏層が生じ
ると、誘電体層の持つ容量C0とは別に空乏層による容
量Cdが発生してしまうが、誘電体層の有する容量C0
が固有な値であるのに対し、空乏層による容量Cdは電
圧により変動する。よって、容量素子全体の容量値C
(C=C0+Cd)の電圧依存性を低レベルに抑えるこ
とは困難である。
【0011】本発明は、上述する従来の課題に鑑み、C
MOSトランジスタとのプロセス上の整合性が良く、し
かも電圧依存性の小さい容量素子を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の第
1の特徴は、半導体基板上に絶縁層を介して形成された
下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された上部電極とを備え、前記下
部電極もしくは上部電極が、少なくとも前記誘電体層と
接する側に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物
層を持つ容量素子と、前記半導体基板層の上層に形成さ
れた第1導電型のウエルと、前記ウエル上層に形成され
た第2導電型のソース領域およびドレイン領域と、前記
ソース領域と前記ドレイン領域との間に露出する前記ウ
エルを覆うように形成されたゲート絶縁層と、前記ゲー
ト絶縁膜上に形成され、少なくとも前記ゲート絶縁膜と
接する側に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物
層を持つゲート電極とを備えるMOSトランジスタとを
有することである。例えば、上記Si化合物としては、
SiGeが挙げられる。
【0013】上記本発明の半導体装置の第1の特徴によ
れば、容量素子の上部電極もしくは下部電極の誘電体層
界面に、従来使用されていたSi等に較べ仕事関数が小
さいSi化合物層、例えばSiGe等を用いるため、電
極内での空乏層の発生を抑制できる。よって、電圧依存
性が大きい空乏層に起因する容量の割合が減少するた
め、容量素子全体の容量値の電圧依存性を低減できる。
従って、印加電圧の値に関わらず安定した容量値を提供
できる。また、MOSトランジスタのゲート電極におい
ても、少なくともゲート絶縁膜と接する側を、Siより
小さい仕事関数を持つSi化合物層、例えばSiGe層
等で形成しているので、この場合もゲート電極の空乏化
を抑制し、トランジスタの駆動性を向上できる。
【0014】なお、上記第1の特徴において、上部容量
素子の上部電極もしくは下部電極と、上記MOSトラン
ジスタの前記ゲート電極とは、同一のSiGe層から形
成されていてもよい。また、上記容量素子の上部電極
と、上記MOSトランジスタのゲート電極とは、下層に
SiGe層、上層にポリSi層を持つ積層構造の、同一
電極層から形成されていてもよい。
【0015】この場合は、容量素子の上部電極もしくは
下部電極と、ゲート電極とを同一工程で形成することが
できる。
【0016】なお、前記MOSトランジスタが、デュア
ルゲート構造のCMOSトランジスタを構成する場合
は、ゲート電極およびこのゲート電極と同一工程で形成
する容量素子の上部電極もしくは下部電極に添加される
不純物濃度が制限されるため、仕事関数の小さいSiG
e層を用いることは、各電極内の空乏層の発生を抑制す
るために特に効果的である。
【0017】本発明の半導体装置の第2の特徴は、同一
半導体基板上にデュアルゲート構造のCMOSトランジ
スタと容量素子とを混載する半導体装置において、下部
電極と、この下部電極上に形成された誘電体層と、この
誘電体層上に形成された上部電極とを有し、上部電極も
しくは下部電極の一方が、少なくとも誘電体層と接する
側に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物層、例
えばSiGe層等を備える容量素子を有することであ
る。
【0018】上記本発明の半導体装置の第2の特徴によ
れば、容量素子の上部電極もしくは下部電極の誘電体層
界面に、Siより仕事関数が小さいSiGe等のSi化
合物を用いるため、電極内での空乏層の発生を抑制でき
る。よって、電圧依存性が大きい空乏層に起因する容量
の割合が減少するため、容量素子全体の容量値の電圧依
存性を低減できる。印加電圧の値に関わらず安定した容
量値を提供できる。
【0019】なお、第2の特徴を有する半導体装置にお
いて、上部電極もしくは下部電極の少なくとも一方が単
層のSiGe層で形成されていてもよい。また、上部電
極もしくは下部電極の少なくとも一方がSiGe層とポ
リSi層とを含む積層構造の電極層で形成されていても
よい。
【0020】本発明の半導体装置の製造方法の第1の特
徴は、同一半導体基板上に容量素子とMOSトランジス
タとを有する半導体装置の製造方法において、基板表面
に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物層、例え
ばSiGe層からなる電極層を形成する工程と、その電
極層を選択的にエッチングすることにより、容量素子の
下部電極とMOSトランジスタのゲート電極とを同一工
程で形成することである。
【0021】上記本発明の製造方法の第1の特徴によれ
ば、同一工程で、容量素子の下部電極と、MOSトラン
ジスタのゲート電極をSiGe層等で形成できるため、
プロセス上の負担が少なく、しかもSiよりも仕事関数
の小さいSiGe層等の使用により、下部電極およびゲ
ート電極での空乏化を抑制できる。よって、電圧依存性
の少ない容量素子と、駆動性が良好なゲート電極を提供
できる。
【0022】なお、上記本発明の製造方法の第1の特徴
において、上記上部電極もしくは下部電極の少なくとも
一方が単層のSiGe層で形成されていてもよいし、上
部電極もしくは下部電極の少なくとも一方がSiGe層
とポリSi層とを含む積層膜で形成されていてもよい。
【0023】本発明の半導体装置の製造方法の第2の特
徴は、同一半導体基板上に容量素子とMOSトランジス
タとを有する半導体装置の製造方法において、基板表面
に、少なくとも下層側に、Siより小さい仕事関数を持
つSi化合物層、例えばSiGe層を有する電極層を形
成する工程と、前記電極層を選択的にエッチングするこ
とにより、前記容量素子の上部電極と前記MOSトラン
ジスタのゲート電極とを同一工程で形成することであ
る。
【0024】上記本発明の製造方法の第2の特徴によれ
ば、同一工程で、少なくとも誘電体層側もしくはゲート
絶縁膜側にSiより小さい仕事関数を持つSiGe等の
Si化合物層を有する容量素子の上部電極と、MOSト
ランジスタのゲート電極とを形成できるため、プロセス
上の負担が少なく、しかも仕事関数の小さいSiGe層
等の使用により、下部電極およびゲート電極での空乏化
を抑制できる。よって、電圧依存性の少ない容量素子
と、駆動性が良好なMOSトランジスタを提供できる。
【0025】なお、上記本発明の製造方法の第2の特徴
において、前記電極層は、下層にSiGe層を有し、上
層にポリSi層を有するものであってもよい。
【0026】本発明の半導体装置の製造方法の第3の特
徴は、半導体基板層に、素子分離領域を形成する工程
と、前記素子分離領域で画定された半導体基板層領域に
第1導電型のウエルを形成する工程と、この基板表面
に、ゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜
上に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物層、例
えばSiGe層からなる第1電極層を形成する工程と、
前記第1電極層上に、絶縁体層を形成する工程と、前記
絶縁体層上に、第2電極層を形成する工程と、前記第2
電極層および前記絶縁体層とを選択的にエッチングし、
前記素子分離領域上方に、容量素子の上部電極および誘
電体層をパターニングする工程と、前記第1電極層を選
択的にエッチングし、容量素子の下部電極およびMOS
トランジスタのゲート電極をパターニングする工程とを
有する。
【0027】上記本発明の製造方法の第3の特徴によれ
ば、容量素子とMOSトランジスタとを同一基板上に製
造上の負担なく形成でき、しかも容量素子の下部電極
と、MOSトランジスタのゲート電極に仕事関数の小さ
いSiGe等の層を有するため、容量素子の下部電極お
よびゲート電極での空乏化を抑制し、電圧依存性の少な
い容量素子と、駆動性が良好なMOSトランジスタを提
供できる。
【0028】なお、上記本発明の製造方法の第3の特徴
において、上記第2半導体電極層が、少なくとも前記絶
縁体層側にSiGe層を有するものであってもよい。よ
り、電圧依存性の少ない容量素子を提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について説明する。
【0030】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態に係る半導体装置の基本構造を示す断面図であ
る。同図に示すように、第1の実施の形態に係る半導体
装置は、CMOSトランジスタと容量素子とを有する半
導体装置において、各ゲート電極および容量素子の上部
電極と下部電極とをSiGe層で形成したものである。
以下、より詳細にその構成を説明する。
【0031】図1に示すように、Si半導体基板10の
上層は、素子分離領域であるSTI(Shallow Trench
Isolation)層20により、各活性領域とそれ以外の
領域に分離されている。
【0032】容量素子は、例えば活性領域ではない、S
TI層20上に形成され、SiGe層からなる下部電極
41と同じくSiGe層からなる上部電極61とで誘電
体層51を挟持した構造を持つ。誘電体層51は、特に
限定されないが、例えばSiO膜、SiN膜あるいは
SiO膜とSiN膜を積層したONO(Oxide/Nitri
de/Oxide)膜等を使用する。
【0033】pMOSトランジスタ(以下、「pMO
S」と表す。)形成領域には、Si半導体基板層10の
上層にn型不純物が拡散されたn型ウェル11が形成さ
れており、その上には、SiO膜等からなるゲート絶
縁膜31を介してp型のSiGeを用いたゲート電極4
2が形成されている。ゲート電極42の両サイドにはゲ
ート側壁35が形成されており、n型ウェル11の上層
にはゲート電極42およびゲート側壁35に対し自己整
合的に形成したエクステンション(LDD)構造を持つ
p型のソース/ドレイン領域13、14が形成されてい
る。
【0034】また、nMOSトランジスタ(以下、「n
MOS」と表す。)形成領域には、導電型は異なるが、
pMOSと基本的に同じ構造が形成されている。即ち、
Si半導体基板層10の上層にp型不純物が拡散された
p型ウェル12が形成されており、その上には、SiO
膜等からなるゲート絶縁膜32を介してn型のSiG
eゲート電極43が形成されている。ゲート電極43の
両サイドにはゲート側壁36が形成されており、n型ウ
ェル11の上層にはエクステンション構造を持つn型の
ソース/ドレイン領域15、16が形成されている。
【0035】なお、図示を省略しているが、サリサイド
工程により、ゲート電極42、43の表面層およびソー
ス/ドレイン領域13〜16の各表面層にシリサイド層
を形成してもよい。
【0036】図2は、第1の実施の形態に係る容量素子
の容量値Cの印加電圧依存性を示すグラフである。比較
のため、従来の容量素子の値もあわせて示す。両者の大
きな相違は、従来の容量素子では、上部電極と下部電極
とをポリSi層で形成しているのに対し本実施の形態に
係る容量素子では、上部電極と下部電極を、SiGe層
で形成している点である。ともに、容量素子面積が約4
μm角、誘電体層はSiO膜換算で約10nmであ
り、各電極層内のP(燐)の不純物濃度は、約3×10
20/cmとする。
【0037】同グラフからわかるように、従来の容量素
子では、印加電圧が増加すると容量値Cが大幅に減少し
ている。これに対し、第1の実施の形態に係る容量素子
の場合は、電圧依存性がほとんどなく平坦な容量値Cを
示しており、その変動量は、例えば16ビットADコン
バータ回路に求められる40ppm/v以下のレベルに抑
えられる。
【0038】従来の容量素子の場合の容量値の電圧依存
性は、主に電極内に発生する空乏層に起因するといわれ
ている。容量素子の実際の容量値Cには、誘電体層が有
する固有の容量C0に加え、空乏層が発生するとこれに
基づく容量Cdが加わるが、印加電圧の値に依存して空
乏層の厚みは変化し、これに従い、その容量Cdも変動
するため、容量素子全体の容量値Cも電圧依存性を示す
ことになる。
【0039】容量素子の電極の空乏化を抑制するには、
電極内のn型不純物濃度を十分に上げればよいことが知
られている。一方、物質の仕事関数は、真空準位からフ
ェルミ準位Efに至るエネルギーであり、フェルミ準位
は不純物の種類や濃度等に依存する。即ち、固有の仕事
関数の小さい材料を電極層として使用することで、n型
不純物濃度を上げた場合と等価な効果を得ることが可能
になる。
【0040】例えばSiの仕事関数は約4.05〜5.
17eVであるが、SiGeは少なくともこの仕事関数
の範囲が全体的に小さい。同じSi系の化合物材料であ
ることからプロセス上のマッチングも良い上に、仕事関
数も小さく、同様な結晶状態の材料に同じ量のn型不純
物をドーピングした場合には、Si層に較べSiGe層
の方が小さい仕事関数が得られ、ポリSi層内により多
くの不純物をドーピングした場合と同様に、空乏層の発
生を抑制する効果が得られる可能性がある。
【0041】第1の実施の形態に係る半導体装置のよう
に、デュアルゲート構造のCMOSトランジスタを形成
する場合は、プロセス上の要請からドーピング量は3×
10 20/cm 程度にとどまり、それ以上に上げる
ことは難しいが、従来使用していたポリSiにかえて、
SiGe層を利用した場合は、そもそも仕事関数が小さ
いため、同程度のドーピング量で空乏層の発生を抑制
し、空乏層の厚みを減少させることができる。この結
果、空乏層に起因する変動容量の発生が抑えられるの
で、図2に示すように、容量値の電圧依存性を極めて小
さく抑えることが可能になる。空乏層の影響を除くこと
ができるので、より誘電体層の厚みを薄くでき、容量素
子全体のさらなる微細化も可能になる。
【0042】一方、第1の実施の形態では、同時にデュ
アルゲート構造のCMOSトランジスタのゲート電極を
も従来のポリSiにかえて、SiGe層で形成している
が、これは単に容量素子の電極と同一工程を用いてゲー
ト電極の形成が可能であるというプロセス上のメリット
ばかりでなく、ゲート電極をSiGe層にすることによ
り、容量素子の電極の場合と同様に、ゲート電極内での
空乏層の発生を抑制し、空乏層の存在に起因するしきい
値電圧の上昇や変動を防止し、駆動力をアップさせると
ともにトランジスタの信頼性を高めるという効果を得る
ことができる。
【0043】次に、図3(a)〜図3(e)を参照しな
がら、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の
一例について説明する。
【0044】まず、図3(a)を参照して、SiGe層
40の形成までの工程について説明する。同図に示すよ
うに、Si半導体基板10の上層の必要箇所に、埋め込
み型の素子分離領域であるSTI層20を形成する。な
お、この素子分離領域は埋め込み型に限らず、熱酸化膜
等によるLOCOS(Local Oxidation of Silico
n)で形成してもよい。このSTI層20により活性領
域とそれ以外の領域を分離する。この後、CMOS形成
領域のうちpMOS形成領域にはn型不純物をイオン注
入し、nMOS形成領域には、p型不純物イオンを注入
し、アニール工程を経て活性化することによりチャネル
形成領域より十分深いnウエル領域11とpウエル領域
12とを形成する。
【0045】次に、基板表面に厚み約10nmのSiO
膜からなるゲート絶縁膜30を形成し、さらに、ゲー
ト電極および容量素子の下部電極を構成する、例えば厚
み約100nmのSiGe層40を形成する。
【0046】SiGe層40の形成方法は特に限定され
ないが、例えば減圧CVD法を用いて形成することがで
きる。成膜条件としては、例えば圧力を約1300〜2
000Pa、基板温度を約650〜750℃を用いるこ
とができる。ガス源は、Si材料ガスとしてはSi
、SiHCl、SiH等を、Ge材料ガスと
してはGeH等をそれぞれ用いることができる。Si
Ge層中のSiとGeの組成比は、ガス流量比で調整で
きる。この組成比は特に限定されないが、組成比はバン
ドギャップや仕事関数に反映するので、少なくとも空乏
層が形成されない仕事関数値になるよう不純物濃度とと
もに設計することが好ましい。例えばSiとGeの組成
比が80:20〜70:30になるように調整する。
【0047】SiGe層40を形成したら、pMOS形
成領域をレジスト膜で覆い、n型不純物であるP(リ
ン)を、nMOS形成領域と容量素子形成領域のSiG
e層40にドーピングする。なおn型不純物濃度は、例
えば、3×1020/cmとする。少なくとも、ゲー
ト絶縁膜を介してゲート電極とチャネル領域間で電界破
壊等が生じない条件で行う。この後、同様に、nMOS
形成領域と容量素子形成領域のSiGe層をレジスト膜
で覆い、p型不純物であるB(ボロン)をpMOS形成
領域のSiGe層40にドーピングする。その後、アニ
ール工程を経て、ドーピング不純物を活性化する。次に
図3(b)に示すように、SiGe層40上に、容量素
子の誘電体層となる絶縁層50を減圧CVDもしくは熱
酸化法等を利用して形成する。絶縁層50としては、S
iO膜、SiON膜、SiN膜、もしくはSiO
とSiN膜との積層膜であるONO膜等を用いることが
できる。絶縁層50の厚みは、例えば絶縁層50の容量
がSiO膜単体で10nm〜30nmに相当するよう
に設定する。
【0048】さらに、同図に示すように、絶縁層50上
に容量素子の上部電極を構成するSiGe層60を形成
する。SiGe層60は、ESiGe層40と同様な方
法で作製することができる。
【0049】次に、図3(c)に示すように、フォトリ
ソ工程を用いて、レジストマスク70を形成し、RIE
(Reactive Ion Etching)法等を用いてSiGe層6
0と絶縁層50のエッチングを行い、容量素子の上部電
極61及び誘電体層51を形成する。不要になったレジ
ストマスク70はこの後剥離除去する。
【0050】続けて、図3(d)に示すように、フォト
リソ工程を用いて、レジストマスク80を形成し、RI
E法等を用いてSiGe層40のエッチングを行い、容
量素子の下部電極41とpMOS用ゲート電極42、n
MOS用ゲート電極43を形成する。なお、下部電極4
1は電極の引き出しが可能なように、上部電極61より
広くパターニングすることが望ましい。不要になったレ
ジストマスク80は、この後剥離除去する。ここまでの
工程で、容量素子が形成される。
【0051】この後は、従来用いられている製造手順に
従って、CMOS構造を作製すればよい。即ち、図3
(e)に示すように、ゲート電極42、43をマスクの
一部に用いて不純物のイオン注入をそれぞれの領域に行
い、自己整合的にまず、ソース/ドレインのエクステン
ション(LDD)領域13a〜16aを形成する。
【0052】続いて、図1を参照するように、各ゲート
電極42、43の両サイドにゲート側壁35、36を形
成し、さらにこれらをマスクの一部として用いてそれぞ
れの不純物を自己整合的にイオン注入して、さらにアニ
ール工程を経ることにより、pMOS領域には、p型の
ソース/ドレイン領域13、14を、nMOS領域に
は、n型のソース/ドレイン領域15、16を形成す
る。
【0053】この後、必要に応じてサリサイド工程を加
えてもよい。即ち、各ソース/ドレイン領域13〜16
を露出させ、その基板表面にシリサイド可能な金属、例
えばCoを形成し、アニールを行い、各ソース/ドレイ
ン領域の露出部とゲート電極42、43の露出部を自己
整合的にシリサイド化する。
【0054】さらに、層間絶縁膜、導電ビア、引き出し
配線等を必要に応じて形成する。
【0055】以上に説明するように、本発明の第1の実
施の形態では、容量素子の上部電極及び下部電極、並び
にCMOSトランジスタの各ゲート電極をSiGe層に
することにより、従来のプロセスに大幅な変更を加える
ことなく、容量素子においては、容量値の電圧依存性を
低減し、CMOSトランジスタにおいては、駆動力の改
善を図ることができる。
【0056】(第2の実施の形態)第2の実施の形態
は、第1の実施の形態の第1の変形例を示すものであ
る。
【0057】図4(a)に、第2の実施の形態に係る半
導体装置の基本的構造を示す。同図に示すように、第2
の実施の形態に係る半導体装置は、第1の実施の形態に
係る半導体装置とほぼ共通する構造を有するが、CMO
Sトランジスタと容量素子とを有する半導体装置におい
て、各ゲート電極42、43と、容量素子の下部電極4
11のみをSiGe層で形成している。
【0058】即ち、Si半導体基板10の上層は、素子
分離領域であるSTI層20により、活性領域とそれ以
外の領域に分離されており、容量素子は、STI層20
上に形成され、SiGe層からなる下部電極411、誘
電体層51、およびポリSi層からなる上部電極61の
積層構造で構成されている。
【0059】第2の実施の形態に係る半導体装置では、
容量素子の下部電極411のみをSiGe層で形成し、
上部電極61はポリSi層で形成している。このよう
に、容量素子の電極は、上部電極もしくは下部電極のい
ずれか一方をSiGe層で形成した場合は、少なくとも
SiGe層で構成される電極内での空乏層の発生を抑制
できるので、従来の容量素子に比較し、容量の電圧依存
性をかなり低下させることができる。
【0060】一方、Si半導体基板10上のCMOS形
成領域には、第1の実施の形態と同様に、デュアルゲー
ト構造のpMOSとnMOSが形成されており、各MO
Sトランジスタには、SiGe層からなるゲート電極4
2、43を形成している。従って、CMOSトランジス
タにおいては、第1の実施の形態の場合と同様に、ゲー
ト電極内の空乏層の発生を抑制し、トランジスタの駆動
力を改善し、信頼性を高めることができる。
【0061】また、第2の実施の形態に係る半導体装置
は、図3(a)〜図3(e)に示す第1の実施の形態に
係る製造方法において、SiGe層60の代わりにポリ
Si層を形成することで得られる。また、SiGe層6
0の代わりに形成するポリSi層は、ゲート電極に使用
するものではないため、不純物のドーピング方法はイオ
ン注入法に限らず使用することができる。よって、ゲー
ト電極の場合に比較しより高い不純物濃度とし、空乏層
の形成を抑制することも可能である。
【0062】なお、第2の実施の形態では、容量素子の
上部電極61をポリSi層で形成する例を示している
が、空乏層の発生がないメタル配線材料等で形成しても
よい。
【0063】(第3の実施の形態)第3の実施の形態
は、第1の実施の形態の第2の変形例を示すものであ
る。
【0064】図4(b)に、第3の実施の形態の基本的
構造を示す。同図に示すように、第3の実施の形態に係
る半導体装置は、CMOSトランジスタと容量素子とを
有する半導体装置において、各ゲート電極並びに、容量
素子の下部電極及び上部電極が、少なくともゲート絶縁
膜31、32もしくは誘電体層51に接する側にSiG
e層412b、611a、431a、421aを備えて
いることを特徴とする。
【0065】同図に示すように、容量素子は、STI層
20上に形成され、下部電極412、誘電体層51、お
よび上部電極611からなる積層構造で構成されてい
る。下部電極412は、さらに、下層のポリSi層41
2aと誘電体層51側に接する上層のSiGe層412
bとの積層構造を有し、上部電極611は、誘電体層5
1側に接する下層のSiGe層611aと上層のポリS
i層611bとの積層構造を有する。
【0066】このように、第3の実施の形態に係る容量
素子は、少なくとも誘電体層51の界面に接する電極部
分をSiGe層で構成している。空乏層の発生は、誘電
体層51との界面に接する電極層の状態で決まるため、
上部電極611および下部電極412の少なくとも誘電
体層に接する側をSiGe層で形成しておけば、第1の
実施の形態に係る容量素子のように上部電極および下部
電極を単層のSiGe層で形成した場合と同様に、空乏
層の発生抑制効果が得られる。よって、第1の実施の形
態と同様なレベルで従来の容量素子に比較し、容量の電
圧依存性を低下させることができる。
【0067】一方、Si半導体基板10上のCMOS形
成領域には、第1の実施の形態と同様に、デュアルゲー
ト構造のpMOSとnMOSとが形成されており、各M
OSトランジスタのゲート電極421、431は、ゲー
ト絶縁膜31、32に接する側である下層にSiGe層
421a、431aを有し、上層にポリSi層421
b、431bを形成している。CMOSトランジスタに
おいても、ゲート絶縁膜界面側にSiGe層を形成して
いれば、ゲート電極内の空乏層の形成が抑制され、トラ
ンジスタの駆動力が向上する。
【0068】なお、第3の実施の形態に係る半導体装置
を作製する際は、容量素子の上部電極611とCMOS
トランジスタのゲート電極421、431の構造が等し
いので、これらを同一層として形成することが好まし
い。この場合は、予め容量電極の下部電極412と誘電
体層51とゲート絶縁膜31、32を先に形成し、その
上で、ゲート電極421、431および容量素子の上部
電極611を同一層で形成するとよい。
【0069】また、SiGe層とポリSi層との積層構
造については、減圧CVD法を用いてSiガス源とGe
ガス源との流量比を調整することによって同一チャンバ
ーを用いて連続的に形成できる。なお、積層構造の組成
は厚み方向にSiとGe組成が連続的に変化するもので
あってもよい。
【0070】また、この構成では、ゲート電極421、
431の上層がポリSi層で構成されるので、サリサイ
ド工程を用いてシリサイド化を行う場合には、上層がS
iGe層である場合に較べ、Geが含まれない分、シリ
サイド電極をより低抵抗化することができる可能性も高
い。
【0071】このように、ゲート電極もしくは容量素子
の上部電極および下部電極には、単層のSiGe層を使
用するばかりでなく、少なくともゲート絶縁膜側もしく
は誘電体層側にSiGe層を形成していれば、単層のS
iGe層を利用したときと同様な効果を得ることができ
る。
【0072】(第4の実施の形態)第4の実施の形態
は、第1の実施の形態の第3の変形例を示すものであ
る。
【0073】図4(c)に、第4の実施の形態の基本的
構造を示す。同図に示すように、第4の実施の形態に係
る半導体装置は、CMOSトランジスタと容量素子とを
有する半導体装置において、各ゲート電極421、43
1並びに容量素子の上部電極611が、少なくともゲー
ト絶縁膜31、32もしくは誘電体層51に接する側に
SiGe層を備えているものである。
【0074】同図に示すように、STI層20上に形成
される容量素子は、下部電極413、誘電体層51、お
よび上部電極611の積層構造で構成されている。下部
電極413はポリSi層で形成されているが、上部電極
611は、さらに、誘電体層51側に接する下層のSi
Ge層611aと上層のポリSi層611bとで構成さ
れている。
【0075】このように、第4の実施の形態に係る容量
素子は、少なくとも上部電極611の誘電体層の界面に
接する側にSiGe層611aを有しているので、少な
くとも上部電極611内の空乏層の発生を抑制すること
ができる。即ち、第2の実施の形態の場合と同様に従来
の容量素子に比較し、容量の電圧依存性をかなり低下さ
せることができる。
【0076】また、Si半導体基板10上のCMOS形
成領域の構成は、第3の実施の形態の場合に等しく、ト
ランジスタの駆動力を向上させることができる。
【0077】なお、第4の実施の形態に係る半導体装置
は、上述する第3の実施の形態に係る半導体装置の製造
方法を利用して作製することができる。
【0078】(第5の実施の形態)上述する第1〜第4
の実施の形態では、容量素子の電極およびCMOSトラ
ンジスタのゲート電極の双方にSiGe層あるいはSi
Ge層を含む積層電極を用い、容量素子とトランジスタ
との双方について特性の改善を図る例について説明した
が、容量素子の電極のみにSiGe層を形成し、主に容
量素子の電圧依存性の改善を目的とした構造としてもよ
い。
【0079】第5の実施の形態に係る半導体装置の構成
を図5(a)に示す。同図に示すように、CMOSトラ
ンジスタの構成は、従来のものと基本的におなじである
ため説明を省略するが、それぞれのゲート電極422、
432は、ポリSi層で形成している。一方、素子分離
領域であるSTI層20上に形成された容量素子では、
下部電極413はゲート電極422、432と同様にポ
リSi層で形成するが、誘電体層51を挟んで上部電極
612はSiGe層で形成している。よって、容量素子
の上部電極612内での空乏層の形成を抑制し、空乏層
に伴う変動容量値の発生を抑制し、電圧依存性が低い容
量素子を提供できる。
【0080】なお、容量素子の下部電極413とCMO
Sトランジスタの各ゲート電極422、432は、いず
れもポリSi層であるため、同一層で形成できる。ま
た、基本的な製造方法は第1の実施の形態とほぼ同様な
製造方法を用いればよい。
【0081】(第6の実施の形態)第6の実施の形態に
係る半導体装置の構成を図5(b)に示す。第6の実施
の形態に係る半導体装置は、上述する第5の実施の形態
の変形例である。同図に示すように、容量素子の下部電
極414を下層のポリSi層414aと誘電体層51側
に接する上層のSiGe層414bで構成している。ま
た、上部電極613をポリSi層で構成している。この
構成において、少なくとも容量電極の下部電極において
空乏層の形成が抑制されるため、容量値の電圧依存性が
かなり低減できる。
【0082】CMOSトランジスタ領域に形成した各ゲ
ート電極423、433も、容量素子の下部電極414
と同様に、下層がポリSi層423a、433a、上層
がSiGe層で構成されている。よって、第5の実施の
形態の場合と同様に、容量素子の下部電極414とCM
OSトランジスタの各ゲート電極423、433を同一
層で形成することができる。
【0083】(第7の実施の形態)第7の実施の形態に
係る半導体装置の構成を図5(c)に示す。第7の実施
の形態に係る半導体装置も、上述する第5の実施の形態
の変形例である。ここでは、同図に示すように、容量素
子の下部電極414を下層のポリSi層414aと誘電
体層51側に接する上層のSiGe層414bとで構成
するとともに、上部電極614も、下層の誘電体層51
に接する側にSiGe層614aを形成し、上層にポリ
Si層614bを形成している。この構成においては、
容量電極の上部電極および下部電極の双方を単一のSi
Ge層で形成した場合と同様に、各電極内での空乏層の
形成を抑制できるため、容量値の電圧依存性を大幅に低
減できる。
【0084】CMOSトランジスタ領域に形成した各ゲ
ート電極423、433も、容量素子の下部電極414
と同様に、下層がポリSi層423a、433a、上層
がSiGe層で構成されている。よって、第5の実施の
形態の場合と同様に、容量素子の下部電極414とCM
OSトランジスタの各ゲート電極423、433を同一
層で形成することができる。
【0085】以上、各実施の形態に沿って、本発明の半
導体装置について説明したが、本発明はこれらの実施の
形態の記載に限定されるものではない。種々の改良や置
換が可能なことは、当業者に明らかである。
【0086】例えば、容量電極材料としてSiGe層お
よびポリSi層の例のみを挙げているが、上部電極もし
くは下部電極の少なくとも一方をMo、W、Ti等の高
融点金属で形成してもよい。また、上部電極について
は、後続するプロセスの温度条件がそれほど高温を必要
としない場合は、AlやCu等のより広い種々の材料を
用いることもできる。
【0087】また、上述する実施の形態では、容量素子
の上部電極もしくは下部電極とMOSトランジスタのゲ
ート電極とを同一層で形成する場合について説明した
が、同一層で形成する必要は必ずしもない。さらに、容
量素子の位置は素子分離領域であるSTI層上に形成す
る必要は必ずしもなく、STI層上にさらに絶縁膜を介
して形成してもよいし、活性領域の上方にいずれかの層
間絶縁膜上に形成するものであってもよい。
【0088】以上に説明するように、本実施の形態に係
る半導体装置は、容量値の電圧依存性を低く抑えた容量
素子を提供できるため、アナログ・デジタル変換回路へ
の応用に適したものである。
【0089】
【発明の効果】以上、説明するように、本発明の半導体
装置の第1の特徴によれば、容量素子の上部電極もしく
は下部電極の少なくとも誘電体層側に、Siより小さい
仕事関数を持つSi化合物層、例えばSiGe層を用い
るため、電極内での空乏層の発生を抑制し、容量素子全
体の容量値の電圧依存性を低減できる。よって、印加電
圧の値に関わらず安定した容量値を提供できる。また、
MOSトランジスタのゲート電極においても、少なくと
もゲート絶縁膜側にSiGe層を形成するため、ゲート
電極の空乏化を抑制し、トランジスタの駆動性を向上で
きる。このようにSiGe層の使用は、MOSトランジ
スタと容量素子双方の特性を向上させ、信頼性高いデバ
イスを提供できる。
【0090】本発明の半導体装置の第2の特徴によれ
ば、容量素子の上部電極もしくは下部電極の誘電体層界
面に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物、例え
ばSiGe層を用いるため、電極内での空乏層の発生を
抑制できる。よって、電圧依存性が大きい空乏層に起因
する容量の割合が減少するため、容量素子全体の容量値
の電圧依存性を低減できる。印加電圧の値に関わらず安
定した容量値を提供できる。空乏層の発生を抑制できる
ので、誘電体層の一層の薄膜化、容量素子の縮小化も可
能となる。
【0091】本発明の半導体装置の製造方法の第1の特
徴によれば、同一工程で、容量素子の下部電極と、MO
Sトランジスタのゲート電極とをSiより小さい仕事関
数を持つSi化合物、例えばSiGe層で形成できるた
め、プロセス上の負担なく、電圧依存性の少ない容量素
子と、駆動性が良好なMOSトランジスタとを提供でき
る。
【0092】本発明の半導体装置の製造方法の第2の特
徴によれば、同一工程で、少なくとも誘電体層側もしく
はゲート絶縁膜側にSiより小さい仕事関数を持つSi
化合物層、例えばSiGe層を有する容量素子の上部電
極と、MOSトランジスタのゲート電極とを形成できる
ため、プロセス上の負担なく、電圧依存性の少ない容量
素子と、駆動性が良好なMOSトランジスタを提供でき
る。
【0093】本発明の半導体装置の製造方法の第3の特
徴によれば、容量素子とMOSトランジスタとを同一基
板上に製造上の負担なく形成でき、しかも電圧依存性の
少ない容量素子と、駆動性が良好なMOSトランジスタ
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体装置の構造を示
す装置断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る容量素子の電圧依存性
を示すグラフである。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程
を示す各工程での装置断面図である。
【図4】第2〜第4の各実施の形態に係る半導体装置の
構成を示す装置断面図である。
【図5】第5〜第7の各実施の形態に係る半導体装置の
構成を示す装置断面図である。製造工程を示す各工程で
の装置の部分断面図である。
【符号の説明】 10 Si半導体基板 11 nウエル層 12 pウエル層 13〜16 ソース/ドレイン領域 20 STI層 30〜32 ゲート絶縁膜 35、36 ゲート側壁 41 下部電極 51 誘電体層 61 上部電極 70、80 レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8238 H01L 29/78 301G 27/092 29/43 29/78 Fターム(参考) 4M104 BB01 BB36 BB38 BB40 CC05 DD02 DD45 DD65 EE05 EE17 FF13 GG09 GG10 GG14 GG19 HH20 5F033 HH03 LL04 LL09 PP03 PP09 VV06 VV10 XX00 5F038 AC05 AC16 AC17 AV06 DF03 EZ02 EZ13 EZ14 EZ16 EZ17 EZ20 5F040 DA00 DA05 DB03 DB09 DC01 EC01 EC02 EC04 EC11 EC13 EF02 EH02 EK01 EK05 FA03 FB02 5F048 AA08 AC03 AC10 BB04 BB06 BB07 BB08 BB12 BB13 BC06 BE03 BF06 BG12 BG14 DA09 DA23

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に絶縁層を介して形成され
    た下部電極と、前記下部電極上に形成された誘電体層
    と、前記誘電体層上に形成された上部電極とを備え、前
    記下部電極もしくは上部電極が、少なくとも前記誘電体
    層と接する側に、Siより小さい仕事関数を持つSi化
    合物層を有する容量素子と、 前記半導体基板層の上層に形成された第1導電型のウエ
    ルと、前記ウエル上層に形成された第2導電型のソース
    領域およびドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレ
    イン領域との間に露出する前記ウエルを覆うように形成
    されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成さ
    れ、少なくとも前記ゲート絶縁膜と接する側にSiより
    小さい仕事関数を持つSi化合物層を持つゲート電極と
    を備えるMOSトランジスタとを有することを特徴とす
    る半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記Si化合物層が、SiGe層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記容量素子の前記上部電極もしくは前
    記下部電極と、前記MOSトランジスタの前記ゲート電
    極とが、同一のSiGe層から形成されることを特徴と
    する請求項2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記容量素子の前記上部電極と、前記M
    OSトランジスタの前記ゲート電極とが、下層にSiG
    e層、上層にポリSi層からなる積層構造を持つ同一の
    電極層から形成されることを特徴とする請求項2に記載
    の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記MOSトランジスタは、 デュアルゲート構造のCMOSトランジスタを構成する
    ものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 同一半導体基板上にデュアルゲート構造
    のCMOSトランジスタと容量素子とを混載する半導体
    装置であって、 前記容量素子が、 下部電極と、 前記下部電極上に形成された誘電体層と、 前記誘電体層上に形成された上部電極とを有し、 前記上部電極もしくは下部電極の少なくとも一方が、前
    記誘電体層と接する側に、Siより小さい仕事関数を持
    つSi化合物層を備えることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記Si化合物層が、SiGe層である
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記上部電極もしくは下部電極の少なく
    とも一方が単層のSiGe層で形成されていることを特
    徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記上部電極もしくは下部電極の少なく
    とも一方がSiGe層とポリSi層とを含む積層構造の
    電極層で形成されていることを特徴とする請求項7に記
    載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 同一半導体基板上に容量素子とMOS
    トランジスタとを有する半導体装置の製造方法におい
    て、 基板表面に、Siより小さい仕事関数を持つSi化合物
    層からなる電極層を形成する工程と、 前記電極層を選択的にエッチングすることにより、前記
    容量素子の下部電極と前記MOSトランジスタのゲート
    電極とを同一工程で形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記Si化合物層が、SiGe層であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 同一半導体基板上に容量素子とMOS
    トランジスタとを有する半導体装置の製造方法におい
    て、 基板表面に、少なくとも下層側に、Siより小さい仕事
    関数を持つSi化合物層からなる電極層を形成する工程
    と、 前記電極層を選択的にエッチングすることにより、前記
    容量素子の上部電極と前記MOSトランジスタのゲート
    電極とを同一工程で形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記Si化合物層が、SiGe層であ
    ることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記電極層は、下層にSiGe層を有
    し、上層にポリSi層を有するものであることを特徴と
    する請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 半導体基板層に、素子分離領域を形成
    する工程と、 前記素子分離領域で画定された半導体基板層領域に第1
    導電型のウエルを形成する工程と、 この基板表面に、ゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上に、Siより小さい仕事関数を持つ
    Si化合物層からなる第1電極層を形成する工程と、 前記第1電極層上に、絶縁体層を形成する工程と、 前記絶縁体層上に、第2電極層を形成する工程と、 前記第2電極層および前記絶縁体層とを選択的にエッチ
    ングし、前記素子分離領域上方に、容量素子の上部電極
    および誘電体層をパターニングする工程と、 前記第1電極層を選択的にエッチングし、容量素子の下
    部電極とMOSトランジスタのゲート電極とを同時にパ
    ターニングする工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記電極層は、下層にSiGe層を有
    し、上層にポリSi層を有するものであることを特徴と
    する請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第2電極層が、少なくとも前記絶
    縁体層側にSiGe層を有するものである請求項16に
    記載の半導体装置の製造方法。
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