JP2002201706A - 減勢工 - Google Patents
減勢工Info
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Abstract
い構造で、しかも下水等の滞留が生じ難い構造の減勢工
を提供する。 【解決手段】流入口1a及び流出口1bを有する減勢槽
1内に、堰2を流出口1bに対して所定の間隔をあけて
設けるとともに、堰2に貫通穴2b(またはスリット)
形成して、堰2の上流側と下流側とを連通する。また、
堰2の上端を、減勢槽1の流入口1aに接続される流入
管3の管底に対し、流入管3の管径の1/4以上高い位
置とする。さらに、減勢槽1の流入口1aの上流側に流
入口1aに向けて水平に延びる水平流路を形成する。
Description
た下水管(傾斜配管)などの管渠から放流される高速水
流を減勢するのに用いられる減勢工に関する。
される下水は高速であるため、そのまま放流すると、公
共管やポンプ塔などの施設を損傷するおそれがある。こ
のため高速水流のエネルギを減勢する設備を設ける必要
がある。
は減勢工が知られている。減勢工としては、例えば図1
6に示すように、減勢槽(減勢池)101の下流部に堰
102を設け、傾斜下水管などの管渠103から流出す
る水流の運動エネルギを跳水現象により減勢させる跳水
型減勢工がある。なお、このような跳水式減勢工では、
堰102の上流側の跳水渦領域に、バッフルピアやシル
など、水流を衝突分散させる補助構造物を設けて減勢効
果を高めるという方法も採られている。
す構造の減勢工において、十分な減勢効果を得るには、
跳水長L(跳水を起こさせるために必要な長さ)を大き
くとる必要があるため、減勢工全体の規模が大きくなっ
てしまうという問題がある。
渠103から流出する水流が減勢槽101内に噴射状に
開放されるので、管渠103から減勢槽101内に連行
される空気量が多い。特に、管渠103に流入する下水
等が多量で、管内の水流が射流(ジェット流)状態とな
る場合、減勢槽101内への空気連行量が非常に多くな
るため、減勢槽101に通気孔などの排気設備が必要と
なる。しかも、下水管等からの連行空気は臭いため、外
部への排気を行うと減勢工の周辺に悪臭が漂うという問
題もある。
を設けているため、減勢槽内に汚水等が滞留する可能性
がある。減勢槽内で滞留が生じても減勢のメカニズム上
の問題はないが、悪臭の発生や衛生面等において好まし
い状況とは言えないので、滞留が起こらないような構造
が望まれる。
もので、規模が小さくて減勢槽への空気連行量が少ない
構造で、しかも下水等の滞留が生じ難い構造の減勢工の
提供を目的とする。
地に配管された下水管などの管渠から放流される高速水
流を減勢するのに用いられる減勢工であって、流入口及
び流出口を有する減勢槽と、その減勢槽の流出口の前方
に所定の間隔をあけて配置された堰を備え、その堰に
は、流入口側と流出口側とを連通する貫通穴またはスリ
ットが形成されているとともに、堰の上端が、減勢槽の
流入口に接続される流入管の管底に対し、流入管の管径
の1/4以上高い位置にあることによって特徴づけられ
る。
下水等は、減勢槽の流入口を通じて内部に流入する。減
勢槽に流入した水流は、減勢槽内の堰によって上昇渦流
となり、堰に沿って上方にせり上がってゆき、堰を越流
して流出管に流入する。
流入した水流を、堰によって強制的にせり上がらせるこ
とにより、減勢槽の高さ方向において水流の運動エネル
ギを発散(減勢)させているので、減勢槽の流入口と堰
との間の距離が短くても、十分な減勢効果を得ることが
できる。
する堰の上端は、減勢槽の流入口に接続される流入管の
管底に対し、流入管の管径の1/4以上高い位置であ
り、より好ましくは、流入管の管径の1/2よりも高い
位置である。堰の上端位置が、流入管の管径の1/4よ
りも低い位置にあると、目的とする減勢効果が得られな
い。
の流入口を堰の上端よりも下方に配置することが好まし
い。このようにすると、減勢槽への流入水が堰を越流し
ている状態では、管渠からの噴流水は減勢槽内に溜まっ
ている溜水の水中に流入することになる。これにより、
射流により多量の空気が管渠から連行されても、その連
行空気は、減勢槽内の溜水の存在によって減勢槽内への
浸入が阻止され、その殆どが管渠に戻される。なお、連
行空気の一部は減勢槽内の溜水中に浸入し水面から破泡
するが、その量はごく僅かであるので、特に排気設備な
どを設ける必要はない。
合、下水等は減勢槽内の堰の前部で水位上昇し、堰に設
けた貫通穴(またはスリット)から流出し、流入管に入
る。なお、大量の下水等が減勢槽内に流入する場合、堰
に設けた貫通穴(またはスリット)の存在に関係なく、
堰を越流して流出管に流れる。
少量(堰の前部で水位上昇しない水量)である場合に
は、減勢槽内に流入した下水等は、堰に設けた貫通穴
(またはスリット)を通過して流出管に流れるので、減
勢槽内に下水等が滞留することはない。
は、下水等に含まれる汚物などが通過できる程度の大き
さとすることが好ましい。
する堰として、流入口側の面が湾曲している堰を用いる
と、水流の拡散効果が大きくなり、減勢槽内での減勢効
果をより一層高めることができる。
の上流側に、流入口に向けて水平に延びる水平流路を形
成することが好ましい。このような水平流路を設けてお
くと、流入管を流れる下水等が、減勢槽内に水平な流れ
として流入するので、減勢効果を更に高めることができ
る。
と減勢槽の流入口に接続される流入管の管内部とを連通
する空気バイパス用通路を設けておいてもよいし、ま
た、減勢槽内の上部と減勢槽の流出口に接続される流出
管の管内部とを連通する空気バイパス用通路を設けてお
いてもよい。さらに、それら流入側の空気バイパス用通
路と流出側の空気バイパス用通路の双方を設けておいて
もよい。
基づいて説明する。
図である。図2はその実施形態の水平断面図である。図
3は図2のX−X断面図である。
水管(傾斜配管)に敷設される減勢工であって、減勢槽
1と、その内部に配置された堰2を備えている。
及び流出口1bが設けられている。なお、減勢槽1はコ
ンクリート製に限定されるものではない。
あけて配置されている。堰2の底部には傾斜面2aが形
成されている。この傾斜面2aは、流入口1aから減勢
槽1内に流入した水流の向きを上方(鉛直方向)に効率
良く誘導することを目的として形成される。
の貫通穴2bを介して堰2の上流側と下流側とが連通し
ている。なお、貫通穴2bの大きさは、下水等に含まれ
る汚物などが通過できる程度の大きさ、例えばφ50m
m〜φ100mm程度とする。また、貫通穴の形状は、
円形のほか楕円や四角形等であってもよい。
それぞれ流入管(下水管)3及び流出管4が接続され
る。流入管3には、減勢槽1の流入口1aに向けて水平
に延びる水平管路30が形成されている。
一致する高さに設定されている。また、流出管4の管底
4aも減勢槽1の底面と略一致する高さに設定されてい
る。
の流入口1aの手前の水平管路30にて方向が変更さ
れ、減勢槽1内に水平な流れとして流入する。減勢槽1
に流入した水流は、減勢槽1内の堰2によって上昇渦流
となり、堰2に沿って上方にせり上がってゆき、堰2を
越流して流出管4に流入する。その越流状態のときに、
図1に示すような水面形が形成され、跳水高さHが非常
に高くなる。
流入した水流を、堰2によって強制的にせり上がらせる
ことにより、減勢槽1の高さ方向において水流の運動エ
ネルギを発散(減勢)させているので、減勢槽1の流入
口1aと堰2との間の距離が短くても、十分な減勢効果
を得ることができる。従って、減勢槽1の高さは少し高
くなるものの、減勢工全体の規模を小さくすることがで
きる。
に、減勢槽1への流入水が堰2を越流している状態、つ
まり減勢槽1内に多量の下水が流入している状態では、
流入管3からの噴流水は減勢槽1内に溜まっている溜水
の水中に流入するので、流入管3を流れる噴流により多
量の空気が減勢槽1に向けて連行されても、その連行空
気は、減勢槽1内の溜水の存在によって減勢槽1内への
浸入が阻止され、その殆どが流入管3に戻される。な
お、連行空気の一部は減勢槽1内の溜水中に浸入し水面
から破泡するが、その量はごく僅かであるので、特に排
気設備などを設ける必要はない。
減勢槽1内に流入する下水の水量が少量(堰を越えない
水量)である場合、減勢槽1内に流入した下水は、堰2
の貫通穴2bを通過して流出管に流れるので、減勢槽1
内に下水が滞留することはない。
すように、堰2の流入口1b側の面を、緩やかに傾斜す
る形状に加工しておいてもよい。
形成しているが、これに替えて、図5〜図7に示すよう
に、堰20の上端から減勢槽1の底部まで切れ込むスリ
ット21を設けておいてもよい。スリット21の幅は、
下水等に含まれる汚物などの大きさを考慮して決定す
る。
示すように、堰2の中央部に三角ブロック5を設けてお
いてもよい。このような三角ブロック5を設けておく
と、流出管4の内部で跳水が生じることを防止すること
ができ、減勢槽1内に流入した水流のエネルギをより効
果的に減勢することができる。なお、ブロックの断面形
状としては三角形のほか、台形等であってもよい。
22の壁面(流入口1a側の面)を略球状の湾曲面とす
れば、水流の拡散効果が大きくなり、減勢槽内での減勢
効果をより一層高めることができる。
うに、減勢槽1内の上部と、減勢槽1に接続される流入
管3の管内部とを連通する空気バイパス管6を設けて、
減勢槽1内の溜水中に浸入し水面から破泡した空気(連
行空気)を、流入管3に戻すようにしてもよい。また、
図13に示すように、減勢槽1内の上部と、減勢槽1に
接続される流出管4の管内部とを連通する空気バイパス
管7を設けて、減勢槽1内の溜水中に浸入し水面から破
泡した空気(連行空気)を、流出管4に逃がすようにし
てもよい。これら図12及び図13に示すような空気バ
イパス管6と空気バイパス管7の双方を減勢槽1に設け
ておいてもよい。なお、空気バイパス用通路としては、
コンクリートに形成した通気孔などであってもよい。
流入口1aに向けて水平に延びる水平管路30を形成し
ているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば
図14に示すように、傾斜配管(流入管)31をそのま
ま減勢槽1の流入口1aに接続するようにしてもよい。
ける流入口1aの位置を、堰2(流出口1b)と対向す
る位置としているが、これに限られることなく、例えば
図15の平面図に示すように、流入口1aを減勢槽1の
側部に設けてもよい。
ることなく、高速水流を放流する各種配管・管渠に適用
可能である。
よれば、減勢槽内に堰を設け、減勢槽に流入した水流
を、堰にて強制的にせり上がらせることにより、減勢槽
の高さ方向において水流の運動エネルギを減勢するよう
に構成しているので、減勢槽の流入部から堰までの距離
を短くすることができ、減勢工全体の規模を小さくする
ことができる。また、減勢槽内の堰に、流入口側と流出
口側とを連通する貫通穴またはスリットを設けているの
で、減勢槽内に下水等が滞留し難い。
流入管の管底よりも高い位置に配置しておけば、減勢槽
への流入水が堰を越流している状態のときに、下水管等
の管渠(流入管)からの噴流水が、減勢槽内に溜まって
いる溜水の水中に流入するようにしているので、管渠を
流れる射流により多量の空気が管渠から連行されても、
その連行空気が減勢槽内に入り込む量は少なくて済み、
排気設備・悪臭等の問題を解消することができる。
る。
る。
ある。
ある。
図である。
図である。
面図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 傾斜地に配管された下水管などの管渠か
ら放流される高速水流を減勢するのに用いられる減勢工
であって、 流入口及び流出口を有する減勢槽と、その減勢槽の流出
口の前方に所定の間隔をあけて配置された堰を備え、そ
の堰には、流入口側と流出口側とを連通する貫通穴また
はスリットが形成されているとともに、堰の上端が、減
勢槽の流入口に接続される流入管の管底に対し、流入管
の管径の1/4以上高い位置にあることを特徴とする減
勢工。 - 【請求項2】 堰の流入口側の面が湾曲していることを
特徴とする請求項1記載の減勢工。 - 【請求項3】 減勢槽の流入口の上流側に、流入口に向
けて水平に延びる水平流路が形成されていることを特徴
とする請求項1または2記載の減勢工。 - 【請求項4】 減勢槽内の上部と減勢槽の流入口に接続
される流入管の管内部とを連通する空気バイパス用通
路、または、減勢槽内の上部と減勢槽の流出口に接続さ
れる流出管の管内部とを連通する空気バイパス用通路の
いずれか一方または双方が設けられていることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の減勢工。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398039A JP3648157B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 減勢工 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398039A JP3648157B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 減勢工 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002201706A true JP2002201706A (ja) | 2002-07-19 |
JP3648157B2 JP3648157B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=18863083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000398039A Expired - Lifetime JP3648157B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 減勢工 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3648157B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010127020A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Takiron Co Ltd | 雨水排水配管構造 |
CN114592566A (zh) * | 2022-02-23 | 2022-06-07 | 武汉科技大学 | 一种用于降低水流能量的矩形消能井 |
-
2000
- 2000-12-27 JP JP2000398039A patent/JP3648157B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010127020A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Takiron Co Ltd | 雨水排水配管構造 |
CN114592566A (zh) * | 2022-02-23 | 2022-06-07 | 武汉科技大学 | 一种用于降低水流能量的矩形消能井 |
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---|---|
JP3648157B2 (ja) | 2005-05-18 |
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