JP2002201452A - 熱活性型光カチオン重合性液状接着剤 - Google Patents

熱活性型光カチオン重合性液状接着剤

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JP2002201452A
JP2002201452A JP2001000793A JP2001000793A JP2002201452A JP 2002201452 A JP2002201452 A JP 2002201452A JP 2001000793 A JP2001000793 A JP 2001000793A JP 2001000793 A JP2001000793 A JP 2001000793A JP 2002201452 A JP2002201452 A JP 2002201452A
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photocationically polymerizable
liquid adhesive
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Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短時間で接着力と耐熱性とを発現するとともに
長い可使時間を有し、光照射強度と光照射時間との最適
条件を容易に設定できる光カチオン重合性接着剤を提供
することを目的とする。また、充填剤を多量に添加して
も透明性を維持でき接着剤の深部にまで十分に光が届く
熱活性型光カチオン重合性液状接着剤を提供することを
目的とする。 【解決手段】エポキシ基を持つ化合物(1)、水酸基を
持つ化合物(2)、及び、光カチオン重合触媒(3)か
らなり、エポキシ基と水酸基との存在モル比が、エポキ
シ基:水酸基=100:0.1〜100:3である熱活
性型光カチオン重合性液状接着剤100重量部に対し
て、屈折率1.5〜1.6の透明充填剤を10〜100
重量部添加してなることを特徴とする熱活性型光カチオ
ン重合性液状接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により硬化反
応が活性化される光カチオン重合性液状接着剤及びこれ
を用いた部材の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅部材、自動車部材、建築用部材等の
部材については、近年、これら部材同士を接合する際に
接着剤が汎用されるようになってきた。このため、これ
らの用途に用いられる接着剤の改良が進んでいる。この
ような接着剤においては、近年、接着作業の時間短縮、
作業の簡略化のために貼り合わせた直後に十分な接着力
と耐熱性とを発現する接着剤が必要とされている。この
ような性能を発現する接着剤として、これまで、溶剤
型、2液混合型、湿気硬化性ホットメルト型、熱硬化型
等の接着剤が知られている。
【0003】しかしながら、溶剤型接着剤では短時間の
うちに大量の溶剤が揮発するので換気能力に優れた大が
がりな換気装置が必要である。また、溶剤を短時間で揮
発させるため接着剤を高温に加熱するので、溶剤型接着
剤は熱に弱い部材同士の貼り合わせには向いていないと
いった問題点があった。
【0004】2液混合型接着剤では、塗布前にあらかじ
め主剤と硬化剤とを混合する必要があるので作業が煩雑
となる欠点がある。また、短時間で十分な接着力と耐熱
性とを発現させようとすると、接着剤の可使時間が短く
なるといった問題点があった。
【0005】湿気硬化性ホットメルト型接着剤は、接着
剤の中心部に湿気が浸入しにくいため短時間のうちに接
着剤全体を硬化させることが難しく高い耐熱性を短時間
のうちに発現させるのが難しいといった問題点があっ
た。
【0006】熱硬化型接着剤は、接着剤を硬化させるた
めに高温で加熱する必要があるので、熱に弱い部材同士
の貼り合わせには向いていないといった問題点があっ
た。
【0007】そこで、大ががりな換気設備や煩雑な作業
が必要なく短時間で十分な接着力と耐熱性を発現させる
ことができる接着剤が望まれており、特開平9−125
012号公報には、新しい接着剤として光反応を利用し
た光硬化型接着剤が提案されている。
【0008】このような光硬化型接着剤は、硬化反応を
開始させることができる光が照射されるとすぐに硬化し
始め、すみやかに全体が硬化するので短時間のうちに接
着力と耐熱性を発現するのである。しかも、光反応を利
用しているので熱に弱い部材同士の貼り合わせにも適用
できるという利点も有している。
【0009】しかしながら、光硬化型接着剤としてもっ
ぱら用いられているのはラジカル反応を利用する光硬化
型アクリル接着剤などの光ラジカル重合性接着剤であ
り、カチオン反応を利用した光カチオン重合性接着剤
は、初期の光照射強度が強すぎると接着剤表面が硬化皮
膜で覆われてしまい十分な接着力が得られないという問
題点と、光照射強度が弱すぎると短時間で接着力を発現
するのが難しいという問題点とを有するので、最適な光
照射強度と光照射時間を設定するのが難しい欠点を有し
ており、これまであまり用いられることが少なかった。
【0010】また、光ラジカル重合性接着剤と光カチオ
ン重合性接着剤のいずれの光硬化型接着剤も光照射後に
徐々に硬化が進行し数分から数十分で接着剤がゲル化す
るので可使時間を長くとれないといった問題点もあっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記現状に鑑み、発明
者らは、液状の光カチオン重合性接着剤に対して水酸基
を持つ化合物をある割合で添加することと光カチオン重
合性接着剤に光を照射した後に加熱を行うことにより短
時間で接着力と耐熱性とを発現するとともに長い可使時
間を有し、光照射強度と光照射時間との最適条件を容易
に設定できる光カチオン重合性接着剤を提供できること
を発見した。しかしながら、このような熱活性型の光カ
チオン重合性接着剤に充填剤を添加すると充填剤の種類
や添加量によっては接着剤を不透明な液体としてしまい
光が接着剤の深部にまで十分に届かないといった問題点
があった。本発明は、熱活性型光カチオン重合性接着剤
に充填剤を多量に添加しても透明性を維持でき接着剤の
深部にまで十分に光が届く熱活性型光カチオン重合性液
状接着剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の熱活性型光カチ
オン重合性液状接着剤は、エポキシ基を持つ化合物
(1)、水酸基を持つ化合物(2)、及び、光カチオン
重合触媒(3)からなり、エポキシ基と水酸基との存在
モル比が、エポキシ基:水酸基=100:0.1〜10
0:3である熱活性型光カチオン重合性液状接着剤10
0重量部に対して、屈折率1.5〜1.6の透明充填剤
を10〜100重量部添加してなることを特徴とする。
以下に本発明を詳述する。
【0013】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤とは、光照射によりカチオン反応を開始するが常温
では接着剤の硬化がほとんど進行しないが、接着剤を加
熱すると硬化が急速に進行する接着剤であって、常温で
液状を呈する接着剤を意味する。
【0014】接着剤に含まれるエポキシ基と水酸基のモ
ル比を、水酸基のモル比が多くなるように調整すれば、
常温での接着剤の硬化が強く抑制され接着剤の可使時間
が長くなる。また、接着剤に含まれるエポキシ基と水酸
基のモル比を水酸基のモル比が小さくなるように調整す
れば、接着剤を低温でわずかな時間加熱するだけで硬化
が促進され、短時間で十分な接着力と耐熱性を発現す
る。
【0015】本発明は、接着剤に含まれるエポキシ基と
水酸基のモル比を適当な割合に調製することにより所望
の硬化挙動を示す熱活性型光カチオン重合性液状接着剤
を得る。
【0016】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤に含まれるエポキシ基と水酸基のモル比は、エポキ
シ基:水酸基=100:0.1〜100:3である。水
酸基の割合が0.1より少ないと光を照射している間あ
るいは照射した後すぐに接着剤が硬化してしまい十分な
接着力が得られない。また水酸基の割合が3よりも多い
と低温で加熱しただけでは接着剤を十分に硬化させるこ
とができない。
【0017】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤は、波長が365nmの紫外線を0.5〜5J/c
2 照射した後のエポキシ基の反応率が15%以下であ
ることが好ましい。15%を超えると、接着剤の硬化が
速すぎて充分な接着力を得ることができない。本発明の
熱活性型光カチオン重合性液状接着剤は、波長が365
nmの紫外線を0.5〜5J/cm2 照射した後、さら
に、60〜120℃で30〜180秒間加熱した後のエ
ポキシ基の反応率が50%以上になる接着剤が好まし
い。50%未満であると、低温で加熱しただけでは充分
に硬化させることができない。
【0018】本発明で用いるエポキシ基を持つ化合物
(1)としては、エポキシ樹脂が好適に用いられる。エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などが挙
げられる。
【0019】エポキシ基を持つ化合物(1)としては、
エポキシ基を持つオリゴマーも好適に用いることができ
る。エポキシ基を持つオリゴマーとしては、ビスフェノ
ールA型エポキシオリゴマーが好適である。
【0020】エポキシ基を持つ化合物(1)としては、
エポキシ基を持つモノマーもしくはオリゴマーを他の共
重合成分とともに共重合させた共重合体も好適に用いる
ことができる。共重合体としては、グリシジル(メタ)
アクリレートモノマーを他の任意のモノマーと共重合さ
せた共重合体が好適である。
【0021】さらに、エポキシ基を持つ化合物(1)と
しては、エポキシ基を持つモノマーもしくはオリゴマー
により変性されたエポキシ変性樹脂も好適に用いること
ができる。エポキシ変性樹脂としては、グリシジル化ポ
リエステル、グリジジル化ポリウレタン、グリシジル化
アクリルなどが好適である。なかでも、水酸基を持つア
クリル系ポリマーにエピクロルヒドリンを反応させて得
られたエポキシ変性アクリル樹脂や、分子末端にカルボ
キシル基を有するポリブタジエンと多官能エポキシモノ
マーもしくはオリゴマーを反応させて得られたエポキシ
変性ポリブタジエン樹脂などが好適である。
【0022】また、エポキシ基を持つ化合物(1)とし
ては、キレート変性エポキシ樹脂、ポリオール変性エポ
キシ樹脂も好適に用いることができる。なお、エポキシ
基を持つ化合物(1)は単独でも2種類以上の混合物で
もよい。
【0023】エポキシ基を持つ化合物(1)は、下記一
般式〔1〕:
【0024】
【化1】
【0025】(式中、m、nは自然数であり、m+nが
5以下である。R1、R2は、独立して、水素又はメチ
ル基を表す。)で表される化合物を10重量%以上含有
することが好ましい。上記化合物を10重量%以上含有
する接着剤は柔軟な硬化物となるので剥離強度が高まり
耐衝撃性にも優れている。
【0026】また、上記化合物は、m+nが5以下であ
れば、低温で短時間加熱するだけで接着剤が硬化するの
で熱に弱い部材同士を接着させることができる。m+n
が6以上であると接着剤を短時間の間に硬化させるため
には高温で加熱する必要があり熱に弱い部材の貼り合わ
せには好ましくない。
【0027】本発明で用いられる水酸基を持つ化合物
(2)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマー
ポリオール、ロジンオールなどが挙げられる。これらは
単独で用いられても2種類以上が併用されてもよい。
【0028】より好ましくは、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオー
ル、ロジンオールのなかから選ばれるいずれか1つとポ
リエーテルポリオールとの混合物である。
【0029】ポリエーテルポリオールとしては、活性水
素を2つ以上有する低分子量化合物の存在下でアルキレ
ンオキサイドを開環重合させて得られた重合体が好適で
ある。活性水素を2つ以上有する低分子量化合物として
は、例えば多価アルコール、ジアミンなどが好適であ
る。多価アルコールとしては、例えばビスフェノール
A、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリ
オールなどが挙げられる。
【0030】ジアミンとしては、例えばエチレンジアミ
ン、ブチレンジアミンなどが挙げられる。アルキレンオ
キサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、アミレンオキ
サイド、ヘキシレンオキサイド、テトラヒドロフランな
どが挙げられる。
【0031】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、こはく酸などの多塩基酸と、ビス
フェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレング
リコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチル
グリコールなどの多価アルコールとを脱水縮合して得ら
れる重合体や、ひまし油、ひまし油とエチレングリコー
ルとの反応生成物などのヒドロキシカルボン酸と多価ア
ルコールとの縮合反応生成物などが挙げられる。
【0032】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば、クラレ社より提供される商品名PNOC−100
0、PNOC−2000、クラレポリオールC−109
0、クラレポリオールC−2090などが挙げられる。
【0033】ポリマーポリオールとしては、例えば、ポ
リエーテルポリオールやポリエステルポリオールにアク
リロニトリル、スチレンなどのラジカル重合性モノマー
をグラフト重合させて得られたグラフトポリマーや、ポ
リエーテルポリオールやポリエステルポリオールにメチ
ル(メタ)アクリレートをグラフト重合させて得られた
アクリルポリオール、1,2−ポリブタジエンポリオー
ル、1,4−ポリブタジエンポリオール及びこれらの水
素添加物などが挙げられる。
【0034】なお、ポリマーポリオールの重量平均分子
量は100〜200,000であることが好ましい。
【0035】ロジンオールとしては、ロジンと多価アル
コールとを反応させて得られたロジンエステルや、ロジ
ンとエポキシ化合物とを反応させて得られたエポキシ変
性ロジンなどの水酸基を有する変性ロジンが挙げられ
る。
【0036】ロジンとしては、アビエチン酸、ネオアビ
エチン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸等のピ
マル酸型樹脂酸、これらの水素添加した水添ロジン、こ
れらを不均化した不均化ロジンなどが挙げられる。これ
らのロジンとしては、具体的には、KE−359、SR
−200、SR−30PX、KE−601、KE−61
5−3、KE−624改(以上、いずれも荒川化学社
製)などが挙げられる。
【0037】本発明で用いられる光カチオン重合触媒
(3)としては、光照射により酸を発生する触媒であれ
ばイオン性触媒でも非イオン性触媒であってもよい。イ
オン性触媒としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハ
ロニウム塩、芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩や
鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール
−アルミニウム錯体などの有機金属錯体などが挙げられ
る。
【0038】また、非イオン性触媒としては、ニトロベ
ンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、
フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、
N−ヒドロキシイミドスルホナートなどが挙げられる。
【0039】光カチオン重合触媒(3)は、熱活性型光
カチオン重合性接着剤としたとき、エポキシ基1モルに
対して0.0001モル以上であることが好ましい。
【0040】本発明で用いられる透明充填材は、屈折率
が1.5〜1.6の透明充填剤である。より好ましくは
屈折率が1.52〜1.58の透明充填剤である。充填
材の屈折率が1.5未満もしくは1.6以上となると光
が充填剤を透過せず散乱してしまい接着剤の深部にまで
光がとどきにくくなる。
【0041】なお、熱活性型光カチオン重合性液状接着
剤100重量部に対する透明充填材の添加量は10〜1
00重量部である。より好ましくは、30〜75重量部
である。
【0042】また、紫外線を透過する充填材がより好ま
しく、特にエポキシ樹脂100重量部に対して充填材を
50重量部添加したエポキシ樹脂組成物を1mmの膜厚
のシートに成形した時に、シートが365nmの紫外線
を30%以上透過する充填材がより好ましい。
【0043】充填材の形状は特に限定されないが、例え
ば、粒状、粒子状、粉末状、鱗片状、針状などの形状が
好ましい。
【0044】好ましい透明充填剤としては例えば、アル
ミナ、タルク、ケイ砂、石英砂、マイカ、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、ベントナイト、カオリン
などが挙げられる。
【0045】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤にはさらに、粘着性オリゴマー、シランカップリン
グ剤、チキソトロピック性付与剤、可塑剤、安定剤など
が添加されてもよい。シランカップリング剤としては、
光カチオン重合反応により高い接着力が得られるので、
γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4
‐エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランな
どのエポキシシランカップリング剤が好ましい。
【0046】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤を構成するにあたっては、他の樹脂がさらに添加さ
れてもよく、これら他の樹脂としては、例えば、末端カ
ルボキシル基含有ポリブタジエンアクリロニトリルゴム
(CTBN)、アクリルゴム、ニトリルゴム(NB
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム、イソプレンゴムなどのゴム状樹脂が
挙げられる。また、これらの樹脂があらかじめ添加され
ているエポキシ樹脂も用いることができる。本発明の熱
活性型光カチオン重合性液状接着剤は、塗布作業が可能
な粘度のものであれば特に限定されないが、その粘度は
1cps〜5,000,000cpsであることが好ま
しく、より好ましくは500〜100,000cpsで
ある。
【0047】本発明の熱活性型光カチオン重合性液状接
着剤を適用するにあたって、部材の表面に塗布する方法
としては、特に限定されないが、例えば、ロールコータ
ー、バーコーター、スプレー塗布機、スクリーン塗布
機、グラビアコーター、フローコーター、スピンコータ
ーなどの塗布機を用いて部材に塗布することができる。
【0048】部材に塗布された接着剤に紫外線を照射す
る装置としては、例えば水銀灯、ケミカルランプ、ブラ
ックライトランプ、メタルハライドランプなどが使用で
きる。なお、これらの装置にはランプにフィルターが設
けられていてもよい。
【0049】照射する紫外線の強度は、カチオン重合反
応を開始させることができる強度であれば特に限定され
ないが、365nmの紫外線を0.5〜5J/cm2
強度で照射するのが好ましい。
【0050】紫外線を照射した部材は、その後、接着剤
の可使時間の範囲内で任意の時間をおいて他方の部材と
貼り合わせる。部材同士を貼り合わせる方法は特に限定
されず、手作業により貼り合わせてもプレス機などの装
置を用いて貼り合わせてもよい。
【0051】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定される
ものではない。
【0052】実施例1〜3及び比較例1、2 表1に記載の通りの各原料を乾燥雰囲気中で均一になる
まで攪拌混合し液状の接着剤を得た。表1中の数値の単
位は重量部である。
【0053】
【表1】
【0054】得られた接着剤について次の評価を行っ
た。 (エポキシ基の反応率の測定)20℃の雰囲気下でペン
タイト鋼板(7cm×10cm×0.8cm)に200
g/m2 の塗布量で接着剤を均一に塗布した。接着剤が
塗布されたペンタイト鋼板を試験片としIRスペクトル
測定装置(「FTIR−8900」、島津製作所社製)
を用いて接着剤のIRスペクトルを測定した。ここで、
1607cm-1に存在するベンゼン環の吸収ピーク強度
(A1)を基準として914cm-1に存在するエポキシ
基の吸収ピーク強度(B1)の相対強度(C1)を計算
した。
【0055】次いで、超高圧水銀灯(「ジェットライト
−2300」、オーク製作所社製)を用いて365nm
の紫外線を40mWの強度で60秒間照射した直後に、
IRスペクトルを測定した。ここで、1607cm-1
存在するベンゼン環の吸収ピーク強度(A2)を基準と
して914cm-1に存在するエポキシ基の吸収ピーク強
度(B2)の相対強度(C2)を計算した。そして、次
の式(式1)に基づいて紫外線を照射した直後のエポキ
シ基の反応率を計算した。
【0056】 エポキシ基の反応率(%)=(C1−C2)/C1 × 100 …(式1) (なお、C1=B1/A1,C2=B2/A2である)
【0057】次に、再び接着剤が塗布されたペンタイト
鋼板を用意しIRスペクトルを測定してから紫外線を照
射し、20℃、50%RHで30分放置した後でIRス
ペクトルを測定した。ここで、1607cm-1に存在す
るベンゼン環の吸収ピーク強度(A3)を基準として9
14cm-1に存在するエポキシ基の吸収ピーク強度(B
3)の相対強度(C3)を計算した。そして、次の式
(式2)に基づいて紫外線を照射してから30分経過し
た後のエポキシ基の反応率を計算した。
【0058】 エポキシ基の反応率(%)=(C1−C3)/C1 × 100 …(式2) (なお、C1=B1/A1,C3=B3/A3である)
【0059】次に、再び接着剤が塗布されたペンタイト
鋼板を用意しIRスペクトルを測定してから紫外線を照
射し、接着剤が塗布されたペンタイト鋼板を80℃に加
熱されたホットプレートのうえに1分間載せた後でIR
スペクトルを測定した。ここで、1607cm-1に存在
するベンゼン環の吸収ピーク強度(A4)を基準として
914cm-1に存在するエポキシ基の吸収ピーク強度
(B4)の相対強度(C4)を計算した。そして、次の
式(式3)に基づいて紫外線を照射してから80℃に加
熱された後のエポキシ基の反応率を計算した。
【0060】 エポキシ基の反応率(%)=(C1−C4)/C1 × 100 …(式3) (なお、C1=B1/A1,C4=B4/A4である)
【0061】計算により得られたエポキシ基の反応率は
表2に示した。表2中の数値の単位は%である。
【0062】
【表2】
【0063】(可使時間の測定)20℃、50%RHの
雰囲気下でペンタイト鋼板に接着剤を200g/m2
塗布量で均一に塗布した。次いで、超高圧水銀灯を用い
て365nmの紫外線を40mWの強度で60秒間照射
した。その後、20℃、50%RHの雰囲気下に置き接
着剤を観察した。ここで、接着剤の表面に皮膜が生じる
か接着剤が硬化しゲル状になるまでの時間を測定し、可
使時間とした。
【0064】(ペンタイト鋼板−ペーパーハニカムの接
着力の測定)20℃、50%RHの雰囲気下で2枚のペ
ンタイト鋼板(7cm×10cm×0.8cm)に接着
剤をそれぞれ200g/m2 の塗布量で均一に塗布し
た。次いで、ペンタイト鋼板に塗布された各接着剤に超
高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線を40mWの強
度で60秒間照射した。ついで、これらをペーパーハニ
カム(7cm×7cm×3cm)の両面に貼りつけ、8
0℃に加熱された2枚の鋼板(15cm×15cm×1
cm)ではさみ80℃で1分間のあいだ加熱プレスし
た。そして室温に冷えるまで置いたあとペーパーハニカ
ムの上下面に接着されている2枚のペンタイト鋼板をつ
かみ上下方向に互いに引っ張りペンタイト鋼板をペーパ
ーハニカムから引き剥がした。ここで、引き剥がされた
ペンタイト鋼板表面の状態を観察しペーパーハニカムの
材破率を求めた。
【0065】(ペンタイト鋼板−ペンタイト鋼板の接着
力の測定)長さ15cm、幅2.5cm、厚さ0.8c
mのペンタイト鋼板を用意し、ペンタイト鋼板の端から
5cmのところを垂直に折り曲げ長さ10cm、幅2.
5cmの平面を設けた鋼板製部品を2つ作った。20
℃、50%RHの雰囲気下で2つの鋼板製部品の平面部
(長さ10cm、幅2.5cmの平面)に接着剤をそれ
ぞれ200g/m2 の塗布量で均一に塗布した。ペンタ
イト鋼板に塗布された各接着剤に超高圧水銀灯を用いて
365nmの紫外線を40mWの強度で60秒間照射し
た。これらを鋼板製部品の平面部(長さ10cm、幅
2.5cmの平面)同士を合わせた状態で貼り合わせ
た。貼り合わされた鋼板製部品の平面部を上下から80
℃に加熱された2枚の鋼板(15cm×15cm×1c
m)ではさみ80℃で1分間のあいだ加熱プレスした。
そして室温に冷えるまで置いたあと2つの鋼板製部品を
つかみ引っ張り速度50mm/分で上下方向に互いに引
っ張り、引っ張り接着力(単位はN/cm)を測定し
た。
【0066】(耐熱性の評価)ペンタイト鋼板(2.5
cm×15cm×0.8cm)を用意した。20℃、5
0%RHの雰囲気下でペンタイト鋼板の片方の端から
1.25cmまでのところにだけ接着剤を200g/m
2 の塗布量で均一に塗布した。ペンタイト鋼板に塗布さ
れた接着剤に超高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線
を40mWの強度で60秒間照射した。接着剤が塗布さ
れたペンタイト鋼板の片方の端を同じ大きさで接着剤が
塗布されていないペンタイト鋼板の片方の端と接着剤が
塗布された部分を重ね合わせるように貼り合わせた。こ
れを80℃に加熱された2枚の鋼板(15cm×15c
m×1cm)ではさみ80℃で1分間のあいだ加熱プレ
スした。そして室温に冷えるまで置き2枚のペンタイト
鋼板が接着剤により中央部で貼り合わせられた試験片を
得た。試験片を片方の端に5kgの重りをぶら下げたの
ち他方の端を上にして150℃のオーブンの中に吊り下
げた。1時間経過した後で試験片を観察した。ここで、
貼り合わせられた2枚のペンタイト鋼板が剥がれてなけ
れば耐熱性が良好であると評価した。測定により得られ
た可使時間、ペンタイト鋼板−ペーパーハニカムの接着
力、ペンタイト鋼板−ペンタイト鋼板の接着力、耐熱性
の結果を表3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】短時間で接着力と耐熱性を発現するとと
もに長い可使時間を有する。光照射強度と光照射時間の
最適条件を容易に設定できる。また、充填剤を多量に添
加しても透明性を維持でき接着剤の深部にまで十分に硬
化させることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AB07 AC11 AD08 AF06 AF07 AH04 AJ07 AK03 AK11 AK19 DB02 DB06 DC02 FB06 FB11 FB12 FB20 GA02 GA03 GA08 GA10 GA15 GA22 GA24 GA25 GA28 GA29 HA02 JA06 4J040 BA202 EC021 EC061 EC071 EC081 EC121 EC261 ED002 EE002 EL022 GA05 GA11 HA136 HA156 HA296 HA356 HD35 KA15 KA16 KA42 LA06 LA08 MA03 MB03 NA12 NA16 PA30 PA32 PA33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を持つ化合物(1)、水酸基
    を持つ化合物(2)、及び、光カチオン重合触媒(3)
    からなり、エポキシ基と水酸基との存在モル比が、エポ
    キシ基:水酸基=100:0.1〜100:3である熱
    活性型光カチオン重合性液状接着剤100重量部に対し
    て、屈折率1.5〜1.6の透明充填剤を10〜100
    重量部添加してなることを特徴とする熱活性型光カチオ
    ン重合性液状接着剤。
  2. 【請求項2】 さらに、エポキシシランカップリング剤
    を添加してなることを特徴とする請求項1に記載の熱活
    性型光カチオン重合性液状接着剤。
JP2001000793A 2001-01-05 2001-01-05 熱活性型光カチオン重合性液状接着剤 Withdrawn JP2002201452A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011001408A (ja) * 2009-06-16 2011-01-06 Denso Corp 光硬化性エポキシ接着剤

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