JP2002201283A - ポリマー微粒子の製造方法およびそれを用いた平版印刷用原板 - Google Patents

ポリマー微粒子の製造方法およびそれを用いた平版印刷用原板

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JP2002201283A JP2000401985A JP2000401985A JP2002201283A JP 2002201283 A JP2002201283 A JP 2002201283A JP 2000401985 A JP2000401985 A JP 2000401985A JP 2000401985 A JP2000401985 A JP 2000401985A JP 2002201283 A JP2002201283 A JP 2002201283A
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JP2000401985A
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Satoshi Hoshi
聡 星
Koichi Kawamura
浩一 川村
Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光後、処理を行うことなく直接印刷機に装
着して印刷することが可能な平版印刷用原板を製造する
のに適した、高親水性表面を有するポリマー微粒子の製
造方法、およびこの方法で製造したポリマー微粒子を用
いた、汚れ難さの改良された平版印刷用原板を提供す
る。 【解決手段】 疎水性ポリマーを水と非混和性の溶剤に
溶解した溶液を、周期表の2族〜15族の元素から選ば
れた少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物微粒
子を含む水相に、界面活性剤を用いて分散させた後、該
油滴から溶剤を除去して、水に分散したポリマー微粒子
を得る。更に方法で得たポリマー微粒子を含有する親水
性画像記録層を有する平版印刷用原板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性マトリック
ス中に分散したポリマー微粒子を熱で溶融合体させる画
像形成方式の平版印刷用原板に適したポリマー微粒子の
製造方法、および該製造方法で製造したポリマー微粒子
を含有する平版印刷用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年進展が目覚ましいコンピュータ・ツ
ウ・プレートシステム用刷版については、多数の研究が
なされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理
問題の解決を目指すものとして、露光後、現像処理する
ことなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる平版印
刷用原板が研究され、種々の方法が提案されている。
【0003】有望な方法の一つは、疎水性ポリマー微粒
子を架橋した親水性樹脂などのマトリックス中に分散し
た親水層(画像記録層)を有する感熱性平版印刷用原板
を用いる方法である。親水層に熱を加えると、疎水性ポ
リマー微粒子が溶融合体し、親水層表面が疎水性画像部
に変換される。このようにして得られた疎水性画像部と
親水性樹脂マトリックスの親水性非画像部で構成された
表面は、液体現像などの処理を要しない完全無処理で、
湿し水を用いる平版印刷の印刷版として使用できること
が知られている。
【0004】また、疎水性ポリマー微粒子を架橋されて
いない親水性マトリックス中に分散した画像記録層を親
水性表面を有する支持体上に設け、赤外線露光後の版に
印刷機のシリンダーを回転しながら湿し水とインキを供
給することによって、未露光部分をあたかも現像処理し
たように印刷機上で除去してしまう方法(機上現像法)
も知られている。すなわち、印刷用原版を露光後、その
まま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で処理が完了
する製版方式であり、印刷版の表面構成が熱により生成
した疎水性画像部と支持体の親水性表面とからなる方式
である。
【0005】更に、このような完全無処理もしくは機上
現像に適した平版印刷用原板は、明室に置かれた印刷機
にそのまま装着して印刷されるので、室内光に当たって
も問題ない性質(明室取り扱い性)を有することが必要
とされる。この明室取り扱い性に対しては、印刷用原板
に対する露光を赤外線で行い、赤外線を吸収して発生す
る熱で画像を形成するヒートモード記録を利用すること
で達成できることが知られている。
【0006】例えば、特開平7−1849号公報、同7
−1850号公報、同10−6468号公報および同1
1−70756号公報には、架橋した親水性バインダー
ポリマー中に親油性(疎水性)微粒子として親油性成分
を内包するマイクロカプセルを分散した親水層を有する
感熱性平版印刷原板が開示されており、熱の印加後、無
処理で印刷できることが記載されている。
【0007】また、例えば、日本特許2938397号
公報、特開平9−127683号公報およびWO99−
10186号には、親水性バインダーポリマー中に熱可
塑性疎水性重合体の微粒子を分散させた感光層(画像記
録層)を親水性支持体上に設けた平版印刷用原板が開示
されている。この公報には、該平版印刷用原板におい
て、赤外線レーザー露光して熱可塑性疎水性重合体の微
粒子を熱により合体させて画像形成した後、印刷機シリ
ンダー上に版を取付け、湿し水および/またはインキに
より機上現像できることが記載されている。
【0008】これらの感熱性平版印刷用原板に用いられ
るポリマー微粒子の製造法としては、米国特許3,47
6,937号に記載の方法、(1)乳化重合法、(2)
疎水性ポリマーを水に非混和性の溶剤に溶かした溶液を
親水性ポリマー水溶液中に界面活性剤を用いて分散する
方法、もしくは(3)機械的に粉砕したポリマーを界面
活性剤で分散する方法などがある。中でも、(2)の疎
水性ポリマー溶液を界面活性剤などで分散する方法が汎
用性のある簡便な方法であることが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の疎水性ポリマー
溶液を分散剤を用いて水中に分散する方法は、分散剤の
疎水性部分が疎水性ポリマー側に配向し、親水性部分が
水媒体中に配向することによって分散が行なわれるが、
分散剤の疎水性部分を全て疎水性ポリマー側に配向させ
ることは不可能であり、一部は水媒体中に配向してしま
う。そのため、ポリマー微粒子表面を高親水性にするこ
とができず、このようなポリマー微粒子を用いた平版印
刷用原板は、印刷において親水性が不足し、汚れやすい
問題があった。
【0010】従って本発明の目的は、この問題を解決す
ることである。すなわち、高親水性表面をもつ疎水性ポ
リマー微粒子を製造する方法を提供することである。さ
らに、この方法で製造したポリマー微粒子を用いて、露
光後、処理を行うことなく直接印刷機に装着して印刷す
ることが可能で、しかも汚れ難さの改良された平版印刷
用原板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、高親水性の表面を有するポリマー微粒子を製造で
きる方法を見出し、上記目的を達成できた。すなわち、
本発明は、下記の通りである。
【0012】1.疎水性ポリマーを水と非混和性の溶剤
に溶解した溶液を、周期表の2族〜15族の元素から選
ばれる少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物の微
粒子を含む水相に、界面活性剤を用いて分散させた後、
該油滴から溶剤を除去し、水に分散したポリマー微粒子
を生成することを特徴とするポリマー微粒子の製造方
法。
【0013】2.疎水性ポリマーが下記一般式(I)の
構造単位を有することを特徴とする前記1記載のポリマ
ー微粒子の製造方法。
【0014】
【化3】
【0015】(ここで、R1、R2、R3およびR4は、そ
れぞれ水素原子又は炭素数8以下の炭化水素基を表し、
4は炭素数1〜40のアルコキシ基又はアシロキシ基
を表し、kは0〜2の整数であり、mは0〜3の整数で
あって、かつk+mは3以下であることを表し、Xは1
価の金属又は水素原子を表し、Zは下記から選ばれた基
を表す。)
【0016】
【化4】
【0017】(ここで、R5は水素原子又は炭素数8以
下の炭化水素基を表し、R6は炭素数5以下のアルキレ
ン基又は複数の連鎖炭素原子団が互いに炭素原子もしく
は窒素原子で結合した2価の有機残基を表し、nは0〜
4の整数を表す。)
【0018】3.周期表の2族〜15族の元素から選ば
れた少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物の微粒
子を含む水相に、さらに水溶性樹脂を含ませることを特
徴とする前記1又は前記2に記載のポリマー微粒子の製
造方法。
【0019】4.水溶性樹脂が、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリルアセトアミド、ポリオキサゾリン、ポリジメチ
ルアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアク
リル酸、ポリビニルメチルエーテル及びポリエチレンイ
ミンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特
徴とする前記3記載のポリマー微粒子の製造方法。
【0020】5.支持体上に、前記1から前記4のいず
れかに記載の製造方法で製造されたポリマー微粒子を含
有し、熱により疎水性となる親水性の画像記録層を有す
ることを特徴とする平版印刷用原板。
【0021】すなわち、本発明者は、周期表の2族〜1
5族の元素から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物
または水酸化物の微粒子に着目し、その高親水性と表面
電荷を利用することで、疎水性ポリマー微粒子の表面高
親水性と分散安定性を可能にしている。機構は必ずしも
明確ではないが、酸化物または水酸化物微粒子が疎水性
ポリマー微粒子の表面に吸着し、水中油滴を安定に形成
する役割の界面活性剤と複合的に作用することによっ
て、このような疎水性ポリマー微粒子の表面高親水性と
分散安定性が発現していると推定される。また本発明者
は、酸化物または水酸化物微粒子と化学結合可能な、例
えばシランカプリング残基を疎水性ポリマーに含有させ
ることによって、酸化物微粒子を疎水性ポリマー表面に
一層効果的に吸着させることが可能になることも見出し
た。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〔ポリマー微粒子の製造方法〕本発明のポリマー微粒子
製造方法に用いられる疎水性ポリマーは、水と混和しな
い溶剤に溶解する疎水性ポリマーである。好ましくは、
熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、および熱反応性
官能基を有するポリマーから選ばれた少なくとも1つの
ポリマーである。
【0023】本発明に好適な熱可塑性ポリマーとして
は、例えば、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、ビニルカルバゾールなどのモノマーのホモポリマー
またはコポリマーあるいはそれらの混合物を挙げること
ができる。中でも好適なものとして、ポリスチレン、ポ
リメタクリル酸メチルを挙げることができる。
【0024】本発明に好適な熱硬化性樹脂としては、フ
ェノール骨格を有する樹脂、尿素系樹脂(例えば、尿素
又はメトキシメチル化尿素など尿素誘導体をホルムアル
デヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、メ
ラミン系樹脂(例えば、メラミン又はその誘導体をホル
ムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したも
の)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0025】好適なフェノール骨格を有する樹脂として
は、例えば、フェノール、クレゾールなどをホルムアル
デヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したフェノール
樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、N−(p−ヒドロキシ
フェニル)メタクリルアミドなどのフェノール骨格を有
するメタクリルアミド又はアクリルアミド樹脂、及びN
−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリレートなどのフ
ェノール骨格を有するメタクリレート又はアクリレート
樹脂を挙げることができる。中でも、特に好ましいの
は、フェノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素
樹脂及びエポキシ樹脂である。
【0026】本発明に用いる熱反応性官能基を有するポ
リマーの熱反応性官能基としては、重合反応を行うエチ
レン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、ビニル基、アリル基など)、付加反応を行うイ
ソシアナート基もしくはそのブロック体及びその反応相
手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)、同じく付
加反応を行うエポキシ基及びその反応相手であるアミノ
基、カルボキシル基もしくはヒドロキシル基、縮合反応
を行うカルボキシル基とヒドロキシル基もしくはアミノ
基、開環付加反応を行う酸無水物とアミノ基もしくはヒ
ドロキシル基、熱により近傍を疎水化する有機珪素基な
どを挙げることができる。
【0027】好ましい熱反応性官能基は、アクリロイル
基、メタクリルロイル基、ビニル基、アリル基、エポキ
シ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イ
ソシアネート基、酸無水物およびそれらを保護した基を
有するものを挙げることができる。これらの官能基のポ
リマーへの導入は、重合時に行ってもよいし、高分子反
応を利用して行ってもよい。
【0028】重合時に導入する場合に有用なこれらの官
能基を有するモノマーの具体例として、アリルメタクリ
レート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、
ビニルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタク
リレートあるいはそのアルコールなどによるブロックイ
ソシアナート、2−イソシアネートエチルアクリレート
あるいはそのアルコールなどによるブロックイソシアナ
ート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、
メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アクリレート、
2官能メタクリレートなどを挙げることができるが、こ
れらに限定されない。
【0029】熱反応性官能基の導入に用いる高分子反応
としては、例えば、WO96−34316号公報に記載
されている側鎖にカルボキシル基を有するポリマーに、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−アミノエチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アリル
グリシジルエーテル、2−イソシアネートエチルメタク
リレートなどを反応させる高分子反応を挙げることがで
きる。
【0030】特に好ましい熱反応性基としては、熱によ
り重縮合可能な有機珪素基を挙げることができる。有機
珪素基を含有する物質の中でも、上記一般式(I)で示
される有機珪素基を含有する構造単位を構成要素として
含む樹脂が本発明の効果を顕著に発揮する疎水性ポリマ
ーとして好ましい。
【0031】上記の有機珪素基を含有するポリマーは、
画像記録層を形成する樹脂、例えばゾルゲル変換系の結
着樹脂との組み合わせにおいては、結着樹脂マトリック
スと直接化学結合できるため、機械強度に優れた、耐摩
耗性の良好な皮膜を形成できる。この画像記録層のレー
ザー光照射を受けて疎水性に変換した被照射領域におい
ても、同様に結着樹脂と化学結合したまま均一層を形成
できるので、耐摩耗性に優れた画像領域が形成される。
そのため、より少ない露光エネルギーで画像領域を形成
することができて,着肉性と耐刷性に優れた画像領域を
得ることができる。このような点で、上記の有機珪素基
を含有するポリマーは本発明に特に好適である。
【0032】本発明の有機珪素基を含有するポリマー
は、上記一般式(I)の構造単位に変換しうる不飽和二
重結合性単量体を単独で重合させることにより、また
は、該単量体とスチレン、アクリル系、ビニル系、オレ
フィン系などの単量体とを共重合させることにより得ら
れる。また、本発明の有機珪素基含有ポリマーは、有機
珪素基を含有する構造単位がポリマー分子中にランダム
に導入されているもののほかに、重合体の分子末端に導
入されているものでもよい。
【0033】前記一般式(I)の有機珪素基を含有する
構造単位に変換しうる不飽和二重結合性単量体の具体例
としては、スチリルエチルトリメトキシシラン、4−ト
リメトキシシリルスチレン、3−(N−スチリルメチル
−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス−(β−
メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリアセトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメ
チルメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセト
キシシラン、ビニルジメチルアセトキシシラン、ビニル
イソブチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキ
シシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキ
シロキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラ
ン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルメト
キシジオクチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシ
ラン、ビニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジ
メトキシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイ
ロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシシラン、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピ
ルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−
プロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルア
ミド−プロピルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルトリ
メトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メ
チルエチルトリメトキシシラン、N−(2−(メタ)ア
クリルアミド−エチル)−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリア
セトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド−エチル
トリメトキシシラン、1−(メタ)アクリルアミド−メ
チルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド
−プロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アク
リルアミド−プロピルジメチルメトキシシラン、3−
(N−メチル−(メタ)アクリルアミド)−プロピルト
リメトキシシラン、3−((メタ)アクリルアミド−メ
トキシ)−3−ハイドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−((メタ)アクリルアミド−メトキシ)−プロ
ピルトリメトキシシラン、ジメチル−3−(メタ)アク
リルアミド−プロピル−3−(トリメトキシシリル)−
プロピルアンモニウムクロライド、ジメチル−2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロピル−3−(トリ
メトキシシリル)−プロピルアンモニウムクロライドな
どが挙げられる。
【0034】上記の一般式(I)の有機珪素基を含有す
る構造単位に変換しうる不飽和二重結合性単量体ととも
に有機珪素基含有ポリマーを構成する共重合成分単量体
としては、以下の(A)〜(K)に示すモノマーを挙げ
ることができる。
【0035】(A)アクリル酸エステル類。この単量体
群の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、o−、m−およびp−ヒドロキシフェ
ニルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステルが
挙げられる。
【0036】(B)メタクリル酸エステル類。この単量
体群の例には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−
クロロエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタ
クリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルメタクリ
レートなどの(置換)メタクリル酸エステルが挙げられ
る。
【0037】(C)アクリルアミド及びメタクリルアミ
ド類。この単量体群の例には、アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルア
ミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキ
シルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルア
ミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルア
ミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルア
クリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニ
トロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタ
クリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミ
ドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドなどのア
クリルアミドもしくはメタクリルアミドが挙げられる。
【0038】(D)ビニルエーテル類。この単量体群の
例には、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビ
ニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどが挙げられ
る。
【0039】(E)ビニルエステル類。この単量体群の
例には、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、
ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。 (F)スチレン類。この単量体群の例には、スチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレン、o−、m−お
よびp−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
【0040】(G)ビニルケトン類。この単量体群の例
には、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げら
れる。 (H)オレフィン類。この単量体群の例には、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ンなどが挙げられる。 (I)N−含有単量体。この単量体群の例には、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニル
ピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
が挙げられる。
【0041】(J)不飽和スルホンアミド。この単量体
群の例には、N−(o−アミノスルホニルフェニル)ア
クリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)
アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスル
ホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド
類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリル
アミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタク
リルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メ
タクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)
ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホ
ニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド
類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレー
ト、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−
アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−ア
ミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどの
アクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o
−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミ
ノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスル
ホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスル
ホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどが挙げら
れる。
【0042】(K)不飽和酸無水物。この単量体群の例
には、無水イタコン酸、無水マレイン酸、2,3−ジメ
チル無水マレイン酸、2−クロル無水マレイン酸などが
挙げられる。
【0043】これらの単量体から得られる有機高分子化
合物は、重量平均子量が500〜500,000、数平
均分子量が200〜60000であることが好ましい。
以下に、有機珪素基含有ポリマーの具体例を示すが、こ
れらに限定されない。
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】本発明において使用される疎水性ポリマー
中の有機珪素基を含有する構造単位の含有量は、0.0
1〜100モル%が好ましく、0.05から90モル%
がさらに好ましく、とくに0.1から80モル%が好ま
しい。有機珪素基を含有する構造単位の含有量が0.0
1モル%より少ない場合には本発明の効果が乏しい。
【0047】これらの熱反応性官能基を有するポリマー
の凝固温度は、70℃以上が好ましいが、経時安定性を
考えると100℃以上がさらに好ましい。
【0048】本発明における水と非混和性溶剤の具体例
としては、クロロメタン、ジクロロメタン、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン(MEK)、トリクロロメタ
ン、四塩化炭素、エチレンクロライド、トリクロロエタ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、2−ニト
ロプロパンなどのような疎水性ポリマーを溶解し水と不
混和性のあらゆる適当な溶剤が本発明の実施に使用でき
る。中でも特に有用な溶剤としては、ジクロロメタンと
MEKを挙げることができる。これらは、蒸発により油
層粒子から溶剤を除去するのにも適している。
【0049】本発明のポリマー微粒子製造方法には、周
期表2族〜15族の元素から選ばれる少なくとも一つの
元素の酸化物または水酸化物の微粒子が用いられる。好
適な元素の具体例として、マグネシウム、チタン、ジル
コニウム、バナジウム、クロム、亜鉛、アルミニウム、
珪素、錫、鉄などを挙げることができる。中でも好まし
い元素として、珪素、チタン、アルミニウム、錫を挙げ
ることができる。上記元素の酸化物または水酸化物の微
粒子は、酸化物または水酸化物のコロイドとして用いる
ことができ、微粒子の粒径は、一般に約0.001〜1
μm、好ましくは5〜40nm、最も好ましくは10〜
30nmである。これらのコロイドの分散液は、日産化
学工業(株)などの市販品を購入することもできる。
【0050】本発明のポリマー微粒子製造方法には、分
散安定性を強化するため、水溶性樹脂を用いることがで
きる。そのような水溶性樹脂としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、カルボキシ変性PVA等の
変性PVA、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ポ
リジメチルアクリルアミド、ポリアクリルアセトアミ
ド、ポリオキサゾリン、アクリル酸共重合体、ポリビニ
ルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイ
ン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−ク
ロトン酸共重合体、ポリアクリル酸、水溶性ウレタン樹
脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、N−ビニルカルボン酸アミドポリマー、ポリエチレ
ンイミン等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコー
ル(PVA)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアク
リルアミド、ポリアクリルアセトアミド、ポリオキサゾ
リン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエ
チレンイミンの使用が好ましく、特に高親水性の樹脂が
好ましい。ポリビニルアルコールでは、ケン化度が95
%以上が好ましい。さらに、上記の水溶性樹脂を2種以
上混合使用してもよい。
【0051】ポリマー微粒子における上記水溶性樹脂の
含有量は、1〜25質量%が適当であり、好ましい範囲
は2〜15質量%である。
【0052】本発明のポリマー微粒子の製造方法に用い
られる界面活性剤としては、ノニオン系及びアニオン系
界面活性剤のほか、特開平2−195356号公報に記
載されているようなカチオン界面活性剤、含フッ素界面
活性剤、及び特開昭59−121044号及び特開平4
−13149号公報に記載されている両性界面活性剤を
挙げることができる。
【0053】ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリ
オキシプロピレンブロックコポリマー類、さらにポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ーの端末のヒドロキシル基に炭素数5〜24の脂肪族基
がエーテル結合した複合ポリオキシアルキレンアルキル
エーテル類、同じくアルキル置換アリール基がエーテル
結合した複合ポリオキシアルキレンアルキルアリールエ
ーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート、ソルビ
タントリオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチ
レンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタントリオレートなどのポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0054】アニオン系活性剤の具体例としては、アル
キルスルホン酸類、アリールスルホン酸類、脂肪族カル
ボン酸類、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキル
ナフタレンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸とホル
ムアルデヒドの縮合型のもの、炭素数9〜26の脂肪族
スルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸類、ラウリ
ルポリオキシエチレン硫酸、セチルポリオキシエチレン
スルホン酸、オレイルポリオキシエチレンホスホン酸な
どのポリオキシエチレン含有硫酸やポリオキシエチレン
含有燐酸などが挙げられる。
【0055】カチオン界面活性剤の具体例としては、ラ
ウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロ
ライドなどが挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例
としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフ
ルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキル
トリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタ
イン、パーフルオロアルキルアミンキシド、パーフルオ
ロアルキルEO付加物などが挙げられる。
【0056】両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルカルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸
類、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポ
リアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カ
ルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型
(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等
が挙げられる。
【0057】画像記録層には、場合によりさらに、上記
の界面活性剤の添加量の範囲内でフッ素系の界面活性剤
を用いることもできる。具体的にはパーフルオロアルキ
ル基を有する界面活性剤が好ましく、カルボン酸、スル
ホン酸、硫酸エステル及びリン酸エステルのいづれかを
有するアニオン型の界面活性剤、又は、脂肪族アミン、
第4級アンモニウム塩のようなカチオン型の界面活性
剤、又はベタイン型の両性界面活性剤、又は、ポリオキ
シ化合物の脂肪族エステル、ポリアルキレンオキシド縮
合型、ポリエチレンイミン縮合型のようなノニオン型界
面活性剤などが挙げられる。
【0058】中でも、アニオン系、ノニオン系、両性系
が好ましく、具体的には、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブ
ロックコポリマー類、アルキルスルホン酸類、脂肪族カ
ルボン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸類、ポリオキ
シエチレン含有硫酸、アルキルナフタレンスルホン酸又
はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合型の
もの、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルアミノ
カルボン酸類等が挙げられる。
【0059】本発明のポリマー微粒子製造方法において
は、上記一般式(I)、後述の一般式(II)又は一般式
(III)で示されるポリマーの有機珪素基の加水分解お
よび重縮合反応を促進するために、酸性触媒または塩基
性触媒を用いることができる。
【0060】具体的には、酸性触媒としては、塩酸など
のハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過
塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン
酸、そのRCOOHで表される構造式のRを置換した置
換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸な
どが挙げられる。また、塩基触媒としては、アンモニア
や、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げ
られる。触媒は、そのままか、または水もしくはアルコ
ールなどの溶媒に溶解した状態で、水相に加えられる。
加える触媒の濃度は、特に限定しないが、濃度が高い場
合は加水分解や重縮合速度が速くなる傾向がある。ただ
し、高濃度の塩基性触媒を用いると、分散溶液中で沈殿
物が生成する場合があるので、塩基性触媒の濃度は1N
以下が望ましい。
【0061】上記の原料を用いたポリマー微粒子の製造
は、良く知られた操作で行うことができる。すなわち、
疎水性ポリマーを水と非混和性の溶剤に溶かした油相溶
液と、シリカなどの酸化物または水酸化物微粒子および
界面活性剤を含んだ水相溶液を調製した後、両者を混合
し、ホモジナイザーなどの乳化分散機を用いて、例え
ば、12,000rpmで10〜15分間激しく攪拌混
合して水相中に油滴を乳化分散する。次いで、得られた
乳化分散物を加熱攪拌して溶剤を蒸発させることによ
り、目的とするポリマー微粒子の水分散物が得られる。
【0062】以下に、上記の方法で製造されたポリマー
微粒子を含有する画像記録層を支持体上に有する平版印
刷用原板について説明する。
【0063】〔画像記録層〕画像記録層中の本発明の製
造方法による微粒子ポリマーの含有量は、画像記録層の
固形分の10〜80質量%が好ましく、20〜60質量
%がさらに好ましい。添加量が10質量%より少ない場
合には光照射部の親油性が足らず着肉性に劣り、80質
量%を超えると親水性が不足して印刷汚れの原因とな
る。
【0064】本発明のポリマー微粒子は、好ましくは画
像記録層では親水性の結着樹脂中に分散されている。親
水性の結着樹脂としては、親水性高分子結着樹脂又は親
水性のゾルゲル変換系結着樹脂であることが好ましく、
そのなかでも高い親水性及び熱反応による画像記録層の
破壊に耐えうる結着樹脂としてポリシロキサンのゲル組
織を形成する性質を有するゾルゲル変換系結着樹脂が好
ましい。
【0065】親水性結着樹脂の具体例としては、アラビ
アゴム、ポリビニルアルコール(PVA)類,澱粉及び
その誘導体、カルボキシメチルセルローズ及びそのナト
リウム塩やヒドロキシエチルセルローズあるいはセルロ
ースアセテートのようなセルロース誘導体、アルギン酸
ナトリウム、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、アルギン酸及びそのアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ポリアクリル
酸及びそれらの塩、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、
ポリ(エチレンオキサイド)、水溶性ウレタン樹脂、水
溶性ポリエステル樹脂、ヒドロキシエチルアクリレート
のホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルメタ
クリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシ
プロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、
ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマー及び
コポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリ
マー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレート
のホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート系ポリマー、ヒドロキシプロピルメタ
クリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレ
ングリコール類、ポリ(ヒドロキシプロピレン)類等の
水溶性樹脂が挙げられる。
【0066】又、好ましくは上記親水性樹脂を架橋して
用いてもよく、その場合の樹脂を硬化させる耐水化剤と
しては、グリオキザール、メラミンホルムアルデヒド樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などのアルデヒド類、N
−メチロール尿素やN−メチロールメラミン、メチロー
ル化ポリアミド樹脂などのメチロール化合物、ジビニル
スルホンやビス(β−ヒドロキシエチルスルホン酸)な
どの活性ビニル化合物、エピクロルヒドリンやポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミド・ポ
リアミン・エピクロロヒドリン付加物、ポリアミドエピ
クロロヒドリン樹脂などのエポキシ化合物、モノクロル
酢酸エステルやチオグリコール酸エステルなどのエステ
ル化合物、ポリアクリル酸やメチルビニルエーテル/マ
レイン酸共重合物などのポリカルボン酸類、ほう酸、チ
タニルスルフェート、Cu、Al、Sn、V、Cr塩な
どの無機系架橋剤、変成ポリアミドポリイミド樹脂など
が挙げられる。そのほか、塩化アンモニウム、シランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤などの架橋触
媒を併用できる。
【0067】本発明の画像記録層の特に好ましい結着剤
は、以下に述べるゾルゲル変換系結着樹脂である。本発
明に好ましく適用できるゾルゲル変換が可能な系は、多
価元素から出ている結合基が酸素原子を介して網目状構
造を形成し、同時に多価金属は未結合の水酸基やアルコ
キシ基も有していてこれらが混在した樹脂状構造となっ
ている高分子体であって、アルコキシ基や水酸基が多い
段階ではゾル状態であり、脱水縮合が進行するのに伴っ
て網目状の樹脂構造が強固となる。ゾルゲル変換を行う
水酸基やアルコキシ基を有する化合物の多価結合元素
は、アルミニウム、珪素、チタン及びジルコニウムなど
であり、これらはいずれも本発明に用いることができる
が、以下はもっとも好ましく用いることのできるシロキ
サン結合によるゾルゲル変換系について説明する。アル
ミニウム、チタン及びジルコニウムを用いるゾルゲル変
換は、下記の説明の珪素をそれぞれの元素に置き換えて
実施することができる。すなわち、特に好ましく用いら
れるのはゾルゲル変換が可能な、少なくとも1個のシラ
ノール基を有するシラン化合物を含んだ系である。
【0068】以下に、ゾルゲル変換を利用する系につい
てさらに説明する。ゾルゲル変換によって形成される無
機親水性結着樹脂は、好ましくはシロキサン結合及びシ
ラノール基を有する樹脂であり、本発明の平版印刷版用
原板の画像記録層は、少なくとも1個のシラノール基を
有するシラン化合物を含んだゾルの系である塗布液を、
塗布後の経時の間に、シラノール基の加水分解縮合が進
んでシロキサン骨格の構造が形成され、ゲル化が進行す
ることによって形成される。
【0069】また、このゾルゲル変換によって形成され
る層は、膜強度、柔軟性などの物理的性能の向上や、塗
布性の改良などを目的として、後述する有機親水性ポリ
マーや架橋剤などを添加することも可能である。ゲル構
造を形成するシロキサン樹脂は、下記一般式(II)で、
また少なくとも1個のシラノール基を有するシラン化合
物は、下記一般式(III)で示される。また、画像記録
層に含まれる物質系は、必ずしも一般式(III)のシラ
ン化合物単独である必要はなく、一般には、シラン化合
物が部分加水重合したオリゴマーからなっていてもよ
く、あるいは、シラン化合物とそのオリゴマーの混合組
成であってもよい。
【0070】
【化7】
【0071】上記一般式(II)のシロキサン系樹脂は、
下記一般式(III)で示されるシラン化合物の少なくと
も1種を含有する分散液からゾル−ゲル変換によって形
成され、一般式(II)中のR01〜R03の少なくとも一つ
は水酸基を表し、他は下記一般式(III)中の記号のR0
及びYから選ばれる有機残基を表わす。
【0072】一般式(III) (R0nSi(Y)4-n
【0073】一般式(III)中、R0は水酸基、炭化水素
基又はヘテロ環基を表わす。Yは水素原子、ハロゲン原
子、−OR11、−OCOR12、又は、−N(R13)(R
14)を表す(R11、R12は、各々炭化水素基を表し、R
13、R14は同じでも異なってもよく、水素原子又は炭化
水素基を表す)。nは0、1、2又は3を表わす。
【0074】一般式(III)中のR0の炭化水素基又はヘ
テロ環基とは、例えば炭素数1〜12の置換されてもよ
い直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基等であって、これらの基に置換する基と
しては、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原
子)、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、スル
ホ基、シアノ基、エポキシ基、−OR′基(R′は、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、プロペニル
基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シアノ
エチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、2−ブロ
モエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、ベンジル基等を示す)、
【0075】−OCOR′基、−COOR′基、−CO
R′基、−N(R″)(R″)(R″は、水素原子又は前
記R′と同一の内容を表わし、各々同じでも異なっても
よい)、−NHCONHR′基、−NHCOOR′基、
−Si(R′)3基、−CONHR″基、−NHCO
R′基等が挙げられ、これらの置換基はアルキル基に複
数置換してもよい)、炭素数2〜12の置換されてもよ
い直鎖状又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル
基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等で
あって、これらの基に置換する基としては、前記アルキ
ル基に置換する基と同一の内容のものが挙げられる)、
炭素数7〜14の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基等であっ
て、これらの基に置換する基としては、前記アルキル基
に置換する基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置
換してもよい)、
【0076】炭素数5〜10の置換されてもよい脂環式
基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基、ノルボニル基、アダマンチル基等であって、これら
の基に置換する基としては、前記アルキル基の置換基と
同一の内容のものが挙げられ、又複数置換してもよ
い)、炭素数6〜12の置換してもよいアリール基(例
えばフェニル基、ナフチル基で、置換基としては前記ア
ルキル基に置換する基と同一の内容のものが挙げられ、
又、複数置換してもよい)、又は、窒素原子、酸素原
子、イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含
有する縮環してもよいヘテロ環基(例えば該ヘテロ環と
しては、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モルホリ
ン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピ
リジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾ
ール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テトラヒ
ドロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置換基と
しては、前記アルキル基中の置換基と同一の内容のもの
が挙げられ、又複数置換されてもよい)を表わす。
【0077】一般式(III)中のYの−OR11基、−OC
OR12基又は−N(R13)(R14)基の置換基として
は、例えば以下の置換基を表わす。−OR11基におい
て、R11は炭素数1〜10の置換されてもよい脂肪族基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基、
ヘプテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル
基、2−メトキシエチル基、2−(メトキシエチルオキ
ソ)エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル
基、2−メトキシプロピル基、2−シアノエチル基、3
−メチルオキサプロピル基、2−クロロエチル基、シク
ロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、
クロロシクロヘキシル基、メトキシシクロヘキシル基、
ベンジル基、フェネチル基、ジメトキシベンジル基、メ
チルベンジル基、ブロモベンジル基等が挙げられる)を
表わす。
【0078】−OCOR12基において、R12は、R11
同一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されて
もよい芳香族基(芳香族基としては、前記R中のアリー
ル基で例示したと同様のものが挙げられる)を表わす。
又−N(R13)(R14)基において、R13、R14は、互
いに同じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素
数1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記
の−OR11基のR11と同様の内容のものが挙げられる)
を表わす。より好ましくは、R13とR14の炭素数の総和
が16個以内である。一般式(III)で示されるシラン
化合物の具体例としては、以下のものが挙げられるが、
これに限定されるものではない。
【0079】テトラクロルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラ
ン、テトラ−n−プロピルシラン、メチルトリクロルシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ
クロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリクロルシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、
n−へキシルトリメトキシシラン、フェニルトリクロル
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチル
ジクロルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、トリエトキシヒドロシラ
ン、トリメトキシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピル
トリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
アクリロイルプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。
【0080】本発明の親水性層の無機親水性結着樹脂形
成に用いる一般式(III)で示されるシラン化合物とと
もに、Ti、Zn、Sn、Zr、Al等のゾル−ゲル変
換の際に樹脂に結合して成膜可能な金属化合物を併用す
ることができる。用いられる金属化合物として、例え
ば、Ti(OR154(R15はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、T
iCl4、Zn(OR152、Zn(CH3COCHCO
CH32、Sn(OR154、Sn(CH3COCHCO
CH34、Sn(OCOR154、SnCl4、Zr(O
1 54、Zr(CH3COCHCOCH34、Al(O
153、Al(CH3COCHCOCH33等が挙げら
れる。
【0081】更に、一般式(III)で示されるシラン化
合物、更には併用する前記の金属化合物の加水分解及び
重縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒
を併用することが好ましい。
【0082】触媒は、酸あるいは塩基性化合物をそのま
まか、あるいは水またはアルコールなどの溶媒に溶解さ
せた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒
という)を用いる。そのときの濃度については特に限定
しないが、濃度が濃い場合は加水分解、重縮合速度が速
くなる傾向がある。但し、濃度の濃い塩基性触媒を用い
ると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合があるため、
塩基性触媒の濃度は1N(水溶液での濃度換算)以下が
望ましい。
【0083】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場
合には、焼結後に触媒結晶粒中にほとんど残留しないよ
うな元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性
触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫
酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、
蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表され
る構造式のRを他元素または置換基によって置換した置
換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸な
ど、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニ
ア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類など
が挙げられる。
【0084】以上述べたように、ゾル−ゲル法によって
作製される画像記録層は、本発明の平版印刷版用原版に
とくに好ましい。上記のゾル−ゲル法のさらに詳細は、
作花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社
(刊)(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法によ
る機能性薄膜作製技術」総合技術センター(刊)(19
92年)等の成書等に詳細に記述されている。
【0085】本発明の平版印刷用原板の画像記録層に
は、ポリマー微粒子、親水性結着剤の他に、光を吸収し
て発熱する光熱変換剤、無機微粒子、界面活性剤、着色
剤など感度の向上、親水性の程度の制御、画像記録層の
物理的強度の向上、層を構成する組成物相互の分散性の
向上、塗布性の向上、印刷適性の向上、製版作業性の便
宜上などの種々の目的の化合物を添加することができ
る。以下これらについて説明する。
【0086】光熱変換剤としては、金属及び金属酸化物
粒子、顔料粒子、及び染料が好ましい。金属及び金属酸
化物粒子としては、A1、Si、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、
Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、Wの中か
ら選択され、粒子化して画像記録層の結着樹脂に分散し
得るものを用いることができる。特に、鉄、銀、白金、
金、パラジウムの金属微粒子が好ましい。その他、Ti
Ox(x=1.0〜2.0)、SiOx(x=0.6〜
2.0)、AlOx(x=1.0〜2.0)、銅、銀及
び錫のアジド化物などの金属アジド化合物も好ましい。
上記の各金属酸化物、窒化物及び硫化物は、いずれも公
知の製造方法によって得られる。また、チタンブラッ
ク、鉄黒、モリブデン赤、エメラルドグリーン、カドミ
ウム赤、コバルト青、紺青、ウルトラマリンなどの名称
で市販されているものも多い。
【0087】上記の金属化合物及び金属のほかに、カー
ボンブラック、黒鉛(グラファイト)、骨炭(ボーンブ
ラック)などの非金属単体粒子や各種の有機、無機顔料
も光熱変換性微粒子として画像記録層に含有させること
ができる。また、粒子形態ではない光熱変換性の色素も
画像記録層中に添加することができる。
【0088】画像記録層に光熱変換剤として含有される
色素は、照射光の分光波長領域に光吸収域を有し、かつ
結着樹脂に分散されうる固体微粒子状の顔料及び照射光
の分光波長領域に光吸収域を有し、かつ結着樹脂に染着
性の、又は非染着性で分子分散性の色素である。好まし
い固体微粒子状、染着性及び分子分散性の色素は、IR
(赤外線)吸収剤であり、具体的には、ポリメチン色
素、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム色
素、ジインモニウム色素、フタロシアニン化合物、トリ
アリールメタン色素、金属ジチオレンから選ばれる染料
である。これらのうち更に好ましいものとしては、ポリ
メチン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリ
リウム色素、ジインモニウム色素、フタロシアニン化合
物であり、その中でも合成適性の観点からポリメチン色
素、シアニン色素、フタロシアニン化合物がもっとも好
ましい。上記した色素は、水溶性基を分子内に有する水
溶性染料であってもよい。水溶性の染料が有する好まし
い水溶性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基及
びホスホン酸基を挙げることができる。画像記録層に含
有される光熱変換剤として用いられる染料(赤外線吸収
剤)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるもの
ではない。
【0089】
【化8】
【0090】
【化9】
【0091】画像記録層中への光熱変換剤の添加は、上
記の光熱変換剤を画像記録層の塗布液中に添加してもよ
いが、疎水性ポリマー微粒子中に含有させて添加するこ
ともできる。ポリマー微粒子中への含有は、微粒子を作
製する際の油相成分に光熱変換剤を添加して乳化分散す
ることで行うことができる。この場合には、上記の光熱
変換剤でもよいが、疎水性ポリマーと親和性の良い親油
性光熱変換剤を用いることが好ましい。そのような親油
性光熱変換剤を以下に例示するが、これに限定されるも
のではない。
【0092】
【化10】
【0093】
【化11】
【0094】画像記録層中に含まれる光熱変換剤の含有
量は、光熱変換剤の光吸収により発生する熱によってポ
リマー微粒子の近傍が熱融着を引き起こして疎水化する
のに足りる量であればよく、固形の構成成分の2〜50
質量%の間で広く選択できる。2質量%以下では発熱量
が不足して感度が低下し、50質量%以上では膜強度が
低下する。
【0095】本発明の画像記録層には無機微粒子を添加
してもよく、無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、
酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、ア
ルギン酸カルシウムもしくはこれらの混合物などが好適
な例として挙げられ、これらは光熱変換性でなくても皮
膜の強化や表面粗面化による界面接着性の強化などに用
いることができる。無機微粒子の平均粒径は5nm〜1
0μmのものが好ましく、より好ましくは10nm〜1
μmである。粒径がこの範囲内で、ポリマー微粒子や光
熱変換剤の金属微粒子とも結着樹脂内に安定に分散し、
画像記録層の膜強度を充分に保持し、印刷汚れを生じに
くい親水性に優れた非画像部を形成できる。このような
無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物などの市販品と
して容易に入手できる。無機微粒子の画像記録層への含
有量は、画像記録層の全固形分の1.0〜70重量%が
好ましく、より好ましくは5.0〜50重量%である。
【0096】画像記録層に用いられる界面活性剤として
は、ポリマー微粒子の製造に用いることができるものと
同様の界面活性剤を使用できる上記界面活性剤の画像記
録層全固形物中に占める割合は、0.05〜15質量%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0097】又本発明の画像記録層には、画像形成後、
画像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光
域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用す
ることができる。具体的には、オイルイエロー#10
1、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、
オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブル
ー#603、オイルブラックBY、オイルブラックB
S、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工
業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバ
イオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミン
B(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI
42000)、メチレンブルー(CI52015)等、
および特開昭62−293247号に記載されている染
料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔
料、アゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料も好適に用いる
ことができる。添加量は、画像記録層の全固形分に対
し、0.01〜10重量%の割合である。
【0098】〔断熱層〕本発明の平版印刷用原板には必
須ではないが、支持体と画像記録層の間に断熱層を設け
ることが好ましい。以下に、断熱層について説明する。
画像記録層の下層として設けられている断熱層は、熱伝
導率が低く支持体への熱拡散を抑制する機能を有する層
である。さらに、断熱層には、光熱変換剤を含有させる
こともでき、その場合には光照射によって発熱して熱融
着感度の向上に寄与する。このような断熱層は、有機性
又は無機性の樹脂からなる。
【0099】有機性あるいは無機性の樹脂は、親水性あ
るいは、疎水性のものから広く選択することができる。
例えば、疎水性を有する樹脂としてはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ピニリデン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ニトロセルロース、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−樹脂ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などが
挙げられる。
【0100】本発明では、疎水性を有する樹脂は、水性
エマルジョンから構成されたものも用いることができ
る。水性エマルジョンとは、微小なポリマー粒子と、必
要に応じて該粒子を分散安定化する保護剤とからなる粒
子を水中に分散させた疎水性ポリマー懸濁水溶液のこと
である。用いられる水性エマルジョンの具体例として
は、ビニル系ポリマーラテックス(ポリアクリレート
系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系など)、共
役シエン系ポリマーラテックス(メタクリル酸メチル−
ブタジエン系、スチレン−ブタジエン系、アグリロニト
リル−プブタジエン系、クロロプレン系など)及びポリ
ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0101】次に、親水性を有する樹脂としては、具体
的には、ポリビニルアルコール(PVA),カルボキシ
変性PVA等の変性PVA,澱粉及びその誘導体、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
のようなセルロース誘導体、アルギン酸アンモニウム、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキ
サイド、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹
脂、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート系ポリマー、N−ビニルカル
ボン酸アミドポリマー、カゼイン、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、スチ
レン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂、などが挙げ
られる。
【0102】また、上記親水性を有する樹脂を架橋し、
硬化させて用いることが好ましく、架橋剤(耐水剤とも
いう)としては、前記した画像記録層に用いたものと同
じ耐水剤を使用することができる。
【0103】さらに、無機高分子としては、ゾルゲル変
換によって形成される無機マトリックスが好ましい。本
発明に好ましく適用できるゾルゲル変換が可能な系は、
多価元素に結合した結合基が酸素原子を介して網目状構
造を形成し、同時に多価金属は未結合の水酸基やアルコ
キシ基も有していてこれらが混在した樹脂状構造となっ
ている高分子体であって、アルコキシ基や水酸基が多い
段階ではゾル状態であり、脱水縮合が進行するのに伴っ
て網目状の樹脂構造が強固となる。また、樹脂組織の親
水性度が変化する性質に加えて、水酸基の一部が固体微
粒子に結合することによって固体微粒子の表面を修飾
し、親水性度を変化させる働きをも併せ持っている。ゾ
ルゲル変換を行う水酸基やアルコキシ基を有する化合物
の多価結合元素は、アルミニウム、珪素、チタン及びジ
ルコニウムなどであり、これらはいずれも本発明に用い
ることができる。
【0104】画像記録層との接着性の観点から、これら
樹脂のうち、とくに親水性樹脂が好ましい。断熱層中に
光熱変換剤を含有させる場合、その光熱変換剤として
は、前記した画像記録層に用いた光熱変換剤と同じ物質
を使用することができる。断熱層中に含まれる光熱変換
剤の含有量は、固形の構成成分の2〜95質量%の間で
広く選択できる。2質量%以下では発熱量が不足して添
加の効果が顕著でなく、95質量%以上では膜強度が低
下する。断熱層中には、上記した樹脂及び光熱変換剤の
ほかに、断熱層の物理的強度の向上、層を構成する組成
物相互の分散性の向上、塗布性の向上、画像記録層との
接着性向上などの理由で、無機微粒子、界面活性剤など
種々の目的の化合物を添加することができる。
【0105】断熱層に添加する無機微粒子としては、前
述した画像記録層に添加するものと同様の無機微粒子を
添加することができて、同様の効果を挙げることができ
る。無機微粒子を断熱層中に添加する場合の含有量も画
像記録層に添加する場合と同じ添加量の範囲である。
【0106】画像記録層に添加することができるものと
して記載したものが、断熱層にも使用することができ
る。その添加量も画像記録層に関して記載した範囲と同
じである。
【0107】〔水可溶性の保護層〕水可溶性の保護層
は、本発明の平版印刷原板の表面が親水性であるので、
原板が製品形態で輸送されたり、保管されたりする際、
あるいは使用前の取り扱いの際、環境の雰囲気の影響に
よって疎水性化したり、温湿度の影響を受けたり、ある
いは機械的な傷など又は汚れなどの影響を受けやすい。
そのため本発明の平版印刷用原板には、これを防止する
ために、水溶性高分子を主成分とする水可溶性の表面保
護層を設けることが好ましいが、表面保護層は本発明に
必須ではない。水可溶性の保護層は、印刷の初期の段階
で湿し水に溶解して洗い去られるので、特に除去の手間
をかける必要はなく、印刷の支障にはならない。以下水
可溶性の保護層に含有される成分について説明する。
【0108】水可溶性保護層に含有される水溶性高分子
は、水可溶性層の結着樹脂として機能する。水溶性高分
子としては、例えば水酸基、カルボキシル基、塩基性窒
素含有基等の基を十分に有する高分子が挙げられる。
【0109】具体的には、ポリビニルアルコール(PV
A)、カルボキシ変性PVA等の変性PVA、アラビア
ガム、水溶性大豆多糖類、ポリアクリルアミド及びその
共重合体、アクリル酸共重合体、ビニルメチルエーテル
/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン
酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、焙焼
デキストリン、酸素分解デキストリン、酵素分解エーテ
ル化デキストリン、澱粉及びその誘導体、カルボキシメ
チルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチル
セルローズ、ヒドロキシエチルセルローズのようなセル
ロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリ
ドン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、スチレン−マ
レイン酸共重合体、アルギン酸及びそのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、ポリアク
リル酸、ポリ(エチレンオキサイド)、水溶性ウレタン
樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ポリヒドロキシエチル
アクリレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、N−ビニルカルボン酸アミドポリマー等
が挙げられる。なかでも、ポリビニルアルコール(PV
A)、カルボキシ変性PVA等の変性PVA、アラビア
ガム、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、アクリル
酸共重合体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸及びそ
のアルカリ金属塩の使用が好ましい。
【0110】塗布液中の上記水溶性樹脂の含有量は、3
〜25質量%が適当であり、好ましい範囲は10〜25
質量%である。なお、本発明においては上記水溶性樹脂
を2種以上混合使用してもよい。
【0111】水可溶性の保護層は他の成分として、種々
の界面活性剤を含有してもよい。使用できる界面活性剤
としてはアニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤が
挙げられる。用いられる界面活性剤としては、前記した
ポリマー微粒子の製造に用いられる界面活性剤と同様な
ものを用いることができる。界面活性剤は水可溶性層の
全固形分当たり、好ましくは0.01〜1質量%であ
り、更に好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0112】上記成分のほか、必要により湿潤剤として
グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコ
ール等の低級多価アルコールも使用することができる。
これら湿潤剤の使用量は表面保護層中に0.1〜5.0
質量%となる量が適当であり、好ましい範囲は0.5〜
3.0質量%となる量である。以上の他に本発明の平版
印刷用原板の表面保護層の塗布液には、防腐剤などを添
加することができる。例えば安息香酸及びその誘導体、
フェノール、ホルマリン、デヒドロ酢酸ナトリウム等を
0.005〜2.0質量%の範囲で添加できる。塗布液
には消泡剤を添加することもできる。好ましい消泡剤に
は有機シリコーン化合物が含まれ、その添加量は0.0
001〜0.1質量%の範囲が好ましい。
【0113】また、水溶性の保護層には、光熱変換剤を
添加してもよい。この場合、画像記録層の光照射による
熱融着の感度がさらに高まるので、好ましい結果が得ら
れる。光熱変換剤としては、断熱層に添加してもよい光
熱変換剤として前記したものを前記した添加量の範囲で
使用することができる。
【0114】〔塗布〕上記した画像記録層、断熱層、保
護層は、それぞれ各構成成分を混合し、調整された塗布
液を支持体上に、従来公知の塗布方法のいずれかを用い
て、塗布・乾燥し、塗布層を形成する。塗布する方法と
しては、公知の種々の方法を用いることができるが、例
えば、バーコター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0115】塗布、乾燥後に得られる画像記録層塗布量
(固形分)は、用途によって異なるが、一般的な平版印
刷版用原板についていえば、0.1〜30g/m2が好
ましく、0.3〜10g/m2がより好ましい。
【0116】断熱層塗布量(固形分)も、構成によって
異なるが、一般的な平版印刷版用原板についていえば、
0.1〜10g/m2が好ましく、0.3〜5g/m2
より好ましい。保護層塗布量(固形分)も、構成によっ
て異なるが、一般的な平版印刷版用原板についていえ
ば、0.1〜5g/m2が好ましく、0.2〜3g/m2
がより好ましい。塗布は、通常、断熱層、画像記録層、
保護層の順序で行われる。
【0117】〔支持体〕つぎに画像記録層を塗設する支
持体について述べる。支持体には、寸度的に安定な板状
物が用いられる。本発明に用いることができる支持体と
しては、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた
紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記の金属がラミネ
ート又は蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等
が含まれる。
【0118】好ましい支持体は、ポリエステルフィル
ム、アルミニウム、又は印刷版上で腐食しにくいSUS
鋼板であり、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価
であるアルミニウム板が好ましい。好適なアルミニウム
板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分と
し、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウ
ムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィル
ムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、
珪素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の
異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明に
おいて特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであ
るが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困
難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その
組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素
材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本
発明で用いられる支持体の厚みはおよそ0.05mm〜
0.6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、
特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
【0119】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。化学的方法としては、特開昭54−
31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミ
ニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。ま
た、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸など
の酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法が
ある。また、特開昭54−63902号に開示されてい
るように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用すること
ができる。このような粗面化方法のうち、特に特開昭5
5−137993号公報に記載されているような機械的
粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法が、感
脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記
の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中
心線表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmとなるよう
な範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミ
ニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリ
ウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がさ
れ、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高
めるために陽極酸化処理が施される。
【0120】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電
解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、ク
ロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電
解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽
極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるの
で一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1
〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜6
0A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の
範囲であれば適当である。形成される酸化皮膜量は、
1.0〜5.0g/m2 、特に1.5〜4.0g/m2
であることが好ましい。陽極酸化皮膜の量は1.0g/
2より少ないと耐刷性が不十分であったり、傷が付き
易くなる。
【0121】これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英
国特許第1,412,768号公報に記載されている硫
酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号公報に記載されている燐酸を電解
浴として陽極酸化する方法が好ましい。
【0122】断熱層が疎水性を有する樹脂の場合は、支
持体表面を疎水性化することが望ましい。支持体表面の
疎水性化処理は、例えばシランカップリング剤や場合に
よってはチタンカップリング剤を含んだ下塗り液を塗布
することによって行われる。シランカップリング剤はお
もに一般式(R16O)3SiR17(ここで、R16,R1 7
はアルキル基や置換アルキル基)で表され、R16O基は
加水分解してOH基となって支持体表面とエーテル結合
で結合し、R17基がインキを受容する疎水性の表面を提
供する。
【0123】シランカップリング剤としては、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、γ−メタクロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリコキシドキシピロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−(β−アミノプロチル)ジメトキシシランなどが
挙げられる。画像記録層との密着性を確保するために
は、プラスチック支持体は塗布の前に公知の方法で帯電
処理が施される。
【0124】〔製版および印刷〕本発明の平版印刷用原
板は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッ
ド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露
光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外
線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜120
0nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ
等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
本発明の平版印刷用原板は、レーザー出力が0.1〜3
00Wのレーザーで照射をすることができる。また、パ
ルスレーザーを用いる場合には、ピーク出力が1000
W、好ましくは2000Wのレーザーを照射するのが好
ましい。露光時間は、好ましくは0.001〜1mse
c/画素、より好ましくは0.002〜1msec/画
素である。この場合の露光量は、印刷用画像で変調する
前の版面露光強度が0.01〜10J/cm2の範囲で
あることが好ましく、0.1〜1J/cm2の範囲であ
ることがより好ましい。支持体が透明である場合は、支
持体の裏側から支持体を通して露光することもできる。
【0125】画像露光された本発明の平版印刷用原板
は、それ以上の処理なしに印刷機に装着し、インキと湿
し水を用いて通常の手順で印刷することができる。ま
た、これらの平版印刷用原板は、印刷機シリンダー上に
取りつけた後に、印刷機に搭載されたレーザーにより露
光し、そのままインキと湿し水を用いて通常の手順で印
刷することもできる。さらに、場合によっては、露光
後、機上現像することもできる。
【0126】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明を具体的に説明
するが、本発明が実施例により限定されて解釈されるこ
とはない。
【0127】実施例1(疎水性ポリマー微粒子の作製
例) 油相成分として、ポリメチルメタクリレート(重量平均
分子量15,000)30.0g、MEK45.0g、
界面活性剤パイオニンA41C(竹本油脂(株)製)
0.5gの溶液を調製し、水相成分として、スノーテッ
クスC(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ20
%水溶液)35.0g、水260.9gの溶液を調製
し、両者を混合した後、ホモジナイザーにて12,00
0rpm、10分間激しく攪拌混合して、水相中に油滴
を分散した乳化分散物を得た。次に、ステンレス製ポッ
トに乳化分散物を投入し、40℃3時間攪拌して溶剤成
分を除去することによって、粒径0.48μmの疎水性
ポリマー微粒子を得た。
【0128】実施例2〜3および比較例1〜3(疎水性
ポリマー微粒子の作製例) 実施例1で用いた疎水性ポリマー及び酸化物又は水酸化
物微粒子を表1に記載した材料に置き換えた以外は実施
例1と同様にしてポリマー微粒子を作製した。結果を表
1に示した。
【0129】
【表1】
【0130】以上の結果から、本発明のポリマー微粒子
作製においては、周期表の2族〜15族の元素の酸化物
または水酸化物粒子、および界面活性剤は必須の構成要
素であることが明らかである。
【0131】実施例4〜27および比較例4 (水相にさらに水溶性樹脂を加えた場合のポリマー微粒
子の作製例)表2に記載した疎水性ポリマー、酸化物ま
たは水酸化物粒子、水溶性樹脂、界面活性剤を材料とし
て用い、実施例1と同様の操作でポリマー微粒子を作製
した。水溶性樹脂の添加量は4.2gであった。結果を
表2に示した。
【0132】
【表2】
【0133】表中の略号および商品名は、下記の通りで
ある。 PMMA:ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量1
5,000) スノーテックスC:日産化学工業(株)製、コロイダル
シリカ20%水溶液 スノーテックス20:日産化学工業(株)製コロイダル
シリカ20%水溶液 アルミナゾル100:日産化学工業(株)製 リチウムシリケート75:日産化学工業(株)製 チタニアゾル:石原産業(株)製STS−01 含水酸化チタン:チタン工業(株)製PC−101 酸化スズ:多木化学(株)製セラメースS−8 PVA105:(株)クラレ製ポリビニルアルコール、
ケン化度98.8% PVA205:(株)クラレ製ポリビニルアルコール、
ケン化度88.0% パイオニンA41C:竹本油脂(株)製アニオン界面活
性剤 エマールNC:花王(株)製アニオン界面活性剤 エマルゲン920:花王(株)製ノニオン界面活性剤 リポミンLA:ライオン油脂(株)製両性界面活性剤
【0134】実施例28(光熱変換剤を内包するポリマ
ー微粒子) 実施例6のポリマー微粒子作製時に、油相成分に光熱変
換剤(本明細書記載のIR−24)5.0g添加した以
外は実施例6と同じ方法で操作し、光熱変換剤を内包す
るポリマー微粒子を作製した。粒子径は0.38μmで
あった。
【0135】実施例29(平版印刷用原板の作製と評
価) 99.5質量%アルミニウムに、銅を0.01質量%、
チタンを0.03質量%、鉄を0.3質量%、珪素を
0.1質量%含有するJISA105のアルミニウム材
の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのバミス
トン(共立窯業製)の20質量%水性懸濁液と、回転ナ
イロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表
面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。次に、10質
量%水酸化ナトリウム水溶液に70℃で60秒間浸漬し
てエッチングした後、流水で水洗した。更に、20質量
%硝酸水溶液で中和し、水洗浄した。得られたアルミニ
ウム板を1.0質量%硝酸水溶液(硝酸アルミニウム
0.5質量%含有)中で、陽極時電圧12.7ボルト、
陽極時電気量に対する陰極時電気量の比が0.9、陽極
時電気量160クローン/dm2の条件の矩形波交番波
形の電流を用いて電解粗面化処理を行った。得られた基
板の表面粗さは、0.6μm(Ra表示)であった。こ
の処理に続いて、40℃の1質量%水酸化ナトリウム水
溶液中に30秒間浸漬して、エッチングした後、水洗し
た。次に、55℃、30質量%の硫酸水溶液中に1分間
浸漬した。さらに、35℃の硫酸20質量%水溶液(ア
ルミニウム0.8質量%含有)中で直流電流を用いて、
陽極酸化皮膜質量が2.5g/dm2となるように陽極
酸化処理を行った。これを水洗、乾燥して支持体を作製
した。
【0136】次に、このようにして得たアルミニウム支
持体上に、下記組成の画像記録層塗布液をバーコーター
にて、乾燥膜質量が3.0g/m2になるように塗布を
行い、次いでオーブンにて100℃3分間乾燥して平版
印刷用原板を作製した。
【0137】 (画像記録層塗布液組成) コロイダルシリカ分散物20%水溶液 150g ゾルゲル調製液 66g 実施例1の疎水性ポリマー微粒子(10質量%水分散物) 400g 光熱変換剤(本明細書記載のIR−10) 10g 水 374g
【0138】ここに使用したゾルゲル調製液は、下記の
組成の溶液を調製し、室温で2時間熟成したものであ
る。
【0139】 (ゾルゲル調製液) テトラメトキシシラン 150g エタノール 300g 0.1モル/リットル硝酸 45g
【0140】このように作製した印刷用原板表面の水滴
接触角を測定したところ、拡張濡れを示して非常に親水
性の高い表面であった。
【0141】上記平版印刷用原板を水冷式40W赤外線
半導体レーザーを搭載したクレオ社製トレンドセッター
3244VFSにて外面ドラム回転数100rpm、版
面エネルギー200mJ/cm2、解像度2400dp
iの条件で露光し、露光部表面に画像領域を形成した。
この印刷版の照射領域表面の水滴接触角は96゜で、疎
水性の高い表面に変化したことを示した。その後現像処
理することなく、印刷機に装着した。
【0142】印刷機にハイデルベルグ社製印刷機SOR
−Mを用い、湿し水にEU−3(富士写真フイルム
(株)製)の1容量%水溶液を用い、インキはGEOS
(N)墨を用いた。はじめに、湿し水で10回転ロール
アップ(ならし運転)を行い、次いでインキを供給して
印刷を開始し、20,000枚まで印刷汚れがなく、高
品質な印刷物が得られた。
【0143】実施例30〜55(平版印刷用原板の作製
と評価) 実施例29の画像記録層に用いた実施例1の疎水性ポリ
マー微粒子の代わりに、実施例2〜27で作製したポリ
マー微粒子を用いた以外は、実施例29と同様に版材を
作製し、レーザー露光による像様照射及び印刷を行い、
評価した。その結果、いずれの実施例も、印刷原板表面
の親水性は非常に高く、また、照射領域表面の疎水化の
度合いは十分大きく、刷り出しの着肉性に優れ、20,
000枚まで印刷汚れがなく、高品質な印刷物が得られ
た。
【0144】実施例56(平版印刷用原板の作製と評
価) 実施例29の陽極酸化アルミニウム支持体と画像記録層
の間に、下記組成の断熱層塗布液を塗布して乾燥塗布量
1.0g/m2の断熱層を設けた以外は、実施例29と
同様に版材を作製した。
【0145】 (断熱層の塗布液組成) ブチラール樹脂BM−S(積水化学(株)製)10%MEK溶液 59g カーボンブラック分散物(固形分21%) 13.5g MEK(メチルエチルケトン) 62.7g
【0146】次いで、レーザー露光による像様照射及び
印刷を行った。結果は、実施例29と比較して、少ない
露光エネルギー(版面エネルギー150mJ/cm2)で
画像形成が可能であり、実施例29と同様に20,00
0枚まで印刷汚れがなく、高品質な印刷物が得られた。
【0147】実施例57(平版印刷用原板の作製と評
価) 実施例29の画像記録層で使用した光熱変換剤IR−1
0をCarey-Lea法で作製した銀コロイド(平均粒子径10
nm)に置き換えた以外は、実施例29と同様に版材を
作製した。得られた印刷原板表面の水滴接触角を測定し
たところ、拡張濡れを示して非常に親水性の高い表面で
あった。次いで、レーザー露光による像様照射及び印刷
を行った。結果は、実施例1と同様に画像形成が可能で
あり、20,000枚まで印刷汚れがなく、高品質な印
刷物が得られた。
【0148】実施例58(平版印刷用原板の作製と評
価) 実施例29記載の印刷版用原板の画像記録層上に、下記
組成の水可溶性保護層の塗布液を、バーコーターにて
0.5g/m2の乾燥膜厚みになるように塗布し、オー
ブン中で100℃1分間乾燥した。 (水可溶性保護層の塗布液組成) ポリアクリル酸(平均分子量20,000)10%水溶液 350g 光熱変換剤IR−10(1質量%水溶液) 2.5g
【0149】次いで、レーザー露光による像様照射及び
印刷を行った。結果は、実施例29と比較して少ない露
光エネルギー(版面エネルギー150mJ/cm2)で
画像形成が可能であり、実施例25と同様に20,00
0枚まで印刷汚れがなく、高品質な印刷物が得られた。
【0150】実施例59(平版印刷用原板の作製と評
価) 実施例29のアルミニウム支持体を、表面にコロナ処理
を施した180μm厚ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに置き換えた以外は、実施例29と同様に版材を作
製し、レーザー露光による像様照射及び印刷を行い、評
価した。その結果、印刷原板表面の親水性は非常に高
く、また、照射領域表面の疎水化の度合いは十分大き
く、刷り出しの着肉性に優れ、20,000枚まで印刷
汚れがなく、高品質な印刷物が得られた。
【0151】実施例60(平版印刷用原板の作製と評
価) 下記組成の画像記録層塗布液を調製し、実施例29で作
製したアルミニウム支持体上にバーコーターにて、乾燥
膜質量が1.0g/m2になるように塗布を行い、次い
でオーブンにて60℃2分間乾燥した。
【0152】 (画像記録層塗布液組成) ポリアクリル酸(平均分子量20,000)10%溶液 100g 実施例28で作製したポリマー微粒子(10質量%水分散物) 800g 水 100g
【0153】このようにして得られた機上現像可能な平
版印刷版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載し
たクレオ社製トレンドセッター3244VFSにて、出
力9W、外面ドラム回転数105rpm、版面エネルギ
ー200mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で
露光した後、処理することなく、ハイデルベルグ社製印
刷機SOR−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給した
後、インキを供給し、さらに紙を供給して印刷を行っ
た。全ての印刷版について問題なく機上現像ができ、2
0,000枚まで印刷汚れがなく、高品質な印刷物が得
られた。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、露光後、処理を行うこ
となく直接印刷機に装着して印刷することが可能な平版
印刷用原板を製造するのに適した高親水性表面を有する
ポリマー微粒子の製造方法、およびこの方法で製造した
ポリマー微粒子を用いた汚れ難さの改良された平版印刷
用原板を提供できる。
フロントページの続き (72)発明者 山崎 純明 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB03 AC08 AD01 BH03 BJ03 CB54 CC20 DA36 FA10 2H096 AA06 BA20 EA04 EA23 2H114 AA04 AA22 AA24 BA01 BA10 DA50 DA51 DA59 DA75 EA02 EA08 FA16 4F070 AA13 AA18 AA22 AA26 AA29 AA32 AA34 AA36 AA39 AA44 AA46 AA47 AA49 AA52 AA53 AA56 CB03 4J002 BB02W BB20W BC02W BC12W BD03W BD10W BE02X BG01X BG05W BG06W BG07W BG10W BG12W BG12X BQ00W BQ00X CC03W CC16W CC18W CD00W CF01W CF21W CH02X CK02W CM02X FD310 GS00 GT00 HA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性ポリマーを水と非混和性の溶剤に
    溶解した溶液を、周期表の2族〜15族の元素から選ば
    れる少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物の微粒
    子を含む水相に、界面活性剤を用いて分散させた後、該
    油滴から溶剤を除去し、水に分散したポリマー微粒子を
    生成することを特徴とするポリマー微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 疎水性ポリマーが下記一般式(I)の構
    造単位を有することを特徴とする請求項1記載のポリマ
    ー微粒子の製造方法。 【化1】 (ここで、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素原
    子又は炭素数8以下の炭化水素基を表し、R4は炭素数
    1〜40のアルコキシ基又はアシロキシ基を表し、kは
    0〜2の整数であり、mは0〜3の整数であって、かつ
    k+mは3以下であることを表し、Xは1価の金属又は
    水素原子を表し、Zは下記から選ばれた基を表す。) 【化2】 (ここで、R5は水素原子又は炭素数8以下の炭化水素
    基を表し、R6は炭素数5以下のアルキレン基又は複数
    の連鎖炭素原子団が互いに炭素原子もしくは窒素原子で
    結合した2価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表
    す。)
  3. 【請求項3】 周期表の2族〜15族の元素から選ばれ
    る少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物の微粒子
    を含む水相に、さらに水溶性樹脂を含ませることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載のポリマー微粒子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、
    ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアク
    リルアセトアミド、ポリオキサゾリン、ポリジメチルア
    クリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル
    酸、ポリビニルメチルエーテル及びポリエチレンイミン
    から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴と
    する請求項3に記載のポリマー微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に、請求項1から請求項4のい
    ずれかに記載の製造方法で製造されたポリマー微粒子を
    含有し、熱により疎水性となる親水性の画像記録層を有
    することを特徴とする平版印刷用原板。
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