JP2002200160A - 創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物および創傷被覆材 - Google Patents
創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物および創傷被覆材Info
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Abstract
など)を示し、また粘着特性の経時的安定性に優れる創
傷被覆材用粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 (1)ケイ素原子に結合した有機基の1
0〜20モル%がフェニル基、残余の有機基がアルキル
基またはアルケニル基であり、両末端が水酸基で封鎖さ
れたポリジオルガノシロキサン100重量部と、(2)
(R1)3SiO1/ 2単位とSiO4/2単位からなり(式
中、R1は1価の炭化水素基を表わす)、SiO4/2単位
1モルに対する(R1)3SiO1/2単位の量が0.5〜
1.2モルであり、ケイ素原子に結合した水酸基を分子
中に少なくとも1個有する分岐状ポリオルガノシロキサ
ン70〜135重量部とを、水酸化リチウムにより部分
縮合して得られたフェニル基含有ポリオルガノシロキサ
ン縮合体からなることを特徴とする創傷被覆材用シリコ
ーン粘着剤組成物。
Description
ーン粘着剤組成物およびそれを用いた創傷被覆材に関す
る。
剤のような皮膚刺激性がないため、近年、絆創膏などの
医療用粘着テープの粘着剤として用いられており、たと
えば、特開平7−52326号公報、特公平7−855
4号公報、特許第2865342号公報などには、救急
絆創膏などの感圧粘着テープが開示されている。
は、たとえば、粘着剤を不織布などの粘着テープ基材の
一面に塗布して粘着面を形成し、その粘着面の一部に創
傷面を保護するための吸湿性シートを貼着させ、粘着面
および吸湿性シートを使用直前まで保護するために、剥
離紙などの剥離性シートを残りの粘着面に貼着してい
る。
ン系粘着剤に関する詳細な記述がなく、また、開示され
ているシリコーン系粘着剤は、必ずしも、粘着特性のバ
ランスがよくなく、さらにシリコーン粘着剤の粘着特性
の経時的変化が大きいため、アクリル系の粘着剤と比べ
て、経時的にべたつき感が減少したり、剥離紙からの剥
離が悪くなるなどの欠点があり、さらなる改善が求めら
れていた。とくに、被着体であるヒトの皮膚と粘着面と
の間の保持力と、粘着面と剥離紙との間の剥離力とのバ
ランスの改善と、その経時的安定性の改善が求められて
いた。
特公昭57−56509号公報には、シリコーン系粘着
剤の塗布面を保護するために、アリール基含有シリコー
ン粘着剤とシリコーン系剥離剤を塗布した剥離紙とを組
み合わせる例が開示されている。これらの公報では、ア
リール基含有生ゴムとMQレジンとをアミノシランで脱
水縮合させているため、救急絆創膏用途で要求されるタ
ックの高い粘着剤を得ようとすると保持力が低下し、か
つ高い剥離力が必要となり、保持力と剥離力とのバラン
スが取れなくなる欠点があった。いいかえれば、この組
み合わせでは、粘着層の剥離層からの剥離力を重要視す
るあまり、他の粘着特性(タック、保持力、粘着力な
ど)のバランスが悪くなっていた。また、アミノシラン
の代わりに水酸化ナトリウムを用いて、アリール基含有
生ゴムとMQレジンとを脱水縮合させる例も開示されて
いるが、水酸化ナトリウムを使用すると反応速度が速
く、製品の粘度低下を招くという欠点があった。
着力が低下し、また、粘着剤の皮膜が軟らかくなる結
果、保持力(凝集力)も低下する。逆に保持力あるいは
粘着力の高い粘着剤では、タックが低下する。剥離力と
タックとの間には相関関係が認められ、粘着剤のタック
が高い場合には剥離力が大きくなる。
種粘着特性のバランスの取れたシリコーン系粘着剤を使
用する必要がある。
シリコーン系粘着剤を使用した創傷被覆材では、粘着特
性のバランスやその経時的安定性をさらに改善すること
が望まれていた。とくに、被着体と粘着面との間のタッ
ク、保持力と、粘着面と剥離紙との間の剥離力とのバラ
ンスの改善と、その経時的安定性の改善が求められてい
た。
ク、保持力、粘着力など)を示す創傷被覆材用シリコー
ン粘着剤組成物およびそれを用いた創傷被覆材を提供す
ることである。とくに粘着特性の経時的安定性にすぐれ
た創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物およびそれを用
いる創傷被覆材を提供することである。
発明は、(1)ケイ素原子に結合した有機基の10〜2
0モル%がフェニル基、残余の有機基がアルキル基また
はアルケニル基であり、両末端が水酸基で封鎖されたポ
リジオルガノシロキサン100重量部と、(2)
(R1)3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり(式
中、R1は1価の炭化水素基を表わす)、SiO4/2単位
1モルに対する(R1)3SiO1/2単位の量が0.5〜
1.2モルであり、ケイ素原子に結合した水酸基を分子
中に少なくとも1個有する分岐状ポリオルガノシロキサ
ン70〜135重量部とを、水酸化リチウムにより部分
縮合して得られたフェニル基含有ポリオルガノシロキサ
ン縮合体からなることを特徴とする創傷被覆材用シリコ
ーン粘着剤組成物に関する。
式(I):
なっていてもよく、R2およびR3の合計の10〜20モ
ル%がフェニル基であり、残余がアルキル基あるいはア
ルケニル基であり、nは1000〜8000の数であ
る)で示されるポリジオルガノシロキサンであることを
特徴とする請求項1に記載の創傷被覆材用シリコーン粘
着剤組成物に関する。
有ポリオルガノシロキサン縮合体が、ケイ素原子に結合
した水酸基を分子中に0.1〜0.9重量%含有するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の創傷被覆材用
シリコーン粘着剤組成物に関する。
Pa・s以上である請求項1〜3のいずれかに記載の創
傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物に関する。
104N/m2以上であり、剥離性シートに対する剥離力
が0.98N/25mm以下である請求項1〜4のいず
れかに記載の創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物に関
する。
上に、請求項1〜5のいずれかに記載された創傷被覆材
用シリコーン粘着剤組成物からなる粘着層を設け、さら
に剥離性シートを貼着してなることを特徴とする創傷被
覆材に関する。
レタン弾性繊維からなる不織布からなる請求項6に記載
の創傷被覆材に関する。
層を設けた面と反対側の表面に撥水剤を塗布してなる請
求項7に記載の創傷被覆材に関する。
融紡糸されたポリウレタン弾性フィラメントが実質的に
集束されずに積層され、前記積層されたフィラメントの
接触点が該フィラメント自体により接合されてなり、か
つ不織布の剛軟度が式: Y<0.2X+20 (式中、Yは剛軟度(mm))、Xは目付(g/m2)
を示す)を満足するものである請求項7または8に記載
の創傷被覆材に関する。
粘着剤組成物は、(1)ケイ素原子に結合した有機基の
10〜20モル%がフェニル基、残余の有機基がアルキ
ル基またはアルケニル基であり、両末端が水酸基で封鎖
されたポリジオルガノシロキサン100重量部と、
(2)(R1)3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり
(式中、R 1は1価の炭化水素基を表わす)、SiO4/2
単位1モルに対する(R1)3SiO 1/2単位の量が0.
5〜1.2モルであり、ケイ素原子に結合した水酸基を
分子中に少なくとも1個有する分岐状ポリオルガノシロ
キサン70〜135重量部とを、水酸化リチウムにより
部分縮合して得られたフェニル基含有ポリオルガノシロ
キサン縮合体(以下、単にシリコーン粘着剤という場合
がある)からなることを特徴とするものである。
用いられる(1)成分のポリジオルガノシロキサンは、
フェニル基を含有し、残余の有機基がアルキル基または
アルケニル基で構成され、両末端が水酸基で封鎖されて
いるものである。
ンは、実質的に直鎖状のシロキサン骨格を有し、両末端
の水酸基が(2)成分中の水酸基と脱水縮合して、粘着
剤のベースポリマーを形成する。
しては、式(I)で示されるように、有機基としてフェ
ニル基とアルキル基またはアルケニル基を有し、両端部
のケイ素原子に結合する有機基はメチル基であるものが
好ましい。
に結合した全有機基のうち、10〜20モル%、好まし
くは11〜18モル%がフェニル基であることが望まし
い。フェニル基の量が10モル%未満では、フェニル基
含有シリコーン粘着剤の特徴である高凝集力が得られ
ず、一方20モル%を超えると成分(2)の分岐状ポリ
オルガノシロキサンとの相溶性が悪くなり、脱水縮合反
応が困難となる。
は、このケイ素原子上の2個の有機基のうち、1個がフ
ェニル基であっても、2個がフェニル基であってもよ
い。
残余の有機基は、アルキル基、アルケニル基などの炭化
水素基であることが望ましい。アルキル基としては、メ
チル、エチル、プロピルなどが例示される。合成が容易
で、(1)成分に比較的低い粘度を与え、かつ得られる
粘着剤に耐熱性、耐寒性、耐水性、耐候性などのポリシ
ロキサン固有の性質を典型的に付与する点から、メチル
基が好ましく用いられる。アルケニル基としては、ビニ
ル、アリル、ブテニル、ヘキセニルなどが例示される
が、合成が容易で、良好な耐熱性を与える点からはビニ
ル基が好ましい。
ロキサンの重合度、すなわちシロキサン単位の数nは、
得られる粘着剤の粘着性と、製造ないし取り扱いの容易
性を考慮して、通常1000〜8000の範囲であり、
2000〜7000であることが好ましい。
ンは、(R1)3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなる
ポリオルガノシロキサンであり、R1の炭化水素基とし
てはメチル、エチル、プロピルなどのアルキル基、ビニ
ル、アリルなどのアルケニル基、およびフェニル基が例
示される。合成が容易なことからメチル基が好ましく用
いられる。
iO4/2単位の比は、SiO4/2単位1モルに対して(R
1)3SiO1/2が0.5〜1.2モル、好ましくは0.
6〜1.1モルである。0.5モル未満ではタックが極
端に低下し、一方1.2モルを超えると凝集力が低下す
る傾向がある。
シロキサンは、ケイ素原子に結合した水酸基を有してお
り、この水酸基が(1)成分のポリオルガノシロキサン
との部分縮合反応に寄与する。
溶解した状態で得られるが、固形分60重量%のキシレ
ン溶液として25℃における粘度が13〜16mPa・
sのものが好ましく用いられる。粘度13mPa・s未
満では、タックは高くなるが保持力が低下する傾向があ
る。粘度16mPa・sを超えると保持力は強いが、タ
ックが低下する傾向がある。
(フェニル基含有ポリオルガノシロキサン縮合体)を形
成するには、(1)成分の100重量部に対して(2)
成分を70〜135重量部用いることが好ましい。
(2)成分の量が70重量部未満では得られる凝集剤の
凝集力が乏しく、一方135重量部を超えると粘着性
(タック)が低下する。
有効量であり、(1)成分と(2)成分との合計量に対
して、水酸化リチウムとして1〜50ppm程度であ
り、好ましくは3〜20ppmである。1ppm未満で
は縮合反応が遅く連続生産する場合に実用上不利であ
り、一方50ppmを超えても縮合速度は向上せず、経
済性および得られる粘着剤の安定性のうえで好ましくな
い。
レンのような有機溶媒の存在下に、水酸化リチウム触媒
を用いて、有機溶媒の還流温度において、数時間加熱し
ながら生成する水を系外に除去しながら行なうことがで
きる。反応時間は、製造スケールや使用する触媒量など
によって異なるが、たとえば、触媒量5ppmで1〜5
kgの粘着剤を調製する場合には、通常溶媒の還流温度
で4〜8時間程度反応させることが望ましい。
分と(2)成分との部分縮合反応によって得られたシリ
コーン粘着剤が、ケイ素原子に結合した水酸基を、分子
中に0.1〜0.9重量%含有することが好ましい。さ
らに好ましくは、0.2〜0.7重量%である。この範
囲ではとくに粘着特性の経時安定性がすぐれている。
ン、水酸化ナトリウムなどが触媒として用いられてい
た。しかし、アミノシランを使用した反応では、(1)
成分と(2)成分との部分縮合反応が充分ではなく、得
られたシリコーン粘着剤の保持力が不充分となる。水酸
化ナトリウムを用いた反応では、得られたシリコーン粘
着剤の保持力は充分であるが、粘着が著しく低下するた
め製品の粘度コントロールが困難となる。
剤成分が前記シリコーン粘着剤(フェニル基含有ポリオ
ルガノシロキサン縮合体)のみからなるものであっても
よいが、粘度、タックなどの微調整のために、必要に応
じて、前記(2)成分の分岐状ポリオルガノシロキサン
や、アクリル系粘着剤など他の粘着剤を含有せしめるこ
とができる。たとえば、シリコーン粘着剤に分岐状ポリ
オルガノシロキサンを配合することによって粘着力を高
めることができる。その場合タックが低下することがあ
るが、アクリル系粘着剤をさらに配合することにより、
タックの低下を防止できる。
ーン粘着剤(フェニル基含有ポリオルガノシロキサン縮
合体)の特性を損なわない範囲で粘度を調整するために
は、該シリコーン粘着剤に対して、1〜15重量%(不
揮発分換算)程度配合される。
されず各種のものが使用できるが、たとえばアクリル酸
2-エチルヘキシルおよびアクリル酸ブチルを主成分と
する共重合体が代表例としてあげられる。前記アクリル
酸2-エチルヘキシルとアクリル酸ブチルとの配合割合
は、重量比で20:80〜80:20、好ましくは2
0:80〜40:60となるように調整される。アクリ
ル酸2-エチルヘキシルの割合が前記範囲よりも少ない
場合には、粘着剤の凝集力が増加し、粘着力が低下し、
また前記範囲よりも大きいばあいには、粘着剤の凝集力
が低化しすぎて粘着力が低下する傾向がある。なお、前
記アクリル系粘着剤を構成するモノマー成分として、各
種モノマー、たとえばポリアクリルアミド、アクリル酸
などを全体の5重量%を超えない範囲内で配合してもよ
い。
リコーン粘着剤との相溶性の点から500〜20000
mPa・s、なかんづく1000〜10000mPa・
s(25℃)であるのが好ましい。
剤(フェニル基含有ポリオルガノシロキサン縮合体)の
特性を損なわない範囲でタックを調整するためには、該
シリコーン粘着剤または該シリコーン粘着剤と分岐状ポ
リオルガノシロキサンの混合物に対して、1〜10重量
%(不揮発分換算)程度、好ましくは2〜7重量%程度
配合される。
要に応じて、本発明の作用効果を損なわない範囲内で、
公知の添加剤を配合してもよい。このような添加剤とし
ては、煙霧質シリカのような無機質充填剤、ベンガラの
ような顔料、染料、有機過酸化物、2−メチル−3−ブ
チン−2−オールのような硬化抑制剤、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンのよう
な光増感剤、耐熱添加剤、シリコーンレジンなどが例示
される。
ン粘着剤組成物は、粘度が9000mPa・s(25
℃)以上であるのが好ましい。ここで、粘度は後記の実
施例1における測定方法(製品粘度)により測定される
ものであり、溶剤としてトルエン/キシレン混合溶剤を
用い、固形分濃度55重量%での測定値である。シリコ
ーン粘着剤組成物の粘度が前記範囲未満であると、基材
に粘着剤を塗布する際、作業上、取り扱い上の問題が発
生する傾向がある。
製造後の初期において、さらには製造後40℃で1ヵ月
経時後において、タック(プローブタック)が1.9×
10 4N/m2以上であり、剥離性シートに対する剥離力
が0.98N/25mm以下であるのが好ましく、さら
に、タック(プローブタック)が1.9×104〜7.
8×104N/m2(特に3.5×104〜7.8×104
N/m2)、剥離力が0.080〜0.98N/25m
m(とくに0.080〜0.49N/25mm)、粘着
力が8.8〜15N/19mm、保持力が15〜90分
であるのが好ましい。ここで、本発明のシリコーン粘着
剤組成物についてのタック(プローブタック)、粘着
力、保持力の値は後記の実施例1における測定方法によ
り測定されるものであり、ポリエチレンテレフタレート
フィルム(PETフィルム)上に粘着層を形成した試料
についての値である。また、剥離力は該試料についてメ
チル系剥離紙用シリコーン塗工紙に対する値である。本
発明のシリコーン粘着剤組成物の前記測定条件下でのタ
ック、剥離力、粘着力、保持力が、初期において、さら
に経時においても、前記範囲内であると、創傷被覆材と
して実用する場合(皮膚に貼り付けた場合)において
も、タック、剥離力、粘着力、保持力がバランスのとれ
たものとなり、好ましい。
布して粘着層を設け、さらに剥離性シートを貼着するこ
とで、本発明の創傷被覆材が得られる。
てはとくに制限されず、各種のものが使用できる。たと
えば、軟質塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンなど
のオレフィン系樹脂フィルム、ポリウレタンフィルムな
どの樹脂フィルム、ポリエチレン不織布、レーヨン不織
布、ポリウレタン不織布などがあげられる。基材の厚さ
は、20〜700μm程度が適当である。
についてはとくに限定はないが、その一例をあげれば、
たとえば前記シリコーン粘着剤組成物を基材の一方表面
上に刷毛塗り、スプレーコーティング、ナイフコーティ
ングなどにより付着せしめたのち、前記シリコーン粘着
剤組成物に含まれた有機溶剤を除去する方法などがあげ
られる。なお、シリコーン粘着剤組成物に有機過酸化物
を配合した場合には、有機溶剤を除去したのちに、さら
に160℃程度以上に感圧粘着剤を加熱して硬化させる
ことが好ましい。なお、基材の一方の表面上に設けられ
る粘着層の厚さは、前記シリコーン粘着剤組成物の種
類、得られる創傷被覆材の用途などによって異なるの
で、一概には決定することができないが、通常5〜50
μm、なかんづく20〜40μmとなるように調整され
ることが望ましい。
織布は好ましいものの一つであるが、中でもポリウレタ
ン弾性繊維からなる不織布がとくに好ましく用いられ
る。ポリウレタン弾性繊維は、すぐれた耐熱性(金属接
触時150℃以上)、耐寒性(−40℃以下)、電気絶
縁性(体積固有抵抗:1013Ω・cm以上)、透湿
性、耐水性および耐薬品性を有するものである。したが
って、前記粘着層をこれらの諸物性を有するポリウレタ
ン弾性繊維からなる不織布と組合せた場合には、前記諸
物性をすべて具備した創傷被覆材が得られる。
レタン弾性繊維からなる不織布は、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーからなるフィラメントを集積したいわゆ
るスパンボンド不織布であり、通常熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーを溶融し、該溶融物を急速にノズルから
空気中に噴出させ、得られたフィラメントを集積したの
ち、冷却することにより得られるものである。かかるポ
リウレタン弾性繊維からなる不織布のなかでは、溶融紡
糸されたポリウレタン弾性フィラメントが実質的に集束
されずに積層され、前記積層されたフィラメントの接触
点が該フィラメント自体により接合され、かつ不織布の
剛軟度が式: Y<0.2X+20 (式中、Yは剛軟度(mm)、Xは目付(g/m2)を
示す)を満足するものは、とくに伸縮性、通気性および
柔軟性にすぐれているので好適に使用し得るものであ
る。なお、前記不織布の剛軟度は、JIS L−109
6に規定された45度カンチレバー法に準じて測定され
た値を示し、本発明において0.2X+20未満である
場合には不織布の柔軟性が充分に大きくなるので好まし
い。とくに好ましい前記不織布の剛軟度は、0.2X+
10未満である。
しては、たとえばソフトセグメントが、アルキレン基の
炭素数が2〜8であるポリアルキレングリコールやポリ
アルキレンアジペートなどであり、またハードセグメン
トが、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソ
シアネートと低分子ジオールとの反応によるウレタン結
合などである熱可塑性ポリウレタンエラストマーなどが
あげられるが、かかるポリウレタンエラストマーはほん
の一例であり、本発明はこれら例示のみによって限定さ
れるものではない。
よび通気性に対して相関関係にあるので一概には決定す
ることができない。たとえば、不織布の目付を大きくす
れば通気性が低下する傾向にあるのでその厚さを小さく
する必要がある。したがって、前記不織布の厚さおよび
目付は、得られる創傷被覆材の用途などに応じて適宜調
整することが望ましい。本発明の創傷被覆材に使用する
前記不織布の通気性は、皮膚などに貼付した場合であっ
てもむれなどが発生しないようにするために、JIS
L−1096に規定されたフラジール形試験機を用いて
測定したときに100ml/cm2・sec以上である
ことが好ましい。なお、前記不織布の厚さは、あまりに
も薄い場合には、得られる創傷被覆材の引張り強度が充
分でなくなり、またあまりにも厚すぎる場合には、伸縮
性が小さくなりすぎる傾向にあるので、通常100〜7
00μm、なかんづく150〜400μmとすることが
好ましい。また、前記不織布の目付は、得られる創傷面
保護材に実用に適した引張り強度および適度な通気性を
付与せしめるために、通常10〜200g/m2、なか
んづく50〜100g/m2であることが好ましい。
製、エスパンシオーネ(登録商標)ES25A、ES5
0A、ES75A、ES85A、ES85A、ES2
5、ES50、ES150、UH25、UH50、UH
75、UH100、UH125、UHD25、UHD5
0、UHD75、UHD100、UHD125、EH2
5、EH50、EH75、EH85、EH100、EH
125、EH180などがあげられ、これらの不織布は
いずれも100%伸長時における応力は3.92×10
-1〜4.61N/cmと小さく、またそのときの回復率
は約90%以上とすぐれ、破断強度は9.8×10-4N
/cm以上、破断時における伸度は400%以上であ
り、伸縮性および引張り強度にすぐれ、かつ適度な通気
性を有するものであるから、本発明において好適に使用
し得るものである。なお、本発明は、前記したような伸
縮性および引張り強度を有し、かつ適度な通気性を有す
る不織布であれば、前記例示したもの以外のものであっ
ても使用し得ることは勿論のことである。
ものであるので、その性質を利用して加熱下で該不織布
にたとえばエンボス加工を施してその表面上に凹凸模様
を設け、該凸部の上部にのみ粘着層を設けてもよい。こ
のように凸部の上部にのみ粘着層を設けた場合には、凹
部は粘着層が設けられていないので被着物に粘着するこ
となく自由に伸縮し得るため、さらに貼付後の創傷被覆
材の伸縮性が向上するので好ましい。
けるにあたって、前記不織布にあらかじめ撥水処理を施
しておくことが好ましい。このように撥水処理を施した
場合には、粘着層が不織布に浸透することによりひきお
こされる粘着力の低下を阻むことができる。また、創傷
被覆材に防水性を付与せしめる場合には、不織布の粘着
層が設けられていない面に撥水処理を施すことができ
る。前記撥水処理を施す方法にはとくに限定はないが、
たとえば撥水処理剤を不織布に付着せしめる方法などが
あげられる。
ばフッ素系撥水処理剤などがあげられる。かかるフッ素
系撥水処理剤の具体例としては、たとえば旭硝子(株)
製アサヒガードAG730(商品名)、ユニオン化学工
業(株)製ユニカポロンLK420(商品名)、大日本
インキ化学工業(株)製ディックガードX−10(商品
名)、東海製油(株)製TSガードK317(商品名)
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。前記撥水処理剤の使用量は、不織布
の目付などによって異なるので一概には決定することが
できないが、通常固形分量で0.5〜10g/m2、な
かんづく1〜5g/m2程度とされるのが好ましい。か
かる撥水処理剤の使用量は、前記範囲よりも少ない場合
には、撥水処理剤を使用することによる効果が充分に発
現されなくなり、また前記範囲よりも多い場合には、そ
れ以上の撥水性の向上は望めなく、かえって経済的でな
くなる傾向がある。
ン繊維の不織布を用いた創傷被覆材は、透湿性および通
気性にきわめてすぐれたものであるので、たとえば高温
期に人体の皮膚に貼付した場合であってもむれなどが発
生しにくく、しかも伸縮性にすぐれたものであるので、
人体の関節部などに貼付し、関節部を伸縮させた場合で
も皮膚の伸縮に追随し、皮膚から剥離したり、ずれ動く
ことがないのである。
水や汗などによってむれないようにするために、防水性
および透湿性をさらに向上させることが好ましい。たと
えば、汗などによってむれないようにするためには、J
IS Z−0208に準じて90%RH(相対湿度)、
40℃、24時間の条件下で測定したときの透湿度は1
000g/m2・24hrs以上、好ましくは1500
g/m2・24hrs以上、さらに好ましくは1800
〜8000g/m2・24hrsであることが望まし
い。かかる透湿度は、通常粘着層に用いられる粘着剤の
種類や付着量などにより調整される。
しては、粘着層から容易に剥離し得るものであればとく
に限定はなく、たとえば紙、布、プラスチックフィルム
などの基材表面上に各種系剥離剤を被覆したものなどが
あげられる。
紙用シリコーン塗工紙、メチル系剥離紙用シリコーン塗
工紙などが使用可能である。本発明におけるシリコーン
粘着剤は成分(1)由来のフェニル基を有するため、高
価なフッ素系剥離紙用シリコーン塗工紙を使わずに、安
価なメチル系剥離紙用シリコーン塗工紙を使用できる。
(A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、
(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(C)
白金系触媒からなる組成物などがあり、こうした組成物
を剥離用シートに塗布し硬化させることでメチル系剥離
紙を作成することができる。
ノシロキサンは、実質的に直鎖状のシロキサン骨格を有
し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子中に少な
くとも2個含有し、このアルケニル基の量としては全有
機基中の0.5〜3.0モル%の範囲が好ましく、0.
5〜2.5モル%のものがさらに好ましい。またこの成
分の粘度は25℃において50〜1000mPa・s、
好ましくは200〜500mPa・sである。
シロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中
に少なくとも3個有し、このSi−H結合と(A)成分
中のアルケニル基との間の付加反応により、網状の分子
構造を形成させて組成物を硬化させる。
基としては、メチル、エチル、プロピルのようなアルキ
ル基およびフェニル基などの炭化水素基が例示され、合
成および取り扱いが容易なことからメチル基が好まし
い。
状、分岐状、環状のいずれであってもよく、25℃にお
ける粘度は5〜500mPa・sの範囲が好ましい。5
mPa・s未満では保存中に揮発しやすく、一方500
mPa・sを超えると合成および取り扱いが困難とな
る。
ルケニル基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原
子が0.5〜2.5個になる量である。この量が0.5
個未満または2.5個を超える場合は、組成物の硬化が
充分ではなく、感圧粘着テープ面に塗布されたシリコー
ン粘着剤と剥離紙との間の剥離性が損なわれる。
のアルケニル基と(B)成分中のSi−H結合との間の
ヒドロシリル化反応を促進させる触媒である。(C)成
分としては、白金の他、塩化白金酸、塩化白金酸とアル
コールの反応生成物、白金−オレフィン錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体、白金−リン錯体などの白金化合物
が例示されるが、触媒効果の点から白金化合物が好まし
く用いられる。
量であり、(A)成分と(B)成分との合計量に対し
て、白金原子として通常1〜500ppm、好ましくは
1〜300ppmである。1ppm未満では硬化が遅く
連続生産する場合に実用上不利であり、500ppmを
超えても硬化速度は向上せず、経済性および組成物の安
定化のうえで好ましくないからである。
は、必要に応じてその機能を損なわない範囲で、2−メ
チル−3−ブチン−2−オールのような反応遅延剤、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オンのような光増感剤などを配合してもよい。
基材の一方の表面上に、前記シリコーン粘着剤組成物か
らなる粘着層を設け、該粘着層の一部に吸湿性シートを
貼着し、さらに剥離性シートを全面に貼着してなる構成
の創傷被覆材があげられる。図1はこの実施態様の創傷
被覆材の一実施例を示す斜視図であり、図2は図1のI
−I線断面図である。
表面上に粘着層2が設けられ、粘着層2のほぼ中央部分
には吸湿性シート3が設けられ、さらに吸湿性シート3
上には剥離性シート4が設けられている。
を用いることができる。その一例として、たとえば殺菌
処理が施された綿やセルロース系繊維からなる織布、編
地や不織布などを素材とする布地などがあげられるが、
本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。こ
れらの吸湿シートのなかでは、綿の編地を素材とする布
地は、適度な伸びを呈するものであるから、とくに好ま
しいものである。なお、前記吸湿性シート3の大きさ
は、通常粘着層2よりも小さい寸法となるように調整さ
れる。また、前記吸湿性シート3が設けられる位置は、
とくに限定がなく、たとえば図2に示されるように粘着
層2の中央部であってもよく、粘着層2の端部であって
もよい。
が使用できる。かかる剥離性シート4は、通常粘着層2
上に吸湿性シート3が貼付固定された面上に粘着層2の
全面を覆うように貼着される。
節部などに貼付した場合であっても皮膚にひきつれ感な
どを与えず、また皮膚の伸縮に追随せしめるためにJI
SL−1096に規定の方法にしたがって測定したとき
の破断伸度が30%以上、また人体貼付時の伸縮の繰返
しによるたるみをなくし、伸長後にもとの状態に復元せ
しめるためにJIS L−1096に規定の方法にした
がって測定したときの100%伸長時における応力が
2.45N/mm以下、回復率が80%以上であること
が好ましい。ただし、これら物性値は粘着面上に吸湿性
シートおよび剥離性シートを貼付しない状態で測定した
値である。
剤組成物および創傷被覆材を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。これらの例において、「部」は重量部
を示す。また「%」はとくに示さないかぎり重量%を示
す。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実
施し得るものである。
MOHで表わされるポリジメチルシロキサンを(1)成分
として100部と、表2に示す(2)−1、すなわちM
4Q8で表わされる分岐状ポリシロキサンを(2)成分と
して固形分量で122部とを、トルエンに加えて撹拌
し、両ポリシロキサンを完全に溶解させた。
レン溶液として調製されており、(1)成分と(2)成
分とを加えるトルエンの量は、得られるトルエン・キシ
レン溶液中の(1)成分と(2)成分との固形分の合計
が55%固形分となる量とした。
シロキサン類の各シロキサンン単位を、表3に示す記号
で表示した。また、表1の「生ゴム希釈粘度」は、
(1)成分を30%固形分になるようにトルエンで希釈
溶解した時の粘度を表わし、表2の「粘度」は、(2)
成分を60%固形分になるようにキシレンで希釈溶解し
た時の粘度を表わす。
との溶媒との合計量に対して水酸化リチウムとして5p
pmに相当する量の1%水酸化リチウム水溶液を添加
し、溶媒の還流温度で6時間加熱撹拌して両ポリシロキ
サンの水酸基を脱水縮合させ、生成した水を系外に除去
した。
酸を加えて中和し、シリコーン粘着剤を得た。このシリ
コーン粘着剤をトルエンで希釈し塗布液を調製した。
たメチル系剥離紙用シリコーン塗工紙(藤森工業(株)
製、バイナシート70X−032HK−H)のシリコー
ン皮膜上にドクターブレードで塗布し、100℃で5分
間乾燥して溶剤を蒸発させ、厚さ30g/m2の粘着層
を得た。この粘着層のシリコーン塗工紙のついていない
方の面に、長さ250mm、幅25mm、厚さ50μm
のPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーTタイプ)
を貼付し、荷重2kgのゴムローラーで圧着してテープ
状の粘着剤塗工試料を得た。
て、以下の測定方法により、粘着特性を評価した。各成
分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
固形分量であり、希釈溶剤であるキシレンは含まない量
である。
めに、粘着力、プローブタック、保持力、剥離力につい
ては、試料作成直後と、シリコーン塗工紙を付けた状態
で40℃で1カ月保管した後とで測定を行なった。結果
を表5に示す。
分となるように、希釈溶解したときのトルエン・キシレ
ン溶液の粘度を測定した。
分となるように希釈溶解し、(1)成分と(2)成分を
縮合反応させた後の、トルエン・キシレン溶液の粘度を
測定した。
コーン塗工紙を剥がした。荷重2kgのゴムローラーを
用いて、この粘着剤塗工試料をベークライト板に粘着層
が接するようにして貼り合わせ、室温で20分間養生し
た。この試料片を引張試験機により180°方向に0.
3m/minの速度で引っ張り、粘着力を測定した。
02−01(株式会社東洋精製機製作所、商品名)を用
いて測定を行なった。シリコーン塗工紙を剥がした粘着
剤塗工試料を、接着時間1秒、荷重9800N/m2、
接着面積0.2cm2、剥離速度10mm/secの条
件でプローブから剥離させ、プローブタックを測定し
た。
US304)の表面に、シリコーン塗工紙をはがした粘
着剤塗工試料を、粘着層の25×25mmの面積が接す
るようにして、荷重2kgのゴムローラーを用いて貼り
合わせ、40℃のオーブン中で20分間無荷重で養生し
た。このテープの下端に1kgの垂直荷重をかけ、この
重りが落下するまでの時間を測定し、重りが落下したと
きの時間を保持力の値とした。
℃、50%RHの条件で、1960N/m2の荷重をか
けながら20時間養生した後、引張試験機によって18
0°方向に0.3m/minの速度で引っ張り、粘着層
からシリコーン塗工紙を剥がすときの剥離力を測定し
た。
8Q8で表わされる分岐状ポリシロキサンを使用すること
以外は、実施例1と同様の条件でシリコーン粘着剤を調
製し、粘着剤塗工試料を作成し、実施例1と同様の方法
で、粘着特性の評価を行なった。各成分の配合ならびに
評価結果を表4に示す。
例1と同様の方法で行なった。結果を表5に示す。
MOHD2Ph 600DVi 4D3 394MOHで表わされるポリジメチ
ルシロキサンを使用し、(2)成分として、表2に示す
(2)−2、すなわちM8Q8で表わされる分岐状ポリシ
ロキサンを使用すること以外は、実施例1と同様の条件
でシリコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成
し、実施例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なっ
た。
す。また、粘着特性の経時的変化の評価も実施例1と同
様の方法で行なった。結果を表5に示す。
MOHD2Ph 540D3458M OHで表わされるポリジメチルシロ
キサンを100部使用し、(2)成分として、表2に示
す(2)−1、すなわちM4Q8で表わされる分岐状ポリ
シロキサンを固形分量で100部使用すること以外は、
実施例1と同様の条件でシリコーン粘着剤を調製し、粘
着剤塗工試料を作成し、実施例1と同様の方法で、粘着
特性の評価を行なった。各成分の配合ならびに評価結果
を表4に示す。
化リチウムを含むトルエン・キシレン溶液を還流温度で
加熱撹拌する時間を12時間とすること以外は、実施例
4と同様の条件でシリコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗
工試料を作成し、実施例1と同様の方法で、粘着特性の
評価を行なった。各成分の配合ならびに評価結果を表4
に示す。
4Q7で表わされる分岐状ポリシロキサンを使用すること
以外は、実施例1と同様の条件でシリコーン粘着剤を調
製し、粘着剤塗工試料を作成し、実施例1と同様の方法
で、粘着特性の評価を行なった。各成分の配合ならびに
評価結果を表4に示す。
メチルジイソプロピルアミノシラン[(CH3)2CHN
H]2Si(CH3)2を、(1)成分と(2)成分と溶
媒との合計量に対して300ppm使用して、反応時間
を1時間としたこと以外は、実施例1と同様の条件でシ
リコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成し、実
施例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なった。各
成分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
例1と同様の方法で行なった。結果を表5に示す。
%水酸化ナトリウム水溶液を(1)成分と(2)成分と
溶媒との合計量に対して水酸化ナトリウムとして5pp
mに相当する量を使用すること以外は、実施例1と同様
の条件でシリコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を
作成し、実施例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行
なった。各成分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
D2Ph 600D3398Mで表わされるポリジメチルシロキサン
を使用すること以外は、実施例1と同様の条件でシリコ
ーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成し、実施例
1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なった。各成分
の配合ならびに評価結果を表4に示す。
MOHD2Ph 200D3798M OHで表わされるポリジメチルシロ
キサンを使用し、(2)成分として、表2に示す(2)
−2、すなわちM8Q8で表わされる分岐状ポリシロキサ
ンを使用すること以外は、実施例1と同様の条件でシリ
コーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成し、実施
例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なった。各成
分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
MOHD2Ph 1000D2998MOHで表わされるポリジメチルシ
ロキサンを使用し、(2)成分として、表2に示す
(2)−2、すなわちM8Q8で表わされる分岐状ポリシ
ロキサンを使用すること以外は、実施例1と同様の条件
でシリコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成
し、実施例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なっ
た。各成分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
M8Q8で表わされる分岐状ポリシロキサンを使用し、か
つ、触媒として、1%水酸化リチウム水溶液の代わり
に、ジメチルジイソプロピルアミノシラン[(CH3)2
CHNH]2Si(CH3)2を、(1)成分と(2)成
分と溶媒との合計量に対して300ppm使用して、反
応時間を1時間としたこと以外は、実施例1と同様の条
件でシリコーン粘着剤を調製し、粘着剤塗工試料を作成
し、実施例1と同様の方法で、粘着特性の評価を行なっ
た。各成分の配合ならびに評価結果を表4に示す。
例1と同様の方法で行なった。結果を表5に示す。
〜5で得られたシリコ−ン粘着剤は、粘着剤粘度、粘着
力、プローブタックなどが高く、保持力と剥離力のバラ
ンスのよいものであり、比較例1〜7のシリコーン粘着
剤と比較して、創傷被覆材用粘着剤としてすぐれた粘着
特性を有していた。
実施例1〜3で得られたシリコーン粘着剤は、粘着力、
プローブタック、保持力、剥離力などの経時的安定性も
良好であり、40℃で1カ月保管した後にも、充分な粘
着力およびプローブタックを示し、保持力と剥離力との
バランスも良好で、創傷被覆材としてすぐれた粘着特性
を維持していた。
粘着剤においては、経時的に保持力と剥離力とのバラン
スが悪化しており、創傷被覆材用粘着剤としては不充分
な粘着特性を示していた。
3で使用した(2)成分の分岐状ポリオルガノシロキサ
ン(表2に示す(2)−2)を6%(不揮発分換算)添
加してシリコーン粘着剤組成物を調製し、得られたシリ
コーン粘着剤組成物を、A4サイズにカットしたメチル
系剥離紙用シリコーン塗工紙(前記バイナシート70X
−032HK−H)のシリコーン皮膜上にドクターブレ
ードで塗布し、100℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発さ
せ、厚さ30g/m2の粘着層を得た。この粘着層の上
に、長さ250mm、幅25mmの不織布(鐘紡(株)
製、エスパンシオーネ(登録商標)UHD−75:目付
75g/m2、厚さ300μm、剛軟度25〜35m
m)を貼付し、荷重2kgのゴムローラーで圧着して創
傷被覆材を得た。
下の測定方法により、粘着力、プローブタック、保持
力、剥離力を測定した。結果を表6に示す。
PETフィルム(厚さ:30μm)を接着剤(塗布量
(固形分量):30g/m2)を用いて貼り合わせた
後、カットして、幅19mmのテープ状の創傷被覆材試
料を用意した。前記PETフィルムは、測定時の補強用
である。この創傷被覆材試料からシリコーン塗工紙を剥
がした。荷重2kgのゴムローラーを用いて、この創傷
被覆材試料をベークライト板に粘着層が接するようにし
て貼り合わせ、室温で20分間養生した。この試料片を
引張試験機により180°方向に0.3m/minの速
度で引っ張り、粘着力を測定した。
し、デジタルポリケンプローブタックテスターTMI8
0−02−01(株式会社東洋精製機製作所、商品名)
を用いて測定を行なった。シリコーン塗工紙を剥がした
創傷被覆材試料を、接着時間1秒、荷重9800N/m
2、接着面積0.2cm2、剥離速度10mm/secの
条件でプローブから剥離させ、プローブタックを測定し
た。
た。表面を#280番耐水研磨紙で磨いたステンレス板
(SUS304)の表面に、シリコーン塗工紙を剥がし
た創傷被覆材試料を、粘着層の25×25mmの面積が
接するようにして、荷重2kgのゴムローラーを用いて
貼り合わせ、40℃のオーブン中で20分間無荷重で養
生した。このテープの下端に1kgの垂直荷重をかけ、
この重りが落下するまでの時間を測定し、重りが落下し
たときの時間を保持力の値とした。
た。シリコーン塗工紙を付けたままの創傷被覆材試料を
25℃、50%RHの条件で、1960N/m 2の荷重
をかけながら20時間養生した後、引張試験機によって
180°方向に0.3m/minの速度で引っ張り、粘
着層からシリコーン塗工紙を剥がすときの剥離力を測定
した。
3で使用した(2)成分の分岐状ポリオルガノシロキサ
ン(表2に示す(2)−2)を6%(不揮発分換算)添
加し、さらに得られた混合物の全量に対してアクリル粘
着剤(日本合成化学工業(株)製コーポニール806
5)を4%(不揮発分換算)添加してシリコーン粘着剤
組成物を調製した。このシリコーン粘着剤組成物を用い
て実施例6と同様にして、創傷被覆材を得た。
ローブタック、保持力、剥離力を実施例6と同様にして
測定した。結果を表6に示す。
た各シリコーン粘着剤を用いて実施例6と同様にして創
傷被覆材を得た。
ローブタック、保持力、剥離力を実施例6と同様にして
測定した。また、粘着特性の経時的変化を評価するため
に、シリコーン塗工紙を付けた状態で40℃で1ヵ月保
管した後に粘着力、プローブタック、保持力、剥離力の
測定を行なった。結果を表7に示す。
カットしたメチル系剥離紙用シリコーン塗工紙(前記バ
イナシート70X−032HK−H)のシリコーン皮膜
上にドクターブレードで塗布し、100℃で5分間乾燥
して溶剤を蒸発させ、厚さ30g/m2の粘着層を得
た。この粘着層の上に下記の材料(長さ250mm、幅
25mm)を貼付し、荷重2kgのゴムローラーで圧着
して創傷被覆材を得た。
さ:55μm) 実施例12:ポリエチレン不織布(デュポン社製、商品
名:ソンタラ、目付:44g/m2、厚さ:460μ
m) 実施例13:レーヨン不織布(旭化成(株)製、商品
名:ベンリーゼ、目付:40g/m2、厚さ:550μ
m) 実施例14:ポリウレタンフィルム(日清紡(株)製、
商品名:モビロン、厚さ:30μm)
プローブタック、保持力、剥離力を実施例6と同様にし
て測定した。結果を表8に示す。
剥離力のバランスがよく、さらにこれら粘着特性の経時
安定性が優れている、創傷被覆材用シリコーン粘着剤が
得られる。
ある。
Claims (9)
- 【請求項1】 (1)ケイ素原子に結合した有機基の1
0〜20モル%がフェニル基、残余の有機基がアルキル
基またはアルケニル基であり、両末端が水酸基で封鎖さ
れたポリジオルガノシロキサン100重量部と、(2)
(R1)3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり(式
中、R1は1価の炭化水素基を表わす)、SiO4/2単位
1モルに対する(R1)3SiO1/2単位の量が0.5〜
1.2モルであり、ケイ素原子に結合した水酸基を分子
中に少なくとも1個有する分岐状ポリオルガノシロキサ
ン70〜135重量部とを、水酸化リチウムにより部分
縮合して得られたフェニル基含有ポリオルガノシロキサ
ン縮合体からなることを特徴とする創傷被覆材用シリコ
ーン粘着剤組成物。 - 【請求項2】 (1)成分が一般式(I): 【化1】 (式中、R2およびR3は互いに同一でも異なっていても
よく、R2およびR3の合計の10〜20モル%がフェニ
ル基であり、残余がアルキル基あるいはアルケニル基で
あり、nは1000〜8000の数である)で示される
ポリジオルガノシロキサンであることを特徴とする請求
項1に記載の創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成物。 - 【請求項3】 前記フェニル基含有ポリオルガノシロキ
サン縮合体が、ケイ素原子に結合した水酸基を分子中に
0.1〜0.9重量%含有することを特徴とする請求項
1または2に記載の創傷被覆材用シリコーン粘着剤組成
物。 - 【請求項4】 粘度が9000mPa・s以上である請
求項1〜3のいずれかに記載の創傷被覆材用シリコーン
粘着剤組成物。 - 【請求項5】 タックが1.9×104N/m2以上であ
り、剥離性シートに対する剥離力が0.98N/25m
m以下である請求項1〜4のいずれかに記載の創傷被覆
材用シリコーン粘着剤組成物。 - 【請求項6】 基材の一方の表面上に、請求項1〜5の
いずれかに記載された創傷被覆材用シリコーン粘着剤組
成物からなる粘着層を設け、さらに剥離性シートを貼着
してなることを特徴とする創傷被覆材。 - 【請求項7】 前記基材がポリウレタン弾性繊維からな
る不織布からなる請求項6に記載の創傷面保護材。 - 【請求項8】 前記不織布の粘着層を設けた面と反対側
の表面に撥水剤を塗布してなる請求項7に記載の創傷被
覆材。 - 【請求項9】前記不織布が、溶融紡糸されたポリウレタ
ン弾性フィラメントが実質的に集束されずに積層され、
前記積層されたフィラメントの接触点が該フィラメント
自体により接合されてなり、かつ不織布の剛軟度が式: Y<0.2X+20 (式中、Yは剛軟度(mm))、Xは目付(g/m2)
を示す)を満足するものである請求項7または8に記載
の創傷被覆材。
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