JP2002200081A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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JP2002200081A JP2000398432A JP2000398432A JP2002200081A JP 2002200081 A JP2002200081 A JP 2002200081A JP 2000398432 A JP2000398432 A JP 2000398432A JP 2000398432 A JP2000398432 A JP 2000398432A JP 2002200081 A JP2002200081 A JP 2002200081A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細径型の超音波深触子内に音響媒体を注入す
る際に、トルクワイヤ内に存在していたエアが気泡とし
て残留しやすかった。 【解決手段】 トルクワイヤ本体18の内部の流路38
にその基端側から音響媒体を加圧注入する。これによ
り、音響媒体が開口31bを介してトルクワイヤ基端部
31内に導入され、更に、そのトルクワイヤ基端部31
内から基端孔38aを介して、トルクワイヤ本体18内
の流路38へ送り込まれ、その流路38に音響媒体が満
たされる。したがって、トルクワイヤ本体18の内部に
存在するエアが音響媒体により追い出され、そのエアは
先端開口16aから外界へ放出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波探触子に関
し、特に超音波探触子に音響媒体を注入する機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血管等に挿入し、体腔内の超音波診断を
行うための細径の超音波探触子が知られている。かかる
超音波探触子は、カテーテル形状のシースチューブと、
その内部に回転自在に挿入されたトルクワイヤと、その
トルクワイヤの先端部に設けられた超音波振動子とで構
成される。トルクワイヤを回転駆動して超音波振動子を
機械的に回転走査すると、その超音波振動子にて形成さ
れる超音波ビームがラジアルスキャンされる。各ビーム
方位の受信信号が超音波診断装置本体に伝送され、その
超音波診断装置本体において超音波画像が形成される。
なお、トルクワイヤは一般に複数のコイルを積層してな
るものであり、その中空内部に信号線が挿通される。
【0003】上記の超音波深触子の使用に先だって、超
音波を伝達する音響媒体をシースチューブ内に満たす必
要がある。音響媒体としては、生理食塩水等が使用され
ている。従来、シースチューブ内に音響媒体を満たすた
めに、シースチューブの基端部に注入孔を設け、その注
入孔にシリンジ等の注入器具を連結させ、その注入器具
からシースチューブとトルクワイヤとの間の隙間へ音響
媒体が加圧注入される。そして、この注入により、音響
媒体はトルクワイヤにおける螺旋状の線間を通ってその
内部に入り込む。その場合、トルクワイヤの内部に存在
していたエアは、基本的には、音響媒体の浸入によっ
て、トルクワイヤとシースチューブとの間の隙間に追い
出され、最終的にシースチューブの先端開口から外界へ
放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の充填方式によると、トルクワイヤとシースチューブ
との隙間に最初に音響媒体が充填されて当該隙間が最初
に加圧状態になるために、場合によっては、トルクワイ
ヤの内部にエアの一部が残存しやすく、あるいは、その
ようなエアが気泡となってトルクワイヤの外表面に付着
した状態で残存しがちである。かかる場合において、超
音波の送受波経路に気泡が位置すると、超音波伝搬状態
が大きく阻害され、超音波画像の画質が著しく劣化す
る。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、超音波深触子内に音響媒体を注入
する際にエアの除去を効果的に行うことにある。
【0006】本発明の他の目的は、音響媒体が注入され
る超音波探触子を用いて超音波診断を行う場合に超音波
画像の画質を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超音波探触子は、体腔内に挿入される
シースチューブと、前記シースチューブ内に挿入され、
超音波の送受波を行う先端部とワイヤ軸方向に沿って形
成された流路とを有するトルクワイヤと、前記トルクワ
イヤの基端部側に設けられ、前記流路に音響媒体を注入
する注入手段と、を含み、前記音響媒体が前記流路を介
して前記シースチューブ内へ充填されることを特徴とす
る。
【0008】上記構成によれば、注入手段によりトルク
ワイヤの内部(すなわち流路)を介して音響媒体が注入
されるので、トルクワイヤ内のエアの追い出しを効果的
に行うことができる。つまり、トルクワイヤとシースチ
ューブとの間の隙間が先に加圧状態にならず、トルクワ
イヤの内部を先に加圧状態にできるため、エア追い出し
のための合理的な圧力勾配の関係を形成できる。よっ
て、トルクワイヤの内部にエアが残存することを抑制し
て、その残留エアによる問題を未然に防止することが可
能である。なお、トルクワイヤの回転駆動時に、手作業
によりあるいは自動的に、トルクワイヤの流路へ音響媒
体を一定圧で流し込む構成としてもよい。流路は例えば
中空管状に形成され、その直径を信号線の直径よりも媒
体通過のためにやや大きくするのが望ましい。
【0009】望ましくは、前記トルクワイヤの基端部に
は前記流路に連通する導入開口が形成される。例えば、
その導入開口は基端部の側面に形成され、あるいは、基
端部の端面に形成される。
【0010】望ましくは、前記注入手段は、前記トルク
ワイヤの基端部を回転可能に保持し、かつ、前記導入開
口の周囲にシールされた媒体室を形成する軸受機構と、
前記媒体室に音響媒体を加圧充填するシリンジと、を含
む。この構成によれば、トルクワイヤの回転保持を行い
つつ、音響媒体の注入を可能にできる。媒体室は音響媒
体を一時的にバッファリングするチャンバとして機能す
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る超
音波探触子を図面に従って説明する。
【0012】図1は本実施形態に係る細径型の超音波探
触子10の断面図であり、この超音波探触子10は本実
施形態においては血管内に挿入され、血管内で超音波の
送受波を行って超音波診断を実行するプローブである。
この超音波探触子10は、大別して、血管内に挿入され
る挿入部12と基端部14とからなる。挿入部12はシ
ースチューブ16、トルクワイヤ本体18及び超音波振
動子20を含んで構成される。
【0013】シースチューブ16は、柔軟な樹脂などの
透明材料によって形成され、例えば、1.2〜1.6m
程度の長さを有しており、その直径は例えば1.0mm
程度である。先端部16aは軸方向先端にいくに従って
先細のテーパ形状をなしており、また、その先端には開
口16bが設けられている。開口16bは、音響媒体注
入時にはシースチューブ16内に存在する空気を外界へ
放出する出口として機能する。超音波診断時には、体腔
内の血液が開口16bを通って挿入部12内に進入しな
いように、シースチューブ16内の音響媒体をやや加圧
状態にしておく必要がある。このため、シースチューブ
16内から開口16bを介して血管内へ音響媒体(例え
ば生理食塩水など生体に安全なもの)が少量流される。
これ自体は公知の構成である。なお、開口16bが形成
されない場合において、別途エアの抜き取りが行えるよ
うな場合にも、本発明は適用可能である。
【0014】一方、シースチューブ16の端部16c
は、軸方向基端部14側にいくに従って、やや肥大した
根本形状を有している。その端部16cは後述の操作部
本体24に連結固定されている。
【0015】トルクワイヤ本体18は筒状であって、シ
ースチューブ16内に挿通される。本実施形態において
は、トルクワイヤ本体18は線状部からなるコイルを3
層重ね巻きすることにより形成されており、各層はその
巻き方向が互い違いになるよう巻かれている。これはト
ルク伝達を確実にしてねじれを防止するためである。ま
た、層の数はトルクワイヤ本体18の端部18b側から
先端部18aにいくに従って段階的に減少されており、
端部18b側が3層、中間部18cは2層、先端部18
a側では1層となっている。
【0016】トルクワイヤ本体18は上記のような構造
をしているので、隣接する各巻線間に隙間が必然的に形
成されており、音響媒体はトルクワイヤ本体18内部と
外部との間を通過することができる。トルクワイヤ本体
18内部の軸方向には送信信号及び受信信号を伝送する
1又は複数の信号線22が挿通されている。トルクワイ
ヤ本体18の内径は、1又は複数の信号線22を挿通し
た状態でも、なお隙間を有する程度の大きさである。
【0017】超音波振動子20は超音波の送受波を行う
単振動子又はアレイ振動子であり、トルクワイヤ本体1
8の先端部18aに固定設置される。トルクワイヤ本体
18がその端部18b側でモータ23により回転駆動さ
れると、先端部18aに固定された超音波振動子20が
機械的に回転する。これにより、超音波ビームがラジア
ルスキャンされる。その結果得られる各ビーム方位ごと
の受信信号に基づいて、いわゆる二次元のラジアルスキ
ャン画像などが形成される。但し、本発明は超音波振動
子が必ずしも回転駆動されないタイプの超音波探触子に
も適用することができる。
【0018】基端部14は、操作部本体24と、操作部
本体24内に音響媒体を注入する着脱可能なシリンジ2
5とで構成される。操作部本体24は挿入部12の軸方
向に直交する方向に突出した注入管26と、シースチュ
ーブ16の端部16cを取り付けるためのシースチュー
ブ保持部30とを備える。ここで、シリンジ25は、例
えば手動操作で動作する注射器や自動的に注入動作を実
行する注入装置として構成するようにしてもよい。望ま
しくは、注入圧の調整及び維持が可能なものである。
【0019】操作部本体24の内部は中空に形成されて
おり、注入管26の注入口26aにはシリンジ25が取
り付けられる。また、操作部本体24内部とシースチュ
ーブ16の内部とは連通している。
【0020】操作部本体24の内部にはトルクワイヤ本
体18とモータ23の回転軸を連結するトルクワイヤ基
端部31が設けられている。トルクワイヤ基端部31は
中空であって、その端部31aには操作部本体24側に
延びたトルクワイヤ基端部18bが挿入固定されてい
る。トルクワイヤ基端部31は、その周囲がベアリング
機構などによって構成される一対の軸受32,34によ
り回転可能に保持されている。軸受32,34は、後述
する開口31bの両側に設けられ、トルクワイヤ基端部
31の開口31b形成部分の周囲に形成される媒体室3
5の水密性を保持するシール機能を発揮している。その
シール機能を発揮するため、例えば、部材接合部分にO
リングが設けられる。以上のように、軸受32,34
は、回転保持機能とシール機能の両機能を発揮するもの
である。よって、それらの機能が得られる限りにおい
て、他の構成を採用することもできる。
【0021】トルクワイヤ基端部31には、その側面に
貫通孔としての開口31bが設けられている。注入口2
6aから注入された音響媒体は、上記の媒体室35を満
たしつつ、開口31bを介してトルクワイヤ基端部31
の内部空間に注入される。開口31bは、トルクワイヤ
本体18の回転に伴って回転するが、上記のようにその
周囲に媒体室35が形成されているため、その回転角度
によらずに、常に媒体注入を行える。なお、前述のトル
クワイヤ基端部18bは開口31bが設けられる位置の
手前まで延びている。
【0022】また、開口31bが設けられた位置よりも
後方には、信号線を挿通させた弾性体等からなるパッキ
ング36が設けられており、トルクワイヤ基端部31内
に導かれた音響媒体が後方に流れ込むのを防いでいる。
【0023】図2は、シースチューブ16の先端部16
a及び操作部本体24の拡大図である。前述したよう
に、トルクワイヤ本体18内部には信号線22が挿通し
ているが、信号線22の径はトルクワイヤ本体18の内
径より小さい。ここで、トルクワイヤ本体18の内部空
間は媒体注入路としての流路38を構成する。なお、信
号線22とトルクワイヤ本体18との隙間は少なくとも
媒体の加圧注入を行いうる程度の隙間でなければなら
ず、例えば0.1〜0.2mm程度である。
【0024】次に、図2に基づいて、上記の超音波探触
子10の血管への挿入(超音波診断前操作)に先だっ
て、挿入部12に音響媒体を注入する方法を説明する。
【0025】注入口26aにシリンジ25を装着し、そ
のシリンジ25を利用して上記媒体室35内へ音響媒体
を連続的に加圧注入すると(図中、I矢印参照)、音響
媒体が開口31bを介してトルクワイヤ基端部31内に
導入され、更に、そのトルクワイヤ基端部31内から基
端孔38aを介して、トルクワイヤ本体18内の流路3
8へ送り込まれ、その流路38に音響媒体が満たされる
ことになる(図中、II矢印参照)。その際、流路38か
らトルクワイヤ本体18の全体に生じている個々の隙間
(隣接する巻線間の隙間)を通って、音響媒体がトルク
ワイヤ本体18とシースチューブ16との間の隙間へ湧
出する(図中、トルクワイヤ本体18内の矢印参照)。
【0026】ここで、流路38に対する音響媒体の加圧
注入により、その流路38内に存在していたエアは上記
隣接する巻線間の隙間から外側へ自然に追い出される。
流路38が音響媒体で満たされた時点では、エアの全部
が基本的に外部に追い出される。
【0027】このような過程の中で、トルクワイヤ本体
18とシースチューブ16との間の隙間にはエア及び音
響媒体が浸出し、最終的には、その隙間に音響媒体が充
満し、またエアは先端開口16aから自然に外界へ放出
される。よって、超音波画像の画質低下要因となる残留
エアを効果的に防止可能である。
【0028】上記の音響媒体の注入の完了後、挿入部1
2が所望の血管内に挿入され、従来同様に超音波診断が
実行される。
【0029】ちなみに、超音波診断の準備時間はできる
限り短い方が望ましいが、本実施形態の手法によれば、
従来よりも注入作業を円滑に行って、注入完了までに要
する時間を短縮化することも可能である。
【0030】なお、上記実施形態において、シースチュ
ーブ16の基端側にエア抜きのための開閉可能な弁など
の構造を設けるようにし、音響媒体を先端側から還流さ
せる構成を採用してもよい。上記の内部流路充填方式
は、他の体腔内型超音波探触子に適用することもでき
る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、超音波深触子内に音響
媒体を注入する際にエアの除去を効果的に行うことがで
きる。したがって、音響媒体が注入される超音波探触子
を用いて超音波診断を行う場合に超音波画像の画質を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る超音波探触子を示
す図である。
【図2】 音響媒体をシースチューブ内に注入する方法
を示す図である。
【符号の説明】
16 シースチューブ、18 トルクワイヤ本体、20
超音波振動子、25シリンジ、31 トルクワイヤ基
端部、31b 開口、35 媒体室。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入されるシースチューブと、 前記シースチューブ内に挿入され、超音波の送受波を行
    う先端部とワイヤ軸方向に沿って形成された流路とを有
    するトルクワイヤと、 前記トルクワイヤの基端部側に設けられ、前記流路に音
    響媒体を注入する注入手段と、 を含み、 前記音響媒体が前記流路を介して前記シースチューブ内
    へ充填されることを特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波探触子において、 前記トルクワイヤの基端部には前記流路に連通する導入
    開口が形成されたことを特徴とする超音波探触子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の超音波探触子において、 前記注入手段は、 前記トルクワイヤの基端部を回転可能に保持し、かつ、
    前記導入開口の周囲にシールされた媒体室を形成する軸
    受機構と、 前記媒体室に音響媒体を加圧充填するシリンジと、 を含むことを特徴とする超音波探触子。
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