JP2002199882A - スナネズミ由来の酸化還元酵素、同酵素をコードする遺伝子、同酵素遺伝子含有形質転換体および同酵素の製造方法 - Google Patents

スナネズミ由来の酸化還元酵素、同酵素をコードする遺伝子、同酵素遺伝子含有形質転換体および同酵素の製造方法

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JP2002199882A
JP2002199882A JP2000401352A JP2000401352A JP2002199882A JP 2002199882 A JP2002199882 A JP 2002199882A JP 2000401352 A JP2000401352 A JP 2000401352A JP 2000401352 A JP2000401352 A JP 2000401352A JP 2002199882 A JP2002199882 A JP 2002199882A
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gene
enzyme
oxidoreductase
transformant
dna
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JP2000401352A
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Masami Inoue
正美 井上
Seiji Ito
誠二 伊藤
Mikio Nishizawa
幹雄 西澤
Reiji Maruyama
励治 丸山
Yasushi Itoi
泰 糸井
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ジケトン化合物に対して不斉還元能を
示し、たとえばベンジルに適用した場合には(S)−ベ
ンゾインを立体選択的に生成する、スナネズミ由来の酸
化還元酵素、同酵素をコードする新規遺伝子、同遺伝子
を含有する組換えベクター、同ベクターによって形質転
換された形質転換体および同酵素の製造方法をそれぞれ
提供すること。 【解決手段】 スナネズミから酸化還元酵素遺伝子をク
ローニングした。得られた遺伝子をベクターに挿入して
組換えベクターを作製し、同ベクターで形質転換した形
質転換体を得ることができた。ついで、該組換えベクタ
ーにより形質転換した形質転換体を培養し、培養物から
酸化還元酵素を採取することにより、酸化還元酵素を得
ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化還元酵素に関
する。詳しくは、スナネズミ(学名Meriones unguicula
tus)由来の酸化還元酵素、同酵素をコードする遺伝
子、同遺伝子を含有するベクター、同ベクターで形質転
換した形質転換体および同酵素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セピアプテリン還元酵素(以下、SPR
と略称する)は、短鎖還元酵素/脱水素酵素ファミリー
に属し、葉酸代謝において、セピアプテリンからテトラ
ヒドロプテリンをデノボ(de novo)合成するための最
終酵素である。SPRは、ヒト、マウスおよびラットな
どについてその遺伝子が同定されている。さらに、ラッ
ト赤血球由来のSPRは、セピアプテリンだけではな
く、ベンジルおよび1−フェニル−1,2−プロパンジ
オンなども還元する活性を有することが報告されている
(スエオカ(Sueoka)ら、Biochim. Biophys. Acta、第
843巻、193〜198頁、1985年)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族ジケ
トン化合物に対して還元能を有し、たとえばベンジルを
不斉還元して(S)−ベンゾインを生成することができ
るスナネズミ由来の新規酸化還元酵素、同酵素をコード
する遺伝子、同遺伝子を含有するベクター、同ベクター
で形質転換した形質転換体および同酵素の製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先願の特
願2000−257829において、芳香族ジケトン化
合物に対し還元能を有したバチラス セリウス(Bacill
us cereus)由来の酸化還元酵素、同酵素をコードする
新規遺伝子、同遺伝子を含有するベクター、同ベクター
により形質転換した形質転換体および同形質転換体を培
養することを特徴とする該酸化還元酵素の製造法を各々
提供した。その中で、バチラス セリウス由来の酸化還
元酵素のアミノ酸配列は、機能は未知であるがSPRに
類似性を有したバチラス ズブチルス(Bacillus subti
lis)のyueD遺伝子でコードされるアミノ酸配列に
対して、40%の相同性を有するという知見を得た。
【0005】この知見に基づき、本発明者らがスナネズ
ミを用いてSPRに相当する遺伝子のスクリーニングを
行なったところ、配列番号1に記載の15番目から80
3番目までの塩基配列でコードされるタンパク質が、芳
香族ジケトン化合物に対して還元能を有し、たとえばベ
ンジルを不斉還元して(S)−ベンゾインを生成するこ
とを見出した。
【0006】したがって、本発明者らは、以下に示す発
明を提供することで、前記課題を解決するものである。 (1)配列番号2示したアミノ酸配列を有する酸化還元
酵素、(2)配列番号1に記載の15番目から803番
目までの塩基配列でコードされる酸化還元酵素、(3)
配列番号1に記載の15番目から803番目までの塩基
配列を有する酸化還元酵素遺伝子、(4)配列番号2に
示したアミノ酸配列をコードする酸化還元酵素遺伝子、
(5)配列番号2に示したアミノ酸配列において1もし
くは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または
付加されたアミノ酸配列からなり、かつ酸化還元能を有
するタンパク質、(6)前記(3)または(4)記載の
遺伝子を含有する組換えベクター、(7)前記(6)記
載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(8)宿主細胞が微生物である前記(7)記載の形質転
換体、(9)前記微生物が大腸菌である前記(8)記載
の形質転換体、および(10)前記(7)、(8)また
は(9)記載の形質転換体を培養し、培養物から酸化還
元酵素を採取することを特徴とする酸化還元酵素の製造
方法に関する。
【0007】本発明にかかる前記酸化還元酵素、同酵素
をコードする遺伝子および同遺伝子を含有するベクター
は、以下に説明する実施の態様に基づいて得ることがで
き、また形質転換体の製法および酸化還元酵素の製造方
法も、以下に示す実施の態様に基づいて実施することが
できる。以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にかかるスナネズミ由来の
酸化還元酵素遺伝子としては、当該酵素の酸化還元活性
を付与するものであればどのようなものでもよい。たと
えば、配列番号1に記載の15番目から803番目まで
の当該遺伝子の塩基配列において、1もしくは数個の塩
基が欠失、置換、挿入または付加された配列を作製する
ことは、当業者にとって極めて容易である。また、当該
遺伝子の5’末端側にプロモーターやエンハンサーをと
いった塩基配列を付加すること、および/または3’末
端側にポリA付加シグナル塩基配列を付加することも当
業者にとって極めて容易である。また本発明は、配列表
1の塩基配列に基づいて作製したプライマーを用いたポ
リメラーゼ連鎖反応(以下PCRと略称する)を実施す
ることにより得られ、かつ酸化還元能を有するタンパク
質を規定するDNAまたはオリゴヌクレオチドをも含
む。
【0009】本発明にかかるスナネズミ由来の酸化還元
酵素は、当該酵素の酸化還元活性を有するものであれば
どのようなものでもよい。たとえば、酸化還元酵素の検
出または精製を容易にするために、当該酵素のアミノ末
端側やカルボキシル末端側に別の蛋白質、たとえば大腸
菌のβ−ガラクトシダーゼまたはヒスチジンタグ、を周
知の遺伝子工学的手法などを用いて付加されたタンパク
質をも含む。また、本酸化還元酵素の機能をより深く解
析する為に、部位特異的突然変異誘発法などの周知の方
法によって置換、欠失、挿入および/または付加できる
程度の数のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または
付加されたアミノ酸配列をも包含する。本発明は、この
ような当該酸化還元酵素の変異体も包含するものであ
る。さらに本発明は、配列番号1に示した塩基配列と相
補的な塩基配列を有するDNAにハイブリダイズするD
NAがコードするアミノ酸配列を有し、かつ酸化還元能
を有するタンパク質またはポリペプチドをも包含する。
【0010】本発明の酸化還元酵素遺伝子をPCR法に
より得る場合には、当該遺伝子を含有する試料を、プラ
イマー、耐熱性ポリメラーゼ、dNTP(デオキシAT
P、デオキシTTP、デオキシGTPおよびデオキシC
TP)ならびに緩衝液を含む溶液に加えた反応液を調製
する。当該PCRに用いるプライマーは、配列番号1の
塩基配列に基づいて、適宜設定することができる。な
お、PCRにより増幅した遺伝子をベクターに挿入する
ためには、プライマーの5’末端側に制限酵素の認識配
列を含むのが好ましい。当該制限酵素としては、認識配
列の出現する位置でDNA鎖を正確に消化することがで
きるという点で、II型制限酵素、たとえば制限酵素B
amHI、EcoRI、HindIII、KpnI、N
coI、NdeI、PstI、SacI、SalI、S
apI、SmaI、SphIまたはXbaIなどの認識
配列を選択するのが好ましい。当該制限酵素の認識配列
に加え、制限酵素による消化を助けるクランプ(clam
p)とよばれる数個の塩基を付加してもよい。PCRに
用いる試料としては、所望の遺伝子を含む試料であれば
いずれのものを用いてもよく、たとえばスナネズミの染
色体DNA、同染色体のDNAライブラリー、cDNA
ライブラリーまたは本発明の遺伝子を含むプラスミドを
用いることができる。なお、PCRに用いる耐熱性ポリ
メラーゼとは、至適温度が70℃以上で、90℃でも不
活しにくいDNA依存性5’→3’DNA合成酵素であ
る。当該耐熱性ポリメラーゼとしては、たとえばTaK
aRa Ex Taq(商標、宝酒造株式会社製)を用
いることができる。
【0011】当該遺伝子を増幅するためのPCR条件
は、当業者により適宜設定することができる。たとえば
94℃で1分間インキュベーションした後、94℃で1
分間および72℃で3分間を1サイクルとしてこれを1
0サイクル、さらに94℃で1分間、65℃で2分間お
よび72℃で1分間を1サイクルとしてこれを10サイ
クル、その上さらに94℃で1分間、60℃で2分間お
よび72℃で1分間を1サイクルとしてこれを15サイ
クル行うことで実施することができる(Genes toCell
s、第5巻、111〜125頁、2000年)。当該遺
伝子の塩基配列はGCを多く含むため、たとえばPCR
X Enhancer Solution(ギブコBR
L ライフテクノロジーズ社(GibcoBRL Life Technolo
gies)製)などを添加するとよい。
【0012】遺伝子の増幅反応後、たとえば1.5%の
アガロースゲルを用いる電気泳動にてPCR産物を展開
し、目的のDNAバンドを含む画分を切り出す。つい
で、たとえばPrep−A−Gene DNA Pur
ification Kit(商品名、バイオラッド社
(BIO-RAD)製)を用いることにより、所望の遺伝子D
NAを精製することができる。制限酵素の認識配列を含
むプライマーを用いた場合には、PCRにて増幅された
遺伝子に対して、当該プライマーに含まれた制限酵素の
認識配列を認識する制限酵素を作用させる。
【0013】酸化還元酵素遺伝子を含有する組換えベク
ターは、制限酵素処理した前記遺伝子とべクターを2〜
5:1のモル比で混合してライゲーションすることによ
り製造することができる。すなわち、ベクターに制限酵
素を作用させて消化し、当該遺伝子を挿入するためのベ
クターを得る。制限酵素による消化反応の反応温度、反
応時間などの反応条件は、選択した酵素に応じて適宜条
件設定することができる。組換えベクターに用いるベク
ターに制約はなく、たとえばプラスミドベクター、バク
テリオファージベクター、レトロウイルスベクター、バ
キュロウイルスベクターまたはパピローマウイルスベク
ターなどをいずれも用いることができる。具体的には、
たとえばpUC19DNA(宝酒造株式会社製)、pT
YB−1またはpTYB−11(ニューイングランドB
ioLabs(登録商標)社(NEW ENGLAND BioLabs)
製)などを用いることができる。これらのベクターは、
必要とあればフェノール抽出などの精製手段により精製
し、さらにたとえばエタノール沈殿法などの濃縮手段に
より濃縮することができる。ベクター断片のセルフライ
ゲーションを防ぐために、たとえば仔牛小腸由来のアル
カリホスファターゼなどによるホスファターゼ処理を行
ってもよい。ついで、前記遺伝子とベクターを混合し、
該混合液にリガーゼ、たとえばT4DNAリガーゼ、を
作用させてライゲーションすることにより、組換えベク
ターを得ることができる。具体的には、市販のライゲー
ションキット、たとえばDNA Ligation K
itVer.1(商品名、宝酒造株式会社製)またはL
igation high(商品名、東洋紡績株式会社
製)、を用いて規定の条件にてライゲーションを行うこ
とにより、組換えベクターを得ることができる。
【0014】本発明の形質転換体は、前記組換えベクタ
ーを既知の形質転換法で宿主に導入することにより、得
ることができる。この形質転換は常法(たとえばMethod
s Enzymol.、第204巻、63〜113頁、1991
年)により、好適に実施することができる。本発明にお
ける宿主細胞としては、前記組換えベクターが複製可能
なものであれば制限なく使用することができる。宿主細
胞の例としては、たとえば大腸菌および酵母のような微
生物、sf9株のような昆虫細胞、またはCOS細胞の
ような動物細胞などを挙げることができる。具体的に
は、たとえば大腸菌DH5αまたはEpicurian
Coli(登録商標) BL21−CodonPlu
s(DE3)(ストラタジーン社(Stratagene)製)を
用いることができる。
【0015】本発明のさらなる実施態様によれば、本発
明に係る酸化還元酵素は、前記酸化還元酵素遺伝子を含
有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を培
養することによって、工業的に有利に製造することがで
きる。
【0016】当該酵素生産に使用する形質転換体として
は、前記組換えベクターによる形質変換体をそのまま用
いることができる。また、前記組換えベクターの挿入断
片を新たな別の発現ベクターにサブクローニングしても
よいし、あるいは前記組換えベクターを新たな宿主細胞
に導入した形質転換体を用いることもできる。これらの
場合、適当な宿主細胞とベクターの選択、および使用方
法などは当業者に周知であり、それらの中から本発明に
係る酸化還元酵素遺伝子の発現に適した系を任意に選択
することができる。たとえばベクターと宿主細胞として
は、前記遺伝子クローニング工程で例示したものから選
択してもよい。
【0017】当該形質転換体の培養条件は、宿主細胞に
より適宜選択でき、特定の条件に限定されるわけではな
い。培養は、通常この技術分野で用いられる培地および
培養条件下で行うことができる。たとえば炭素源として
は、グルコース、グリセロール、でんぷんなどを、窒素
源としては硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸
アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸塩、トリプト
ン、ペプトンなどを用いることができる。その他微量の
無機金属類、ビタミン類、成長促進因子、たとえばチア
ミン、ビオチンを含む酵母エキスなどを添加してもよ
い。これらの培地成分は本微生物の生育を阻害しない濃
度であればよい。培地は通常pH7.0〜7.5に調整
し、滅菌して使用する。培養温度の範囲は本微生物が生
育し得る温度であればよく、通常は30〜37℃で培養
するのが好ましい。本微生物を液体培養する場合は、振
とう培養または通気撹拌培養が好ましい。培養時間は種
々の培養条件によって異なるが、振とう培養または通気
撹拌培養の場合は12〜36時間培養するのが適当であ
る。または、550〜600nmの吸光度が1〜6にな
るまで15〜37℃で培養した後、イソプロピルチオガ
ラクトシド(以下、IPTGと略称する)を加えてさら
に培養することにより、酵素の発現を誘導してもよい。
【0018】培養終了後、遠心分離、濾過または共沈な
どの通常の方法によって、培養液から菌体細胞壁などの
不溶物を除去した粗酵素液を得ることができる。あるい
は当業者に公知の手段により、該粗酵素液の濃縮液を得
ることもできる。このようにして得られた粗酵素液は、
さらに硫安分画法、有機溶媒分画法、透析、等電点沈殿
法またはカラムクロマトグラフィーなどの通常の酵素精
製法を単独または組み合わせて用いることにより、精製
することもできる。
【0019】当該酵素を用いる酸化還元反応は、周知の
方法にて実施することができる。また、該反応により得
られた産物も、周知の方法にて得ることができる。たと
えば、前記形質転換体を培養することにより酸化還元酵
素を発現させ、培養液中に基質を添加して酸化還元反応
を実施することができる。該反応の生成物は、たとえば
カラムクロマトグラフィーにて得ることができる。さら
に該生成物は、逆層クロマトグラフィーにて、高度に精
製することができる。当該生成物の収率および光学純度
は、周知の方法にて得ることができる。
【0020】
【実施例】本発明を以下に実施例をあげて説明するが、
本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0021】実施例1 (1)プライマーの作製 公知のヒト、マウスおよびラットのSPR遺伝子の塩基
配列に基づいて、プライマーを設定した。これらのプラ
イマーは、公知の亜リン酸−トリエステル法により合成
した。該プライマーの配列は、5’−AACAACTA
CTGGGCNCTGAAC−3’(配列番号3)およ
び5’−AGAAGTCCACRTGGGCTCCAG
A−3’(配列番号4)である。該塩基配列中、Nは
A、C、TまたはGを意味し、RはAまたはGを意味す
る。
【0022】(2)スナネズミ肝臓の全RNAを用いた
逆転写PCR スナネズミの肝臓から、公知の手法により全RNAを抽
出および精製した(チョムクジンスキ ピー(Chomczyn
ski, P.)、Anal. Biochem、第162巻、156〜15
9頁、1987年)。ついで、該RNAを鋳型として用
い、逆転写反応(以下、RT反応と略称する)(西澤
ら、Genes to Cells、第5巻、111〜125頁、20
00年)を実施した。すなわち、全RNA10μgを、
70℃で10分間インキュベーションしたのちに急冷し
て熱変性させ、ついで、該溶液に10mMのdNTP2
μl、50μMのOligo dT−RAプライマー
(宝酒造株式会社製)1μl、ReverTraAce
reverese transcriptase(商
品名、東洋紡績株式会社製)を100ユニットおよび該
酵素の5倍濃縮緩衝液4μlに純水を加えて全量20μ
lとし、47℃で1時間インキュベーションした。
【0023】ついで、公知の方法(ガブラー ユー(Gu
bler, U.)ら、Gene、第25巻、263〜269頁、1
983年)で、二本鎖cDNAを合成した。すなわち、
RT反応終了後、当該反応により合成されたcDNAを
鋳型として用い、さらに以下のPCRを行った。RT反
応後に回収したcDNAを1μl、2.5mMのdNT
P4μl、10μMの配列番号3と4のプライマーセッ
ト各5μl、GeneTaq DNAポリメラーゼ(ニ
ッポンジーン株式会社製)を1.5ユニットおよび10
倍濃縮GeneTaqユニバーサル緩衝液10μlに純
水を加えて全量100μlとした。該溶液を用いたPC
Rは、94℃で1分間および72℃で2分間を1サイク
ルとしてこれを10サイクル、さらに94℃で1分間、
65℃で2分間および72℃で30秒間を1サイクルと
してこれを15サイクル、その上さらに94℃で1分
間、60℃で2分間および72℃で30秒間を1サイク
ルとしてこれを15サイクル行うことで実施した。
【0024】(3)DNA断片の精製 PCR終了後、反応液を2%のアガロースゲルを用いた
電気泳動により展開し、酸化還元酵素遺伝子のPCR産
物含有画分をゲルから切り出して、Prep−A−Ge
ne DNA Purification(商品名、バ
イオラッド社製)によりPCR産物を回収した。すなわ
ち、DNA断片を含むアガロースゲルをPrep−A−
Gene結合緩衝液1mlに溶解し、Prep−A−G
eneのマトリックス20μlにDNAを吸着させた。
ついで、Prep−A−Gene洗浄液600μlで2
回洗浄した後、TE緩衝液30μl中で50℃で5分間
インキュベートし、DNA断片を溶出して回収した。
【0025】(4)組換えベクターの作製 回収したDNA断片を、pGEM(商標)−T Eas
y Vector SystemI(プロメガ社製)を
用いて、ライゲーションした。すなわち、回収したDN
A断片50ng、pGEM(商標)−T Easy(プ
ロメガ社(Promega Corporation)製)50ng、2×
Rapid Ligation Buffer(60m
M トリス−塩酸(pH7.8)、20mM 塩化マグ
ネシウム、20mM ジチオトレイトール(以下、DT
Tと略称する)、1mM ATP、10% ポリエチレ
ングリコール)(プロメガ社製)5μlおよびT4DN
Aリガーゼ(プロメガ社製)1μlに純水を加えて全量
10μlとし、22℃で1時間ライゲーションを実施し
て、組換えベクターを得た。
【0026】(5)形質転換体の製法 当該組換えベクターで大腸菌DH5α株(ギブコBRL
ライフテクノロジーズ社製)のコンピテント細胞を形
質転換させた(Methods Enzymol.、第204巻、63〜
113頁、1991年)。すなわち、組換えベクターを
含むライゲーション液10μlとDH5α株のコンピテ
ント細胞200μlとを穏かに混和した後、氷中で30
分間放置した。ついで、42℃で1分間インキュベート
し、氷中で1分間冷却して形質転換体を得た。
【0027】(6)DNA断片の塩基配列決定 (5)にて得られた形質転換体にSOC培地(トリプト
ン20g/l、酵母エキス5g/l、10mM塩化ナト
リウム、2.5mM塩化カリウム、10mM塩化マグネ
シウム、10mM硫酸マグネシウム、20mMグルコー
ス)を1ml加え、37℃で1時間インキュベートし
た。インキュベート後、該形質転換体の菌体溶液をアン
ピシリン含有LB寒天培地(トリプトン10g/l、酵
母エキス5g/l、塩化ナトリウム10g/l、寒天1
5g/l、pH7.4)に塗布し、37℃で一晩培養
し、酸化還元酵素遺伝子含有形質転換体のコロニーを得
た。ついで、当該コロニーをアンピシリン含有LB液体
培地(トリプトン10g/l、酵母エキス5g/l、塩
化ナトリウム10g/l、pH7.4)3.5mlにて
37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心操作により
菌体を回収した。ついで、市販のFlexiPrep
(商品名)Kit(アマシャムファルマシアバイオテク
社(Amersham Pharmacia Biotech)製)を用い、該菌体
からプラスミドDNAを調製した。すなわち、培養後に
菌体を回収し、該菌体に溶液I(100mMトリス−塩
酸(pH7.5)、10mM エチレンジアミン四酢酸
(以下、EDTAと略称する)、400μg/ml R
NaseI)200μlを添加し、ボルテックスにて懸
濁する。ついで、溶液II(1M 水酸化ナトリウム、
5.3%(重量/容量)SDS)200μlを添加し穏
かに混和した後、溶液III(3Mカリウム、5M酢
酸)200μlを添加し混和した。遠心して得た上清に
対しイソプロパノール沈澱を行った後、遠心によりDN
Aの沈澱を得た。Sephaglas(商品名)FP
(7Mグアニジン−塩酸、50mMトリス−塩酸(pH
7.5)、10mM EDTA)150μlを添加して
懸濁し、該DNAを溶解させた。ついで遠心して上清を
除き、洗浄緩衝液(20mMトリス−塩酸(pH7.
5)、2mM EDTA、200mM塩化ナトリウム、
60%エタノール)200μlを添加して懸濁し、再び
遠心により沈澱を得た。該沈殿に70%エタノール30
0μlを添加し、ボルテックスにて軽く撹拌した。再び
遠心して沈澱を得、沈澱を室内で10分間乾燥させた。
ついで、TE緩衝液で溶出することによりDNAを回収
し、さらにイソプロパノール沈澱法によりDNAを濃縮
した。
【0028】当該DNA断片の塩基配列は、ABI P
RIZM(商品名) BigDye(商品名) Ter
minator Cycle Sequencing
Ready Reaction Kit(商品名、ピー
イーアプライドバイオシステムズ社(PE Applied Biosy
stems)製)を用い、プライマーとしてSP6プライマ
ー(宝酒造株式会社製)またはT7プライマーを用いた
ジデオキシ法により、当該DNA断片の5’側および
3’側から決定した。ジデオキシ法におけるPCR条件
は、96℃で30秒間、50℃で15秒間および60℃
で4分間を1サイクルとしてこれを28サイクル行うこ
とで実施した。
【0029】その結果、415bpの塩基配列が決定さ
れた。
【0030】実施例2 (1)cDNAの作製と増幅 cDNA PCR Library Kit(宝酒造株
式会社製)を用いて、実施例1(2)におけるRT反応
により合成された二本鎖cDNAの末端に、該キットに
含まれるCAカセットアダプターを連結した。ついで、
実施例1(1)にて作製したプライマーを用いて、以下
に示す5’−RACE (Rapid Amplification of cDNA
Ends)および3’−RACE(フローマン エム エ
ー(Frohman M.A.)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、
第85巻、8998〜9002頁、1988年)を実施
することにより、該cDNAからSPRのcDNA断片
を単離し、それぞれの断片の塩基配列を同定した。
【0031】(2)5’−RACEによるDNA断片の
単離 5’−RACEは以下の操作により行なった。(1)に
て調製した二本鎖cDNA2μl、20μMのプライマ
ー(配列番号4)1μl、cDNA PCRLibra
ry Kit中のCAプライマー(宝酒造株式会社製)
2.5μl、2.5mMのdNTP3μl、TaKaR
a Ex Taq(商品名、宝酒造株式会社製)0.4
μl、10倍濃縮Ex Taq緩衝液10μlおよび1
0倍濃縮PCRX Enhancer Solutio
n(ギブコBRL ライフテクノロジーズ社製)20μ
lに純水を加えて全量100μlとし、PCRを行っ
た。当該RACEにおけるPCRは、94℃で1分間イ
ンキュベーションした後、94℃で1分間および72℃
で3分間を1サイクルとしてこれを10サイクル、さら
に94℃で1分間、65℃で2分間および72℃で1分
間を1サイクルとしてこれを15サイクル、その上さら
に94℃で1分間、60℃で2分間および72℃で1分
間を1サイクルとしてこれを10サイクル行うことで実
施した。
【0032】(3)3’−RACEによるDNA断片の
単離 3’−RACEは、10倍濃縮PCRX Enhanc
er Solutionを使用せず、配列番号3に示し
た塩基配列を有するプライマーおよびcDNAPCR
Library Kit中のRAプライマー(宝酒造株
式会社製)をプライマーとして用いたほかは、(2)記
載の5’−RACEと同様にして実施した。
【0033】(4)組換えベクターの作製 (2)または(3)におけるPCR後の反応液を用いた
ほかは実施例1(3)と同様の方法にて、DNA断片を
精製した。ついで、精製した当該DNA断片をDNA断
片として用いたほかは実施例1(4)同様の方法にて、
それぞれのDNA断片を含有する組換えベクターを得
た。以下、5’−RACEにより得られたDNA断片を
含有する組換えベクターをpGEM−MGSPR−C、
また3’−RACEにより得られたDNA断片を含有す
る組換えベクターをpGEM−MGSPR−Rとよぶ。
【0034】(5)形質転換体の製法 (4)にて得られたpGEM−MGSPR−Cまたはp
GEM−MGSPR−Rを組換えベクターとして用いた
ほかは実施例1(5)と同様の方法にて、それぞれの形
質転換体を得た。
【0035】(6)DNA断片の塩基配列決定、および
酸化還元酵素遺伝子の全塩基配列決定 (5)にて得られた当該形質転換体を形質転換体として
用いたほかは実施例1(6)と同様にして、PCRの試
料となるDNAを調製した。ついで、SP6プライマー
(宝酒造株式会社製)およびABI PRIZM(商品
名) BigDye(商品名) Terminator
Cycle SequencingReady Re
action Kit(商品名、ピーイーアプライドバ
イオシステムズ社製)を用いたジデオキシ法により、そ
れぞれのDNA断片の塩基配列を決定した。またT7プ
ライマー(宝酒造株式会社製)および該キットを用いた
ジデオキシ法により、それぞれのDNA断片の塩基配列
を逆方向からも決定した。その結果、それぞれのDNA
断片において、両側から決定した塩基配列は同じである
ことを確認した。
【0036】決定した酸化還元酵素遺伝子の5’側およ
び3’側DNA断片の塩基配列から、スナネズミ由来の
酸化還元酵素をコードする塩基配列を含む全塩基配列を
決定した。当該塩基配列を配列番号1に、当該酵素の推
定アミノ酸配列を配列番号2に示す。なお、推定アミノ
酸配列は、配列番号1に記載の15番目から803番目
までの塩基配列によりコードされる。
【0037】実施例3 (1)pGEM−MGSPR−Cからの挿入断片の増幅
および調製 実施例2(6)にて調製したpGEM−MGSPR−C
を用い、NdeIおよびNcoIによる処理で得られる
断片を精製した。すなわち、二本鎖cDNAの代わりに
pGEM−MGSPR−Cを10ng用い、プライマー
として配列表4および5に示したプライマーを用いたほ
かは、実施例2(2)の5’−RACEと同様にしてP
CRを実施した。PCR終了後、当該反応液を反応液と
して用いたほかは実施例1(3)と同様の方法にて、D
NA断片を精製した。該断片2μg、NcoI20ユニ
ットおよび該酵素の緩衝液(宝酒造株式会社製)2μl
に純水を加えて全量20μlとして37℃で2時間反応
させ、フェノール抽出およびエタノール沈澱により該D
NA断片を回収した。ついで、該DNA断片、NdeI
20ユニットおよび緩衝液(500mM トリス塩酸
(pH7.5)、100mM 塩化マグネシウム、10
mM DTT、1M 塩化ナトリウム)4μlに純水を
加えて全量を40μlとし、37℃で2時間反応させ、
DNA断片を消化した。
【0038】ついで、PCR反応液のかわりに該DNA
断片の溶液を用いたほかは実施例1(3)と同様の方法
にて、DNA断片を精製した。
【0039】(2)pGEM−MGSPR−Rからの挿
入断片の調製 pGEM−MGSPR−R2μg、NcoI20ユニッ
トおよび緩衝液(宝酒造株式会社製)2μlに純水を加
えて全量20μlとし、37℃で2時間反応させ、フェ
ノール抽出およびエタノール沈澱により、該DNA断片
を回収した。ついで、該DNA断片、NdeI20ユニ
ットおよび緩衝液(500mM トリス塩酸(pH7.
5)、100mM 塩化マグネシウム、10mM DT
T、1M塩化ナトリウム)4μlに純水を加えて全量を
40μlとし、37℃で2時間反応させ、DNA断片を
消化した。
【0040】ついで、PCR反応液のかわりに該DNA
断片の溶液を用いたほかは実施例1(3)と同様の方法
にて、DNA断片を精製した。
【0041】(3)ベクターの調製 2μgのpMNTベクター(西澤ら、FEBS Lett.、第2
99巻、36〜38頁、1992年)、制限酵素Nde
I20ユニット、緩衝液(500mM トリス塩酸(p
H7.5)、100mM 塩化マグネシウム、10mM
DTT、1M塩化ナトリウム)2μlおよび大腸菌由
来のアルカリホスファターゼ(宝酒造株式会社製)0.
6ユニットに純水を加えて全量20μlとし、37℃で
2時間反応させることにより該ベクターを消化した。つ
いでフェノール処理およびエタノール沈澱を行い、該ベ
クターを調製した。
【0042】(4)組換えベクターの作製 (1)にてpGEM−MGSPR−Cから調製したDN
A断片、(2)にてpGEM−MGSPR−Rから調製
したDNA断片および(3)で調製したpMNTベクタ
ーを1:1:1のモル比で混合し、DNA Ligat
ion KitVer.1(商品名、宝酒造株式会社
製)を用いることにより、16℃で1時間ライゲーショ
ンを行い、組換えベクターを得た。以下、当該組換えベ
クターをpTMG−SPRとよぶ。
【0043】(5)形質転換体の製法 (4)にて得られたpTMG−SPRを組換えベクター
として用い、Epicurian Coli(登録商
標) BL21−CodonPlus(DE3)(スト
ラタジーン社製)を宿主として用いたほかは実施例1
(5)と同様にして、形質転換体を得た。
【0044】(6)酸化還元酵素の精製 (5)にて得られた形質転換体にSOC培地を1ml加
え、37℃で1時間インキュベートした。インキュベー
ト後、該形質転換体の懸濁液をアンピシリン含有LB寒
天培地に塗付して37℃で一晩培養し、酸化還元酵素遺
伝子含有形質転換体のコロニーを得た。当該コロニーを
250mlのアンピシリン含有LB液体培地に接種し、
600nmの吸光度が1になるまで37℃で振とう培養
した。ついで、培養液における最終濃度が0.4mMと
なるようにIPTGを添加した後、該培養液をさらに3
7℃で9時間培養した。
【0045】培養後、遠心して集菌した菌体を緩衝液
(20mM トリス−塩酸(pH7.5)、1M 塩化
ナトリウム、1mM EDTA、2mM DTT)20
mlに懸濁した後、超音波処理により菌体を破砕した。
該溶液を遠心して得られた上清に硫酸アンモニウムを加
え、40〜50%飽和沈澱したタンパク質を分離した。
ついで、該タンパク質を緩衝液(20mM トリス−塩
酸(pH7.5)、0.1mM EDTA、0.1mM
DTT)を用いて4℃で一晩透析した。
【0046】透析後、該透析液をDEAEセファロース
(商標)(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に
注入した。ついで、30mM、60mM、80mM、1
00mMまたは200mMの塩化ナトリウムを含む緩衝
液(20mM トリス−塩酸(pH7.5)、0.1m
M EDTA、0.1mM DTT)を溶出液として該
カラムに適用し、透析物を段階的に溶出した。溶出した
それぞれの画分の10μlをSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により展開したところ、60mM 塩化
ナトリウムを含む溶出液にて溶出された画分が単一のバ
ンドを与えた。該バンドの位置から推定されたタンパク
質の分子量は、配列番号2のアミノ酸配列から推定され
る分子量とほぼ同じであった。したがって、当該画分が
スナネズミ由来のSPRであると予想された。なお、該
画分の総タンパク質量は150μgであった。
【0047】SRPと推定されるタンパク質および基質
を様々な混合比で反応させ、吸光度の変化を測定するこ
とにより、該タンパク質の還元活性を測定した(西澤
ら、Genes to Cells、第5巻、111〜125頁、20
00年)。基質は、生理的基質としてセピアプテリン、
または人工基質としてベンジルもしくはフェニルプロパ
ンジオンを用いた。すなわち、当該精製タンパク質0.
5〜1.0μg/ml、200μM 還元型のニコチン
アミドアデニンヌクレオチド(NADPH)、100m
M リン酸カリウム緩衝液(pH6.5)および1〜1
00μMの基質を含む反応液1mlを調製した。つい
で、37℃で保温して吸光度の変化を測定し、該測定値
からKm、kcatおよびkcat/Kmを算出した。なお、K
mはミカエリス定数を、kcatは酵素反応の触媒速度定数
を意味する。これらの結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例4 実施例3(4)にて得た形質転換体のコロニーを、アン
ピシリン含有LB液体培地200mlに接種し、600
nmの吸光度が5になるまで37℃で培養した。つい
で、IPTGおよび基質のベンジルを、最終濃度が各々
0.5mMおよび1mMとなるように添加した後、さら
に37℃で24時間培養した。培養終了後、培養液に酢
酸エチル40mlを加えて撹拌し、遠心により酢酸エチ
ルの層を分離した。当該操作をさらに2回繰り返し、得
られた酢酸エチル層120mlを濃縮した。得られた生
成物を、ヘキサン:エーテル:酢酸(容量比45:5:
1)を展開溶媒としたシリカゲルのカラムにかけて、ベ
ンゾインの画分を分取した。さらに、逆層高速液体クロ
マトグラフィーにかけ、ベンゾインを高度に精製した。
収率は80%、光学純度は97%ee(S)−ベンゾイ
ンであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、芳香族ジケトン化合物に対し
て還元能を有し、たとえばベンジルを不斉還元して
(S)−ベンゾインを生成することができるスナネズミ
由来の新規酸化還元酵素、同酵素をコードする遺伝子、
同遺伝子を含有するベクター、同ベクターで形質転換し
た形質転換体および同酵素の製造方法を提供した。
【0051】
【配列表フリーテキスト】配列番号3:スナネズミ由来
の酸化還元酵素の遺伝子断片を得るためのプライマー。
配列中、nはa、c、tまたはgである。 配列番号4:スナネズミ由来の酸化還元酵素の遺伝子断
片を得るためのプライマー。配列中、rはaまたはgで
ある。 配列番号5:NdeI部位および開始コドンを含むスナ
ネズミSPRに特異的なプライマー。
【0052】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Arakawa Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha <120> Oxido-reductase derived from Mongolian gerbil, Gene encoding the enzyme, Transformant having the gene and Preparing the enzyme <130> JP-12484 <140> <141> <160> 5 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1208 <212> DNA <213> Meriones unguiculatus <400> 1 ggctgagttc cgtcatggag agcggagggc tgggctgcgc ggtctgcgtg ctgaccgggg 60 cctcccgggg cttcgggcgc gcgctggccc cgcggctggc gcagctgctg gcacccgggt 120 ccgtgctgct cctatgcgca cgcagcgact cggcgctgcg gcggctggag gaggagctgg 180 gcgcgcagca gcccggcctg cgagtggtgc gggccgcagc cgatctaggt accgaggccg 240 gcttgcggca ggtgctgcgc gcggtgcgcg agctccccaa gcccgagggg ctgcagcgcc 300 tgctgctcat caacaacgca ggcacccttg gagacatgtc caaaggcgtg ttgaacgtga 360 atgacccagc tgaggtgaac aactactggg ccctgaacct gacctccatg ctctgcttga 420 cctcgggcac cctgaatgcc ttcccagata gcccaggcct gagcaagact gtggttaaca 480 tctcatctct gtgtgccctg cagcccttca agggctgggg actgtactgc acagggaagg 540 ctgcccgaga catgctgtgc caggtcttgg ctgctgagga acccagtgtg agggtgctga 600 gctatgcccc aggtcccttg gacacagaca tgcagcagtt ggctcgggaa acctccatgg 660 acccagagtt acggaacaga ctgcagaggc tgaagtcgga gggggagctg gtggactgtg 720 ggacgtcagc ccagaaactg ctgaatttgc tgcagaagga caccttccag tctggagccc 780 acgtggactt ctatgacaat taagccccat gtcctgcccc agtgccccac acacaccaac 840 cctgcctaac acaagtataa gccctcagat atagccaaca ggttgtagct ggcattacca 900 ggcttctgta ggtgcctgag agagagttga tgggtattgg agttctctgt ccccaggaag 960 aaaattttag aactgggggc cgcaaaaatg aaaacactgg agagatgagg ttgagtatct 1020 tgtctttggt cagtctgtga ggtgaggagg gtgtggcctg atgcagaaag agggtgaggg 1080 catcacatgt gtgtgttcct tggatggggt gtctttgttc tgctgccttt tcctctggta 1140 ctcgctggtc ctcccccgac tctagtccaa atacataatt gtaaggcaga tgcaaaaaaa 1200 aaaaaaaa 1208 <210> 2 <211> 262 <212> PRT <213> Meriones unguiculatus <400> 2 Met Glu Ser Gly Gly Leu Gly Cys Ala Val Cys Val Leu Thr Gly Ala 1 5 10 15 Ser Arg Gly Phe Gly Arg Ala Leu Ala Pro Arg Leu Ala Gln Leu Leu 20 25 30 Ala Pro Gly Ser Val Leu Leu Leu Cys Ala Arg Ser Asp Ser Ala Leu 35 40 45 Arg Arg Leu Glu Glu Glu Leu Gly Ala Gln Gln Pro Gly Leu Arg Val 50 55 60 Val Arg Ala Ala Ala Asp Leu Gly Thr Glu Ala Gly Leu Arg Gln Val 65 70 75 80 Leu Arg Ala Val Arg Glu Leu Pro Lys Pro Glu Gly Leu Gln Arg Leu 85 90 95 Leu Leu Ile Asn Asn Ala Gly Thr Leu Gly Asp Met Ser Lys Gly Val 100 105 110 Leu Asn Val Asn Asp Pro Ala Glu Val Asn Asn Tyr Trp Ala Leu Asn 115 120 125 Leu Thr Ser Met Leu Cys Leu Thr Ser Gly Thr Leu Asn Ala Phe Pro 130 135 140 Asp Ser Pro Gly Leu Ser Lys Thr Val Val Asn Ile Ser Ser Leu Cys 145 150 155 160 Ala Leu Gln Pro Phe Lys Gly Trp Gly Leu Tyr Cys Thr Gly Lys Ala 165 170 175 Ala Arg Asp Met Leu Cys Gln Val Leu Ala Ala Glu Glu Pro Ser Val 180 185 190 Arg Val Leu Ser Tyr Ala Pro Gly Pro Leu Asp Thr Asp Met Gln Gln 195 200 205 Leu Ala Arg Glu Thr Ser Met Asp Pro Glu Leu Arg Asn Arg Leu Gln 210 215 220 Arg Leu Lys Ser Glu Gly Glu Leu Val Asp Cys Gly Thr Ser Ala Gln 225 230 235 240 Lys Leu Leu Asn Leu Leu Gln Lys Asp Thr Phe Gln Ser Gly Ala His 245 250 255 Val Asp Phe Tyr Asp Asn 260 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for obtaining a gene fragment of the oxido-reductase derived from Mongolian gerbil. In the sequence, n is a, c, t or g. <400> 3 aacaactact gggcnctgaa c 21 <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer for obtaining a gene fragment of the oxido-reductase derived from Mongolian gerbil. In the sequence, r is a or g. <400> 4 agaagtccac rtgggctcca ga 22 <210> 5 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:specific primer to SPR of Mongolian gerbil, which comprises NdeI site and initiation codon <400> 5 ggaattccat atggagagcg gagggctggg ct 32
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/02 C12R 1:19) //(C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 A (72)発明者 丸山 励治 富山市寺町けや木台52 つかさハイツ寺町 203号 (72)発明者 糸井 泰 大阪府大東市南新田一丁目21−502 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA08 CA04 DA06 GA11 HA01 4B050 CC03 DD11 LL05 4B065 AA26X AA90Y AB01 BA02 CA28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号2に示したアミノ酸配
    列を有する酸化還元酵素。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に記載の15番目か
    ら803番目までの塩基配列でコードされる酸化還元酵
    素。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に記載の15番目か
    ら803番目までの塩基配列を有する酸化還元酵素遺伝
    子。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号2に示したアミノ酸配
    列をコードする酸化還元酵素遺伝子。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号2に示したアミノ酸配
    列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿
    入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、か
    つ酸化還元能を有するタンパク質。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の遺伝子を含有す
    る組換えベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の組換えベクターで形質転
    換された形質転換体。
  8. 【請求項8】 宿主細胞が微生物である請求項7記載の
    形質転換体。
  9. 【請求項9】 前記微生物が大腸菌である請求項8記載
    の形質転換体。
  10. 【請求項10】 請求項7、8または9記載の形質転換
    体を培養し、培養物から酸化還元酵素を採取することを
    特徴とする酸化還元酵素の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006085535A1 (ja) * 2005-02-09 2006-08-17 Kaneka Corporation テトラヒドロビオプテリン生合成酵素を用いたビオプテリン類の製造方法

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