JP2002199745A - 電力用半導体装置、電力用アームおよびインバータ回路 - Google Patents

電力用半導体装置、電力用アームおよびインバータ回路

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JP2002199745A
JP2002199745A JP2000397989A JP2000397989A JP2002199745A JP 2002199745 A JP2002199745 A JP 2002199745A JP 2000397989 A JP2000397989 A JP 2000397989A JP 2000397989 A JP2000397989 A JP 2000397989A JP 2002199745 A JP2002199745 A JP 2002199745A
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switching element
power arm
voltage
power
inverter circuit
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JP2000397989A
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Majumudaar Goorab
マジュムダール ゴーラブ
Shinji Hatae
慎治 波多江
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Mitsubishi Electric Corp
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/003Constructional details, e.g. physical layout, assembly, wiring or busbar connections

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐圧を確保しつつ、誤動作を生じさせにく
い電力用アームを含むインバータ回路を提供する。 【解決手段】 スイッチング素子と逆並列接続ダイオー
ドとからなる電力用アーム要素において、スイッチング
素子1bに逆並列接続される還流ダイオードを、n個
(n≧2)直列接続したものにし、それぞれのアノード
およびカソード間の耐圧をスイッチング素子1bの耐圧
の1/nにする。すなわち、還流ダイオード1つ分の耐
圧を1/nに減らしてn-ドリフト領域の厚みを少なく
し、還流電流が流れたときの過渡電圧特性を抑える。そ
して、耐圧が下がった分については、n個の還流ダイオ
ードを直列接続することにより、スイッチング素子と同
程度の耐圧を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流電力や交流
電力を任意周波数の交流電力に変換するインバータ回
路、およびインバータ回路を構成する電力用アーム、お
よび電力用アームを構成する電力用アーム要素に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電力用アームが採用されたインバ
ータ回路の例として三相インバータ回路を図8に示す。
図8において、符号V1は商用交流電源とダイオードブ
リッジ回路とで構成された直流電圧源やバッテリー等の
直流電圧発生回路を、符号HB1〜HB3は直流電圧発
生回路V1で発生した直流電圧Vccから交流電圧を発
生させるための一相分の電力用アームを含むハーフブリ
ッジ回路を、それぞれ示している。
【0003】ハーフブリッジ回路HB1の電力用アーム
は、スイッチング素子1aおよび還流ダイオード(Free
Wheeling Diode)2aが逆並列接続されて構成される
電力用アーム要素と、スイッチング素子1bおよび還流
ダイオード2bで構成される他の電力用アーム要素とが
ノードUにおいて直列接続されることにより構成され
る。なお、スイッチング素子1a,1bには、IGBT
(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワー用バ
イポーラトランジスタ、パワー用MOSFET(Metal
Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が
採用される。
【0004】具体的には、スイッチング素子1aの電流
入力電極(Nチャネル形IGBTの場合はコレクタ)が
還流ダイオード2aのカソードに接続され、スイッチン
グ素子1aの電流出力電極(Nチャネル形IGBTの場
合はエミッタ)が還流ダイオード2aのアノードに接続
される。また、スイッチング素子1bおよび還流ダイオ
ード2bも同様に構成される。そして、ノードUにおい
てスイッチング素子1aの電流出力電極がスイッチング
素子1bの電流入力電極に接続される。
【0005】そして、スイッチング素子1aの電流入力
電極は、ノードN1において直流電圧発生回路V1の高
電位側端子に接続され、スイッチング素子1bの電流出
力電極は、ノードN2において直流電圧発生回路V1の
低電位側端子に接続される。
【0006】ハーフブリッジ回路HB2,HB3につい
ても同様に、2つの電力用アーム要素がノードV,Wに
おいて直列接続され、各電力用アーム要素のスイッチン
グ素子がノードN1,N2において直流電圧発生回路V
1の高電位側端子および低電位側端子に接続される。な
お、図8では図の煩雑さを避けるために、ハーフブリッ
ジ回路HB2,HB3の備える電力用アーム要素を示し
てはいない。
【0007】また、ノードU,V,Wには、Y字型やΔ
字型等に構成された、3つの接続端を含む三相負荷(図
示せず)が接続される。
【0008】ハーフブリッジ回路HB1のスイッチング
素子1a,1bの制御電極(IGBTの場合はゲート)
には、PWM(Pulse Width Modulation)信号等の制御
信号が制御回路たるHVIC(High Voltage Integrate
d Circuit)3より与えられる。この制御信号が所定の
タイミングで与えられることにより、各スイッチング素
子1a,1bがオン・オフして任意の周波数の交流電圧
が発生し、その交流電圧がノードUに接続された三相負
荷の端子に印加される。ハーフブリッジ回路HB2,H
B3においても同様に、スイッチング素子の制御電極に
HVIC3からの制御信号が与えられて、ノードV,W
に接続された三相負荷の端子に任意の周波数の交流電圧
が印加される。
【0009】なお、HVIC3には、HVIC3を動作
させるための電圧源V2や抵抗R1、キャパシタC1等
の周辺回路が接続されている。このHVIC3および周
辺回路は、各ハーフブリッジ回路HB1〜HB3が個別
に備えるようにしてもよいし、あるいは、一組のHVI
C3および周辺回路で各ハーフブリッジ回路HB1〜H
B3を制御するようにしてもよい。図8では例として、
HVIC3およびキャパシタC1を各ハーフブリッジ回
路HB1〜HB3が個別に備え、電圧源V2および抵抗
R1は各ハーフブリッジ回路HB1〜HB3で共用する
ものとしている。
【0010】また、HVIC3の接地電位端子はノード
N2に接続され、直流電圧発生回路V1の低電位側端子
より接地電位GNDが与えられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】さて、図8に示した三
相インバータ回路の各ハーフブリッジ回路が有する問題
点を、ハーフブリッジ回路HB1を例に採り図9〜図1
1を用いて以下に説明する。
【0012】まず、スイッチング素子1aがオン状態、
スイッチング素子1bがオフ状態にある場合、図9に示
すように電流Icが、直流電圧発生回路V1の高電位側
端子から、スイッチング素子1aおよび三相負荷LD
(図9では一つのインダクタとして示している)を介し
て低電位側端子へと流れる。
【0013】次に、スイッチング素子1aがオフ状態、
スイッチング素子1bがオン状態に切り替わった場合、
電流Icの流れが停止する。ところが、三相負荷LDは
それまで流れていた電流を流し続けようと作用すること
から、還流電流Irが還流ダイオード2bを介して三相
負荷LDに一時的に流れる。
【0014】このときの、接地電位GNDからみたノー
ドUにおける電位Vsの時間変化を図10に示す。スイ
ッチング素子1aがオン状態、スイッチング素子1bが
オフ状態にあるときには、電位Vsは直流電圧発生回路
V1の高電位側端子より与えられる電源電位Vccにほ
ぼ等しい。ところが、スイッチング素子1aがオフ状
態、スイッチング素子1bがオン状態に切り替わった時
間t1以降は、次の切り替わりが訪れるまで電流Icの
流れが停止することから、電位Vsは急激に電源電位V
ccから降下する。
【0015】そして、電位Vsは、大きなマイナスの電
位Vtr2にまで過渡的に下がった後、接地電位GND
から還流ダイオード2bの閾値電圧に相当する分だけマ
イナス側に偏移した値の電位Vstまで回復し、次の切
り替わりが訪れるまで定常状態を維持する。
【0016】還流電流Irが過渡的に大きな値を採り、
この電位Vtr2の絶対値がある値以上にまで大きくな
ると、ノードUにおける電位Vsが下がりすぎるため、
スイッチング素子1aの制御電極−電流出力電極間の電
圧が大きくなり、スイッチング素子1aが誤ってオンし
てしまうという問題があった。また、その影響によりH
VIC3が誤動作してしまうという問題もあった。
【0017】これらの問題を防ぐためには、還流ダイオ
ードの過渡電圧特性である電位Vtr2の絶対値を低く
抑えるようにすればよい。ところが、従来の電力用アー
ム要素内の還流ダイオードの場合、スイッチング素子の
耐圧と同程度の耐圧を確保するために、n-ドリフト領
域の厚みを大きくしていた。すなわち、図11に示すよ
うに還流ダイオードは、カソード電極CT、n型半導体
層S1a,S1b、p形半導体層S2、アノード電極A
Nで構成されるが、n型半導体層のうちn-ドリフト領
域S1aの厚みTHを大きくとることにより、耐圧を確
保していた。
【0018】n-ドリフト領域の厚みを大きくすると、
-ドリフト領域の厚みと還流ダイオードの過渡電圧特
性とは正の相関関係を有するため、還流電流が流れたと
きの電位Vtr2の値も大きなマイナス値となりやすか
った。そのため、従来の電力用アーム要素を採用すると
インバータ回路が誤動作しやすかった。
【0019】そこで、この発明の課題は、高耐圧を確保
しつつ、誤動作を生じさせにくい電力用アームを含むイ
ンバータ回路を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電流入力電極、電流出力電極および制御電極を有す
るスイッチング素子と、それぞれがカソードおよびアノ
ードを有する、直列接続されたn個(n≧2)のダイオ
ードとを備え、前記n個のダイオードのうち両端のダイ
オードの一方のカソードは前記スイッチング素子の前記
電流入力電極に接続され、他方のアノードは前記スイッ
チング素子の前記電流出力電極に接続され、前記ダイオ
ードのそれぞれのアノードおよびカソード間の耐圧は、
前記スイッチング素子の前記電流入力電極および電流出
力電極間の耐圧の1/nである電力用半導体装置であ
る。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電力用半導体装置であって、前記n個のダイオードの
それぞれのアノードおよびカソード間に一つずつ並列接
続されたn個の抵抗をさらに備え、前記n個の抵抗はそ
れぞれ略等しい抵抗値を有する電力用半導体装置であ
る。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の電力用半導体装置よりなる第1の電力
用アーム要素と、電流入力電極、電流出力電極および制
御電極を有するスイッチング素子、並びに、前記電流入
力電極に接続されたカソードおよび前記電流出力電極に
接続されたアノードを有するダイオードを含む第2の電
力用アーム要素とが直列接続されて構成された電力用ア
ームである。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の電力用半導体装置よりなる第1および
第2の電力用アーム要素が直列接続されて構成された電
力用アームである。
【0024】請求項5に記載の発明は、複数の請求項3
または請求項4に記載の電力用アームと、前記電力用ア
ームの各スイッチング素子を制御する制御信号を出力す
る制御回路とを備え、前記複数の電力用アームは並列接
続されたインバータ回路である。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項3または
請求項4に記載の電力用アームと、前記電力用アームの
各スイッチング素子を制御する制御信号を出力する制御
回路とを備えるインバータ回路である。
【0026】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>本実施の形態
は、電力用アーム要素においてスイッチング素子に逆並
列接続されるダイオードを、n個(n≧2)直列接続し
たものにし、それぞれのアノードおよびカソード間の耐
圧をスイッチング素子の耐圧の1/nにすることで、高
耐圧を確保しつつ、誤動作を生じさせにくいインバータ
回路を実現したものである。
【0027】本実施の形態にかかるインバータ回路を、
三相インバータ回路を例にとり図1に示す。図1におい
て、符号V1は商用交流電源とダイオードブリッジ回路
とで構成された直流電圧源やバッテリー等の直流電圧発
生回路を、符号HB1〜HB3は直流電圧発生回路V1
で発生した直流電圧Vccから交流電圧を発生させるた
めの一相分のハーフブリッジ回路を、それぞれ示してい
る。
【0028】ハーフブリッジ回路HB1の電力用アーム
は、スイッチング素子1aおよび還流ダイオード2aが
逆並列接続されて構成される電力用アーム要素と、スイ
ッチング素子1bおよびn個直列接続された還流ダイオ
ード2b1〜2bnで構成される他の電力用アーム要素
とがノードUにおいて直列接続されることにより構成さ
れる。なお、スイッチング素子1a,1bには、IGB
Tやパワー用バイポーラトランジスタ、パワー用MOS
FET等が採用される。
【0029】具体的には、スイッチング素子1aの電流
入力電極(Nチャネル形IGBTの場合はコレクタ)が
還流ダイオード2aのカソードに接続され、スイッチン
グ素子1aの電流出力電極(Nチャネル形IGBTの場
合はエミッタ)が還流ダイオード2aのアノードに接続
される。
【0030】また、還流ダイオード2b1〜2bnのう
ち両端の一方の還流ダイオード2b1のカソードはスイ
ッチング素子1bの電流入力電極に接続され、他方の還
流ダイオード2bnのアノードはスイッチング素子1b
の電流出力電極に接続される。そして、ノードUにおい
てスイッチング素子1aの電流出力電極がスイッチング
素子1bの電流入力電極に接続される。
【0031】そして、スイッチング素子1aの電流入力
電極は、ノードN1において直流電圧発生回路V1の高
電位側端子に接続され、スイッチング素子1bの電流出
力電極は、ノードN2において直流電圧発生回路V1の
低電位側端子に接続される。
【0032】ハーフブリッジ回路HB2,HB3につい
てもハーフブリッジ回路HB1と同様に、2つの電力用
アーム要素がノードV,Wにおいて直列接続され、各電
力用アーム要素のスイッチング素子がノードN1,N2
において直流電圧発生回路V1の高電位側端子および低
電位側端子に接続される。なお、図1でも図の煩雑さを
避けるために、ハーフブリッジ回路HB2,HB3の備
える電力用アーム要素を示してはいない。
【0033】また、ノードU,V,Wには、Y字型やΔ
字型等に構成された、3つの接続端を含む三相負荷(図
示せず)が接続される。
【0034】ハーフブリッジ回路HB1のスイッチング
素子1a,1bの制御電極(IGBTの場合はゲート)
には、PWM信号等の制御信号が制御回路たるHVIC
3より与えられる。この制御信号が所定のタイミングで
与えられることにより、各スイッチング素子1a,1b
がオン・オフして任意の周波数の交流電圧が発生し、そ
の交流電圧がノードUに接続された三相負荷の端子に印
加される。ハーフブリッジ回路HB2,HB3において
も同様に、スイッチング素子の制御電極にHVIC3か
らの制御信号が与えられて、ノードV,Wに接続された
三相負荷の端子に任意の周波数の交流電圧が印加され
る。
【0035】なお、HVIC3には、HVIC3を動作
させるための電圧源V2や抵抗R1、キャパシタC1等
の周辺回路が接続されている。このHVIC3および周
辺回路は、各ハーフブリッジ回路HB1〜HB3が個別
に備えるようにしてもよいし、あるいは、一組のHVI
C3および周辺回路で各ハーフブリッジ回路HB1〜H
B3を制御するようにしてもよい。図1でも例として、
HVIC3およびキャパシタC1を各ハーフブリッジ回
路HB1〜HB3が個別に備え、電圧源V2および抵抗
R1は各ハーフブリッジ回路HB1〜HB3で共用する
ものとしている。
【0036】また、HVIC3の接地電位端子はノード
N2に接続され、直流電圧発生回路V1の低電位側端子
より接地電位GNDが与えられている。
【0037】さて、本実施の形態にかかるインバータ回
路においては、一方の電力用アーム要素において、還流
ダイオードをn個直列接続し、還流ダイオードのそれぞ
れの耐圧を、スイッチング素子1bの耐圧の1/nとす
る。
【0038】還流ダイオードの1つあたりの耐圧を下げ
るのは、以下の理由からである。従来の電力用アーム要
素においては、還流ダイオードの耐圧を確保するために
図11に示すようにn-ドリフト領域n1aの厚みTH
を大きくせざるを得なかった。しかしその場合、還流電
流が流れたときの過渡電圧特性も同時に大きくなってし
まうため、インバータ回路が誤動作しやすかった。
【0039】そこで本願では、還流ダイオード1つ分の
耐圧を1/nに減らしてn-ドリフト領域n1aの厚み
THを少なくし、還流電流が流れたときの過渡電圧特性
を抑える。そして、耐圧が下がった分については、n個
の還流ダイオードを直列接続することにより、スイッチ
ング素子と同程度の耐圧を確保するのである。
【0040】なお、n個の還流ダイオードは、基板上の
配線やアルミニウムワイヤ等により直列接続されるが、
その配線等における抵抗成分や容量成分等により電圧の
変化に多少の遅れが生じる。そのため、過渡電圧特性の
オーバーシュートが軽減される。このことを説明するの
が図2である。図2は、図10と同様の、本実施の形態
にかかるインバータ回路における、接地電位GNDから
みたノードUの電位Vsの時間変化を示す図である。図
2から分かるように、電位Vsのオーバーシュート時の
電位Vtr1は、従来の場合の電位Vtr2よりも緩和
されている。
【0041】よって、上記のように電力用アーム要素を
構成すれば、スイッチング素子の耐圧と同程度の耐圧の
ダイオードを一つ、スイッチング素子に逆並列接続して
構成される従来の電力用アーム要素に比べ、ダイオード
に還流電流が流れたときの過渡電圧特性を低く抑えるこ
とができる。
【0042】また、上記のような電力用アーム要素で構
成される電力用アームをインバータ回路に採用すること
で、還流ダイオードに還流電流が流れたときの過渡電圧
特性を低く抑えることができるので、電力用アーム要素
が直列接続された箇所(例えば図1におけるノードU)
の電位の変動が少ない。よって、高耐圧を確保しつつ、
誤動作を生じさせにくいインバータ回路が得られる。
【0043】<実施の形態2>本実施の形態は実施の形
態1にかかるインバータ回路の変形例である。すなわ
ち、略等しい抵抗値を有する抵抗を電力用アーム要素の
各還流ダイオードにそれぞれ並列に設けることで、各還
流ダイオードのアノードおよびカソード間に発生する電
圧値を均分にすることが可能なインバータ回路を実現す
るものである。
【0044】図3に本実施の形態に係るインバータ回路
を示す。図3に示すように、本実施の形態においては、
電力用アーム要素の各還流ダイオード2b1〜2bnの
それぞれのアノードおよびカソード間に一つずつ、n個
の抵抗4b1〜4bnが並列接続されている。そして、
これらの抵抗4b1〜4bnは、それぞれ略等しい抵抗
値を有している。
【0045】このようにすれば、略等しい抵抗値の抵抗
がn個の還流ダイオードのそれぞれに並列接続されるの
で、電力用アーム要素において各還流ダイオードのアノ
ードおよびカソード間に発生する電圧値が均分になる。
よって、各還流ダイオードの過渡電圧特性を均一にそろ
えることができる。
【0046】なお、その他の構成は、実施の形態1にか
かるインバータ回路と同様のため、説明を省略する。
【0047】<実施の形態3>本実施の形態は実施の形
態1にかかるインバータ回路の変形例である。すなわ
ち、実施の形態1においては電力用アーム中の一方の電
力用アーム要素においてのみ、還流ダイオードの数を複
数にしていたが、本実施の形態においては、電力用アー
ム中の両方の電力用アーム要素において還流ダイオード
の数を複数にするものである。両方の電力用アーム要素
において還流ダイオードの数を複数個設けることによ
り、高耐圧を確保しつつ、より誤動作を生じさせにくい
インバータ回路を実現できる。
【0048】図4に本実施の形態に係るインバータ回路
を示す。図4に示すように、本実施の形態においては、
スイッチング素子1b側の電力用アーム要素のみなら
ず、スイッチング素子1a側の電力用アーム要素におい
ても還流ダイオードをm個(m≧2)設けている。
【0049】すなわち、ハーフブリッジ回路HB1は、
スイッチング素子1aおよびm個直列接続された還流ダ
イオード2a1〜2amで構成される電力用アーム要素
と、スイッチング素子1bおよびn個直列接続された還
流ダイオード2b1〜2bnで構成される他の電力用ア
ーム要素とがノードUにおいて直列接続されることによ
り構成される。なお、スイッチング素子1a,1bに
は、IGBTやパワー用バイポーラトランジスタ、パワ
ー用MOSFET等が採用される。
【0050】具体的には、還流ダイオード2a1〜2a
mのうち両端の一方の還流ダイオード2a1のカソード
はスイッチング素子1aの電流入力電極に接続され、他
方の還流ダイオード2amのアノードはスイッチング素
子1aの電流出力電極に接続される。そして、ノードU
においてスイッチング素子1aの電流出力電極がスイッ
チング素子1bの電流入力電極に接続される。
【0051】また、還流ダイオード2b1〜2bnのう
ち両端の一方の還流ダイオード2b1のカソードはスイ
ッチング素子1bの電流入力電極に接続され、他方の還
流ダイオード2bnのアノードはスイッチング素子1b
の電流出力電極に接続される。そして、ノードUにおい
てスイッチング素子1aの電流出力電極がスイッチング
素子1bの電流入力電極に接続される。
【0052】このようにハーフブリッジ回路HB1の電
力用アーム内のいずれの電力用アーム要素においても還
流ダイオードを複数設ければ、還流ダイオードに還流電
流が流れたときの過渡電圧特性を低く抑えることができ
るので、2つの電力用アーム要素が直列接続された箇所
の電位の変動が実施の形態1にかかるインバータ回路に
比べより少ない。よって、高耐圧を確保しつつ、誤動作
を生じさせにくいインバータ回路が得られる。
【0053】その他の構成は実施の形態1に係るインバ
ータ回路と同様のため、説明を省略する。
【0054】<実施の形態4>本実施の形態は実施の形
態3にかかるインバータ回路の変形例である。すなわ
ち、略等しい抵抗値を有する抵抗を電力用アーム要素の
各還流ダイオードにそれぞれ並列に設けることで、各還
流ダイオードのアノードおよびカソード間に発生する電
圧値を均分にすることが可能なインバータ回路を実現す
るものである。
【0055】図5に本実施の形態に係るインバータ回路
を示す。図5に示すように、本実施の形態においては、
電力用アーム要素の各還流ダイオード2a1〜2am,
2b1〜2bnのそれぞれのアノードおよびカソード間
に一つずつ、m個の抵抗4a1〜4amおよびn個の抵
抗4b1〜4bnが並列接続されている。そして、これ
らの抵抗4a1〜4am,4b1〜4bnは、それぞれ
略等しい抵抗値を有している。
【0056】このようにすれば、略等しい抵抗値の抵抗
がm個およびn個の還流ダイオードのそれぞれに並列接
続されるので、電力用アーム要素において各還流ダイオ
ードのアノードおよびカソード間に発生する電圧値が均
分になる。よって、各還流ダイオードの過渡電圧特性を
均一にそろえることができる。
【0057】なお、その他の構成は、実施の形態3にか
かるインバータ回路と同様のため、説明を省略する。
【0058】<実施の形態5>本実施の形態は実施の形
態1にかかるインバータ回路の変形例である。すなわ
ち、実施の形態1においては三相インバータ回路を例に
とったが、本実施の形態においては、実施の形態1に示
した電力用アームを単相ハーフブリッジ回路に適用す
る。
【0059】図6は、本実施の形態にかかるインバータ
回路を示す図である。本実施の形態にかかるインバータ
回路は、実施の形態1にかかるインバータ回路と同様、
抵抗R1、電圧源V2、ハーフブリッジ回路HB1を備
えている。
【0060】また、本実施の形態においては、直流電圧
発生回路V1に代わって、直流電圧発生回路V1と同
様、直流電圧Vccを発生する直流電圧発生回路V1a
およびV1bを備えている。そして、直流電圧発生回路
V1aの低電位側端子と直流電圧発生回路V1bの高電
位側端子とがノードN3において接続され、直流電圧発
生回路V1aの高電位側端子とスイッチング素子1aの
電流入力電極とがノードN1において接続され、直流電
圧発生回路V1bの低電位側端子とスイッチング素子1
bの電流出力電極とがノードN2において接続される。
【0061】そして、ハーフブリッジ回路HB1のノー
ドUとノードN3との間に負荷LDaが接続される。
【0062】このように1つ分の耐圧を1/nに減ら
し、n個直列接続した還流ダイオードを有する電力用ア
ーム要素を単相ハーフブリッジ回路に採用することで
も、高耐圧を確保しつつ、誤動作を生じさせにくいイン
バータ回路が得られる。
【0063】なお、もちろんこのハーフブリッジ回路H
B1に代わって、実施の形態2〜4に示した各ハーフブ
リッジ回路を用いてもよい。
【0064】<実施の形態6>本実施の形態は実施の形
態1にかかるインバータ回路の変形例である。すなわ
ち、実施の形態1においては三相インバータ回路を例に
とったが、本実施の形態においては、実施の形態1に示
した電力用アームを単相フルブリッジ回路に適用する。
【0065】図7は、本実施の形態にかかるインバータ
回路を示す図である。本実施の形態にかかるインバータ
回路は、実施の形態1にかかるインバータ回路と同様、
抵抗R1、電圧源V2、直流電圧発生回路V1、ハーフ
ブリッジ回路HB1,HB2を備えている。
【0066】そして、直流電圧発生回路V1の高電位側
端子とハーフブリッジ回路HB1,HB2のスイッチン
グ素子1aの電流入力電極とがノードN1において接続
され、直流電圧発生回路V1の低電位側端子とハーフブ
リッジ回路HB1,HB2のスイッチング素子1bの電
流出力電極とがノードN2において接続される。
【0067】そして、ハーフブリッジ回路HB1のノー
ドUとハーフブリッジ回路HB2のノードVとの間に負
荷LDaが接続される。
【0068】なお、図7においては、ハーフブリッジ回
路HB2内のHVIC3およびキャパシタC1について
は図示を省略している。
【0069】このように1つ分の耐圧を1/nに減ら
し、n個直列接続した還流ダイオードを有する電力用ア
ーム要素を単相フルブリッジ回路に採用することでも、
高耐圧を確保しつつ、誤動作を生じさせにくいインバー
タ回路が得られる。
【0070】なお、もちろんこのハーフブリッジ回路H
B1,HB2に代わって、実施の形態2〜4に示した各
ハーフブリッジ回路を用いてもよい。
【0071】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、スイッ
チング素子の耐圧と同程度の耐圧のダイオードを一つ、
スイッチング素子に逆並列接続して構成される従来の電
力用半導体装置に比べ、ダイオードに還流電流が流れた
ときの過渡電圧特性を低く抑えることができる。
【0072】請求項2に記載の発明によれば、略等しい
抵抗値の抵抗がn個のダイオードのそれぞれに並列接続
されるので、各ダイオードのアノードおよびカソード間
に発生する電圧値が均分になる。よって、各ダイオード
の過渡電圧特性を均一にそろえることができる。
【0073】請求項3に記載の発明によれば、第1の電
力用アーム要素のダイオードに還流電流が流れたときの
過渡電圧特性を低く抑えることができるので、第1およ
び第2の電力用アーム要素が直列接続された箇所の電位
の変動が少ない。
【0074】請求項4に記載の発明によれば、第1およ
び第2の電力用アーム要素のダイオードに還流電流が流
れたときの過渡電圧特性を低く抑えることができるの
で、第1および第2の電力用アーム要素が直列接続され
た箇所の電位の変動が請求項3にかかる電力用アームに
比べより少ない。
【0075】請求項5に記載の発明によれば、第1およ
び第2の電力用アーム要素が直列接続された箇所の電位
の変動が少ないので、高耐圧を確保しつつ、誤動作を生
じさせにくいインバータ回路が得られる。
【0076】請求項6に記載の発明によれば、第1およ
び第2の電力用アーム要素が直列接続された箇所の電位
の変動が少ないので、高耐圧を確保しつつ、誤動作を生
じさせにくいインバータ回路が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るインバータ回路を示す図
である。
【図2】 実施の形態1に係るインバータ回路におい
て、接地電位GNDからみたノードUにおける電位Vs
の時間変化を示す図である。
【図3】 実施の形態2に係るインバータ回路を示す図
である。
【図4】 実施の形態3に係るインバータ回路を示す図
である。
【図5】 実施の形態4に係るインバータ回路を示す図
である。
【図6】 実施の形態5に係るインバータ回路を示す図
である。
【図7】 実施の形態6に係るインバータ回路を示す図
である。
【図8】 従来のインバータ回路を示す図である。
【図9】 従来のインバータ回路において、電流が三相
負荷に流れる様子を示す図である。
【図10】 従来のインバータ回路において、接地電位
GNDからみたノードUにおける電位Vsの時間変化を
示す図である。
【図11】 従来の電力用アーム要素内の還流ダイオー
ドの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b スイッチング素子、2a1〜2am,2b
1〜2bn 還流ダイオード、3 HVIC、4a1〜
4am,4b1〜4bn 抵抗、HB1〜HB3 ハー
フブリッジ回路、V1,V1a,V1b 直流電圧発生
回路、LD,LDa 負荷。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流入力電極、電流出力電極および制御
    電極を有するスイッチング素子と、 それぞれがカソードおよびアノードを有する、直列接続
    されたn個(n≧2)のダイオードとを備え、 前記n個のダイオードのうち両端のダイオードの一方の
    カソードは前記スイッチング素子の前記電流入力電極に
    接続され、他方のアノードは前記スイッチング素子の前
    記電流出力電極に接続され、 前記ダイオードのそれぞれのアノードおよびカソード間
    の耐圧は、前記スイッチング素子の前記電流入力電極お
    よび電流出力電極間の耐圧の1/nである電力用半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電力用半導体装置であ
    って、 前記n個のダイオードのそれぞれのアノードおよびカソ
    ード間に一つずつ並列接続されたn個の抵抗をさらに備
    え、 前記n個の抵抗はそれぞれ略等しい抵抗値を有する電力
    用半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電力用
    半導体装置よりなる第1の電力用アーム要素と、 電流入力電極、電流出力電極および制御電極を有するス
    イッチング素子、並びに、前記電流入力電極に接続され
    たカソードおよび前記電流出力電極に接続されたアノー
    ドを有するダイオードを含む第2の電力用アーム要素と
    が直列接続されて構成された電力用アーム。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の電力用
    半導体装置よりなる第1および第2の電力用アーム要素
    が直列接続されて構成された電力用アーム。
  5. 【請求項5】 複数の請求項3または請求項4に記載の
    電力用アームと、 前記電力用アームの各スイッチング素子を制御する制御
    信号を出力する制御回路とを備え、 前記複数の電力用アームは並列接続されたインバータ回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の電力用
    アームと、 前記電力用アームの各スイッチング素子を制御する制御
    信号を出力する制御回路とを備えるインバータ回路。
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