JP2002195521A - 廃棄物処理炉 - Google Patents

廃棄物処理炉

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JP2002195521A
JP2002195521A JP2000397447A JP2000397447A JP2002195521A JP 2002195521 A JP2002195521 A JP 2002195521A JP 2000397447 A JP2000397447 A JP 2000397447A JP 2000397447 A JP2000397447 A JP 2000397447A JP 2002195521 A JP2002195521 A JP 2002195521A
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waste
water
furnace
water tank
liquid
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Application number
JP2000397447A
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English (en)
Inventor
Daihachiro Sakurai
大八郎 櫻井
Kazunori Yamate
一記 山手
Toshio Onoshita
敏雄 小野下
Shigehiro Arakawa
茂宏 荒川
Koji Iida
孝司 飯田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉本体外へのガスの流出を防ぎつつ炉本体の
内圧を正圧にする。 【解決手段】 耐火材料で内張りされた炉本体2の中間
部に、廃棄物を炉本体2内に供給する廃棄物供給部3を
設ける。炉本体2の上端に、炉本体2内で発生したガス
を排出するための排気口4を設ける。炉本体2の下端
に、炉本体2内で発生した溶融体Mを炉本体2外に排出
するための溶融体排出口5を設ける。これら廃棄物供給
部3、排気口4、及び溶融体排出口5に、それぞれを封
止する封止手段を設ける。排気口4及び溶融体排出口5
に、封止手段として、水封装置11、21を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を処理する
ための廃棄物処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ等の一般廃棄物、及び産業廃棄
物等は、例えばそのまま埋め立て処分場に埋め立てられ
るが、現在ある埋め立て処分場の受け入れ能力は残りわ
ずかであり、また新規の埋め立て処分場を確保すること
も困難である。これら廃棄物は焼却炉で焼却することで
減量することができるが、廃棄物の焼却時にダイオキシ
ン等の有害ガスが発生する恐れがあり、その焼却灰には
廃棄物に含まれていた重金属類等の有害物質が残留して
いるので、環境汚染を防ぐために様々な対策を施す必要
がある。そこで、近年は、廃棄物処理炉として、炉本体
内で廃棄物を燃焼させて、一気に溶融スラグにまで転化
させるガス化溶融炉が注目されている。ガス化溶融炉
は、廃棄物を加熱することによって、廃棄物の分解ガス
を含むガスと溶融スラグとに転化させるものであって、
廃棄物の焼却時に発生するガス中にはダイオキシン等の
有害なガス成分が少なく、また廃棄物に含まれていた重
金属類等の有害物質は、溶融スラグとして固定化される
ので、重金属類が溶出しにくいという特徴がある。ここ
で、ガス化溶融炉は、炉本体内の雰囲気が、廃棄物が完
全燃焼するのに要する濃度よりも低い酸素濃度となるよ
うに酸素供給量が調整されている。また、廃棄物から発
生する分解ガスは可燃性のガスであり、このガスは燃料
として再利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常の焼却
炉は、廃棄物の燃焼時に生じる有害ガスが炉本体外に漏
出しないように、炉本体内を負圧にして運転される。し
かし、ガス化溶融炉においては事情が異なり、炉本体内
を負圧にすると、炉本体内に廃棄物を投入する際や、炉
本体内から溶融体を回収する際などに、廃棄物供給口や
溶融体排出口などを通じて炉本体内に外気が侵入し、こ
の外気に含まれる酸素と炉本体内の廃棄物や分解ガスと
が反応して異常燃焼を生じる恐れがある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、炉本体外へのガスの流出を防ぎつつ炉本体の
内圧を正圧にする事ができる廃棄物処理炉を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる廃棄物処
理炉においては、内部で廃棄物の加熱溶融が行われる炉
本体に、該炉本体内へ前記廃棄物を供給するための廃棄
物供給部と、前記炉本体内で発生したガスを前記炉本体
外に排出する排気口と、前記炉本体内で発生した溶融体
を前記炉本体外に排出する溶融体排出口とが設けられ、
これら廃棄物供給部、排気口、及び溶融体排出口にそれ
ぞれを封止する封止手段が設けられ、これら封止手段の
うち少なくとも排気口を封止する封止手段が、液体が貯
留される水槽と、一端が前記排気口と接続され、他端が
前記水槽内の液面下で開口され、少なくともその経路の
一部が前記液面よりも上方に位置する排気路とを有する
水封装置を備えていることを特徴としている。
【0006】この廃棄物処理炉においては、廃棄物供給
部、排気口、及び溶融体排出口がそれぞれ封止手段によ
って封止されている。これによって、炉本体内で廃棄物
が加熱されることで発生したガスが炉本体内に貯留され
ることとなり、炉本体内が正圧に保たれる。このように
炉本体内が正圧とされることで、炉本体内に外気が侵入
しにくくなり、炉本体内での異常燃焼が防止される。ま
た、炉本体内が正圧となることで、炉本体内での廃棄物
の反応速度を大きくすることができ、結果、廃棄物処理
炉を小型化することができる。さらに、これら封止手段
のうち、少なくとも排気口を封止する封止手段は、水封
装置を備えている。水封装置は、液体が貯留される水槽
と、一端が排気口と接続され、他端が水槽内の液面下で
開口される排気路とを有している。排気路は、少なくと
もその経路の一部が水槽の液面よりも上方に位置してお
り、これによって、炉本体内から排気路内に流入するガ
スを水槽内の液体の水圧で押し返して、ガスの通過を阻
止するようになっている。そして、炉本体の内圧が上昇
して水槽内の液体の水圧に打ち勝ったならば、排気口及
び排気路を通じて炉本体内のガスが排出され、炉本体の
内圧が低下して再び水槽内の液体の水圧と拮抗するまで
ガスの排出が継続されるので、炉本体の内圧が所定の圧
力以下に保たれる。ここで、水封装置は、水槽内の液体
の量を調節して、排気路の水槽内の開口部から液面まで
の高さを調節することで、排気路内のガスを押し返す圧
力を調整することができ、これによって炉本体の内圧の
調整を行うことができる。また、水封装置は、炉本体内
で発生したガスを通過させる際に、このガス中に含まれ
る有害物質のうち、水槽内の液体に溶ける物質、または
析出する物質を液体によって捕集することができるの
で、排気処理装置も兼ねることができる。
【0007】このように構成される廃棄物処理炉におい
て、溶融体排出口を封止する封止手段も、液体が貯留さ
れる水槽と、一端が溶融体排出口と接続され、他端が水
槽の液面下で開口され、少なくともその経路の一部が液
面よりも上方に位置する排気路とを有する水封装置を備
えていてもよい。この場合には、溶融体排出口において
も封止が良好に行われる。また、溶融体排出口の封止を
行いつつ、溶融体の排出を行うことができる。さらに、
溶融体を取り出す際に、高温の溶融体が水槽内の液体と
接触することによって急冷されて、このときに溶融体に
生じる熱衝撃によって細かく砕かれるので、溶融体の後
処理が容易になる。ここで、溶融体排出口を封止する封
止手段の水封装置は、排気口を封止する封止手段の水封
装置よりも、排気路内の気体を押し返す圧力を高く設定
することで、炉本体内の圧力が上昇した場合に、炉本体
内で発生したガスが、溶融体排出口側ではなく、本来の
排気経路である排気口側の水封装置を通じて排出される
ようにすることができる。
【0008】ここで、廃棄物処理炉において、炉本体内
で発生したガス中には、重金属類等の有害物質が含まれ
ているので、このガスを清浄化するために、炉本体の排
気口の後段に、ガスを清浄化するための排気処理設備が
設けられる。ここで、排気口を封止する水封装置におい
て、例えば水槽内の液体が水である場合には、ガス中に
含まれる重金属類のうち、水溶性のものは水槽内の水に
溶け込ませるか、析出させるなどして捕集する事ができ
る。しかし、非水溶性のものは水封装置を通過してしま
うため、別個に非水溶性の重金属類を処理する設備が必
要となる。そこで、水封装置において、水槽内の液体を
塩酸水溶液とすることで、この液体に接触したガスに含
まれる全ての重金属類が塩化物として水槽内に留められ
るので、水封装置のみで全ての種類の重金属類の回収を
行うことができ、ガスの処理が容易となる。ここで、こ
の塩酸水溶液は、効果的に重金属類と反応して塩化物と
することができるよう、pH3以下であることが望まし
い。また、水槽内の塩酸水溶液によって水封装置が浸食
されないように、水封装置において少なくとも塩酸水溶
液に接するか接する可能性のある部分には、ハステロ
イ、FRP等の耐食性を有する材質を用いることが好ま
しい。
【0009】また、廃棄物処理炉では、炉本体内での廃
棄物のガス化に伴って固体炭素(すす)が発生し、排気
口に設けられる水封装置内にもたらされる。この固体炭
素は撥水性を有しており、水よりも比重が重いにも関わ
らず、水の表面張力によって水面に浮上する。そして、
固体炭素にタール状物質が付着している場合には一層撥
水性が強くなる。このため、水封装置において水槽内の
液体として水を用いた場合には、この固体炭素が水槽内
の液体の表面に泡状に浮上することとなり、水封装置を
通じたガスの流れが阻害されたり、水封装置における封
止圧力が変化してしまうなどするため、ときには一週間
おきなど、頻繁に水封装置内を清掃する必要がある。そ
して、排気口に設けられる水封装置を清掃している間
は、当然ながら廃棄物処理炉を停止させる必要があるの
で、このように水封装置を清掃する頻度が高いと、廃棄
物処理炉の連続操業に支障をきたす恐れがある。そこ
で、排気口を封止する水封装置において、水槽内の液体
を、グリセリンまたはグリセリンと水の混合溶液とする
ことで、固体炭素の濡れ性が大きくなって水槽内の液体
中に沈殿するので、水封装置内でのガスの流れが妨げら
れにくくなり、また固体炭素の回収が容易になる。そし
て、回収された固体炭素は、再び炉本体内に戻されて、
ガス化原料として用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の第一の実施の形態について、図1及び図2を用いて
説明する。図1は本実施形態にかかる廃棄物処理炉の概
略構成を示す縦断面図、図2は本実施形態にかかる水封
装置の構成を示す縦断面図である。廃棄物処理炉1は、
縦型のシャフト炉からなるガス化溶融炉であって、耐火
材料で内張りされた炉本体2の中間部に、廃棄物を炉本
体2内に供給する廃棄物供給部3が設けられており、炉
本体2の上端には、炉本体2内で発生したガスを排出す
るための排気口4が設けられ、炉本体2の下端には、炉
本体2内で発生した溶融スラグ、有価金属等の溶融体M
を炉本体2外に排出するための溶融体排出口5が設けら
れている。そして、これら廃棄物供給部3、排気口4、
及び溶融体排出口5には、それぞれを封止する封止手段
が設けられている。ここで、廃棄物処理炉1には、図示
せぬ酸素供給手段が設けられており、炉本体2内で廃棄
物を完全燃焼させるのに必要な酸素量よりも低い酸素濃
度となるように酸素が供給されている。
【0011】廃棄物供給部3は、炉本体2内に廃棄物を
供給するための廃棄物供給路6と、廃棄物供給路6内に
廃棄物を供給する廃棄物供給装置7とを有している。本
実施の形態では、廃棄物供給装置7として、図示せぬホ
ッパ等から廃棄物を供給されて、廃棄物供給路6内に廃
棄物を圧送するポンプ、もしくはプレスを用いている
(このポンプとしては、例えばピストンポンプまたはプ
ランジャポンプが用いられる。また、プレスとしては、
一般の圧力プレスが用いられる)。廃棄物供給装置7
は、廃棄物供給部3を封止する封止手段を構成するもの
であって、廃棄物供給経路6内に廃棄物を圧送して、炉
本体2内に廃棄物を連続的に供給しながら、廃棄物供給
路6内に高密度の廃棄物層Dを形成することで、廃棄物
自体によって廃棄物供給路6を封止するものである。本
実施の形態の廃棄物供給部3は、このように簡略な構成
でありながら、廃棄物供給部3の封止と、廃棄物の連続
供給とを同時に実現するものである。
【0012】排気口4には、封止手段として、水封装置
11が設けられている。水封装置11は、液体F1が貯
留される水槽12と、一端が排気口4と接続され、他端
が水槽12内の液面下で開口される排気路13とを有し
ている。排気路13は、少なくともその経路の一部が水
槽12の液面よりも上方に位置しており、これによっ
て、炉本体2内から排気路13内に流入するガスを、水
槽12内の液体F1の水圧で押し返して、ガスの通過を
阻止するようになっている。そして、炉本体2の内圧が
上昇して水槽12内の液体F1の水圧に打ち勝ったなら
ば、排気口4及び排気路13を通じて炉本体2内のガス
が排出され、炉本体2の内圧が低下して再び水槽12内
の液体F1の水圧と拮抗するまでガスの排出が継続され
て、炉本体2の内圧が所定の圧力以下に保たれるように
なっている。また、水封装置11は、水槽12内の液体
F1の量を調節して、排気路13の水槽12内の開口部
から液面までの高さH1を調節することで、排気路13
内のガスを押し返す圧力を調整し、これによって炉本体
2の内圧の調整を行うことができる。そして、図2に示
すように、水槽12は密封空間を形成するものであり、
また水槽12には、水槽12内の液体F1を通過してき
たガスを清浄化する排気処理装置14が接続されてい
る。
【0013】ここで、本実施形態では、水槽12内の液
体F1は塩酸水溶液とされている。そして、水封装置1
1において少なくとも塩酸水溶液に接するか接する可能
性のある部分には、塩酸水溶液によって浸食されないよ
うに、ハステロイ、FRP等の耐食性の材質が用いられ
ている。また、水槽12には、後述するように水槽12
の液体F1中に溶解または析出した重金属類その他の物
質を液体F1から除去する排水処理装置15が接続され
ている。
【0014】また、図1に示すように、溶融体排出口5
にも、封止手段として、水封装置21が設けられてい
る。水封装置21は、液体F2が貯留される水槽22
と、一端が溶融体排出口5と接続され、他端が水槽22
内の液面下で開口される排気路23とを有している。排
気路23は、少なくともその経路の一部が水槽22の液
面よりも上方に位置しており、これによって、炉本体2
内から排気路23内に流入する気体を、水槽22内の液
体F2の水圧で押し返して、気体の通過を阻止するよう
になっている。ここで、水槽22内の液体F2として
は、例えば水の他、水封装置11と同様に塩酸水溶液を
用いてもよい。水封装置21は、水封装置11と同様、
水槽22内の液体F2の量を調節して、排気路23の水
槽12内の開口部から液面までの高さH2を調節するこ
とで、排気路23内の気体を押し返す圧力を調整するこ
とができ、これによって炉本体2の内圧の調整を行うこ
とができる。本実施の形態では、水封装置21において
排気路23内の気体を押し返す圧力は、水封装置11に
おいて排気路13内の気体を押し返す圧力よりも高く設
定されており、これによって炉本体2の内圧が高まった
際に、溶融体排出口5側ではなく、本来排気が行われる
べき側である排気口4側からガスが排出されるようにな
っている。ここで、水槽22に、水封装置11の水槽1
2と同様に、水槽22内の液体F2を通過してきたガス
を清浄化する排気処理装置14や、水槽22内の液体F
2中から重金属類その他の物質を除去する排水処理装置
15を接続してもよい。
【0015】このように構成される廃棄物処理炉1によ
る廃棄物の処理について説明する。まず、廃棄物供給部
3から炉本体2内に廃棄物を供給する。廃棄物供給部3
では、廃棄物供給路6内に、廃棄物供給装置7によって
廃棄物が圧送されて、廃棄物供給路6内に高密度の廃棄
物層Dが形成される。そして、さらに廃棄物を廃棄物供
給路6内に圧送することで、廃棄物供給路6を封止しつ
つ、廃棄物が連続的に炉本体2内に供給される。これに
よって、操業時の廃棄物処理炉1の負荷変動を小さくす
ることができる。このようにして炉本体2内に供給され
た廃棄物は、炉本体2内で加熱されることで、溶融体M
と、廃棄物が分解したガスとに転化される。このように
して生じたガスは、炉本体2内を上昇して排気口4に向
かう。そして、溶融体Mは炉本体2の底部に流れ落ち、
溶融体排出口5を通じて水封装置21の水槽22内に排
出され、水槽22内の液体F2によって冷却されたのち
に回収される。なお、図1では、炉本体2内での溶融体
Mの流れを実線の矢印で示し、ガスの流れを破線の矢印
で示している。
【0016】ここで、廃棄物供給部3、排気口4、及び
溶融体排出口5は、それぞれ封止手段によって封止され
ているので、廃棄物から発生したガスは炉本体2内に貯
留されることとなり、炉本体2内が正圧に保たれる。そ
して、炉本体2の内圧が所定の圧力を越えた場合には、
排気口4側の封止手段である水封装置11からガスが排
出されて、炉本体2の内圧が所定の圧力以下に保たれ
る。ここで、炉本体2の内圧が高すぎる場合には、水封
装置11からのみならず、溶融体排出口5側の封止手段
である水封装置21からもガスが排出されることとな
り、炉本体2の内圧が異常に高くならないようになって
いる。
【0017】また、炉本体2内で発生したガスには、重
金属類その他の有害物質が含まれているが、水封装置1
1、21では、水槽12、22内の液体F1またはF2
に接触したガス中に含まれる有害物質が、水槽12、2
2内の液体F1またはF2に溶解または析出することに
よって捕集される。例えば、水封装置11では、水槽1
2内の液体F1が塩酸水溶液であるので、炉本体2内で
発生したガスのうち、この液体F1に接触したガスに含
まれるいかなる種類の重金属類も、塩化物として水槽1
2内に留められる。また、この塩酸水溶液のpHは3以
下とされており、効果的に重金属類と反応して塩化物と
することができるようになっている。さらに、水槽12
には、液体F1中に溶解または析出した重金属類その他
の物質を液体F1から除去する排水処理装置15が接続
されており、液体F1は、排水処理装置15によって重
金属類その他の物質を除去されたのち、再び水槽12内
に戻されて再利用される。また、水封装置21の水槽2
2にも排水処理装置15を接続した場合には、水槽22
内の液体F2も、排水処理装置15によって重金属類そ
の他の物質を除去されたのちに再び水槽22内に戻され
て再利用される。ここで、ガス中に含まれる重金属類等
の有害物質は、水封装置11、21の水槽12、22内
の液体F1、F2に溶けたり、またはこれら液体F1、
F2内に析出するが、炉本体2内には廃棄物が連続的に
供給されていてガスが連続的に発生しており、また炉本
体2内には、排ガス中の成分のうち、水槽12、22内
の液体F1、F2に溶解・析出したりしないものが残る
ため、炉本体2の内圧は正圧に保たれる。
【0018】そして、溶融体排出口5にも封止手段とし
て水封装置21が設けられているので、溶融体排出口5
の封止を行いつつ、溶融体排出口5からの溶融体Mの排
出が行われる。また、溶融体Mが水封装置21の水槽2
2内に排出された際に、高温の溶融体Mが水槽22内の
液体F2と接触することによって急冷され、この熱衝撃
によって細かく砕かれる。
【0019】このように構成される廃棄物処理炉1によ
れば、廃棄物供給部3、排気口4、及び溶融体排出口5
は、それぞれ封止手段によって封止されており、廃棄物
から発生したガスが炉本体2内に貯留されて、炉本体2
内が正圧に保たれる。このように炉本体2内が正圧とさ
れることで、炉本体2内に外気が侵入しにくくなり、炉
本体2内での異常燃焼が防止される。また、炉本体2内
が正圧となることで、炉本体2内での廃棄物の反応速度
を大きくすることができ、結果、廃棄物処理炉1を小型
化することができる。そして、排気口4には封止手段と
して水封装置11が設けられており、排気口4の封止が
良好に行われる。また、水封装置11の水槽12内の液
体F1として、塩酸水溶液を用いており、液体F1に接
触したガス中に含まれる全ての種類の重金属類が水封装
置11によって捕集されるので、廃棄物処理炉1の排気
処理装置14において重金属類の処理を考慮する必要が
なくなり、排気処理が容易になるとともに、排気処理装
置14を簡略化することができる。ここで、水封装置1
1、21は、重金属類のみならず、水槽12、22内の
液体F1、F2に溶解または析出する有害物質を捕集す
ることができる。さらに、溶融体排出口5にも、封止手
段として水封装置21が設けられているので、溶融体排
出口5の封止を行いつつ、溶融体排出口5から溶融体M
を排出することができる。また、溶融体排出口5から溶
融体Mを取り出す際に、高温の溶融体Mが水封装置22
の水槽22内の液体F2と接触することによって急冷さ
れて、この熱衝撃によって細かく砕かれるので、溶融体
Mの後処理が容易になる。
【0020】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施の形態について図3を用いて説明する。本実施形
態にかかる廃棄物処理炉31は、第一の実施の形態に示
す廃棄物処理炉1と基本構成は変わらず、排気口4を封
止する水封装置11の水槽12内に貯留される液体F1
として、塩酸水溶液の代わりに、グリセリンまたはグリ
セリンと水の混合溶液を用いたものである。さらに、水
槽12に、排水処理装置15の代わりに、水槽12内の
グリセリンまたはグリセリンと水の混合溶液中から固体
炭素等の不要物を回収して再生するグリセリン再生装置
32を接続したものである。
【0021】この廃棄物処理炉31においては、水封装
置11の水槽12内の液体F1として、グリセリンまた
はグリセリンと水の混合溶液が用いられているので、ガ
スに伴って水封装置11内にもたらされる固体炭素の濡
れ性が大きくなって、固体炭素が水槽12内の液体F1
中に沈殿することとなる。そして、例えば固体炭素にタ
ール状物質が付着している場合にも、同様に固体炭素の
濡れ性が大きくなって固体炭素は水槽12内の液体F1
中に沈殿する。そして、水槽12内の液体F1は、グリ
セリン再生装置32によって固体炭素等の異物を回収さ
れた後に再び水槽12内に戻されて再利用される。ま
た、グリセリン再生装置32によって回収された固体炭
素は、炉本体2内に戻されて、ガス化原料として再利用
される。なお、通常は溶融体排出口5側の水封装置22
からはガスの排出は行われず、水封装置22内には固体
炭素がたまりにくいので、水封装置22では水槽22内
の液体F2としては水等が用いられる。
【0022】このように構成される廃棄物処理炉31に
よれば、水封装置11内にもたらされた固体炭素が水槽
12内の液体F1中に沈殿するので、水封装置11内で
のガスの流れが妨げられなくなり、また固体炭素の回収
が容易になるので、水封装置11を清掃する頻度を下げ
ることができ、廃棄物処理炉31を長期にわたって連続
運転することが可能となる。実際に、この廃棄物処理炉
31によれば、6ヶ月以上の長期の連続運転も可能とな
る。
【0023】ここで、上記各実施の形態では、廃棄物供
給部3を、廃棄物供給装置7によって廃棄物供給路6内
に圧送された廃棄物自身によって封止する例を示した
が、これに限られることなく、例えば廃棄物供給路6に
おいて二箇所に廃棄物供給路6を封止するダンパを設
け、廃棄物を搬送するために一方のダンパを開いている
間は他方のダンパを閉じて、廃棄物供給路6を通じた空
気の流れを遮断する構成としてもよい。また、廃棄物供
給路6を封止する封止手段は、その他の任意の構成とし
てもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明にかかる廃棄物処理炉によれば、
封止手段によって廃棄物供給部、排気口、及び溶融体排
出口が封止されており、炉本体内で廃棄物が加熱される
ことで発生したガスが炉本体内に貯留されるので、炉本
体内が正圧に保たれる。このように炉本体内が正圧とさ
れることで、炉本体内に外気が侵入しにくくなり、炉本
体内での異常燃焼を防止することができる。また、炉本
体内が正圧となることで、炉本体内での廃棄物の反応速
度を大きくすることができ、結果、廃棄物処理炉を小型
化することができる。さらに、これら封止手段のうち、
少なくとも排気口を封止する封止手段は、水封装置を備
えており、炉本体の内圧が必要以上に高まった場合には
炉本体内のガスが排出されて、炉本体の内圧が所定の圧
力以下に保たれる。
【0025】ここで、このように構成される廃棄物処理
炉において、溶融体排出口を封止する封止手段に水封装
置を設けることで、溶融体排出口においても封止を良好
に行うことができる。また、溶融体排出口の封止をいつ
つ、溶融体の排出を行うことができる。さらに、溶融体
を取り出す際に、高温の溶融体が水槽内の液体と接触す
ることによって急冷されて、この熱衝撃によって細かく
砕かれるので、溶融体の後処理が容易になる。
【0026】そして、水封装置において、水槽内の液体
を塩酸水溶液とすることで、この液体に接触したガスに
含まれる全ての種類の重金属類が塩化物として水槽内に
留められるので、水封装置のみで重金属類の処理を行う
ことができ、ガスの処理が容易となり、排気処理装置を
簡略化することができる。さらに、水封装置は、重金属
類のみならず、水槽内の液体に溶解または析出する有害
物質を捕集することができる。
【0027】また、排気口を封止する水封装置におい
て、水槽内の液体を、グリセリンまたはグリセリンと水
の混合溶液とすることで、ガスに伴って水封装置内にも
たらされる固体炭素の濡れ性が大きくなって、固体炭素
が水槽内の液体中に沈殿することとなるので、固体炭素
の回収が容易になる。また、水封装置を清掃する頻度を
下げることができ、廃棄物処理炉の長期の連続運転が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態にかかる廃棄物処
理炉の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の第一の実施の形態にかかる廃棄物処
理炉の封止手段の構成を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の第二の実施の形態にかかる廃棄物処
理炉の封止手段の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、31 廃棄物処理炉 2 炉本体 3 廃棄物供給部 4 排気口 5 溶融体排出口 7 廃棄物供給装置
(封止手段) 11、21 水封装置 12、22 水槽 13、23 排気路 F1、F2 液体 M 溶融体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野下 敏雄 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社地球環境 エネルギーカンパニー内 (72)発明者 荒川 茂宏 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社地球環境 エネルギーカンパニー内 (72)発明者 飯田 孝司 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社地球環境 エネルギーカンパニー内 Fターム(参考) 3K061 AA16 AB02 AB03 AC01 BA06 DA17 NC09 3K065 AA16 AB03 AC01 BA06 3K070 DA01 DA72

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部で廃棄物の加熱溶融が行われる炉本
    体に、該炉本体内へ前記廃棄物を供給するための廃棄物
    供給部と、前記炉本体内で発生したガスを前記炉本体外
    に排出する排気口と、前記炉本体内で発生した溶融体を
    前記炉本体外に排出する溶融体排出口とが設けられ、 これら廃棄物供給部、排気口、及び溶融体排出口にそれ
    ぞれを封止する封止手段が設けられ、 これら封止手段のうち少なくとも排気口を封止する封止
    手段が、液体が貯留される水槽と、 一端が前記排気口と接続され、他端が前記水槽内の液面
    下で開口され、少なくともその経路の一部が前記液面よ
    りも上方に位置する排気路とを有する水封装置を備えて
    いることを特徴とする廃棄物処理炉。
  2. 【請求項2】 前記溶融体排出口を封止する封止手段
    も、液体が貯留される水槽と、 一端が前記溶融体排出口と接続され、他端が前記水槽の
    液面下で開口され、少なくともその経路の一部が前記液
    面よりも上方に位置する排気路とを有する水封装置を備
    えていることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理
    炉。
  3. 【請求項3】 前記水封装置において、前記水槽内の液
    体が、塩酸水溶液であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の廃棄物処理炉。
  4. 【請求項4】 前記排気口を封止する水封装置におい
    て、前記水槽内の液体が、グリセリンまたはグリセリン
    と水の混合溶液であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の廃棄物処理炉。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011247572A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 溶融システム
CN113339804A (zh) * 2021-05-17 2021-09-03 浙江工业大学之江学院 一种纺织品加工用废料处理装置及其处理方法

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JP2011247572A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 溶融システム
CN113339804A (zh) * 2021-05-17 2021-09-03 浙江工业大学之江学院 一种纺织品加工用废料处理装置及其处理方法

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