JP3087736U - ブラウンガスを利用した側方向表面熔融システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 各種無機物、金属、有機物を含有する一般及
び産業廃棄物などの焼却処理後発生する焼却灰を熔融処
理する熔融処理装置に係り、一般化石燃料を用いる時さ
らに融点が高い焼却灰も容易に熔融できて、熔融炉をコ
ンパックトにし、排気ガスに含まれた未燃焼物質を完全
燃焼でき、特に低費用で焼却灰を熔融処理できるブラウ
ンガスを利用した側方向表面熔融システムを提供する。 【解決手段】 水を電気分解して得た水素２：酸素１混
合ガスであるブラウンガスの特性を利用して各種廃棄物
焼却処理後発生される焼却灰及び各種スラッジを熔融処
理させた後埋め立てたり再活用するための熔融処理装置
であって、側方向表面熔融処理システムを用い、発生す
る熔融スラグを新しく考案されたスラグ槽を設けて処理
する。引き出し口３０に設けたブラウンガス用バーナー
３１によって一定な流動性を常に維持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は各種無機物、金属、有機物を含有する一般及び産業廃棄物などの焼却 処理後発生する焼却灰を熔融処理する熔融処理装置に係り、特に低費用で焼却灰 を熔融処理できるブラウンガスを利用した側方向表面熔融システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

各種無機物、金属、有機物を含有する一般廃棄物、下水泥、都市ごみ、前記に 羅列した焼却灰は最終処分場所に埋められている。しかし処分場所や保管場所の 容量や期限が限界があって、最近これら廃棄物の体積を減少させる技術の要求が 高まっている。したがって、廃棄物の体積を縮めるために廃棄物を融点以上に加 熱した後冷却固化する熔融固化法の技術開発が要望されている。

【０００３】 一方、従来の熔融炉においては燈油や重油その他炭化水素系ガス燃料である化 石燃料を燃焼加熱する燃焼法により廃棄物の熔融処理が行われてきた。しかし燃 焼法による熔融固化手法では燃焼温度に限界があって、融点が高い廃棄物の熔融 固化のためには高費用がかかる。

【０００４】 すなわち、既存の焼却炉などの公害防止設備から再生成されるダイオキシンは 、焼却後処理に対する問題が提起された。また環境汚染及び内分泌系障害物質の 代表的有害物質であるダイオキシンは８５０℃で２秒程度ならば完全に分解され る。しかしダイオキシンは燃焼させて分解するのには多くの酸素が必要になって 酸素が不足する時には排気ガスと混合されて排出される。したがって焼却炉等で 発生されるダイオキシンは大部分酸素不足による不完全燃焼によって発生する。 したがって焼却炉の温度がダイオキシンが分解できる温度以上に維持されても酸 素の不足によって排気ガスと一緒に排出される。

【０００５】 前記した酸素不足問題を解決するためには別途の酸素供給装置を設置しなけれ ばならないが、その設置費用が莫大である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前述したような問題点を解決するためのものであり、本考案の熔融シ ステムに用いられるブラウンガスは水を電気分解して得られる気体で水素と酸素 の含量比が２:１である混合気体である。通常水を電気分解すると陰極では水素 が得られて、陽極では酸素が得られるが、これらのガスを分離採集せずに一緒に 捕集したものがブラウンガスである。

【０００７】 ブラウンガスは、一般的な気体とは違って燃焼時インプロージョン(ｉｍｐｌ ｏｓｉｏｎ)現像を誘発する独特の性質を有する。すなわち、燃焼時爆発現像を 示さないし、むしろ花火が内部に集まりながら焦点を形成する。その結果、ブラ ウンガスを燃焼させると融点が最も高いタングステンも昇華させることができる 程度の６０００℃以上の超高温を得ることができる。

【０００８】 また、熱線が外部に放出されなくて輻射熱によるエネルギー損失がないので優 秀なエネルギー効率を有してそれ自体に酸素を含んでいるので燃焼時別途の酸素 供給が不要である。また、燃焼生成物として水のみを生成するので公害汚染問題 がない。

【０００９】 このような特性のブラウンガスを利用し各種廃棄物焼却処理後発生される焼却 灰(底の灰及び飛散灰)及び各種スラッジを熔融処理させた後埋め立てたり再活用 するための新しい概念の熔融処理装置である。

【００１０】 本考案によるブラウンガス熔融処理装置は表面熔融処理システムを用いており この際発生する熔融スラグを新しく考案されたスラグ槽を設けて処理する技術で ある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】 本考案は前記の目的を達成するためにブラウンガス用バーナーを利用し焼却灰 を熔融させる熔融炉と;前記熔融炉の上部に設けられて熔融炉を保護する熔融炉 天井と;前記熔融炉天井の上部に設けられて熔融炉天井を通して外部に放出され る熱を抑制する保温材と;前記熔融炉の側壁に該当し前記熔融炉天井を支える熔 融炉上部側壁と;前記融融槽の下部側壁に該当し熔融された熔融物が保管される 熔融炉下部側壁と;前記熔融炉の上部一側に設けられて焼却灰が投入される原料 投入口と;前記熔融炉の内側両側にブラウンガス用バーナーを安着させることが できるように設けられるバーナーブロックと;前記バーナーブロックにジグザグ 形状で設けられるブラウンガス用バーナーと;前記熔融炉の一端に熔融された原 料が熔融炉と精錬地域を通過した後熔融物が引き出される引き出し口と;前記熔 融炉の他の一端に連設されて熔融炉で燃焼したバーナーの排ガスが抜け出る煙道 と;前記煙道の一端に連設される煙突と;前記煙突の一側に設けられて、燃焼した 排ガス流れを調整することによって熔融炉の圧力を調整する煙突ダンパをを備え ることを特徴とするブラウンガスを利用した側方向表面熔融システムを提供する 。

【００１２】 本考案は前記の目的を達成するために前記引き出し口の一側に設けられて引き 出される熔融物が固くならないようにして常に一定な流動性を維持させるブラウ ンガス用バーナーをさらに備えることを特徴とするブラウンガスを利用した側方 向表面熔融システムを提供する。

【００１３】 本考案は前記の目的を達成するために前記煙突の内部一側には煙道を経て煙突 を通して排出される排気ガスをもう一度燃焼させて排気ガスに残存する未燃焼物 を完全燃焼させることができるように設けられたブラウンガスを利用した排気ガ ス二次燃焼装置をさらに備えることを特徴とするブラウンガスを利用した側方向 表面熔融システムを提供する。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、添付した図面を参照しながら本考案を詳細に説明する。 本考案によるブラウンガスを利用した側方向表面熔融システムは、図１ないし 図３に図示したように、略中央には内蔵されたブラウンガス用バーナーを利用し て焼却灰を熔融させる熔融炉１２が形成される。

【００１５】 熔融炉１２の上部には熔融炉１２を保護しながら屋根役割をする個所としてシ リカ系統の耐火物材質で構成された熔融炉天井１６が形成されており、熔融炉天 井１６の上部には熔融炉天井１６をすべて覆って熔融炉１２から熔融炉天井１６ を通して外部に放出される熱を保護して熱效率を増大させる保温材１４が形成さ れている。

【００１６】 熔融炉底２４は、ＡＺＳ材質の耐火物で形成されており、熔融炉下部側壁２２ は熔融された熔融物を保管するためにＡＺＳ材質の耐火物で形成されている。

【００１７】 熔融炉１２の上部側面には焼却灰などを熔融炉内に投入できる原料投入口２６ が形成されており、この原料投入口２６はスクリュータイプの形状に形成されて いる。

【００１８】 熔融炉１２の両側面にはブラウンガス用バーナーを設けることができるバーナ ーブロック２８が設けられており、バーナーブロック２８には所定間隔で多数の ブラウンガス用バーナー(図示せず)がジグザグ形状で設けられている。

【００１９】 熔融炉１２の一側(図面上右側)には熔融された焼却灰が精錬地域を通過した後 熔融物が引き出される引き出し口３０が形成されている。引き出し口３０の一側 にはブラウンガス用バーナー３１をさらに設けており、このバーナー３１より、 熔融物が流れている途中で冷たい外気と接して硬化されることによって流動性が 落ちることを防止する。

【００２０】 熔融炉１２の他の一側(図面上左側)には燃焼した排ガスが抜け出る煙道３２が 熔融炉１２と水平に形成されており、煙道３２の終わりには煙突３４が上向設け られている。

【００２１】 煙突３４の一側には燃焼した排気ガスドラフト（排気ガス流れ）を調整して熔 融炉１２の圧力を調整する煙突ダンパ３６が設けられており、その上側には煙突 ３４を通して大気に放出される排気ガスをもう一度燃焼させて未燃焼物質を完全 燃焼させることができるブラウンガスを利用した２次燃焼装置３６が設けられて いる。

【００２２】 未説明符号中４０は、バックステー(ＢｕｃｋＳｔａｙ)としてＨタイプのスチ ールビーム（鉄鋼梁）で構成された熔融炉の耐火構造物の支持部材であり、４２ はタイロード(ＴｉｅＲｏｄ)としてバックステー間を連結するスチールで構成さ れて熔融炉昇温時やシャットダウン(Ｓhｕｔ Ｄｏｗｎ)耐火物の膨脹や収縮を 調整する部材であり、４４は圧力ジャックボルト(Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｊａｃｋ Ｂｏｌｔ)であって熔融炉下部側壁と底の耐火物を支えるものであって昇温時 耐火物膨脹や収縮を調整する個所であり、４６はせき柱(Ｐｉｅｒ)であってスチ ールやセメントで構成された熔融炉を支える柱であり、４８はIビーム(Ｉ−Ｂｅ ａｍ)であって熔融炉を設けることができるようにせき柱とせき柱を連結するス チールとして熔融炉構造物を支える支持部材である。

【００２３】 前記のような構成でなされたブラウンガスを利用した側方向表面熔融システム の焼却灰処理過程を説明すると次のようである。

【００２４】 原料投入口２６を通して熔融炉１２に焼却灰が流入されると熔融炉１２の両側 面に設けられたブラウンガス用バーナーによって熔融させる。

【００２５】 熔融された焼却灰すなわち、熔融物は熔融炉１２に保管されてあとで一定量以 上積もるとスロート２０を経て精錬地域に流れ入った後、引き出し口３０を通し て外部に排出される。

【００２６】 引き出し口３０では続けて流れ落ちる熔融物が固くならないで一定な流動性を 維持することができるように別途に設けられたブラウンガス用バーナー３１で加 熱する。

【００２７】

【考案の効果】

前述したように、本考案によるとブラウンガスを用いるので一般化石燃料を用 いる時より熔融炉の温度を高めることができるので融点が高い焼却灰も容易に燃 焼させることができて、ブラウンガスの燃焼速度が２００ｍ／ｓであって他の化 石燃料より非常に速いので熔融炉の大きさをコンパックトにすることができ、煙 突の一側に設けられたブラウンガスを利用した２次燃焼装置により排気ガスに含 まれた未燃焼物質を完全燃焼させることができて、引き出し口に設けられたブラ ウンガス用バーナーによって一定な流動性を常に維持するので流動の信頼性を確 保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるブラウンガスを利用した側方向表
面熔融システムの正面図である。

【図２】本考案によるブラウンガスを利用した側方向表
面熔融システムの平面図である。

【図３】本考案によるブラウンガスを利用した側方向表
面熔融システムの側面図である。

【符号の説明】

１２:熔融炉 １４:保温材 １６:熔融炉天井 １８:熔融炉上部側壁 ２０:スロート(ｔhｒｏａｔ) ２２:熔融炉下部側壁 ２４:熔融炉底 ２６:原料投入口 ２８:バーナーブロック ３０:引き出し口 ３１:ブラウンガス用バーナー ３２:煙道 ３４:煙突 ３６:煙突ダンパ ３８:２次燃焼装置

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブラウンガス用バーナーを利用し焼却灰
   を熔融させる熔融炉と;前記熔融炉の上部に設けられて
   熔融炉を保護する熔融炉天井と;前記熔融炉天井の上部
   に設けられて熔融炉天井を通して外部に放出される熱を
   抑制する保温材と;前記熔融炉の側壁に該当し前記熔融
   炉天井を支える熔融炉上部側壁と;前記融融槽の下部側
   壁に該当し熔融された熔融物が保管される熔融炉下部側
   壁と;前記熔融炉の上部一側に設けられて焼却灰が投入
   される原料投入口と;前記熔融炉の内側両側にブラウン
   ガス用バーナーを安着させることができるように設けら
   れるバーナーブロックと;前記バーナーブロックにジグ
   ザグ形状で設けられるブラウンガス用バーナーと;前記
   熔融炉の一端に熔融された原料が熔融炉と精錬地域を通
   過した後熔融物が引き出される引き出し口と;前記熔融
   炉の他の一端に連設されて熔融炉で燃焼したバーナーの
   排ガスが抜け出る煙道と;前記煙道の一端に連設される
   煙突と;前記煙突の一側に設けられて、燃焼した排ガス
   流れを調整することによって熔融炉の圧力を調整する煙
   突ダンパと、を備えることを特徴とするブラウンガスを
   利用した側方向表面熔融システム。
2. 【請求項２】 前記引き出し口の一側に設けられて引き
   出される熔融物が固くならないようにして常に一定な流
   動性を維持させるブラウンガス用バーナーをさらに備え
   ることを特徴とする請求項１に記載のブラウンガスを利
   用した側方向表面熔融システム。
3. 【請求項３】 前記煙突の内部一側には煙道を経て煙突
   を通して排出される排気ガスをもう一度燃焼させて排気
   ガスに残存する未燃焼物を完全燃焼させることができる
   ように設けられたブラウンガスを利用した排気ガス二次
   燃焼装置をさらに備えることを特徴とする請求項１に記
   載のブラウンガスを利用した側方向表面熔融システム。
4. 【請求項４】 前記原料投入口は、前記熔融炉の側方向
   に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のブ
   ラウンガスを利用した側方向表面熔融システム。