JP2002195397A - 自動車用自動変速機のクリープ制御方法 - Google Patents
自動車用自動変速機のクリープ制御方法Info
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Abstract
によってエンジン空回転数が低い状態でも後方へ押され
るのを防止し、車両の出発時にキックダウンブレーキの
油圧を緩慢に制御することによって変速衝撃が低減され
た自動車用自動変速機のクリープ制御方法を提供する。 【解決手段】 本発明の自動車用自動変速機のクリープ
制御方法は、自動変速機を備えた車両の走行状態がクリ
ープ進入条件を満たす場合に、前記自動変速機の油圧回
路を2速状態の油路で形成するクリープ進入段階;前記
形成された2速状態の油路を維持し、前記2速状態の油
路には設定されたクリープデューティ率の油圧を供給す
るクリープ維持段階;及び前記2速状態からのクリープ
脱出条件が満たされる場合、車速及びスロットル開度増
加量に基づいて2速への進入制御と1速への進入制御の
うちいずれか一つの進入制御を行うクリープ脱出段階を
含む。
Description
プ(creep)制御方法に係り、より詳しくは、クリ
ープ状態で2速を維持しながら後方へ押されるのを防止
すると同時に、目標変速段への変速を円滑に制御するこ
とによって変速衝撃を低減させる自動車用自動変速機の
クリープ制御方法に関するものである。
変速機は、車両の走行状態に関する各種情報を利用して
変速制御を行う。このような自動変速機の制御装置のブ
ロック図を図1に示す。図1に示すように、自動変速機
の制御装置は、車両の各種走行状態を検出する走行状態
検出部10、走行状態検出部10によって検出された走
行状態に適した変速パターンを決定し、前記決定された
変速パターンによる変速機油圧制御を行う変速機制御ユ
ニット20(以下、“TCU”と称する)、前記TCU
20の油圧制御信号によって発生する油圧を利用して変
速機の各変速段を具現する駆動部30を含む。
バルブ開度量を検出するスロットルバルブ開度検出器1
1、車速を検出する車速検出器12、変速レバーの変速
位置を検出する変速レバー位置検出器13、トルクコン
バーターのタービン回転数を検出するタービン回転数検
出器14、及びエンジン回転数を検出するエンジン回転
数検出器15を含む。
“D”、“2”及び“L”などの前進変速段にある場合
に、車両が停車した状態でも変速機の出力軸へ動力が伝
達されるクリープ(creep)現象が発生し、クリー
プには1速クリープと2速クリープとがある。
ッチを使用する通常の4速自動変速機の速度線図であ
り、図2は1速走行状態を、図5は2速走行状態を示
す。
コンバータ−のタービンからリアクラッチを通じて変速
メカニズムに入力されるので、1速及び2速でのリアク
ラッチ回転速度は、前記変速メカニズムの入力要素の回
転速度を意味する。また、2速ではキックダウンバンド
ブレーキを作動して図6の最右側に表示された作動要素
(以下、“第1作動要素”という)を停止させる。
によってワンウェイクラッチOWCを軸としてリアクラ
ッチと第1作動要素N1とが回転する。つまり、図2の
ように、ワンウェイクラッチOWCに逆回転が制限され
るワンウェイクラッチ作動要素(以下、“第2作動要
素”という)は逆回転ができないので、1速入力要素で
あるリアクラッチの回転方向に対して前記第1作動要素
は逆回転するようになる。従って、正常な走行状態で、
入力要素であるリアクラッチの回転速度は、図2のよう
に形成される変速線図のように変速されて第3作動要素
N3を通じて出力される。
両が停止しているので、リアクラッチもまた停止してお
り、この時の各作動要素の回転速度は図3に示すように
なる。このような状態では、エンジントルクをリアクラ
ッチに伝達するトルクコンバーター内で、図3に示され
たような程度のスリップが発生している。このようなス
リップが発生してもエンジントルクは変速機に伝達され
るが、このように伝達されたトルクが変速機の出力軸に
変速されて伝達され、車両の駆動力となってクリープ現
象が発生する。このようなクリープ現象は、平地では車
を徐々に前進させる駆動力として、坂道ではブレーキペ
ダルから足を離しても車が後に押されないようにする力
として作用する。しかし、エンジンの駆動力が小さい場
合には坂道でブレーキペダルから足を離した時に車が後
に押されることがある。
に発生する変速線図の変化を示したものである。傾斜が
急な坂道で停車した後にブレーキペダルから足を離す
と、車体には、重力により後進方向に力が作用する。し
かし、自動変速機の変速メカニズムが1速状態にある場
合には、前記第2作動要素の回転速度が0以下に下がる
ことはない。従って、トルクコンバータのスリップを通
じて変速メカニズムに入力されるエンジン駆動力が小さ
い場合には、変速線図は図4のように第2作動要素を中
心に反時計回り方向に回転し、従って車両が後に押され
ることになる。
が高く設定されていて坂道で車両が後に押される現象が
少なかったが、最近は燃料の消費を減らすために空回転
数を低く設定しており、坂道で後に押される現象が大き
な問題になっている。また、従来、クリープ時は1速に
制御するため、平地で停止状態を維持するには運転者が
大きな力でブレーキを踏む必要があった。
を2速に制御することによって解決できる。これを図6
で説明する。2速では第1作動要素N1が固定されるだ
けでなく、ワンウェイクラッチOWCによって第2作動
要素N2の逆回転が禁止される。坂道で重力による車両
後方への力が発生する場合にも、変速線図はワンウェイ
クラッチOWCの下方に下りることはできず、従って変
速メカニズム自体によって後方へ押されるのが防止され
る。
速に制御するには次のような問題がある。即ち、停止状
態でアクセルペダルを再び踏んで加速する場合、1速に
切換える必要があるが、このために第1作動要素N1の
固定を直ちに解除すると、アクセルペダルを再び踏む時
点で発生したわずかな車速によって第2作動要素N2は
若干の回転数を有するようになり、この時突然1速へ切
換ると、第2作動要素N2がワンウェイクラッチによっ
て突然停止され、変速衝撃を誘発する。
題点を解消するためになされたもので、その目的は、車
両の停車時に2速クリープを維持することで、エンジン
空回転数が低い状態でも後方へ押されるのを防止し、車
両の出発時にキックダウンブレーキの油圧を緩慢に制御
することによって変速衝撃が低減する自動車用自動変速
機のクリープ制御方法を提供することにある。
本発明の自動車用自動変速機のクリープ制御方法は、自
動変速機を備えた車両の走行状態がクリープ進入条件を
満たす場合に、前記自動変速機の油圧回路を2速状態の
油路で形成するクリープ進入段階;前記形成された2速
状態の油路を維持し、前記2速状態の油路には設定され
たクリープデューティ率の油圧を供給するクリープ維持
段階;及び前記2速状態からのクリープ脱出条件を満た
す場合に、車速及びスロットルバルブ開度増加量に基づ
いて、2速への進入制御及び1速への進入制御のうちの
いずれかの進入制御を行うクリープ脱出段階を含むこと
を特徴とする。
置が“L”変速段を除いた前進変速段に配置されるこ
と、車速が第1設定車速以下であること、スロットルバ
ルブ開度量が第1設定開度量以下であること、及び車両
の走行状態が変速パターンによる変速要求状態でないこ
との論理積で演算されるのが好ましい。前記クリープ維
持段階の前記クリープデューティ率は、0より大きく最
高デューティ率より小さく設定される。
置が前進変速段以外の変速段または“L”変速段に配置
されること、車速が第2設定車速以上であること、スロ
ットルバルブ開度量が第2設定開度量以上であること、
及び2速固定要求状態であることの各条件の論理和で演
算されることを特徴とする。ここで、前記第2設定車速
は、前記第1設定車速より高く変速パターン上の2→1
変速に関する臨界車速より高く設定され、前記第2設定
開度量は、前記第1設定開度量より高く設定されるのが
好ましい。
件に応じて多様な脱出制御が行われる。つまり、車速が
前記第2設定車速以上であること及び2速固定要求状態
であることのうち一つ以上の条件が満たされた場合には
前記2速への進入制御を行い、前記2速への進入制御
は、車速及びクリープデューティ率を予め設定された1
→2変速制御上の中間状態であると判断して残余変速制
御を行う。
設定開度量以上であるという条件が満たされた場合には
1速への進入制御を行うが、前記1速への進入制御は、
車速及びスロットルバルブ開度変化率に基づいて2速油
路上の油圧デューティ率を前記設定デューティ率から下
降補正する下降補正段階と;前記下降補正の後、タービ
ン回転数が設定増加量分だけ増加するまで前記油圧デュ
ーティ率を減少制御する第1傾斜制御段階と;前記下降
補正の後、タービン回転数が前記設定増加量分だけ増加
した時に前記油圧デューティ率を車速に基づいて上昇補
正した後、設定時間維持する上昇補正段階と;前記設定
時間が経過した後、タービン回転数と1速での目標回転
数との差が設定偏差以内となるまで前記油圧デューティ
率を減少制御する第2傾斜制御段階と;前記第2傾斜制
御段階の後、設定時間待機した後に1速変速段の油路を
形成する油路変換段階とを含む。
は、車速及びスロットルバルブ開度変化率の各々に対す
る増加関数で計算され、前記上昇補正段階で上昇補正さ
れる程度は、車速に対する増加関数で計算されることを
特徴とする。
及び前記第2傾斜制御段階のうちの一つ以上の段階は、
設定された許容時間の範囲内で行われるのが好ましい。
による好ましい実施例について説明する。図1に示すよ
うに、自動変速機の制御装置は、車両の各種走行状態を
検出する走行状態検出部10、走行状態検出部10によ
って検出された走行状態に適した変速パターンを決定
し、決定された変速パターンによる変速機油圧制御を行
う変速機制御ユニット20(以下、“TCU”と称す
る)、TCU20の油圧制御信号によって発生する油圧
を利用して変速機の各変速段を具現する駆動部30を含
む。
動されるソレノイドバルブの組合わせで、各変速段に応
じて各摩擦要素への油圧供給回路を形成するシフトコン
トロールソレノイドバルブ(以下、“SCSV”と称す
る)、及び前記形成された油圧供給回路を通じて前記摩
擦要素に供給される油圧の大きさを調節する圧力制御ソ
レノイドバルブ(以下、“PCSV−A”と称する)を
含む。
バルブ開度量を検出するスロットルバルブ開度検出器1
1、車速を検出する車速検出器12、変速レバーの変速
位置を検出する変速レバー位置検出器13、トルクコン
バーターのタービン回転数を検出するタービン回転数検
出器14、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検
出器15、及び変速段を2速に固定するための信号を発
生するホールドスイッチ16を含む。
を備えたマイクロプロセッサーを含む電子制御ユニット
にすることが好ましい。
決定する(図7を参照)には、クリープ進入条件と脱出
条件を満たすか否かについての判断が要求される。クリ
ープ進入/脱出条件を満たすか否か判断するために必要
な情報は、変速レバー位置、車速及びスロットルバルブ
開度量などである。この場合、変速レバー位置は変速レ
バー位置検出器13で検出し、車速Noは車速検出器1
2で検出し、スロットルバルブ開度量THはスロットル
バルブ開度検出器11で検出してTCU20に伝達する
(S410)。
U20がクリープ進入条件を満たすか否かを判断する
(S413)。判断されるクリープ進入条件は、変速
レバーの位置が“L”変速段を除いた前進変速段に配置
されること、車速が第1設定車速以下であること、
スロットルバルブ開度量が第1設定開度量以下であるこ
と、車両の走行状態が予め設定された変速パターンに
よる変速要求状態ではないこと、の4つの条件の論理積
で算出される。
ブギヤの回転数より設定することができ、例えば、トラ
ンスファドライブギヤの回転数が320rpmに該当す
る車速にするのが好ましい。また、アイドルに近い低負
荷状態でクリープ制御を行うための前記第1設定開度量
は任意に設定可能であり、例えば3.5%とすることが
できる。
認したTCU20は、2速クリープ制御を行うようにな
る(S416)。前記2速クリープ制御は、自動変速機
内の油圧回路が2速に該当するように駆動部30を駆動
し、駆動部30の作動によって前記2速で作動する作動
要素に供給される油圧の供給率(つまり、デューティ
率)を予め設定されたクリープデューティ率に設定す
る。即ち、2速時に作動するブレーキ(以下、“キック
ダウンブレーキ”と称する)に油圧を供給する油路を形
成するようにSCSV31を駆動し、PCSV−A32
のデューティを前記クリープデューティ率に設定する。
前記クリープデューティ率は0より大きく最高デューテ
ィ率より小さい範囲内で適切であると判断される任意の
値とすることができ、例えば60%に設定することがで
きる。
状態によって3つの場合がある。一番目は変速機レバー
がN→Dに切換えられた後でクリープ状態に進入する場
合で、N−Dデューティ制御が完了する時点で直ちに前
記クリープデューティ率を適用する。二番目は走行中、
停止する時にクリープ状態に進入する場合であって、こ
の時には一旦1速への変速が行われるが、その後、パワ
ーモード状態で1→2変速を行って2速同期を完了した
時点でクリープデューティ率を適用する。三番目は2速
からクリープ状態へ進入する場合であって、2速同期が
完了した後直ちにクリープデューティ率を適用する。
位置、車速No、スロットルバルブ開度量THを検出し
て(S420)、これに基づいてクリープ脱出条件を満
たすか否かを判断する(S425)。判断の結果、脱出
条件を満たさない場合には、2速クリープ制御状態を維
持し、脱出条件を満たす場合には、クリープ脱出制御を
開始する。
入条件の否定NOTとすることができるが、この場合に
は走行状態が条件の境界値から微小に変化する場合、つ
まりスロットルバルブ開度量が前記第1設定開度量の前
後に変化する場合には、制御の変化が頻発するなどの問
題点があるので、前記クリープ進入条件とは別個の条件
に設定されるのが好ましい。
速レバーの位置が前進変速段以外の変速段または“L”
変速段に配置されること、車速が第2設定車速以上で
あること、スロットルバルブ開度量が第2設定開度量
以上であること、及び変速段が2速に固定される必要
があること、の4つの条件の論理和で判断される。変速
段が2速に固定される必要があるか否かは、前記ホール
ドスイッチ16がオンされたか否かによって判断でき
る。
りは高い任意の値に設定できるが、好ましくは、車速が
増加する場合にクリープ制御の2速状態から1速に変速
されその直後に再び2速に変速されるなどの頻繁な変速
を防止するために、変速パターン上の2→1変速に関す
る臨界車速より高く設定される。前記第2設定車速の一
例として、トランスファドライブギヤの回転数が330
rpmに該当する車速とする例がある。前記第2設定開
度量は前記第1設定開度量より高い任意の値に設定さ
れ、一例としては5%とすることができる。
5)でクリープ脱出条件が成立した場合に行われる2速
クリープ脱出制御は、走行状態によって大きく3つの場
合がある。一番目は車速増加または2速固定要求に応じ
て2速制御に切換えられる場合である。このために、T
CU20は2速変速が必要であるか否かを判断する(S
427)。前記判断(S427)で車速が前記第2設定
車速以上に増加する場合、または、それ以下の車速でも
前記ホールドスイッチ16がオン(ONの場合には、2
速変速が必要であると判断する。2速変速が必要な場合
には、車速及び前記クリープデューティ率を予め設定さ
れた1→2変速制御上の中間状態であると判断して残余
変速制御を行い(S430)、変速が完了(S433)
した後にはクリープ制御方法を終了する。
ー位置の切換えによって変速レバーが“L”変速段に切
換えられたり、前進変速段以外の変速段に切換えられた
場合に該当変速段に制御を切換えることである。変速レ
バーの位置が“P”、“R”、“N”のように前進変速
段以外の変速段に切換えられた場合には、従来の技術に
よって予め設定された任意の変速制御を行っても差支え
ない。変速レバーの位置が“L”変速段に切換えられた
場合には、車速が0であるか否かを判断して、車速が0
である場合には、前記キックダウンバンドブレーキ(K
/D brake)に供給される油圧を直ちに0に解除
しても変速衝撃が生じない。しかし、車速が0でない場
合には、車速及び前記クリープデューティ率を予め設定
された2→1変速制御上の中間状態であると判断して、
残余変速を行うとすることができる。
ルブ開度量変化によるクリープ脱出に該当するものであ
って、チップイン(TIP−IN)時にクリープ脱出制
御方法を使用する。つまり、スロットルバルブ開度量が
前記第2設定開度量以上であるか否かを判断して(S4
35)、第2設定開度量以上である場合にチップイン時
のクリープ脱出制御方法が開始される。このようなチッ
プイン時のクリープ脱出制御方法による油圧デューティ
マップが図8に示されている。
ットルバルブ開度量が前記第2設定開度量以上に増加す
ることを、スロットルバルブ開度検出器11が検出する
と(S435)、TCU20は60%に維持されていた
油圧制御ソレノイドバルブ32(PCSV−A)のデュ
ーティ(以下、“油圧デューティ”という)を車速No
及びスロットルバルブ開度量THを考慮して補正するよ
うになる(S440)、(S445)、(S447)。
補正値D1とすれば、前記第1補正値D1は下記の数式
1のように計算される(S440)。 数式1 D1=f1(No) 車速に対する前記関数f1は、車速が大きい場合には1
速への変速を促進するために補正値が大きく設定されな
ければならないので、任意の増加関数に設定することが
できる。より具体的に、前記関数f1はTCU20内で
の処理のために車速に応じて8段階の値を有するように
設定することができる。
位時間当りのスロットルバルブ開度変化率△THに応じ
て加速応答性を適正に維持するために、第2補正値D2
を演算するようになる。前記スロットルバルブ開度変化
率△THは、例えば%/secの単位で下記の数式2の
ように計算される(S445)。 数式2 D2=f2 スロットルバルブ開度変化率△THに対する前記関数f
2は、スロットルバルブが急に開かれる場合には急加速
のための運転者の意思を反映するためにより迅速な変速
が必要になるので、任意の増加関数に設定される。
反映される油圧デューティの初期値は、前記クリープデ
ューティ率から第1、2補正値D1、D2を引いた値に
決められ、キックダウンブレーキの作動油圧を前記油圧
デューティの初期値に変化させることによってクリープ
脱出制御に進入する(S447、図8のSS)。この時
から油圧デューティを第1油圧傾斜S1によって制御す
る(S450)。この時、第1油圧傾斜S1は−30%
/secに設定するのが好ましい。前記第1油圧傾斜に
よる制御を通じてキックダウンブレーキに供給される油
圧が迅速に降下し、加速応答性が増大する。
てタービン回転数が制御進入時の回転数に比べて35R
PM(図8のN1参照)だけ増大した時点が、主制御開
始点SBとなる。前記主制御開始点SBに到達したと確
認されると(S455)、トルク変動が緩慢に行われる
ように解放油圧デューティを補正する。
正値とすれば、前記第3補正値D3は下記の数式3のよ
うに計算される(S460)。数式3 D3=f3前
記関数f3は車速Noに対して任意の増加関数に設定さ
れ、例えば8段階に区分された値を有するものと設定で
きる。
値D3によって油圧デューティを補正した後、一定の時
間だけ該当デューティを維持(S461)することによ
ってキックダウンバンドブレーキの油圧を上昇させ、従
って、変速過程で発生し得る衝撃を低減する。前記デュ
ーティ維持時間を待機時間T1とすれば、待機時間T1
は100msに設定するのが好ましい。
傾斜S2によるデューティ制御を行い(S463)、前
記第2油圧傾斜S2は−15%/secに設定するのが
好ましい。このような第2油圧傾斜S2によるデューテ
ィ制御は主制御終了点SFに至るまで持続される(S4
65)。そのため、タービン回転数が目標回転数より1
00RPM(図8のN2参照)だけ低い時点である主制
御終了点SFに到達すれば(S465)、前記第2油圧
傾斜S2によるデューティ制御を終了する。
ーをリセットして時間の計数を開始し(S470)、P
CSV−Aの油圧デューティを0%に設定する。この区
間ではシフト制御ソレノイドバルブ(SCSV)は2速
の油路を形成するがキックダウンブレーキには油圧が供
給されないので、実際には1速の状態と同一な変速メカ
ニズムが具現される。従って、2速状態で油圧制御ソレ
ノイドバルブのデューティを100%→0%区間で調節
することにより、2→1変速を油圧制御だけで達成する
ことができるようになる。
た制御安定化時間T2と比較される(S475)。前記
デューティが0%に維持された後、制御安定化時間T2
だけ経過したことが確認されてSE点に到達すれば、シ
フトコントロールソレノイドバルブSCSVを1速に切
換え、変速制御を終了する(S480)。従って、前記
制御安定化時間T2はシフトコントロールソレノイドバ
ルブSCSVを1速に切換えることによる衝撃やタービ
ンのオーバーラン(over run)が発生しない程
であると判断される十分な任意の時間に設定されること
ができる。
おいて、加速性能の低下を防止するためには、各制御段
階の最大制御時間を規定してチップイン時に2速の過剰
滞留時間を阻止するのが好ましい。即ち、第1油圧傾斜
制御が行われる時間、前記待機時間T1、及び第2油圧
傾斜制御が行われる時間が過剰に長くなる場合には変速
遅延を招くので、各々許容時間の範囲内で行い、その許
容時間を過ぎた場合には次の段階に進行することが好ま
しい。
明したが、本発明は様々な変化と変更及び均等物を用い
ることができる。本発明は前記実施例を適切に変形して
同一に応用することができるのは明確である。従って、
前記記載内容は本発明の特許請求の範囲を限定しない。
2速化して後方へ押されるのを防止することができるの
で、走行中に傾斜地に一時停車した車両が後方へ押され
るのを防止する効果があり、チップインによるクリープ
脱出時のひっかかった感じを解消し、また車速による進
入/脱出制御時の変速衝撃を低減させることができる。
そして、スロットルバルブ開度変化率をパラメターとし
て油圧補正を行うことにより、チップインによるクリー
プ脱出時にキックダウン解放圧の排出遅延による発進感
低下を防止する効果がある。また、2速クリープを適用
することによりクリープ時の駆動力が低下するので、車
両渋滞のような条件での停車時にブレーキ操作負荷を減
らすことができ、運転者の便宜性を増大させる。
自動変速機の制御装置のブロック図である。
リープ制御方法の順序図である。
ティマップである。
V) T1 待機時間 T2 制御安定化時間 TH スロットルバルブ開度量
Claims (11)
- 【請求項1】 自動変速機を備えた車両の走行状態がク
リープ進入条件を満たす場合に、前記自動変速機の油圧
回路を2速状態の油路で形成するクリープ進入段階;前
記形成された2速状態の油路を維持し、前記2速状態の
油路には設定されたクリープデューティ率の油圧を供給
するクリープ維持段階;及び前記2速状態からのクリー
プ脱出条件を満たす場合に、車速及びスロットルバルブ
開度増加量に基づいて、2速への進入制御及び1速への
進入制御のうちのいずれかの進入制御を行うクリープ脱
出段階を含むことを特徴とする、自動車用自動変速機の
クリープ制御方法。 - 【請求項2】 前記クリープ進入条件は、 変速レバーの位置が“L”変速段を除いた前進変速段に
配置されること、車速が第1設定車速以下であること、
前記スロットルバルブ開度量が第1設定開度量以下であ
ること、及び車両の走行状態が変速パターンによる変速
要求状態でないことの論理積で演算されることを特徴と
する、請求項1に記載の自動車用自動変速機のクリープ
制御方法。 - 【請求項3】 前記クリープ維持段階の前記クリープデ
ューティ率は、0より大きく最高デューティ率より小さ
いことを特徴とする、請求項1に記載の自動車用自動変
速機のクリープ制御方法。 - 【請求項4】 前記クリープ脱出条件は、 変速レバーの位置が前進変速段以外の変速段または
“L”変速段に配置されること、車速が第2設定車速以
上であること、前記スロットルバルブ開度量が第2設定
開度量以上であること、及び2速固定要求状態であるこ
との各条件の論理和で演算されることを特徴とする、請
求項2に記載の自動車用自動変速機のクリープ制御方
法。 - 【請求項5】 前記第2設定車速は、前記第1設定車速
より高く変速パターン上の2→1変速に関する臨界車速
より高く設定され、 前記第2設定開度量は、前記第1設定開度量より高く設
定されることを特徴とする、請求項4に記載の自動車用
自動変速機のクリープ制御方法。 - 【請求項6】 前記クリープ脱出条件は、 変速レバーの位置が前進変速段以外の変速段又は“L”
段に配置されること、車速が第2設定車速以上であるこ
と、前記スロットル開度量が第2設定開度量以上である
こと、及び2速固定要求状態であることの各条件の論理
和で演算されることを特徴とする、請求項1に記載の自
動車用自動変速機のクリープ制御方法。 - 【請求項7】 前記クリープ脱出段階は、 車速が前記第2設定車速以上であること及び2速固定要
求状態であることのうちの一つ以上の条件が満たされた
場合には前記2速への進入制御を行い、 前記2速への進入制御は、車速及びクリープデューティ
率を予め設定された1→2変速制御上の中間状態である
と判断して残余変速制御を行うことを特徴とする、請求
項6に記載の自動車用自動変速機のクリープ制御方法。 - 【請求項8】 前記クリープ脱出段階は、 前記スロットルバルブ開度量が前記第2設定開度量以上
であるという条件が満たされた場合には1速への進入制
御を行い、 前記1速への進入制御は、 車速及び前記スロットルバルブ開度変化率に基づいて2
速油路上の油圧デューティ率を前記設定デューティ率か
ら下降補正する下降補正段階と;前記下降補正の後、タ
ービン回転数が設定増加量分だけ増加するまで前記油圧
デューティ率を減少制御する第1傾斜制御段階と;前記
下降補正の後、タービン回転数が前記設定増加量分だけ
増加した時に前記油圧デューティ率を車速に基づいて上
昇補正した後、設定時間維持する上昇補正段階と;前記
設定時間が経過した後、タービン回転数と1速での目標
回転数との差が設定偏差以内となるまで前記油圧デュー
ティ率を減少制御する第2傾斜制御段階と;前記第2傾
斜制御段階の後、設定時間待機した後に1速変速段の油
路を形成する油路変換段階とを含むことを特徴とする、
請求項4に記載の自動車用自動変速機のクリープ制御方
法。 - 【請求項9】 前記下降補正段階で下降補正される程度
は、車速及びスロットルバルブ開度変化率の各々に対す
る増加関数で計算されることを特徴とする、請求項8に
記載の自動車用自動変速機のクリープ制御方法。 - 【請求項10】 前記上昇補正段階で上昇補正される程
度は、車速に対する増加関数で計算されることを特徴と
する、請求項8に記載の自動車用自動変速機のクリープ
制御方法。 - 【請求項11】 前記第1傾斜制御段階、前記上昇補正
段階及び前記第2傾斜制御段階のうちの一つ以上の段階
は、設定された許容時間の範囲内で行われることを特徴
とする、請求項8に記載の自動車用自動変速機のクリー
プ制御方法。
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