JP2002194383A - 新規フレーバーおよびその製造方法 - Google Patents
新規フレーバーおよびその製造方法Info
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Abstract
付与することができるフレーバーおよびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】アミノ酸類、糖類および溶剤を含有する混
合物を、減圧下、薄膜状にて加熱反応し、生成するフレ
ーバーを蒸留により直接に分離することを特徴とするフ
レーバーの製造方法。
Description
性に富んだ強く濃厚な香気を付与することのできる新規
フレーバーおよびその製造方法に関し、更に詳しくは、
アミノ酸類、糖類および溶剤を含有する混合物を、減圧
下、薄膜状にて加熱反応し、生成するフレーバーを蒸留
により直接に分離することを特徴とするフレーバーおよ
びその製造方法に関する。
されるものが極めて多く、例えば、肉類、ナッツ類など
は加熱されることによって初めて食欲をそそる好ましい
風味を生成する。それらの食品を加熱した際に、その食
品中に含まれる成分の分解または成分間での反応によっ
て、加熱前には存在しなかった揮発性に富んだ化合物が
発現する。それらの化合物の生成機構については極一部
を除き、まだ解明されていないが、アミノ酸類と糖類に
よるアミノ−カルボニル反応すなわちメイラード反応が
重要な役割を果たしていると考えられている。
イラード反応によって得られるフレーバーを食品の風味
強化剤として利用する多くの提案がなされてきている。
例えば、プロリンとラムノースとの混合物を密閉状態で
加熱してなる香味成分をナッツ類などの食品に付与して
食品の香味を改良する方法(特公昭48−25508号
公報参照)、バリン、ロイシン、イソロイシンを含むア
ミノ酸混合物と糖類とを、水の存在下で加熱反応させた
後、反応生成物にアルコール類を添加して更に熟成して
なるチョコレート様フレーバー物質の製造法(特公昭5
5−11300号公報参照)、塩基性アミノ酸と糖類と
を、特定の混合比で混合した混合物を、プロピレングリ
コール及び/又はグリセリンの存在下における加熱反応
生成物よりなるコーヒー様風味を有するコーヒー呈味物
質(特公昭58−11987号公報参照)、リジンもし
くはアルギニンと糖類とを、レシチンの存在下に加熱反
応させてなるアーモンド様乃至カステラ様香気組成物の
製法(特公昭59−48974号公報参照)、少なくと
も1つの遊離アミノ酸源、および少なくとも1つの還元
糖を含むペースト状混合物を、1から100バールの圧
力下に特定の条件で反応した後、5から50ミリバール
の減圧下で押出しおよび膨張により乾燥してなる肉様味
を有する付与剤の製造法(特公平7−57169号公報
参照)、畜肉及び/又は畜肉の骨に油脂を加えて加熱処
理を施し、次いでこれにアミノ酸及びカルボニル化合物
を添加し混合攪拌処理を施した後、油を採取してなる肉
風味を有する調味油の製造方法(特許第2902980
号公報参照)、アミノ酸又はペプタイドと還元糖との混
合物を加熱反応させて得られた反応生成物から、ジグリ
セリドを50重量%以上含むグリセリド混合物からなる
抽出溶剤を使用して、フレーバー成分を抽出する方法
(特開平5−207860号公報参照)、アミノ酸もし
くはその誘導体と糖とを加熱反応させる際に、反応原料
と相溶性がなく反応温度条件下で非溶融性である粉粒体
の存在下に非溶媒系で反応してなる焙焼香気を有するフ
レーバー添加剤の製造法(特公平6−6038号公報参
照)などが提案されている。
含む混合物を水、有機溶媒、動植物油脂類等の存在下ま
たは不存在下に加熱反応させることによって得る方法で
あり、それなりに食品を加熱したときに生成する風味を
有しているが、フレーバーの強度、嗜好性の点で十分満
足できるものではなかった。またさらに、いずれの方法
においても、反応生成物の中にメラノイジンという褐変
物質を含んでいるため、その使用量に制限があったり、
褐変物質に由来する経時的な沈殿物の生成などの欠点を
有していた。
物質を除去するために反応生成物を蒸留する方法がとら
れ、例えば、アミノ酸の存在下でペントース又は6−デ
オキシヘキソースを反応させ、減圧下で反応混合物を蒸
留することにより、反応混合物から直接にヒドロキシフ
ラノンを分離する方法(特公平7−30065号公報参
照)が提案されている。しかしながら、この提案はいっ
たんアミノ酸類と糖類とを加熱反応して反応混合物を調
製した後、該反応混合物を蒸留する方法であり長時間を
要するため香気の損失、劣化を生ずるという不都合があ
った。
は、飲食品類に、嗜好性に富んだ強く濃厚な香気を付与
することができ、かつ褐変物質を含まない新規フレーバ
ーおよびその製造方法を提供することである。
を解決すべく鋭意研究を行った結果、アミノ酸類、糖類
および溶剤を含有する混合物を、減圧下に、薄膜状で加
熱反応と、蒸留を1行程で行うことにより、嗜好性に富
んだ強く濃厚な香気を有し、かつ褐変物質を含まないフ
レーバーが得られることを見いだし本発明を完成するに
至った。
糖類および溶剤を含有する混合物を、減圧下、薄膜状に
て加熱反応し、生成するフレーバーを蒸留により直接に
分離することを特徴とするフレーバーの製造方法および
該方法によって得られるフレーバーが提供される。
説明する。
ノ酸類としては特に制限されず、目的とする香味の種類
によって適宜選択でき、例えば、グリシン、アラニン、
β−アラニン、バリン、スレオニン、ヒスチジン、リジ
ン、グルタミン酸及びその塩類、ロイシン、イソロイシ
ン、セリン、システイン及びその塩類、シスチン、アル
ギニン、アスパラギン酸及びその塩類、プロリン、ハイ
ドロキシプロリン、メチオニン、フェニルアラニン、グ
ルタミン、アスパラギンなどアミノ酸類;該アミノ酸類
を含有する植物蛋白加水分解物(HVP)、動物蛋白加
水分解物(HAP)、酵母エキス、各種ミートエキス
類、各種野菜エキス類、魚貝エキス類、ゼラチンなどを
挙げることができ、これらのアミノ酸類の1種または2
種以上の混合物として使用することができる。また、そ
の使用量も、目的とする香味の種類によって適宜選択で
き、例えば、反応混合物全体量を基準として、約0.1
〜約50重量%、好ましくは約1〜約20重量%を例示
することができる。
としては特に制限されず、目的とする香味の種類によっ
て適宜選択でき、例えば、リボース、キシロース、アラ
ビノース、グルコース、フラクトース、ラムノース、ガ
ラクトース、1,3−ジヒドロキシアセトンなどの如き
単糖類;シュークロース、ラクトース、マルトースなど
の如き二糖類などを挙げることができ、これらの糖類の
1種または2種以上の混合物として使用することができ
る。また、その使用量も、目的とする香味の種類によっ
て適宜選択でき、例えば、反応混合物全体量を基準とし
て、約0.1〜約70重量%、好ましくは約1〜約50
重量%を例示することができる。
としては特に制限されず、目的とする香味の種類によっ
て適宜選択でき、例えば、水、プロピレングリコール、
グリセリン、エタノール、キシリトール、ソルビトール
などを挙げることができ、これらの溶媒の1種または2
種以上の混合物として使用することができる。また、そ
の使用量も、目的とする香味の種類によって適宜選択で
き、例えば、反応混合物全体量を基準として、約5〜約
95重量%、好ましくは約50〜約80重量%を例示す
ることができる。
ーに使用される、例えば、核酸類、油脂類、野菜類、畜
肉類、魚介類、香辛料類、穀類などを適宜使用すること
ができる。
たアミノ酸類、糖類および溶剤を含有する混合物を、減
圧下、薄膜状にて加熱反応し、生成するフレーバーを蒸
留により直接に分離することにより得ることができる。
減圧下、薄膜状にて反応することにより、嗜好性に富ん
だ強く濃厚な香気を有するフレーバーを生成でき、かつ
同時に蒸留することにより褐変物質を含まないフレーバ
ーを得ることができる。かかる方法としては、薄膜状で
加熱反応することができる方法であれば特に制限されな
いが、例えば、減圧状態にした蒸留釜に、アミノ酸類、
糖類および溶媒を含有する溶液を徐々に流下して加熱反
応し、生成したフレーバーを反応生成物から蒸留により
直接に分離する方法を例示することができる。さらに例
えば、回転薄膜蒸留装置、分子蒸留装置、フラッシュ蒸
留装置などを使用して製造する方法を挙げることができ
る。
目的とする香味の種類によって適宜選択でき、例えば、
約70〜約300℃の範囲内の温度で、約100Pa〜
約10KPaの減圧条件のもとで、滴下する混合物の壁
面への接触時間が瞬時から約5分間程度の範囲を例示す
ることができる。
ーは、適当な希釈剤もしくは担体との組成物の形態で用
いてもよい。このような希釈剤もしくは担体としては、
例えば、アラビアガム、デキストリン、グルコース、シ
ュークロース、食塩、澱粉、小麦粉などの固体希釈剤も
しくは担体、または水、エタノール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、界面活性剤などの液体希釈剤もしく
は担体を例示することができ、これらの希釈剤もしくは
担体を用いて任意の剤形、例えば、粉末状、顆粒状、液
状、乳液状、ペースト状、その他適宜の剤形に調製する
ことができるが、例えば、アラビアガム、デキストリン
などを添加して粉末状、顆粒状とすることが安定性の
点、取り扱いの容易さの点で好ましい。
バーは、優れた且つユニークなフレーバーとして広い利
用分野に応用でき、例えば、飲料類;スナック、チョコ
レートなどの菓子類;スープ類;調味料類;畜肉、鶏
肉、魚介類などの加工食品類;ふりかけ類;インスタン
ト食品類;缶詰食品類;その他広範な飲食品類用のフレ
ーバーとして有用である。
らに具体的に説明する。
−プロリン10重量部、結晶ブドウ糖80重量部を混合
溶解した。その溶液を200Pa減圧下、壁面温度17
0℃の蒸留装置に蒸留器の中に貯まらない程度の速度で
滴下を行った。そこで、加熱反応、蒸留を行い、その蒸
留液を捕集し目的とするフレーバー(本発明品1)を得
た。
拌しながら内温170℃、15分間加熱反応を行った。
この反応物を200Pa減圧下、内温170℃で蒸留を
行い、フレーバー(比較品1)を得た。 (官能評価1)実施例1および比較例1で得られた本発
明品1および比較品1のフレーバーを温水にて0.1%
希釈し、よく訓練された20名のパネラーにて官能評価
を行った。その結果を表1に示す。
較品1に比べ、香気の質および強さの点で好ましい評価
であった。
ダー5重量部、L−シスチン1重量部、結晶ブドウ糖2
重量部を混合溶解した。その溶液を7000Pa減圧
下、壁面温度100℃の蒸留装置に蒸留器の中に貯まら
ない程度の速度で滴下を行った。そこで、加熱反応、蒸
留を行い、その蒸留液を捕集し目的とするフレーバー
(本発明品2)を得た。
し、内温100℃に達してから2時間その温度で加熱を
続けた。その反応物を蒸留装置にて7000Pa減圧
下、内温100℃で蒸留を行い、フレーバー(比較品
2)を得た。 (官能評価2)実施例2および比較例2で得られた本発
明品2および比較品2のフレーバーを温水にて0.1%
希釈し、よく訓練された20名のパネラーにて官能評価
を行った。その結果を表2に示す。
較品1に比べ、香気の質および強さの点で好ましい評価
であった。
富んだ強く濃厚な香気を付与することのできるフレーバ
ーおよびその製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】アミノ酸類、糖類および溶剤を含有する混
合物を、減圧下、薄膜状にて加熱反応し、生成するフレ
ーバーを蒸留により直接に分離することを特徴とするフ
レーバーの製造方法。 - 【請求項2】溶剤が、水、プロピレングリコール、グリ
セリン、エタノール、キシリトール、ソルビトールから
選択される1種または2種以上である請求項1記載の製
造方法。 - 【請求項3】請求項1または2のいずれかに記載の製造
方法によって得られるフレーバー。
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JP2000397211A JP3723077B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 新規フレーバーおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012029615A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | Ogawa & Co Ltd | 風味増強剤 |
CN114786499A (zh) * | 2019-12-17 | 2022-07-22 | 奇华顿股份有限公司 | 味道改良成分 |
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- 2000-12-27 JP JP2000397211A patent/JP3723077B2/ja not_active Expired - Fee Related
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