JP2002194339A - 熱伝導材 - Google Patents
熱伝導材Info
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- JP2002194339A JP2002194339A JP2000395373A JP2000395373A JP2002194339A JP 2002194339 A JP2002194339 A JP 2002194339A JP 2000395373 A JP2000395373 A JP 2000395373A JP 2000395373 A JP2000395373 A JP 2000395373A JP 2002194339 A JP2002194339 A JP 2002194339A
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- heat
- thermally conductive
- heat conductive
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた熱伝導性および取り扱い性を示し、かつ
他の部材に対する密着性に優れた熱伝導材を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】2つの部材間に挟まれるように介在し、一
方の部材の熱を他方の部材に伝える熱伝導材において、
高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導相と、前記高熱伝導
樹脂組成物より柔軟性に富んだ樹脂組成物からなる柔軟
相とを備え、熱伝導相と柔軟相とは、熱伝導相を海相、
柔軟相を島相とする海島構造、あるいは、熱伝導相と柔
軟相とが相互連続相構造をしており、熱伝導相が両部材
に対面する面に露出するとともに、両面の熱伝導相の露
出部同士が内部の熱伝導相を介して連続している構成と
した。
他の部材に対する密着性に優れた熱伝導材を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】2つの部材間に挟まれるように介在し、一
方の部材の熱を他方の部材に伝える熱伝導材において、
高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導相と、前記高熱伝導
樹脂組成物より柔軟性に富んだ樹脂組成物からなる柔軟
相とを備え、熱伝導相と柔軟相とは、熱伝導相を海相、
柔軟相を島相とする海島構造、あるいは、熱伝導相と柔
軟相とが相互連続相構造をしており、熱伝導相が両部材
に対面する面に露出するとともに、両面の熱伝導相の露
出部同士が内部の熱伝導相を介して連続している構成と
した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱伝導性と
柔軟性を有し、かつその当接面への形状追従性に優れて
いる熱伝導材に関する。
柔軟性を有し、かつその当接面への形状追従性に優れて
いる熱伝導材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電気・電子部品などの発熱体に
添設しで発熱体から伝わった発熱体の熱を放熱させるヒ
ートシンク等の放熱部品との間には、従来、熱が発熱体
から放熱部品に効率よく伝わるようにシリコーンオイル
コンパウンドや、窒化ホウ素、アルミナ、窒化ケイ素ま
たは窒化アルミニウムなどの熱伝導性の高い熱伝導性フ
ィラーを高充填したシリコーンゴムシートなどが用いら
れている(例えば、特開平10−139893号公
報)。
添設しで発熱体から伝わった発熱体の熱を放熱させるヒ
ートシンク等の放熱部品との間には、従来、熱が発熱体
から放熱部品に効率よく伝わるようにシリコーンオイル
コンパウンドや、窒化ホウ素、アルミナ、窒化ケイ素ま
たは窒化アルミニウムなどの熱伝導性の高い熱伝導性フ
ィラーを高充填したシリコーンゴムシートなどが用いら
れている(例えば、特開平10−139893号公
報)。
【0003】すなわち、電気・電子部品に限らず、発熱
体及び放熱体の表面は平滑でないことが多い。従って、
両者を直接接触させても接触面積が小さく熱伝導が悪い
場合がある。そこで、柔軟で凹凸に添いやすく高熱伝導
性を有する上記のようなシリコーンオイルコンパウンド
やシリコーンゴムシート等の熱伝導材を発熱体と放熱体
との間に介在させるようになっている。
体及び放熱体の表面は平滑でないことが多い。従って、
両者を直接接触させても接触面積が小さく熱伝導が悪い
場合がある。そこで、柔軟で凹凸に添いやすく高熱伝導
性を有する上記のようなシリコーンオイルコンパウンド
やシリコーンゴムシート等の熱伝導材を発熱体と放熱体
との間に介在させるようになっている。
【0004】しかし、上記シリコーンオイルコンパウン
ドの場合、柔軟性があり、密着性が高く、熱抵抗性もよ
いのであるが、粘稠体であるので、取り扱い性が悪いと
ともに塗りムラが発生する恐れもある。
ドの場合、柔軟性があり、密着性が高く、熱抵抗性もよ
いのであるが、粘稠体であるので、取り扱い性が悪いと
ともに塗りムラが発生する恐れもある。
【0005】一方、上記のシリコーンゴムシートのよう
に、柔軟性樹脂に高熱伝導性の熱伝導性フィラーを充填
したような熱伝導材の場合、高い熱伝導性を得るため
に、熱伝導性フィラーの充填量を大きくすると、柔軟性
が乏して密着性が悪くなる。したがって、柔軟性はある
が、熱伝導性フィラー量が不十分で熱伝導率が低く、熱
抵抗の大きいものにならざるを得ない。そこで、熱伝導
性フィラーを含有した樹脂成形体に連通孔を穿設し、こ
の連通孔によって、樹脂成形体の柔軟性を得るようにし
た熱伝導材が提案されている(特開2000−1082
20号参照)。しかし、上記熱伝導材の場合、熱伝導性
フィラー含有の樹脂組成物を特殊なダイスを介して複数
の未硬化の棒状成型物をまず成形し、それらの複数本を
連通孔となる空隙を設けて集結させ、その集結物を所望
長さに切断してから硬化させるか、又は硬化させてから
切断することにより製造するようになっており、製造工
程が煩雑で、製造装置も複雑化するため、製造コストが
かかるという問題がある。
に、柔軟性樹脂に高熱伝導性の熱伝導性フィラーを充填
したような熱伝導材の場合、高い熱伝導性を得るため
に、熱伝導性フィラーの充填量を大きくすると、柔軟性
が乏して密着性が悪くなる。したがって、柔軟性はある
が、熱伝導性フィラー量が不十分で熱伝導率が低く、熱
抵抗の大きいものにならざるを得ない。そこで、熱伝導
性フィラーを含有した樹脂成形体に連通孔を穿設し、こ
の連通孔によって、樹脂成形体の柔軟性を得るようにし
た熱伝導材が提案されている(特開2000−1082
20号参照)。しかし、上記熱伝導材の場合、熱伝導性
フィラー含有の樹脂組成物を特殊なダイスを介して複数
の未硬化の棒状成型物をまず成形し、それらの複数本を
連通孔となる空隙を設けて集結させ、その集結物を所望
長さに切断してから硬化させるか、又は硬化させてから
切断することにより製造するようになっており、製造工
程が煩雑で、製造装置も複雑化するため、製造コストが
かかるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の欠点を解消し、優れた熱伝導性および取り扱い
性を示し、かつ他の部材の当接面への形状追従性に優れ
ているとともに、製造が容易な熱伝導材を提供すること
を目的としている。
来技術の欠点を解消し、優れた熱伝導性および取り扱い
性を示し、かつ他の部材の当接面への形状追従性に優れ
ているとともに、製造が容易な熱伝導材を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる熱伝導材は、2つの部材間に
挟まれるように介在し、一方の部材の熱を他方の部材に
伝える熱伝導材において、高熱伝導樹脂組成物からなる
熱伝導相と、前記高熱伝導樹脂組成物より柔軟性に富ん
だ樹脂組成物からなる柔軟相とを備え、熱伝導相と柔軟
相とは、熱伝導相を海相、柔軟相を島相とする海島構
造、あるいは、熱伝導相と柔軟相とが相互連続相構造を
しており、熱伝導相が両部材に対面する面に露出すると
ともに、両面の熱伝導相の露出部同士が内部の熱伝導相
を介して連続している構成とした。
るために、本発明にかかる熱伝導材は、2つの部材間に
挟まれるように介在し、一方の部材の熱を他方の部材に
伝える熱伝導材において、高熱伝導樹脂組成物からなる
熱伝導相と、前記高熱伝導樹脂組成物より柔軟性に富ん
だ樹脂組成物からなる柔軟相とを備え、熱伝導相と柔軟
相とは、熱伝導相を海相、柔軟相を島相とする海島構
造、あるいは、熱伝導相と柔軟相とが相互連続相構造を
しており、熱伝導相が両部材に対面する面に露出すると
ともに、両面の熱伝導相の露出部同士が内部の熱伝導相
を介して連続している構成とした。
【0008】本発明において、海島構造とは、連続相
(海相)である熱伝導相中に柔軟相が島状に点在してい
る構造を言う。一方、相互連続相構造とは、熱伝導相と
柔軟相とがそれぞれ連続相を形成し、互いに3次元的に
絡み合った構造で、非相溶性ブレンドで両成分量の混合
比の近い場合にみられる構造を言う。
(海相)である熱伝導相中に柔軟相が島状に点在してい
る構造を言う。一方、相互連続相構造とは、熱伝導相と
柔軟相とがそれぞれ連続相を形成し、互いに3次元的に
絡み合った構造で、非相溶性ブレンドで両成分量の混合
比の近い場合にみられる構造を言う。
【0009】本発明の熱伝導材の形状は、特に限定され
ないが、取り扱い性や接触面への変形追従性を考慮する
と、請求項2のように、シート状に形成されていること
が好ましい。シート状とする場合、その厚みは、特に限
定されないが、20μm以上800μm以下が好まし
く、30μm以上180μm以下がより好ましい。
ないが、取り扱い性や接触面への変形追従性を考慮する
と、請求項2のように、シート状に形成されていること
が好ましい。シート状とする場合、その厚みは、特に限
定されないが、20μm以上800μm以下が好まし
く、30μm以上180μm以下がより好ましい。
【0010】すなわち、シートの厚みが20μmより薄
いと、部材間に挟着されたとき、挟着面の凹凸に対する
追従性が不十分で、界面熱抵抗が上昇する恐れがあり、
800μmを超えると、熱の伝達距離が長くなるため、
熱抵抗が上昇する恐れがある。
いと、部材間に挟着されたとき、挟着面の凹凸に対する
追従性が不十分で、界面熱抵抗が上昇する恐れがあり、
800μmを超えると、熱の伝達距離が長くなるため、
熱抵抗が上昇する恐れがある。
【0011】本発明において、熱伝導相を形成する高熱
伝導樹脂組成物とは、熱可塑性のバインダー樹脂中に高
熱伝導性を有する熱伝導性フィラーを充填させたもの
で、熱伝導率が10W/m・K以上のものが好ましく、
20W/m・K以上のものがより好ましい。
伝導樹脂組成物とは、熱可塑性のバインダー樹脂中に高
熱伝導性を有する熱伝導性フィラーを充填させたもの
で、熱伝導率が10W/m・K以上のものが好ましく、
20W/m・K以上のものがより好ましい。
【0012】上記バインダー樹脂としては、特に限定さ
れないが、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂
等が挙げられ、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルを
重合したアクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等
のモノマーの共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、
エチrンーαオレフィン共重合体等の軟質オレフィン系
樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SI
S)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SB
S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレン共重合体(SEPS)等の軟質スチレン系樹脂、
ウレタンTPE、エステルTPE、アミドTPE等の熱
可塑性エラストマーなどの柔軟性に優れたものが好まし
い。
れないが、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂
等が挙げられ、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルを
重合したアクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等
のモノマーの共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、
エチrンーαオレフィン共重合体等の軟質オレフィン系
樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SI
S)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SB
S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレン共重合体(SEPS)等の軟質スチレン系樹脂、
ウレタンTPE、エステルTPE、アミドTPE等の熱
可塑性エラストマーなどの柔軟性に優れたものが好まし
い。
【0013】上記熱伝導性フィラーとしては、特に限定
されないが、たとえば、ニッケル、すず、アルミニウ
ム、金、銀、銅、鉄、コバルト、インジウムやこれらの
合金などの金属粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)、
酸化亜鉛、酸化インジウムすず(ITO)、酸化マグネ
シウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の金属酸化物粒
子、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの
金属窒化物粒子、炭化珪素、黒鉛、ダイヤモンド、非晶
カーボン、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素化合
物粒子、石英、石英ガラスなどのシリカ化合物粉類等が
挙げられ、窒化ホウ素などの鱗片状粒子と、炭化珪素、
窒化アルミニウム等の球状粒子とを1/9〜9/1程度
の割合で組み合わせて用いることが、より高い熱伝導性
を得られることから好ましい。
されないが、たとえば、ニッケル、すず、アルミニウ
ム、金、銀、銅、鉄、コバルト、インジウムやこれらの
合金などの金属粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)、
酸化亜鉛、酸化インジウムすず(ITO)、酸化マグネ
シウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の金属酸化物粒
子、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの
金属窒化物粒子、炭化珪素、黒鉛、ダイヤモンド、非晶
カーボン、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素化合
物粒子、石英、石英ガラスなどのシリカ化合物粉類等が
挙げられ、窒化ホウ素などの鱗片状粒子と、炭化珪素、
窒化アルミニウム等の球状粒子とを1/9〜9/1程度
の割合で組み合わせて用いることが、より高い熱伝導性
を得られることから好ましい。
【0014】上記熱伝導性フィラーの粒径は、特に限定
されないが、0.05μm〜50μmが好ましく、0.
1μm〜20μmが好ましい。すなわち、粒径が0.0
5μmより小さいと2次凝集のため、バインダー樹脂へ
の分散が困難になり、50μmより大きくなると薄膜状
のシート状に成形したときに表面荒れが発生する恐れが
ある。バインダー樹脂と熱伝導性フィラーとの配合割合
は、特に限定されないが、バインダー樹脂が10容量%
〜50容量%、熱伝導性フィラーが90容量%〜50容
量%程度が好ましい。すなわち、熱伝導性フィラーが少
な過ぎると熱伝導性が十分に確保できなくなる恐れがあ
り、多過ぎると硬くなりすぎて接触面の凹凸に対しての
追従性を確保できなくなる恐れがある。
されないが、0.05μm〜50μmが好ましく、0.
1μm〜20μmが好ましい。すなわち、粒径が0.0
5μmより小さいと2次凝集のため、バインダー樹脂へ
の分散が困難になり、50μmより大きくなると薄膜状
のシート状に成形したときに表面荒れが発生する恐れが
ある。バインダー樹脂と熱伝導性フィラーとの配合割合
は、特に限定されないが、バインダー樹脂が10容量%
〜50容量%、熱伝導性フィラーが90容量%〜50容
量%程度が好ましい。すなわち、熱伝導性フィラーが少
な過ぎると熱伝導性が十分に確保できなくなる恐れがあ
り、多過ぎると硬くなりすぎて接触面の凹凸に対しての
追従性を確保できなくなる恐れがある。
【0015】因みに、窒化ホウ素など粒径が15μm以
上の熱伝導性フィラーを用いる場合、これらのフィラー
の量が20容量%よりも少ないことが好ましい。すなわ
ち、フィラーの量が20容量%以上になると、薄膜状の
シートを成形しようとした場合表面荒れが発生する恐れ
がある。また、絶縁性を要求される場合には、熱伝導性
フィラーとして導電性を有する粒子は好ましくないの
で、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、
酸化ベリリウム、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド、非晶
カーボン、カーボンブラック、炭素繊維、石英、石英ガ
ラスなどが好ましい。
上の熱伝導性フィラーを用いる場合、これらのフィラー
の量が20容量%よりも少ないことが好ましい。すなわ
ち、フィラーの量が20容量%以上になると、薄膜状の
シートを成形しようとした場合表面荒れが発生する恐れ
がある。また、絶縁性を要求される場合には、熱伝導性
フィラーとして導電性を有する粒子は好ましくないの
で、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、
酸化ベリリウム、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド、非晶
カーボン、カーボンブラック、炭素繊維、石英、石英ガ
ラスなどが好ましい。
【0016】さらに、高熱伝導樹脂組成物中には、必要
に応じて、顔料などその他の充填剤が添加されていても
構わないし、強度を増すために補強材を複合するように
しても構わない。補強材としては、特に限定されない
が、たとえば、ガラスクロス、アルミニウム、銅などの
金属板や金属メッシュ等が挙げられる。
に応じて、顔料などその他の充填剤が添加されていても
構わないし、強度を増すために補強材を複合するように
しても構わない。補強材としては、特に限定されない
が、たとえば、ガラスクロス、アルミニウム、銅などの
金属板や金属メッシュ等が挙げられる。
【0017】また、本発明の熱伝導材の形状は、自由に
選択でき、たとえば、シート状にしたのちにこのシート
を任意の形に打ち抜くようにしても構わない。さらに、
被着部材への貼り付け、輸送、保存時のハンドリングお
よびごみ付着の防止の点から、包装材に配列して取り扱
うことが好ましい。包装材としては、特に限定されない
が、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、PETフィルム、テフロン(登録商標)フィ
ルム、ガラスクロス補強テフロンフィルム、紙基材等が
挙げられる。
選択でき、たとえば、シート状にしたのちにこのシート
を任意の形に打ち抜くようにしても構わない。さらに、
被着部材への貼り付け、輸送、保存時のハンドリングお
よびごみ付着の防止の点から、包装材に配列して取り扱
うことが好ましい。包装材としては、特に限定されない
が、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、PETフィルム、テフロン(登録商標)フィ
ルム、ガラスクロス補強テフロンフィルム、紙基材等が
挙げられる。
【0018】柔軟相を構成する柔軟性樹脂組成物として
は,特に限定されないが、たとえば、そのガラス転移温
度(Tg)が20℃以下のものが好ましく、0℃以下の
ものがより好ましく、−20℃以下のものがさらに好ま
しい。すなわち、ガラス転移温度が20℃より高いもの
を用いると、凹凸に対する追従性が不十分となる恐れが
ある。
は,特に限定されないが、たとえば、そのガラス転移温
度(Tg)が20℃以下のものが好ましく、0℃以下の
ものがより好ましく、−20℃以下のものがさらに好ま
しい。すなわち、ガラス転移温度が20℃より高いもの
を用いると、凹凸に対する追従性が不十分となる恐れが
ある。
【0019】具体的には、オレフィン系樹脂、スチレン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系
樹脂、ゴム材料等が挙げられ、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリ
ル酸エステルを重合したアクリル酸エステル重合体、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル等のモノマーの共重合体、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合
体、エチレンーαオレフィン共重合体、メタロセン触媒
を用いて重合したメタロセンポリエチレン等の軟質オレ
フィン系樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合
体(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体
(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレ
ン−スチレン共重合体(SEPS)等の軟質スチレン系
樹脂、ウレタンTPE、エステルTPE、アミドTPE
等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンープロ
ピレンージエン共重合体(EPDM)ゴムなどが好適に
用いられる。
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系
樹脂、ゴム材料等が挙げられ、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリ
ル酸エステルを重合したアクリル酸エステル重合体、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル等のモノマーの共重合体、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合
体、エチレンーαオレフィン共重合体、メタロセン触媒
を用いて重合したメタロセンポリエチレン等の軟質オレ
フィン系樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合
体(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体
(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレ
ン−スチレン共重合体(SEPS)等の軟質スチレン系
樹脂、ウレタンTPE、エステルTPE、アミドTPE
等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンープロ
ピレンージエン共重合体(EPDM)ゴムなどが好適に
用いられる。
【0020】また、これらの熱可塑性樹脂に熱伝導性フ
ィラーを柔軟性を損なわない程度(50容量%未満が好
ましい)に添加するようにしても構わない。柔軟相の割
合は、特に限定されないが、10容量%〜95容量%、
好ましくは50容量%〜90容量%程度が好ましい。
ィラーを柔軟性を損なわない程度(50容量%未満が好
ましい)に添加するようにしても構わない。柔軟相の割
合は、特に限定されないが、10容量%〜95容量%、
好ましくは50容量%〜90容量%程度が好ましい。
【0021】さらに、上記柔軟相は、樹脂が発泡状態と
なっていても構わない。
なっていても構わない。
【0022】本発明の熱伝導材は、特に限定されない
が、たとえば、以下のような製造方法で製造することが
できる。 (1)柔軟相となる柔軟性樹脂組成物からなる微粒子
と、熱伝導性フィラーと、樹脂バインダーとを混練し、
シート化する方法。
が、たとえば、以下のような製造方法で製造することが
できる。 (1)柔軟相となる柔軟性樹脂組成物からなる微粒子
と、熱伝導性フィラーと、樹脂バインダーとを混練し、
シート化する方法。
【0023】(2)柔軟性樹脂組成物からなるエマルジ
ョン溶液に熱伝導性フィラーを加えてシート化する方
法。 (3)柔軟性樹脂組成物と熱伝導性フィラーとバインダ
ー樹脂モノマーとを混練後、バインダー樹脂モノマーを
重合させる。ただし、バインダー樹脂モノマーと柔軟性
樹脂組成物とは相溶性があり、バインダー樹脂と柔軟性
樹脂組成物とは相溶性がなく、熱伝導性フィラーがバイ
ンダー樹脂と混和性が高いものを用いる。
ョン溶液に熱伝導性フィラーを加えてシート化する方
法。 (3)柔軟性樹脂組成物と熱伝導性フィラーとバインダ
ー樹脂モノマーとを混練後、バインダー樹脂モノマーを
重合させる。ただし、バインダー樹脂モノマーと柔軟性
樹脂組成物とは相溶性があり、バインダー樹脂と柔軟性
樹脂組成物とは相溶性がなく、熱伝導性フィラーがバイ
ンダー樹脂と混和性が高いものを用いる。
【0024】(4)柔軟性樹脂組成物と、予め混練した
熱伝導性フィラーとバインダー樹脂からなる項熱伝導性
樹脂組成物とを混練する。ただし、柔軟性樹脂組成物と
バインダー樹脂とは相溶しないもの、熱伝導性フィラー
はバインダー樹脂と混和性の高いものを用いる。すなわ
ち、いずれの場合も原料を混合または混練したのち、こ
の混合物または混練物を金型等で成形するだけの簡単に
本発明の熱伝導材を製造することができる。
熱伝導性フィラーとバインダー樹脂からなる項熱伝導性
樹脂組成物とを混練する。ただし、柔軟性樹脂組成物と
バインダー樹脂とは相溶しないもの、熱伝導性フィラー
はバインダー樹脂と混和性の高いものを用いる。すなわ
ち、いずれの場合も原料を混合または混練したのち、こ
の混合物または混練物を金型等で成形するだけの簡単に
本発明の熱伝導材を製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にか
かる熱伝導材である熱伝導シートの1つの実施の形態を
あらわしている。
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にか
かる熱伝導材である熱伝導シートの1つの実施の形態を
あらわしている。
【0026】図1に示すように、この熱伝導シート1
は、10容量%〜50容量%の熱伝導相11と、90容
量%〜50容量%の柔軟相12とから構成され、熱伝導
相11がシートの表裏面に露出しているとともに、熱伝
導相11および柔軟相12が、柔軟相12が熱伝導相1
1内に島状に点在する海島構造を形成している。したが
って、熱伝導相11は、シートの表裏面の熱伝導相11
が内部の熱伝導相11を介して連続した状態になってい
る。
は、10容量%〜50容量%の熱伝導相11と、90容
量%〜50容量%の柔軟相12とから構成され、熱伝導
相11がシートの表裏面に露出しているとともに、熱伝
導相11および柔軟相12が、柔軟相12が熱伝導相1
1内に島状に点在する海島構造を形成している。したが
って、熱伝導相11は、シートの表裏面の熱伝導相11
が内部の熱伝導相11を介して連続した状態になってい
る。
【0027】熱伝導相11は、熱可塑性樹脂からなるバ
インダー樹脂10容量%〜50容量%に対し、熱伝導性
フィラーが90容量%〜50容量%割合で充填混合され
た高熱伝導樹脂組成物によって形成されている。柔軟相
12は、高熱伝導樹脂組成物より柔軟性に富んだ樹脂組
成物から形成されている。
インダー樹脂10容量%〜50容量%に対し、熱伝導性
フィラーが90容量%〜50容量%割合で充填混合され
た高熱伝導樹脂組成物によって形成されている。柔軟相
12は、高熱伝導樹脂組成物より柔軟性に富んだ樹脂組
成物から形成されている。
【0028】この熱伝導シート1は、以上のようになっ
ており、内部に柔軟相12が島状に点在しているので、
IC等の電子部品と、ヒートシンク等の放熱部品との間
で挟着されると、柔軟相12が弾性変形してその表裏面
が電子部品および放熱部品の凹凸形状にうまく沿う。し
かも、表裏面に熱伝導相11がそれそれ露出していると
ともに、内部の熱伝導相11を介して連続しているの
で、電子部品で発生した熱がこの熱伝導相11を介して
放熱部材に効率よく伝えられ放熱される。また、この熱
伝導シート1は、柔軟相12となる柔軟性樹脂組成物か
らなる微粒子と、熱伝導性フィラーと、樹脂バインダー
とを混練し、シート化することによって得ることができ
る。したがって、製造が容易で製造装置も簡単なもので
済み安価に製造できる。
ており、内部に柔軟相12が島状に点在しているので、
IC等の電子部品と、ヒートシンク等の放熱部品との間
で挟着されると、柔軟相12が弾性変形してその表裏面
が電子部品および放熱部品の凹凸形状にうまく沿う。し
かも、表裏面に熱伝導相11がそれそれ露出していると
ともに、内部の熱伝導相11を介して連続しているの
で、電子部品で発生した熱がこの熱伝導相11を介して
放熱部材に効率よく伝えられ放熱される。また、この熱
伝導シート1は、柔軟相12となる柔軟性樹脂組成物か
らなる微粒子と、熱伝導性フィラーと、樹脂バインダー
とを混練し、シート化することによって得ることができ
る。したがって、製造が容易で製造装置も簡単なもので
済み安価に製造できる。
【0029】図2は、本発明にかかる熱伝導材である熱
伝導シートの他の実施の形態をあらわしている。図2に
示すように、この熱伝導シート2は、熱伝導相21と柔
軟相22とが相互連続相構造になっている以外は、上記
熱伝導シート1と同様になっている。
伝導シートの他の実施の形態をあらわしている。図2に
示すように、この熱伝導シート2は、熱伝導相21と柔
軟相22とが相互連続相構造になっている以外は、上記
熱伝導シート1と同様になっている。
【0030】この熱伝導シート2は、熱伝導相21と柔
軟相22とが相互連続相構造になっているので、IC等
の電子部品と、ヒートシンク等の放熱部品との間で挟着
されると、海島構造のものに比べ、より追従性および密
着性に優れたものとなり、界面熱抵抗がより低減する。
したがって、より低い熱抵抗値を示しより放熱性を高め
ることができる。また、この熱伝導シート2は、たとえ
ば、柔軟性樹脂組成物からなるエマルジョン溶液に熱伝
導性フィラーを加えてシート化する方法、柔軟性樹脂組
成物と柔軟性樹脂組成物とは相溶性があるバインダー樹
脂モノマーとバインダー樹脂と混和性が高い熱伝導性フ
ィラーとを混練後、バインダー樹脂モノマーを重合させ
る方法、柔軟性樹脂組成物と、予め柔軟性樹脂組成物と
バインダー樹脂とは相溶性のないバインダー樹脂からな
る高熱伝導性樹脂組成物とバインダー樹脂と混和性の高
い熱伝導性フィラーとを押出機内で混練したのち押出成
形する方法など、既存の装置を用いた簡単な方法で安価
に製造することができる。
軟相22とが相互連続相構造になっているので、IC等
の電子部品と、ヒートシンク等の放熱部品との間で挟着
されると、海島構造のものに比べ、より追従性および密
着性に優れたものとなり、界面熱抵抗がより低減する。
したがって、より低い熱抵抗値を示しより放熱性を高め
ることができる。また、この熱伝導シート2は、たとえ
ば、柔軟性樹脂組成物からなるエマルジョン溶液に熱伝
導性フィラーを加えてシート化する方法、柔軟性樹脂組
成物と柔軟性樹脂組成物とは相溶性があるバインダー樹
脂モノマーとバインダー樹脂と混和性が高い熱伝導性フ
ィラーとを混練後、バインダー樹脂モノマーを重合させ
る方法、柔軟性樹脂組成物と、予め柔軟性樹脂組成物と
バインダー樹脂とは相溶性のないバインダー樹脂からな
る高熱伝導性樹脂組成物とバインダー樹脂と混和性の高
い熱伝導性フィラーとを押出機内で混練したのち押出成
形する方法など、既存の装置を用いた簡単な方法で安価
に製造することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
る。
【0032】(実施例1)2−エチルヘキシルアクリレ
ート90重量部とアクリル酸10重量部とを重合して得
たバインダー樹脂としてのアクリル酸エステル共重合体
100重量部に対し、熱伝導性フィラーとしての窒化ホ
ウ素(電気化学工業社製、グレードSGP平均粒径18
μm)を152重量部および炭化珪素(屋久島電工社
製、グレードOY−15 平均粒径0。7μm)を55
重量部それそれ混合して得た高熱伝導樹脂組成物(熱伝
導性フィラー含有量51容量%)と、柔軟相となるシリ
コーンゴム微粒子(信越化学工業社製 KMP597,
平均粒径5μm)とを、高熱伝導樹脂組成物が85容量
%、シリコーンゴム微粒子が15容量%となるように混
合したのち、この混合物100重量部に溶媒として酢酸
エチル400重量部を加えた塗工溶液をマルチコーター
でPETフィルムに塗工乾燥し、厚み100μmの熱伝
導シートを得た。
ート90重量部とアクリル酸10重量部とを重合して得
たバインダー樹脂としてのアクリル酸エステル共重合体
100重量部に対し、熱伝導性フィラーとしての窒化ホ
ウ素(電気化学工業社製、グレードSGP平均粒径18
μm)を152重量部および炭化珪素(屋久島電工社
製、グレードOY−15 平均粒径0。7μm)を55
重量部それそれ混合して得た高熱伝導樹脂組成物(熱伝
導性フィラー含有量51容量%)と、柔軟相となるシリ
コーンゴム微粒子(信越化学工業社製 KMP597,
平均粒径5μm)とを、高熱伝導樹脂組成物が85容量
%、シリコーンゴム微粒子が15容量%となるように混
合したのち、この混合物100重量部に溶媒として酢酸
エチル400重量部を加えた塗工溶液をマルチコーター
でPETフィルムに塗工乾燥し、厚み100μmの熱伝
導シートを得た。
【0033】なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微
鏡で観察したところ、上記シリコーンゴム微粒子からな
る柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導
相が海となる海島構造をしていた。
鏡で観察したところ、上記シリコーンゴム微粒子からな
る柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導
相が海となる海島構造をしていた。
【0034】(実施例2)高熱伝導樹脂組成物(熱伝導
性フィラー含有量51容量%)と、シリコーンゴム微粒
子(信越化学工業社製 KMP597,平均粒径5μ
m)とを、高熱伝導樹脂組成物が70容量%、シリコー
ンゴム微粒子が30容量%となるように混合したとした
以外は実施例1と同様にして厚み100μmの熱伝導シ
ートを得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微
鏡で観察したところ、上記シリコーンゴム微粒子からな
る柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導
相が海となる海島構造をしていた。
性フィラー含有量51容量%)と、シリコーンゴム微粒
子(信越化学工業社製 KMP597,平均粒径5μ
m)とを、高熱伝導樹脂組成物が70容量%、シリコー
ンゴム微粒子が30容量%となるように混合したとした
以外は実施例1と同様にして厚み100μmの熱伝導シ
ートを得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微
鏡で観察したところ、上記シリコーンゴム微粒子からな
る柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導
相が海となる海島構造をしていた。
【0035】(実施例3)ブチルアクリレート90重量
部とアクリル酸10重量部とを重合して柔軟相となるア
クリル酸エステル共重合体を得た。バインダー樹脂とし
てのエチレン酢酸ビニル共重合体(住友化学工業社製
H1011、酢酸ビニル含有量15%、MI=1)10
0重量部と、熱伝導性フィラーとしての窒化ホウ素を2
28重量部および炭化珪素を83重量部とを2軸押出機
を用いて160℃で混練して熱伝導相となる高熱伝導樹
脂組成物(熱伝導性フィラー含有量60容量%)を得
た。
部とアクリル酸10重量部とを重合して柔軟相となるア
クリル酸エステル共重合体を得た。バインダー樹脂とし
てのエチレン酢酸ビニル共重合体(住友化学工業社製
H1011、酢酸ビニル含有量15%、MI=1)10
0重量部と、熱伝導性フィラーとしての窒化ホウ素を2
28重量部および炭化珪素を83重量部とを2軸押出機
を用いて160℃で混練して熱伝導相となる高熱伝導樹
脂組成物(熱伝導性フィラー含有量60容量%)を得
た。
【0036】上記のようにして得たアクリル酸エステル
共重合体を30容量%、高熱伝導樹脂組成物を70容量
%の割合で2軸押出機を用いて180℃で混練して得た
混練物をプレス成形して厚み300μmの熱伝導シート
を得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微鏡で
観察したところ、上記アクリル酸エステル共重合体から
なる柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝
導相が海となる海島構造をしていた。
共重合体を30容量%、高熱伝導樹脂組成物を70容量
%の割合で2軸押出機を用いて180℃で混練して得た
混練物をプレス成形して厚み300μmの熱伝導シート
を得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微鏡で
観察したところ、上記アクリル酸エステル共重合体から
なる柔軟相が島、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝
導相が海となる海島構造をしていた。
【0037】(実施例4)アクリル酸エステル共重合体
を55容量%、高熱伝導樹脂組成物を45容量%とした
以外は実施例3と同様にして厚み300μmの熱伝導シ
ートを得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微
鏡で観察したところ、上記アクリル酸エステル共重合体
からなる柔軟相と、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱
伝導相とが相互連続相構造(柔軟相と隣接する柔軟相と
の距離、および、熱伝導相と隣接する熱伝導相との距離
は、それぞれ平均10μm)をしていた。
を55容量%、高熱伝導樹脂組成物を45容量%とした
以外は実施例3と同様にして厚み300μmの熱伝導シ
ートを得た。なお、得られた熱伝導シートは、電子顕微
鏡で観察したところ、上記アクリル酸エステル共重合体
からなる柔軟相と、上記高熱伝導樹脂組成物からなる熱
伝導相とが相互連続相構造(柔軟相と隣接する柔軟相と
の距離、および、熱伝導相と隣接する熱伝導相との距離
は、それぞれ平均10μm)をしていた。
【0038】(比較例1)2−エチルヘキシルアクリレ
ート90重量部とアクリル酸10重量部とを重合して得
たバインダー樹脂としてのアクリル酸エステル共重合体
100重量部に対し、熱伝導性フィラーとしての窒化ホ
ウ素を152重量部混合して得た熱伝導性樹脂組成物
(熱伝導性フィラー含有量40容量%)に、溶媒として
酢酸エチル400重量部を加えた塗工溶液をマルチコー
ターでPETフィルムに塗工乾燥し、厚み100μmの
熱伝導シートを得た。
ート90重量部とアクリル酸10重量部とを重合して得
たバインダー樹脂としてのアクリル酸エステル共重合体
100重量部に対し、熱伝導性フィラーとしての窒化ホ
ウ素を152重量部混合して得た熱伝導性樹脂組成物
(熱伝導性フィラー含有量40容量%)に、溶媒として
酢酸エチル400重量部を加えた塗工溶液をマルチコー
ターでPETフィルムに塗工乾燥し、厚み100μmの
熱伝導シートを得た。
【0039】そして、上記実施例1〜4、比較例1で得
られた熱伝導シート4のそれぞれ熱伝導率および熱抵抗
値を測定しその結果を熱伝導フィラーのシート全体に占
める割合とともに表1に示した。なお、熱伝導率は、京
都電子工業社製 QTM−D3を用いて非定常比較法に
よって測定し。熱抵抗値は、図3に示す測定装置3を用
いて以下のようにして測定した。
られた熱伝導シート4のそれぞれ熱伝導率および熱抵抗
値を測定しその結果を熱伝導フィラーのシート全体に占
める割合とともに表1に示した。なお、熱伝導率は、京
都電子工業社製 QTM−D3を用いて非定常比較法に
よって測定し。熱抵抗値は、図3に示す測定装置3を用
いて以下のようにして測定した。
【0040】[熱抵抗値の測定]アルミニウム製の冷却
器31の上に熱伝導シート4、銅シート(1mm×25
mm×25mm,そり50μm/25mm)32、IC
(韓国製7805UC8847)33、発泡ポリエチレ
ンシート34の順で積み重ねるとともにボルト35を締
めつけトルク1N・mで締めつけ、締めつけ板36と冷
却器31との間で挟着した状態で冷却器31の内部に恒
温水槽37から23℃の水を循環供給しておき、IC3
3に電力量3.5Wの電気を流したのちに、図3のa部
の温度T1とb部の温度T2を測定し,その測定結果か
ら熱抵抗値を求めた。
器31の上に熱伝導シート4、銅シート(1mm×25
mm×25mm,そり50μm/25mm)32、IC
(韓国製7805UC8847)33、発泡ポリエチレ
ンシート34の順で積み重ねるとともにボルト35を締
めつけトルク1N・mで締めつけ、締めつけ板36と冷
却器31との間で挟着した状態で冷却器31の内部に恒
温水槽37から23℃の水を循環供給しておき、IC3
3に電力量3.5Wの電気を流したのちに、図3のa部
の温度T1とb部の温度T2を測定し,その測定結果か
ら熱抵抗値を求めた。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1に示すように、本発明の熱伝導材
によれば、熱伝導フィラーの総量は同程度であっても、
従来のようにバインダー樹脂に熱伝導フィラーを混合し
た高熱伝導樹脂組成物のみからなる熱伝導材に比べ熱伝
導性に優れていることがわかる。
によれば、熱伝導フィラーの総量は同程度であっても、
従来のようにバインダー樹脂に熱伝導フィラーを混合し
た高熱伝導樹脂組成物のみからなる熱伝導材に比べ熱伝
導性に優れていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明にかかる熱伝導材は、以上のよう
に構成されているので、熱伝導性および取り扱い性に優
れるとともに、他の部材の当接面に対する形状追従性、
すなわち、密着性に優れている。しかも、容易、かつ、
低コストで製造することができる。
に構成されているので、熱伝導性および取り扱い性に優
れるとともに、他の部材の当接面に対する形状追従性、
すなわち、密着性に優れている。しかも、容易、かつ、
低コストで製造することができる。
【図1】本発明にかかる熱伝導材である熱伝導シートの
1つの実施の形態の断面形状を模式的にあらわす断面図
である。
1つの実施の形態の断面形状を模式的にあらわす断面図
である。
【図2】本発明にかかる熱伝導材である熱伝導シートの
他の実施の形態の断面形状を模式的にあらわす断面図で
ある。
他の実施の形態の断面形状を模式的にあらわす断面図で
ある。
【図3】実施例で得た熱伝導シートの熱伝導率の測定方
法を説明する説明図である。
法を説明する説明図である。
1,2 熱伝導シート(熱伝導材) 11,21 熱伝導相 12,22 柔軟相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA01 AA02 AA15 AA33 AA67 AB26 AB27 AE22 AH19 BC01 4J002 AC03X AC06X AC07X AC08X BB00W BB00X BB03X BB05W BB05X BB06W BB06X BB07X BB15X BC02W BC02X BD03W BD03X BG04W BG04X BG05W BG05X BP01W BP01X CF00W CF00X CK02W CK02X CL00W CL00X CP03X DA016 DA026 DA036 DA066 DC006 DE076 DE096 DE106 DE136 DE146 DF016 DJ006 DJ016 DK006 FA046 FD116
Claims (2)
- 【請求項1】2つの部材間に挟まれるように介在し、一
方の部材の熱を他方の部材に伝える熱伝導材において、
高熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導相と、前記高熱伝導
樹脂組成物より柔軟性に富んだ樹脂組成物からなる柔軟
相とを備え、熱伝導相と柔軟相とは、熱伝導相を海相、
柔軟相を島相とする海島構造、あるいは、熱伝導相と柔
軟相とが相互連続相構造をしており、熱伝導相が両部材
に対面する面に露出するとともに、両面の熱伝導相の露
出部同士が内部の熱伝導相を介して連続していることを
特徴とする熱伝導材。 - 【請求項2】シート状に形成されている請求項1に記載
の熱伝導材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000395373A JP2002194339A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 熱伝導材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000395373A JP2002194339A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 熱伝導材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002194339A true JP2002194339A (ja) | 2002-07-10 |
Family
ID=18860845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000395373A Pending JP2002194339A (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 熱伝導材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002194339A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005097550A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-04-14 | Natl Starch & Chem Investment Holding Corp | サーマルインターフェース材料 |
JP2005281467A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Toshiba Corp | 高熱伝導性樹脂、および部材、ならびにそれらを用いた電気機器および半導体装置 |
JP2007327010A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Kaneka Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物 |
JP2009191141A (ja) * | 2008-02-13 | 2009-08-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 熱伝導性組成物、熱伝導性シートおよび放熱装置 |
JP2014227521A (ja) * | 2013-05-24 | 2014-12-08 | 住友理工株式会社 | 制震ダンパー用高減衰ゴム組成物およびそれを用いてなる制震ダンパー |
JP5674257B2 (ja) * | 2005-12-09 | 2015-02-25 | 株式会社カネカ | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物 |
-
2000
- 2000-12-26 JP JP2000395373A patent/JP2002194339A/ja active Pending
Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
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JP2007327010A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Kaneka Corp | 高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物 |
JP2009191141A (ja) * | 2008-02-13 | 2009-08-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 熱伝導性組成物、熱伝導性シートおよび放熱装置 |
JP2014227521A (ja) * | 2013-05-24 | 2014-12-08 | 住友理工株式会社 | 制震ダンパー用高減衰ゴム組成物およびそれを用いてなる制震ダンパー |
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