JP2002193906A - 炭化水素の気相接触酸化反応方法 - Google Patents

炭化水素の気相接触酸化反応方法

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JP2002193906A JP2000392413A JP2000392413A JP2002193906A JP 2002193906 A JP2002193906 A JP 2002193906A JP 2000392413 A JP2000392413 A JP 2000392413A JP 2000392413 A JP2000392413 A JP 2000392413A JP 2002193906 A JP2002193906 A JP 2002193906A
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temperature
reaction
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phase catalytic
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Hiroshi Kameo
広志 亀尾
Shinji Iwade
慎二 岩出
Tadahide Harada
忠英 原田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素数が2〜8個のアルカン及び/又は炭素
数が2〜8個のアルケンを金属複合酸化物触媒の存在
下、流動床反応器を使用して気相接触酸化反応させる方
法において、高収率で長期に亘ってα、β−不飽和ニト
リルを製造する。 【解決手段】 流動床反応器内の触媒流動密度が50k
g/m3以下の領域(触媒希薄層)の温度を触媒流動密
度が300kg/m3以上の領域(触媒濃厚層)の温度
より低くして反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数が2〜8個
のアルカン及び/又は炭素数が2〜8個のアルケンを、
アンモニア及び金属複合酸化物触媒の存在下、流動床反
応器を使用して気相接触酸化反応させる方法に関する。
詳しくは、プロパンをアンモニアと金属複合酸化物触媒
の存在下、流動床反応器を使用して気相接触酸化させて
α,β−不飽和ニトリルを製造する気相接触酸化反応方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル等のα,β−不飽和ニ
トリルは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体)、AS(アクリロニトリル−スチレン
共重合体)などの合成樹脂、アクリル繊維、合成ゴム、
アクリルアミドなどの中間原料として工業的に重要であ
る。特に、これらのうちのABS、ASは堅ろうで熱可
塑性に優れていることから、OA機器、弱電関係、車両
などの材料として使用され、また、アクリルアミドは凝
集剤、土壌改良剤などに使用されている。現在、アクリ
ロニトリル等のα,β−不飽和ニトリルは、工業的には
プロピレンとアンモニアとの気相接触酸化反応により製
造されているが、最近では価格の上で有利なプロパンか
らの製造方法に関心が高まっている。
【0003】従来から、プロピレンのアンモニアとの気
相接触酸化反応(アンモオキシデーション)等のよう
に、アルカン及び/又はアルケンを金属複合酸化物触媒
の存在下、気相接触酸化反応させる際には、流動床反応
器が広く用いられてきている。流動床反応器には、通
常、反応器下部にガス分散器、除熱コイル等が設けられ
ている。また、その上部には触媒を捕集する装置、例え
ばサイクロンが設けられ、触媒とガスの分離が行われ
る。
【0004】流動床反応器を用いたプロピレンのアンモ
オキシデーションによるアクリロニトリルの製造は、古
くから工業的に実施されている。鞭巌・森勝・堀尾正靱
著「流動床の反応工学」(培風館(1984)発行)
や、Fluidization Engineering(流動層工学);Daizo
Kunii,Octave Levenspiel(Johnwiley & Sons. Inc,(1
969)発行)には、一般的な流動床反応技術について
述べられており、アクリロニトリルの反応収率向上を目
的として、触媒の開発及び反応器内部装置の改良、例え
ば、原料ガス分散管や分散盤の改良がなされてきた。
【0005】また、工業規模での装置においては、長期
連続で生産運転を行うため、反応収率に影響を及ぼす触
媒の活性低下、触媒流出による触媒充填量の減少や触媒
粒径分布等の変化が生じるため、これらを回避するため
に触媒成分の補給や回収も行われている。例えば、反応
収率維持を目的として、流動床反応器の外へ飛散する触
媒分の補給や触媒成分の濃度低下防止の為に、触媒を新
たに追加したり、触媒の一部を抜き出して再生した後に
流動床反応器内に戻したり、あるいは触媒を全量交換し
たりということが行われている。具体的には、テルルや
モリブデンを含有する触媒の使用にあたっては、例え
ば、特開平11−124361号公報に示されるような
反応時にテルル化合物やモリブデン化合物を賦活剤とし
て添加する方法、特開平11−349545号公報に示
されるような触媒希薄層に設置された間接熱交換器の表
面にモリブデンを蒸着させて回収する方法が挙げられ
る。
【0006】しかしながら、これら従来の方法は、高価
な触媒成分を大量に必要とし、間接冷却器の煩雑な切り
替えにより反応を一定条件に維持出来ないという問題が
あった。また従来、触媒希薄層の温度の影響、特に触媒
の反応安定性の影響については殆ど考慮されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素数が2
〜8個のアルカン及び/又は炭素数が2〜8個のアルケ
ンを、金属複合酸化物触媒の存在下、流動床反応器を使
用して気相接触酸化反応させる方法において、流動床反
応器内の温度分布に着目し、これを制御することで金属
酸化物触媒の劣化を抑制し、高収率で長期に亘って安定
的にアクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリルを製
造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、意外にも、反応器の
触媒希薄層温度を制御することで触媒の劣化が抑制でき
ることを見出し、この知見により本発明をなすに至っ
た。すなわち、本発明の要旨は、炭素数が2〜8個のア
ルカン及び/又は炭素数が2〜8個のアルケンを、アン
モニア及び金属複合酸化物触媒の存在下、流動床反応器
を使用して気相接触酸化させる反応において、流動床反
応器内の触媒の流動密度が50kg/m3以下の領域
(以下、触媒希薄層という)の温度を、触媒流動密度が
300kg/m3以上の領域(以下、触媒濃厚層とい
う)の温度より低くすることを特徴とする炭化水素の気
相接触酸化反応方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン等の炭素数が2〜8個のアルカン及び/又はエ
チレン、プロピレン、イソブチレン等の炭素数が2〜8
個のアルケンの気相接触酸化反応に適用することがで
き、具体的には、プロパンからのアクロレイン及び/又
はアクリル酸の製造、イソブタンからのメタクロレイン
及び/又はメタクリル酸の製造、n−ブタンからの無水
マレイン酸の製造、エタンからのエチレン及び/又は酢
酸の製造、プロピレンからのアクロレイン及び/又はア
クリル酸の製造、プロピレンからのアクリロニトリルの
製造、イソブチレンからのメタクロレイン及び/又はメ
タクリル酸の製造、エチレンからのジクロロエタンの製
造等に好適である。
【0010】特に、気相接触酸化反応をアンモニアの存
在下に行う、いわゆるアンモキシデーションによって、
α,β−不飽和ニトリルを製造する方法に適している。
具体的には、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等からのニトリルの製法、プロ
パンからのアクリロニトリル、イソブタンからのメタク
リロニトリルの製造等の炭素数が3〜8個のアルカンの
気相接触酸化反応方法に好適である。
【0011】アンモオキシデーション等の気相接触酸化
反応に用いられる流動床反応器は、通常、反応器下部に
酸素含有ガス分散管又は分散盤及び原料ガス分散盤を有
している。また、通常、アンモオキデーション反応は発
熱反応であるため、反応熱を除去して反応器の温度を調
節し、かつ反応器断面の温度分布を極小化するため複数
の熱交換器が流動床反応器に設置されている。更に、通
常、反応器上部に反応器から流出する反応生成ガスに同
伴する触媒を捕集する装置、例えばサイクロンがTDH
と呼ばれる輸送出口高さ以上の位置に設けられている。
【0012】本発明の特徴は、流動床反応器内部の温度
分布を制御することにあり、触媒希薄層部分の温度を触
媒濃厚層部分の温度(反応温度)より低くすることにあ
る。国井大蔵著「流動化法」(日刊工業新聞社(196
2)発行)に述べられている様に、ガス系に於いては、
流動層高さは必ずしも液面の様に確然と定められるもの
ではなく、大小の泡立ちによる突出があるので、あくま
で近似的・平均的に測定されるものに過ぎない。本発明
でいう触媒濃厚層とは、流動床反応器中において、通常
流動触媒が密に存在する領域であり、具体的には触媒流
動密度が300kg/m3以上の領域のことをいう。触
媒濃厚層の上端部は、通常用いられている公知の方法に
より知ることができるが、例えば、分散盤出口から微粒
子回収装置入り口もしくは反応器からの反応ガス抜き出
し管までの間の差圧(流動床差圧)を濃厚流動層の単位
当たりの差圧で除算することにより、上端を知ることが
できる。但し、水平バッフル又は多孔板を挿入している
場合はそれに関わる差圧を別個に測定し、流動床差圧か
ら差し引く必要がある。また、より詳細には、分散盤上
部より任意の間隔で差圧を測定し、その差圧を該間隔で
除算することにより流動床密度を求め、触媒流動密度が
300kg/m3以上である部分を確認することによ
り、触媒濃厚層の範囲を知ることができる。また、本発
明でいう触媒希薄層とは、流動床反応器中において通常
流動触媒が希薄である領域であり、具体的には触媒流動
密度が50kg/m3以下の領域のことをいう。触媒濃
厚層の上部域は、流体中の触媒密度が比較的小さく、触
媒希薄層は触媒濃厚層より広い領域を有しているのが一
般的である。触媒濃厚層で実質的な反応が起きるとはい
え、触媒希薄層には反応原料ガスと触媒が共存している
ので反応帯域の一部であるのは明確であり、いわば触媒
濃厚層の反応に加えて追反応を行っている帯域であると
言える。
【0013】触媒濃厚層は、反応を目的とした領域であ
るので原料ガス濃度、酸素濃度、供給方法、温度等が触
媒に対して劣化要因にならないように注意深く設定され
ているが、触媒希薄層はそれほど考慮されていないのが
実状である。しかしながら、触媒希薄層は、触媒密度が
低いために除熱効率が悪く、触媒周囲には大量の反応ガ
スが存在するため、触媒近傍は極めて反応が進行しやす
い雰囲気にあり、触媒の安定性に大きな影響を持つ帯域
であり、触媒にとっては過酷な条件になっている。
【0014】触媒希薄層温度を下げることの意味は、触
媒希薄層で起きている反応を低温にすることで抑制し、
触媒の負荷、ガス雰囲気の変化を低減することにある。
除熱効率の悪い触媒希薄層で過大な反応が起これば、触
媒表面あるいはガス温度が上昇し触媒の劣化を起こす要
因になる。また、反応の進行によりガスの組成も変化
し、場合によっては触媒に望ましく無い雰囲気、例えば
酸素濃度の減少、タール成分等高沸点生成物の触媒表面
への沈着等も懸念される。特に、触媒希薄層は触媒粒子
が激しく流動している触媒濃厚層と異なり、熱交換器あ
るいは反応器壁等に付着した触媒はかなりの時間滞留す
ることが予想され、また、サイクロンレッグ内にある触
媒も触媒希薄層温度の影響を大きく受けるため、これら
滞留している触媒層の中での反応の進行による温度上
昇、ガス雰囲気の変化は触媒の反応安定性を改善する上
で無視できるものではない。
【0015】本発明によれば、触媒希薄層の温度を下げ
ることで触媒にとって不都合な反応の進行を低減できる
のできわめて大きく触媒の反応安定性の改善が達成さ
れ、高効率で長期にわたって安定してアクリロニトリル
等のα,β−不飽和ニトリルの製造を行うことができ
る。触媒希薄層の温度が触媒濃厚層温度(反応温度)と
同じあるいはそれ以上の温度である場合は、触媒希薄層
での反応の進行を抑制することができないので本発明の
効果は得られない。触媒希薄層での反応の進行を抑制す
るためには、触媒希薄層の温度をより下げた方が有利で
あるが、冷却器の伝面が大きくなること、また、あまり
温度を下げすぎると反応生成物が凝縮する問題が出てく
る恐れがあるので、通常触媒希薄層の温度を触媒濃厚層
温度(反応温度)より10〜200℃、好ましくは50
〜150℃、更に好ましくは80〜150℃下げるのが
よい。
【0016】ここで、流動密度が50kg/m3以下で
ある領域の温度と300kg/m3以上の領域の温度差
が本発明に規定する触媒希薄層と触媒濃厚層の温度差で
あるが、温度の測定方法はその目的を達成できれば特に
制限されず、通常抵抗温度計、熱電温度計により測定す
る。触媒希薄層の温度を下げる方法は特に限定されるも
のではないが、例えば、触媒希薄層中に間接冷却器を設
置して、該間接冷却器に低温流体を流すことで容易に達
成できる。
【0017】間接冷却器としては流動床反応器内に設置
することのできるすべての形式の間接冷却器を用いるこ
とができ、その種類、大きさ及び形状は問わない。間接
冷却器に流通させる冷却用流体は、触媒濃厚層温度以
下、好ましくは100〜300℃の流体であり、例え
ば、温水、高圧温水、スチーム等が好適に使用される。
本発明を炭素数が3〜8個のアルカンを、アンモニアの
存在下、気相接触酸化反応させてα,β−不飽和ニトリ
ルの製造に適用する場合、特にプロパンのアンモオキシ
デーションによるアクリロニトリルの製造に適用する場
合は、下記の触媒及び反応条件を採用することが好まし
い。
【0018】触媒としては、例えば、V−Sb系酸化物
触媒(特開昭47−33783号公報、特公昭50−2
3016号公報)、V−Sb−W系酸化物触媒(特開平
2−261544号公報)、V−Sb−Sn−Cu−B
i系、V−Sb−Sn−Cu−Te系酸化物触媒(以上
特開平4−275266号公報)、Sb−Sn系、As
−Sn系、Mo−Sn系、V−Cr系酸化物触媒(以上
特公昭50−28940号公報)、Mo−Bi−Fe−
Al系酸化物触媒(特開平3−157356号公報)、
Mo−Cr−Te系酸化物触媒(米国特許第5,17
1,876明細書)、Mo−Bi−Cr系酸化物触媒
(特開平7−215925号公報)、Cr−Sb−W系
酸化物触媒(特開平7−157461号公報)、Mo−
Sb−W系酸化物触媒(特開平7−157462号公
報)、Mo−Bi−Cr−Nb系酸化物触媒(特開平6
−116225号公報)等を用いることができる。特
に、Mo,V,Teを必須成分とした酸化物触媒(特開
平2−257号公報、特開平5−148212号公報、
特開平5−208136号公報)、及びMo,V,Sb
を必須成分とした酸化物触媒(特開平9−157241
号公報)は優れた性能を示すので好適に用いることがで
きる。具体的には、モリブデン、バナジウム、X、Y及
び酸素(Xはテルル及びアンチモンのうちの少なくとも
1種、Yはニオブ、タンタル、タングステン、チタン、
アンチモン、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、マ
ンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケ
ル、パラジウム、白金、ビスマス、ホウ素、インジウ
ム、リン、ゲルマニウム、希土類元素、アルカリ金属、
アルカリ土類金属からなる群から選ばれた1種以上の元
素を示す)を必須成分とする複合金属酸化物触媒、さら
に詳しくは、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、
X及びYの存在割合が、 0.25<rMo<0.98 0.003<rV<0.5 0.003<rX<0.5 0≦rY<0.5 (ただし、rMo、rV、rX及びrYは、酸素を除く
上記必須成分の合計に対するMo、V、X及びYのモル
分率を表わす)である複合金属酸化物触媒はより一層優
れた性能を示すため好ましい。
【0019】これらの触媒の製造方法は特に制限はな
く、構成元素を含む溶液、又はスラリーを乾燥させ、乾
燥物を加熱処理されて製造される。また、公知の担体成
分、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニ
ア、アルミノシリケート、珪藻土などを1〜90重量%
程度含んだ混合物として使用することもできる。プロパ
ンのアンモキシデーションによるアクリロニトリルの製
造に適用する場合、流動床反応器にプロパン、アンモニ
ア、及び酸素含有ガスを供給して高温で反応させ、アク
リロニトリルを生成させる。このプロパンとアンモニア
との気相接触酸化反応の条件としては、反応温度300
〜490℃、ガス空間速度(SV)100〜10000
hr-1、圧力0.01〜1 MPa、反応系に供給する
酸素の割合がプロパンに対して、0.2〜4モル倍量、
反応系に供給するアンモニアの割合がプロパンに対し
て、0.1〜3モル倍量であると、目的とするアクリロ
ニトリルの収率や選択率が良好となり好ましい。また、
アクリロニトリルの選択率を高めるために、プロパンの
転化率を10〜70%程度に抑えて反応を行い、未反応
のプロパンを反応生成物から分離、回収し再度気相接触
酸化反応器に供給することも可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの
実施例に限定されるものではない。 比較例1 図1に示す流動床反応器を用いでプロパンのアンモオキ
シデーション反応を行った。
【0021】流動床反応器1は直径25cmであり、触媒
濃厚層に294kPaGの飽和水蒸気を流通させる間接
熱交換器Aが2系列と2.45MPaGの飽和水を流通
させる間接熱交換器Bが6系列、触媒希薄層には2.4
5MPaGの飽和水を流通させる間接熱交換器Cが8系
列設置してある。間接熱交換器Aは、触媒濃厚層温度
(反応温度)を一定にするよう蒸気流量を制御した。流
動密度は、触媒濃厚層はガス供給口(分散盤)より上
0.1〜2.1m間の差圧から、触媒希薄層は1段サイ
クロンレッグ入口から下方3.4mの間の差圧を測定し
て求めた。触媒濃厚層温度は分散盤の上1m位置、触媒
希薄層温度は1段サイクロンレッグ入口から下0.65
m位置に設置した熱電温度計から求めた。
【0022】反応には、Mo10.25Te0.2Nb0.16
n-10wt%SiO2を有する平均粒径50μmの複合
金属酸化物触媒を17.4kg、平均粒径45μmの球
状シリカを78kg仕込んだ。反応器下部よりプロパン
/アンモニア/酸素/窒素をそれぞれ17.6/6.0
/20.3/26.0m3/hの速度で供給し、圧力9
0kPaGで反応させた。
【0023】間接熱交換器Aを2系列、Bを1系列使用
し反応温度を450℃で調節した。このとき触媒希薄層
の温度は456℃であった。また、触媒濃厚層の流動密
度は620kg/m3、触媒希薄層の流動密度は15k
g/m3であった。運転中は、酸素の供給流量を調節し
て反応ガス中の酸素濃度を4mol%とし、アンモニア
の供給流量を調節して反応ガス中のアクリロニトリル
(AN)とアクリル酸(AA)の比を4〜7とし、また窒素
の供給流量により供給ガスの合計が一定になるように調
節した。
【0024】210時間の連続運転におけるプロパン
(PPA)転換率、ANおよびAAの選択率経時変化を
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】ANおよびAAの選択率変化速度はそれぞ
れ−0.024%/hr、−0.013%/hrであっ
た。また、AN+AAの選択率変化速度は−0.037
%/hrであった。 実施例1 比較例1に引き続き、触媒希薄層の間接熱交換器を3系
列運転し、触媒希薄層の温度を395℃まで下げて更に
200時間運転を継続した。酸素、アンモニア、窒素の
流量は比較例1と同様に調節した。触媒濃厚層の流動密
度は630kg/m3、触媒希薄層の流動密度は10k
g/m3であった。約150時間の運転で、PPA転換
率、ANおよびAA選択率経時変化を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】AN、AAの選択率の低下速度はそれぞれ
−0.003%/hr、−0.001%/hrであっ
た。AN+AA選択率の変化速度は−0.0045%/
hrであった。 実施例2 比較例1と同様にして、流動床反応器に触媒15.5k
g、球状シリカ80kgを仕込み、反応器下部より酸
素、窒素、プロパン、アンモニアをそれぞれ13.9/
4.9/16.6/34.5m3/hの速度で供給し、
圧力90kPaGで反応させ、酸素、アンモニア、窒素
の流量は比較例1と同様に調節した。このとき触媒濃厚
層密度は600〜630kg/m3、触媒希薄層密度は
7〜12kg/m3であった。間接熱交換器Aを2系
列、間接熱交換器Bを1系列使用し、間接熱交換器Cを
1〜4本運転することで、触媒濃厚層温度450℃に対
し、触媒希薄層の温度を表3に示した通りに変化させて
約200時間の平均変化率を測定して得られた、AN、
AAおよびAN+AAの選択率経時変化を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】触媒希薄層温度を調節していない比較例1
のAN+AA選択率変化−0.037%/hrに対し
て、触媒希薄層温度を低下させた実施例2ではAN+A
A選択率変化は−0.015%/hr以下に抑えられ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、アルカン及び/又はア
ルケンを、金属複合酸化物触媒の存在下、流動床反応器
を使用して気相接触酸化反応させる方法において、流動
床反応器の温度分布を制御することで金属酸化物触媒の
劣化を抑制し、高収率で長期にわたって安定的にアクリ
ロニトリル等のα,β−不飽和ニトリルを製造すること
ができるため、工業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動床反応器を示した図である。
【符号の説明】
1 流動床反応器 2 触媒濃厚層間接熱交換器A 3 触媒濃厚層間接熱交換器B 4 触媒希薄層間接熱交換器C 5 一段サイクロン 6 二段サイクロン 7 反応原料供給配管 8 反応ガス出口 9 差圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 原田 忠英 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02B BB06A BB06B BC54A BC54B BC55A BC55B BC59A BC59B BD10B CB07 DA06 EA04Y EB18Y 4H006 AA02 AC46 AC54 BA03 BA06 BA08 BA09 BA10 BA12 BA13 BA14 BA16 BA19 BA21 BA23 BA24 BA26 BA30 BA31 BA35 BC10 BC13 BC38 BE14 BE30 BS10 QN24 4H039 CA70 CC10 CC30 CL50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が2〜8個のアルカン及び/又は
    炭素数が2〜8個のアルケンを、アンモニア及び金属複
    合酸化物触媒の存在下、流動床反応器を使用して気相接
    触酸化させる反応において、流動床反応器内の触媒の流
    動密度が50kg/m3以下の領域(以下、触媒希薄層
    という)の温度を、触媒流動密度が300kg/m3
    上の領域(以下、触媒濃厚層という)の温度より低くす
    ることを特徴とする炭化水素の気相接触酸化反応方法。
  2. 【請求項2】 炭素数が3〜8個のアルカンを、アンモ
    ニア及び金属複合酸化物触媒の存在下、流動床反応器を
    使用して気相接触酸化反応させてα,β−不飽和ニトリ
    ルを製造する方法において、触媒希薄層の温度を触媒濃
    厚層の温度より低くすることを特徴とする炭化水素の気
    相接触酸化反応方法。
  3. 【請求項3】 触媒希薄層の温度が、触媒濃厚層の温度
    より10〜200℃低い請求項1または2に記載の炭化
    水素の気相接触酸化反応方法。
  4. 【請求項4】 複合金属酸化物触媒が、モリブデン、バ
    ナジウム、X、Y及び酸素(Xはテルル及びアンチモン
    のうちの少なくとも1種、Yはニオブ、タンタル、タン
    グステン、チタン、アンチモン、アルミニウム、ジルコ
    ニウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバル
    ト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、ビスマ
    ス、ホウ素、インジウム、リン、ゲルマニウム、希土類
    元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属からなる群から
    選ばれた1種以上の元素を示す)を含む触媒である請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の炭化水素の気相接
    触酸化反応方法。
  5. 【請求項5】 複合金属酸化物触媒のモリブデン(M
    o)、バナジウム(V)、X及びYの存在割合が、 0.25<rMo<0.98 0.003<rV<0.5 0.003<rX<0.5 0≦rY<0.5 (ただし、rMo、rV、rX及びrYは、酸素を除く
    上記必須成分の合計に対するMo,V,X及びYのモル
    分率を表わす)である請求項4に記載の炭化水素の気相
    接触酸化反応方法。
  6. 【請求項6】 炭化水素がプロパンである請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載の炭化水素の気相接触酸化反
    応。
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