JP2002193352A - センサーチップ振出し容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】外部の衝撃によるセンサーチップの折損がな
く、１枚ずつ容易に振り出すことができ、湿度の影響が
少ないセンサーチップ振出し容器を提供する。 【解決手段】容器本体100 の胴部が長径な表裏面と短径
な左右面とからなり、左面側の口頸部下の肩部内面より
仕切板140 を垂設して、左側に乾燥剤収容室を、右側に
平板状のセンサーチップと整列保持用ダミーチップとを
収容するセンサーチップ収容室を区画し、口頸部の右側
下端から内側へ肩部を延設し、左端下面に、下方先端か
ら底材上面までの距離がセンサーチップより長くなる邪
魔板170 を、センサーチップの厚みよりも大きく厚みの
２倍より小さい間隙をもって仕切板と平行させて垂設し
てセンサーチップ振出し孔を形成し、センサーチップ収
容室の上方内面を右側下がりの傾斜面に形成し、整列保
持用ダミーチップの上面をセンサーチップ収容室の上方
内面の傾斜面に合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療関係の測定、
検査、治療などに使用する平板状の医療用センサーチッ
プを収容するセンサーチップ振出し容器に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】上述の平板状の医療用センサーチップを
収容する包装容器は、従来、外気や湿気や雑菌などの侵
入を防ぐ、気密性や密封性が良好な包装容器が使用され
ていた。

【０００３】例えば、フィルム包装材料を用いて密封製
袋加して形成した柔軟なフィルムケースタイプのものが
多用されており、また、熱可塑性樹脂を用いて射出成形
法で作製した図５（ａ）に示す筒状の周壁（７１０）と
底板（７２０）からなる硬質なケース本体（７００）の
開口部（７３０）を、図５（ｂ）に示す天板（８１０）
の下面に比較的柔軟な栓部（８２０）をもつ蓋材（８０
０）の栓部を挿嵌させて密封した筒状ケースタイプなど
が使用されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の密封製袋された柔軟なフィルムケースの場合に
は、ケース本体は簡単であるものの、ケースが柔軟であ
るために外部からの衝撃でセンサーチップに折損が生じ
たり、また、センサーチップが１枚ずつケース内に包装
されているために、取り出すときにケースを１つ１つ開
封する手間が掛かり、使い勝手が悪い面があった。

【０００５】また、硬質なプラスチック製の筒状ケース
タイプの場合には、ケース本体は硬質であるため、外部
からの衝撃によるチップの折損は生じないが、ケース本
体からセンサーチップを取り出すときに、開口部が大き
いため、外気の湿度の影響を受け易く、また、開口部か
らセンサーチップを手で取り出すときに、誤ってセンサ
ーチップをばら蒔いてしまうことがあり、また、開口部
を下方へ向けてセンサーチップを振り出すときに、開口
部が大きいために１枚ずつ取り出すことが難しく、セン
サーチップが多く出過ぎたり、多く出たセンサーチップ
を容器内へ戻す手間が掛かっていた。また、蓋材をケー
ス本体の開口部に着脱を繰り返して使用するため、使用
している間に蓋材の栓部とケース本体の開口部との密着
性が低下して、ケース内の気密性や密封性が徐々に損な
われることがあった。

【０００６】本発明は、上述の従来の問題を解決したも
のであり、流通過程における外部からの衝撃によるセン
サーチップの折損がなく、使用するときに１枚ずつ容易
に振り出すことができ、外気の湿度の影響を受けにくい
センサーチップ振出し容器を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第１
の発明は、無底の容器本体の下端に底材が嵌着し口頸部
に蓋材が冠着する水平断面形状が楕円形の容器であっ
て、前記容器本体の胴部が長径な表面及び裏面と短径な
左面及び右面とからなり、前記左面側の口頸部下の肩部
内面より所定長さの仕切り板を垂設して、左側に乾燥剤
収容室を、右側に複数枚の平板状のセンサーチップと整
列保持用ダミーチップとを収容するセンサーチップ収容
室を区画形成し、口頸部の右側下端から口頸部の内側へ
肩部を延設し、その左端下面に、下方先端から底材の床
板までの距離がセンサーチップより長くなるように邪魔
板を、センサーチップの厚みよりも大きく厚みの２倍よ
り小さい間隙をもって仕切り板と平行させて垂設してセ
ンサーチップ振出し孔を形成し、前記センサーチップ収
容室の上方内面を右側下がりの傾斜面に形成し、かつ、
前記整列保持用ダミーチップの上面をセンサーチップ収
容室の上方内面の傾斜面に合わせて形成したことを特徴
とするセンサーチップ振出し容器である。

【０００８】次に、本発明の第２の発明は、前記センサ
ーチップ収容室の上方内面の傾斜面の傾斜角度が、１°
〜４５°の範囲であることを特徴とする第１の発明に記
載のセンサーチップ振出し容器である。

【０００９】そして、本発明の第３の発明は、前記仕切
り板の下方先端から底材の床板までの距離が、０〜３ｍ
ｍの範囲であることを特徴とする第１又は第２の発明に
記載のセンサーチップ振出し容器である。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明のセンサーチップ振
出し容器の実施の形態について、図を用いて詳細に説明
する。図１は、本発明の一実施形態のセンサーチップ振
出し容器の構造を示す断面図である。図２は、そのセン
サーチップ振出し容器の容器本体の構造を示す説明図
で、（ａ）は、平面図で、（ｂ）は、断面図である。図
３は、底材の構造を示す説明図で、（ａ）は一部を切欠
いた正面図あり、（ｂ）は、底面図である。図４刃、蓋
材の構造を示す説明図で、（ａ）は、一部を切欠いた正
面図であり、（ｂ）は、底面図である。

【００１１】本発明の一実施形態のセンサーチップ振出
し容器（１０）は、図１に示すように、無底の容器本体
（１００）の下端に底材（２００）が嵌着し、口頸部
（１２０）に蓋材（３００）が係合して冠着する水平断
面形状が楕円形のプラスチック製の容器であり、容器内
が仕切り板（１４０）によって乾燥剤収容室（１５０）
とセンサーチップ収容室（１６０）とに区画され、ま
た、仕切り板と邪魔板（１７０）によってセンサーチッ
プ振出し孔（１８０）が形成された容器である。本発明
の容器は、用途に適合する熱可塑性樹脂を用いて射出成
形などの成形法により作製するが、通常では、容器本体
にはポリプロピレンや高密度ポリエチレンなどが使用さ
れ、底材には高密度又は低密度ポリエチレンなどが使用
され、蓋材には、高密度又は低密度ポリエチレンやポリ
プロピレンなどが使用されるものである。

【００１２】次に、本実施形態の容器本体（１００）の
構造は、図２（ａ）又は（ｂ）に示すように、上方から
口頸部（１２０）と肩部（１３０）と胴部（１１０）と
からなり、口頸部（１２０）の水平断面形状は円形で外
周面に蓋材との雄ネジ（１２１）を設け、胴部（１１
０）の水平断面形状は楕円形で、長径な表面及び裏面と
短径な左面及び右面とからなり、左面側の口頸部下の肩
部内面より所定長さの通常下方が狭くなる斜面をもつ仕
切り板（１４０）を垂設して、左側に乾燥剤収容室（１
５０）を、右側に複数枚の平板状のセンサーチップと整
列保持用ダミーチップとを収容するセンサーチップ収容
室（１６０）を区画形成し、口頸部（１２０）の右側下
端から口頸部の内側へ肩部（１３０）を延設し、その左
端下面に、下方先端から底材の床板までの距離がセンサ
ーチップより長くなるように通常下端が曲面で右側に傾
斜面をもつ邪魔板（１７０）を、センサーチップの厚み
よりも大きく厚みの２倍より小さい間隙をもって仕切り
板（１４０）と平行させて垂設してセンサーチップ振出
し孔（１８０）を形成し、センサーチップ収容室（１６
０）の上方内面を右側下がりの傾斜面に形成するもので
ある。また、図１に示すように、整列保持用ダミーチッ
プ（６００）の上面をセンサーチップ収容室（１６０）
の上方内面の傾斜面に合わせて形成するものである。ま
た、胴部（１１０）の下端内周面に、底材（２００）と
の凸状又は凹状でリング状の嵌合部（１１１）を形成す
るものである。

【００１３】なお、上述のセンサーチップ収容室の上方
内面の傾斜面の傾斜角度は、１°〜４５°の範囲で設け
るものであるが、１°以下では整列保持用ダミーチップ
の作用が悪く、４５°以上ではセンサーチップの容器の
収容率が小さくなる。また、図１に示す仕切り板の下方
先端から底材（２００）の床板（２１０）までの距離
は、０〜３ｍｍの範囲で設けるものであり、３ｍｍ以上
にする必要がない。

【００１４】次に、本実施形態の底材（２００）の構造
は、図３（ａ）又は（ｂ）に示すように、水平断面形状
が楕円形で、底板（２１０）と周壁（２２０）とからな
り、周壁の外周に容器本体との凹状又は凸状でリング状
の嵌合部（２２１）を設けるものである。

【００１５】次に、本実施形態の蓋材（３００）の構造
は、図４（ａ）又は（ｂ）に示すように、水平断面形状
が楕円形の周壁（３２０）上端に天板（３１０）を連設
し、天板の中央位置に容器本体の雄ネジと螺合する雌ネ
ジ（３３１）を内周面にもつ水平断面形状が円形の螺合
筒（３３０）を垂設し、この螺合筒の内側に、通常で
は、容器本体の口頸部の上端部内周面に外周面を密接し
て容器を密封するインナー封止リング（３１１）を天板
から垂設するものである。なお、封止リングは、容器本
体の口頸部の天面に先端を密接して容器を密封するコン
タクト封止リングでもよく、また、インナー封止リング
とコンタクト封止リングとを併用してもよい。

【００１６】上述した本実施形態のセンサーチップ振出
し容器（１０）は、図１に示すように、 蓋材（３０
０）を口頸部（１２０）に螺着した容器本体（１００）
の仕切り板（１４０）の左側の乾燥剤収容室（１５０）
に乾燥剤（４００）を収容し、右側のセンサーチップ収
容室（１６０）に、所定枚数の平板状のセンサーチップ
（５００）を収容し、このセンサーチップの右側に整列
保持用ダミーチップ（６００）を収容し、容器本体の胴
部（１１０）下端に、底材（２００）を嵌着するもので
ある。流通過程や保管時には、容器本体内は蓋材と底材
とでしっかりと密封されており、また、内在する乾燥剤
により乾燥状態にある。そして、使用時に、蓋材を取外
し、容器を倒立して振ると、まず、上面がセンサーチッ
プ収容室の上方内面の傾斜面に合わせてある整列保持用
ダミーチップにより複数枚のセンサーチップが左側へ平
行に押され、次に、センサーチップ振出し孔（１８０）
の隙間がセンサーチップの厚みよりも大きく厚みの２倍
より小さいため、一枚のセンサーチップだけがセンサー
チップ振出し孔から振り出されてくる。同時に、他のセ
ンサーチップと整列保持用ダミーチップは、邪魔板（１
７０）により邪魔板の左側へ振り分けられる。このよう
に倒立を繰り返すごとに、一枚ずつセンサーチップを振
り出すことができる。なお、センサーチップ振出し孔
は、隙間が比較的に小さいため、センサーチップ取り出
し時の外部湿度の容器内への侵入が少なく、また、容器
内に乾燥剤が内在するため、センサーチップは外気の湿
度の影響を受けない。

【００１７】また、本実施形態のセンサーチップ振出し
容器は、射出成形法により作製されたプラスチック製の
容器であり比較的に剛性をもつため、流通過程における
外部からの衝撃によりセンサーチップが折損することが
ない。

【００１８】

【発明の効果】本発明のセンサーチップ振出し容器は、
上述したように、剛性をもつプラスチック製の容器であ
り、流通過程における外部からの衝撃によるセンサーチ
ップの折損の危惧がなく、使用するときには、１枚ずつ
容易に振り出すことができ使い勝手が良好であり、ま
た、開口する振出し孔が小さく、乾燥剤が内在している
ため、容器内のセンサーチップが外気の湿度の影響を受
けない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態のセンサーチップ振出し容
器の構造を示す断面図である。

【図２】（ａ）は、図１のセンサーチップ振出し容器の
容器本体の平面図であり、（ｂ）は、断面図である。

【図３】（ａ）は、図１のセンサーチップ振出し容器の
底材の一部を切欠いた正面図あり、（ｂ）は、底面図で
ある。

【図４】（ａ）は、図１のセンサーチップ振出し容器の
蓋材の一部を切欠いた正面図であり、（ｂ）は、底面図
である。

【図５】従来の一例のセンサーチップ容器の容器本体の
断面図であり、（ｂ）は、その蓋材の正面図である。

【符号の説明】

１０……センサーチップ振出し容器 １００……容器本体 １１０……胴部 １１１，２２１……嵌合部 １２０……口頸部 １２１……雄ネジ １３０……肩部 １４０……仕切り板 １５０……乾燥剤収容室 １６０……センサーチップ収容室 １７０……邪魔板 １８０……センサーチップ振出し孔 ２００……底材 ２１０，７２０……底板 ２２０，３２０，７１０……周壁 ３００……蓋材 ３１０……天板 ３１１……インナーリング ３３０……螺合筒 ３３１……雌ネジ ４００……乾燥剤 ５００……センサーチップ ６００……整列保持用ダミーチップ ７００……ケース本体 ７３０……開口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無底の容器本体の下端に底材が嵌着し口頸
   部に蓋材が冠着する水平断面形状が楕円形の容器であっ
   て、前記容器本体の胴部が長径な表面及び裏面と短径な
   左面及び右面とからなり、前記左面側の口頸部下の肩部
   内面より所定長さの仕切り板を垂設して、左側に乾燥剤
   収容室を、右側に複数枚の平板状のセンサーチップと整
   列保持用ダミーチップとを収容するセンサーチップ収容
   室を区画形成し、口頸部の右側下端から口頸部の内側へ
   肩部を延設し、その左端下面に、下方先端から底材の床
   板までの距離がセンサーチップより長くなるように邪魔
   板を、センサーチップの厚みよりも大きく厚みの２倍よ
   り小さい間隙をもって仕切り板と平行させて垂設してセ
   ンサーチップ振出し孔を形成し、前記センサーチップ収
   容室の上方内面を右側下がりの傾斜面に形成し、かつ、
   前記整列保持用ダミーチップの上面をセンサーチップ収
   容室の上方内面の傾斜面に合わせて形成したことを特徴
   とするセンサーチップ振出し容器。
2. 【請求項２】前記センサーチップ収容室の上方内面の傾
   斜面の傾斜角度が、１°〜４５°の範囲であることを特
   徴とする請求項１記載のセンサーチップ振出し容器。
3. 【請求項３】前記仕切り板の下方先端から底材の床板ま
   での距離が、０〜３ｍｍの範囲であることを特徴とする
   請求項１又は２記載のセンサーチップ振出し容器。