JP2002192619A - 樹脂部材付き窓用板材の製造方法 - Google Patents

樹脂部材付き窓用板材の製造方法

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JP2002192619A JP2000392958A JP2000392958A JP2002192619A JP 2002192619 A JP2002192619 A JP 2002192619A JP 2000392958 A JP2000392958 A JP 2000392958A JP 2000392958 A JP2000392958 A JP 2000392958A JP 2002192619 A JP2002192619 A JP 2002192619A
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Naoya Sato
直哉 佐藤
Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂部材と窓用板材とを強固に接着できると
ともに、製造工程を簡略化できる樹脂部材付き窓用板材
の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の樹脂部材付き窓用板材の製造方
法は、あらかじめ成形された樹脂部材12の窓用板材1
1に対向する接合面と窓用板材11の樹脂部材12に対
向する接合部分とを、接着剤13を介して対向させ、窓
用板材11の樹脂部材12に対向する側の面とは反対側
の面における接合部分と対応する部分以外の部分を樹脂
部材12の方に向かって押圧し、窓用板材11に樹脂部
材12を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂部材付き窓用
板材の製造方法に関し、特に樹脂部材を窓用板材に取り
付ける際の取付方法に特徴を有する樹脂部材付き窓用板
材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などの車両や、産業機材、
建築物などの窓開口部には、樹脂部材付きガラス板(樹
脂部材付き窓用板材)が取り付けられている。このよう
な樹脂部材付きガラス板には、窓開口部に取り付けられ
た際にガラス板と窓開口部との間における装飾性やシー
ル性を高めるため、その外周縁部に合成樹脂製の枠体と
なるモールディングなどの樹脂部材が取り付けられてい
るものがある。
【0003】このような樹脂部材付きガラス板の製造方
法としては、樹脂部材を射出成形した後に、その樹脂部
材をガラス板に接着剤を介して接合する方法がある。図
5は、このような方法によって樹脂部材とガラス板とを
接合する際の接着工程の一例を示す断面図である。樹脂
部材42は、その一方の面がガラス板41の裏面41B
(図中下面)に接着剤(プライマー)43を介して当接
され、その他方の面が支持台44上に配置されている。
支持台44は、樹脂部材42およびガラス板41を支持
している。この状態で、ガラス板41の表面41A(図
中上面)における、裏面41Bの樹脂部材42が当接さ
れている部分(接合部分)に対応する部分を、支持台4
4の方向(図中下方)へ押圧する。すなわち、ガラス板
41の接合部分の真上を押圧する。ガラス板41および
樹脂部材42を一定圧力で一定時間押圧することによっ
て、樹脂部材42とガラス板41とを接着して、樹脂部
材付きガラス板40を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして形成
される樹脂部材付きガラス板40においては、樹脂部材
42とガラス板41との接着力が充分でない場合があ
り、改善が求められている。このような問題を改善する
ために、例えば、ガラス板41を樹脂部材42に接着す
る前に、ガラス板41の面上に塗布された接着剤43の
接着力を高めるために、ガラス板41を予熱することが
行われている。ガラス板41の表面温度を高めること
で、接着剤43の流動性を高め、樹脂部材42およびガ
ラス板41を互いに強固に接着できるようになる。樹脂
部材42とガラス板41との接着時に接着剤43に充分
な接着力を生じさせるには、例えばガラス板41の表面
温度を200℃以上に保つことが考えられる。この場
合、ガラス板41を200℃以上の高温で予熱しておく
必要があり、このような高温加熱を実現するには設備が
大掛かりになる。また、高温に加熱されたガラス板41
を手作業で支持台44へ搬送するのは、煩雑である。さ
らに、この工程を自動化しようとすると設備コストが上
昇する。
【0005】本発明は、前記課題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、樹脂部材と窓用板材とを強固に
接着できるとともに、製造工程を簡略化できる樹脂部材
付き窓用板材の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、あらかじめ成
形された樹脂部材を接着剤を介して窓用板材の板面に接
合する樹脂部材付き窓用板材の製造方法であって、前記
樹脂部材の前記窓用板材に対向する接合面と窓用板材の
樹脂部材に対向する接合部分とを、接着剤を介して対向
させ、前記窓用板材の前記樹脂部材に対向する側の面と
は反対側の面における前記接合部分と対応する部分以外
の部分を樹脂部材の方に向かって押圧し、前記窓用板材
に前記樹脂部材を接合することを特徴とする樹脂部材付
き窓用板材の製造方法を提供する。また、窓用板材の一
方の面の所定部分に、あらかじめ成形された樹脂部材の
接合面を接着剤を介して接合する、樹脂部材付き窓用板
材の製造方法であって、前記所定部分と前記接合面とを
接着剤を介して対向させ、前記窓用板材の他方の面にお
ける前記所定部分と対応する部分以外の部分を前記樹脂
部材の方に向かって押圧し、前記窓用板材に前記樹脂部
材を接合することを特徴とする樹脂部材付き窓用板材の
製造方法を提供する。
【0007】本明細書においていう「窓用板材」として
は、透明または半透明のガラス板や樹脂板を例示でき
る。充分な透視性を有していれば、有彩色のガラス板や
樹脂板でもよい。ガラス板としては、単板のガラス板や
合わせガラスを例示できる。さらに、ガラス板としては
強化処理がなされたものや熱線反射膜などの機能コート
が設けられたものでもよい。窓用板材の形状は、その板
面が平坦な板状でもよいし、二次元方向または三次元方
向に湾曲成形されたものでもよい。「樹脂部材」として
は、主に窓用板材の周縁部に接合されるガスケット、モ
ールディング、ウェザーストリップ、シールゴムなどの
枠体を例示できる。樹脂部材は、窓用板材の全周、また
は全周のうち途中で途切れるように設けられてもよく、
また、窓用板材の一辺または数辺に設けられてもよい。
さらに「樹脂部材」は、窓用板材の窓開口部での取付固
定を担うものや、窓用板材の窓開口部への取り付けの際
に、窓用板材の位置決めや、窓用板材に塗布されたウレ
タンなどのシーラントが固化するまでの仮止めを担うク
リップや面ファスナでもよく、その形状は限定されな
い。
【0008】また、「樹脂部材」の材料としては、熱可
塑性樹脂材料や、熱硬化性または湿気硬化性樹脂材料な
ど、押出し成形に用いられる材料が例示される。熱可塑
性樹脂材料としては塩化ビニル樹脂や、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、
ポリウレタン系のエラストマーなどから選択された一般
の熱可塑性樹脂材料を例示できるがこれに限定されな
い。また、熱硬化性または湿気硬化性樹脂材料として
は、ウレタン樹脂材料やシリコン樹脂材料が例示でき
る。他に、成形ダイから押出して、成形された後に加熱
して樹脂部材とするゾル状の塩化ビニルなどが用いられ
る。「接着剤」としては、通常使用し得るウレタン系接
着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコー
ン系接着剤などを例示できる。接着剤と窓用板材との間
に、接着性を高めるためのプライマーが介在されていて
もよい。さらに、プライマーを接着剤としてもよい。窓
用板材が押圧される「反対側(他方)の面における接合
部分(所定部分)と対応する部分以外の部分」とは、そ
の部分を樹脂部材の方へ押圧した際に、樹脂部材に作用
する押圧力に、窓用板材の板面を基準としたときにその
基準面に対する垂直成分と水平成分とを生じさせるよう
な部分をいう。窓用板材の周縁部に樹脂部材を接合する
際の、窓用板材の周縁部から間隔を隔てた窓用板材の中
央部分を例示できる。また、窓用板材の周縁部より板面
中央側に樹脂部材を接合する際の、窓用板材の周縁部分
を例示できる。
【0009】以上のような樹脂部材付き窓用板材の製造
方法によれば、窓用板材を押圧した際に、樹脂部材が若
干せん断変形したり、窓用板材が若干撓んだりすること
によって、樹脂部材に作用する押圧力に、窓用板材の板
面に対して平行な成分が生じる。この押圧力の平行成分
によって、窓用板材の接合部分と樹脂部材の接合面とが
接着剤を介して擦り合わせられる。このとき、接合部分
と接合面とに接着剤がなじんで、接着性が充分に発揮さ
れるようになる。こうして、樹脂部材が接着剤を介して
窓用板材に強固に接着される。
【0010】従来の樹脂部材と窓用板材との接着工程に
おいては、樹脂部材の真上から窓用板材を強く押圧する
ほど、樹脂部材と窓用板材とをより強固に接着できると
考えられていた。本発明者らは、発想を転換し、樹脂部
材の真上以外の部分で窓用板材を押圧することを想到し
た。こうすることで、窓用板材の接合部分と樹脂部材の
接合面とを互いに相対移動させ、接着剤をなじませるこ
とができ、窓用板材と樹脂部材とがより強固に接着され
ることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。なお、上述した本発明の樹脂部材付
き窓用板材の製造方法としては、窓用板材の周縁部の両
面に対して樹脂部材を接着する方法と、窓用板材の片面
のみに樹脂部材を接着する方法を示しているが、以下に
記載する本発明の実施形態としては、窓用板材の片面の
みに樹脂部材を接着する方法を示す。しかしながら、本
発明は、このような窓用板材の片面のみに樹脂部材を接
着する方法に限定されない。
【0012】本発明の樹脂部材付き窓用板材の製造方法
として、樹脂部材を射出成形した後に、その樹脂部材を
ガラス板(窓用板材)に接着剤を介して仮接着し、仮接
着された樹脂部材とガラス板とを本接着する方法を例示
する。樹脂部材をガラス板に仮接着する方法として、例
えば、特開2000−79626号公報に開示された方
法を用いることができる。このような樹脂部材をガラス
板に仮接着する方法は、以下の手順により実施される。
まず、図1(A)に示すように、一対の金型である第1
型(下型)21および第2型(上型)22を型締めし、
金型内にキャビティ空間23を形成する。第1型21
は、型開き方向に沿ってその第1型21を貫通する複数
の突出ピン24を備えている。キャビティ空間23は、
第1型21と第2型22との合わせ面に位置する。キャ
ビティ空間23は、第1型21の合わせ面に彫り込まれ
た凹所、または第1型21の合わせ面および第2型22
の合わせ面に彫り込まれた凹所により区画される。この
キャビティ空間23内に溶融樹脂材料を注入する。
【0013】その後、型開きを行なって、第2型22を
第1型21から離間させる。このとき図1(B)に示す
ように、樹脂部材12は第1型21に残る。そして、吸
着移送装置25が、ガラス板11の表面11Aを保持
し、そのガラス板11を第1型21の上方の所定位置に
正確に配置するとともに、第1型21に備えられた突出
ピン24によって樹脂部材12を鉛直上方に突き出し、
樹脂部材12をガラス板11の裏面11Bに固着する。
このとき、ガラス板11の裏面11Bの周縁部には、接
着剤(プライマー)13が塗布されている。ここではガ
ラス板11が、三次元的に湾曲している。樹脂部材12
は、その外径が平面視におけるガラス板11の外径に略
等しい環状で、外周縁部にリップ12Aが形成されてい
る。最後に、樹脂部材12が仮接着されたガラス板11
を図示しない成形品取出装置により第1型21、第2型
22間から移動させ、圧着治具上に載置する。
【0014】図2に、こうして樹脂部材12が仮接着さ
れたガラス板11が、圧着治具20上に載置される様子
を示す。圧着治具20は、ガラス板11に仮接着された
樹脂部材12の周縁形状に対応した略半楕円形状(平面
投影視)の略帯状の圧接面20Aを有している。圧接面
20A上に樹脂部材12およびガラス板11が載置され
た際には、樹脂部材12が圧接面20Aに支持される。
この状態で、ガラス板11の表面11Aの略中央部分を
図示する押圧力Fにより圧着治具20の方向(図中下
方)へ押圧すると、仮接着された樹脂部材12がガラス
板11に本接着される。
【0015】図3に、圧接面20A上に樹脂部材12お
よびガラス板11が載置された際の図2中III−II
I断面図を示すとともに、ガラス板11に仮接着された
樹脂部材12をガラス板11に本接着する手順を詳細に
説明する。図3(A)に、樹脂部材12が仮接着された
ガラス板11が、圧着治具20の圧接面20A上に載置
された様子を示す。図3(B)に、このときのガラス板
11の周縁部付近の拡大断面図を示す。ガラス板11の
裏面11Bの周縁部には、樹脂部材12が接着剤13を
介して仮接着されている。このとき、ガラス板11の周
縁部の端部は、樹脂部材12に設けられたリップ12A
よりも樹脂部材12の周縁部内方(図中左方向)に位置
している。
【0016】ついで、図3(C)に示すように、ガラス
板11の表面11A(図中上面)の周縁部より間隔を隔
てた内周側の略中央部分を、圧着治具20に向かって略
鉛直方向の押圧力Fで押圧する。押圧力Fで押圧された
ガラス板11は、わずかに撓むことで、その周縁部分に
は押圧力Fのガラス板11に平行な成分FPが生じる。
樹脂部材12は、ガラス板11に作用する押圧力Fの鉛
直成分FVによって、接着剤13を介して、ガラス板1
1の裏面11B(図中下面)に圧着される。図3(D)
に、このときのガラス板11の周縁部付近の拡大断面図
を示す。前述した押圧力Fにより、ガラス板11が撓む
ことで、ガラス板11の周縁部の端部は、図3(B)に
示すリップ12Aよりも樹脂部材12の周縁部内方の位
置から、リップ12Aの上方付近まで樹脂部材12の外
周方向へ移動する。こうしてガラス板11の裏側11B
の周縁部分は、ガラス板11に平行な成分の力FPによ
って、樹脂部材12に対して相対的に移動する。最後
に、押圧力Fを取り去るとガラス板11は、その弾性力
により元の状態(図3(A))へと戻る。このときも、
ガラス板11の周縁部分は、樹脂部材12に対して相対
的に移動し、リップ12Aよりも樹脂部材12の周縁部
内方に位置する。
【0017】以上説明したような樹脂部材付きガラス板
の製造方法によれば、ガラス板11を押圧した際に、ガ
ラス板11の裏面11Bの周縁部分と樹脂部材12とが
押圧力Fによって圧着されるとともに、ガラス板11が
若干撓むことによって、樹脂部材12に作用する押圧力
Fに、ガラス板11の板面に平行な成分が生じる。この
押圧力Fの平行成分FPによって、ガラス板11と樹脂
部材12とが接着剤を介して擦り合わせられる。このと
き、接着剤13がガラス板11と樹脂部材12とになじ
んで、接着性が充分に発揮されるようになる。こうし
て、樹脂部材12が接着剤13を介して窓用板材11に
強固に接着される。したがって、高温で予熱するために
ガラス板を過度に加熱する必要がなくなり、接着工程で
消費するエネルギーを大幅に節約できる。また、ガラス
の熱膨張による寸法変化に起因する樹脂部材12の接着
位置のずれが小さくなり、寸法精度のよい製品が提供で
きる。
【0018】次に、従来の樹脂部材付きガラス板の製造
方法と本発明の樹脂部材付きガラス板の製造方法によ
る、ガラス板に対する樹脂部材の剥離試験の結果を示
す。図4に本発明の樹脂部材付きガラス板の製造方法の
一工程を示す。図4(A)において、シート状に射出成
形したPVC(塩化ビニル樹脂)32の一方の面が支持
台34上に固定され、その他方の面が2液ウレタン系接
着剤33を塗布したガラス板31(300×300m
m、3.5mm厚)と接合されることで、樹脂部材付き
ガラス板30を形成している。PVC32は、ガラス板
31の裏面(図中下面)の周縁部分の一部と接合するよ
うに配置されている。このとき、ガラス板31に接合さ
れたPVC32は、接着面寸法が長さ12.5mm、幅
25mmの2ヶ所(図中左右の周縁部分)としている。
【0019】PVC32をガラス板31に接着するとき
には、図4(B)に示すように、ガラス板31の表面
(図中上面)の周縁部分より内周側に間隔を隔てた中央
部分を押圧力Fで、PVC32の方向(図中下方)へ押
圧する。こうすることで、樹脂部材32がせん断変形す
るとともに、ガラス板31はわずかに下に凸形状となる
ように撓み、ガラス板31の周縁部分は、PVC32お
よび支持台34に対してガラス板31の内周方向へと相
対的に移動する(図中矢印L方向)。すなわち、支持台
34に固定されたPVC32とガラス板31とが接着剤
33を介して相対的に移動することで、互いに擦れ合
い、接着剤33がガラス板31とPVC32とになじ
む。最後に押圧力Fを取り去ることで、ガラス板31
は、その弾性力によって元の状態(図4(A))に戻
る。このときにもガラス板31とPVC32とは相対的
に移動する。こうして、PVC32とガラス板31との
間に介挿された接着剤32によって、PVC32とガラ
ス板31とが強固に接着された樹脂部材付きガラス板3
0が形成される。このとき、押圧力Fの加圧開始時のガ
ラス温度が135℃まで低下している条件下で、ガラス
板31は、加圧力0.16×106Pa(荷重10kg
f)で押圧されるとする。ガラス板31に取り付けられ
たPVC32は、180°剥離試験方法により、その剥
離強度が測定される。ここで行なった剥離試験方法は、
ガラス板表面に接着された帯状の樹脂部材を、樹脂部材
の一端から剥がし始め、既に剥離した樹脂部材と、未だ
ガラス面上に接着されている樹脂部材とが折り重なるよ
うに、かつ一定の速度(引張り速度:50mm/mi
n)で剥がれるように、ガラス板表面に平行に加えた力
を測定するものである。今回の剥離試験では、上述した
接着面寸法の長さ方向にPVCを剥離した際の、幅25
mm当たりの剥離強度を測定している。こうして測定し
た剥離強度は、PVC32の幅25mm当たり130
N、破壊状態はPVC32の材料破壊となり、ガラス板
31とPVC32との強固な接着力が得られた。
【0020】一方、図5に示す従来の樹脂部材付きガラ
ス板の製造方法においては、樹脂部材となるシート状に
射出成形したPVC42は、一方の面が支持台44上に
固定され、他方の面が2液ウレタン系の接着剤43を塗
布したガラス板41(300×300mm、3.5mm
厚)と接合されることで、樹脂部材付きガラス板40を
形成している。PVC42は、ガラス板41の略中央部
分の裏面(図中下面)と接合するように配置されてい
る。PVC42をガラス板41に接着するときには、ガ
ラス板41のPVC42が接合されている面と反対側の
面のPVC42の略直上から、PVC42をガラス板4
1とともに押圧力Fで押圧する。このとき、ガラス板4
1に接着されるPVC42は、接着面寸法を長さ25m
m、幅25mmとし、押圧力Fの加圧開始時のガラス板
温度135℃の条件下で、加圧力0.16×106Pa
(荷重10kgf)で押圧されるとする。こうしてガラ
ス板41の面上に接着されたPVC42は、上述したよ
うに180°剥離試験方法による剥離強度がPVC42
の幅25mm当たり64N、破壊状態はPVC42が薄
く剥離する表層材料破壊となり十分な接着力が得られな
かった。以上のような試験結果から、本発明の樹脂部材
付きガラス板の製造方法によって製造された樹脂部材付
きガラス板においては、従来の製造方法における樹脂部
材付きガラス板よりも樹脂部材(PVC)の接着力の向
上が見られた。
【0021】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良などが可能であ
る。前述した実施形態においては、窓用板材の片面にの
み取り付けられる樹脂部材を例示したが、本発明は、窓
用板材の周縁部の両面に一体となって取り付けられる樹
脂部材に適用してもよい。このような樹脂部材を取り付
る際には、一方の面に本接着のための押圧が終了した窓
用板材に対して、再度、他方の面を押圧することが好ま
しい。また、本発明は、あらかじめ成形された樹脂部材
と窓用板材とを、仮接着する工程がない樹脂部材付き窓
用板材の製造方法に適用してもよい。すなわち、予熱し
た窓用板材に樹脂部材を接合する際に、本発明を適用し
てもよい。本実施形態において、窓用板材を押圧する押
圧力は、窓用板材の表面に対して略鉛直方向で押圧して
いたが、これに限定されない。押圧力は、窓用板材の板
面に対して水平方向の成分の力を生じさせる力であれば
よい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂部材
付き窓用板材の製造方法によれば、窓用板材を過度に加
熱する必要がなく、樹脂部材が接着剤を介して窓用板材
に強固に接着でき、製造工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための第1例の樹脂部材12
がガラス板11に仮接着される手順を示す断面図であ
る。
【図2】本発明を実施するための第1例の圧着治具20
上に樹脂部材12が仮接着されたガラス板11が載置さ
れる様子を示す斜視図である。
【図3】図2に示す圧着治具20上に載置された樹脂部
材12およびガラス板11が本接着される様子を示す、
図2中III−III断面図である。
【図4】ガラス板に取付けられた樹脂部材の剥離試験を
行なうための、本発明の樹脂部材付きガラス板の製造方
法の一工程を示す断面図である。
【図5】従来の樹脂部材付き窓用板材の製造方法の一工
程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 樹脂部材付きガラス板(樹脂部材付き窓用板材) 11 ガラス板(窓用板材) 11A 表面 11B 裏面 12 樹脂部材 13 接着剤 20 圧着治具(支持台) 20A 圧接面 F 押圧力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ成形された樹脂部材を接着剤
    を介して窓用板材の板面に接合する樹脂部材付き窓用板
    材の製造方法であって、 前記樹脂部材の前記窓用板材に対向する接合面と窓用板
    材の樹脂部材に対向する接合部分とを、接着剤を介して
    対向させ、前記窓用板材の前記樹脂部材に対向する側の
    面とは反対側の面における前記接合部分と対応する部分
    以外の部分を樹脂部材の方に向かって押圧し、前記窓用
    板材に前記樹脂部材を接合することを特徴とする樹脂部
    材付き窓用板材の製造方法。
  2. 【請求項2】 窓用板材の一方の面の所定部分に、あら
    かじめ成形された樹脂部材の接合面を接着剤を介して接
    合する、樹脂部材付き窓用板材の製造方法であって、 前記所定部分と前記接合面とを接着剤を介して対向さ
    せ、前記窓用板材の他方の面における前記所定部分と対
    応する部分以外の部分を前記樹脂部材の方に向かって押
    圧し、前記窓用板材に前記樹脂部材を接合することを特
    徴とする樹脂部材付き窓用板材の製造方法。
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