JP2002191952A - 難溶性原料含有組成物の製造方法 - Google Patents

難溶性原料含有組成物の製造方法

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JP2002191952A
JP2002191952A JP2000397511A JP2000397511A JP2002191952A JP 2002191952 A JP2002191952 A JP 2002191952A JP 2000397511 A JP2000397511 A JP 2000397511A JP 2000397511 A JP2000397511 A JP 2000397511A JP 2002191952 A JP2002191952 A JP 2002191952A
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hardly soluble
soluble raw
stirring
mixing device
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JP2000397511A
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Masahiro Maekawa
雅弘 前川
Takayoshi Uchikoshi
香悦 打越
Masami Yoshiba
正美 吉葉
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料を、
母液の温度を上げることなく、且つ、気泡の巻き込みも
防止して、高速回転を必要とせず、比較的安価な設備
で、短時間に混合溶解できる難溶性原料含有組成物の製
造方法を提供する。 【解決手段】 水及び/又は界面活性剤溶液を加温する
ことなく、撹拌装置2を備えた混合装置2に通液すると
共に、常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料を混合装
置2内に直接供給して、撹拌羽根の先端速度5〜10m
/s及び10〜60kW/m3の撹拌動力を加え、且
つ、20〜60secの滞留時間を与えて、混合溶解す
る。ここで、水及び/又は界面活性剤溶液を、撹拌機5
を備えた撹拌槽4内に、仕込んだ後、この溶液を加温す
ることなく、循環ポンプ6により、前記混合装置1を介
して循環させると共に、前記の難溶性原料を混合装置1
内に直接供給する方法をとれば、更に効率的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で固化又は粘
稠液となる難溶性原料を、該難溶性原料を溶解する母液
の温度を上げることなく、かつ、気泡の巻き込みも防止
して、小規模な混合装置で、短時間に効率よく混合溶解
でき、省エネルギーで、かつ、品質のよい食器用洗剤、
野菜用洗剤、シャンプー、リンス、衣料用洗剤、柔軟剤
等を製造するのに好適な、難溶性原料含有組成物の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、常温で固化又は粘稠液となる難
溶性原料は、原料自体を加温し、溶融又は低粘度化して
添加しても、母液の温度が低いと、母液に添加する際、
母液と接触した瞬間に固化又はダマ化するため、パドル
等の汎用撹拌槽では、溶解に長時間要し、実用的な方法
としては実施されていないのが現状である。
【0003】従来より、難溶性原料と母液とが接触した
瞬間の固化又はダマ化を防ぐ回避策としては、撹拌槽に
分散力の強いミキサー、例えば、ホモミキサーを付加し
た装置を用いる方法が考えられるが、設備が高価とな
り、また、強力な分散力を与えるために、気泡を巻き込
み、製品品質を損なうという課題があった。従って、パ
ドル等の汎用撹拌槽を用いる場合には、母液の温度を上
げて、原料の固化又はダマ化を防ぎ、高温で原料を溶解
した後に、この溶液を冷却する方法が一般的である。
【0004】しかしながら、この方法においては、母液
を加温するための熱エネルギー及び溶解後の冷却に要す
る電気エネルギー等を費やし、且つ、タイムサイクルも
長くなるため、生産効率が悪い点に課題があるものであ
る。
【0005】一方、直接、汎用撹拌槽で溶解せずに、外
部に混合装置を付加し、難溶性流体と水系溶媒とを、別
々の配管から供給して両者を合流させた後、この混合装
置により連続的に混合希釈する方法が、従来から、数多
く検討されている。例えば、特開平7−34089公報
には、高濃度界面活性剤と水系希釈剤とを薄膜状にし
て、高回転で強力な剪断力を有するミキサー内に供給
し、高濃度界面活性剤を希釈する方法が開示されてい
る。しかしながら、ここで使用しているミキサーは、薄
膜を形成するために、装置が複雑となるのみならず、更
に、処理液が通る間隔が狭いために処理能力が制限され
てしまうという点に課題がある。
【0006】また、特開平8−196883号公報に
は、高粘度流体と低粘度流体とを、別々の配管から供給
して両者を合流させ、その下流に設けた混合機に4秒以
上撹拌滞留させて希釈する方法が開示されている。しか
しながら、この方法においては、高粘度流体と低粘度流
体とを、混合装置の手前で合流させることから、本発明
で対象としている常温で固化又は粘稠液となる難溶性原
料の場合には、合流した瞬間に固化又はダマ化してしま
う点に課題があるものである。
【0007】更に、特開平10−249176号公報に
は、吐出機構を備えた混合装置を具備し、水系溶媒を循
環しながら、高濃度界面活性剤組成物を供給して希釈す
る方法が開示されている。しかしながら、この方法にお
いても、水系溶媒と高濃度界面活性剤組成物とを、混合
装置の手前のパイプ中で合流させることから、本発明で
対象としている常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料
の場合には、合流した瞬間に固化又はダマ化してしまう
点に課題があるものである。また、この方法において
は、希釈温度は界面活性剤組成物の凝固点以上が好適と
されており、本発明で目指している母液の加温廃止とい
う課題解決にはならないものである。更には、この方法
における混合装置の機能は、高濃度界面活性剤組成物を
水系溶媒中に分散させ、撹拌槽内での溶解を補助するこ
とであり、従って、微粒化分散がポイントとなることか
ら、本発明とはその技術思想が相違するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題及び事情等に鑑み、これを解消しようとするも
のであり、常温で固化又は粘稠液となるような難溶性原
料であっても、母液の温度を上げることなく、且つ、気
泡の巻き込みも防止して、高速回転を必要とせず、比較
的安価な設備で、短時間に溶解して難溶性原料含有組成
物を製造することができる難溶性原料含有組成物の製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の課題を解決するため鋭意検討した結果、水及び/
又は界面活性剤溶液を加温することなく、撹拌機を備え
た混合装置に通液すると共に、常温で固化又は粘稠液と
なる難溶性原料を、混合装置内に直接供給して、所定の
撹拌羽根周速及び撹拌動力を加え、かつ、所定の滞留時
間を与えることにより、上記難溶性原料を短時間で溶解
できることを見い出し、本発明を完成するに至ったので
ある。すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。 (1) 常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料を水溶性液
体に混合溶解して難溶性原料含有組成物を製造する方法
であって、撹拌装置を備えた混合装置に、水及び/又は
界面活性剤溶液を加温することなく滞留時間20〜60
secで通液すると共に、上記難溶性原料を混合装置内
に直接供給して撹拌羽根先端の周速を5〜10m/sと
し、かつ、通過液容積当たりの動力を10〜60kW/
3で混合溶解することを特徴とする難溶性原料含有組
成物の製造方法。 (2) 撹拌装置を備えた撹拌槽に、水及び/又は界面活性
剤溶液を仕込んだ後、この溶液を循環ポンプにより、撹
拌装置を備えた混合装置を介して循環させると共に、上
記難溶性原料を混合装置内に直接供給して混合溶解する
上記(1)に記載の難溶性原料含有組成物の製造方法。な
お、本発明で規定する「難溶性原料」は、常温(25
℃)で固化又は粘稠液となるものをいい、25℃におい
て、B型粘度計を用い、30rpmで粘度を測定した
時、2000mPa・s以上のものをいう。また、本発
明における難溶性原料含有組成物の製造方法は、食器用
洗剤、野菜用洗剤、シャンプー、リンス、衣料用洗剤、
柔軟剤などの起泡性液体製品の製造に好ましく適用され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明の難溶性原料含有組成物の
製造方法(以下、単に「本発明方法」という)は、常温
で固化又は粘稠液となる難溶性原料を水溶性液体に混合
溶解して難溶性原料含有組成物を製造する方法であっ
て、水及び/又は界面活性剤溶液を加温することなく、
撹拌装置を備えた混合装置に通液すると共に、常温で固
化又は粘稠液となる難溶性原料を、混合装置内に直接供
給して、所定の撹拌羽根周速及び撹拌動力を加え、か
つ、所定の滞留時間を与えることにより、上記難溶性原
料を短時間で溶解して難溶性原料含有組成物を製造する
ものである。また、本発明方法において、上記水及び/
又は界面活性剤溶液を、予め、撹拌機を備えた撹拌槽内
に仕込んだ後、この溶液を循環ポンプにより、混合装置
を介して循環させると共に、上記難溶性原料を混合装置
内に直接供給して溶解することもできる。この方法によ
れば、複数の原料であっても任意の回数で、又、任意の
タイミングで溶解することができ、前記製品の製造方法
として最適である。
【0011】本発明方法に用いる上記難溶性原料は、常
温で固化又は粘稠液となる原料であれば、特に限定され
ず、例えば、α−オレフィンスルホネートやポリオキシ
エチレンアルキルエーテルサルフェートなどのアニオン
界面活性剤の高濃度溶液、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油や脂肪酸ジエタノールアミド、ポリグリセリン脂肪
酸エステルなどのノニオン界面活性剤、ジアルキルアン
モニウム塩やモノアルキルアンモニウム塩などのカチオ
ン界面活性剤、ステアリルアルコールなどの高級アルコ
ール、パルミチン酸セチルなどの高級脂肪酸エステルが
挙げられる。
【0012】本発明方法において、上記難溶性原料を溶
解する母液としては、非水溶性の原料の場合には、界面
活性剤水溶液を用いて可溶化することが好ましいが、水
溶性の原料であれば、水のみでも構わない。従って、本
発明では、母液として、難溶性原料種に応じて、水及び
/又は界面活性剤溶液が用いられる。本発明方法では、
母液の温度は、後述するように、加温せずに、母液を形
成する原料自体の持込温度そのままで行うことができる
ものとなる。この母液の加温を廃止できるので、加温す
るための熱エネルギー及び溶解後の冷却に要する電気エ
ネルギー等を費やさないため、省エネルギーとなり、か
つ、タイムサイクルも短くなるため、生産効率に優れた
ものとなる。なお、上記母液には、食器用洗剤、野菜用
洗剤、シャンプー、リンス、衣料用洗剤、柔軟剤などの
製品に配合される各種添加剤を含んでいても構わない。
【0013】本発明方法において、上記母液を予め調製
する撹拌槽及びこれに付属する撹拌装置は、全体混合が
可能なオープン釜であればよく、通常の混合に使用され
るパドル翼やプロペラ翼を具備した、汎用の常圧撹拌槽
が用いられる。なお、この撹拌槽は、前記難溶性原料含
有組成物を調合する槽と別に設けてもよいが、通常、兼
用することが有利である。また、上記撹拌槽の容量は、
特に限定されるものではないが、通常、前記難溶性原料
含有組成物を調合する槽として使用することを考えれ
ば、1〜20kLが好ましい。
【0014】本発明方法に用いる循環ポンプの型式は、
特に限定されるものではないが、起泡性の液体を処理す
るという点、また、比較的高粘度の製品にも適用できる
点、更には、定量性がある点などから見て、ギアタイプ
のポンプが好ましい。また、ポンプの移送能力は、特に
限定されるものではないが、撹拌槽内の液を10〜60
分で移送できる能力が好ましい。移送時間が60分を越
える程、移送能力が小さいと、難溶性原料の処理時間が
長くなり、短時間に効率よく溶解することを目的とした
本発明の主旨に反する。また、移送時間が10分未満に
なる程、移送能力を大きくしても、配管や混合装置など
付帯設備も大きくする必要があり、設備費が高くなるこ
ととなる。なお、ポンプの回転数を可変にする等、必要
に応じて流量を変えられるようにしておくと便利であ
る。
【0015】また、本発明方法に用いる混合装置の型式
は、特に限定されるものでないが、装置内の撹拌力を均
一にするという観点から円筒型、また、通過する液の滞
留時間を確実に確保するという点から縦型が好ましい。
この混合装置の容量は、通過する液の滞留時間を20〜
60secにすることが必要であり、好ましくは、20
〜40secとなる容量が望ましい。滞留時間が20s
ec未満であると、混合装置内で溶解しきれなくなり、
また、60secを越えて必要以上に滞留時間を大きく
しても、装置が大きくなり、設備費が高くなるだけであ
る。また、この混合装置内の液空塔速度は、1〜6cm
/sが適当である。空塔速度を小さくすると、混合装置
の内径を大きくする必要があり、即ち、装置が大きくな
って、設備費が高くなるだけである。また、空塔速度を
小さくすると、混合装置の長さを大きくする必要があ
り、撹拌装置の羽根段数が増えるばかりか、シャフトが
長くなって、製作が難しくなる。更に、混合装置の母液
入口の形状は、特に限定されるものでないが、母液の偏
流を極力抑えるという観点から、必要に応じ、60〜1
50゜の傾斜をつけたり、また、開口比0.1〜0.5の
多孔板を挿入して分散板とすることが好ましい。
【0016】本発明方法において、混合装置に付加する
撹拌装置は、通常の混合に使用されるパドル翼やプロペ
ラ翼でもよいが、より剪断力の強い、後述する図3に示
す形状の撹拌翼などが好適である。また、撹拌翼の大き
さは、混合装置の内径(R1)に対する撹拌羽根の直径
(R2)として、このR2/R1が0.5〜0.95、より
好ましくは、0.5〜0.7が適当である。この比率が
0.5未満であると、滞留時間を長くする必要があり、
即ち、混合装置を大きくする必要がある。また、この比
率が0.95を越えて必要以上に比率を大きくしても効
果がないばかりか、混合装置と撹拌翼のクリアランスが
小さくなって、製作が難しくなる。更に、撹拌翼の段数
は、特に限定されるものでないが、通過する液に十分な
撹拌力を与えるという観点で、2段が適当である。
【0017】本発明方法において、撹拌装置の撹拌力の
強さは、撹拌羽根先端の周速を5〜10m/s、かつ、
通過液容積当たりの動力を10〜60kW/m3とする
ことが必要である。好ましくは、撹拌羽根先端の周速を
7〜10m/sとし、また、通過液容積当たりの動力を
好ましくは、20〜40kW/m3とすることが望まし
い。撹拌羽根周速が5m/s未満であると、分散力が弱
くなって、原料の固化又はダマ化が防げず、また、撹拌
羽根周速が10m/sを越えて大きくしても効果がない
ばかりか、高分子により製品粘性を確保している製品や
乳化製品などの場合、その機能を損なうことがある。ま
た、通過液容積当たりの動力が10kW/m3未満であ
ると、混合力が弱くなって、滞留時間を延ばす必要があ
り、逆に、通過液容積当たりの動力が60kW/m3
越えて大きくしても効果はなく、エネルギーを浪費する
だけである。
【0018】本発明方法において、難溶性原料の供給口
は、混合装置内に直接供給できる構造であれば特に限定
されないが、母液と接触する際の分散を極力良好にする
という点から、撹拌力の最も強い箇所、即ち撹拌翼の直
近に供給することが好ましい。また、母液流量に対する
難溶性原料の供給比率は、0.5以下が適当である。こ
の供給比率が0.5を越えて大きすぎると、原料によっ
ては液粘度が上昇し、分散不良になる場合がある。
【0019】更に、本発明の具体的な実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の一例を示す
製造フロー工程図である。1は混合装置、2は撹拌装
置、3は溶解液の受槽を示す。母液を形成する水又は/
及び界面活性剤水溶液や各種添加剤aは、図示しない貯
槽等よりパイプラインを通して、混合装置1内に通液さ
れ、また、難溶性原料bは、図示しない貯槽等よりパイ
プラインを通して、混合装置1内に直接供給される。溶
解液は受槽3に排出される。
【0020】図2は、本発明で、母液を形成する水又は
/及び界面活性剤水溶液や各種添加剤を循環する方法の
一例を示す製造フロー工程図である。図中4は撹拌槽、
5は撹拌装置、6はギアタイプの循環ポンプ、7は混合
装置、8は撹拌装置を示す。この形態において、母液を
形成する水又は/及び界面活性剤水溶液や各種添加剤
は、予め撹拌槽4に仕込み、撹拌装置5で均一な水溶液
としておく。この母液を、循環ポンプ6により、混合装
置7を介して循環する。この混合装置7には、撹拌装置
8が備えられ、所定の撹拌力で混合装置内を通過する液
の混合を行うものである。難溶性原料cは、図示しない
貯槽等よりパイプラインを通して、混合装置8内に直接
供給される。
【0021】図3は、本発明において使用される混合装
置の一例を示す模式図である。図中、9は混合装置、1
0は分散板、11は撹拌装置を示す。まず、母液をdよ
り供給し、混合装置9内を充満させて液出口fより排出
させる。分散板10は母液の偏流を防ぐこととなる。次
いで、撹拌装置11を起動した後、難溶性原料をeから
供給して混合溶解させ、液出口fより排出する。
【0022】このように構成される本発明の難溶性原料
含有組成物の製造方法では、水及び/又は界面活性剤溶
液を加温することなく、撹拌機を備えた混合装置に通液
すると共に、常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料
を、混合装置内に直接供給、好ましくは、上記所定の比
率で混合装置内に直接供給して、上記所定の撹拌羽根周
速及び撹拌動力を加え、かつ、上記所定の滞留時間を与
えることにより、難溶性原料が固化又はダマ化せずに、
短時間で溶解し、目的の難溶性原料含有組成物が製造さ
れることとなる。更に、本発明方法では、撹拌装置を備
えた撹拌槽に、水及び/又は界面活性剤溶液を仕込んだ
後、この溶液を循環ポンプにより、撹拌装置を備えた混
合装置を介して循環させると共に、上記難溶性原料を混
合装置内に直接供給して混合溶解すれば、更に難溶性原
料が固化又はダマ化せずに、効率的に、かつ、更に短時
間で溶解し、目的の難溶性原料含有組成物が製造される
こととなる。
【0023】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明を更
に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の例において、「部」は質量部を意
味する。
【0024】〔実施例1〜3、比較例1〜6〕実施例2
〜3及び比較例1〜2、4〜6では、パドル翼を備えた
図5に示す形状の容量1.2kLの撹拌槽に、また、比
較例3では、パドル翼とアンカー翼・ホモミキサーを備
えた図6に示す形状の容量1.2kLの撹拌槽に、精製
水164部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸
塩の27%水溶液510部をそれぞれ仕込み、撹拌混合
して均一に溶解して母液とした。また、実施例1では、
別の撹拌槽で、予め、精製水164部、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル硫酸塩27%水溶液510部の比
率で混合液を調製した。この時、母液の温度は何れも3
5℃であった。
【0025】何れの実施例1〜3及び比較例1〜6の場
合も、予め、別の槽にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(25℃における粘度3800mPa・s)を仕込み、
50℃に加温して均一な溶液とした。比較例1では、撹
拌槽において、撹拌回転数350rpmで撹拌しなが
ら、前記のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40部を1
0kg/分の速度で添加し、混合溶解した。
【0026】比較例2では、撹拌槽において、母液の温
度を50℃に上げた後、撹拌回転数350rpmで撹拌
しながら、前記のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40
部を10kg/分の速度で添加し、混合溶解した後、溶
解液の温度を35℃まで冷却した。
【0027】比較例3では、撹拌槽において、パドル翼
及びアンカー翼の回転数350rpm、ホモミキサー回
転数1600rpmで撹拌しながら、前記のポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油40部を10kg/分の速度で添
加し、混合溶解した。
【0028】実施例1では、図3に示す形状の混合装置
に、前記の予め調製した母液674部を35kg/分の
速度で供給した。混合装置内が液封された後、混合装置
の攪拌機を稼動させ、前記のポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油40部を10kg/分の速度で添加し、混合溶解
した。溶解液は図5に示す形状の容量1.2kLの撹拌
槽に排出した。
【0029】実施例2〜3及び比較例4〜5において
は、図2に示すように、撹拌槽から循環ポンプ及び図3
に示す形状の混合装置を介して循環ラインを設けた。比
較例6においては、同様に循環ラインを設けたが、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油の供給は、直接混合装置内
ではなく、母液が混合装置に入る20cm手前の母液配
管と合流させた。それぞれ母液を35kg/分の速度で
混合装置に供給し、混合装置内に充満させ、撹拌槽へと
循環させた後、下記表1及び表2に示す条件で、前記の
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40部を10kg/分
の速度で混合装置に供給して、混合溶解した。
【0030】上記実施例1〜3及び比較例1〜6のそれ
ぞれの場合について、撹拌槽における溶解時間及び気泡
の巻き込み状態を下記評価法により評価した。これらの
結果を下記表1及び表2に示す。
【0031】〔溶解時間の評価法〕溶解時間は、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油の添加終了後、撹拌槽内の混
合液をサンプリングし、目視によりゲル状ダマが観察さ
れなくなった時間を溶解時間とした。ただし、比較例2
においては、加温及び冷却時間を含む。 〔気泡の巻き込み状態の評価法〕気泡の巻き込み状態の
評価は、上記と同様に、目視で観察し、混合液に透明性
がある場合を○、白濁している場合を×として評価し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記表1の結果から明らかなように、本発
明の範囲となる実施例1〜3の製造方法は、本発明の範
囲外となる比較例1〜6の製造方法に較べ、簡単な混合
装置を設け、難溶性原料を直接混合装置に供給して、所
定の撹拌条件及び滞留時間を与えることにより、混合装
置のみで短時間に、且つ、気泡の巻き込みのない溶解液
を得ることができ、このことから、効率的に品質のよい
難溶性原料含有組成物を製造することができることが判
明した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、常温で固化又は粘稠液
となる難溶性原料を、母液の温度を上げることなく、且
つ、気泡の巻き込みも防止して、高速回転を必要とせ
ず、比較的安価な設備で、短時間に混合溶解することが
できる難溶性原料含有組成物の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す製造フロー工程図である。
【図2】本発明で母液を循環する方式の一例を示す製造
フロー工程図である。
【図3】本発明で使用される混合装置の一例を示す模式
図である。
【図4】本発明で使用される混合装置に備える撹拌羽根
の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例で使用した汎用撹拌槽を示す模
式図である。
【図6】本発明の実施例で使用したホモミキサー設置撹
拌槽を示す模式図である。
【符号の説明】
1 混合装置 2 撹拌装置 3 溶解液受槽 4 撹拌槽 5 撹拌装置 6 循環ポンプ 7 混合装置 8 撹拌装置 9 混合装置 10 分散板 11 撹拌翼 12 汎用撹拌槽 13 パドル翼 14 ホモミキサー設置撹拌槽 15 パドル翼 16 アンカー翼 17 ホモミキサー a 母液 b 難溶性原料 c 難溶性原料 d 母液 e 難溶性原料 f 排出液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉葉 正美 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4G035 AB37 AB38 AB41 AB54 AC31 AE02 AE13 4G078 AA03 AA04 AA07 AA21 AA23 AA26 AB05 BA05 CA01 CA08 DA01 DA11 EA10 4H003 AB31 AC12 CA15 DA01 DA02 DA17 ED02 FA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固化又は粘稠液となる難溶性原料
    を水溶性液体に混合溶解して難溶性原料含有組成物を製
    造する方法であって、撹拌装置を備えた混合装置に、水
    及び/又は界面活性剤溶液を加温することなく滞留時間
    20〜60secで通液すると共に、上記難溶性原料を
    混合装置内に直接供給して撹拌羽根先端の周速を5〜1
    0m/sとし、かつ、通過液容積当たりの動力を10〜
    60kW/m3で混合溶解することを特徴とする難溶性
    原料含有組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 撹拌装置を備えた撹拌槽に、水及び/又
    は界面活性剤溶液を仕込んだ後、この溶液を循環ポンプ
    により、撹拌装置を備えた混合装置を介して循環させる
    と共に、上記難溶性原料を混合装置内に直接供給して混
    合溶解する請求項1に記載の難溶性原料含有組成物の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008506512A (ja) * 2004-07-16 2008-03-06 バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ダイナミックミキサー
JP2017226728A (ja) * 2016-06-20 2017-12-28 ライオン株式会社 シミ除去剤

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