JP2002191887A - 針送りミシン - Google Patents

針送りミシン

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JP2002191887A
JP2002191887A JP2001353973A JP2001353973A JP2002191887A JP 2002191887 A JP2002191887 A JP 2002191887A JP 2001353973 A JP2001353973 A JP 2001353973A JP 2001353973 A JP2001353973 A JP 2001353973A JP 2002191887 A JP2002191887 A JP 2002191887A
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sewing
needle
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fabric
sewing machine
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JP2001353973A
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Masahiko Okamura
昌彦 岡村
Masahiko Tanaka
正彦 田中
Kenji Kitada
賢治 北田
Yutaka Hirasawa
裕 平澤
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫製途中で、針送り量を変更することができ
る針送りミシンを提供する。 【解決手段】 縫製プログラム(95)を有する制御
部(82)が、ミシン駆動手段(7、53A)連続布地
送り手段(54A、76、78等)および針送り手段
(4、21A、21B、21C、21D、37、38
等)を制御して、始めから終わりまで1サイクルの一連
の縫製動作として連続的に実行することで、布地に所望
の縫い目を形成する。そして、制御部は、縫製中に、針
送り量を変更可能に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、布地を連続的に送
るミシンに係り、特に、布地送りに合わせて針送りを行
う針送りミシンに関する。
【従来の技術】一般に、家庭用ミシンにおいては、布地
が停止している状態において針糸とともに針を布地に刺
して針糸と下糸とをからめ、針が布地から抜けた状態に
おいて布地を送り、この針の上下動と布地の送りとを交
互に行うことにより布地を縫製するようにしている。こ
れに対し、ミシンの駆動とは別に駆動制御されるよう
に、専用のモータなどの駆動源を有し、これにより布地
を搬送する布地搬送体を設けたミシンにおいては、慣性
などの作用により布地送り機構を間歇的に送ることは難
しかった。このため、このようなミシンにおいては、布
地を連続的に送るようにしていた。しかしながら、布地
を連続的に送る場合、針が布を刺しているときにも布送
りを行うため、このとき針により布に対し負荷が掛かる
ことになり、縫製品質に悪影響を与えることがあった。
このような点に鑑み、針が針に刺さっているときに針を
布地の送り速度に合わせて布地の送り方向に送るように
した針送りミシンが知られている。このような針送りミ
シンの一例として特開平3−254785号公報に記載
されている針送りミシンがある。
【発明が解決しようとする課題】このような従来の針送
りミシンは、例えば、予め設定された任意のピッチに基
づいて針送り量を算出して、この算出結果に基づいた針
送り量にて針送りを行うように針送り機構を自動的に調
整し、縫製をおこなっている。しかしながら、従来の針
送りミシンは、縫製途中に、針送り量を変更したり、針
送りを停止することができないため、様々な縫製態様に
対応することができないという問題があった。そこで、
本発明は、このような従来のものにおける問題点を克服
し、針送り量を縫製中に変更することができる針送りミ
シンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に係る本発明の特徴は、針を上下動するミ
シン駆動手段と、布地を送る連続布地送り手段と、布地
の送り方向に針を揺動するとともに針送り量が変更可能
な針送り手段と、前記ミシン駆動手段、連続布地送り手
段および針送り手段を制御して布地に所望の縫い目を形
成する縫製プログラムを有する制御部とを備え、縫製パ
ターンの縫製動作を、始めから終わりまで1サイクルの
一連の縫製動作として連続的に実行する針送りミシンに
おいて、前記制御部は、針送り量を縫製中に変更可能に
制御するように構成されている点にある。そして、この
ような構成を採用したことにより、制御部は、縫製プロ
グラムに基づいて各部の動作を制御して針送り量を縫製
中に確実に変更することができるため、様々な縫製態様
に対応することができる。また、請求項2に係る本発明
の特徴は、縫い始め(返し縫い部SBS、コンデンス部
SOS)及び縫い終わり(返し縫い部EBS、コンデン
ス部EOS)の針送り量を、通常縫製部(SS)の針送
り量とは異なる針送り量にて縫製するように構成してい
る。そして、このような構成を採用したことにより、例
えば、縫い始め及び縫い終わり針送り量を、通常縫製部
の針送り量よりも小さな針送り量に変更すれば、縫い始
め及び縫い終わりの縫い目を確実にほどけにくく縫製す
ることができる等、様々な縫製態様に対応することがで
きる。
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る針送りミシ
ンの要部を示すものであり、ミシンベッド1上に配設さ
れているミシン本体2の内部の一端部の上部には、水平
方向に延在する支持軸3が支持されている。この支持軸
3には、針揺動支持部材4がその上端部を図1において
前後方向に揺動自在に支持されている。そして、この針
揺動支持部材4には、後述する縫い針たる針57を取り
付けるための針棒58と針棒抱きとにより構成される針
棒機構5が昇降自在に支持されている。また、前記ミシ
ン本体2内には、水平方向に延在し図示しないミシン駆
動モータにより回転駆動されるミシン駆動軸である上軸
6が配設されている。この上軸6の先端部には、この上
軸6の回転運動を針棒機構5の上下運動に変換する針棒
クランク機構7がその先端を前記針棒機構5に連結され
るようにして配設されている。つぎに、針送りのための
具体的な構成を図1および図2により説明する。前記上
軸6の中間部には、外周を円筒面9とした偏心カム8が
ねじ10により固着されており、この偏心カム8の前記
円筒面9には、第1クランク11の円環部12が嵌合さ
れている。前記第1クランク11は軸部13を有してお
り、この軸部13の一端に前記円環部12が突設されて
いる。また、前記軸部13の他端部には小径孔14が形
成されている。そして、前記第1クランク11は、前記
上軸6の回転により長手方向に往復動されることにな
る。前記第1クランク11の近傍には、水平軸15を中
心として揺動自在とされた第1揺動部材16が配設され
ており、この第1揺動部材16の下端部には、前記第1
クランク11がその小径孔14を介してピン17により
相対的に回動しうるように連結されている。また、前記
第1揺動部材16には、1対の平行な軸受部18,18
が突設されており、これらの軸受部18,18間には、
ロッド19の上端部が両軸受部18,18を貫通するピ
ン20により回動自在に支持されている。よって、前記
第1揺動部材16の揺動により前記ロッド19は上下方
向に往復動されることになる。前記ロッド19の下端部
には、リンク機構を構成する等長の4本のリンク21
A,21B,21C,21Dの各一端部が前記ロッド1
9を貫通する共通のピン22により揺動自在に支持され
ている。前記リンク21A,21B,21C,21Dの
うち、リンク21A,21Bとリンク21C,21Dと
は、相互に前記ロッド19の反対側の側部に位置してい
る。前記ロッド19の近傍には、前記上軸6と平行に延
在する回動軸23が前記ミシン本体2内に間隔を隔てて
形成された1対のブラケット24,24に軸受25,2
5などを介して回動自在に支持されている。前記両ブラ
ケット24,24間の回動軸23には、この回動軸23
とともに回動しうる第2揺動部材26がねじ27により
嵌着されている。この第2揺動部材26の頂部には、連
結部28が突設されており、この連結部28には、内側
に位置する前記2本のリンク21B,21Cがピン29
により揺動自在に枢着されている。前記回動軸23の先
端は前記針揺動支持部材4の近傍に臨んでおり、この回
動軸23の先端には、回動軸23とともに揺動しうる揺
動ロッド30がねじ31により固定されている。この揺
動ロッド30の下端部には、前記回動軸23と平行に延
在するピン32がそのねじ部33をナット34により固
定されており、このピン32には、前記針揺動支持部材
4に嵌合される角駒35が回動自在に支持されている。
したがって、前記揺動ロッド30の揺動に従動して前記
針揺動支持部材4も揺動されることになる。前記第1揺
動部材16の近傍には、前記針揺動支持部材4の揺動開
始方向およびその揺動量を設定するためのパルスモータ
37が支持板36に支持されるようにして配設されてい
る。このパルスモータ37の出力軸38には、外周を円
筒面40とした偏心カム39がねじ41により固着され
ており、この偏心カム39の前記円筒面40には、第2
クランク42の円環部43が嵌合されている。前記第2
クランク42は軸部44を有しており、この軸部44の
一端に前記円環部43が突設されている。また、前記軸
部44の他端部には小径孔45が形成されている。そし
て、前記第2クランク42は、前記パルスモータ37の
出力軸38の所定角度の回動により長手方向に移動され
ることになる。前記第2クランク42の近傍には、前記
ミシン本体2内に間隔を隔てて形成された1対のブラケ
ット46,46に前記上軸6と平行に配置されたピン4
7,47により回動自在に支持されている平面コ字状を
なす中間伝達体48が回動自在に配設されている。この
中間伝達体48の一側には突部49が突設されており、
この突部49には、前記第2クランク42がその小径孔
45を介してピン50により相対的に回動しうるように
連結されている。また、前記中間伝達体48の1対の先
端部にはぞれぞれ外側に位置する前記2本のリンク21
A,21Dがそれぞれピン51により揺動自在に枢着さ
れている。一方、図3に示すように、前記パルスモータ
37は、ミシンの制御をつかさどるCPUのような制御
部52の制御によりその出力軸38を布地送りに対応す
る針送りが行えるように所定の方向に所定の角度回動さ
れるようになっている。また、前記上軸6を回転駆動す
るミシン駆動モータ53、および、布地を送るためにミ
シンベッド1に設けられている布送り機構を正逆のいず
れかの方向に駆動する布地送りモータ54が前記制御部
52と接続され、この制御部52の制御により駆動され
るようになっている。前記制御部52には、操作パネル
60が電気的に接続されており、縫製生地の種類に応じ
て操作パネル60から縫い目ピッチに対する針送り量を
設定できるようになっている。そして、前記制御部52
における針送りデータの作成は、入力されている縫製デ
ータに基いて演算してもよいし、操作パネル60上の操
作を制御部52に入力するようにしてもよい。なお、図
1において上軸6には、この上軸6の回転を図示しない
釜などに伝達するプーリ55が装着されており、このプ
ーリ55に巻回されたベルト56を介して駆動を伝達す
るようになっている。つぎに、前述した構成からなる本
実施形態の作用について説明する。図4、図7および図
10はそれぞれ本発明に係る針送りミシンの実施形態を
模式的に示した図である。なお、各部材の寸法は図1お
よび図2とは異なっている。また、図5、図8および図
11は前記模式図に対応して針を刺すときの各部材の具
体的状態を図1および図2の実施形態に沿うように示す
図、図6、図9および図12は前記模式図に対応して針
が抜けるときの各部材の具体的状態を図1および図2の
実施形態に沿うように示す図である。図4ないし図6は
針送りを行わないときの状態を示したものであり、この
状態においては、一端部がロッド19の下端部に枢着さ
れている4本のリンク21A,21B,21C,21D
のうち、他端部がピン29により第2揺動部材26に枢
着されている内側の2本のリンク21B,21Cと、他
端部がそれぞれピン51により中間伝達体48に枢着さ
れている外側の2本のリンク21A,21Dとのピン2
9とピン51の軸線が一致しているので、上軸6の回転
により第1揺動部材16が揺動してロッド19を下降さ
せても、4本のリンク21A〜21Dは両ピン29,5
1を中心として単純に揺動するにすぎない。したがっ
て、第2揺動部材26を回動させる外力は生じず、針揺
動支持部材4を揺動させる揺動ロッド30は静止状態の
ままである。この結果、図5および図6における縫い針
たる針57の水平方向位置には変化が生じない。
【0001】図7ないし図9は、順方向に針送りを行う
ときの状態を示すものであり、制御部52(図3)から
の制御信号によりパルスモータ37を布地送りに同期さ
せるように駆動して、図2に示すパルスモータ37の出
力軸38を所定の方向に所定角度回動し、第2クランク
42をその長手方向において中間伝達体48を引く方向
に移動させる。すると、中間伝達体48が図2において
1対のピン47,47を中心として反時計方向に回動さ
れ、図7において角度θだけ図4の状態から回動された
状態となる。この状態においては、一端部をロッド19
の下端部に枢着されている4本のリンク21A〜21D
のうち、他端部をピン29により第2揺動部材26に枢
着されている内側の2本のリンク21B,21Cと、他
端部をそれぞれピン51により中間伝達体48に枢着さ
れている外側の2本のリンク21A,21Dとのピン2
9とピン51の軸線が異なる位置をとり、しかも、外側
の2本のリンク21A,21Dの回動中心となるピン5
1は、パルスモータ37の駆動がこの状態において停止
しているため定位置をとるのに対し、内側の2本のリン
ク21B,21Cの回動中心は回動可能な第2揺動部材
26上に位置しているため、移動しうることになる。こ
のため、第1揺動部材16が図7における実線位置から
破線位置まで上軸6の回転に伴って揺動すると、外側の
2本のリンク21A,21Dは定位置をとるピン51を
中心として揺動するので、ロッド19の下端もピン51
を中心として揺動し、図7において上端より右側に位置
するように傾斜位置をとることになる。すると、このロ
ッド19に枢着されている内側の2本のリンク21B,
21Cは、図5において右側に押し出されるように移動
する。したがって、第2揺動部材26は、図7において
時計方向に揺動され、この結果、針揺動支持部材4を揺
動させる揺動ロッド30は揺動され、針揺動支持部材4
を揺動させることになる。そして、前記第1揺動部材1
6は、上軸6の回転に伴ない、図7における実線位置と
破線位置との間における揺動を繰り返すので、針揺動支
持部材4に支持されている針は、布地を刺している状態
においては、布地送りと同方向へ布地送りと等速で移動
し、布地から抜けている状態においては、布地送りと逆
方向へ移動することになる。すなわち、上軸6の1回転
の約1/2の周期で実線位置から破線位置にいどうし、
また、ほぼ同様の周期で破線位置から実線位置に移動す
ることになる。よって、図8および図9に示すように、
針57の先端は楕円軌跡を描くことになる。図10ない
し図12は、逆方向への針送りを行うときの状態を示す
ものであり、制御部52(図3)からの制御信号により
パルスモータ37を布地送りに同期させるように駆動し
て、図2に示すパルスモータ37の出力軸38を所定の
方向に所定角度回動し、第2クランク42をその長手方
向において中間伝達体48を押す方向に移動させる。す
ると、中間伝達体48が図2において1対のピン47,
47を中心として時計方向に回動され、図10において
角度θだけ図4の状態から回動された状態となる。する
と、図7と揺動開始方向が逆方向となるようにして、針
揺動支持部材4を揺動させることができる。よって、図
11および図12に示すように、針57の先端は図8お
よび図9とは逆方向の楕円軌跡を描くことになる。以上
の構成を利用して、例えば、制御部52によって、始め
図5、6、8、9、11、12における左側から右側へ
と布地を送って返し縫いを行い、ミシンを停止し、つぎ
に、右側から左側へと布地を送って通常縫製を行うよう
に制御することもできる。つまり、返し縫いが開始され
ると、図11および図12に示すように、針57が反時
計回転で楕円軌跡を描くように回転し、布地の送りに追
従して針送りが行われる。このときの針送り量は、予め
操作パネル60によって入力されており、パルスモータ
37は、この入力値によって所定の回転角だけ駆動され
ている。返し縫いが終了すると、ミシンは一時停止さ
れ、通常縫製が開始されると、今度は、図8および図9
に示すように、針57が時計回転で楕円軌跡を描くよう
に回転し、布地の送りに追従して針送りが行われる。こ
のときの針送り量は、予め操作パネル60によって入力
されており、パルスモータ37は、この入力値によって
所定の回転角だけ駆動されている。このように、本実施
形態においては、パルスモータ37を制御部52により
自動的に制御するようにしているので、縫製の1サイク
ルの間でもその布地送り量を容易に切換えることができ
る。以上説明したように、本実施形態の針送りミシンに
よれば、布地送りに対応した針送りを行うことができ、
布地に針の負荷が作用しないので、良好な品質の縫製物
を得ることができる。また、場合によっては、針送りを
行わないように制御することも可能である。一方、本実
施形態の針送りミシンは、歯車やベルトを使用していな
いので、誤差のない正確な針送りを行うことができる。
また、本実施形態の針送りミシンは、クランク機構を用
いているので、針揺動支持部材4の揺動範囲を制限する
ことができ、万一パルスモータ37に異常動作各部品の
干渉を防止することができる。さらに、単一のパルスモ
ータ37しか使用しない簡単な構成により安価に製造す
ることができる。つぎに、本発明に係る針送りミシンの
他の実施形態について説明する。図13から図17は本
発明に係る針送りミシンの他の実施形態を示すものであ
り、図13は全体構成の要部を示す斜視図、図14はミ
シン本体の要部の構造を示す模式図、図15は制御系を
示すブロック図、図16は操作パネルの要部を初期画面
とともに示す平面図、図17は操作パネルの要部を詳細
画面とともに示す平面図である。本実施形態の針送りミ
シンは、スラックス、ジャケット、作業服などのポケッ
ト口や、ジャンパー、布団カバーなどのジッパーの取付
口などに玉縁(割玉)などの飾り縫いを自動的に施すこ
とができるものである。図14に示すように、本実施形
態の針送りミシンは、2本の針57を有するミシン本体
71と、布地を定速で送る連続布地送り手段としての布
地送り手段72と、玉布折り重ね手段73とを有してい
る。前記ミシン本体71は、布地たる身生地上に玉布
(共に図示せず)を重ね合わせた状態で縫製を施すもの
であり、ミシンベッド74上に配設されているミシン本
体71には、図14に示すように、前述した実施形態の
針送りミシンと同様の針棒機構5、ミシン駆動軸である
上軸6、ミシン駆動手段としての上軸6を回転駆動する
ミシン駆動モータ53A(図15)、針棒クランク機構
7、布地の送り方向に針57を揺動するとともに縫い目
ピッチに対する針送り量および針送り方向のうちの少な
くとも一方を変更可能な針送りのための針送り手段とし
て前述した針57を揺動自在に支持する針揺動支持部材
4、上軸6の回転運動を針揺動支持部材4の揺動運動に
変換するための単一のパルスモータ37およびこのパル
スモータ37の出力軸38の回転角に応じて針揺動支持
部材4の揺動の有無および揺動角と揺動開始方向をそれ
ぞれ変更するためのリンク機構21A,21B,21
C,21Dなどが配設されている。さらに、上軸6の先
端部には、この上軸6の回転運動を針棒機構5の上下運
動に変換する針棒クランク機構7が連結されている。な
お、これらの針送り手段の構成は、前述した本発明に係
る針送りミシンの実施形態の針送り手段の構成と同様と
されており、その構成および動作の詳しい説明は省略す
る。また、針送り手段の構成としては、布地の送り方向
に針57を揺動するとともに縫い目ピッチに対する針送
り量および針送り方向のうちの少なくとも一方を変更可
能なものであればよく、特に、本実施形態の針送り手段
の構成に限定されるものではない。図13に戻って、前
記布地送り手段72は、先端部に身生地上に玉布を重ね
合わせた状態で保持する一対の布押え部76を具備して
おり、これらの布押え部76は、正・逆回転可能なサー
ボモータあるいはパルスモータなどからなる布地送りモ
ータ54A(図15)の駆動力をもって、縫製テーブル
77上を、図13において想像線にて示す縫製方向上流
側の両布をセットするセット位置P1から両布に縫製を
施す縫製位置P2を通ってコーナー縫製方向下流側のコ
ーナーメス位置P3へと図13に矢印にて示す縫製方向
に沿って往復動可能かつ上下動可能に配設されている。
また、各布押え部76には、玉布の保持と折り込みとの
両機能を兼ね備えた折込板78がそれぞれ設けられてお
り、この折込板78は、図示しないエアシリンダなどの
アクチュエータの駆動力をもって、縫製方向に対して直
交する方向に個別に移動可能に配設されている。すなわ
ち、セット位置において後述する玉布折り重ね手段73
の布押え足79に対して遠近自在に形成されている。前
記玉布折り重ね手段73は、玉布上に降下可能な断面逆
T字形状の布押え足79を有しており、この布押え足7
9は、図示しないエアシリンダなどのアクチュエータの
駆動力をもって縫製テーブル77上のセット位置P1に
上下動可能に配設されている。また、縫製位置P1に
は、センターメス80が図示しないエアシリンダなどの
アクチュエータの駆動力をもって昇降自在に配設されて
おり、コーナーメス位置P3には、縫製方向に間隔をお
いて2つのコーナーメス81が図示しないエアシリンダ
などのアクチュエータの駆動力をもって昇降自在に配設
されている。一方、図15に示すように、ミシンの制御
をつかさどる制御部82は、少なくともCPU83と、
適宜な容量のROM、RAMなどにより形成されたメモ
リ84とを有している。そして、制御部82には、パル
スモータ37、ミシン駆動モータ53A、布地送りモー
タ54A、操作パネル85、原点センサ86、図示しな
い電源スイッチ、縫製開始スイッチなどの各種のスイッ
チなどが電気的に接続されている。なお、上軸6を回転
駆動するミシン駆動モータ53Aは、針57を上下動す
るミシン駆動手段としての機能を有している。前記原点
センサ86は、例えば、エンコーダなどにより構成され
ており、パルスモータ37の原点位置、詳しくは、パル
スモータ37の出力軸38の回動角度および回動方向の
基準位置を検出してその検出信号を制御部82へ送出で
きるようになっている。そして、制御部82は、原点セ
ンサ86から入力される検出信号に基づいて、パルスモ
ータ37の出力軸38を駆動する入力パルスの数と出力
軸38の回転方向を制御することで、針送り量とその方
向を制御できるようになっている。図16および図17
に示すように、前記操作パネル85には、少なくとも表
示手段87、表示項目選択手段88、入力手段89、リ
セットスイッチ90、準備完了スイッチ91、準備完了
表示灯92などが配設されている。前記表示手段87
は、例えば、タッチパネルなどにより形成されており、
その表示部87Aは、図16に示す電源投入時などの初
期画面と、図17に示す縫製パターン、針送り方向、針
送り量、布地送り方向、縫い目ピッチなどの入力(設
定)、変更、選択を実行可能な詳細画面とが切り換え可
能にされている。一方の初期画面においては、図16に
示すように、バックタック縫い、コンデンス縫いなどの
縫製パターンの種類をあらわすパターン番号の絵記号8
7a、縫製パターンをあらわす絵記号87bなどが表示
できるとともに、各種のエラー表示が可能なように形成
されている。なお、本実施形態の絵記号87bは、縫製
長さの数値を併せて表示できるようにされている。他方
の詳細画面においては、図17に示すように、縫製パタ
ーンの種類をあらわすパターン番号の絵記号87aと、
縫製条件(データ)とが表示されるようになっている。
例えば、バックタック縫いを実行する際に必要な縫い始
め側の通常縫製とは逆方向に布地を送る縫製に用いる時
の布地の送り方向と針送りをあらわす絵記号87baお
よびその針送り量、バックタック縫いを実行する際に必
要な縫い終わり側の通常縫製とは逆方向に布地を送る縫
製に用いる時の布地の送り方向と針送りをあらわす絵記
号87bbおよびその針送り量、通常縫製に用いる時の
布地の送り方向と針送りをあらわす絵記号87bcおよ
びその針送り量、コンデンス縫いを実行する際に必要な
縫い始めおよび縫い終わり側の通常縫製と同じ順方向に
布地を送る縫製に用いる時の布地の送り方向と針送りを
あらわす絵記号87bdおよびその針送り量などが表示
可能とされている。なお、針送り量の表示としては、針
送り量の値そのものを数値で表示するようにしてもよい
が、針送り量を縫い目ピッチに対するパーセントとして
取り扱うことが、縫い目ピッチに対する針送り量の割合
を一定にできるとともに、縫い目ピッチが変わった場合
に針送り量のデータを変更せずに済むという意味で好ま
しい。また、初期画面および詳細画面に表示させる項目
は、設計コンセプトなどの必要に応じて設定すればよ
く、特に、本実施形態の構成に限定されるものではな
い。さらに、表示手段87は、表示項目選択手段88に
よって選択された項目の絵表示部位が点滅などにより容
易に視認できるようにされている。前記表示項目選択手
段88は、表示手段87に表示される表示項目の切り替
えに用いるものであり、十文字状に配置された4つの方
向キー88aを有している。そして、上向きの方向キー
88aを1回押す毎に前記表示手段87に点滅表示され
ている表示部位が上方に隣位する項目の表示部位に移動
し、右向きの方向キー88aを1回押す毎に前記表示手
段87に点滅表示されている表示部位が右方に隣位する
項目の表示部位に移動し、下向きの方向キー88aを1
回押す毎に前記表示手段87に点滅表示されている表示
部位が下方に隣位する項目の表示部位に移動し、左向き
の方向キー88aを1回押す毎に前記表示手段87に点
滅表示されている表示部位が左方に隣位する項目の表示
部位に移動するようになっている。さらに、本実施形態
の表示項目選択手段88は、後述するように、縫製パタ
ーンに応じた布地の送り方向および縫い目ピッチに対す
る針送り量を入力する場合にも用いられる。前記入力手
段89は、少なくとも縫い目ピッチに対する針送り量を
入力する際に用いる0〜9の数値キーと、縫製パターン
に応じた布地の送り方向を入力する際に用いる+,−の
記号キーとの総計12個の入力キー89aを有してい
る。すなわち、本実施形態の入力手段89は、布地の送
り方向および針送り量を入力可能に形成されている。な
お、本実施形態の入力手段89は、後述するように、前
記メモリ84に記憶された複数の縫製パターンから実行
する縫製動作に必要な縫製パターンを選択する選択手段
93としての機能を併せ持っている。前記準備完了スイ
ッチ91は、縫製動作を実行する際に、ON操作して用
いられるようになっている。前記準備完了表示灯92
は、前記準備完了スイッチ91がON操作されると点灯
して準備完了状態を作業者に容易に視認させることがで
きるようになっており、本実施形態においてはLEDに
より形成されている。図15に戻って、前記メモリ84
は、少なくとも縫製パターン記憶部94とプログラム記
憶部95とを有している。一方の縫製パターン記憶部9
4には、複数の縫製パターンがその縫製パターンの種類
をあらわすパターン番号、布地の送り方向、縫い目ピッ
チに対する針送り量などの縫製に必要な縫製データが記
憶されている。つまり、縫製パターン記憶部94には、
布地の送り方向および縫い目ピッチに対する針送り量が
縫製パターンの一部として縫製パターン毎に記憶されて
いる。また、本実施形態においては、複数の縫製パター
ンがパターン番号とともに予め記憶されている。他方の
プログラム記憶部95には、ミシンの動作制御を行うた
めの各種の制御プログラムたる縫製プログラムが記憶さ
れている。このプログラム記憶部95に記憶された縫製
プログラムは、縫製動作を実行する際に、操作パネル8
5からの入力により設定された針送り送り量、あるい
は、操作パネル85から選択された縫製パターンの針送
り量をもって針送りを布地送りに対応させて制御するよ
うになっており、布地の種類に応じて適切な針送り量と
したり、縫製中に布地の送り方向および針送り量のうち
の一方もしくは両者を変更したり、縫製パターンの種類
に応じて適切な布地の送り方向および針送り量とした
り、選択した縫製パターンの縫製を自動的に実行したり
することができるようになっている。なお、各記憶部9
4,95は、1つの素子のアドレスの違う領域で構成し
たり、個別の素子で構成することができる。ここで、上
述した制御部82および操作パネル85の構成による針
送りのデータ入力の一例について説明する。図18は針
送りのデータ入力の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の針送りミシンの針送りのデータ入力は、図
18に示すように、図示しない電源スイッチをON操作
することにより電源を投入して開始する。そして、ステ
ップST01において、図16に示す操作パネル85の表
示手段87の表示部87Aに表示された初期画面におけ
る縫製パターンの種類をあらわすパターン番号を変更す
るか否かを判断する。なお、初期画面におけパターン番
号は、必ずパターン番号のうちの1番を表示させてもよ
いし、前回電源がOFFされた時に選択されていたパタ
ーン番号であってもよく、設計コンセプトなどの必要に
応じて設定することができる。前記ステップST01の判
断がNO(パターン番号を変更しない)場合には、ステ
ップST02に進行し、準備完了スイッチ91がONか否
かを判断し、ステップST02の判断がNO(準備完了ス
イッチ91がOFF)の場合には、ステップST02の判
断がYESになるまで待機し、ステップST02の判断が
YESの場合には、ステップST03へ進行して表示され
ているパターンでの縫製動作の実行モードに入る。な
お、準備完了スイッチ91がONの場合には、準備完了
表示灯92が点灯する。また、縫製動作の実行は、図示
しない縫製開始スイッチをON操作することにより開始
する。前記ステップST01の判断がYES(縫製パター
ンを変更する)の場合には、ステップST04に進行し、
操作パネル85の表示手段87の表示部87Aに変更す
るパターン番号(絵記号87a)を表示中か否かを判断
し、ステップST04の判断がNO(変更するパターン番
号を表示していない)の場合には、ステップST05に進
行して操作パネル85の入力キー89aを操作して所望
のパターン番号を入力し、ステップST04に戻る。前記
ステップST04の判断がYES(変更するパターン番号
を表示中)の場合には、つぎのステップST06におい
て、操作パネル85の表示手段87の表示部87Aの表
示を詳細画面とし、つぎのステップST07に進行する。
なお、初期画面を詳細画面に切り換えるのは、例えば、
表示項目選択手段88の下向き方向キー73aを操作す
ることなどにより行う。なお、ステップST06におい
て、詳細画面とした場合、パターン番号に応じた縫製デ
ータが絵記号とともに表示される。すなわち、入力手段
89は、メモリ84に記憶された複数の縫製パターンか
ら実行する縫製動作に必要な縫製パターンを選択可能な
選択手段93としても機能する。ついで、ステップST
07において針送りのデータ入力が終了したか否かを判断
し、YES(データ入力終了)の場合には前記ステップ
ST02に戻る。前記ステップST07の判断がNO(デー
タ入力を実行する)場合には、ステップST07の判断が
YESになるまでつぎのステップST08に進行して針送
りのデータのデータ入力モードを実行する。ここで、針
送りのデータ入力モードの具体例について説明する。ま
ず、針送りのデータ入力モードの具体例についてバック
タック縫いを例示して説明する。図19はバックタック
縫いを示す説明図である。図19に示すように、飾り縫
いの一種であるバックタック縫いは、玉縁の縫製などに
おいて縫い始めと縫い終わりの縫い目をほどけにくくす
るための縫いパターンであり、縫い始め側の通常縫製と
は逆方向に布地を送りながら縫製が実行される返し縫い
部SBS(図19において誇張して示す)と、本縫いな
どが実行される通常縫製部SSと、縫い終わり側の通常
縫製とは逆方向に布地を送りながら縫製が実行される返
し縫い部EBSとを有している。前記バックタック縫い
における針送りのデータ入力たる設定は、図17に示す
詳細画面において、バックタック縫いをあらわすパター
ン番号、例えば数値の1を有する絵記号87aが表示さ
れている状態で、表示項目選択手段88の方向キー88
aを操作して、返し縫い部SBSをあらわす絵記号87
baを選択して点滅表示させることにより開始する。つ
いで、絵記号87baが点滅表示している状態で、入力
手段89の入力キー89aを操作して、縫い始め側の縫
い目ピッチに対する針送り量たる逆送り針振り量を例え
ば−70%と入力する。この時、針送り量の値そのもの
を数値で表示するようにしてもよいが、針送り量を縫い
目ピッチに対するパーセントとして取り扱うことが、縫
い目ピッチに対する針送り量の割合を常に一定にできる
とともに、縫い目ピッチが変わった場合に針送り量のデ
ータを変更せずに済むという意味で好ましい。なお、−
70%の値の−(負)の記号は、針送りの方向、すなわ
ち、布地送りの方向を通常縫製部SSとは逆方向に行う
ことをあらわしており、これにより布地の送り方向が入
力(設定)されるようになっている。また、+(正)の
記号は、針送りの方向たる布地送りの方向を通常縫製部
SSと同一の順方向に行うことをあらわしている。よっ
て、入力手段89の入力キー89aのうちの+,−の記
号キーを操作することで、布地の送り方向、詳しくは布
地送りモータ54Aの回転方向が入力可能とされてお
り、入力手段89の入力キー89aのうちの+,−の記
号キーは、縫製パターンに応じた布地の送り方向を入力
する入力手段としても機能する。ついで、表示項目選択
手段88の方向キー88aを操作して、返し縫い部EB
Sをあらわす絵記号87bbを選択して点滅表示させ
る。そして、絵記号87bbが点滅表示している状態
で、入力手段89の入力キー89aを操作して、縫い始
め側の逆送り針振り量と同様に、縫い終わり側の縫い目
ピッチに対する針送り量たる逆送り針振り量を例えば−
40%と入力する。ついで、表示項目選択手段88の方
向キー88aを操作して、通常縫製部SSをあらわす絵
記号87bcを選択して点滅表示させる。そして、絵記
号87bcが点滅表示している状態で、入力手段89の
入力キー89aを操作して、縫い始め側の逆送り針振り
量と同様に、通常縫製時の順送り針送り量を+60%と
入力してデータ入力を終了する。以上の操作により入力
された各針送り量は、メモリ84の縫製パターン記憶部
94に縫製パターン番号とともに記憶される。なお、針
送り量を入力した際の正負によりパルスモータ37の回
転方向が設定され、パーセント表示される数値に基づい
てパルスモータを駆動する入力パルスの数が演算されて
設定される。また、データ入力としては、針送り量だけ
ではなく、表示項目選択手段88の方向キー88aを操
作して詳細画面に表示される図示しない各種の絵記号を
選択し、選択した絵記号に対応する値を入力手段89の
入力キー89aを操作して入力することにより、例え
ば、バックタック針数、縫い目ピッチなども入力するこ
とができるように構成されている。そして、各返し縫い
部SBS,EBSにおける布地送りの方向は、布地送り
モータ74の回転方向を通常縫製部SSと逆方向に回転
させることにより実行する。また、本実施形態において
は、詳細画面において、バックタック縫いをあらわすパ
ターン番号とともに、予め縫製パターン記憶部94に記
憶されたデータが絵記号とともに表示されるようになっ
ており、前記データの入力により、縫製パターン記憶部
94に記憶されたデータが上書き変更されることにな
る。そこで、全く新しく、データ入力を実行する場合に
は、初期画面において、すべてのデータが記憶されてい
ない新たなパターン番号を選択するか、針送り量のデー
タのみが記憶されていないパターン番号を選択するとよ
い。つぎに、針送りのデータ入力モードの具体例につい
てコンデンス縫いを例示して説明する。図20はコンデ
ンス縫いを示す説明図である。図20に示すように、コ
ンデンス縫いは、玉縁の縫製などにおいて縫い始めと縫
い終わりの縫い目をほどけにくくするための縫いパター
ンであり、縫い始め側のコンデンス部SOSおよび縫い
終わり側のコンデンス部EOSの縫いピッチは例えば
1.0mmとされており、通常縫製部SSの縫い目ピッ
チ、例えば2.5mmより細かい縫い目の縫製が実行さ
れるようになっている。前記コンデンス縫いにおける針
送りのデータ入力たる設定は、図17に示す詳細画面に
おいて、コンデンス縫いをあらわすパターン番号、例え
ば2の数値を有する図示しない絵記号が表示されている
状態で、表示項目選択手段88の方向キー88aを操作
して、通常縫製部SSをあらわす絵記号87bcを選択
して点滅表示させることにより開始する。ついで、絵記
号87bcが点滅表示している状態で、入力手段89の
入力キー89aを操作して、前記針送り量のデータ入力
と同様に、通常縫製部SSの縫い目ピッチに対する針送
り量たる順送り針振り量を例えば+60%と入力する。
ついで、表示項目選択手段88の方向キー88aを操作
して、縫い始め側のコンデンス部SOSおよび縫い終わ
り側のコンデンス部EOSをあらわす絵記号87bdを
選択して点滅表示させる。そして、絵記号87bdが点
滅表示している状態で、入力手段89の入力キー89a
を操作して、通常縫製部SSの縫い目ピッチに対する針
送り量たる順送り針振り量を例えば+90%と入力して
データ入力を終了する。そして、入力された針送り量
は、メモリ84の縫製パターン記憶部94に記憶され
る。なお、縫い始め側のコンデンス部SOSと、縫い終
わり側のコンデンス部EOSとのそれぞれのコンデンス
縫いピッチを異ならせる構成としてもよい。この場合に
は、縫い始め側のコンデンス部SOSをあらわす絵記号
と、縫い終わり側のコンデンス部EOSをあらわす絵記
号とを個別に設ければよい。その他は、前記バックタッ
ク縫いのデータ入力と同様である。前記メモリ84の縫
製パターン記憶部94に記憶されるデータ構成の内容の
一例を図21に示す。前記バックタック縫いにおける布
地送り動作と針送り動作との関係の一例を図22のタイ
ミングチャートに示す。また、コンデンス縫いにおける
布地送り動作と針送り動作との関係の一例を図23のタ
イミングチャートに示す。このコンデンス縫いにおいて
は、針57が布地から抜けたタイミングでパルスモータ
37を駆動して針送り量の切り換えを実行する。具体的
には、周知の針位置検出装置を用いて針位置を検出し、
針が布地から抜けつぎに布地へと刺さるまでの間に針送
り量の変更を終了する。なお、縫製パターンの種類とし
てバックタック縫いおよびコンデンス縫いを例示して針
送りのデータ入力について説明したが、針送りの必要な
多種多様の縫製パターンについてのデータ入力も実行可
能である。つぎに、前述した構成からなる本実施形態の
作用について説明する。本実施形態の針送り機能付自動
縫製装置においては、図13に示す縫製テーブル77上
のセット位置P1に所定角度にて図示しない布地たる身
生地をセットした後、セット位置P1で上昇して待機し
ている布地送り手段72の布押え部76を降下させて押
え、さらに図示しない布地たる玉布を身生地上の所定位
置に重ね合わせて布地のセットを実行する。その後、セ
ット位置の上方に待機している玉縁布折り重ね手段73
の布押え足79を降下させて玉布を上方から押えてか
ら、両折込板78を布押え足79に接近するように突出
させ、玉布を断面逆T字形状に挟持する。そして、身生
地上に玉布を重ね合わせて玉布を断面逆T字形状保持し
た状態で、布地送りモータ54を駆動して、布押え足7
9をセット位置P1に残したまま、布押え部76および
折込板78とともに両布をセット位置P1からミシン本
体71の針下の縫製位置P2に搬送するとともに、ミシ
ン駆動モータ53Aを駆動して縫製を実行して縫い目を
形成する。この時、入力手段89によって設定される
か、あるいは、選択手段93によって選択されるかした
縫製パターン、縫いピッチおよび布送り方向を決定する
布地送りモータ54Aの回転方向および回転速度、針送
り方向および針送り量を決定するパルスモータ37の回
転軸38の回転角などの縫製動作に必要な条件により制
御部82が各部を制御することで、バックタック縫いや
コンデンス縫いなどの所望の縫い目の縫製を実行する。
この時、バックタック縫いを実行する場合には、縫い始
め側の返し縫い部SBSの縫製を終了した際に、針57
が布地から抜けたタイミングで布地送りモータ54Aお
よびパルスモータ37を駆動することにより、ミシンを
停止させることなく布地および針57の送り方向を変更
して連続的に通常縫製部SSの縫製を開始することがで
きる。そして、通常縫製部SSの縫製を終了した際に
も、針57が布地から抜けたタイミングで布地送りモー
タ54Aおよびパルスモータ37を駆動することによ
り、ミシンを停止させることなく布地および針57の送
り方向を変更して連続的に縫い終わり側の返し縫い部E
BSの縫製を開始することができる。また、コンデンス
縫いを実行する場合には、縫い始め側のコンデンス部S
OSの縫製を終了した際に、針57が布地から抜けたタ
イミングでパルスモータ37を駆動することにより、ミ
シンを停止させることなく針送り量を変更して連続的に
通常縫製部SSの縫製を開始することができる。そし
て、通常縫製部SSの縫製を終了した際にも、針57が
布地から抜けたタイミングでパルスモータ37を駆動す
ることにより、ミシンを停止させることなく針送り量を
変更して連続的に縫い終わり側のコンデンス部EOSの
縫製を開始することができる。すなわち、布地の送り方
向および針送り量のうちの少なくとも一方を、縫製中に
ミシンを一時停止させることなく容易かつ確実に変更す
ることができるので、縫製中に布地の送り方向および針
送り量の一方もしくは両者が変化する縫製パターンの縫
製を容易かつ確実に実行することができるとともに、縫
製パターンの1サイクルの縫製時間を短くして生産性を
向上させることができる。なお、布送り方向、針送り方
向および針送り量の変更そのものにかかわる動作は、ミ
シンを停止させないことの他は前述した実施形態の針送
りミシンと同様であり、その詳しい説明は省略する。ま
た、縫製の開始と同時に、各針57による縫い目間がセ
ンターメス80の上昇によって切り開かれて玉縁孔が形
成される。この縫製・切断後は、両布を挟持したまま布
押え部76および折込板78がコーナーメス位置P3へ
搬送され、その後、コーナーメス81が上昇して玉縁孔
のコーナーが切断されて玉縁の形成が自動的に完了す
る。このように、本実施形態の針送りミシンによれば、
縫製プログラムに基づいて各部の動作を制御して布地の
送り方向および針送り量の少なくとも一方を縫製中に確
実に変更することができる。また、本実施形態の針送り
ミシンによれば、縫製パターンの種類毎に適切な布地の
送り方向および針送り量を入力手段89により任意に設
定できるので、縫製パターンの種類に応じて適切な布地
の送り方向および針送り量とすることができ、縫製中に
布地の送り方向および針送り量の一方もしくは両者が変
化する縫製パターンの縫製を容易かつ確実に実行するこ
とができる。さらにまた、本実施形態の針送りミシンに
よれば、選択手段を操作するという簡単な動作を実行す
ることにより縫製パターンの種類に応じた布地の送り方
向および針送り量を自動的に設定でき、選択した縫製パ
ターンの縫製を自動的に実行することができる。つま
り、布地送り方向、針送り方向、針送り量、縫い目ピッ
チのいずれか一つが縫製中に変化する縫製パターンの縫
製動作を、始めから終わりまで1サイクルの一連の縫製
動作として連続的かつ自動的に容易に実行することがで
きる。またさらに、本実施形態の針送りミシンによれ
ば、布地の送り方向に針を揺動するとともに縫い目ピッ
チに対する針送り量および針送り方向のうちの少なくと
も一方が変更可能な針送り手段として、前述した実施形
態の針送りミシンの針送り手段が用いられているので、
簡単な構成により精度のよい針送りを行うことができ
る。とともに、布地の送り方向および針送り量のうちの
少なくとも一方を縫製中に容易かつ確実に変更すること
ができ、しかも、クランク機構により、針揺動支持部材
の揺動範囲を制限することができ、万一パルスモータに
異常動作が発生しても、各部品の干渉を防止することが
できる。すなわち、布地送りに対応した針送りを行うこ
とができ、布地に針の負荷が作用しないので、良好な品
質の縫製物を得ることができる。また、場合によって
は、針送りを行わないように制御することも可能であ
る。さらに、歯車やベルトを使用していないので、誤差
のない正確な針送りを行うことができる。また、クラン
ク機構を用いているので、針揺動支持部材4の揺動範囲
を制限することができ、万一パルスモータ37に異常動
作各部品の干渉を防止することができる。さらに、単一
のパルスモータ37しか使用しない簡単な構成により安
価に製造することができる。なお、本発明は、前述した
各実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて
種々の変更が可能である。
【発明の効果】本発明の針送りミシンによれば、針送り
量を縫製中に確実に変更することで、様々な縫製態様に
対応することができる。すなわち、前記ミシン駆動手
段、連続布地送り手段および針送り手段を制御して布地
に所望の縫い目を形成する縫製プログラムを有する制御
部とを備え、縫製パターンの縫製動作を、始めから終わ
りまで1サイクルの一連の縫製動作として連続的に実行
する針送りミシンにおいて、前記制御部は、針送り量を
縫製中に変更可能に制御するように構成されているの
で、制御部は、縫製プログラムに基づいて各部の動作を
制御して針送り量を縫製中に変更することができるか
ら、様々な縫製態様に対応することができる。また、縫
い始め(返し縫い部SBS、コンデンス部SOS)及び
縫い終わり(返し縫い部EBS、コンデンス部EOS)
の針送り量を、通常縫製部(SS)の針送り量とは異な
る針送り量にて縫製するように構成しているので、例え
ば、縫い始め及び縫い終わり針送り量を、通常縫製部の
針送り量よりも小さな針送り量に変更すれば、縫い始め
及び縫い終わりの縫い目を確実にほどけにくく縫製する
ことができる等、様々な縫製態様に対応することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る針送りミシンの実施形態を示す
一部を切欠いた正面図
【図2】 図1の分解斜視図
【図3】 図1の実施形態における制御系を示すブロッ
ク図
【図4】 図1の実施形態において針送りを行わないと
きの状態を示す模式図
【図5】 図4の針刺し時における各部品の具体的状態
を示す図1の拡大左側面図
【図6】 図4の針抜け時における各部品の具体的状態
を示す図1の拡大左側面図
【図7】 図1の実施形態において順方向の針送りを行
うときの状態を示す模式図
【図8】 図7の針刺し時における各部品の具体的状態
を示す図1の拡大左側面図
【図9】 図7の針抜け時における各部品の具体的状態
を示す図1の拡大左側面図
【図10】 図1の実施形態において逆方向の針送りを
行うときの状態を示す模式図
【図11】 図10の針刺し時における各部品の具体的
状態を示す図1の拡大左側面図
【図12】 図10の針抜け時における各部品の具体的
状態を示す図1の拡大左側面図
【図13】 本発明に係る針送りミシンの他の実施形態
の全体構成の要部を示す斜視図
【図14】 図13の実施形態におけるミシン本体の要
部の構造を示す模式図
【図15】 図13の実施形態における制御系を示すブ
ロック図
【図16】 図13の実施形態における操作パネルの要
部を初期画面とともに示す平面図
【図17】 図13の実施形態における操作パネルの要
部を詳細画面とともに示す平面図
【図18】 図13の実施形態における針送りのデータ
入力の一例を示すフローチャート
【図19】 図13の実施形態におけるバックタック縫
いを示す説明図
【図20】 図13の実施形態におけるコンデンス縫い
を示す説明図
【図21】 図14の縫製パターン記憶部に記憶される
データ構成の内容の一例を示す説明図
【図22】 図13の実施形態におけるバックタック縫
い時の布地送り動作と針送り動作との関係の一例を示す
タイミングチャート
【図23】 図13の実施形態におけるコンデンス縫い
時の布地送り動作と針送り動作との関係の一例を示すタ
イミングチャート
【符号の説明】
1、74 ミシンベッド 2、71 ミシン本体 4 針揺動支持部材 5 針棒機構 6 上軸 7 針棒クランク機構 8,39 偏心カム 11 第1クランク 16 第1揺動部材 19 ロッド 21A,21B,21C,21D リンク 26 第2揺動部材 30 揺動ロッド 35 角駒 37 パルスモータ 38 パルスモータ37の出力軸 42 第2クランク 48 中間伝達体 52、82 制御部 53、53A ミシン駆動モータ 54、54A 布地送りモータ 57 針 58 針棒 60、85 操作パネル 72 布地送り手段 73 玉布折り重ね手段 83 CPU 84 メモリ 87 表示手段 87A 表示部 87a、87b、87ba、87bb、87bc、87
bd 絵記号 88 表示項目選択手段 88a 方向キー 89 入力手段 89a 入力キー 93 選択手段 94 縫製パターン記憶部 95 プログラム記憶部 SS 通常縫製部 SBS (縫い始め側の)返し縫い部 EBS (縫い終わり側の)返し縫い部 SOS (縫い始め側の)コンデンス部 EOS (縫い終わり側の)コンデンス部 P1 セット位置 P2 縫製位置 P3 コーナーメス位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平澤 裕 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 Fターム(参考) 3B150 AA01 AA11 AA25 BA07 CB14 CB15 CD00 CE01 CE27 DB02 DB08 DE14 DE27 JA03 JA07 JA20 JA28 LA15 LA59 LA73 LB02 NA14 NA55 NA59 NB02 NB03 NC03 NC06 QA02 QA04 QA06 QA07 QA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針を上下動するミシン駆動手段と、 布地を送る連続布地送り手段と、 布地の送り方向に針を揺動するとともに針送り量が変更
    可能な針送り手段と、 前記ミシン駆動手段、連続布地送り手段および針送り手
    段を制御して布地に所望の縫い目を形成する縫製プログ
    ラムを有する制御部とを備え、 縫製動作を、始めから終わりまで1サイクルの一連の縫
    製動作として連続的に実行する針送りミシンにおいて、 前記制御部は、 針送り量を縫製中に変更可能に制御するように構成され
    ていることを特徴とする針送りミシン。
  2. 【請求項2】縫い始め及び縫い終わりの針送り量を、通
    常縫製部の針送り量とは異なる針送り量にて縫製するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の針送りミシン。
JP2001353973A 1999-05-07 2001-11-20 針送りミシン Pending JP2002191887A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001353973A JP2002191887A (ja) 1999-05-07 2001-11-20 針送りミシン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008220920A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Juki Corp 玉縁縫いミシン
CN111945310A (zh) * 2019-05-17 2020-11-17 Juki株式会社 针进给缝纫机

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