JP2002190078A - トンネル防災設備 - Google Patents

トンネル防災設備

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JP2002190078A JP2000389796A JP2000389796A JP2002190078A JP 2002190078 A JP2002190078 A JP 2002190078A JP 2000389796 A JP2000389796 A JP 2000389796A JP 2000389796 A JP2000389796 A JP 2000389796A JP 2002190078 A JP2002190078 A JP 2002190078A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中継増幅盤の電源ダウンに対し防災受信盤や特
定の中継増幅盤の電源負荷を大きく変動させることなく
電源供給をバックアップすると共に最終端まで信号を伝
送する。 【解決手段】防災受信盤から引き出された電源線SV、コ
モン線SC及び信号線SA,Sb を含む伝送路にトンネル内に
設置した検出器5や制御機器等の端末機器を接続すると
共に所定間隔毎に中継増幅盤7-1,7-2 を接続し、各中継
盤は端末側となる下り側電源線に電源を供給してトンネ
ル内を監視制御する。中継増幅盤7-1,7-2 には、受信盤
側となる上り側電源線の電源電圧を監視して電圧低下を
検出する電圧低下検出回路10と、電圧低下検出回路10の
検出出力が得られた際に上り側の電源線SVとコモン線SC
に対し設けた折返し接点b1,b2 を閉じて中継盤電源をバ
ックアップ電源として供給とするバックアップ回路と、
コモン線側の接点b1を電源ダウンに伴なって閉じるバ
イパス接点a2及びバイパス接点a1,a3,a4を備えたバイパ
ス回路を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防災受信盤から引
き出された電源線、コモン線及び信号線を含む伝送路に
トンネル内に設置した検出器や制御機器等の端末機器を
接続すると共に所定間隔毎に中継増幅盤を接続してトン
ネル内を監視制御するトンネル防災設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車専用道路のトンネルに使用
される防災設備として、防災受信盤からトンネル内に引
き出された伝送路に接続している複数の端末機器にアド
レスを割当て、アドレスを指定した各種のコマンドの送
信により火災検知器の情報収集による火災監視や、火災
を判断した際の水噴霧ヘッドからの放水制御等を行う所
謂R型伝送方式をとっている。
【0003】このようなR型伝送方式を採用したトンネ
ル防災設備では、例えば図6のように、防災受信盤10
1からトンネル内に引き出された伝送路102に対し例
えば火災検知器105を接続している。また伝送路10
2での電圧低下を防止するため、トンネル内の約800
メートルといった一定間隔毎に中継増幅盤107を配置
している。
【0004】ここで伝送路102は、電源線SV、コモ
ン線SC、端末側に電圧モードで信号を送る下り信号線
SA、端末から電流モードで信号を送り返す上り信号線
SBから構成されている。また中継増幅盤107は電源
を内蔵しており、各中継器107より端末側となる下り
電源線SVとコモン線SC間に電源を供給している。
尚、最初の中継増幅盤107までの間は防災受信盤10
1からの電源供給となる。
【0005】ところで、このようなトンネル防災設備の
中継増幅盤で電源等に異常が生じた場合には、特開20
00−207654号のように、伝送路2をバイパスす
る方法が公知である。
【0006】図7は図6の中継増幅盤に公知のバイパス
方法を適用した場合であり、リレー接点a11〜a1
4,a21〜a24を使用し、4線ともバイパスしてい
る。即ち、電源ダウン等の異常が起きた際には、リレー
接点a11,a12,a21,a22をバイパス側に切
替えて上り及び下りの電源線SVとコモン線SCをバイ
パス接続する。同時に、リレー接点a13,a14,a
23,a24をバイパス側に切替え、上り及び下りの信
号線SA,SBを信号処理部108を迂回するようにバ
イパス接続する。
【0007】なお、通常は、リレー接点a11,a1
2,a21,a22はバイパスされておらず、図示しな
い電圧検出回路によって電源線SV及びコモン線SC間
の電圧を監視している。また、リレー接点a13,a1
4,a23,a24は、通常時はバイパスしておらず、
信号線SA,SBの信号を波形整形したり、増幅したり
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな中継増幅盤の4線をバイパスする方法にあっては、
例えば施工中等に複数の中継増幅盤107の電源を落と
した状態で防災受信盤101の電源を投入すると、防災
受信盤101は電源を落としている中継増幅盤107の
下り側の伝送路2に接続している全ての端末機器に電源
を供給することとなり、通常時の複数倍の端末が防災受
信盤101に接続され、電源の負荷が大きくなり、防災
受信盤101の電源がダウンしてしまう恐れがあった。
【0009】また防災受信盤の電源ダウンを回避するた
め、端末機器の台数分の容量をもった電源を設けること
は、コストおよび構造上から困難である。更に、中継増
幅盤についても、その下り側に配置している複数の中継
増幅盤の電源を落とした場合にも、中継増幅盤が以降の
バイパスしている中継増幅盤に接続されている端末に対
して電源を供給する必要があり、同一の問題が発生す
る。
【0010】これにより中継増幅盤がダウンすると更に
前段の中継増幅盤がダウンすることになり、結果的には
システム全体がダウンする可能性がある。なお、上記の
バイパス動作は、中継増幅盤の電源異常のみならず、信
号処理部108の異常時にも行われる。
【0011】本発明は、中継増幅盤の電源ダウン等の異
常時に防災受信盤や上り側に位置する特定の中継増幅盤
の電源負荷を大きく変動させることなく安定して電源供
給をバックアップすることのできるトンネル防災設備を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。本発明は、防災受信盤か
ら引き出された電源線及び信号線を含む伝送路にトンネ
ル内に設置した検出器や制御機器等の端末機器を接続す
ると共に所定間隔毎に中継増幅盤を接続し、各中継盤は
端末側となる下り側電源線に電源を供給してトンネル内
を監視制御するトンネル防災設備を対象とする。
【0013】このようなトンネル防災設備につき本発明
は、中継増幅盤に、受信盤側となる上り側電源線の電源
電圧を監視して電圧低下を検出する電圧低下検出回路
と、上り側の電源線に盤内蔵電源を接続する折返し接点
を設け、電圧低下検出回路の検出出力が得られた際に、
上り側の電源線に設けた折返し接点を閉じることにより
上り側の電源線に電源を供給するバックアップ回路と、
信号線に盤内の信号処理部をバイパスさせるバイパス接
点を接続し、盤の異常時にバイパス接点を閉じて信号線
をバイパスするバイパス回路とを備えたことを特徴とす
る。
【0014】バックアップ回路は、電圧低下検出回路の
検出出力により作動する折返しリレーを備え、この折返
しリレーの常開リレー接点(ノーマルオープン接点)を
折返し接点に使用する。またバイハス回路は、盤の正常
時に作動し、異常時に非作動となるバイパスリレーを備
え、このバイパスリレーの常閉リレー接点(ノーマルク
ローズ接点)をバイパス接点に使用する。
【0015】このため施工中の立上げ時や運用中に中継
増幅盤が電源ダウン等の異常が発生した場合、ダウンし
た中継増幅盤の下り側に隣接して配置している中継増幅
盤が電源電圧の低下を検出して上り側に電源を折り返す
電源のバックアップ動作を行い、このとき電源ダウンを
起した中継増幅盤ではバイパス接点が閉じてコモン線の
オープン状態にある折返し接点をバイパスすると共に、
信号線をバイパスすることとなり、中継増幅盤は、通常
時に電源を供給している下り側伝送路に接続した負荷に
電源バックアップを行う上り側伝送路に接続した負荷を
加えた電源容量を持てばよく、防災受信盤や特定の中継
増幅盤の電源負荷を大きく増やす必要がなく、各盤の電
源容量をバックアップを考慮しても十分に小さくでき、
設備のコストを低減できる。
【0016】また中継増幅盤の電源バックアップ区間
は、上り側の1区間(隣接する中継増幅盤までの区間)
に限定され、複数の中継増幅盤をバイパスして電源バッ
クアップする場合に比べ線路距離が短い分、電圧降下を
小さくできる。そして、防災受信盤からの信号は確実に
最終まで伝わることができる。
【0017】更に本発明の伝送路で使用する信号線は、
防災受信盤から端末に電圧モードで信号を伝送する下り
信号線と、端末から防災受信盤に電流モードで信号を伝
送する上り信号線を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明のトンネル防災設備
のシステム構成の説明図である。
【0019】図1において、防災受信盤1はトンネル設
備の監視室に設置されており、監視室に設置された防災
受信盤1から上りトンネルに対し上りトンネル伝送路2
aが引き出され、また下りトンネルに対し下りトンネル
伝送路2bが引き出されており、この実施形態では上り
トンネル伝送路2a側を示している。
【0020】上りトンネル伝送路2aとしては、防災受
信盤1より検知器ライン3と中継器ライン4が引き出さ
れている。検知器ライン3及び中継器ライン4は、トン
ネル内の道路の路肩のトンネル壁根元部分に構築した監
視員通路のダクト内などに配線されている。
【0021】検知器ライン3には所定間隔で火災検知器
5が接続され、また中継器ライン4には所定間隔で水噴
霧用ヘッドからの水噴霧制御を行うための中継器6を接
続している。更に検知器ライン3及び中継器ライン4に
対しては、一定間隔例えば800メートルの間隔ごとに
中継増幅盤7−1,7−2,・・・7−nが設けられて
いる。
【0022】更に防災受信盤1に対してはポンプ制御盤
20が設けられ、水噴霧用ヘッドの放水制御の際にはポ
ンプ制御盤20より図示しない消火ポンプを運転して加
圧消火用水をトンネル内のヘッドに供給して、水噴霧制
御を行うようにしている。
【0023】防災受信盤1と火災検知器5の間、防災受
信盤1と中継器6及び中継増幅盤7−1〜7−nとの間
の制御信号及び応答信号の伝送は、それぞれに固有のア
ドレスが予め割り当てられており、制御対象または応答
先を指定したアドレスを含む制御信号または応答信号を
検知器ライン3及び中継器ライン4を介して転送し、受
信側にあっては自己アドレスに一致するアドレスの制御
信号または応答信号を受けて必要な処理を行うようにな
る。
【0024】この防災受信盤1と火災検知器5、中継器
6、中継増幅盤7−1〜7−nとの間の伝送は、処理要
求が発生した際にアドレスを含む制御信号または応答信
号を送出する伝送方式以外に、防災受信盤1から一定間
隔でポーリングコマンドを端末側に送信し、ポーリング
コマンドによる制御とポーリングコマンドに対する応答
コマンドによる応答信号の返送を行うようにしてもよ
い。
【0025】図2は図1の中継増幅盤7−1,7−2の
部分を取り出して示した本発明による中継増幅盤の実施
形態の回路ブロック図である。
【0026】図2において、中継増幅盤7−1には防災
受信盤1側より検知器ライン3aと信号変換器(中継
器)ライン3bが接続されている。検知器ライン3a側
を例にとると、防災受信盤1からは、電源線SV、コモ
ン線SC、電圧モードで防災受信盤1側から端末側に信
号を伝送する下り信号線SA、端末側から防災受信盤1
に対し電流モードで信号を伝送する信号線SBの4本を
接続している。
【0027】この点は信号変換器ライン3bについても
同様に、電源線SV、コモン線SC、下り信号線SA、
上り信号線SBの4線で構成される。中継増幅盤7−1
には、電源部18が設けられ、AC100Vの商用交流
電源等からDC48Vを作り出している。
【0028】検知器ライン3a側について説明すると、
電源部18からのDC48Vの電源出力は、ダイオード
D2を介して端末側となる下り側の電源線SVとコモン
線SC間に供給されている。電源部18に対する上り側
の電源線SV及びコモン線SCに対しては、信号処理部
8に接続した折返しリレーBのリレー接点b1,b2が
挿入され、電源線SV側にはダイオードD1が接続され
る。
【0029】リレー接点b1,b2は折返しリレーBの
常開リレー接点(ノーマルオープン接点)であり、通常
時、折返しリレーBは非作動であり、リレー接点b1,
b2は図示のように開いており、このため電源部18は
上り側の電源線SVとコモン線SC間に電源供給は行っ
ていない。
【0030】この折返しリレーBとリレー接点b1,b
2により本発明における電源のバックアップ回路が構成
される。
【0031】また上り側の電源線SVとコモン線SCの
間には電圧低下検出回路10−1が設けられる。電圧低
下検出回路10−1は上り側の電源線SVとコモン線S
C間の電源電圧を監視しており、電源電圧が規定電圧以
下もしくは0V付近に低下すると電圧低下検出信号を信
号処理部8に出力し、折返しリレーBを作動する。
【0032】折返しリレーBが作動されると、そのリレ
ー接点b1,b2が閉じ、電源部18からのDC48V
はリレー接点b1,b2を通って上り側の電源線SVと
コモン線SC間に供給され、中継増幅盤7−1の前段の
端末にもDC48Vを供給し、この電源の折り返しによ
るバックアップを行う。
【0033】中継増幅盤7−1の信号処理部8に対して
は、検知器ライン3aの下り信号線SAが電圧バッファ
アンプ12aを介して入力接続され、その出力は電圧バ
ッファアンプ12bを介して下り側の下り信号線SAに
接続されている。また下り側の上り信号線SBは電流バ
ッファアンプ13aを介して信号処理部8に接続され、
その出力は電流バッファアンプ13bを介して上り側の
上り信号線SBに接続されている。
【0034】この下り信号線SA及び上り信号線SBの
各系統には、信号処理部8に接続しているバイパスリレ
ーAの切替リレー接点a1,a3,a4が設けられ、更
にそのリレー接点a2をコモン線SC側に挿入している
電源折返し用のリレー接点b2と並列に接続している。
【0035】信号処理部8に接続しているバイパスリレ
ーAは、電源部18からDC48Vが供給されている正
常時に作動し、図示のように切替リレー接点a1,a
3,a4を信号処理部8側に閉じ、またリレー接点a2
を開いている。中継増幅盤7−1で電源ダウンや信号処
理部8の処理ダウンなどの異常が起きると、信号処理部
8に電源供給が行われなくなることや信号処理部8が正
常に動作しなくなることで、バイパスリレーAは非作動
状態に復旧し、これによって切替リレー接点a1,a
3,a4はバイパス側に切り替わり、またリレー接点a
2が閉じて電源折返し用のリレー接点b2をバイパスす
る。
【0036】この信号線のバイパスは、下り信号線SA
側については、上り側の電圧バッファアンプ12a、信
号処理部8及び電圧バッファアンプ12bを迂回するバ
イパス回路をリレー接点2aのバイパス範囲の切替えで
形成する。また上り信号線SB側にあっては、リレー接
点a4及びa1がバイパス側に切り替わることで、電流
バッファアンプ13a、信号処理部8、電流バッファア
ンプ13bの経路を迂回したバイパス経路を形成する。
【0037】ここでバイパスリレーAのリレー接点a2
により、コモン線SCに対する本発明におけるバイパス
回路が構成される。なお、電源線SVに関してはバイパ
スを行わない。これは、後段の中継増幅盤7−2から中
継増幅盤7−1側に電源が供給さるのでバイパスの必要
はない。
【0038】このような検知器ライン3a側の電圧低下
検出回路、バックアップ回路及びバイパス回路の構成
は、信号変換器ライン3b側についても同様であり、電
圧低下検出回路10−2、折返しリレーBとそのリレー
接点b3,b4を備えたバックアップ回路、及びバイパ
スリレーBとその切替リレー接点a5,a7,a8とリ
レー接点a6を備えたバイパス回路で構成される。また
中継増幅盤7−1の下り側に接続している中継増幅盤7
−2においても、同じ回路構成が設けられている。
【0039】次に本発明のトンネル防災設備の中継増幅
盤側における電源供給及び電源バックアップの動作を検
知器ライン3a側を例にとって説明する。まず防災受信
盤1に接続している中継増幅盤7−1〜7−nが全て正
常な場合には、図2の中継増幅盤7−1に示したよう
に、各中継増幅盤7−1〜7−nにあっては、折返しリ
レーBが非作動、バイパスリレーAが作動となり、リレ
ー接点b1,b2は開いていることから電源部18−1
からのDC48Vは下り側の電源線SV,コモン線SC
間にのみ供給される。
【0040】また下り信号線SAと上り信号線SBにあ
っては、リレー接点a1,a3,a4が信号処理部8側
に閉じ、下り信号線SAの電圧モードの信号を電圧増幅
により波形整形して次の中継増幅盤7−2に送り出し、
また中継増幅盤7−2側からの電流モード信号による応
答信号を電流バッファアンプ13a,13bで規定電流
に戻して上り側の信号線に出力している。
【0041】図3は図1の中継増幅盤7−1〜7−4の
4台を例にとって、電源線SVとコモン線SCについて
電源供給状態を取出している。図3の定常時にあって
は、中継増幅盤7−1〜7−4のいずれにおいてもリレ
ー接点b1,b2は全て開いており、したがって各中継
増幅盤7−1〜7−4の電源48Vは下り側に位置する
電源線SVとコモン線SC間に供給されている。
【0042】次に図2の中継増幅盤7−2で電源ダウン
が起きた場合の動作を説明する。中継増幅盤7−2で電
源ダウンが起きたとすると、下り側の電源線SVとコモ
ン線SC間に対するDC48Vの供給が行われなくな
る。このため、中継増幅盤7−2の下り側に接続してい
る中継増幅盤7−3の電圧低下検出回路10−1が電源
電圧の低下を検出して検出出力を生じ、信号処理部8に
接続している折返しリレーBを作動する。
【0043】このため中継増幅盤7−3のリレー接点b
1,b2が閉じ、図4の中継増幅盤7−3に示すよう
に、電源DC48Vをリレー接点b1,b2を介して、
電源ダウンを起こしている中継増幅盤7−2側の電源線
SVとコモン線SC間に供給する電源折り返しを行って
バックアップする。
【0044】また電源ダウンを起こした中継増幅盤7−
2にあっては、電源ダウンによってバイパスリレーAが
非作動状態に復旧し、このためリレー接点a1,a3,
a4がバイパス側に切り替わり、電源ダウンを起こして
いる中継増幅盤7−2の信号処理部8を迂回したバイパ
ス経路により、電源ダウンを起こした中継増幅盤7−2
に接続している下り信号線SA及び上り信号線SBの両
端同士を直接接続するバイパス接続とする。
【0045】同時に、リレー接点b2に並列接続してい
るリレー接点a2が図4の電源ダウンを起した中継増幅
盤7−2に示すように閉じ、コモン線のリレー接点b2
をバイパスする。よって、防災受信盤1からの信号は、
中継増幅盤7−2をバイパスして中継増幅盤7−3以降
に伝送される。なお、伝送信号は、1,2台程度の中継
増幅盤をバイパスしても、信号の伝送品質に特に問題は
ない。
【0046】この中継増幅盤7−2で電源ダウンが起き
た時の電源バックアップとバイパス切替えは、信号変換
器ライン3b側についても同様である。
【0047】図5は中継増幅盤7−1〜7−4の内、隣
接する2つの中継増幅盤7−2,7−3が電源ダウンを
起こした場合の動作を、電源線SVとコモン線SC側に
ついて表わしている。
【0048】2台の中継増幅盤7−2,7−3に電源ダ
ウンが起きると、中継増幅盤7−3に続く下り側の中継
増幅盤7−4において電圧低下が検出され、これによっ
て折返しリレーBが作動し、そのリレー接点b1,b2
を閉じ、電源折り返しにより電源ダウンを起こした中継
増幅盤7−3との間の上り側の電源線SVとコモン線S
C間の電源を供給してバックアップする。
【0049】しかしながら、中継増幅盤7−2の電源ダ
ウンによる電圧低下は、次の中継増幅盤7−3も電源ダ
ウンを起こしていることから、電圧低下を検出して電源
折返しによるバックアップを行うことができず、中継増
幅盤7−2と中継増幅盤7−3の間に接続している端末
機器が電源ダウンにより動作が停止し、この区間が未監
視区間となる。
【0050】このように未監視区間ができるのは2台以
上の中継増幅盤が連続して電源ダウンを起こした場合で
あり、係る事態は施工中などにあっては起きるが、通常
の運用状態にあってはその可能性は極めて低く、万一、
未監視区間が発生しても防災受信盤1側で電源ダウンが
認識できることから、適切に対応できる。
【0051】また図5のように2台の中継増幅盤7−
2,7−3が連続して電源ダウンを起こした場合、コモ
ン線SC側のリレー接点b2は開いたままであることか
ら、この場合にもバイパスリレーBの非作動状態の復旧
によってリレー接点a2を閉じ、電源ダウンを起こした
中継増幅盤7−2,7−3のコモン線SC側のリレー接
点b2をバイパスする。よって、防災受信盤1よりの信
号は確実に最後の端末まで伝送される。
【0052】なお上記の実施形態にあっては、電源のバ
ックアップ回路及び電源と信号のバイパス回路をリレー
とそのリレー接点により実現しているが、トランジス
タ、FETの半導体スイッチを使用して良い。
【0053】また、上記の実施形態においては、信号線
のバイパスは中継増幅盤の電源がダウンした場合に行う
構成としたが、これに限らず、信号処理部8などの内部
回路の異常時に行っても良い。
【0054】また本発明は、その目的と利点を損なわな
い適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値
による限定は受けない。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、防災受信盤からの伝送路に接続している中継増幅盤
に電源ダウン等の異常が起きた場合、ダウンした中継増
幅盤の下り側に隣接して配置している中継増幅盤が電源
電圧の低下を検出して上り側に電源を折返す電源のバッ
クアップ動作を行うこととなり、通常時の電源供給とバ
ックアップでの電源供給を考慮すると、中継増幅盤は下
り側と上り側の各区間に接続している端末機器を負荷と
する電源容量を持てば良く、防災受信盤や特定の中継増
幅盤の電源負荷を大きく増やす必要がなく、各盤におけ
る電源バックアップの際の容量を考慮しても、電源容量
を十分に小さくでき、設備構成を結果として低減するこ
とができる。
【0056】また中継増幅盤の電源バックアップ区間は
上り側の1区間に限定され、複数の中継増幅盤をバイパ
スして電源バックアップを行う場合に比べ、バックアッ
プする線路距離が短い分バックアップ時の電圧降下を小
さくでき、信頼性の高い電源バックアップができる。
【0057】更に、信号線に関しては、中継増幅盤のダ
ウン時にバイパス回路を形成することで確実に最終の端
末や中継増幅盤まで信号を送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成図
【図2】図1の中継増幅盤の実施形態を示した回路ブロ
ック図
【図3】複数の中継増幅盤による正常時の電源供給状態
の説明図
【図4】図3において1台の中継増幅盤が電源ダウンし
た場合のバックアップ動作の説明図
【図5】図3において隣接する2台の中継増幅盤が電源
ダウンした場合のバックアップ動作の説明図
【図6】R型のトンネル防災設備の説明図
【図7】図6つき公知のバイパス方式を適用した中継増
幅盤の回路ブロック図
【符号の説明】
1:防災受信盤 2a:上りトンネル伝送路 2b:下りトンネル伝送路 3:検知器ライン 4:中継器ライン 5:火災検知器 6:中継器 7−1〜7−n:中継増幅盤 8:信号処理部 10,11:電圧低下検出回路 12a,12b,14a,14b:電圧バッファアンプ 13a,13b,15a,15b:電流バッファアンプ 16:電動弁 17;水噴霧ヘッド 18:電源部 20:ポンプ制御盤 A:バイパスリレー B:折返しリレー a1,a3,a4,a5,a7,a8:切替リレー接点 a2,a5:リレー接点(バイパス接点) b1,b2:リレー接点(折返し接点)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C087 AA02 AA03 AA19 BB06 BB51 BB74 CC12 CC48 DD04 DD28 EE20 FF01 FF03 FF04 FF10 FF12 GG56 GG63 GG65 GG72 GG79 5G405 AA03 AA06 BA01 CA19 CA29 CA38 CA39 CA50 DA16 EA60 FA25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防災受信盤から引き出された電源線及び信
    号線を含む伝送路にトンネル内に設置した検出器や制御
    機器等の端末機器を接続すると共に所定間隔毎に中継増
    幅盤を接続し、各中継増幅盤は端末側となる下り側電源
    線に電源を供給してトンネル内を監視制御するトンネル
    防災設備に於いて、 前記中継増幅盤に、 受信盤側となる上り側電源線の電源電圧を監視して電圧
    低下を検出する電圧低下検出回路と、 上り側の電源線に盤内蔵電源を接続する折返し接点を設
    け、前記電圧低下検出回路の検出出力が得られた際に、
    上り側の電源線に設けた折返し接点を閉じることにより
    上り側の電源線に電源を供給するバックアップ回路と、 前記信号線に盤内の信号処理部をバイパスさせるバイパ
    ス接点を接続し、盤の異常時に前記バイパス接点を閉じ
    て信号線をバイパスするバイパス回路と、を備えたこと
    を特徴とするトンネル防災設備。
  2. 【請求項2】請求項1記載のトンネル防災設備に於い
    て、 前記バックアップ回路は、前記電圧低下検出回路の検出
    出力により作動する折返しリレーを備え、前記折返しリ
    レーの常開リレー接点(ノーマルオープン接点)を前記
    折返し接点に使用し、 前記バイパス回路は、盤の正常時に作動し、異常時に非
    作動となるバイパスリレーを備え、前記バイパスリレー
    の常閉リレー接点(ノーマルクローズ接点)を前記バイ
    パス接点に使用したことを特徴とするトンネル防災設
    備。
  3. 【請求項3】請求項1記載のトンネル防災設備に於い
    て、信号線は、防災受信盤から端末に電圧モードで信号
    を伝送する下り信号線と、端末から前記防災受信盤に電
    流モードで信号を伝送する上り信号線を含むことを特徴
    とするトンネル防災設備。
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