JP2002189037A - サンプリングデジタイザ及びこのサンプリングデジタイザを備えた半導体集積回路試験装置 - Google Patents

サンプリングデジタイザ及びこのサンプリングデジタイザを備えた半導体集積回路試験装置

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JP2002189037A JP2000388809A JP2000388809A JP2002189037A JP 2002189037 A JP2002189037 A JP 2002189037A JP 2000388809 A JP2000388809 A JP 2000388809A JP 2000388809 A JP2000388809 A JP 2000388809A JP 2002189037 A JP2002189037 A JP 2002189037A
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Masao Sukai
昌郎 須貝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ信号を取り込むためのトリガ信号を発
生するトリガ回路のミストリガを防止したサンプリング
デジタイザを提供する。 【解決手段】 サンプリングヘッド11と、クロック発
生部12と、波形デジタイザ13と、トリガ回路14と
を具備するサンプリングデジタイザにおいて、サンプリ
ングヘッドからトリガ回路に至る低速のデータ信号の供
給経路にローパスフィルタ22を挿入する。このローパ
スフィルタによってサンプリングされた低速のデータ信
号に含まれる大きな振幅の多くのノイズを、トリガ回路
14に入力される前に、積分して抑圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般には、この
技術分野で「サンプリングデジタイザ」と呼ばれてい
る、高速の繰り返し信号の波形を低速の繰り返し信号の
波形に変換して観測、測定、解析等を行なう装置(以
下、サンプリングデジタイザと称す)に関し、詳しく言
うと、ジッタ(ノイズ)の多い高速の繰り返し信号が入
力されても、サンプリングされたデータ信号を取り込む
ためのトリガ信号を正しいタイミングで発生することが
できるサンプリングデジタイザ、及びこのサンプリング
デジタイザを備えた半導体集積回路試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この技術分野で良く知られているよう
に、サンプリングデジタイザは、図1に示すように、サ
ンプリングヘッド(通常、ダイオードブリッジを備えた
回路によって構成されている)又はサンプル・ホールド
回路11と、クロック発生部12と、信号波形を観測、
測定及び/又は解析する装置(以下、波形デジタイザと
称す)13と、トリガ回路14とを備え、サンプリング
ヘッド又はサンプル・ホールド回路11に入力される高
速の繰り返し信号(波形)HRSを、後述する等価サン
プリング方法により、低速の繰り返し信号(波形)に変
換し、波形デジタイザ13に取り込んでこの低速の繰り
返し信号の波形の観測、測定、解析等を行なうことによ
り、入力された高速の繰り返し信号HRSの波形の観
測、測定、解析等を行なうことができる装置である。な
お、以下においてはサンプリングヘッドを使用した場合
について説明するが、サンプル・ホールド回路を使用し
た場合にも同様の動作が行なわれることは言うまでもな
い。
【0003】等価サンプリング方法とは、例えば図2A
に示す周期Tの高速の繰り返し信号HRSがサンプリン
グヘッド11に入力された場合、この高速の繰り返し信
号HRSの波形を特定のサンプル点(例えばa点)から
一定の微小時間間隔Δt毎に順次にサンプリングするた
めには、この高速の繰り返し信号HRSよりもさらに高
速の周期Δtのクロック信号を発生させなければなら
ず、例えば高速の繰り返し信号HRSの周波数が1GH
zのように高い場合等においては、これは不可能であ
る。このため、高速の繰り返し信号HRSの波形を、そ
の特定のサンプル点(例えばa点)から、周期Tよりか
なり長い一定の周期nT毎に一定の微小時間間隔Δtだ
け順次にサンプル点をずらして、サンプリングする。具
体的には、図2Bに示すように、クロック発生部12か
ら(nT+Δt)の一定のサンプリングレート(周期)
T1でクロック信号CLK1を発生させ(従って、その
周波数は1/(nT+Δt)となる)、サンプリングヘ
ッド11に供給する。その結果、高速の繰り返し信号H
RSに対するサンプルタイミングt1、t2、t3、・
・・は一定の微小時間Δtだけ順次に遅れるから、高速
の繰り返し信号HRSの波形を特定のサンプル点(例え
ばa点)から一定の微小時間間隔Δt毎に順次にサンプ
リングすることによって得られる波形データと実質的に
同じ波形データを取得することができる。
【0004】サンプリングヘッド11からは、図2Cに
示すように、サンプルタイミングt1、t2、t3、・
・・に応じて振幅レベルが段階的に変化する波形データ
a、b、c、・・・に変換された低速のデータ信号SM
PDがサンプリングレートT1で発生される。これら波
形データa、b、c、・・・を波形デジタイザ13に取
り込み、一定の微小時間間隔Δtで合成し、再現する
と、図2Dに示すように、サンプリングレートT1と高
速の繰り返し信号HRSの1周期T当りのサンプル数と
を乗算した周期T3を有する低速の繰り返し信号LRS
1が得られる。この低速の繰り返し信号LRS1の波形
は高速の繰り返し信号HRSの波形と実質的に同じにな
る。
【0005】ここで、nは、高速の繰り返し信号HRS
の周波数を、一定の微小時間Δtを加算しない周期nT
のクロック信号の周波数(=1/nT)で割算した値で
あり、正の整数である。従って、1/nTは高速の繰り
返し信号HRSの波形を一定の周期nT毎に固定のサン
プル点(例えば波形の前縁の一定振幅点)でサンプリン
グする際に使用されるクロック信号の周波数を表す。な
お、上記一定の微小時間間隔Δtは、高速の繰り返し信
号HRSの波形の隣り合う2つのサンプル点間の時間間
隔と等価であるため、この技術分野では等価サンプリン
グ時間と呼ばれている。本明細書においてもΔtを等価
サンプリング時間と称す。
【0006】なお、図2においては、等価サンプリング
方法の動作を容易に理解できるようにするため、高速の
繰り返し信号HRSの波形を拡大し、かつ等価サンプリ
ング時間Δtを長くしている。このため、図ではn=3
となり、サンプリングレートT1=3T+Δtとなる
が、以下に述べるように、通常は高速の繰り返し信号H
RSの周波数が周期nTのクロック信号の周波数より非
常に高いので、nは相当に大きな値となる。具体的数値
を用いて説明すると、例えば高速の繰り返し信号HRS
の周波数が1GHz(従って、その周期Tは1nsとな
る)であり、周期nTのクロック信号の周波数が1MH
zである場合に、この高速の繰り返し信号HRSの1周
期T(1ns)当りのサンプル数を100(高速の繰り
返し信号HRSの1周期Tから100のデータを取得す
る)とすると、隣接する2つのサンプル点間の時間間隔
は1ns/100=10psとなる。即ち、等価サンプ
リング時間Δtは10psとなる。よって、クロック発
生部12からサンプリングレートT1=1ns×(1G
Hz/1MHz)+10ps=1μs+10psでクロ
ック信号CLK1を発生させ、サンプリングヘッド11
に供給すると、サンプリングヘッド11からは、サンプ
ルタイミングt1、t2、t3、・・・に応じて振幅レ
ベルが段階的に変化する波形データa、b、c、・・・
がサンプリングレートT1=1μs+10psで発生さ
れる。これら波形データを波形デジタイザ13に取り込
み、取り込んだ波形データを等価サンプリング時間10
psの時間間隔で合成し、再現すると、図2Dに示す
(1μs+10ps)×100の周期T3を有する低速
の繰り返し信号LRS1が得られる。
【0007】一方、高速の繰り返し信号のジッタを測定
する場合には、この繰り返し信号のジッタを測定したい
点又は観測したい点(通常は信号波形の変化の激しい部
分、例えば信号波形の立ち上がりエッジの半値点近傍の
一定振幅点)を一定の周期でサンプリングする必要があ
る。このような場合、従来は同期(インフェース)サン
プリングと呼ばれるサンプリング方法をサンプリングデ
ジタイザに適用して高速の繰り返し信号の測定したい点
又は観測したい点(以後、単にジッタ測定点と称す)に
おけるジッタを測定している。
【0008】次に、図3を参照して同期サンプリング方
法について簡単に説明する。図3Bに示す高速の繰り返
し信号HRSがサンプリングヘッド11に入力された場
合、この信号HRSのジッタ測定点、この例では信号波
形の立ち上がりエッジの半値点近傍の一定振幅点mをサ
ンプリングする図3Cに示すサンプリングレートT2の
クロック信号CLK2をクロック発生部12から発生さ
せる。このクロック信号CLK2によってサンプリング
された図3Aに示すジッタ測定点mの振幅値(例えば電
圧値)SMPDを波形デジタイザ13に取り込み、解析
することにより、高速信号HRSのジッタ測定点mにお
けるジッタを観測、測定及び/又は解析できる。換言す
ると、高速の繰り返し信号HRSの波形の傾き(ΔV/
Δt)により、ジッタ(Δt)が同期サンプリングによ
り電圧(ΔV)に変換される。
【0009】トリガ回路14は、観測、測定及び/又は
解析したい高速の繰り返し信号HRSの波形の開始点を
設定する機能を有する。具体的に説明すると、観測、測
定及び/又は解析すべき波形の開始点の情報、例えば位
置情報(レベル、向き等のデータ)をトリガ回路14に
予め設定しておき、サンプリングヘッド11からトリガ
回路14に供給されるデータ信号SMPD(波形データ
a、b、c、・・・)の位置情報がこの設定された位置
情報と合致すると、トリガ回路14はトリガ信号TRを
発生して波形デジタイザ13に供給する。波形デジタイ
ザ13は、トリガ信号TRが印加された時点から波形デ
ータの再取り込み動作を開始する。即ち、トリガ回路1
4からトリガ信号TRが発生された時点(以後、トリガ
点と称す)から高速の繰り返し信号HRSの波形の観
測、測定、解析等を再開する。
【0010】ところで、上述したサンプリングデジタイ
ザは、半導体集積回路(以後、ICと称す)を試験する
半導体集積回路試験装置(IC試験装置)にも使用され
ている。例えば、被試験ICに高速で試験パターン信号
を書き込み、この被試験ICから高速で読み出される試
験パターン信号の波形を上記構成のサンプリングデジタ
イザで観測、測定及び/又は解析し、被試験ICがどの
程度の早さの高速信号にまで確実に応答できるか否かを
試験する場合等に使用されている。周知のように、この
技術分野では、ICは、論理回路部分(ロジック部分)
が主要であるものをロジックICと呼び、メモリ部分が
主要であるものをメモリICと呼んでいる。また、ロジ
ック部分とメモリ部分とが1つのチップに混在したIC
はシステムLSI、システム・オン・チップ(SOC)
等と呼ばれている。従来から用いられている一般的なI
C試験装置(以後、ICテスタと称す)の概略の構成を
図4に示す。例示のICテスタはICテスタ本体100
とテストヘッド200とによって構成されており、IC
テスタ本体100は、この例では、制御器101と、タ
イミング発生器102と、パターン発生器103と、波
形フォーマッタ104と、ドライバ105と、コンパレ
ータ106と、論理比較器107と、不良解析メモリ1
08と、電圧発生器109とを具備する。
【0011】テストヘッド200はICテスタ本体10
0とは別体に構成され、通常、その上部に所定個数のI
Cソケット(図示せず)が装着されている。また、テス
トヘッド200の内部には、この技術分野でピンカード
と呼ばれているプリント基板が収納されており、通常、
ICテスタ本体100のドライバ105及びコンパレー
タ106を含む回路はこのピンカードに実装されてい
る。このピンカードは試験すべきIC(被試験IC)3
00の各I/Oピン(入出力端子)毎に設けられてい
る。一般に、テストヘッド200は、この技術分野でハ
ンドラと呼ばれているIC搬送及び処理装置のテスト部
に取り付けられ、テストヘッド200とICテスタ本体
100とはケーブル、光ファイバ等の信号伝送手段によ
って電気的に接続される。
【0012】被試験IC300はテストヘッド200の
ICソケットに装着され、このICソケットを通じて、
ICテスタ本体100から被試験IC(一般にDUTと
呼ばれる)300にテストパターン信号が印加され、ま
た、被試験IC300からの応答信号がICテスタ本体
100に供給され、被試験IC300の試験、測定が行
われる。制御器101はコンピュータシステムによって
構成されており、ユーザ(プログラマ)が作成したテス
トプログラムが予め格納され、このテストプログラムに
従ってICテスタ全体の制御を行う。制御器101は、
テスタバス111を通じてタイミング発生器102、パ
ターン発生器103、波形フォーマッタ104、論理比
較器107、不良解析メモリ108、電圧発生器109
等と接続されており、これらタイミング発生器102、
パターン発生器103、波形フォーマッタ104、論理
比較器107、不良解析メモリ108、電圧発生器10
9等は端末として動作し、制御器101から出力される
制御命令に従って被試験IC300の試験を実行する。
【0013】被試験IC300の試験、例えばファンク
ショナル試験は次のようにして行われる。パターン発生
器103には、試験開始前に、制御器101に格納され
ているテストプログラムに記述されたパターン発生順序
が予め格納され、パターン発生器103は、制御器10
1からテスト開始命令が与えられると、この格納された
パターン発生順序に従って被試験IC300に印加すべ
きテストパターンデータを出力する。このパターン発生
器103には、一般に、ALPG(Algorithmic Patter
n Generator)が用いられる。ALPGとは、半導体デ
バイス(例えばIC)に印加するテストパターンを、内
部の演算機能を持ったレジスタを用いて、演算により発
生するパターン発生器のことである。
【0014】タイミング発生器102には、試験開始前
に、制御器101に格納されているテストプログラムに
記述されたテスト周期毎に出力するタイミングデータが
予め格納され、タイミング発生器102は、この格納さ
れたタイミングデータに従って、各テスト周期毎にクロ
ックパルスを出力する。このクロックパルスは、波形フ
ォーマッタ104、論理比較器107等に与えられる。
波形フォーマッタ104は、パターン発生器103が出
力するテストパターンデータと、タイミング発生器10
2が出力するクロックパルスとに基づいて、論理波形の
立ち上がりのタイミング及び立ち下がりのタイミングを
規定し、H論理(論理“1”)及びL論理(論理
“0”)に変化する実波形を持つテストパターン信号を
生成し、ドライバ105を通じて被試験IC300にこ
のテストパターン信号を印加する。
【0015】ドライバ105は、波形フォーマッタ10
4が出力するテストパターン信号の振幅を所望の振幅
(H論理、即ち、論理“1”の電圧VIH及びL論理、
即ち、論理“0”の電圧VIL)に規定してテストヘッ
ド200のICソケットに印加し、被試験IC300を
駆動する。コンパレータ106は被試験IC300が出
力する応答信号の論理値が正規の電圧値を持つか否かを
判定する。つまり、H論理の電圧が規定の電圧値VOH
以上の値を示すか、及びL論理の電圧が規定の電圧値V
OL以下の値を示すかを判定する。
【0016】判定結果が良である場合にコンパレータ1
06から出力される判定結果の出力信号は論理比較器1
07に入力され、この論理比較器107においてパター
ン発生器103から与えられる期待値パターンデータと
比較され、被試験IC300が正常な応答信号を出力し
たか否かが判定される。論理比較器107の比較結果は
不良解析メモリ108に取り込まれる。不良が発生した
場合には不良のテストパターンアドレスと、被試験IC
300の不良ピンの出力論理データと、その時の期待値
パターンデータとが不良解析メモリ108に記憶され、
テスト終了後にLSIの評価に利用される。
【0017】電圧発生器109は、制御器101から送
られて来る設定値に応じて、ドライバ105に印加する
振幅電圧VIH及びVILと、コンパレータ106に印
加する比較電圧VOH及びVOLを発生する。その結
果、ドライバ105からは被試験IC300の規格に合
致した振幅値を持つ駆動信号が発生され、また、コンパ
レータ106において被試験IC300の応答信号が被
試験IC300の規格に合致した電圧の論理値を有して
いるか否かを判定することができる。上述した図1に示
したサンプリングデジタイザは上記テストヘッド200
の内部に収納されたピンカードに実装されており、被試
験IC300から高速で読み出される応答信号の波形を
観測、測定及び/又は解析したり、応答信号のジッタを
測定したりする。まず、被試験IC300に高速で試験
パターン信号を書き込み、この被試験ICの各ピンから
高速で読み出される試験パターン信号の波形を上記構成
のサンプリングデジタイザで観測、測定及び/又は解析
する。この波形の観測、測定、解析等により、被試験I
C300が不良であるか否かが正しく判定できる。この
試験により、例えば被試験ICの動作速度をいくつかの
カテゴリに分類することができるし、また、被試験IC
がどの程度の速さの高速信号にまで確実に応答できるか
否かを試験することもできる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図1に示したように、
サンプリングデジタイザにはトリガ回路14が設けられ
ている。既に説明したように、このトリガ回路14には
観測、測定及び/又は解析すべき波形の開始点の情報
(例えば波形の立ち上がりエッジの半値点近傍の一定振
幅値)が予め設定されており、サンプリングヘッド11
からこのトリガ回路14に供給されるデータ信号SMP
Dの振幅値がこの設定された振幅値と合致すると、トリ
ガ回路14はトリガ信号TRを発生して波形デジタイザ
13に印加する。
【0019】トリガ回路14は、通常、コンパレータを
使用してデータ信号SMPDの振幅値を検出している。
このため、ジッタの多い高速の繰り返し信号がサンプリ
ングヘッド11に入力され、クロック信号CLK2によ
ってサンプリングされた場合には、波形のエッジ(前縁
及び後縁)部分に大きなノイズを有する低速の繰り返し
信号に変換されるから、トリガ回路14に供給されるデ
ータ信号SMPDには振幅に変換された大きなノイズが
含まれている。その結果、トリガ回路14はこのノイズ
の影響を受けて正しくないタイミングでトリガ信号TR
を発生する(ミストリガ信号を発生する)。換言すれ
ば、ジッタの多い高速の繰り返し信号がサンプリングヘ
ッド11に入力された場合には、トリガ回路14は正し
いタイミングで安定してトリガ信号TRを発生すること
ができない。このため、測定精度が低下するという欠点
があった。
【0020】ミストリガを防止するためにヒステリシス
レベルを大きくすると、トリガ回路14に供給されるデ
ータ信号SMPDの振幅値が小さい場合にはトリガ信号
を発生することができないという問題がある。一方、こ
のようなサンプリングデジタイザを備えたIC試験装置
においては、同じく測定精度が低下すると共に、波形の
再現性が悪くなるので試験時間が長くなるという問題が
発生する。この発明の1つの目的は、入力された高速の
繰り返し信号が多くのジッタ成分を含んでいても、この
高速の繰り返し信号の波形を高精度で観測、測定、及び
/又は解析することができるサンプリングデジタイザを
提供することである。
【0021】この発明の他の目的は、入力された高速の
繰り返し信号が多くのジッタ成分を含んでいても、サン
プリングされた低速のデータ信号を取り込むためのトリ
ガ信号を正しいタイミングで発生することができるサン
プリングデジタイザを提供することである。この発明の
さらに他の目的は、半導体集積回路(IC)の試験時間
を短縮させ、かつ精度の高い試験を行うことができる半
導体集積回路試験装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の面においては、所定のサンプリン
グレートでクロック信号を発生するクロック発生手段
と、入力される高速の繰り返し信号を、上記クロック発
生手段から供給されるクロック信号によってサンプリン
グして低速のデータ信号に変換するサンプリング部と、
上記サンプリング部からのデータ信号が供給される信号
波形観測、測定又は解析装置と、上記サンプリング部か
らのデータ信号が供給され、このデータ信号が所定の値
を有するときにトリガ信号を発生して上記デジタイザに
上記低速のデータ信号の取り込みを開始させるトリガ手
段と、上記サンプリング部から上記トリガ手段に至るデ
ータ信号供給経路に挿入され、上記低速のデータ信号に
含まれるノイズを抑圧するフィルタとを具備するサンプ
リングデジタイザが提供される。
【0023】上記サンプリング部はサンプリングヘッド
によって構成されていても、サンプル・ホールド回路に
よって構成されていてもよい。好ましい一実施形態にお
いては、上記フィルタは低速のデータ信号に含まれるノ
イズを積分して抑圧するローパスフィルタによって構成
されている。また、上記信号波形観測、測定又は解析装
置は波形デジタイザによって構成されている。上記信号
波形観測、測定又は解析装置としてオシロスコープのよ
うな波形観測装置を使用してもよい。
【0024】この発明の第2の面においては、被試験半
導体集積回路に試験パターン信号を印加し、この被試験
半導体集積回路から読み出される応答信号を論理比較
し、比較結果に基づいて被試験半導体集積回路の良否を
判定する半導体集積回路試験装置において、上記第1の
面に記載されたサンプリングデジタイザを具備する半導
体集積回路試験装置が提供される。好ましい一実施形態
においては、上記サンプリングデジタイザは半導体集積
回路試験装置のテストヘッドに収納されるピンカードに
実装される。
【0025】上記構成によれば、入力された高速の繰り
返し信号が多くのジッタ成分を含んでいても、サンプリ
ングされた低速のデータ信号はフィルタに通された後で
トリガ手段に供給されるから、大きな振幅値に変換され
たジッタ成分をデータ信号から除去することができる。
よって、トリガ手段は正しいタイミングでこのデータ信
号を取り込むためのトリガ信号を発生できるから、波形
の再現性が高くなる。よって、高い精度で高速の繰り返
し信号の波形の観測、測定、及び/又は解析を行なうこ
とができると共に、測定時間の短縮が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるサンプリン
グデジタイザの一実施形態について図5を参照して詳細
に説明する。なお、図5において、図1と対応する部分
には同一符号を付して示し、必要のない限りそれらの説
明を省略する。図5はこの発明によるサンプリングデジ
タイザの好ましい一実施形態を示すブロック図であり、
図1に示した従来のサンプリングデジタイザと同様に、
サンプリングヘッド11と、クロック発生部12と、波
形デジタイザ13と、トリガ回路14とを備えている。
サンプリングヘッド11の代わりにサンプル・ホールド
回路が使用できることは言うまでもないことである。
【0027】既に説明したように、トリガ回路14には
観測、測定及び/又は解析すべき波形の開始点の情報
(例えば波形の立ち上がりエッジの半値点近傍の一定振
幅値)が予め設定されており、サンプリングヘッド11
からこのトリガ回路14に供給されるデータ信号SMP
Dの振幅値がこの設定された振幅値と合致すると、トリ
ガ回路14はトリガ信号TRを発生して波形デジタイザ
13に供給する。この実施形態においては、サンプリン
グヘッド11からトリガ回路14に至る低速のデータ信
号SMPDの供給経路に、即ち、トリガ回路14の前段
に、ローパスフィルタ22を挿入し、トリガ回路14に
入力されるデータ信号SMPDに含まれるノイズを抑圧
するように構成したものである。
【0028】このように構成すると、ジッタを多く含む
高速の繰り返し信号HRSがサンプリングヘッド11に
入力され、クロック信号CLK2によってサンプリング
されて大きな振幅の多くのノイズを含むデータ信号SM
PDに変換されても、これらノイズは、トリガ回路14
に入力される前に、ローパスフィルタ22によって積分
されて抑圧されるので、トリガ回路14にはトリガ信号
TRを所望のタイミングで安定に発生することができる
データ信号SMPDのみが供給される。かくして、トリ
ガ回路14は設定された所望のタイミングで安定にトリ
ガ信号TRを発生して波形デジタイザ13に印加するこ
とができる。
【0029】この場合、ローパスフィルタ22を挿入す
ることにより、トリガ信号の発生は若干遅れるが、トリ
ガ回路14のミストリガが無くなって波形の再現性が高
くなるため、結果的には入力されたジッタの多い高速の
繰り返し信号HRSの波形の観測、測定、及び/又は解
析を迅速に行なうことができる。従って、サンプリング
デジタイザの使用効率が高くなり、かつ測定時間が短縮
できる。また、上記構成のサンプリングデジタイザを図
4に示したICテスタのテストヘッド200内に収納さ
れるピンカードに実装すれば、被試験ICの各ピンから
高速で読み出される試験パターン信号の波形をこのサン
プリングデジタイザで高精度に観測、測定及び/又は解
析することができる。その上、ICの試験時間を短縮す
ることもできる。
【0030】上記実施形態では信号波形を観測、測定及
び/又は解析する装置として波形デジタイザを使用した
が、オシロスコープのような波形観測装置や波形デジタ
イザと同様の機能を有する他の装置を使用してもよいこ
とは言うまでもない。また、低速のデータ信号に含まれ
るノイズを抑圧するフィルタとしてローパスフィルタを
使用したが、低速のデータ信号に含まれるノイズの種類
に応じてこれを抑圧するフィルタを使用することは勿論
である。以上、この発明を図示した好ましい実施形態に
ついて記載したが、この発明の精神及び範囲から逸脱す
ることなしに、上述した実施形態に関して種々の変形、
変更及び改良がなし得ることはこの分野の技術者には明
らかであろう。従って、この発明は例示の実施形態に限
定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって
定められるこの発明の範囲内に入る全てのそのような変
形、変更及び改良をも包含するものである。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明白なように、この発明に
よれば、入力された高速の繰り返し信号が多くのジッタ
成分を含んでいても、サンプリングされた低速のデータ
信号に含まれるノイズはフィルタによって抑圧されてト
リガ手段に供給されるから、トリガ手段は正しいタイミ
ングでこのデータ信号を取り込むためのトリガ信号を発
生できる。よって、高い精度で高速の繰り返し信号の波
形の観測、測定、及び/又は解析を行なうことができ
る。その上、波形の再現性が高くなるから、サンプリン
グデジタイザの使用効率が向上し、かつ測定時間が短く
なるという利点がある。
【0032】さらに、この発明によるサンプリングデジ
タイザをICテスタのテストヘッド内に収納されるピン
カードに実装すれば、被試験ICの各ピンから高速で読
み出される試験パターン信号の波形を高精度に、かつ高
い再現性で観測、測定及び/又は解析することができ
る。また、ICの試験時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のサンプリングデジタイザの一例の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1に示したサンプリングデジタイザに適用さ
れる等価サンプリング方法を説明するためのタイミング
図である。
【図3】図1に示したサンプリングデジタイザに適用さ
れる同期サンプリング方法を説明するタイミングチャー
トである。
【図4】従来のIC試験装置の一例を示すブロック図で
ある。
【図5】この発明によるサンプリングデジタイザの一実
施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11:サンプリングヘッド 12:クロック発生部 13:デジタイザ 14:トリガ回路 22:ローパスフィルタ 100:ICテスタ本体 200:テストヘッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプリングレートでクロック信
    号を発生するクロック発生手段と、 入力される高速の繰り返し信号を、上記クロック発生手
    段から供給されるクロック信号によってサンプリングし
    て低速のデータ信号に変換するサンプリング部と、 上記サンプリング部からのデータ信号が供給される信号
    波形観測、測定又は解析装置と、 上記サンプリング部からのデータ信号が供給され、この
    データ信号が所定の値を有するときにトリガ信号を発生
    して上記信号波形観測、測定又は解析装置に上記低速の
    データ信号の取り込みを開始させるトリガ手段と、 上記サンプリング部から上記トリガ手段に至るデータ信
    号供給経路に挿入され、上記低速のデータ信号に含まれ
    るノイズを抑圧するフィルタとを具備することを特徴と
    するサンプリングデジタイザ。
  2. 【請求項2】 上記サンプリング部はサンプリングヘッ
    ドによって構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のサンプリングデジタイザ。
  3. 【請求項3】 上記サンプリング部はサンプル・ホール
    ド回路によって構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のサンプリングデジタイザ。
  4. 【請求項4】 上記フィルタは低速のデータ信号に含ま
    れるノイズを積分して抑圧するローパスフィルタである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載
    のサンプリングデジタイザ。
  5. 【請求項5】 上記信号波形観測、測定又は解析装置は
    波形デジタイザによって構成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1つに記載のサンプリング
    デジタイザ。
  6. 【請求項6】 上記信号波形観測、測定又は解析装置は
    オシロスコープによって構成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1つに記載のサンプリング
    デジタイザ。
  7. 【請求項7】 被試験半導体集積回路に試験パターン信
    号を印加し、この被試験半導体集積回路から読み出され
    る応答信号を論理比較し、比較結果に基づいて被試験半
    導体集積回路の良否を判定する半導体集積回路試験装置
    において、 上記請求項1乃至5のいずれか1つに記載のサンプリン
    グデジタイザを具備することを特徴とする半導体集積回
    路試験装置。
  8. 【請求項8】 上記サンプリングデジタイザは半導体集
    積回路試験装置のテストヘッドに収納されるピンカード
    に実装されていることを特徴とする請求項7に記載の半
    導体集積回路試験装置。
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