JP2002188998A - トンネルの内部壁面のひび割れ検出方法及びその表示方法 - Google Patents

トンネルの内部壁面のひび割れ検出方法及びその表示方法

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JP2002188998A
JP2002188998A JP2001307496A JP2001307496A JP2002188998A JP 2002188998 A JP2002188998 A JP 2002188998A JP 2001307496 A JP2001307496 A JP 2001307496A JP 2001307496 A JP2001307496 A JP 2001307496A JP 2002188998 A JP2002188998 A JP 2002188998A
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Sumitada Kakimoto
純忠 柿本
Takeshi Sakamoto
武 坂本
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KEISOKU KENSA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れ状況を掌握し易くして信頼性及び作
業性の高いトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法及び
その表示方法を提供する。 【解決手段】 トンネル21の内部壁面20のひび割れ
を検出する方法であって、内部壁面20をカメラ31に
よって撮像し、得られた画像データを画像処理して内部
壁面20を分割した小区分毎にひび割れの抽出・定量化
処理を行い、各小区分毎に出力表示を行う。また、検出
された内部壁面20のひび割れ情報を、連続する多数の
小区分20の全てについて求め、これらのひび割れ情報
をその分布図70と共に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルなどの内
部壁面の点検の際に、鉄筋コンクリートあるいは鋼材で
形成されたトンネル内部壁面のひび割れを検出する方法
及びそのひび割れ表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設のトンネルの維持管理や補修・補強
等の際、定期的な点検や調査によって現時点でのトンネ
ルの内部壁面の損傷劣化状況を把握し、その結果に基づ
いてトンネルの耐久性を的確に評価、診断する必要があ
る。従来、例えば特開平3−160349号公報等に開
示されているように、車両にCCDカメラ等のデジタル
画像を撮影できるカメラを搭載し、車両を移動させなが
らカメラによって内部壁面の映像を撮影して記憶媒体に
記憶させ、記憶された画像データから内部壁面のひび割
れや疵を表す画像を取り出し、その画像の特徴を強調し
てひび割れや疵を検出する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
では、カメラで撮影した画像データによってひび割れや
疵を検出して、それをディスプレー等に表示する場合に
線画像として表示している。しかし、ディスプレーの大
きさに限界があり、道路やトンネルのように点検する範
囲が広い場合に点検範囲全体をディスプレーの1画面の
中で一度に表示すると、カメラの1画面に表示される線
画像が極めて小さく表示され、そのため線画像が不鮮明
になったりして、ひび割れや疵の状態を掌握しにくいと
いう問題があった。本発明はかかる事情に鑑みてなされ
たもので、ビデオカメラなどによって撮影した画像デー
タを画像処理して小区分毎に出力表示を行って点検範囲
のひび割れ情報を作成し、ひび割れ状況を掌握し易くし
て信頼性及び作業性の高いトンネルの内部壁面のひび割
れ検出方法及びその表示方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法は、トンネ
ルの内部壁面のひび割れを検出する方法であって、内部
壁面をカメラによって撮像し、得られた画像データを画
像処理して内部壁面をトンネルの貫通方向に分割した小
区分毎にひび割れの抽出・定量化処理を行い、各小区分
毎に出力表示を行う。これにより、各小区分毎にひび割
れの程度に応じたひび割れ情報が得られ、例えば各小区
分を縮小又は拡大して内部壁面全体のひび割れの状況や
詳細な状況を検出することができ、点検範囲が広い場合
でも安全で、人為的な誤差が生じにくい信頼性の高いひ
び割れ情報が得られる。
【0005】本発明に係るトンネルの内部壁面のひび割
れ検出方法において、カメラは、トンネルの貫通方向に
対して直角方向に複数台並べて配置され、しかも内部壁
面に対向してトンネルの貫通方向に走行する台車に載せ
て撮像し、画像データは、台車の走行位置と共に得られ
るデータから構成してもよい。この場合、複数台のカメ
ラによってトンネルの内部壁面を同時に撮影し、トンネ
ルの周方向に並ぶ画像データを得るので、カメラを搭載
した台車はトンネルの中を直進するだけで、台車やカメ
ラを横方向に移動することなく、短時間にトンネルの全
長にわたる全ての内部壁面を撮影することができる。ま
た、本発明に係るトンネルの内部壁面のひび割れ検出方
法において、出力表示は、各小区分毎にひび割れの程度
に応じて異なる色彩又は明度に階調化され、更に、階調
化された色彩又は明度からなるひび割れ情報を内部壁面
の各小区分位置に貼り付けて形成してもよい。この場
合、各小区分毎にひび割れの程度が明確になり、ひび割
れの程度に応じた対策を即座に取ることが可能となる。
【0006】前記目的に沿う本発明に係るトンネルの内
部壁面のひび割れ表示方法は、トンネルの内部壁面のひ
び割れを表示する方法であって、内部壁面をカメラによ
って撮像し、得られた画像データを画像処理して内部壁
面をトンネルの貫通方向に分割した小区分毎にひび割れ
の抽出・定量化処理を行い、各小区分毎に出力表示を行
い、出力表示は、各小区分毎にひび割れの程度に応じて
異なる色彩又は明度に階調化され、更に、階調化された
色彩又は明度からなる内部壁面のひび割れ情報を、連続
する多数の小区分の全てについて求め、これらのひび割
れ情報をその分布図と共に表示し、しかも、内部壁面の
全部について、更に拡大した詳細データを含むようにし
ている。この場合、連続する多数の小区分の全てについ
てひび割れ情報が得られ、表示装置の1画面で全ての内
部壁面のひび割れ状況を掌握できる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態にかかるトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法に用
いるひび割れ検出装置を示す正面図、図2は同ひび割れ
検出方法に用いるひび割れ検出装置の複数のカメラの画
像の相対位置を示す説明図、図3は画像処理の状態を示
す説明図、図4は同ひび割れ検出方法に用いるひび割れ
検出装置のブロック図、図5(A)、(B)、(C)は
それぞれ同ひび割れ検出方法で得られた画像データを示
す説明図、分布図及び広範囲分布図、図6は同ひび割れ
検出方法を示すフローチャート、図7は同ひび割れ検出
方法に用いられるひび割れの分布図を示す説明図であ
る。
【0008】図1に示すように、本発明の一実施の形態
に係るトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法に用いる
ひび割れ検出装置10は、トンネル21のアーチ型の内
部壁面20を撮影してデジタル量の画像データを取得す
る撮像装置30を備えている。撮像装置30は、トンネ
ル21の内部壁面20に対向しアーチの頂上から左右に
等間隔で周方向曲面に沿って撮影できる複数台(例えば
4台)のカメラ31と、カメラ31が明瞭な画面が得ら
れるように、カメラ31の視野より広い範囲の撮影面に
照明を当てる照明装置32と、画像記憶媒体33とを備
えている。各カメラ31によって撮影される画像データ
は、例えばCCDカメラやデジタルビデオカメラなどの
ようにデジタル量として出力され、画像記憶媒体33に
記憶される。カメラ31、照明装置32を備えた撮像装
置30は、トンネル21の貫通方向に向かって内部壁面
20と平行に移動できる台車41を備えた移動装置40
に載置されている。なお、各カメラ31は、撮影された
隣り合う画像データが互いに僅かに重なって撮影される
ように移動装置40上にトンネルの貫通方向に対して直
角方向に配置され、複数台のカメラ31が同時に撮影を
開始するように制御される。
【0009】図2に示すように、複数台(この場合4
台)のカメラ31によって撮影された画像34は、撮像
装置30により、各カメラ31のそれぞれの画像データ
の頭部が揃えられる。カメラ31は、例えば1秒間に3
0コマ程度の複数の連続した画像34を録画するが、各
カメラ31がトンネル21の貫通方向に台車41によっ
て移動しながら録画すると、台車41の走行位置と共に
画像データが得られる。しかし、移動にしたがって移動
方向に隣接する各画像34どうしに重なる部分が多くな
り、このままでは画像データの評価が難しくなる。それ
で、図3に示すように、カメラ31の移動速度に応じて
連続した画像34から複数コマ毎に画像34を抜き出
し、抜き出された画像34を連続して並べたときに、隣
接する画像34どうしが僅かに重なる程度の連続画像3
5が得られるように編集する。例えば、台車41の移動
速度を5m/sec(時速18km)程度とし、カメラ
31の撮影速度を30コマ/sec程度として、1コマ
が1000mm×700mm程度の小区分の範囲を撮影
すると、4コマ毎に1コマ抜き出して並べることによっ
て連続画像35が得られる。この連続画像35の1コマ
の画像データR0は隣接部分に重なり部分を含んだデー
タであり、画像データR0を接ぎ合わせる画像合成を行
うことによって、トンネル21の貫通方向に沿って連続
した内部壁面20の複数の画像データR0が得られる。
この連続した複数の画像データR0は、トンネル21の
貫通方向に区分された大区分に分けられ、更に大区分毎
に区分内の画像34の1コマ(画像データR0)毎に小
区分番号を付ける。すなわち、画像データR0は、トン
ネル21の貫通方向に沿って、例えば図5(C)に示す
ように、1km毎に内部壁面20を大区分に分割して大
区分番号P1、P2〜Piを付し、更に図5(B)に示
すように、大区分毎に撮影した4台のカメラ31(#1
カメラ〜#4カメラ)の画像34の画像データR0に、
トンネル21の貫通方向に順番に小区分番号(Q11〜
Q41、Q12〜Q42・・・Q1n〜Q4n)を付
し、順次、画像記憶媒体33の大区分番号と同じ番号を
付したファイル(P1、P2〜Pi)に格納される。
【0010】図4に示すように、画像記憶媒体33に記
憶された画像データR0は画像編集装置50によって隣
接する小区分(例えばQ11とQ21、Q11とQ12
等)毎の画像データR0の互いに重なる部分を削除する
編集処理がなされ、ノイズの少ない必要な画像データR
1のみが取出され、その画像データR1はパソコン等の
画像処理装置60によって画像処理する。画像処理装置
60では、図5(A)に示すように、画像データR1
を、内部壁面20を分割した小区分毎に濃度変換処理を
行って画像濃度を平滑化し、ひび割れの線の太さ毎に分
別してひび割れの特徴点の抽出・定量化処理を行い、各
小区分毎にひび割れの特徴量、例えば線の太さや長さを
計算して色別に表示する。例えばひび割れの大きいもの
は赤色、中くらいのものは青色、小さいものは緑色等に
よって色分けする。各小区分毎にひび割れの特徴量はそ
れぞれデータ処理されて、このひび割れ情報を各小区分
位置に貼り付け、図5(B)に示すように、内部壁面2
0の大区分毎のひび割れの程度を表示する分布図70を
作成し、これを図5(C)に示すように、全内部壁面2
0について求めて連続した広範囲分布図71を形成す
る。この分布図70及び広範囲分布図71を順次、録画
テープや磁気テープなどの記憶媒体81に録画又はデジ
タル量で記録して、CRTや液晶ディスプレイ、プリン
ターなどの表示装置80に出力表示できるようにする。
【0011】ここで、本発明の一実施の形態に係るトン
ネルの内部壁面のひび割れ検出方法及び表示方法につい
て説明する(図6に示すフローチャート参照)。 (1)撮像装置30を台車41に載せて移動させながら
内部壁面20を複数台(この場合4台)のカメラ31に
よって撮像し、その画像データR0を画像記憶媒体33
に記憶させる(ステップ1)。 (2)画像記憶媒体33の画像データR0を画像編集装
置50に入力し、隣接する小区分(例えばQ11とQ1
2、Q12とQ13等)毎の画像データR0の互いに重
なる部分を削除し、重なりによって生じる濃淡の濃い部
分や濃い線など、間違った判断をし易い部分を取り除い
て必要な部分の画像データR1を得る(ステップ2)。 (3)画像データR1を画像処理装置60に入力し、濃
度変換処理を行う(ステップ3)。濃度変換処理は、取
り込んだ画像データR1で表される画像は明るい画像か
ら暗い画像までバラツキがあるため、画像濃度の平均値
を求め、その平均値が画像濃度の中心濃度になるように
処理して、画像濃度のバラツキを少なくする。
【0012】(4)画像データR1のひび割れ線のデー
タを強調するために、例えば5×5マトリックスの画素
を持った演算子によって、縦、横、右下がり斜め又は左
下がり斜めに連続する画像を強調する特徴量を決める特
徴点処理を行う(ステップ4)。特徴点処理は、例え
ば、縦線(X方向)、横線(Y方向)、斜め方向につい
てそれぞれ幅が、例えば0.1〜0.19までを特徴点
A、0.2〜0.29までを特徴点B、0.3以上を特
徴点Cとして、それぞれの特徴点の画像データが通過す
るようにしたフィルターに画像データR1を通す。 (5)各特徴点A、B、Cを通過させるフィルターを通
った画像データR1を、平均濃度をしきい値として白黒
の濃淡の度合いによって2値化した線としての画像デー
タR2を抽出する(ステップ5)。 (6)各特徴点A、B、Cで抽出して2値化された線と
しての画像データR2によって線描写をし、線抽出処理
を行う(ステップ6)。したがって、2値化後の描写さ
れた線は太い線も細い線も同じ太さの線として表され
る。 (7)描写された線に、特徴点毎に色付けしてひび割れ
の程度に応じて異なる色彩又は明度に階調化し、これら
のひび割れ情報により疵種の判別を容易にする(ステッ
プ7)。例えば、特徴点Aで抽出処理された線データは
緑色、特徴点Bで抽出処理された線データは青色、特徴
点Cで抽出処理された線データは赤色に色分けして、疵
の種類を判別しやすいようにする。
【0013】(8)各特徴点別に線データの長さとその
面積を算出してひび割れ情報を定量化する(ステップ
8)。 (9)各特徴点別に求めた線データの長さとその面積を
合計し、各画像データR2毎のひび割れの総長さと総面
積を求める(ステップ9)。 (10)各画像データR2毎のひび割れの総長さと総面
積データ(ひび割れ情報)をそれぞれ対応する小区分毎
の線画像として記憶し、内部壁面の各小区分位置に貼り
付けて表示装置80に表示する(ステップ10)。 (11)図7に示すように、画像処理した各小区分毎の
線画像を縮小し、各線画像を内部壁面20の小区分番地
に従って隣どうしを突き合わせ、内部壁面番号毎のひび
割れの分布図70を作成する(ステップ11)。分布図
70は、各線画像のひび割れ長さ又は面積を予め定めた
評価長さ又は評価面積と照合し、照合結果が評価基準内
であれば予め定めた色でその線画像のある小区分の画面
を塗りつぶす。例えば、評価長さaを1〜2mに設定し
たとき、画像処理で得られたひび割れ長さがこの間(例
えば1.5m)であれば緑色、評価長さbを2〜4mに
設定したとき、画像処理で得られたひび割れ長さがこの
間(例えば2.5m)であれば青色、評価長さcを4m
以上に設定したとき、画像処理で得られたひび割れ長さ
がこの間(例えば5.5m)であれば赤色とする。以上
の処理を全内部壁面20の大区分番号すなわちファイル
番号(P1〜Pi)について行い、小区分番号が順番に
連続して並ぶように貼り合わせて、表示装置80の1枚
のシート又は表示画面に色別に識別された広範囲分布図
71を表示して、全内部壁面20の劣化箇所、劣化の頻
度等を掌握する。 (12)内部壁面20の全部について、例えば各小区分
の範囲の中で特に損傷劣化度の激しい部分の表示スケー
ルを拡大して、拡大した分布図70の各小区分毎にひび
割れ線としての画像データR2である詳細データを目視
で見やすいように、表示装置80に設けられた磁気テー
プなどの記憶媒体81に録画又はデジタル量で記録し
て、線画像で表示装置80に表示する(ステップ1
2)。
【0014】これにより、内部壁面20の表面に現れた
ひび割れが濃度変換処理によって強調されて明確にな
り、ひび割れの抽出・定量化処理によってひび割れの形
状、大きさ等の特徴が計数によって表され、図5に示す
ように、分布図70として内部壁面20全体のひび割れ
状況が表示され、ひび割れの程度に応じた対策を即座に
取ることが可能となる。特に、全ての内部壁面20の大
区分のファイル番号(P1〜Pi)について、表示装置
80に小区分毎の線画像として表示することは、表示装
置80の表示面積に限界があるので1画面で表示できな
いが、各小区分毎の線画像を縮小した分布図を求め、そ
の分布図70を隣どうしの小区分番号が順番に連続して
並ぶように貼り合わせ、各小区分毎の評価を盛り込んだ
広範囲分布図71で表すことにより、内部壁面20の全
体像を1画面で掌握することが出来る。なお、ひび割れ
の状態を詳しく知りたいときは、表示スケールを拡大し
て、拡大した分布図70に各小区分の範囲の詳細データ
を線画像で表示して、鮮明で目視によって見やすくする
ことができる。また、出力表示は、濃度変換処理によっ
て各小区分毎にひび割れの太さや長さの程度に応じて異
なる色彩又は明度に階調化され、更に、階調化された色
彩又は明度を内部壁面20の各小区分位置に貼り付けて
行うことにより、白黒の濃淡の線画像で表示するよりひ
び割れの程度を掌握し易くなる。また、前記実施の形態
に係るトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法の説明で
は、トンネルのアーチの頂上から左右に等間隔で周方向
曲面に沿って撮影できる複数台のカメラを設置した例に
ついて説明したが、トンネル内に複線の通路又は線路が
設けてある場合は、アーチの頂上から片側の内部壁面を
周方向曲面に沿って撮影できる複数台のカメラを設置し
て、往路で一方の片側の内部壁面のひび割れ検出を行っ
たのち、復路で他方の片側の内部壁面のひび割れ検出を
行うようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】請求項1〜3記載のトンネルの内部壁面
のひび割れ検出方法においては、内部壁面をカメラによ
って撮像し、得られた画像データを画像処理して内部壁
面を分割した小区分毎にひび割れの抽出・定量化処理を
行い、各小区分毎に出力表示を行うので、各小区分毎に
ひび割れの程度に応じたひび割れ情報が得られ、例えば
各小区分を縮小又は拡大して内部壁面全体のひび割れの
状況や詳細な状況を検出することができ、点検範囲が広
くても自由に小区分画面を拡大又は縮小してその画面に
応じた画像により点検できる。そのため、ひび割れデー
タの信頼性を高め、作業性の良い、安価なトンネルの内
部壁面のひび割れ検出方法を提供できる。特に、請求項
2記載のトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法におい
ては、カメラは、内部壁面に対向してトンネルの貫通方
向に走行する台車に複数台並べて載せて撮像し、その画
像データは、台車の走行位置と共に得られるので、カメ
ラを搭載した台車はトンネルの中を直進するだけで、台
車やカメラを横方向に移動することなく、短時間にトン
ネルの全長にわたる全ての内部壁面を撮影することがで
きる。
【0016】また、請求項3記載のトンネルの内部壁面
のひび割れ検出方法においては、出力表示は、各小区分
毎にひび割れの程度に応じて異なる色彩又は明度に階調
化され、更に、階調化された色彩又は明度からなるひび
割れ情報を内部壁面の各小区分位置に貼り付けて形成し
ているので、各小区分毎にひび割れの程度が明確にな
り、ひび割れの程度に応じた対策を即座に取ることが可
能となる。請求項4記載のトンネルの内部壁面のひび割
れ表示方法は、内部壁面のひび割れ情報を、連続する多
数の小区分の全てについて求め、これらのひび割れ情報
をその分布図と共に表示し、しかも、内部壁面の全部に
ついて、更に拡大した詳細データを含むようにしている
ので、連続する多数の小区分の全てについてひび割れ情
報を盛り込んだ広範囲分布図が得られ、1画面で内部壁
面全体のひび割れ状況を掌握し、バランスのとれたひび
割れ対策をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるトンネルの内部
壁面のひび割れ検出方法に用いるひび割れ検出装置を示
す正面図である。
【図2】同ひび割れ検出方法に用いるひび割れ検出装置
の複数のカメラの画像の相対位置を示す説明図である。
【図3】画像処理の状態を示す説明図である。
【図4】同ひび割れ検出方法に用いるひび割れ検出装置
のブロック図である。
【図5】(A)、(B)、(C)はそれぞれ同ひび割れ
検出方法で得られた画像データを示す説明図、分布図及
び広範囲分布図である。
【図6】同ひび割れ検出方法を示すフローチャートであ
る。
【図7】同ひび割れ検出方法に用いられるひび割れの分
布図を示す説明図である。
【符号の説明】
10:ひび割れ検出装置、20:内部壁面、21:トン
ネル、30:撮像装置、31:カメラ、32:照明装
置、33:画像記憶媒体、34:画像、35:連続画
像、40:移動装置、41:台車、50:画像編集装
置、60:画像処理装置、70:分布図、71:広範囲
分布図、80:表示装置、81:記憶媒体
フロントページの続き Fターム(参考) 2D055 LA16 2G051 AA82 AA90 AB03 AB07 AC15 CA04 CA07 CC07 DA05 EA11 EA12 EA14 EA16 EA17 EC01 EC03 ED21 FA01 FA10 5B057 AA16 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB06 CB12 CB16 CE06 CE08 CE10 CE11 CE12 CE15 CH09 DA02 DA08 DB02 DC03 DC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルの内部壁面のひび割れを検出す
    る方法であって、前記内部壁面をカメラによって撮像
    し、得られた画像データを画像処理して前記内部壁面を
    前記トンネルの貫通方向に分割した小区分毎にひび割れ
    の抽出・定量化処理を行い、前記各小区分毎に出力表示
    を行うことを特徴とするトンネルの内部壁面のひび割れ
    検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトンネルの内部壁面のひ
    び割れ検出方法において、前記カメラは、前記トンネル
    の貫通方向に対して直角方向に複数台並べて配置され、
    しかも前記内部壁面に対向して前記トンネルの貫通方向
    に走行する台車に載せて撮像し、前記画像データは、該
    台車の走行位置と共に得られるデータからなることを特
    徴とするトンネルの内部壁面のひび割れ検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のトンネルの内部壁
    面のひび割れ検出方法において、前記出力表示は、前記
    各小区分毎にひび割れの程度に応じて異なる色彩又は明
    度に階調化され、更に、階調化された前記色彩又は明度
    からなるひび割れ情報を前記内部壁面の各小区分位置に
    貼り付けて形成されることを特徴とするトンネルの内部
    壁面のひび割れ検出方法。
  4. 【請求項4】 トンネルの内部壁面のひび割れを表示す
    る方法であって、前記内部壁面をカメラによって撮像
    し、得られた画像データを画像処理して前記内部壁面を
    前記トンネルの貫通方向に分割した小区分毎にひび割れ
    の抽出・定量化処理を行い、前記各小区分毎に出力表示
    を行い、前記出力表示は、前記各小区分毎にひび割れの
    程度に応じて異なる色彩又は明度に階調化され、更に、
    階調化された前記色彩又は明度からなる内部壁面のひび
    割れ情報を、連続する多数の前記小区分の全てについて
    求め、これらのひび割れ情報をその分布図と共に表示
    し、しかも、前記内部壁面の全部について、更に拡大し
    た詳細データを含むことを特徴とするトンネルの内部壁
    面のひび割れ表示方法。
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