JP2002187984A - 高接着性樹脂組成物 - Google Patents

高接着性樹脂組成物

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JP2002187984A
JP2002187984A JP2000387172A JP2000387172A JP2002187984A JP 2002187984 A JP2002187984 A JP 2002187984A JP 2000387172 A JP2000387172 A JP 2000387172A JP 2000387172 A JP2000387172 A JP 2000387172A JP 2002187984 A JP2002187984 A JP 2002187984A
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JP
Japan
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resin composition
adhesive resin
thermoplastic elastomer
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highly adhesive
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JP2000387172A
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Katsuyoshi Ishida
克義 石田
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Koichi Machida
浩一 町田
Yoji Koike
洋二 小池
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからな
る成形品を接着した際の長期的な接着力の低下がなく、
しかも良好な加工性が得られるようにすることにある。 【解決手段】ハードセグメントが結晶性ポリプロピレン
であり、ソフトセグメントが非架橋エチレン―プロピレ
ン共重合体であり、ハードセグメントのマトリックス中
にソフトセグメントの粒子が分散しているブレンド型ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とし、分
子量1000以下の低分子成分量が5wt%以下である
高接着性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電線の被覆材や
各種成形品などに用いられ、長期的な接着性が良好であ
る高接着性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線のシースなどの被覆材には、こ
れまで主に可塑化ポリ塩化ビニルからなる樹脂組成物が
用いられてきたが、焼却処分時に有害なダイオキシンが
発生するため、その使用が見直されてきている。
【0003】このための代替材料として、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマーが
その候補に挙がっているが、これらポリオレフィン系ポ
リマーは比較的剛であるため、電線としての可撓性が低
下することになり、好ましくない。また、ポリオレフィ
ン系ポリマーは、化学的に不活性で、接着性も劣ること
が知られている。
【0004】このため、弾性があり、比較的接着性も良
好な、種々のタイプの熱可塑性エラストマーの採用が検
討されている。この熱可塑性エラストマーのなかでも、
結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレンをハードセ
グメントとして用い、エチレン―プロピレン―ジエン共
重合体、エチレン―プロピレン共重合体、ブチルゴムな
どのゴム成分をソフトセグメントとして用い、ハードセ
グメントからなるマトリックス中にソフトセグメントか
らなる微粒子を分散したポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーが好適とされている。
【0005】また、ソフトセグメントをなすゴム成分を
有機過酸化物などの架橋剤で架橋して、機械的強度、耐
熱性を高めたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーも
好ましいとされている。
【0006】しかしながら、この種のポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーでは、押出加工などの加工時の流
動性が悪いため、これを改善するために、プロセスオイ
ルなどの可塑剤を10〜20wt%程度配合することが
行われている。このように、可塑剤を配合すれば、加工
時の流動性を改善することは可能ではあるが、これから
得られる成形品同士を接着した際、あるいはこの成形品
を他の材料、例えば金属、セラミックスなどに接着した
際、長期的な接着性が低下する不都合がある。
【0007】これは、接着剤層と成形品との界面あるい
は接着剤層中にプロセスオイルなどの可塑剤が移行する
ためであり、接着物を高温下に置くと、接着力の低下が
早まることも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーから
なる成形品を接着した際の長期的な接着力の低下がな
く、しかも良好な加工性が得られるようにすることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、ハードセ
グメントが結晶性ポリプロピレンであり、ソフトセグメ
ントが非架橋エチレン―プロピレン共重合体であり、ハ
ードセグメントのマトリックス中にソフトセグメントの
粒子が分散しているブレンド型ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーを主成分とし、分子量1000以下の低
分子成分量が5wt%以下である樹脂組成物を用いるこ
とで解決できる。さらに、ポリ酢酸ビニルを含むポリマ
ー、例えばエチレン―酢酸ビニル共重合体などを10w
t%以下配合して、加工性をさらに向上させても良い。
この樹脂組成物は電線の被覆材や各種成形品に用いるこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の高接着性樹脂組成物のベースポリマーとなるブ
レンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、 ハードセグメントが結晶性ポリプロピレンであ
り、ソフトセグメントが非架橋エチレン―プロピレン共
重合体であり、ハードセグメントのマトリックス中にソ
フトセグメントの粒子が分散している溶融ブレンド型の
熱可塑性エラストマーが用いられる。そして、ハードセ
グメントが全体の30〜50wt%を占め、ソフトセグ
メントが50〜70wt%を占めるものが好ましく、ヤ
ング率が10〜100kgf/mm2のものが好まし
い。さらには、メルトフローレイト(温度190℃、時
間10分、荷重2.16kg)が、5〜20の高流動性
のものが好ましい。
【0011】また、本発明の高接着性樹脂組成物では、
このポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに対して、
種々の加工助剤、例えば滑剤、老化防止剤、可塑剤、着
色剤、充填材などを配合することができるが、分子量1
000以下の有機低分子成分の総量が組成物全量の5w
t%以下、好ましくは3wt%以下となるように、その
配合量を定める必要がある。この有機低分子量成分が5
wt%を越えると、長期的な接着性が低下する。
【0012】さらに、本発明の高接着性樹脂組成物で
は、このポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに対し
て、加工性を高めるためエチレン―酢酸ビニル共重合体
などの溶融時の粘度が低いポリ酢酸ビニル系のポリマー
を配合することもできる。このポリ酢酸ビニル系ポリマ
ーの配合量は、樹脂組成物全量の10wt%以下、好ま
しくは5wt%以下とすることが望ましい。10wt%
を越えると、樹脂組成物の機械的強度、耐熱性等が低下
する。
【0013】また、本発明では、必要に応じて水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムな
どの金属水酸化物を配合して難燃性を付与することがで
きる。この金属水酸化物としては、シランカップリング
剤、高級脂肪酸などによって表面処理を施したものがベ
ースポリマーとの相容性が高められて好ましい。この金
属水酸化物の配合量は、要求される難燃性によって左右
されるが、組成物全量の30wt%を上限とし、これを
越えると機械的特性が低下することになる。本発明の樹
脂組成物では、可塑剤などの有機低分子量成分が少ない
ので、金属水酸化物に可塑剤などが吸収されることがな
く、可塑剤の配合に起因する難燃効果の低下がない。
【0014】このような樹脂組成物では、有機低分子量
成分の含有量が少ないので、この成分が移行することが
なくなり、この組成物からなる成形品の長期的な接着性
が低下することがない。また、同様に耐トラッキング
性、耐電圧性などの電気的特性も有機低分子量成分が少
ないことによって向上する。
【0015】また、ベースポリマーとなるブレンド型ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーは、それ自体で溶
融時の流動性が良好であるので、プロセスオイル等の可
塑剤を添加せずとも十分に射出成形、押出成形などの成
形が行える。また、ポリ酢酸ビニル系ポリマーをブレン
ドしたものではさらに溶融流動性が高くなって成形性が
さらに向上する。さらに、ベースポリマーが熱可塑性で
あるので、成形品のリサイクル、再使用が可能である。
【0016】本発明の電線は、上述の高接着性樹脂組成
物を電線の絶縁体、シースなどの被覆材に用いたもの
で、通常の押出被覆法によって製造することができる。
また、本発明の成型品は、上記樹脂組成物を射出成形、
押出成形などして得られたシート、フィルム、電線保護
カバー、ケーブル接続部カバーなどの種々の成形物であ
る。これらの電線、成形品についても先の樹脂組成物と
同様の作用、効果を得ることができる。
【0017】以下、具体例を示す。 (例1)ハードセグメントが結晶性ポリプロピレンで、
ソフトセグメントが非架橋エチレン―プロピレン共重合
体であるブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーのみからなり、結晶性ポリプロピレンが40重量%
で、非架橋エチレン―プロピレン共重合体が60重量%
である樹脂組成物Aを用意した。
【0018】また、ハードセグメントが結晶性ポリプロ
ピレンで、ソフトセグメントが架橋エチレン―プロピレ
ン―ジエン共重合体であるポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーにプロセスオイル(平均分子量約300)を
配合し、結晶性ポリプロピレンが50重量%、架橋エチ
レン―プロピレン―ジエン共重合体が30重量%、プロ
セスオイルが20重量%である樹脂組成物Bとを用意し
た。
【0019】これら2種の樹脂組成物をそれぞれ導体上
に押出被覆して絶縁電線を作成した。 このようにして
得られた絶縁電線の一方の端末を同一材料を用い、ウレ
タン系接着剤(商品名ケムロック、ロードファーイース
ト社製)によって封止し、他方の端末から空気を圧力2
kg/cm2で圧入し、電線を60℃の温水中に浸漬し
て、気密試験をおこなった。その結果、樹脂組成物Bを
用いた絶縁電線では、4ヶ月の温水浸漬で空気の漏れが
生じたが、樹脂組成物Aを用いた絶縁電線では半年後で
も漏れは認められなかった。
【0020】(例2)例1における樹脂組成物Aおよび
Bをそれぞれ押出成形して厚さ2mmのシートとした。
このシートをエポキシ系接着剤(商品名スキップ66、
(株)ソテック社製)によって、鉄、アルミニウム、ス
テンレス鋼、ガラスにそれぞれ接着し、80℃で2ヶ月
間放置したのち、その接着強度を90度剥離試験で測定
した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果から明らかなように、樹脂組成
物Bからなるシートでは、すべてにおいて接着力が低下
しているのに対して、樹脂組成物Aからなるシートでは
接着力の低下がほとんど認められなかった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高接着性
樹脂組成物にあっては、有機低分子量成分がほとんど含
まれてないので、これから得られる成形品同士あるいは
他の材料に対する接着性が長期的に低下することがな
い。また、成形物の耐トラッキング性、耐電圧性などの
電気的特性も優れたものとなる。また、この樹脂組成物
のベースポリマーが熱可塑性であるので、リサイクルが
可能で再使用ができるなどの効果が得られる。
【0024】さらに、樹脂組成物の溶融時の溶融粘度が
低く、改めてプロセスオイルなどの可塑剤を添加するま
でもなく、流動性がすぐれ、成形加工性も高いものとな
る。また、ポリ酢酸ビニル系のポリマーを配合したもの
ではさらに高い流動性が得られ、成形加工性がより一層
高いものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 7/02 H01B 7/02 Z (72)発明者 町田 浩一 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 小池 洋二 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20 AA20X AA28 AA71 AH12 BB06 BC01 4J002 AE053 BB054 BB12W BB15X BE024 FD023 FD130 GQ01 5G309 RA04 RA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハードセグメントが結晶性ポリプロピレン
    であり、ソフトセグメントが非架橋エチレン―プロピレ
    ン共重合体であり、ハードセグメントのマトリックス中
    にソフトセグメントの粒子が分散しているブレンド型ポ
    リオレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とし、分
    子量1000以下の低分子成分量が5wt%以下である
    高接着性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリ酢酸ビニルを含むポリマーをさらに1
    0wt%以下配合した請求項1に記載の高接着性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の高接着性樹脂組
    成物を被覆材とした電線。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の高接着性樹脂組
    成物を成形した成形品。
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