JP2002186842A - 有機性被処理液の酸化処理方法及び装置 - Google Patents

有機性被処理液の酸化処理方法及び装置

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JP2002186842A
JP2002186842A JP2000387028A JP2000387028A JP2002186842A JP 2002186842 A JP2002186842 A JP 2002186842A JP 2000387028 A JP2000387028 A JP 2000387028A JP 2000387028 A JP2000387028 A JP 2000387028A JP 2002186842 A JP2002186842 A JP 2002186842A
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carbon
liquid
organic
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Hiroshi Nakai
寛 中井
Kazumaru Saeki
一丸 佐伯
Hideo Nishida
英夫 西田
Toshiyuki Sora
利之 空
Mamoru Miyagawa
守 宮川
Kaoru Muraoka
薫 村岡
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Shinko Pantec Co Ltd
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Shinko Pantec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温・高圧下、特に超臨界状態における有機
性被処理液の酸化処理において、処理液中に残存するア
ンモニア濃度が低減でき、比較的低い温度域における処
理を可能とする有機性被処理液の酸化処理方法及び装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 窒素成分を含有する有機性被処理液Aを
高温・高圧下での酸化反応により分解・浄化する有機性
被処理液の酸化処理装置1であって、この有機性被処理
液Aに高温・高圧下で酸化反応を起こさせる反応器2
と、有機性被処理液Aを加圧・加熱して反応器2に供給
する供給手段3と、酸化反応後の処理液を反応器2から
排出する排出手段4と、有機性被処理液Aに炭素含有物
質を添加する炭素添加手段6とを備えることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、種々の有機物を
含む有機性被処理液を高温・高圧下、特に超臨界状態下
における酸化反応により分解処理する有機性被処理液の
酸化処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばPCB等の難分解性の有害有機
物でも高温・高圧化、特に超臨界水中では迅速かつ効率
よく分解される。このことを利用して種々の有機物を含
む有機性被処理液を超臨界水酸化法によって分解・浄化
する有機性被処理液の酸化処理装置が開発されている。
【0003】従来の一般的な有機性被処理液の酸化処理
装置20は、図3に示すように、反応器21、供給手段
22、排出手段23及び酸化剤供給手段24から構成さ
れている。
【0004】反応器21は、高温・高圧の超臨界状態で
有機性被処理液Aに酸化反応を起こさせる円筒状等の容
器である。また供給手段22は、有機性被処理液Aを超
臨界状態にして反応器21に供給するものであり、具体
的には、有機性被処理液Aを貯留しておくタンク25、
タンク25内の有機性被処理液Aを反応器21へ高圧で
圧送する高圧ポンプ26、超臨界水酸化処理後の高温の
処理液との熱交換により有機性被処理液Aを加熱する熱
交換器27、反応器21へ供給する有機性被処理液Aの
温度を制御する温度調節手段28を含む。酸化剤供給手
段24は、反応器21へ供給する有機性被処理液Aに酸
化反応を生じさせる酸素、過酸化水素水等の酸化剤を注
入するものである。排出手段23は、酸化反応後の処理
液を反応器21から排出するものであり、具体的には、
反応器21を出た後の高温・高圧の処理液を冷却する冷
却器29、減圧する減圧弁30、処理液を気液分離して
排出する気液分離槽31を含む。
【0005】上記有機性被処理液の酸化処理装置20に
よれば、供給手段22により有機性被処理液Aを超臨界
状態にして反応器21に供給されるとともに、酸化剤供
給手段24により有機性被処理液A中に酸化剤が供給さ
れ、反応器21内では有機性被処理液A中の有機物と酸
化剤との酸化反応により有機物が酸化分解され、その
後、反応器21から排出された処理液は排出手段23に
より冷却、減圧されて外部に排出される。このような工
程を経て、有機物を含む有機性被処理液Aが分解・浄化
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の有機性被処
理液の酸化処理装置20によって窒素成分を含有する有
機性被処理液Aを分解処理すると、反応器21内の雰囲
気温度が約600℃以上の場合には、有機性被処理液A
中の有機物が窒素、二酸化炭素および水にほぼ完全に分
解されるが、反応器21内の温度が約600℃未満に低
下した場合には、処理液中の有害なアンモニア濃度が増
大してしまう。
【0007】従って、アンモニア濃度の低減の観点から
は反応器21内の温度を約600℃以上で運転すること
が望ましいが、600℃以上での耐久性を有する構成材
料が乏しく、また装置コストの上昇を招くため、実際に
は反応器21の温度をより低い温度で運転し、(a)硝
酸を注入し、アンモニアを分解する方法、(b)アンモ
ニア除去装置を追加する方法により、反応後の処理液中
のアンモニアを除去する手段が備えられている。
【0008】上記(a)の方法では、硝酸が高腐食性の
物質であるため反応器21以降の下流側の装置の腐食対
策が必要となる。しかも、硝酸は取り扱いに十分な注意
が必要であることから、安全対策を十分なものとする必
要がある。このことから、対策として硝酸を用いる場合
には、結果的にコストが大幅に上昇してしまう。
【0009】また上記(b)の方法では、アンモニア除
去装置の設置のためにコストが大幅に上昇してしまい、
またアンモニア除去後の廃棄物がさらに発生してしま
う。
【0010】そこで、本発明の目的は、高温・高圧下、
特に超臨界状態における有機性被処理液の酸化処理にお
いて、処理液中に残存するアンモニア濃度が低減でき、
比較的低い温度域における処理を可能とする有機性被処
理液の酸化処理方法及び装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本願発明者は、比
較的低い温度域で超臨界水酸化法による有機性被処理液
(以下、単に「被処理液」という。)の酸化・分解処理
を行った場合でも、被処理液中の炭素質量と窒素質量と
の比(以下、必要に応じて「C/N比」と記述する)が
大きいほど、処理液中にアンモニアが存在する確率(以
下、「アンモニア存在率」という)が小さいことを知得
し、これにより被処理液のC/N比を大きくすることが
できれば、アンモニアの生成を抑えて上記目的を達成す
ることができる点に着目した。
【0012】そこで、上記課題を解決するためになされ
た方法に係る発明は、窒素成分を含有する有機性被処理
液を高温・高圧下での酸化反応により分解・浄化する有
機性被処理液の酸化処理方法において、この有機性被処
理液に炭素含有物質を添加する炭素添加行程を有するこ
とを特徴とするものである。この有機性被処理液の酸化
処理方法によれば、炭素添加工程によって有機性被処理
液に炭素を添加することで、有機性被処理液のC/N比
を大きくすることができ、その結果、約600℃未満の
反応温度でもアンモニアを生成する反応を抑制し、処理
液中のアンモニア濃度を低減することができる。
【0013】上記炭素添加工程は、高温・高圧にする前
の有機性被処理液に対して行うとよい。かかる炭素添加
工程における炭素含有物質の添加は、酸化反応途中でも
可能であるが、当該手段のように高温・高圧にする前の
有機性被処理液は、常圧、常温であり、比較的容易に炭
素含有物質を注入することができる。
【0014】一方、上記炭素添加工程は、場合によって
は高温・高圧にした後の有機性被処理液に対して行って
もよい。炭素添加工程で添加する炭素含有物質が有機性
被処理液に溶解しないものの場合、常圧、常温では分離
してしまい均一な分散が困難であるが、有機性被処理液
を高温・高圧、特に超臨界状態にすると、溶解しない炭
素含有物質でも有機性被処理液中への均一な分散が容易
になる。
【0015】上記炭素添加行程は、有機性被処理液中の
炭素質量と窒素質量との比(C/N比)が5以上20以
下となるように炭素含有物質を添加することが好まし
い。被処理液のC/N比を上記範囲とすることで、炭素
含有物質の添加量を必要最小限に抑えつつ、上記アンモ
ニア濃度低減作用を効果的に発揮させることができる。
【0016】上記炭素含有物質としてはアルコールが好
ましい。炭素含有物質としてアルコールを採用すること
により、常温常圧の環境下において炭素含有物質と有機
性被処理液とを簡単且つ確実に混合することができる。
【0017】一方、炭素含有物質として、重油、鉱油、
燃料油、食用油及び廃油からなる群より選択される1種
又は2種以上のものを用いることもできる。有機性被処
理液の性質によっては、例えば、下水汚泥等の有機性廃
水の場合、これらの油類は有機性被処理液に溶解しない
が、超臨界状態になればほぼ均一に混合されるので、被
処理液のC/N比を向上させるものとして用いることが
でき、かつ、C/N比を向上させる効果が大きい。ま
た、これらの油類は安価であるため、コストを抑制する
ことができる。
【0018】上記高温・高圧下での酸化反応としては超
臨界水酸化又は亜臨界水酸化が好ましい。かかる超臨界
水酸化(SCWO)や亜臨界水酸化によれば、種々の有
機物を含有する有機性被処理液を迅速かつ完全に分解浄
化することができるが、上述のように材料面及びコスト
面での制約から通常約600℃未満の反応温度で運転さ
れ、アンモニアが処理液中に残存するおそれがあること
から、炭素炭化工程を有する当該有機性被処理液の酸化
処理方法が有効である。
【0019】また、上記課題を解決するためになされた
装置の発明は、窒素成分を含有する有機性被処理液を高
温・高圧下での酸化反応により分解・浄化する有機性被
処理液の酸化処理装置であって、この有機性被処理液に
高温・高圧下で酸化反応を起こさせる反応器と、有機性
被処理液を加圧・加熱して反応器に供給する供給手段
と、酸化反応後の処理液を反応器から排出する排出手段
と、有機性被処理液に炭素含有物質を添加する炭素添加
手段とを備えることを特徴とするものである。
【0020】この有機性被処理液の酸化処理装置によれ
ば、供給手段により有機性被処理液を反応器に供給し、
反応器内において有機性被処理液を高温・高圧下で酸化
処理し、排出手段により処理液を排出するが、炭素添加
手段により有機性被処理液に炭素含有物質を添加するこ
とで、上記有機性被処理液の酸化処理方法と同様に、有
機性被処理液のC/N比を大きくし、上述のアンモニア
濃度低減作用を発揮することができる。
【0021】また、上記有機性被処理液の酸化処理方法
と同様の理由から、上記炭素添加手段を供給手段により
加圧・加熱される前又は後の有機性被処理液に対して設
けるとよく、上記炭素添加手段において、有機性被処理
液中の炭素質量と窒素質量との比(C/N比)が5以上
20以下となるよう炭素含有物質を添加するとよい。ま
た、上記炭素含有物質としては、(a)アルコール、又
は(b)重油、鉱油、燃料油、食用油及び廃油からなる
群より選択される1種又は2種以上のものが好ましい。
さらに、上記高温・高圧下での酸化反応としては超臨界
水酸化又は亜臨界水酸化が好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の有機性被処理液の酸化処理装置に係る実施形態を詳
説する。図1は本発明の一実施形態に係る有機性被処理
液の酸化処理装置を示す概略構成図である。
【0023】図1の有機性被処理液の酸化処理装置1
は、反応器2、反応器2に有機性被処理液Aを供給する
供給手段3、酸化反応後の処理液を反応器2から排出す
る排出手段4、有機性被処理液Aに酸化剤を供給する酸
化剤供給手段5、及び、有機性被処理液Aに炭素含有物
質を添加する炭素添加手段6とを主構成要素とする。
【0024】この反応器2は、高温・高圧下(例えば、
超臨界状態又は亜臨界状態)で有機性被処理液A中の有
機物に酸化反応を生じさせ、分解するものである。この
反応器2の種類は、特に限定されるものでなく、耐高温
及び耐高圧用の一般的な反応器を使用することができる
が、有機性被処理液Aを連続的に分解処理することを考
慮すると、管型反応器が好適である。なお、反応器2内
の温度・圧力は、200℃〜650℃、5MPa〜30
MPaが好ましく、400℃〜600℃、22MPa〜
30MPaの超臨界水酸化が反応の迅速性及び完全性の
面で特に好ましい。
【0025】供給手段3は、反応器2に有機性被処理液
Aを供給するものであり、a)有機性被処理液Aを貯留
するためのタンク7、b)タンク7内の有機性被処理液
Aを反応器2に圧送するための高圧ポンプ8、c)高温
の処理液との熱交換により有機性被処理液Aを加熱する
熱交換器9と、d)反応器2へ送る有機性被処理液Aを
所定の温度に制御するための温度調節手段10とを構成
要素とする。
【0026】排出手段4は、反応器2により酸化処理後
の処理液を外部に排出するためのものであり、高温・高
圧の処理液を冷却するための冷却器11、減圧するため
の減圧装置12、有機物の酸化反応により生成した二酸
化炭素、窒素等を処理液から分離する気液分離槽13な
どから構成される。
【0027】酸化剤供給手段5は、有機性被処理液Aに
酸化剤を注入するものであり、反応器2直前で有機性被
処理液A中の有機物の分解に必要な全量を注入しても良
いし、反応器2直前と反応器2の適当な位置に分けて供
給してもよい。この酸化剤は純酸素、空気、過酸化水素
水など有機物に対する酸化力を持つものである。
【0028】炭素添加手段6は、有機性被処理液Aに炭
素含有物質を添加し、有機性被処理液AのC/N比を高
めるものである。この炭素添加手段6により反応器2で
酸化反応に供される有機性被処理液AのC/N比を高め
ることで、アンモニアが生成する副反応を抑制でき、処
理液中のアンモニア濃度を低減することができる。その
結果、当該有機性被処理液の酸化処理装置1は、処理液
を放流するために必要なアンモニア除去手段の処理能力
を小さくでき、ひいては後処理としてのアンモニア除去
手段を省略することができる。また、反応器2での反応
温度を低くすることができるため、反応器2の設計にお
いて耐熱性が低減でき、設備コストを低くすることがで
きる。
【0029】炭素含有物質としては、炭素を含み、C/
N比を高められる物質であれば、特に限定されるもので
はなく、例えば(a)メタノール、エタノール、2−プ
ロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、
(b)重油、鉱油、燃料油、食用油及び廃油などを用い
ることができる。上記(a)のアルコールは、有機性被
処理液Aに対して容易に溶解し、取り扱いが容易である
点で好ましく、中でも炭素数が4または5のアルコール
がC/N比向上効果の面で特に好ましい。また(b)の
油類は、有機性被処理液Aに溶解しない場合でも超臨界
状態にすれば有機性被処理液A中にほぼ均一に分散する
ため、上述のアンモニア濃度低減効果を奏することがで
き、しかも安価でランニングコストを低くすることがで
きる。
【0030】炭素添加手段6によって制御する有機性被
処理液AのC/N比としては、5以上20以下が好まし
く、10以上が特に好ましい。これは、C/N比が上記
範囲より小さいと、処理液のアンモニア濃度低減効果が
小さく、逆に、C/N比が上記範囲を超えると、炭素含
有物質の添加量が増大し、当該有機性被処理液の酸化処
理装置1におけるランニングコストが大きくなってしま
うことからである。
【0031】上記炭素添加手段6によるC/N比の制御
に当たり、供給される有機性被処理液AのC/N比、つ
まり炭素濃度及び窒素濃度は、一般的な全炭素分析及び
窒素分析により測定し、この値と添加する炭素含有物質
の炭素量に基づいて炭素含有物質の添加量を適宜決定す
るとよい。なお、上記有機性被処理液Aの全炭素濃度及
び全窒素濃度の測定は、当該有機性被処理液の酸化処理
装置1の運転前に1度行い、その測定値に基づいて決定
した一定の添加量で運転することで足りるが、供給され
る有機性被処理液Aの炭素濃度及び窒素濃度を経時的に
測定し、その測定値に基づいて添加量をオンライン制御
することも可能である。
【0032】炭素添加手段6により有機性被処理液Aに
炭素含有物質を注入する個所は、反応器2において有機
性被処理液Aを酸化分解する前であれば何処でも可能で
あるが、炭素含有物質が上記(a)のアルコールの場合
は高圧ポンプ8、熱交換器9により加圧・加熱する前が
好ましく、炭素含有物質が上記(b)の油類の場合は加
圧・加熱した後が好ましい。これは、(a)のアルコー
ルが有機性被処理液Aに容易に溶解するため、常温、常
圧下(特に、タンク7)で容易に混合させればよいこと
からであり、(b)の油類は常温、常圧では有機性被処
理液Aと分離してしまうので、高温・高圧下で油類をイ
ンジェクション等によって圧入した方が有機性被処理液
A中への油類の分散がよいことからである。なお、炭素
添加手段6は、反応器2へ直接炭素含有物質を注入して
もよい。
【0033】かかる構造の有機性被処理液の酸化処理装
置1の機能を以下に説明する。まず供給手段3の高圧ポ
ンプ8、熱交換器9及び温度調節手段10により加圧・
加熱して有機性被処理液Aを反応器2に供給すると共
に、酸化剤供給手段5により有機性被処理液A中に酸化
剤を供給すると、反応器2内では有機性被処理液A中の
有機物と酸化剤との酸化反応により有機物が酸化分解さ
れる。その後、反応器2から排出された処理液は排出手
段4の冷却器11、減圧装置12、気液分離槽13によ
り冷却、減圧されて外部に排出される。このような工程
を経て、有機物を含む有機性被処理液Aを分解・浄化す
るものであるが、当該有機性被処理液の酸化処理装置1
は、炭素添加手段6により反応器2に供給する有機性被
処理液AのC/N比を高めているため、処理液中に残存
するアンモニア濃度を低減することができる。
【0034】なお、本発明の有機性被処理液の酸化処理
は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、炭
素添加手段6によるC/N比向上を小さくし、又は、反
応器2における酸化反応温度を低く設計することで、処
理液中へのある程度のアンモニアの残存を許容し、処理
液に対してアンモニア除去手段を備えることも可能であ
る。この形態でも、アンモニア除去手段の処理能力が小
さくなり、かつ、反応器2の耐熱性が小さく設計でき、
経済性を高めることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るべきものではないことはもちろんである。
【0036】[実施例1]C/N比が5.2、アンモニ
ア換算濃度が3500mg/lの有機性被処理液(汚
泥)を用い、この有機性被処理液に対し炭素添加手段に
よってイソプロピルアルコールを添加することでC/N
比を10とし、かかる有機性被処理液を超臨界水酸化法
により反応温度を変化させて酸化分解し、各反応温度に
おける処理液のアンモニア換算濃度を測定した。
【0037】[実施例2]炭素添加手段によりC/N比
を15とした以外は上記実施例1と同様にして有機性被
処理液の酸化分解し、各反応温度における処理液のアン
モニア換算濃度を測定した。
【0038】[実施例3]炭素添加手段によりC/N比
を20とした以外は上記実施例1と同様にして有機性被
処理液の酸化分解し、各反応温度における処理液のアン
モニア換算濃度を測定した。
【0039】[比較例]炭素添加手段を備えず、C/N
比が5.2のままの有機性被処理液を酸化分解し、各反
応温度における処理液のアンモニア換算濃度を測定し
た。
【0040】[特性の評価]上記実施例1、実施例2、
実施例3及び比較例の実験結果である、有機性被処理液
のアンモニア換算濃度(3500mg/l)に対する処
理液のアンモニア換算濃度の比率(アンモニア濃度比
率)を各反応温度毎に求め、反応温度とアンモニア濃度
比率との関係を図2に示した。
【0041】図2から、実施例1、実施例2及び実施例
3のようにC/N比を高めた方がアンモニア濃度比率を
低減できることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、有機性
被処理液のC/N比を大きくすることによって、アンモ
ニアの生成反応を抑えながら有機性被処理液の酸化処理
を良好に行うことができる。また、有機性被処理液のC
/N比を大きくすることによって、反応温度を比較的低
い温度(500℃程度)に設定することができ、有機性
被処理液の酸化処理の経済性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機性被処理液の酸
化処理装置を示す概略構成図である。
【図2】C/N比を変えて超臨界水酸化処理を行った実
験結果である、反応温度とアンモニア濃度比率との関係
を示すグラフである。
【図3】従来の一般的な有機性被処理液の酸化処理装置
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 酸化処理装置 2 反応器 3 供給手段 4 排出手段 5 酸化剤供給手段 6 炭素添加手段 7 タンク 8 高圧ポンプ 9 熱交換器 10 温度調節手段 11 冷却器 12 減圧装置 13 気液分離槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 空 利之 兵庫県神戸市西区押部谷町木幡2−274 (72)発明者 宮川 守 兵庫県神戸市東灘区魚崎南町7−13−21 (72)発明者 村岡 薫 兵庫県明石市小久保1−16−10 アンセル モ西明石502 Fターム(参考) 4D050 AA12 AB17 BC01 BC02 BD06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素成分を含有する有機性被処理液を高
    温・高圧下での酸化反応により分解・浄化する有機性被
    処理液の酸化処理方法において、 この有機性被処理液に炭素含有物質を添加する炭素添加
    行程を有することを特徴とする有機性被処理液の酸化処
    理方法。
  2. 【請求項2】 上記炭素添加工程を高温・高圧にする前
    の有機性被処理液に行う請求項1に記載の有機性被処理
    液の酸化処理方法。
  3. 【請求項3】 上記炭素添加工程を高温・高圧にした後
    の有機性被処理液に行う請求項1に記載の有機性被処理
    液の酸化処理方法。
  4. 【請求項4】 上記炭素添加行程において、有機性被処
    理液中の炭素質量と窒素質量との比(C/N比)が5以
    上20以下となるよう上記炭素含有物質を添加する請求
    項1、請求項2または請求項3に記載の有機性被処理液
    の酸化処理方法。
  5. 【請求項5】 上記炭素含有物質として、アルコールを
    用いる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の有
    機性被処理液の酸化処理方法。
  6. 【請求項6】 上記炭素含有物質として、重油、鉱油、
    燃料油、食用油及び廃油からなる群より選択される1種
    又は2種以上のものを用いる請求項1から請求項4のい
    ずれか1項に記載の有機性被処理液の酸化処理方法。
  7. 【請求項7】 上記高温・高圧下での酸化反応が超臨界
    水酸化又は亜臨界水酸化である請求項1から請求項6の
    いずれか1項に記載の有機性被処理液の酸化処理方法。
  8. 【請求項8】 窒素成分を含有する有機性被処理液を高
    温・高圧下での酸化反応により分解・浄化する有機性被
    処理液の酸化処理装置であって、 この有機性被処理液に高温・高圧下で酸化反応を起こさ
    せる反応器と、 有機性被処理液を加圧・加熱して反応器に供給する供給
    手段と、 酸化反応後の処理液を反応器から排出する排出手段と、 有機性被処理液に炭素含有物質を添加する炭素添加手段
    とを備えることを特徴とする有機性被処理液の酸化処理
    装置。
  9. 【請求項9】 上記炭素添加手段が、供給手段により加
    圧・加熱される前の有機性被処理液に対して設けられて
    いる請求項8に記載の有機性被処理液の酸化処理装置。
  10. 【請求項10】 上記炭素添加手段が、供給手段により
    加圧・加熱された後の有機性被処理液に対して設けられ
    ている請求項8に記載の有機性被処理液の酸化処理装
    置。
  11. 【請求項11】 上記炭素添加手段において、有機性被
    処理液中の炭素質量と窒素質量との比(C/N比)が5
    以上20以下となるよう上記炭素含有物質を添加する請
    求項8、請求項9又は請求項10に記載の有機性被処理
    液の酸化処理装置。
  12. 【請求項12】 上記炭素含有物質として、アルコール
    が用いられている請求項8から請求項11のいずれか1
    項に記載の有機性被処理液の酸化処理装置。
  13. 【請求項13】 上記炭素含有物質として、重油、鉱
    油、燃料油、食用油及び廃油からなる群より選択される
    1種又は2種以上のものが用いられている請求項8から
    請求項11のいずれか1項に記載の有機性被処理液の酸
    化処理装置。
  14. 【請求項14】 上記高温・高圧下での酸化反応が超臨
    界水酸化又は亜臨界水酸化である請求項8から請求項1
    3のいずれか1項に記載の有機性被処理液の酸化処理装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006218405A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Japan Organo Co Ltd 難分解性有害物質および窒素化合物を含む廃液の処理方法および装置
JP2007237064A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Japan Organo Co Ltd 廃液の処理方法および装置

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