JPH07275870A - 有害有機物の超臨界水酸化処理装置および処理方法 - Google Patents
有害有機物の超臨界水酸化処理装置および処理方法Info
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- JPH07275870A JPH07275870A JP7093494A JP7093494A JPH07275870A JP H07275870 A JPH07275870 A JP H07275870A JP 7093494 A JP7093494 A JP 7093494A JP 7093494 A JP7093494 A JP 7093494A JP H07275870 A JPH07275870 A JP H07275870A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 有害な有機物の超臨界水条件下の酸化分解に
際して、排出される分解物の総量を低減することを可能
とし、さらには実施にともなうシステムの耐久性改善あ
るいはエネルギー消費の改善を可能とし、さらには排出
系の安全性を高め、また一般的に移動が困難な有害物質
の処理を貯蔵所近くで安全に行うことを可能とする。 【構成】 水の超臨界条件下に、酸素含有流体による有
害有機物の分解処理をする反応器6と、該反応器6で分
解処理された分解生成物の気液分離をする気液分離器2
5と、を備えている有害有機物の超臨界水酸化処理装置
において、被処理物である有害有機物とは別個に、前記
反応器6に対してタンク1からの水をポンプ3を介して
加圧送給する第1加圧送給手段Aを備え、前記気液分離
器25から分離された液体を、前記第1加圧送給手段A
におけるポンプ3の吸い込み側に還流する戻し手段Bを
備えている。
際して、排出される分解物の総量を低減することを可能
とし、さらには実施にともなうシステムの耐久性改善あ
るいはエネルギー消費の改善を可能とし、さらには排出
系の安全性を高め、また一般的に移動が困難な有害物質
の処理を貯蔵所近くで安全に行うことを可能とする。 【構成】 水の超臨界条件下に、酸素含有流体による有
害有機物の分解処理をする反応器6と、該反応器6で分
解処理された分解生成物の気液分離をする気液分離器2
5と、を備えている有害有機物の超臨界水酸化処理装置
において、被処理物である有害有機物とは別個に、前記
反応器6に対してタンク1からの水をポンプ3を介して
加圧送給する第1加圧送給手段Aを備え、前記気液分離
器25から分離された液体を、前記第1加圧送給手段A
におけるポンプ3の吸い込み側に還流する戻し手段Bを
備えている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超臨界条件下の水によ
って人畜等に有害な有機物の分解処理を行うに好適な処
理装置および同装置を用いた処理方法に関する。
って人畜等に有害な有機物の分解処理を行うに好適な処
理装置および同装置を用いた処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機物の分解処理に関しては、し
尿処理を代表的な例として微生物による分解処理が一般
的なものとして行われてきたが、処理にともなう汚泥の
発生量の多さが問題となって、それを低減するために手
法が検討されてきた。その代表的な手法は、200〜3
00°C程度の温度、100気圧程度の熱水条件下で、
酸化剤として空気もしくは酸素を強制的に送りこんで、
酸化分解を起こさせる湿式酸化法と呼ばれる手法であ
り、同手法については、し尿のような一般的な有機物の
場合には特段の問題はないが、有害有機物例えばPCB
を含む排水に適用すると分解のレベルに問題があるとい
われてきた。
尿処理を代表的な例として微生物による分解処理が一般
的なものとして行われてきたが、処理にともなう汚泥の
発生量の多さが問題となって、それを低減するために手
法が検討されてきた。その代表的な手法は、200〜3
00°C程度の温度、100気圧程度の熱水条件下で、
酸化剤として空気もしくは酸素を強制的に送りこんで、
酸化分解を起こさせる湿式酸化法と呼ばれる手法であ
り、同手法については、し尿のような一般的な有機物の
場合には特段の問題はないが、有害有機物例えばPCB
を含む排水に適用すると分解のレベルに問題があるとい
われてきた。
【0003】このような分解の程度に係る問題点をさら
に改善するものとして、水の超臨界条件(温度374°
C、圧力220気圧)以上の温度・圧力で酸化剤を作用
させて分解を起こさせる超臨界水酸化法が近年注目を集
め活発に研究開発が行われており、その一例として特開
昭57−4225号(特公平1−38532号)公報開
示の技術がある。
に改善するものとして、水の超臨界条件(温度374°
C、圧力220気圧)以上の温度・圧力で酸化剤を作用
させて分解を起こさせる超臨界水酸化法が近年注目を集
め活発に研究開発が行われており、その一例として特開
昭57−4225号(特公平1−38532号)公報開
示の技術がある。
【0004】すなわち超臨界条件下の水は、分極特性の
変化により、常圧下では溶解することが困難であった有
機物を溶解させられるようになり(したがってすぐれた
溶媒となって)、これに空気、酸素あるいは過酸化水素
水など酸化剤を共存させるとこれらも均一分散して有機
物の酸化発熱(燃焼)が起こり、燃焼エネルギーを追加
投入せずとも分解反応が進行する。
変化により、常圧下では溶解することが困難であった有
機物を溶解させられるようになり(したがってすぐれた
溶媒となって)、これに空気、酸素あるいは過酸化水素
水など酸化剤を共存させるとこれらも均一分散して有機
物の酸化発熱(燃焼)が起こり、燃焼エネルギーを追加
投入せずとも分解反応が進行する。
【0005】その分解の程度は、例えばPCBを例にと
ると99.99%以上と言われており完全分解に近く、
また反応条件が燃焼と比較してマイルドな条件であるた
めにダイオキシンなどの副次的な有害物質の発生を招く
こともなく、有害有機物の処理が問題となっている昨今
はもとより将来的に極めて有望な処理技術といえる。そ
の基本的なフローは、図8に示すごとく、被処理物であ
る有機物含有流体(水)がタンク51から閉止弁52を
経て高圧ポンプ53によって逆止弁54を経由して加圧
下に送出され、これに酸化剤流体(一例として過酸化水
素水)がタンク12から閉止弁13経由同じく高圧ポン
プ14によって逆止弁15を経由して加圧下に送出さ
れ、これらは合流して予熱器5に入り、ここでヒータ5
5によって水の超臨界条件に達せしめるべく加熱が行わ
れる。しかして高圧反応器6に入った混合流体は有機物
の酸化反応により発熱昇温し、この間有機物は主に水と
炭酸ガスとに分解する。ついでこれらの分解物は冷却器
7で冷却されて気液分離器25に入り、ここで気体と液
体とに分離されて、気体は減圧弁26から閉止弁27を
経て大気放出され、一方液体は減圧弁28から閉止弁2
9を経て排出されて一連の処理を完了する。
ると99.99%以上と言われており完全分解に近く、
また反応条件が燃焼と比較してマイルドな条件であるた
めにダイオキシンなどの副次的な有害物質の発生を招く
こともなく、有害有機物の処理が問題となっている昨今
はもとより将来的に極めて有望な処理技術といえる。そ
の基本的なフローは、図8に示すごとく、被処理物であ
る有機物含有流体(水)がタンク51から閉止弁52を
経て高圧ポンプ53によって逆止弁54を経由して加圧
下に送出され、これに酸化剤流体(一例として過酸化水
素水)がタンク12から閉止弁13経由同じく高圧ポン
プ14によって逆止弁15を経由して加圧下に送出さ
れ、これらは合流して予熱器5に入り、ここでヒータ5
5によって水の超臨界条件に達せしめるべく加熱が行わ
れる。しかして高圧反応器6に入った混合流体は有機物
の酸化反応により発熱昇温し、この間有機物は主に水と
炭酸ガスとに分解する。ついでこれらの分解物は冷却器
7で冷却されて気液分離器25に入り、ここで気体と液
体とに分離されて、気体は減圧弁26から閉止弁27を
経て大気放出され、一方液体は減圧弁28から閉止弁2
9を経て排出されて一連の処理を完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち超臨界水酸化
処理法については、上記の通り基本的なフローは開示さ
れているものの、例えば貯蔵されているPCBの処理を
例に取った場合に、環境中に排出される分解物の量を極
力少なく、かつその排出に際しても万全な措置を講じた
処理装置及び処理方法については開示されているとは言
いがたいのが実状である。
処理法については、上記の通り基本的なフローは開示さ
れているものの、例えば貯蔵されているPCBの処理を
例に取った場合に、環境中に排出される分解物の量を極
力少なく、かつその排出に際しても万全な措置を講じた
処理装置及び処理方法については開示されているとは言
いがたいのが実状である。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑み、有害有機
物の分解処理に際して排出される分解物の量を極力減
じ、かつ安全性に最大限の配慮を行った処理装置の構成
ならびに同装置を用いた処理方法を提供しようとするも
のである。
物の分解処理に際して排出される分解物の量を極力減
じ、かつ安全性に最大限の配慮を行った処理装置の構成
ならびに同装置を用いた処理方法を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水の超臨界条
件下に、酸素含有流体による有害有機物の分解処理をす
る反応器6と、該反応器6で分解処理された分解生成物
の気液分離をする気液分離器25と、を備えている有害
有機物の超臨界水酸化処理装置において、前述の目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。
件下に、酸素含有流体による有害有機物の分解処理をす
る反応器6と、該反応器6で分解処理された分解生成物
の気液分離をする気液分離器25と、を備えている有害
有機物の超臨界水酸化処理装置において、前述の目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。
【0009】請求項1に係る本発明装置は、被処理物で
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から分離された
液体を、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吸
い込み側に還流する戻し手段Bを備えていることを特徴
とするものである。
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から分離された
液体を、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吸
い込み側に還流する戻し手段Bを備えていることを特徴
とするものである。
【0010】請求項2に係る本発明装置は、被処理物で
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から排出された
液体を、前記減圧弁28の手前から第二のポンプ36に
よって、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吐
出側に還流スル戻し手段Bを備えていることを特徴とす
るものである。
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から排出された
液体を、前記減圧弁28の手前から第二のポンプ36に
よって、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吐
出側に還流スル戻し手段Bを備えていることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項3に係る本発明装置は、被処理物で
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から排出された
液体を、前記減圧弁28の手前から第二のポンプ36に
よって、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吐
出側に還流スル戻し手段Bを備えていることを特徴とす
るものである。
ある有害有機物とは別個に、前記反応器6に対してタン
ク1からの水をポンプ3を介して加圧送給する第1加圧
送給手段Aを備え、前記気液分離器25から排出された
液体を、前記減圧弁28の手前から第二のポンプ36に
よって、前記第1加圧送給手段Aにおけるポンプ3の吐
出側に還流スル戻し手段Bを備えていることを特徴とす
るものである。
【0012】請求項4に係る本発明装置は、第1加圧送
給手段Aにおけるポンプ3が吐出量可変に構成され、該
吐出量が、前記第二のポンプ36との流量総和が一定と
なるように制御されていることを特徴とするものであ
る。請求項5に係る本発明装置は、第1加圧送給手段A
のポンプ3が吐出量可変に構成され、該吐出量を、気液
分離器25の液面により制御されていることを特徴とす
るものである。
給手段Aにおけるポンプ3が吐出量可変に構成され、該
吐出量が、前記第二のポンプ36との流量総和が一定と
なるように制御されていることを特徴とするものであ
る。請求項5に係る本発明装置は、第1加圧送給手段A
のポンプ3が吐出量可変に構成され、該吐出量を、気液
分離器25の液面により制御されていることを特徴とす
るものである。
【0013】請求項6に係る本発明装置は、気液分離器
25から減圧弁27を介して大気放出される気体の出口
に、脱着可能な吸着手段40を備えていることを特徴と
するものである。請求項7に係る本発明装置は、反応器
6、気液分離器25、第1加圧送給手段Aおよび戻し手
段Bを、車両41に搭載して可搬式にしていることを特
徴とするものである。
25から減圧弁27を介して大気放出される気体の出口
に、脱着可能な吸着手段40を備えていることを特徴と
するものである。請求項7に係る本発明装置は、反応器
6、気液分離器25、第1加圧送給手段Aおよび戻し手
段Bを、車両41に搭載して可搬式にしていることを特
徴とするものである。
【0014】請求項8に係る本発明装置は、前記可搬式
のシステムを、処理対象である有害有機物の貯蔵所に搬
入して処理を行い、処理による分解生成物をふたたび貯
蔵所に戻して低次有害有機物として再貯蔵することを特
徴とするものである。
のシステムを、処理対象である有害有機物の貯蔵所に搬
入して処理を行い、処理による分解生成物をふたたび貯
蔵所に戻して低次有害有機物として再貯蔵することを特
徴とするものである。
【0015】
【実施例と作用】以下、図を参照して本発明の実施例の
いくつかを説明するが、各実施例において共通部分は共
通符号で示している。第1実施例を示している図1にお
いて、1は水タンクであり、閉止弁2を経て高圧ポンプ
3によって加圧され、逆止弁4を経て流通式の予熱器5
に送給されるようになっていて第1加圧送給手段Aを構
成している。8は、被処理物である有害有機物(一例と
してはPCB)の貯蔵タンクであって、閉止弁9経由、
高圧ポンプ10によって加圧され、逆止弁11を経て予
熱器5に送給される。12は、本発明に係る超臨界水条
件下の酸化反応に使用する酸化剤のタンクであって、同
様に閉止弁13、高圧ポンプ14、逆止弁15を経由で
予熱器5に加圧送給される(一例としては過酸化水素
水。空気もしくは酸素のような気体を用いる場合には、
ガスボンベからブースタポンプによって一端アキュムレ
ータに畜圧し、しかるのち減圧弁によって減圧供給する
方式をとることができる)。16は、後述の酸化分解の
過程で例えば被処理物がPCBであると塩素原子を含む
ことから塩酸を生成するので、これを中和するためのア
ルカリ溶液であり、酸化剤同様に閉止弁17、高圧ポン
プ18、逆止弁19経由で予熱器5に送給される(アル
カリ溶液としては、一例としてカ性ソーダを用いること
ができる)。
いくつかを説明するが、各実施例において共通部分は共
通符号で示している。第1実施例を示している図1にお
いて、1は水タンクであり、閉止弁2を経て高圧ポンプ
3によって加圧され、逆止弁4を経て流通式の予熱器5
に送給されるようになっていて第1加圧送給手段Aを構
成している。8は、被処理物である有害有機物(一例と
してはPCB)の貯蔵タンクであって、閉止弁9経由、
高圧ポンプ10によって加圧され、逆止弁11を経て予
熱器5に送給される。12は、本発明に係る超臨界水条
件下の酸化反応に使用する酸化剤のタンクであって、同
様に閉止弁13、高圧ポンプ14、逆止弁15を経由で
予熱器5に加圧送給される(一例としては過酸化水素
水。空気もしくは酸素のような気体を用いる場合には、
ガスボンベからブースタポンプによって一端アキュムレ
ータに畜圧し、しかるのち減圧弁によって減圧供給する
方式をとることができる)。16は、後述の酸化分解の
過程で例えば被処理物がPCBであると塩素原子を含む
ことから塩酸を生成するので、これを中和するためのア
ルカリ溶液であり、酸化剤同様に閉止弁17、高圧ポン
プ18、逆止弁19経由で予熱器5に送給される(アル
カリ溶液としては、一例としてカ性ソーダを用いること
ができる)。
【0016】予熱器5においては、後述する冷却器7と
の間に熱交換を行わしめるための伝熱媒体がポンプ20
により管路21から管路22を経て循環するようになっ
ており、管路22にはプレヒータ23が設けられて、シ
ステムの起動の際にはプレヒータ23によって伝熱媒体
が加熱され、ひいては予熱器5が加熱されて、それにと
もなって予熱器5に流入する混合流体の温度が水の超臨
界条件近傍に達するようにされ、またその圧力は後述の
減圧弁によって水の超臨界条件を保つように設定され
る。
の間に熱交換を行わしめるための伝熱媒体がポンプ20
により管路21から管路22を経て循環するようになっ
ており、管路22にはプレヒータ23が設けられて、シ
ステムの起動の際にはプレヒータ23によって伝熱媒体
が加熱され、ひいては予熱器5が加熱されて、それにと
もなって予熱器5に流入する混合流体の温度が水の超臨
界条件近傍に達するようにされ、またその圧力は後述の
減圧弁によって水の超臨界条件を保つように設定され
る。
【0017】以上の反応温度・圧力場(374°C、2
20気圧)を形成しつつ混合流体は流通式の反応器6に
流入し、同反応器6の内部で有害有機物は超臨界水溶液
媒下での均一分散状態で酸化剤による酸化分離反応を起
こして(その際の発熱により昇温し、超臨界状態を維持
しつつ)、主成分としては水と炭酸ガスとに分解し(塩
酸はアルカリ溶液により中和されて、例えばカ性ソーダ
によって水と食塩とになり)、冷却器7に流入し、すで
に述べた伝熱媒体に放熱冷却され(定常状態に達した
後)は、当該放熱が予熱器5の加熱に使われてプレヒー
タ23の稼働は不要となる)、さらに冷却器24で冷却
されて気液分離器25に流入する。気液分離器25で
は、気体(主成分炭酸ガス)と液体(主成分水)とに分
離されて、気体は減圧弁26、閉止弁27を経て大気放
出され、一方液体は同じく減圧弁28、閉止弁29を経
て貯留タンク30に排出されるが、さらに本発明では戻
し手段Bを構成する還流管路31により、フィルタ32
を経由して先に水の高圧ポンプ3の吸込み側に還流され
るようになっている。
20気圧)を形成しつつ混合流体は流通式の反応器6に
流入し、同反応器6の内部で有害有機物は超臨界水溶液
媒下での均一分散状態で酸化剤による酸化分離反応を起
こして(その際の発熱により昇温し、超臨界状態を維持
しつつ)、主成分としては水と炭酸ガスとに分解し(塩
酸はアルカリ溶液により中和されて、例えばカ性ソーダ
によって水と食塩とになり)、冷却器7に流入し、すで
に述べた伝熱媒体に放熱冷却され(定常状態に達した
後)は、当該放熱が予熱器5の加熱に使われてプレヒー
タ23の稼働は不要となる)、さらに冷却器24で冷却
されて気液分離器25に流入する。気液分離器25で
は、気体(主成分炭酸ガス)と液体(主成分水)とに分
離されて、気体は減圧弁26、閉止弁27を経て大気放
出され、一方液体は同じく減圧弁28、閉止弁29を経
て貯留タンク30に排出されるが、さらに本発明では戻
し手段Bを構成する還流管路31により、フィルタ32
を経由して先に水の高圧ポンプ3の吸込み側に還流され
るようになっている。
【0018】すなわち、以上のように有害有機物の分解
を行わしめる超臨界場を形成するところの水を還流して
用いているので、系外に排出されるものは有害有機物の
投入分相当量となり、仮に分解されたものの危険性を勘
案して再処理のための再貯蔵を行うにしても最低限の貯
蔵量で済むこととなって、そのメリットは大きい。図2
は、第2実施例であって、気液分離器25を出た液体が
少なくとも二つの減圧弁28,33によって二段減圧さ
れて大気に排出されるようになっており、この二つの減
圧器28,33の間には大気圧との差圧を利用した膜分
離器(例えば逆浸透膜)34が設置されて、排出される
液体の大部分が浄化されて管路31から水の高圧ポンプ
3の吸込み側に還流されるようになっており、例えば排
出液体中の食塩分を除去してシステムの腐食低減に寄与
する。
を行わしめる超臨界場を形成するところの水を還流して
用いているので、系外に排出されるものは有害有機物の
投入分相当量となり、仮に分解されたものの危険性を勘
案して再処理のための再貯蔵を行うにしても最低限の貯
蔵量で済むこととなって、そのメリットは大きい。図2
は、第2実施例であって、気液分離器25を出た液体が
少なくとも二つの減圧弁28,33によって二段減圧さ
れて大気に排出されるようになっており、この二つの減
圧器28,33の間には大気圧との差圧を利用した膜分
離器(例えば逆浸透膜)34が設置されて、排出される
液体の大部分が浄化されて管路31から水の高圧ポンプ
3の吸込み側に還流されるようになっており、例えば排
出液体中の食塩分を除去してシステムの腐食低減に寄与
する。
【0019】図3は本発明の第3実施例を示し、前記の
還流を気液分離器25の液排出直後に行うものであっ
て、減圧弁28の手前からフィルタ35を経て第二の高
圧ポンプ36によって、管路31から先の水の高圧ポン
プ3の吐出側逆止弁4の出口に、逆止弁37を介して戻
したものである。このことによって、高圧の減圧弁28
の通過流量が減じてその寿命改善に役立ち、さらには還
流が高圧下で行われて消費動力の観点からも好ましいも
のといえる。
還流を気液分離器25の液排出直後に行うものであっ
て、減圧弁28の手前からフィルタ35を経て第二の高
圧ポンプ36によって、管路31から先の水の高圧ポン
プ3の吐出側逆止弁4の出口に、逆止弁37を介して戻
したものである。このことによって、高圧の減圧弁28
の通過流量が減じてその寿命改善に役立ち、さらには還
流が高圧下で行われて消費動力の観点からも好ましいも
のといえる。
【0020】図4は、本発明の第4実施例を示し、図3
における還流(戻し手段)に対し、システム安定化の観
点から水の高圧ポンプ3の吐出量を可変となるように
し、総計の流量を流量計38でモニタして、その出力で
もって流量制御するようにしたものであり、図5に示し
た第5実施例は流量制御を気液分離器25の液面計39
をモニタして行うようにしたものである。
における還流(戻し手段)に対し、システム安定化の観
点から水の高圧ポンプ3の吐出量を可変となるように
し、総計の流量を流量計38でモニタして、その出力で
もって流量制御するようにしたものであり、図5に示し
た第5実施例は流量制御を気液分離器25の液面計39
をモニタして行うようにしたものである。
【0021】図6は、第6実施例を示し、以上例示した
システムの気体排出口に、脱着可能な吸着剤(吸着手
段)40を配設したものであって、吸着剤としては炭素
もしくは有機物からなるものであれば、処理完了後これ
らを粉砕して被処理物として酸化分解させることがで
き、排出気体の安全性確保とともに吸着有害有機物の再
処理という点でも望ましいものである。
システムの気体排出口に、脱着可能な吸着剤(吸着手
段)40を配設したものであって、吸着剤としては炭素
もしくは有機物からなるものであれば、処理完了後これ
らを粉砕して被処理物として酸化分解させることがで
き、排出気体の安全性確保とともに吸着有害有機物の再
処理という点でも望ましいものである。
【0022】すなわち、無機系吸着剤で吸着し、これを
溶媒で洗浄して該洗浄液を酸化分解し、吸着剤は再利用
することも可能である。図7は、第7実施例を示し、上
記システムの全体を車両一例としてのトラック41に積
載して移動可能に構成したものであり、このことによっ
て貯蔵された有害有機物を処理のために移動させること
なくその貯蔵所の近くで本件発明に係る処理を行うこと
を可能とし、その場合、分離処理されたものの安全性の
観点から再度なんらかの処理を行うにしても、本発明の
システムを用いれば被処理物の総量が増えることはな
く、現場で元の貯蔵タンクに戻して安全度を高めた状態
に転換して保存しうるので、環境保全の観点から好まし
い手段を提供することになる。なお、トラックには、シ
ステム稼働用の簡易発電設備42をあわせて搭載するこ
とも可能であり、また好ましいものである。
溶媒で洗浄して該洗浄液を酸化分解し、吸着剤は再利用
することも可能である。図7は、第7実施例を示し、上
記システムの全体を車両一例としてのトラック41に積
載して移動可能に構成したものであり、このことによっ
て貯蔵された有害有機物を処理のために移動させること
なくその貯蔵所の近くで本件発明に係る処理を行うこと
を可能とし、その場合、分離処理されたものの安全性の
観点から再度なんらかの処理を行うにしても、本発明の
システムを用いれば被処理物の総量が増えることはな
く、現場で元の貯蔵タンクに戻して安全度を高めた状態
に転換して保存しうるので、環境保全の観点から好まし
い手段を提供することになる。なお、トラックには、シ
ステム稼働用の簡易発電設備42をあわせて搭載するこ
とも可能であり、また好ましいものである。
【0023】なお本発明に係る構成について、超臨界水
条件下の酸化を例として説明を行い、またその有用性は
特に有害な有機物を同技術を適用して処理する際に特段
の効果を発揮するものであるが、超臨界水条件下に酸化
剤を用いずに加水分解を行わしめるような場合、あるい
は亜臨界水のもとでの酸化分解等にも同様に適用可能で
あることはいうまでもない。
条件下の酸化を例として説明を行い、またその有用性は
特に有害な有機物を同技術を適用して処理する際に特段
の効果を発揮するものであるが、超臨界水条件下に酸化
剤を用いずに加水分解を行わしめるような場合、あるい
は亜臨界水のもとでの酸化分解等にも同様に適用可能で
あることはいうまでもない。
【0024】更に、有害有機物としてはPCBの他にフ
ロン等をも含むものである。
ロン等をも含むものである。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、有
害な有機物の超臨界水条件下の酸化分解に際して、排出
される分解物の総量を低減すること可能とし、さらには
実施にともなうシステムの耐久性改善あるいはエネルギ
ー消費の改善を可能とし、さらには排出系の安全性を高
め、また一般的な移動が困難な有害物質の処理を貯蔵所
近くで安全に行うことを可能とし、もって環境浄化が問
題となっている現下の社会情勢に対する寄与は著しく大
きいといえる。
害な有機物の超臨界水条件下の酸化分解に際して、排出
される分解物の総量を低減すること可能とし、さらには
実施にともなうシステムの耐久性改善あるいはエネルギ
ー消費の改善を可能とし、さらには排出系の安全性を高
め、また一般的な移動が困難な有害物質の処理を貯蔵所
近くで安全に行うことを可能とし、もって環境浄化が問
題となっている現下の社会情勢に対する寄与は著しく大
きいといえる。
【図1】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図8】従来例の全体構成を示す構成図である。
1 タンク 3 ポンプ 5 予熱器 6 反応器 7 冷却器 25 気液分離器 A 第1加圧送給手段 B 戻し手段
フロントページの続き (72)発明者 古田 覚士 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 水の超臨界条件下に、酸素含有流体によ
る有害有機物の分解処理をする反応器(6)と、該反応
器(6)で分解処理された分解生成物の気液分離をする
気液分離器(25)と、を備えている有害有機物の超臨
界水酸化処理装置において、 被処理物である有害有機物とは別個に、前記反応器
(6)に対してタンク(1)からの水をポンプ(3)を
介して加圧送給する第1加圧送給手段(A)を備え、前
記気液分離器(25)から分離された液体を、前記第1
加圧送給手段(A)におけるポンプ(3)の吸い込み側
に還流する戻し手段(B)を備えていることを特徴とす
る有害有機物の超臨界水酸化処理装置。 - 【請求項2】 水の超臨界条件下に、酸素含有流体によ
る有害有機物の分解処理をする反応器(6)と、該反応
器(6)で分解処理された分解生成物の気液分離をする
気液分離器(25)と、を備えている有害有機物の超臨
界水酸化処理装置において、 被処理物である有害有機物とは別個に、前記反応器
(6)に対してタンク(1)からの水をポンプ(3)を
介して加圧送給する第1加圧送給手段(A)を備え、 前記気液分離器(25)から排出された液体が少なくと
も二つの減圧弁(28)(33)を介して大気放出され
るようになっており、かつ該二つの減圧弁(28)(3
3)の間には差圧利用による膜分離器(34)が設けら
れ、該膜分離器(34)により浄化された液体を前記第
1加圧送給手段(A)における前記ポンプ(3)の吸込
み側に還流する戻し手段(B)を備えていることを特徴
とする有害有機物の超臨界水酸化処理装置。 - 【請求項3】 水の超臨界条件下に、酸素含有流体によ
る有害有機物の分解処理をする反応器(6)と、該反応
器(6)で分解処理された分解生成物の気液分離をする
気液分離器(25)と、を備えている有害有機物の超臨
界水酸化処理装置において、 被処理物である有害有機物とは別個に、前記反応器
(6)に対してタンク(1)からの水をポンプ(3)を
介して加圧送給する第1加圧送給手段(A)を備え、 前記気液分離器(25)から排出された液体を、前記減
圧弁(28)の手前から第二のポンプ(36)によっ
て、前記第1加圧送給手段(A)におけるポンプ(3)
の吐出側に還流する戻し手段(B)を備えていることを
特徴とする有害有機物の超臨界水酸化処理装置。 - 【請求項4】 第1加圧送給手段(A)におけるポンプ
(3)が吐出量可変に構成され、該吐出量が、前記第二
のポンプ(36)との流量総和が一定となるように制御
されていることを特徴とする請求項3記載の有害有機物
の超臨界水酸化処理装置。 - 【請求項5】 第1加圧送給手段(A)のポンプ(3)
が吐出量可変に構成され、該吐出量を、気液分離器(2
5)の液面により制御されていることを特徴とする請求
項3記載の有害有機物の超臨界水酸化処理装置。 - 【請求項6】 気液分離器(25)から減圧弁(27)
を介して大気放出される気体の出口に、脱着可能な吸着
手段(40)を備えていることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の有害有機物の超臨界水酸化処理装
置。 - 【請求項7】 反応器(6)、気液分離器(25)、第
1加圧送給手段(A)および戻し手段(B)を、車両
(41)に搭載して可搬式にしていることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の有害有機物の超臨界水
酸化処理装置。 - 【請求項8】 前記可搬式のシステムを、処理対象であ
る有害有機物の貯蔵所に搬入して処理を行い、処理によ
る分解生成物をふたたび貯蔵所に戻して低次有害有機物
として再貯蔵することを特徴とする超臨界水酸化処理に
よる有害有機物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7093494A JPH07275870A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 有害有機物の超臨界水酸化処理装置および処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7093494A JPH07275870A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 有害有機物の超臨界水酸化処理装置および処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07275870A true JPH07275870A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13445844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7093494A Pending JPH07275870A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 有害有機物の超臨界水酸化処理装置および処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07275870A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102295366A (zh) * | 2011-08-04 | 2011-12-28 | 丰城向华水基科学技术有限公司 | 一种超临界水氧化处理废水工艺及其反应设备 |
JP2013184124A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Toshiba Corp | 水処理装置、及び水処理装置 |
CN104291546A (zh) * | 2014-10-26 | 2015-01-21 | 中国科学院重庆绿色智能技术研究院 | 超临界水氧化装置 |
-
1994
- 1994-04-08 JP JP7093494A patent/JPH07275870A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102295366A (zh) * | 2011-08-04 | 2011-12-28 | 丰城向华水基科学技术有限公司 | 一种超临界水氧化处理废水工艺及其反应设备 |
JP2013184124A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Toshiba Corp | 水処理装置、及び水処理装置 |
CN104291546A (zh) * | 2014-10-26 | 2015-01-21 | 中国科学院重庆绿色智能技术研究院 | 超临界水氧化装置 |
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